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構造用アルミニウム合金の疲れ破壊に関する実験的 研究

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Academic year: 2021

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構造用アルミニウム合金の疲れ破壊に関する実験的 研究

著者 村松 克巳

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 16

ページ 132‑134

発行年 1995‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1255

(2)

氏名。(本

)  

  

  

  

(静岡県

)

学 位 の 種 類

  

 

 (工

)

学 位 記 番 号

  

工博乙第

  48  

号 学位授与の日付

  

平 成

5年

6月 25日 学位授与の要件

  

学位規則第 4条 第2項該当

学位論文題目

  

構造用アル ミニウム合金の疲れ破壊に関する実験的研究

論文審査委員

   (委

員長)

教 授

 

 

教 授

 

 

教 授 教 授

 

教 授 教 授

 

 

   

  

助教授

 

 

 

敬―郎

論 文 内 容 の 要 旨

構造用アル ミニウム合金は、近年、航空機のみでな く、車両、船舶などの構造用材料 として、広 く 使用 されてお り、疲れ強 さに関 して も研究が相当行われている。 しか しなが ら、同一材質で も疲れ強

さにかな りの差が認め られ、 また、疲れ試験の際における実験点のばらつ きも大 きい。著者は実験点 のばらつ きは、 き裂の発生 とその伝 ばに関係があると考え、非破壊率 と破壊繰返 し数 との関係線図の 形状 に着 目し、破面観察結果か らこれ らを結びつけ、展伸合金の疲 れ破壊の特性 と破壊過程について の解明を試みた。本論文はこれ らの結果で、7章 か ら成 っている。

         ,

1章は緒論である。

第2章 は実験方法の説明 と、疲れ破壊繰返 し数についての実験結果である。供試材は、非熱処理型の

Al‐

Mgおよび熱処理型の

Al‐ Zn‐

Mg展伸合金、並びに、

Al‐ Zn‐

Mg展伸合金の非溶接継手および溶加材 に

Al‐

Mg合金 を用いた突合せ溶接継手である。疲れ試験は、展伸合金については、小野式回転曲げ試験機 を用いて平滑並びに切欠試験片 を、非溶接および溶接継手 については、シェンク型平面曲げ試験機 を 用いて平板状試験片をそれぞれ対象 として行ちた。非破壊率 と破壊繰返 し数 との関係は、高い応力水 準では対数正規確率紙上で直線関係 となるが、破壊繰返 し数が106〜 107を超 える低い応力水準では折 線、すなわち、二つの直線で表示 される。 この関係は、供試材の種類、切欠の有無に影響 されず、か つ、突合せ溶接継手においても同 じである。応力水準 と破壊繰返 し数 との関係線図は、

Al‐ Zn‐

Mg合 切欠試験片の場合のみ、その形状が他の試験片 とは異なっている。

3章は、

Al‐

Mg合金回転曲げ試験片 における、疲れ き裂発生繰返 し数 についての実験結果である。

(3)

平滑、切欠いずれの場合 も、各応力水準での主 き裂 とな り得る疲れ き裂 は、形状がアスペ ク ト比約

0.3

の半だ円形である。 この長軸方向の き裂発生長 さは、応力水準 との間に特定の関係を有 している。次 に、試験片の表面に沿 うき裂伝ぱ曲線 と、 き裂発生長 さとか ら求 まる発生繰返 し数は、応力水準 によ る変化が、破壊繰返 し数の場合 とほぼ同 じである。

第4章 は、各試験片の疲れ き裂起点近傍破面 についての観察結果である。

Al

Mg合金平滑並 びに切欠 試験片におけるき裂 は、比破壊率 と破壊繰返 し数 との関係が、対数正規確率紙上で折線 を示す低い応 力水準の場合における折点 よ り短寿命側、および、破壊繰返 し数が

104〜 106と

短 く、両者の関係が直線 となる高い応力水準の場合は、いずれ も表面層の結晶粒内、上記の折点 よ り長寿命側では、表面か ら 1∞μm前後内部の結晶粒内のそれぞれ金属間化合物 に沿 って生ずるボイ ドか ら現れる。

Al‐ Zn‐

Mg合 平滑並 びに切欠試験片 にて も、き裂発生箇所はこれ と同様である。 しか し、初期の き裂破面は、低応 力水準の場合を除 き、平行稜線 を有す るせん断型である。突合せ溶接継手の場合 も、また、 き裂発生 箇所は同様であるが、 き裂 は主 としてピンホールか ら現れる。

Al―

Mg合金の場合、表面層の結晶粒で生 じた微視 き裂は、隣接表面層 の微視 き裂 と合体 し内部 に も伝ばする。一方、内部の結晶粒で生 じた微 視 き裂は、表面 に向 つて伝 ぱ して くさび状 き裂 を形成 し、その後は隣接表面層の微視 き裂 と合体 し内 部 にも伝ぱする。疲れ き裂 は、この繰返 しによって形成する。

第5章 は、

Al‐

Mgお よび

Al‐ Zn‐

Mg合金平滑並びに切欠試験片の主 き裂伝 ぱ面 についての観察結果であ る。内部へ伝ぱを示す き裂の発生数は、破壊繰返 し数が大 きくなるとほぼ1個とな り、この繰返 し数は 前記折線の折点の位置 とほぼ対応 している。 また、破面形態がほとん どス トライエーシヨンとなる点

におけるき裂の伝ぱ速度は、約0。

 ttcである。

6章は、き裂の発生、 き裂の伝 ば、および、 き裂発生寿命 と破壊寿命 についての考察である。基地 と金属間化合物 との界面は繰返 し応力下で応力集中を受け、界面は前者においてすべ りが起こる結果、

最初一部で分離 して界面ポイ ドを生 じ始める。続いて、形成 した自由表面の基地側には、Woodの提案 した入 り込みが生 じ、次に、この入 り込みはKaplanら の提案 した機構 によって伝ばし、一つの結晶粒 に て微視 き裂が形成する。

Al―

Mg合金 におけるき裂伝ぱの過程では、せん断型破面は生 じない。回転曲げ 疲れ試験におけるき製発生寿命は、破壊寿命の大部分を占めている。 き裂発生長さ

Liと

応力水準Sと 間には、Li=K/S2が成 り立つ。Kは素材、試験片の形状 によって決まる常数で、この関係式は、任意の 応力水順における疲れき裂の発生寿命の推定に際 して、非常 に有用である。

7章は結論である。

‑133‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

構造用アル ミニウム合金は、輸送機器の構造用材料 として広 く使用 されているが、疲れ破壊の機構 解明 と疲れ強 さの基礎資料の蓄積が重要な課題 とされている。本論文は、非破壊率 と破壊繰返 し数 と の関係線図の形状 に着 目し、破面観察結果 と併せて、展伸合金の疲れ破壊の特性 と破壊過程について 実験的解明を試みた ものである。

1章は緒論で、疲れ強 さのばらつ きの統計的処理方法、お よび微視 き裂の発生 と伝ばに関する従来 の研究 と問題点について検討 し、実用の構造用アル ミニウム合金の疲れ破壊過程の機構解明の重要性 を述べている。

第2章 では、非熱処理形の

Al‐

Mg合金 と熱処理形の

Al‐ Zn‐

Mg合金の試験片の回転曲げ試験 を行い、非 破壊率 と破壊繰返 し数の関係 は、高い応力水準では対数正規確率紙上で直線関係 となるが、破壊繰返

し数が

106〜 107を

越える低い応力水準では2本 の線で表示で きることを明 らかにしている。 この関係は

供試材の種類、切欠 きの有無 に影響 されず、かつ平面 曲げ試験 においても同 じである。 また、応力水 準 と破壊繰返 し数の関係線図を示 している。

第3章 では、

Al‐

Mg合金の回転 曲げ試験 における疲れ き裂発生繰返 じ数について検討 している。、 滑、切欠 きいずれの場合 も、各応力水準での主 き裂は、アスペ ク ト比約

0.3の

半精円形状 とな り、この 長軸方向の き裂発生長 さは、応力水準の2乗 に反比例する。 また、この き裂発生繰返 し数 と応力水準の 関係は、破壊繰返 し数の場合 とほぼ同 じであることを示 している。

第祥 は、疲れき裂起点近傍の観察結果で、 き裂は折線の折点 よ り短寿命側では表面層の結晶粒内、

長寿命側では表面 よ り1∞μm程度内部の結晶粒内にて、金属間化合物 に沿 うポイ ドか ら現れ易いこと を明 らかに している。

第5章 は、主 き裂伝 ば面 についての観察結果である。内部へ伝 ぱするき裂発生数は、破壊繰返 し数が 大 きくなるほど減少 し、折点以上の破壊繰返 し数ではほぼ1個 となる。 また破面形態がス トライエー

シ ョンとなる き裂伝 ぱ速度 は、約0。

耐 回 となることを明 らか に している。

第6章 は、 き裂の発生 と伝ぱお よび き裂発生寿命 と破壊寿命の考察結果である。基地 と金属間化合物 との界面に生 じたボイ ドの基地側 に、Woodの提案 した入 り込みが生 じ、その入 り込みはKaplanら の提 案 した機構 によつて伝 ば し、一つの結晶粒 にて微視 き裂が生 じる。回転曲げ試験では、 き裂発生長 さ

Liと

応力水準Sの間にLi=K/S2の 関係が成立つことを明 らかにしている。Kは素材、試験片の形状 によっ て決 まる定数であ り、この式 は破壊寿命の大部分 を占めるき裂発生寿命の推定 に有用である。

第7章 は結論である。

以上の ように、実用構造用 アル ミニウム合金の疲れ破壊 の特性 と破壊過程について解明する ととも に、貴重な疲れ強 さの基礎資料 を提供す るものであ り、本論文 は博士 (工)の学位 を授与する内容 を有するもの と認める。

‑134‑

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