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廃石膏ボードの製造年月日の違いに着目したフッ素溶出特性

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Academic year: 2022

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(1)III‑056. 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3). 廃石膏ボードの製造年月日の違いに着目したフッ素溶出特性. 1. はじめに. 福岡大学. 学生会員. 松尾典映. 新. 翔一郎. 福岡大学. 正会員. 佐藤研一. 藤川拓朗. 国立環境研究所. 正会員. 肴倉宏史. 古賀. 千佳嗣. 現在、新築・解体系現場から排出される廃石膏ボード(写. 真-1)は、紙と石膏に分離し、リサイクルが出来ないものについては、 管理型最終処分場へと処分することが義務付けられている 1)。そのため、 日本各地で廃石膏ボードを中間処理し、リサイクルする動きが見られ ている。しかし、廃石膏ボードから処理された再生二水石膏、さらに 焼成処理された再生半水石膏にはフッ素が多く含有していることが指 脱硫石膏 リン酸石膏 その他副生石膏 天然石膏. 4000 2000. 能な廃石膏ボードを収集して、紙と分離され. 80. 3000. 70. 2000. 0. 西暦. 行った結果について報告する。 日本での石. 図-1. 日本の石膏供給量の推移 4). 3). 50. 西暦. 図-2. 膏の年間消費量(2003)は 8000~10000 千 t 程度であ り、その半数は石膏ボード原料として使用. 60. 1000. 0 1975 1980 1985 1990 1995 2000. た再生二水石膏の環境安全性に対する検討を. 石膏全体の需要と供給状況. 4000. 化学石膏と天然石膏の 供給量の推移 4) 表-1 実験に用いた 廃石膏ボードの照査結果. され. ている。図-1 に日本における石膏の供給の推移 4)、. 試料名 西暦(年) 製造会社. 4). 図-2 に副生石膏と天然石膏の供給量の推移 を示 す。石膏の供給は 1987 年から 1990 年にかけて、 急増している。これは、主に石膏ボードの需要が 伸びたことが考えられる。このため国内の石膏の. 写真-2 廃石膏ボード記載 (製造ロット番号記載). 供給が追い付かなくなり、この頃から天然石膏の 国外からの輸入量が増加している。一方、国産の 副生石膏の変動は少なく、1980 年以降 5000~6000 千 t で安定している。しかしその内訳については リン酸石膏の供給量は年々減少し続けるのに対し、 脱硫石膏の供給量は 1986 年以降増加傾向を持続. チェーン. しており、全体の構成比率は変化してきている。 実験概要. 3-1 実験試料. 副生石膏供給率 (%). 6000. 90. 5000. 2000. れることから、製造ロット番号が読みとり可. 8000. 1995. 等による環境安全性が異なる可能性が考えら. 100. 6000. 1990. 造年月日の違いによってフッ素及び重金属類. 副生石膏供給率. 1985. 10000. 天然石膏. 7000. 1980. で本報告では、排出される廃石膏ボードの製. 副生石膏. 石膏供給量 (千t). 12000. 石膏供給量 (千t). 特性を十分に把握しておく必要がある。そこ. 3.. 廃石膏ボード. 2005. 良等へこれらの材料を利用する場合には溶出. 2.. 写真-1. されている。したがって、土壌の地盤改. 1975. 2). 1970. 摘. 写真-3. 回転式解砕混合混練機. 2009 年 12 月から 2010 年 2 月にかけて、稼働中の廃石膏ボード資源化施. 設へ搬入された廃石膏ボードを無造作に抽出し、一辺約 50cm の大きさに分割して採取 した。各廃石膏ボードには写真-2 に示す製造ロット番号が記載されている。本検討では、 製造ロット番号が異なる 31 種類の廃石膏ボードを得ることが出来た。さらに、製造ロ ‑419‑. 57-1 59-1 59-2 60-1 62-1 62-2 63-1 01-1 01-2 02-1 02-2 03-1 03-2 04-1 04-2 04-3 05-1 05-2 05-3 05-4 05-5 06-1 06-2 06-3 08-1 08-2 09-1 10-1 10-2 10-3 11-1. 1982 1984 1984 1984 1984 1987 1988 2001 1989 1982 1991 1992 1992 1994 1994 1997 1998 1999. A B A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A A B A.

(2) III‑056. 土木学会西部支部研究発表会 (2014.3). ット番号 31 種類のうち 16 種類について製造年月日を把握することが出来た。表-1 に実験に用いた各廃石膏ボー ドの照査結果を示す。また、採取した廃石膏ボードは、手作業で紙と石膏に分離した後に、回転式破砕混合混練 機(写真-3)による粉砕、更に 2mm のふるいによって夾雑物を取り除いた再生二水石膏を実験に用いた。 3-2 実験方法. 本検討では、環境庁告示46号法試験に準拠した方法で再生二水石膏の溶出特性の把握を行った。. 各再生二水石膏は液固比(L/S=液体mL:試料重量g)が10となるように混合し、6 時間平行振とう後、遠心分離に よる上澄み液を濾過し、検液とした。フッ素溶出量の測定は、イオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製ICS-1000) により行った。 図-3 に各廃石膏ボードにおけるフッ. 素溶出濃度の結果を示す。フッ素溶出濃度の差は、最大で約 21mg/L と大きく異なり、製造ロット番号が異なる再生二水石 膏の種類によって溶出濃度が異なっていることが分かる。こ の要因として、石膏を製造する際のリン酸石膏の有無が考え. 製造年月日判明. 15 10 5 0. 1982 1984 1984 1984 1984 1987 1988 1989 1991 1992 1992 1994 1997 1998 1999 2001 02-1 02-2 03-2 04-3 05-1 05-2 05-3 05-4 05-5 06-1 06-3 08-1 08-2 10-2 10-3. られる。肴倉ら 5)は、リン酸の含有量が増加するほどフッ素の 溶出濃度は増加し、強い関係性があると報告している。更に、. 各種廃石膏ボード. 2 章で述べっているように、現在、石膏の原料におい. 図-3. pH. 6 5. ら、フッ素の溶出原因である副生石膏の供給率が減少. 西暦. 図-4 製造年月日と フッ素溶出濃度の関係. 2010. 2005. 2000. 1995. 1990. 4. 1985. 2010. 2005. 0. 1980. 5. 膏が 1980 年代以降にかけて急激に供給量が増加し、 2000 年では天然石膏供給率が 50%弱にもおよぶことか. 7. 10. 2000. 生石膏と異なりフッ素は含有していない。この天然石. 8. 1995. 加も要因として考えられる。一般的に、天然石膏は副. 二水石膏 二水石膏 (肴倉ら). 9. 15. 1985. していると考えられる。さらに、天然石膏の供給量増. 20. 1980. 以降に製造された石膏ボードのフッ素溶出濃度は減少. 10. 二水石膏 二水石膏 (肴倉ら). 1975. としてリン酸石膏の生産量が減少し始めた 1986 年代. フッ素溶出濃度 (mg/L). 少していることが分かる。従って、石膏ボードの原料. 各廃石膏ボードにおけるフッ素溶出濃度の結果. 25. 1975. て副生石膏の供給量のうち、リン酸石膏の供給量が減. 製造年月日不明. 20. 1990. 実験結果及び考察. フッ素溶出濃度 (mg/L). 4.. 25. 西暦. 図-5. 製造年月日と pH の関係. していることが要因として考えられる。図-4 に製造年月日とフッ素溶出濃度の関係、図-5 に製造年月日と pH の 関係を示す。また、肴倉ら 4)が行った実験データも図中に示している。再生二水石膏中のフッ素溶出濃度は製造年 月日の経過と供に減少していることが分かる。これは、石膏の原材料である副生石膏に関係すると考えられる。 更に pH に着目すると、全条件において中性の値を示している。したがって、再生二水石膏の pH は石膏ボードの 製造年月日にほぼ関係なく中性域にあることが示された。一般的に、フッ素溶出濃度は pH に左右されると報告さ れている 5)。今回実験に用いた再生二水石膏の pH が同程度であることから、フッ素溶出濃度の違いは製造年月日 の影響であることが確認出来た。さらに、2 つの機関が行った再生二水石膏のフッ素溶出濃度及び pH の挙動はほ ぼ同程度の傾向を示していることから、石膏ボードの製造年月日は再生石膏の品質に大きな影響を及ぼすことが 明らかとなった。 5.. まとめ. 1)製造年月日の経過に伴い、再生二水石膏のフッ素溶出濃度は減少傾向を示す。2)フッ素溶出濃度の. 減少は、石膏ボードの原材料である天然石膏の供給量の増加、リン酸石膏の供給量の減少が原因と考えられる。 3) pH が製造年月日に関係なく中性域を示し、製造年月日が再生石膏の品質に影響を及ぼすことが示された。 謝辞. 研究促進にご協力頂きました社団法人石膏ボード工業会ならびに貴重な試料をご提供頂いた皆様に感謝致します。. 参考文献. 1)廃石膏ボードの対応策について(社団法人石膏ボード工業会 2010 年 5 月). 2)吉田ら: 再生半水石膏による地盤改. 良材の力学特性と環境安全性について, 第 22 回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集, pp.207-208, 2011. 3)一般社団法人石 膏ボード工業会 HP, 原料統計 4)財団法人電力中央研究所, 「石膏ボード廃棄物のリサイクルに関する現状調査・分析. -脱硫. 石膏需要に及ぼす今後の影響推定-」, 調査報告:V04019, pp.2, 2005. 5)肴倉ら: 廃石膏ボード 20 試料の微量元素組成と溶出特 性の類型化, 第 9 回環境地盤工学シンポジウム論文集, pp.159-162, 2011. ‑420‑.

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