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高配向ダイヤモンド薄膜の作製と評価

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Academic year: 2022

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高配向ダイヤモンド薄膜の作製と評価

著者 河口 裕介

著者別名 Kawaguchi, Yuusuke

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成14年9月

ページ 203‑204

発行年 2002‑09‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/16441

(2)

氏名 生年月日 本籍 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目 論文審査委員(主査)

論文審査委員(副査)

河口裕介 愛知県

博士(工学)

博甲第462号 平成14年3月22日

課程博士(学位規則第4条第1項)

高配向ダイヤモンド薄膜の作成と評価 渡邊一郎(工学部・教授)

久米田稔(工学部・教授)長谷川誠一(自然科学研究科・教授)

宮岸重好(自然科学研究科・教授)

猪熊孝夫(自然科学研究科・助教授)

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄--

学位論文要旨

本研究では、高品質ダイヤモンド薄膜の作製を試みた。半導体デバイス応用の障害となる欠陥 や粒界を減らすと考えられている高配向膜を作製し、半導体デバイス応用への可能性を調査した。

Si基板上にダイヤモンド薄膜を堆積させるには、核形成を増加させる前処理が必要である。本 研究では、前処理に、ヘテロエピタキシャル成長に有効な炭化処理とBEN処理を用いた。まず、

高配向膜の作製に最適な前処理を調査するために、炭化処理、BEN処理の成長パラメータ(マイ クロ波電力、炭素源濃度、ガス圧力、処理時間、バイアス電圧)を調査した。高配向膜の作製にと って非常に重要な前処理のパラメータは、マイクロ波電力、ガス圧力、処理時間、バイアス電圧

であることがわかった。

次に、高配向膜の欠陥に関する評価を行った。評価方法は電子スピン共鳴法(ESR)を用いて行 った。その結果、粒界が最も減少し、結晶サイズが印mの高配向膜でもスピン密度は1018cm3 であることがわかった.常磁性欠陥について調査するため、得られたESRスペクトルをZhouら が提案するH1センタモデルを用いてコンピュータシミュレーションを行った。ESRスペクトル をフイテイングするためには、H1センタを含めた最低でも8つの関数が必要である。この結果 から、ダイヤモンド薄膜中の欠陥は、最低でも3つの常磁性欠陥からなることを意味する。ダイ ヤモンド薄膜に各種アニール処理を施した結果、H1センタは非常に安定なESRセンタであるこ とがわかった。H1センタ以外の常磁性欠陥は粒界、ダイヤモンド結晶中に存在し、そのスピン密 度は、それぞれ1019cm-3,1018cm3存在していると算出した。H1センタは、ダイヤモンド結晶中 に存在し、各ダイヤモンF結晶が接触し結晶に力が印加した場合に発生し、そのスピン密度は

l017Cm3であると算出した。

本研究において、炭素源にCO2を添加し、高マイクロ波電力、ガス圧力の条件で作製された膜 中に新たなESRセンタを発見した。このESRセンタは、H2センタである可能性がある。炭素 源にCO2を入れた場合でしか観測できないことから、このESRセンタは、酸素に関連した常磁 性欠陥であると考えられる。このESRセンタは、Ar雰囲気中のアニール温度500℃で焼失する

ことから、H1センタより不安定である。

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(3)

学位論文審査結果の要旨

提出のあった論文,資料に基づき,平成14年1月24日に第1回論文審査委員会,平成14年1月31日に 口頭発表会と第2回論文審査委員会を行った。その結果,以下のように判定した。

ダイヤモンド薄膜は種々の電子デバイスへの応用が可能であるが,ヘテロエピタキシャル成長が困難であ り,大きな単結晶薄膜が得られない,また,高密度のダングリングボンドが存在し,不純物ドーピングが困 難なことなどが,応用を阻んでいる。本論文ではマイクロ波プラズマCVD法により,シリコン基板上に,(100)

方位を持つ,方向の揃ったダイヤモンド結晶を成長させる方法の研究を行っている。シリコン基板に前処理 として,炭化およびバイアス印加核形成を行い,シリコン上にナノサイズの織り目模様を形成させ,その上 にダイヤモンドを成長させている。織り目模様を有効につける方法,織り目模様とダイヤモンドの結晶性,

配向性との関連を系統的に調べ,高品質の高配向ダイヤモンド膜を作製するための条件を明らかにしている。

高配向化によって,ダングリングボンド密度を-桁低減させている。また,ダングリングボンドについても,

性質の異なる種々の膜および種々の雰囲気中で熱処理した膜についての電子スピン共鳴の測定と,その解析

を行い,多くの新しい知見を得ている。

これらの成果は,低欠陥のヘテロエピタキシャル膜を作製するための貴重な指針を与えるものであり,本

論文は博士(工学)の学位に値するものと判定する。

-204-

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