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気候変動への適応―その法的諸相―

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気候変動への適応―その法的諸相―

著者 ファーバー, ダニエル・A, 阿部 満, 辻 雄一郎

雑誌名 明治学院大学法学研究 = Meiji Gakuin law journal

巻 97

ページ 119‑138

発行年 2014‑08‑31

その他のタイトル The Legal Dimensions of Climate Change Adaptation

URL http://hdl.handle.net/10723/1981

(2)

気候変動への適応―その法的諸相―

ダニエル・A・ファーバー

(1)

阿部 満・辻 雄一郎(共訳)

じめに

 気候変動は全世界で脅威となってきている。たとえば,アジア太平洋地域の 国々には重大な影響があるだろう(2)。できることなら,世界の国々は温室効果 ガスの排出を抑制する措置を講じて欲しいし,そのことによって気候変動の程 度をおさえられるだろう。しかし,気候変動に対する適応は,必要な対策のひ とつである。

 適応は幅広い領域での対策を含む。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)

によれば,「人間社会が利用できる潜在的な適応対策の範囲は広い。純粋に技 術的なもの(例,海岸堤防)から人間の行動態様に関するもの(例,代替的食物,

娯楽の選択),管理に関するもの(例,代替的農法),そして政策に関するもの(例,

計画的規制)にまでおよぶ(3)。」しかし適応は容易ではないだろうし,我々は,

適応策がどれだけ効果をあげるのかをはっきりとは知り得ない。「多くの科学 技術や戦略が知られており,実際にいくつかの国で展開されているが,これら の技術や戦略を評価している文献は,様々な選択肢がどれだけ効果的にリスク を十分に削減できるかを示してはいない。特に一層高いレベルの温暖化とその 影響についてのリスク,及び影響を受けやすい脆弱な集団にとってのリスクに ついてはそうである(4)。」

 また,適応は,安価でできるものではないだろう。ある経済的分析によれば,

(3)

「社会的生産基盤(インフラ)は,深刻な洪水や嵐に対してとりわけ脆弱である。

その理由のひとつは,OECD経済が,毎年GDPの約二十パーセント,およそ 五兆 五 千 億ド ル を固定 資本 に 投資 し て お り,そ の 四分の一以上が建 設に

(一兆五千億ドル,その大部分がインフラや建物にまわる)流れ込んでいるからであ る(5)。」この分析が示すところによれば,「この投資を今より高いリスクがある 将来に適応させるための追加的費用は,毎年一五〇から一五〇〇億ドル(GDP の 0.05 から 0.5 パーセント)にのぼり,その費用の三分の一は米国が負担し,五 分の一を日本が負担することになる(6)。」ほかの試算では,後発発展途上国で の短期間に限ったものをカーバ−しただけだが,それでも緊急に必要とされる 適応策に百億ドル以上が必要とされる(7)

 適応のむずかしさは,気候変動のペースと,異常気象の増加の可能性によっ て直接変ってくる。「洪水や干ばつのような異常気象では,社会の多くの部分 に広範な損害を招き,それゆえ適応の必要性を決定する論点は,極端な事例の 発生頻度,強度,持続性の程度である(8)。」明らかに,適応は,より緊急性を まし,より困難な問題になっている。気候変動が加速すればそれだけ,気候変 動は洪水,熱波,干ばつのような事態をより厳しい形で引き起こすのである。

 第一部で,適応の必要性と,国際法がこれらの必要性に対して,どのように 用いられているか,を概観する。その後,法律が気候変動に対応する方法を,

国内そして地方レベルで検討していこう。

I.国際法上

気候変動適応策 課題

 法律がどれだけ気候変動に対応すべきかを検討するに際して,我々は,気候 変動の影響ならびに,適応対策の必要性の範囲を理解する必要がある。これら についてパートAで検討する。パートBでは,適応に直接関連する国際的交 渉の現状を検討する。パートCでは,関連する一つの問題,すなわち,重大

(4)

災害に関する国際法の現状を検討する。なぜなら,気候変動を原因とするこれ らの事象がいっそう頻繁になるからである。

A. 気候変動による脅威

 近年,まれに例外はあるものの,全世界の気温は観測史上もっとも温暖となっ ており(9),将来の排出と気候の感受性に左右されるが,世界は,最終的には現 在よりも摂氏二から七度上昇するだろう(10)。北極の気候の変化の程度はこの約 二倍になるだろう(11)

 二度の温暖化ですら,過去数百年間の変化よりも地球をより温暖にすること になる(12)。世界銀行は,四度の気温上昇がいっそう深刻な影響をもたらすと試 算した。世界銀行によれば,「荒れ狂う(と表現する)」影響には次の影響が含 まれる。「沿岸都市での氾濫。食糧生産のリスクが増大し,栄養失調率の上昇 につながる可能性がある。多くの干ばつ地域は一層乾燥するだろう。湿潤な地 域は一層湿潤になるだろう。前例のない熱波が,多くの地域で,とくに熱帯で 発生するだろう。多くの地域で,水不足が悪化するだろう。強度を増した熱帯 サイクロンはさらに頻繁に発生するだろう。サンゴ礁を含めた生態系の多様性 は不可逆的な損失を被るだろう(13)。」世界銀行は次のように結論づけている。

「もっとも重要なことだが,四度気温上昇した世界は現在とあまりに大きく異 なるので,将来の適応策の必要性を予測し,計画するわれわれの能力を脅かす ほどの高い不確実性と,新しいリスクを伴うということである(14)。」

 もっとも最近(二〇一三)のIPCC報告書は,気候変動の影響により一層の 懸念を高めている(15)。緩和策の努力をしなければ,地球の気温は今世紀末には 四度上昇し,世界銀行報告書で議論されたのと同じ気温上昇に至るとIPCCは 予想している(16)。緩和の努力や気候の仕組みの感度に左右されるが,海面は 二一〇〇年までに二五センチメートルから一メートルの上昇に至る可能性があ る(17)。さらに,乾燥した地域は一層乾燥して,湿潤地域は一層湿度があがるだ

(5)

ろう(18)。「多くの大陸の中緯度地域及び湿った熱帯での豪雨は,いっそう激し くかつ頻繁になるだろう(19)。」

 最近のほかの二つの報告書,IPCCの「気候変動への適応推進に向けた極端 現象及び災害のリスク管理に関する特別報告書」(Special Report Managing the Risks of Extreme Events and Disasters to Advance Climate Change Adaptation)(20)とオー ストラリアの気候変動委員会の「危機的時代,異常気象」(21)は,気候変動と自 然災害の因果関係に注目している。近年,火災,洪水,熱波といった異常気象 現象が広がりつつある(22)。これらの切迫した変化は,解決すべき深刻な問題を 提示している(23)。「洪水や干ばつのような異常気象現象は,社会の多くの場所 で広範な損害をひきおこしており,適応にとってもっとも重要な争点は異常気 象現象の頻度,強度,持続性の程度である(24)。」海面上昇は,とくに大阪や名 古屋といった主要な都市に影響を与え(25),海面上昇で危機に瀕する日本人口 は,九〇〇万人にのぼるだろう(26)

 二酸化炭素排出の削減は,影響の深刻さを軽減するのに役立つ。それでもや はり,気候変動についてある程度,準備しなければならなず,自分自身では対 応できない国家も存在する。したがって,気候変動に対応する国家を国際法が どのように手助けできるかを検討しなければならない。

B. 国際法と適応

 国際法は適応対策に従事する義務を現在,認めている(27)。カンクン合意によ れば,「適応について強化された行動は,国家を主体とし,ジェンダーに配慮し,

参加型で完全に透明性のある取り組みで,脆弱な集団,コミュニティや生態系 を考慮する」[Ⅱ(12)]。さらに締約国会議は,「適応行動を強化するすべての 当事者を招待して…共通だが差異ある責任と各自の能力を考慮し,(特定の行動 を)実行する」[Ⅱ(14)](28)。ドーハ協定は締約国が,予防的措置を実施し,こ の点でさらに努力を強化する必要があることを再確認している(29)

(6)

 我々は何世紀とまではいかないにせよ,何十年におよびそうな,気候変動の 初期段階にいる。適応策は,この気候変動期の間,喫緊の問題であるだろう。

特に発展途上国での適応の必要性は,この先数年,深刻となるだろう。したがっ て,気候変動への適応について地球規模のプロジェクトを協働するためたくま しく国際的な枠組みを創造することを目標にする観点からは,これまでの国際 協定は,単に法形成過程の初期段階にすぎないと評価されなければならない。

C. 気候変動と国際災害法

 気候変動は,洪水や嵐のような災害のリスクにさらされる可能性を増大させ るだろう。我々は,災害をあつかう国際的な役割も検討しなければならない。

国際制度からみれば,災害は決して新しい問題ではない。災害についての国際 的な支援は,一七五五年のリスボン大地震後におこなわれた(30)。三年後,高名 な国際法学者のEmmanuel Vattelが国際法の一部として支援の提供の義務を認 めた(31)

 したがって,現代の初頭には,主要な災害に対応する国際共同体の必要性が すでに認識されていた。しかし,この素晴らしい門出の後,この対応の法的根 拠を創設する進歩は遅かった。災害についての国際的な法的仕組みを組み立て る努力は一九世紀後期に始まった(32)。戦争で被害をこうむった者に対するジュ ネーブ条約の保護を自然災害の被害者にも適用するように赤十字は求めた(33)。 一九二一年までに,赤十字は災害についての国際協定を推奨し,その結果国際 救済連合が創立されたが,第二次世界大戦で崩壊した(34)。国際救済連合は財政 的な機能が欠けていたことでうまく機能しなかった(35)。したがって,国際的な 協働の枠組みを設立する努力を再び開始しなければならかった。

 第二次世界大戦後の時代には,二国間の双務的な災害救助条約の創設やある 地域間での努力が見られた(36)。これらの条約は,当初は狭い範囲であったが,

時間の経過ともに範囲を広げ,活動の調整,救援活動者のアクセスや装備,費

(7)

用分担の問題にもおよぶようになった(37)。国際救済連合の後継が国連災害救済 調整官であり(38),のちに国際連合人道問題調整事務所に統合された(39)。その ウェブサイトによれば,国際連合人道問題調整事務所は世界に三十以上の事務 所と一九〇〇の職員で構成される(40)

 自然災害の支援についての地域上の協定,自然災害後の電気通信や航空と いった特定分野をあつかう特別な条約も存在している(41)。たとえば,タンペア 条約(Tampere Convention)は,自然災害における電気通信の利用をあつかって いる(42)

 スフィアプロジェクトは,国際的な支援の基準をあつかおうとしている(43)。 スフィアプロジェクトは一九九六年に赤十字ないし赤新月社やNGOによって はじまった(44)。最低基準の一覧,基準を実施するための実用的な方法について の提案,基準に適合しているかどうか,についての判断を指示している(45)。重 要な関心事は,子どものような脆弱な集団を保護することにある(46)

 政府は,大規模災害に対する地球規模の協力を考えはじめた。二〇〇五年一 月に,東南アジア(津波)直後に,政府職員が神戸で自然災害を議論した(47)。 ひとつの結果が兵庫行動枠組みであり,次の十年の優先順位を設定した(48)。 二〇一五年以降の期間の考察も現在進行している(49)

 しかし,これらの進歩している分野にもかかわらず,災害対応に関して国際 法上,「越えられない深い溝」がいまだに存在していると赤十字は考えている(50)。 災害救済が国際的な協議事項とされてからの時間からみれば,その進歩の量は 落胆すべきものであった。

 二〇〇以上のNGOや何十もの政府がかかわった東南アジアの津波に対応す る大規模な国際的な対応では,いくつかの問題が判明した。混乱の結果,意思 伝達が不十分となり,努力が重複し,専門知識の欠如が共有されなかった結果,

支援の失敗を招いた(51)。たとえば,同じ地域内での集団が競合した結果,情報 が共有されないことがあった。女性の必要としているものを考慮していない村

(8)

長から情報を入手した団体,スリランカに冬物の衣服が届けられるなど誤って 資源が配置された(52)。津波は,気候変動が引き起こしたものではないが,海面 上昇は,将来の津波の影響を悪化させるだろう。しかし,台風や大規模干ばつ といった別の種類の自然災害は,主要な国際的支援を必要とするだろう。我々 はこの支援を提供するためにまだ十分に組織されていない。

 国際制度は,災害の財政的な影響の幾つかをあつかいはじめたばかりでもあ る。国際通貨基金(IMF)は,国際収支が災害によって破たんした場合に特別 支援を行うことができる(53)。国際通貨基金は「地震,干ばつ,ハリケーン,洪 水やサイクロンの場合を支援」してきた(54)。世界銀行は災害基金にも関わって きた。たとえば(東南アジアの津波後の)インドネシアやハイチの再建のための 特別目的資金を創設した(55)

 諸国家は,個々の災害後にどれだけの金額を寄付できるかについて個別に決 定をする場合に比べ,あらかじめ資金を集めることを嫌うかもしれない。大き な災害の発生の頻度が少なく,発生地の距離が離れている限りは,事案ごとの 手法も有効に機能するかもしれない。しかし,気候変動のため自然災害のペー スは加速し,さらに体系的な枠組みができるかもしれない。国連気候変動枠組 条約適応基金は,必要とされる資源の注入を基金自身が受領できれば,リスク 軽減するための財源となるかもしれない(56)

 国際人権法も災害の問題に関連するかもしれない。たとえば,災害が居住地 を破壊したあとに支援を必要とする家屋に対する人権も存在するかもしれない(57)。 もちろん多くの場合において,政府は既に避難場所を提供したり,政府の権限 が発揮できる場所では,共同体を再建したりできる理由をすでにもっている。

しかし,だまされて被害にあう集団もいるかもしれない。再建過程における女 性や民族上の少数者に対して,企業が差別する可能性もあり,場合によっては,

他の人権上の義務を伴うかもしれない。

 再建は,災害で予想される被害を減少させるために,土地利用や建設基盤を

(9)

変更して将来のリスクを減らすことを考える機会になるべきである。気候変動 や脆弱な地域における人口増加といった根本的原因の幾つかをあつかわなけれ ば,災害のリスクはさらに上昇するだろう。

 しかし,同じ場所で再建することは,災害でのすべての被害者にとっての選 択肢とはいえないかもしれない。移住は,自然災害や気候変動に伴う有害事象 に対する確立された対応である(58)。災害の多くの被害者は,自分の当初の家屋 に戻ることができないか,あるいはみずからすすんで戻ろうとしない。かわり に,同じ国内あるいは他国のいずれか別の場所で居住するよう試みるかもしれ ない。国際法がふたたびこの状態と関連する。たとえば,日本は気候変動の避 難民にとっての目的国となる可能性が高い(59)。この状況をどのように国際法の 観点からあつかうかについておおくの議論がある。

 擁護者は,「このような人びとを『気候変動による難民(climate migrants)』 あるいは『環境上の移動を余儀なくされた人々』と呼び,彼らのために国際法 とは別の法的経路,主として国内法と国際的な気候変動枠組への拡張案によっ て,彼らの保護を模索する(60)。」残念ながら,これらの努力は,「論争があり,

大部分が成功しておらず,これらの人々は最低限度の法的保護を提供され,気 候変動適応の救済支援は必ずしも十分ではない資源に頼っている(61)。」  すくなくともこれらの個人が国境を越える場合,彼らを保護する国際条約が 提案されたことがあった(62)。国際法は,自国内で異なる場所を移動せざるをえ なくなった人々の扱いについてあまり言及していない(63)。これらの人々を保護 するための国際会議を招集するべきだという人もいる(64)。もし気候変動がこの 問題をさらに大きくするのであれば,国際共同体が,これらの難民を十分に保 護できない国家の状態を将来考慮しなければならないだろう。

(10)

II.気候適応と国内法

 気候変動はあらゆる人間活動にまたがり,法律の大部分を調整しなければな らないかもしれない。しかしながら,ここではいくつかの特定の争点に注目す る。パートAは,気候変動の政府機関の部門について議論する。パートBは,

気候変動のため計画する行政機関の必要性を議論する。パートCは,気候変 動が財産法に与える影響を議論する。

A. 政府機関 地理的区分

 地方政府は,直接的に気候変動の影響を扱っている。重要な社会的生産基盤 を所有したり,認可したり,健康上のサービスを提供していたり,多くの場合 土地利用を統制したりしている。しかし,中央政府も,適応のための命令的な 基準を提供したり,適応を助成したりして,介入する。適応の必要が本当にさ しせまったものとなる前に,地方と中央政府の適切な役割を考えなければなら ない。

 地方政府の基準を設定し,気候変動と関連する問題を直接扱う形で介入する 場合,中央政府は次の分野に関与するかもしれない。

・ (a)氾濫原や沿岸地域での社会的生産基盤の建設制限,(b)内陸部にある既 存の社会的生産基盤を移転させる命令,(c)追加的な洪水統制プロジェクト の構築といった洪水のリスクの増加をあつかう努力

・ 一層,気温が上昇し,あるいは乾燥したりして野火の影響を受けるだろう地 域での建設制限の設定

・ 増加する干ばつの脅威をあつかう適応的措置。次のものを含む。(a)乾季中 の複数の州の間の水の配分,(b)灌漑システムや市の水利システムへの水保 全のための地域的あるいは全国的な要求,(c)灌漑地域における米や綿のよ

(11)

うな穀物の生産禁止

・ 気候変動によって種の生息地の移動がせまられる可能性がある場合,危機に 瀕した種が訴訟を提起することは今のところできないので,種の保全を土地 の所有者に要請し,種の多様性を保持する。

 政府が関与する主たる理由は,越境作用(spillover effect)に関連する。同じ 流域で異なる地方政府が存在する場合,一か所での洪水統制は別の地域にも影 響を及ぼすかもしれない。乾燥地帯では,水を保持しなければならない州の水 の利用者が失敗すれば,下流の利用可能な水が減少してしまうかもしれない。

気候変動のため,繁殖した外来種は地方政府間の境を越えるかもしれない。そ の結果移住性のある在来種や気候変動のために生息地が北におしやられる種に 対する影響を与えるかもしれない。ハリケーンカトリーナに示されるように大 きな災害で,多くの人口が移動し,他の地域における共同体の負担も増えるか もしれない。さらに気候変動の影響を受ける高速道路,列車,動力線,パイプ ラインといった社会的生産基盤は,州の管轄外にある事業者や個人に対して影 響を及ぼし,サービスが阻害されるかもしれない。

 地方の市や地域が自己の財政を統制するという法制度においては,中央と地 方政府の間の財政の配分も重要になってくる。適応は安くはないだろう。連邦 主義の観点からみれば,問題はどのように財政上の責任を連邦政府と州との間 に分担するかである。地方政府がすべてのあるいは大部分の適応を財政的に負 担すべきか,中央政府が費用の大部分を負担するか?

 気候適応の財政上の責任を地方政府に任せるべきだという主張を組み立てる のは容易である。通常,人々は,少なくとも市場経済の理論では,自らが消費 したい場合に財やサービスに対価を支払うべきである。たとえば集団行動問題 が存在し,民間の市場が特定の財を生産することができない場合,政府が介入 する。しかし,便益を享受するものが財の生産の負担を負うべきである,とい う基本的理論は魅力がある。この理論では,適応の便益を享受する個人が費用

(12)

を負担するべきである。通常,これら地方の市民が便益を享受するだから,適 応の努力を地方政府が財政的に負うべきであると翻訳されるだろう。さらに単 純化すれば,いっそうリスクの高い地域に住むことを選んだ人々は,これらの リスクから保護されるために提供される費用を同胞たちに要求するのは不公正 だということである(65)

 したがって,沿岸部の措置について,沿岸部の地方政府が財政的に負担を負 うだろう。

 もし受益者が事業の負担を負う場合,不要あるいは高額な事業に対して,す すんでロビー活動を行うことはないだろう。しかし,中央政府(あるいは国際 的な共同体も)は,一定の負担を負うべきである。二酸化炭素を大量に排出す る産業や政府は,炭素税を通じて適応のため財政的に助力すべき義務を負うべ きかもしれない。また,国の貧しい地域の中には,適応を監督する財政的ない し制度的能力が不十分な地域もあることにも注意を払わなければならないだろ う。

 考察すべき実際的な問題も存在する。適応事業で便益を受けるのは誰かを決 定するのは必ずしも容易ではないかもしれない。たとえば,貯水事業は主とし て農家や直近の都市に便益を提供するかもしれないが,まれに乾燥する地域に おいて水が必要な場合にも,下流の水の利用者にも利用可能な水を提供するか もしれない。

 気候変動の影響を人々が容易に回避できない悪運と考えられている程度にお いて,国家レベルでの費用を共有する合意は,保険の一形態と考えられるであ ろう。さらに,政府の財政的支援は,社会が全体として特定の種類の害悪から 個人を保護するという見解を反映しているかもしれない。

 端的にいうと,適応について政府の財政的支援が魅力的な場合とは,次のよ うな場合である。適応の監督が容易な場合(地方経済に便益を与えるけれども,不 必要な事業を求めるロビー活動(政治的圧力活動)の動機付けが減少する),適応措置

(13)

によって受益者が自分自身を保護するための行為をしなくなってしまうリスク がほとんどない場合,適応することで異なる地域での富の不平等性に対処する ことになる場合,費用を二酸化炭素排出者が負担する場合である。越境効果も 重要である。適応措置が複数の地方公共団体を支援する場合,中央政府による 財政的な役割がのぞましい。

B. 財産権 再考

 財産権は固定化されたものであると一般的に理解されており,その理由は,

土地の境界が恒久的なものであって,水域に隣接している場合に限って偶発的 に変更される,と我々が考えるためである。海面上昇によって,土地の境界が おおきく変更されており,その進行方向は決してバラバラではなく,平均すれ ば内陸部に向かっている。水域に接する土地所有者からみれば,水域に対する アクセス権も安定性を失うだろう。さらに,災害のリスクが増加するので,ハ イリスクな地域に人と重要な社会的生産基盤が入りこまないように,財産の利 用を追加的に制限することが必要とされるだろう。

 これらの変化は私有財産権を憲法上保護している米国のような国家では特別 な問題を引き起こす。米国では,収用条項(財産権を保護している)は,湿原や 生態系の多様性の破壊に取り組む法律に対して深刻な挑戦となる(66)。そのよう な規制は,所有者の土地の全部あるいは一部の開発を禁止するか,あるいは水 路や他の公共地域に対する公衆の利用を要請するかもしれない。したがって,

収用条項の主張は可能である。実際,連邦控訴裁判所は,湿原について土地所 有者への補償を求めた多くの事例において,収用条項の主張を支持した(67)。  海面上昇により,かつて私人によって所有されていた土地が公有地になった り,政府が私人の海岸堤防を禁止しなければならなかったりする場合,海面上 昇は収用の問題を引きおこすだろう(68)。延転する地役権(rolling easement)は,

1 つの解決策である。要するに,水路に対する政府の規制が公的な水際に沿っ

(14)

て内陸に及んでいくという考えである。延転する地役権の背景には,政府は水 におおわれた土地や岸辺のように,水に接する土地に対して権利を保持してい るという考え方がある。沿岸が動けば公的な統制のおよぶ地域も移動する。い くつかの州では,現行の財産法が,これらの延転する地役権をすでに創設して いるかもしれない。他の場所では,任意の買収や強制収用を通じて取得するか もしれない。我々は,気候変動の時代において,土地の所有者に明確に告知し ながら,財産権を柔軟性にあつかう解決策をつくりだす必要があるだろう。

C. 行政計画 問題

 適応計画は,気候変動が人間の活動にどのような影響を与え,これらの変化 にどのように対応するかの評価を必要とする気候の影響の評価は,次の三つか ら構成される。第一に,気候の変化の可能性を同定すること,第二に,これら の気候変動が与える人間活動や自然の生態系に対する影響を分析すること,第 三に,影響をあつかう代替的な手法を分析することである。

 どのようにして,行政機関に気候変動の評価を作り,利用するように奨励で きるだろうか?第一に,気候の評価は特定事業の提案を待っていてはならない。

そのかわりに,政府は卒先的である必要があり,特定の事業が提案される前に,

その領域での気候変動影響を検討しておく必要がある。第二に,行政機関によ る気候変動問題への配慮は,行政機関の長に直接報告できる高位の公務員に よって監督されなければならない。

 二〇一三年十一月一日に,オバマ大統領は気候変動適応に取り組む大統領令 を発した。大統領令は,「国の重要な土地と水の管理機関に対して,環境諮問 委員会(Council on Environmental Quality)と行政管理予算局と協働し,気候変動 に直面して気候変動に左右されるわが国の流水域,自然資源,生態系そして共 同体や経済をより弾力性をもたせて活性化(resilient)するために,必要な土地 ならびに水利に関する政策,計画,規制に対する変更案及び規定の変更の目録

(15)

及びその評価を完成する」よう求めている。さらに,大統領令は各連邦行政機 関に対して,「信頼がおけ,容易にアクセス利用できるタイムリーなデータ,

情報,決定支援のツールを気候変動の準備と活性化のために開発し,提供する よう協働する」こと命じている(69)。これは積極的な前進であるが,気候変動の 適応が引きおこす特別な計画上の問題に対して,さらに注意が必要となる。

 気候変動には,不確実性が増加するという一面がある。「もはや,過去の記 録は,水利を設計し,建設し,計画するための指針として信頼することが出来 ない(70)。」地球規模の温暖化と気候変動の増加を確信できても,気候変動の尺 度については正確には予測し得ない。

 政府の行政機関は,この不確実性を考慮することの重要性に気づきはじめた。

たとえば,カリフォルニア州の適応計画は,各地域に対し,さらなる情報が利 用可能になるまで,干ばつが二十パーセント増加するという仮定を入れて,長 期的な気候変動によって増加するリスクと不確実性についての脆弱性を決定す るように求めている(71)

 二〇〇八年にイギリス政府は,イギリスの気候適応の枠組みを作成した(72)。 報告書はいくつかの基本原理を確立した。適応は,持続可能な開発の原理に従 い,リスクのレベルに比例しなければならず,協働と透明性を持たなければな らない(73)。重要な点として,報告書は,将来の平均的な洪水に基づく計画を利 用したシナリオ,十パーセントの蓋然性しかないようなより激しい洪水を考慮 に入れたシナリオ,双方の利用を求めていることである(74)

 不確実性という問題は適応政策の中心に位置している。「不確実性が既存の 法律の下で自然資源,健康や安全を保護する点で引き起こす障害は,十分に実 証されている(75)。」新しい方法を用いることが逆境に強い戦略をみつける助け になるだろうが,これらの方法は,一般的には用いられていない。たとえば,

ロバスト制御統制(robust optimal control,不安定な系をあつかう場合に有効な制御 理論)は,政策立案者により精力的に対応し,より厳格に軽減戦略をすすめる

(16)

ことを求めている(76)。換言すれば,予防原則を一層用いて,気候変動の適応問 題に取り組むべきである。

 我々は,リスクを合理的な確信をもって積算できる場合に状況を分析するた めには良い方法をもっている。我々は,これらの積算が存在しない状況をあつ かうために改善された方法を必要としている。適応を計画する者は,感度分析 やすべての範囲の可能性を考慮することをせずに,もっともありそうな,ある いは平均値的なシナリオを計画の唯一の基礎とみなすことに頼ってはならない。

III.結論

 気候変動の時代はすでに始まっている。気候変動は,その詳細のすべてを理 解できないけれども,何年も続くだろうし,深刻な問題をひきおこすことを知っ ている。この事実は,まず計画を始めることを緊急の課題としている。

 国際レベルでは,気候変動の相互作用と地球規模の支援のための枠組みにつ いて交渉が合意に至りはじめた。気候変動は自然災害を増加させるだろうし,

現在の国際的な最大の支援の枠組みもかなり改善の必要性があることを知って いる。

 気候変動に対する適応は,国内レベルでも多くの問題を惹起するだろう。中 央政府の手にどれだけの統制と財政的助成を留保するか,また,どれだけの金 額を地方政府にゆだねるかどうかも決定しなければならないだろう。行政法 は,気候変動の計画において政府の指針となる新しいメカニズムを確立しなけ ればならなくなるだろう。最後に,財産法は,海面が上昇し,水の供給の確実 性が失われつつある世界で調整を迫られるだろう。

 これらの法的な変化は容易ではないだろう。しかし,炭素放出を効果的に統 制することに失敗した我々には,選択肢は残されていない。我々は今こそこれ らの排出の引き起こす気候変動の結果に取り組まなければならない。

(17)

( 1 ) Sho Sato Professor of Law, University of California, Berkeley.

( 2 ) Asian Development Bank, Addressing Climate Change and Migration in Asia and the Pacific Final Report 2 (2012); available at http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/

files/resources/addressing-climate-change-migration_0.pdf.

( 3 ) IPCC Adaptation Report Working Group II Contribution to the Intergovernmental Panel on Climate Change Fourth Assessment Report Climate Change 2007: Climate Change Impacts, Adaptation and Vulnerability 18 (2007).

( 4 ) Id. In addition, according to the IPCC, “there are formidable environmental, eco- nomic, informational, social, attitudinal and behavioural barriers to implementation of adaptation.” Id.

( 5 ) Nicholas Stern, The Economics of Climate Change 417 (2007).

( 6 ) Id.

( 7 ) Id. at 443.

( 8 ) Easterling, William E. Easterling III, Brian H. Hurd, and Joel B. Smith, Coping with Global Climate Change: The Role of Adaptation in the United States (Pew Center on Global Climate Change 17(2004).

( 9 ) David Archer and Stefan Rahmstorf, The Climate Crisis: An Introductory Guide to Climate Change 43 (2010).

(10) Id. at 129.

(11) Id. at 133.

(12) Id. at 225.

13) World Bank, Turn Down the Heat: Why a 4 °C Warmer World Must be Avoided, at v. (World Bank, Washington, D.C., Nov. 2012). World Bank researchers have begun to consider ways to increase resilience. See Anne T. Kuriakose et al., Climate-Respon- sive Social Protection, 31 Dev. Polʼy Rev. 31 (2013).

14) Id.

15) Intergovernmental Panel on Climate Change, Climate Change 2013: The Physical Science Basis-Summary for Policymakers (2013).

16) Id. Figure SPM7(a).

17) Id. Figure SPM. 9.

18) Id. at 17.

19) Id. at 16.

(18)

20) Available at http://www.ipcc-wg2.gov/SREX/

21) Available at http://climatecommission.gov.au/report/extreme-weather/

22) See Heidi Cullen, The Weather of the Future: Heat Waves, Extreme Storms, and Other Scenes from a Climate-Changed Planet (2010). On the flooding issues, see Howard C. Kunreuther and Er wann O. Michel-Kerjan, At War with the Weather:

Managing Large-Scale Risks in a New Era of Catastrophes 11 12 (2009)(impact of cli- mate change on catastrophic weather events).

23) These challenges are discussed in Tim Bonyhady, Andrew Macintosh, Jan Mc- Donald, Adaptation to Climate Change: Law and Policy (2010); U.S. Government Ac- countability Office, Climate Change Adaptation: Strategic Federal Planning Could Help Government Officials Make More Informed Decisions, http://www.gao.gov/products/GAO- 10-113 (2010).

24) William E. Easterling III, Brian H. Hured, and Joel B. Smith, Coping with Global Climate Change: The Role of Adaptation in the United States 17 (2004)(available at http://www.pewclimate.org/global-warming-in-depth/all_reports/adaptation).

25) See Asia Development Bank, supra note 2, at 22.

26) Id. at 25 (table 4).

27) Adaptation requires society to manage climate impacts using strategies of resis- tance, adjustment, and retreat. See Robert R.M. Verchick, Adapting to Climate Change While Planning for Disasters: Footholds, Rope Lines, and the Iowa Floods, 2011 BYU L. Rev. 2203, 2209 (2011).

28) FCCC/CP/2010/7/Add.1

29) Available at http://unfccc.int/2860.php#decisions (accessed 10 January 2013).

30) Alejandra de Urioste, When Will Help Be on the Way? The Status of International Disaster Response Law, 15 Tul. J. Intʼl & Compl. L. 18, 183 (2006).

31) David P. Fidler, Disaster Relief and Governance After the Indian Ocean Tsunami:

What Role for International Law?, 16 Melb. J. Inʼl L. 458 (2005).

32) Id. at 462.

33) Id.

34) Fidler, supra note 31, at 463; Urioste, supra note 30, at 184.

35) Fidler, supra note 31, at 464. In addition, the IRU failed to provide guidelines or standards for work in the field. Urioste, supra note 30, at 184.

36) Fidler, supra note 31, at 464; Urioste, supra note 30, at 183.

37) Urioste, supra note 30, at 188.

38) This office was intended as an information clearinghouse rather than an active

(19)

provider of relief in the field. Urioste, supra note 30, at 185.

39) Uriose, supra note 30, 186.

40) See http://www.unocha.org/about-us/who-we-are. According to the website, OCHAʼs mission is to:

  ・ Mobilize and coordinate effective and principled humanitarian action in partner- ship with national and international actors in order to alleviate human suffering in disasters and emergencies.

  ・ Advocate the rights of people in need.

  ・Promote preparedness and prevention.

  ・Facilitate sustainable solutions.

  Id. On OCHAʼs history, see http://www.unocha.org/about-us/who-we-are/history.

(41) Fidler, supra note 31, at 464; Urioste, supra note 30, 188 190.

(42) Urioste, supra note 30, at 189 190. A 1965 convention covers ships involved in di- saster relief. Id.

(43) Urioste, supra note 30, at 192.

(44) See Sphere Project, Humanitarian Charter and Minimum Standards in Humani- tarian Response 4 (3d ed. and reprint, 2013).

(45) Id. at 7.

(46) Id. at 31. Urioste speculates that the Sphere guidelines may eventually become translated into customary international law. Urioste, supra note 30, at 192.

(47) Daniel Farber, Jim Chen, Robert Verchick and Lisa Grow Sun, Disaster Law and Policy 403 (2d ed. 2009).

(48) Id. For the text of the Hyogo Framework, see http://www.preventionweb.net/

files/1037_hyogoframeworkforactionenglish.pdf.

(49) See http://www.preventionweb.net/english/hyogo/post-hfa/.

(50) Urioste, supra note 30, at 186.

(51) Id. at 194 195.

(52) Id.

(53) Joseph Gold, Natural Disasters and Other Emergencies Beyond Control: Assistance by the IMF, 24 Intʼl L. 621 (1990).

(54) Id. at 633.

(55) Jenny R. Hernandez and Anne D. Johnson, A Call to Respond: the International Community’s Obligation to Mitigate the Impact of Natural Disasters, 25 Emory Intʼl L.

Rev. 1087, 1093 (2011).

(56) On the Adaptation Fund, see IPCC, Adaptation Fund, available at http://unfccc.

(20)

int/cooperation_and_support/financial_mechanism/adaptation_fund/items/3659. php.

(57) See Charles W. Gould, The Right to Housing Recovery After Natural Disasters, 22 Harv. Hum. Rts. J. 169 (2009).

(58) See L.P. Boustan, M.E. Kahn and P.W. Rhode, Moving to Higher Ground: Migration Response to Natural Disasters in the Early Twentieth Century, 102 Amer. Econ. Rev.: Pa- pers and Proceedings 238 (2012),

(59) Asia Bank, supra note 2, at 2.

(60) C. Carlarne, Risky Business: The Ups and Downs of Mixing Economics, Security and Climate Change, 10 Melb. J. Intʼl L. (2009) 439, at 464.

(61) Id.

(62) B. Mayer, The International Legal Challenges of Climate-Induced Migration: Proposal for an International Legal Framework, 22 Colo. J. Intʼl Env. L. & Polʼy (2011), 357; B.

Docherty and T. Giannini, Confronting A Rising Tide: A Proposal for a Convention on Climate Change Refugees, 33 Harv. Envtl. L. Rev. (2009), 349.

(63) See Cristiano dʼOrsi, Strengths and Weaknesses in the Protection of the Internally Dis- placed Persons in Sub-Saharan Africa, 28 Conn. J. Inʼl L. 73 (2013).

(64) D. Hodgkinson and L. Young, ʻIn the Face of Looming Catastropheʼ: A Convention for Climate Change Displaced Personsʼ, CCDP Convention (August 2012 ), found at http://www.ccdpconvention.com/documents/Updated%20treaty%20proposal.pdf.

(65) Eric Rakowski, Can Wealth Taxes be Justified?, 53 Tax L. Rev.263, 305 n. 75

(2000).

(66) For a recent discussion, see John Escheverria and Julie Lurman, Perfectly Astound- ing Public Rights: Wildlife Protection and the Taking Clause, 16 Tulane Env. L.J. 333

(2003).

(67) See, e.g., Palm Beach Isles Assʼn v. United States, 208 F.3d 1374 (Fed. Cir. 2000 ); Loveladies Harbor, Inc. v. United States, 28 F.3d 1171 (Fed. Cir. 1994).

(68) Meg Caldwell and Craig Holt Segall, No Day at the Beach: Sea Level Rise, Ecosystem Loss, and Public Access Along the California Coast, 34 Ecology L.Q. 533, 566 576

(2007).

(69) President Barack Obama, Executive Order -- Preparing the United States for the Impacts of Climate Change, available at http://www.whitehouse.gov/the-press- office/2013/11/01/executive-order-preparing-united-states-impacts-climate-change.

(70) Easterling, supra note 8, at 22.

(71) California Resources Agency, Managing an Uncertain Future: Climate Change

(21)

Adaptation Strategies for Californiaʼs Water 12 (2008).

(72) Her Majestyʼs Government, Adapting to Climate Change in England: A Frame- work for Action (2008).

(73) Id. at 27.

(74) Id. at 29.

(75) Alyson C. Flournoy, Heather Halter, and Christina Storz, Harnessing the Power of Information to Protect Our Public Natural Resource Legacy, 86 Tex. L. Rev. 1575, 1597

(2008).

(76) Michael Funk and Michael Paetz, Environmental Policy Under Model Uncertainty: A Robust Optimal Control Approach (CESifo Working Paper No. 1938 March 2007 ). In es- sence, robust optimal control could be considered as a way of considering plausible worst-case scenarios. Id. at 2.

  追記  本稿は,2013 年 12 月 12 日明治学院大学白金校舎 3101 教室で行われた法学 部学術講演会におけるファーバー先生の講演原稿を翻訳したものである。当日通 訳を担当した辻氏の草稿に阿部が加筆したもので,内容の正確さ日本語表現の適 切さについての責任は,阿部にあることを付記する。

参照

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