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フッ化物バーニッシュからのフッ素の供給とう蝕予 防効果の検証

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北海道医療大学学術リポジトリ

フッ化物バーニッシュからのフッ素の供給とう蝕予 防効果の検証

著者 松田 康裕

雑誌名 北海道医療大学歯学雑誌

巻 34

号 2

ページ 66‑66

発行年 2015‑12‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1145/00010415/

(2)

[最近のトピックス]

フッ化物バーニッシュからのフッ素の供給とう蝕予防効果の検証

松田 康裕

歯学部う蝕制御学分野

フッ化物によるう蝕予防法は広く知られており,フッ 化物含有歯磨材( , ppm以下)やフッ化物歯面塗布

( , ppm)等が局所応用として日本で行われている.

より積極的な方法として,欧米諸国ではフッ化物バーニ ッシュのよるフッ化物の局所応用が広く浸透している.

フッ化物バーニッシュは欧米諸国で 年代後半頃か ら使用され, 年代には広く使用されるようになった フッ化物含有塗布材料である.フッ化物バーニッシュは

%のNaF( , ppm)と高濃度のフッ素を含んでお り,塗布するだけで歯面表面に被膜を作り,停滞してフ ッ素を持続的供給する.一般的に,フッ化物バーニッシ ュはブラッシング等により ヶ月ほどで脱離すると言わ れており,定期的な塗布が必要とされている.口腔内に 塗布されたフッ化物バーニッシュは時間と共に脱落する が,その脱落したフッ化物バーニッシュの安全性につい ても報告されており,ほとんど体内に取り込まれないこ とが報告されている

)

.このフッ素バーニッシュはアメ リカ小児歯科学会のみならず,アメリカ小児科学会から もう蝕予防材料として,出来るだけ早い時期からのフッ 化物バーニッシュの塗布が推奨されている.実際にこの バーニッシュの効果を検討するため,フッ化物バーニッ シュを塗布したヒト抜去歯を用いて口腔内pHシミュ レーション装置による負荷試験

)

を行い,脱灰抑制効果 をTransverse Micro Radiography(TMR)にて分析を行っ た.歯面表層のミネラル変化ではフッ化物バーニッシュ 群で表層の残存がみとめられ,脱灰抑制効果が確認され た(図 ).

更に,脱灰抑制作用が認められた試料について歯面表 層へのフッ素の浸透を分析した.フッ素の分析には日本 原子力研究開発機構高崎量子応用研究所イオン照射研究 施設( Takasaki Ion Accelerators for Advanced Radiation Application:TIARA)に設置されているシングルエンド 加速器による陽子ビームの照射を行いたμ −PIGE/PIXE解 析法を用いた.この測定方法は硬組織の非破壊での元素 分析法として山本らによって開発されたIn−air μ PIXE/

PIGE(In−air micro−beam Particle Induced X−ray/ Gamma

−ray Emission)測定法

)

であり,右図に示すとおり,陽

子が元素に衝突することで発生する特性X線および γ 線 を測定することにより,歯質内のカルシウムおよびフッ 素の分布および濃度を非破壊的かつ経時的に定量するこ とができる.その結果,歯質表面の表層から ㎛までの 深さに , ppm以上のフッ素浸透していることが明ら

かとなった.

これらの結果からフッ化物バーニッシュによるのフッ 素の供給とそれに伴う脱灰抑制効果が明らかとなった.

今後は口腔内pHシミュレーション装置とIn−air μ PIXE/

PIGE分析法の つの軸として,さらなる分析方法を用

いることにより効果的なう蝕予防法や,バイオミネラリ ゼーションを誘導する新規材料の開発に展開していくと 考えられる.

参考文献

)Milgrom, P., Taves, D. M., Kim, A. S., Watson, G. E.

and Horst, J. A., Pediatrics : e870−874, 2014.

)Matsuda, Y., Komatsu, H., Murata, Y., Tanaka, T. and Sano, H., Dent Mater J : 280−285, 2006.

)Komatsu, H., Yamamoto, H., Nomachi, M., Yasuda, K., Matsuda, Y., Murata, Y., Kijimura, T., Sano, H., Sakai, T. and Kamiya, T. , Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B : Beam Interactions with Materi- als and Atoms : 201−206, 2007.

図 :TMRの観察

フッ化物バーニッシュ群では,pHサイクル後に脱灰抑制されて表層が残 存している像が認められる.

図 :In­airμPIXE/PIGEによるフッ素,およびカルシウムの測定方法 の模式図を示す.

北海道医療大学歯学雑誌 ! 平成 年

( )

第34巻2号   4C150 1C133/本文 ※31‐1から組体裁変更 OTF/066     トピックス 松田  2016.02.15 13.58.20  Page 66 

図

図 :TMRの観察 フッ化物バーニッシュ群では,pHサイクル後に脱灰抑制されて表層が残 存している像が認められる. 図 :In­airμPIXE/PIGEによるフッ素,およびカルシウムの測定方法 の模式図を示す.北海道医療大学歯学雑誌! 平成 年 ( )第34巻2号   4C150 1C133/本文 ※31‐1から組体裁変更 OTF/066     トピックス 松田  2016.02.15 13.58.20  Page 66 

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