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5 2 型 糖 尿 病 患 者 へ の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 実 態

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(1)

日 本 の 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 血 糖 降 下 薬 の 適 正 使 用 に 関 す る 薬 剤 疫 学 的 評 価 ; 健 康 診 査 ・ レ セ プ ト ・ 診 療 デ ー タ ベ ー ス を 用 い た 後 ろ 向 き コ ホ ー ト 研 究

P h a r m a c o e p i d e m i o l o g i c A s s e s s m e n t o f A p p r o p r i a t e U s e o f H y p o g l y c e m i c M e d i c a t i o n s f o r P a t i e n t s w i t h Ty p e 2 D i a b e t e s i n J a p a n ; R e t r o s p e c t i v e C o h o r t S t u d i e s U s i n g H e a l t h C h e c k u p , C l a i m s , a n d C l i n i c a l D a t a

平 成 2 7 年 度 入 学

金 井 紀 仁 (K a n a i , N o r i h i t o)

指 導 教 員

赤 沢 学

(2)

目 次

序 論 . . . 1

問 題 提 起 ; 医 薬 品 の 適 正 使 用 . . . 1

2 型 糖 尿 病 発 症 リ ス ク 患 者 へ の 薬 物 治 療 . . . 2

2 型 糖 尿 病 患 者 の 薬 物 治 療 . . . 5

2 型 糖 尿 病 患 者 へ の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 実 態 . . . 7

医 師 の 処 方 行 動 . . . 8

デ ー タ ソ ー ス . . . 9

病 院 デ ー タ ベ ー ス . . . 9

健 康 診 査 デ ー タ ベ ー ス と 保 健 請 求 デ ー タ ベ ー ス ;J M D C . . . 1 0 統 計 解 析 . . . 11

ト レ ン ド 解 析 に つ い て . . . 11 決 定 木 分 析 に つ い て . . . 1 2 分 類 精 度 の 評 価 方 法 . . . 1 3 第 1 章 日 本 に お け る 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 経 口 血 糖 降 下 薬 の 処 方 傾 向;健 康 診 査 デ ー タ と レ セ プ ト デ ー タ を 用 い た ト レ ン ド 解 析

. . . 1 6 1 . 1 背 景 . . . 1 6 1 . 2 方 法 . . . 1 7 1 . 3 結 果 . . . 1 9 1 . 4 考 察 . . . 2 1 1 . 5 小 括 . . . 2 3

(3)

第 2 章 日 本 に お け る 2 型 糖 尿 病 の 発 症 リ ス ク の あ る 患 者 の 特 徴 と 早 期 薬 物 治 療 に 関 す る 検 討;健 康 診 査 デ ー タ と レ セ プ ト デ ー タ を

用 い た 後 ろ 向 き コ ホ ー ト 研 究 . . . 2 4 2 . 1 背 景 . . . 2 4 2 . 2 方 法 . . . 2 5 2 . 3 結 果 . . . 3 0 2 . 4 考 察 . . . 3 7 2 . 5 小 括 . . . 4 0 第 3 章 2 型 糖 尿 病 患 者 の 因 子 に 基 づ い た 血 糖 降 下 薬 の 開 始 ・ 中 止 ・ 切 替 の 判 断 と 薬 剤 選 択 に 関 す る 糖 尿 病 専 門 医 の 処 方 行 動 ;

レ セ プ ト デ ー タ と 診 療 デ ー タ を 用 い た 後 ろ 向 き コ ホ ー ト 研 究 . 4 1 3 . 1 背 景 . . . 4 1 3 . 2 方 法 . . . 4 2 3 . 3 結 果 . . . 4 8 3 . 4 考 察 . . . 5 5 3 . 5 小 括 . . . 5 8 総 括 . . . 5 9 謝 辞 . . . 6 1 引 用 文 献 . . . 6 2 補 足 資 料 . . . 6 9

(4)

略 語

本 文 中 以 下 の 用 語 は 下 記 の よ う に 略 記 し た 。

A D A ; 米 国 糖 尿 病 学 会, A m e r i c a n D i a b e t e s A s s o c i a t i o n

A - G I ;α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 阻 害 薬, A l p h a - G l u c o s i d a s e I n h i b i t o r A I D ; 自 動 解 釈 決 定, A u t o m a t i c I n t e r a c t i o n D e t e c t i o n

A LT ; ア ラ ニ ン ア ミ ノ ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ,

A l a n i n e A m i n o t r a n s f e r a s e

A S T ; ア ス パ ラ ギ ン 酸 ア ミ ノ ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ,

A s p a r t a t e A m i n o t r a n s f e r a s e B G ; ビ グ ア ナ イ ド, B i g u a n i d e B M I ; 体 格 指 数, B o d y M a s s I n d e x

C A RT ;C l a s s i f i c a t i o n A n d R e g r e s s i o n Tr e e

C H A I D;C h i - s q u a r e d A u t o m a t i c I n t e r a c t i o n D e t e c t i o n

D P P - 4 阻 害 薬 ; ジ ペ プ チ ジ ル ペ プ チ ダ ー ゼ - 4 阻 害 薬 , D i p e p t i d y l

P e p t i d a s e - 4 I n h i b i t o r s

E A S D ; 欧 州 糖 尿 病 学 会 , E u r o p e a n A s s o c i a t i o n f o r t h e s t u d y o f D i a b e t e s

e G F R ; 推 算 糸 球 体 濾 過 量, E s t i m a t e d G l o m e r u l a r F i l t r a t i o n R a t e F P G ; 空 腹 時 血 糖, F a s t i n g P l a s m a G l u c o s e

G l i n i d e; 速 効 型 イ ン ス リ ン 分 泌 薬

G L P 1 - R A; グ ル カ ゴ ン 様 ペ プ チ ド- 1 受 容 体 作 動 薬, G l u c a g o n - L i k e

P e p t i d e - 1 R e c e p t o r A g o n i s t s

γ - G T P ; γ - グ ル タ ミ ル ト ラ ン ス ペ プ チ ダ ー ゼ , γ - G l u t a m y l

Tr a n s p e p t i d a s e

H b A 1 c ; ヘ モ グ ロ ビ ン A 1 c , H e m o g l o b i n A 1 c

(5)

H D L ; 高 比 重 リ ポ た ん ぱ く 質, H i g h D e n s i t y L i p o p r o t e i n I G T ; 耐 糖 能 異 常, I m p a i r e d G l u c o s e To l e r a n c e

J D S ; 日 本 糖 尿 病 学 会, J a p a n e s e D i a b e t e s S o c i e t y

J M D C ; 株 式 会 社 J M D C

I F G ; 空 腹 時 血 糖 障 害, I m p a i r e d F a s t i n g G l u c o s e

L D L ; 低 比 重 リ ポ た ん ぱ く 質, L o w D e n s i t y L i p o p r o t e i n O A D ; 経 口 血 糖 降 下 薬, O r a l A n t i d i a b e t i c D r u g

O G T T ; 経 口 ブ ド ウ 糖 負 荷 試 験, O r a l G l u c o s e To l e r a n c e Te s t

S G LT- 2 阻 害 薬;ナ ト リ ウ ム・グ ル コ ー ス 共 輸 送 体- 2 阻 害 薬, S o d i u m -

G l u c o s e C o t r a n s p o r t e r- 2 I n h i b i t o r s S U ; ス ル ホ ニ ル ウ レ ア, S u l f o n y l u r e a s

T G ; ト リ グ リ セ リ ド, Tr i g l y c e r i d e

T Z D ;チ ア ゾ リ ジ ン 誘 導 体( ピ オ グ リ タ ゾ ン ), T h i a z o l i d i n e d i o n e

( p i o g l i t a z o n e )

R O C ; 受 信 者 動 作 特 性, R e c e i v e r O p e r a t i n g C h a r a c t e r i s t i c

(6)

1

序 論 問 題 提 起 ; 医 薬 品 の 適 正 使 用

医 薬 品 の 適 正 使 用 に は「 ま ず 的 確 な 診 断 に 基 づ き 患 者 の 状 態 に か な っ た 最 適 の 薬 剤 、 剤 形 と 適 切 な 用 法 ・ 用 量 が 決 定 さ れ 、 こ れ に 基 づ き 調 剤 さ れ る こ と 、次 い で 、患 者 に 薬 剤 に つ い て の 説 明 が 十 分 理 解 さ れ 、 正 確 に 使 用 さ れ た 後 、 そ の 効 果 や 副 作 用 が 評 価 さ れ 、 処 方 に フ ィ ー ド バ ッ ク さ れ る と い う 一 連 の サ イ ク ル 」 が 必 要 と さ れ る

[ 1 ]。S t r o m ら は 薬 剤 疫 学 を「 人 の 集 団 に お け る 薬 物 の 使 用 と そ の 効

果 や 影 響 を 研 究 す る 学 問 」と 定 義 し て い る[ 2 ]。医 薬 品 の 適 正 使 用 に お い て 目 の 前 の 患 者 に 対 し て 最 も 適 切 な 薬 剤 の 選 択 に は 、患 者 に 特 有 な リ ス ク と ベ ネ フ ィ ッ ト の 判 断 が 必 要 と な る 。そ の リ ス ク ベ ネ フ ィ ッ ト バ ラ ン ス を 考 え る 際 に 科 学 的 根 拠 に 基 づ く 医 療 、実 際 に 行 わ れ る 標 準 的 な 医 療 、医 療 者 自 身 が 患 者 に 提 供 し て い る 医 療 を 把 握 し 比 較 す る た め に 薬 剤 疫 学 的 な 手 法 を も と に 明 示 す る こ と が リ ス ク ベ ネ フ ィ ッ ト バ ラ ン ス の 評 価 に お い て 有 用 と な る と 考 え る 。

生 活 習 慣 病 の 一 つ で あ る 2 型 糖 尿 病 の 患 者 数 は 年 々 増 加 し て い る 。 更 に 、 新 規 の 経 口 糖 尿 病 治 療 薬 が 承 認 さ れ 、 薬 剤 の 選 択 は 多 岐 に わ た る 。日 本 の 糖 尿 病 診 療 ガ イ ド ラ イ ン に お い て 2 型 糖 尿 病 患 者 へ の 薬 物 治 療 は 患 者 の 病 態 に 適 し た 薬 剤 を 選 択 す る こ と と な っ て い る 。近 年 の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 傾 向 が 適 正 に 行 わ れ て い る か に 関 す る 報 告 は 限 ら れ て い る 。患 者 ご と に 適 切 な 薬 物 治 療 を 提 供 す る こ と を 目 指 し て い る 実 臨 床 で は 、比 較 対 象 と な る マ ク ロ の 視 点 に よ る 処 方 傾 向 や 薬 剤 選 択 を 明 ら か に す る こ と が 患 者 に 適 正 な 薬 物 治 療 を 提 供 す る う え で 有 用 で あ る と 考 え る 。

以 上 の 点 か ら 、実 臨 床 に お け る 近 年 の 血 糖 降 下 薬 の 適 正 使 用 を 評

(7)

2

価 す る た め に 、薬 剤 疫 学 的 な 観 点 か ら 2 型 糖 尿 病 の 患 者 に 対 す る 血 糖 降 下 薬 の 処 方 実 態 と 患 者 の 特 徴 、糖 尿 病 専 門 医 の 処 方 行 動 に 関 わ る 患 者 の 特 徴 と 専 門 医 が 選 択 す る 血 糖 降 下 薬 の 傾 向 を 示 す 必 要 が あ る 。

2 型 糖 尿 病 発 症 リ ス ク 患 者 へ の 薬 物 治 療

新 た に 糖 尿 病 と 診 断 さ れ た 患 者 が 、糖 尿 病 を 進 展 さ せ な い よ う に す る た め に 、生 活 習 慣 を 改 善 す る た め の 介 入 が 大 切 と な る 。生 活 習 慣 へ の 介 入 に よ り 血 糖 コ ン ト ロ ー ル が 不 良 の 場 合 に 血 糖 降 下 薬 が 選 択 さ れ る 。日 本 に お い て は 糖 尿 病 発 症 リ ス ク の あ る 患 者 は 耐 糖 能 異 常 (I G T) や 空 腹 時 血 糖 障 害 (I F G) に 分 類 さ れ る 状 態 を 指 す 。 一 方 で 米 国 に お い て は 糖 尿 病 発 症 リ ス ク の あ る 患 者 の こ と を 前 糖 尿

病 (P r e d i a b e t e s) と し て い る (Ta b l e 1)。 そ の 定 義 、 治 療 対 象 者 、 ガ

イ ド ラ イ ン で の 薬 物 治 療 の 推 奨 は 日 米 で 異 な る 点 が あ る 。2 型 糖 尿 病 発 症 リ ス ク 患 者 へ の ボ グ リ ボ ー ス 、ア カ ル ボ ー ス 、メ ト ホ ル ミ ン の 投 与 は 2 型 糖 尿 病 へ の 進 展 を 予 防 で き る こ と が 示 さ れ て お り 、日 本 に お い て は ボ グ リ ボ ー ス 、米 国 に お い て は メ ト ホ ル ミ ン が 推 奨 さ れ て い る[ 3 - 5 ]。

(8)

3

Ta b l e 1 . 2 型 糖 尿 病 発 症 リ ス ク 患 者 の 定 義 と 治 療 薬

日 本 米 国

2 型 糖 尿 病 発 症 リ ス ク 患 者

耐 糖 能 異 常 (I G T) 糖 尿 病 過 血 糖

(I F G)

P r e d i a b e t e s

定 義

空 腹 時 血 糖 値 、m g / d L

11 0 – 1 2 5 1 0 0 – 1 2 5 ま た は

7 5 g 経 口 ブ ド

ウ 糖 負 荷 試 験 後 の 2 時 間 血 糖 値 、m g / d L

1 4 0 – 1 9 9

ま た は

H b A 1 c 値 、% 規 定 な し 5 . 7 – 6 . 4

薬 物 治 療 開 始 の 対 象

生 活 習 慣 の 非 改 善 か つ

高 血 圧 症 ま た は 脂 質 異 常 症

ま た は B M I > 2 5 k g / m2

ま た は

2 親 等 以 内 の 糖 尿 病 家 族 歴

生 活 習 慣 の 非 改 善 か つ

B M I > 3 5 k g / m2 ま た は 6 0 歳 未 満

ま た は 妊 娠 中 の 女 性

投 薬 薬 剤 α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 阻 害 薬

( ボ グ リ ボ ー ス )

ビ グ ア ナ イ ド 薬

( メ ト ホ ル ミ ン )

日 本 の 状 況

日 本 糖 尿 病 学 会(T h e J a p a n e s e D i a b e t e s S o c i e t y;J D S )で は 、前 糖 尿 病 は ま だ 定 義 さ れ て い な い が 、 空 腹 時 血 糖 (F P G) 値 11 0 m g / d L か

ら 1 2 5 m g / d L、 ま た は 7 5 g 経 口 ブ ド ウ 糖 負 荷 試 験 後 の 2 時 間 血 糖 値

が 1 4 0 m g / d L か ら 1 9 9 m g / d L の 対 象 が I G T、空 腹 時 血 糖 値 11 0 m g / d L

か ら 1 2 5 m g / d L で 、7 5 g 経 口 ブ ド ウ 糖 負 荷 試 験 後 の 2 時 間 血 糖 値 が

1 4 0 m g / d L 未 満 の 対 象 が I F G の 患 者 と 定 義 さ れ る 。I G T 患 者 に 対 し

て は 血 糖 、血 圧 、脂 質 関 連 の 検 査 値 や 体 重 を 測 定 す る こ と と な っ て

(9)

4

い る[ 6 - 8 ]。以 上 の 検 査 値 を 用 い た 生 活 習 慣 の 介 入 に お い て も 、血 糖

値 を コ ン ト ロ ー ル す る こ と が で き な い 場 合 に 薬 物 治 療 の 開 始 と な

る 。I G T 患 者 へ の 薬 物 治 療 は ボ グ リ ボ ー ス 1 回 0 . 2 m g 1 日 3 回 の 投

与 の み が 認 め ら れ て い る 。更 に 、疾 病 の 予 防 や 早 期 発 見 の た め に 日 本 国 民 は 毎 年 、一 般 健 康 診 査 の 機 会 が 与 え ら れ て い る 。特 に 、4 0 歳 以 上 7 5 歳 未 満 の 健 康 保 険 加 入 者 を 対 象 と し て 、 特 定 健 康 診 査 が 実 施 さ れ る 。 特 定 健 康 診 査 に て I F G や I G T の 基 準 に 達 し た 糖 尿 病 発 症 の リ ス ク が あ る 患 者 に は 受 診 勧 奨 が 行 わ れ る 。早 期 薬 物 治 療 の 介 入 の 可 能 性 が 示 さ れ て い る が 、日 本 に お い て は ま だ 明 ら か に な っ て い な い 。

欧 米 の 状 況

米 国 糖 尿 病 学 会 (A m e r i c a n D i a b e t e s A s s o c i a t i o n ; A D A) は 空 腹 時 血 糖 ( 以 下 、F P G) 1 0 0 m g / d L か ら 1 2 5 m g / d L の 患 者 、 ま た は 7 5 g 経 口 ブ ド ウ 糖 負 荷 試 験 後 の 2 時 間 血 糖 値 が 1 4 0 m g / d L か ら 1 9 9

m g / d L の I G T 患 者 ま た は ヘ モ グ ロ ビ ン A 1 c( 以 下 、H b A 1 c) 値 5 . 7

か ら 6 . 4 %を 前 糖 尿 病 と し て 早 期 の 疾 患 進 展 予 防 の 対 象 者 と し て 定

め て い る[ 9 ]。

前 糖 尿 病 を 有 す る 患 者 へ の 治 療 の 第 一 は 早 期 に 食 事 療 法 や 運 動 療 法 と い っ た 生 活 習 慣 の 改 善 を 指 導 す る こ と で あ る 。ま た 、生 活 習 慣 の 介 入 に よ り 、血 糖 値 を コ ン ト ロ ー ル す る こ と が で き な い 前 糖 尿 病 状 態 に あ る 患 者 、 か つ 、B M I > 3 5 k g / m2 ま た は 6 0 歳 未 満 ま た は 妊 娠 中 の 女 性 は メ ト ホ ル ミ ン の 投 与 を 考 慮 す べ き と さ れ る[ 9 , 1 0 ]。

一 方 で 、 欧 州 糖 尿 病 学 会 (E u r o p e a n A s s o c i a t i o n f o r t h e s t u d y o f

D i a b e t e s ; E A S D) で は I F G か つ I G T の 患 者 を 前 糖 尿 病 と 定 め て い

(10)

5

る 。前 糖 尿 病 を 有 す る 患 者 に 対 す る 治 療 指 針 は 現 時 点 で は 示 さ れ て い な い[ 11 ]。

2 型 糖 尿 病 患 者 の 薬 物 治 療

2 型 糖 尿 病 の 薬 物 治 療 は 、 日 本 に お い て は 、 患 者 の 病 態 に あ っ た 薬 剤 の 系 統 を 選 択 す る こ と と さ れ て い る 。 ま た 、 欧 米 に お い て は 、 メ ト ホ ル ミ ン が 第 一 選 択 薬 と さ れ 、ア テ ロ ー ム 性 動 脈 硬 化 症 ま た は 慢 性 腎 臓 病 を 有 す る 患 者 に お い て は 、ナ ト リ ウ ム ・ グ ル コ ー ス 共 輸

送 体- 2(S G LT- 2) や グ ル カ ゴ ン 様 ペ プ チ ド- 1 受 容 体 作 動 薬 (G L P -

1 R A) を 選 択 す る こ と と な る 。 そ れ 以 降 は 患 者 の 病 態 、 低 血 糖 発 作

の 発 症 リ ス ク 、費 用 等 、患 者 の 社 会 的 背 景 や 病 態 な ど を 考 慮 し て 選 択 す る こ と が 欧 米 の ガ イ ド ラ イ ン に 記 載 さ れ て い る (Ta b l e 2)。

(11)

6

Table 2 2型糖尿病患者に対する薬物治療(日米欧のガイドライン[6, 11, 12]をもと

に一部可変して作成)

薬剤系統

低血糖 リスク

心血管イベント発症抑制効果

糖尿病性腎症発 症抑制効果 アテローム動脈硬

化性心血管疾患 うっ血性心不全

BG

(メトホルミン)

or

効果的 強く効果的な特徴 は有さない

強く効果的な特 徴は有さない SU 強く効果的な特徴

は有さない

強く効果的な特徴 は有さない

強く効果的な特 徴は有さない

A-GI 強く効果的な特徴

は有さない

TZD

(ピオグリタゾン) 効果的

ピオグリタゾン リスクあり 強く効果的な特 徴は有さない

Glinide

DPP-4阻害薬 強く効果的な特徴

は有さない

リスクあり サキサグリプチン

アログリプチン

強く効果的な特 徴は有さない

SGLT-2阻害薬,

効果的 カナグリフロジン エンパグリフロジン

ダパグリフロジン

効果的 カナグリフロジン エンパグリフロジン

ダパグリフロジン

効果的 カナグリフロジン エンパグリフロジン

ダパグリフロジン

GLP-1RA

効果的 リラグルチド

不変 イキシセナチド

エキセナチド

強く効果的な特徴 は有さない

効果的 リラグルチド

インスリン 強く効果的な特徴 は有さない

強く効果的な特徴 は有さない

強く効果的な特 徴は有さない BG; ビグアナイド薬、SU;スルホニルウレア、A-GI;α-グルコシダーゼ阻害薬、TZD;チアゾ リジン誘導体Glinide薬;速効型インスリン分泌薬、DPP-4阻害薬;ジペプチジルペプチダーゼ-4

害薬、SGLT-2阻害薬;ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬、GKP-1RA;グルカゴン様ペプチ

-1受容体作動薬

(12)

7

2 型 糖 尿 病 患 者 へ の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 実 態 日 本 の 状 況

日 本 の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 ト レ ン ド に つ い て は 2 0 1 0 年 に ジ ペ プ チ ジ ル ペ プ チ ダ ー ゼ- 4 阻 害 薬(D P P - 4 阻 害 薬 )が 承 認 さ れ た 後 に 行 わ れ た 調 査 と し て 、2 0 11 年 に O i s h i ら J a p a n D i a b e t e s C l i n i c a l D a t a M a n a g e m e n t S t u d y G r o u p が 実 施 し た 報 告 が あ る[ 1 3 ]。2 0 11 年 時 点 で は 食 事 療 法(1 9 . 9 %)、経 口 血 糖 降 下 薬( 以 下 、O A D)療 法 の み(5 6 . 7 %)、

イ ン ス リ ン の み(1 0 . 3 %)、O A D+ イ ン ス リ ン 併 用(11 . 9 %)G L P - 1 R A

(1 . 2 %) と な っ て お り 、 そ の 時 の O A D の 内 、 単 剤 療 法 の 内 訳 は ス

ル ホ ニ ル ウ レ ア 薬(S U 薬 )1 2 . 5 %、ビ グ ア ナ イ ド 薬(B G 薬 )8 . 9% 、 α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 阻 害 薬 (A - G I)2 . 7 %、 チ ア ゾ リ ジ ン 誘 導 体 ( ピ オ グ リ タ ゾ ン )(T Z D)2 . 0 %、 速 効 型 イ ン ス リ ン 分 泌 薬 (g l i n i d e 薬 )

3 . 0 %、D P P - 4 阻 害 薬 6 . 8 %だ っ た 。ま た 、国 内 の 複 数 の 健 康 保 険 組 合

に 加 盟 す る 被 保 険 者 並 び に そ の 家 族 の 処 方 デ ー タ を 所 有 す る J M D C の デ ー タ で も 2 0 1 0 年 か ら 2 0 11 年 に か け て 増 加 傾 向 が 示 さ れ 、非 専 門 医 を 含 め た 処 方 傾 向 は 2 0 11 年 時 点 で は D P P - 4 阻 害 薬 が 4 0 %処 方 さ れ て い た[ 1 4 , 1 5 ]。

他 の 新 規 薬 剤 の 処 方 傾 向 は 台 湾 で の 研 究 で は 承 認 後 2 年 間 は 使 用 量 が 増 加 す る が 、 そ の 後 は 低 下 し て く る と の 報 告 が あ る[ 1 6 ]。 そ の た め 、D P P - 4阻 害 薬 が 発 売 後 の 2 0 11 年 2 年 間 の み の 結 果 で は D P P - 4 阻 害 薬 の 処 方 が 日 本 診 療 で 定 着 し た 薬 剤 で あ る か は 判 断 が つ か な い 。 そ の た め 、 承 認 後 5 年 間 の ト レ ン ド を 見 る こ と で 、 そ の 薬 剤 が 糖 尿 病 の 薬 物 治 療 と し て 定 着 し て い る か を 評 価 す る 必 要 が あ る 。

(13)

8

欧 米 の 状 況

欧 米 に お い て 、2 型 糖 尿 病 の 薬 物 治 療 は 大 血 管 障 害 の 予 防 効 果 が 認 め ら れ 、経 済 性 に 優 れ る た め 、メ ト ホ ル ミ ン が 第 一 選 択 と な っ て

い る[ 1 7 ]。 米 国 で の 処 方 ト レ ン ド に つ い て は P h i l i p ら が 報 告 し て い

る 。 米 国 の 5 0 州 の 医 薬 デ ー タ ベ ー ス I M PA C T を 用 い 、3 剤 併 用 療 法 が 実 施 さ れ て い る 2 型 糖 尿 病 患 者 の 2 年 間 の 治 療 と そ の 傾 向 、血 糖 管 理 と 経 済 評 価 に つ い て 評 価 す る と い う 目 的 の 試 験 に よ り 、2 0 0 0 年 か ら 2 0 11 年 の 処 方 ト レ ン ド が 示 さ れ た 。3 剤 併 用 O A D を 開 始 す る 前 の 処 方 傾 向 は メ ト ホ ル ミ ン 8 5 %、S U 薬 7 1 %、D P P - 4 阻 害 薬 3 %、

T Z D 3 6 %で あ り 、2 剤 併 用 療 法 の 時 点 で は メ ト ホ ル ミ ン と S U 薬 で

あ る こ と が 示 さ れ た[ 1 8 ]。 米 国 に お い て 、D P P - 4 阻 害 薬 の 承 認 後 、 徐 々 に そ の 使 用 量 が 増 加 し て い る と の 報 告 も あ る[ 1 9 ]。 こ の 傾 向 は

K o s t e v ら が 示 し た ド イ ツ と イ ギ リ ス の 2 型 糖 尿 病 患 者 に お け る 処

方 ト レ ン ド で も 同 様 に G e n e r a l P r a c t i t i o n e r の 処 方 薬 の デ ー タ を 用

い た I M S H E A LT H の 2 0 0 5 年 か ら 2 0 1 0 年 の 処 方 ト レ ン ド で も 同 様

に 両 国 と も ビ グ ア ナ イ ド が 最 も 処 方 頻 度 が 高 く 、続 い て S U 薬 、T Z D、 D P P - 4 阻 害 薬 だ っ た[ 2 0 - 2 2 ]。

医 師 の 処 方 行 動 日 本 の 状 況

日 本 糖 尿 病 学 会 は 糖 尿 病 治 療 薬 の 選 択 を 患 者 の 状 態 に 応 じ て 適 切 な 薬 剤 を 選 択 す る よ う 示 し て い る[ 6 ]。そ こ で 、日 本 の 糖 尿 病 専 門 医 が 重 視 す る 患 者 側 の 因 子 に つ い て F u j i h a r a ら は 単 剤 で の 薬 物 治 療 や 併 用 療 法 に お け る 、2 型 糖 尿 病 患 者 の 特 徴 の 違 い を 血 糖 降 下 薬 の 系 統 毎 に 示 し た[ 2 3 ]。 診 療 デ ー タ の う ち 、 年 齢 、 性 別 、 糖 尿 病 罹

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病 期 間 、B M I、 高 血 圧 の 有 無 、H b A 1 c が 変 数 と し て 用 い ら れ た 。S U 薬 は 高 齢 か つ 長 い 罹 病 期 間 の 患 者 が 処 方 さ れ 、B G は 若 年 か つ 短 い 罹 病 期 間 、肥 満 症 か つ 高 血 圧 症 を 併 存 す る 患 者 が 処 方 さ れ た 。D P P - 4 阻 害 薬 は 短 い 罹 病 期 間 と H b A 1 c 値 8% 以 上 の 患 者 が 処 方 さ れ た 。

G L P - 1 R A は 若 年 で 肥 満 症 を 有 し 、H b A 1 c 値 8 . 0% 以 上 の 患 者 が 処 方

さ れ る 傾 向 が あ っ た 。日 常 診 療 に お い て 、糖 尿 病 の 薬 剤 選 択 の 際 に 、 糖 尿 病 罹 病 歴 や B M I、H b A 1 c 値 以 外 に も 、患 者 の 家 族 歴 や 食 習 慣 等 の 患 者 因 子 が 考 慮 さ れ て 処 方 さ れ る と 考 え ら れ る た め 、こ れ ら の デ ー タ 化 し に く い 診 療 デ ー タ を 用 い た 医 師 の 処 方 行 動 を 明 ら か に す る こ と は 、今 後 非 専 門 医 の 処 方 を サ ポ ー ト す る 点 に お い て 有 用 で あ る と 考 え る 。

欧 米 の 状 況

欧 米 の 処 方 行 動 に 関 し て は 、G r a n t ら が 米 国 一 般 内 科 学 会(S o c i e t y o f G e n e r a l I n t e r n a l M e d i c i n e) に 所 属 す る 一 般 医 と A D A に 所 属 す る 糖 尿 病 専 門 医 に 対 し て 行 っ た ア ン ケ ー ト 調 査 に よ り 明 ら か に な っ て い る[ 2 4 ]。 彼 ら は ガ イ ド ラ イ ン や 病 院 の 処 方 ア ル ゴ リ ズ ム 、 患 者 の 年 齢 の 他 に 、 患 者 の 健 康 状 態 、 併 存 疾 患 、H b A 1 c 値 、 患 者 の ア ド ヒ ア ラ ン ス を 考 慮 し て い た 。

デ ー タ ソ ー ス 病 院 デ ー タ ベ ー ス

病 院 の 診 療 デ ー タ を 用 い た 研 究 は 一 般 に 、保 険 請 求 に 用 い た デ ー タ ベ ー ス ( レ セ プ ト デ ー タ ベ ー ス )、 臨 床 検 査 値 デ ー タ ベ ー ス や 薬 歴 支 援 入 力 シ ス テ ム の デ ー タ ベ ー ス を 基 に し た 研 究 が 行 わ れ る 。更

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に 、 電 子 カ ル テ を 導 入 し て い る 場 合 は 、 病 院 内 の 患 者 I D を 有 す る た め に 、レ セ プ ト デ ー タ ベ ー ス と 臨 床 検 査 値 の デ ー タ ベ ー ス の 他 に 、 診 療 情 報 デ ー タ ベ ー ス を 突 合 す る こ と が 容 易 で あ る 点 が 利 点 と な る 。 一 方 で 、 電 子 カ ル テ 内 に P D F 化 し て 保 存 さ れ る 他 病 院 か ら の 診 療 情 報 提 供 書 や 、患 者 の 初 診 時 の 問 診 内 容 は デ ー タ ベ ー ス 化 さ れ て い な い こ と が 多 い と 考 え る 。ま た 、電 子 カ ル テ の 導 入 が 行 わ れ て い な い 病 院 は 紙 カ ル テ か ら の デ ー タ ベ ー ス 構 築 と な り 、多 大 な 労 力 が か か る 点 が 欠 点 と な る 。

健 康 診 査 デ ー タ ベ ー ス と 保 健 請 求 デ ー タ ベ ー ス ;J M D C

株 式 会 社 J M D C( 以 下 、J M D C)か ら 提 供 さ れ る デ ー タ ベ ー ス に は 健 康 保 険 組 合 か ら 毎 月 提 出 さ れ る 入 院 患 者 と 外 来 患 者 と 薬 局 か ら

の 2 0 0 5 年 以 降 の レ セ プ ト デ ー タ と 、 各 事 業 主 か ら 提 出 さ れ る 健 康

診 査 デ ー タ が 含 ま れ る 。対 象 は 健 康 保 険 組 合 に 所 属 す る 職 員 及 び そ の 家 族 が 含 ま れ 、約 3 0 0 万 人 が 含 ま れ る 。異 な る 事 業 主 の デ ー タ は 通 常 、 個 人 情 報 の 保 護 に 関 す る 法 律 第 2 3 条 に よ り 第 3 者 へ の 提 供 が 禁 止 さ れ て い る が 、 高 齢 者 の 医 療 の 確 保 に 関 す る 法 律 の 第 2 7 条 に よ り 事 業 主 か ら 健 康 保 険 組 合 へ の 提 出 す る こ と と な っ て い る 。健 康 保 険 組 合 が 健 康 診 査 デ ー タ と 医 療 機 関 の 各 種 請 求 デ ー タ を 保 有 す る こ と が で き る た め 、両 デ ー タ を 突 合 す る こ と が で き る 。こ の た め 、疾 患 発 症 前 の 段 階 か ら 患 者 を 追 跡 で き る 点 が 本 デ ー タ ベ ー ス の 利 点 と な る (F i g u r e 1)。 さ ら に 、 患 者 ご と に I D を 付 与 し て い る た め 、転 居 や 結 婚 等 に よ る 氏 名 の 変 更 に 関 わ ら ず 、健 康 診 査 か ら 入 院 、 外 来 、薬 局 ま で を 追 跡 す る こ と が で き る こ と も 本 デ ー タ ベ ー ス の 利 点 で あ る 。一 方 で 、健 康 保 険 組 合 に 所 属 す る も の に 限 ら れ る こ と か

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ら 、7 5 歳 以 上 の 患 者 数 が 減 る 点 と 、国 民 の 分 布 と 比 べ て 男 性 の 比 率 が 多 く な っ て い る 点 が J M D C デ ー タ ベ ー ス の 限 界 点 で あ る 。 更 に 、 保 険 請 求 上 必 要 と な る 検 査 項 目 は J M D C デ ー タ ベ ー ス に 含 ま れ る が 、 検 査 値 は 含 ま れ な い 点 も 限 界 点 で あ る 。

F i g u r e 1 . 株 式 会 社 J M D C か ら 提 供 さ れ る デ ー タ ベ ー ス の 概 要

統 計 解 析

ト レ ン ド 解 析 に つ い て

観 察 期 間 中 の あ る 因 子 の 変 動 傾 向 を 判 断 す る た め に C o c h r a n - A r m i t a g e 傾 向 検 定 が 使 用 さ れ る[ 2 3 ]。C o c h r a n - A r m i t a g e 傾 向 検 定 は 従 属 変 数 が 2 項 の 率 で あ る 場 合 に 、比 率 が 線 形 的 に 変 化 す る か を 検 定 す る た め に 使 用 さ れ る 。

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決 定 木 分 析 に つ い て

樹 形 構 造 に よ っ て 、判 断 の 流 れ が 視 覚 的 に 理 解 で き る よ う に 考 え ら れ た 判 別 ・ 予 測 す る た め に 開 発 さ れ た 手 法 で あ る 。基 本 的 な 考 え 方 は 、あ る 着 目 す る 変 数 に お い て 、最 適 な 分 岐 点 を 定 め 2 群 に 分 け て い く 分 類 方 法 を 繰 り 返 す と い う も の で あ り 、C A RT(C l a s s i f i c a t i o n A n d R e g r e s s i o n Tr e e ) [ 2 5 - 2 8 ] 、 C H A I D ( C h i - s q u a r e d a u t o m a t i c i n t e r a c t i o n d e t e c t i o n)[ 2 9 ]、パ ー テ ィ シ ョ ン が 分 析 方 法 と し て 用 い ら れ て い る 。

パ ー テ ィ シ ョ ン は デ ー タ マ イ ニ ン グ の 初 期 段 階 に お い て 使 用 さ れ る 決 定 木 分 析 の 一 種 で あ る(J M P に よ る 対 話 的 パ ー テ ィ シ ョ ニ ン グ 、S A S I n s t i t u t e J a p a n 株 式 会 社 J M P ジ ャ パ ン 事 業 部 、2 0 0 9 年 5 月 、 h t t p : / / w w w. j m p . c o m / j a p a n / s u p p o r t / p d f / J M P _ p a r t i t i o n . p d f (2 0 2 0 年 2 月 8 日 最 終 ア ク セ ス ))[ 3 0 , 3 1 ]。 近 年 で は 、 段 階 的 な 意 思 決 定 を 明 ら か に す る こ と や 分 類 の 判 断 基 準 作 成 に 利 用 さ れ る[ 3 1 , 3 2 ]。 連 続 変 数 の 場 合 は 平 方 和 の 値 、カ テ ゴ リ ー 変 数 の 場 合 は 尤 度 比 カ イ 2 乗 を 用 い て 最 適 な 分 岐 を 検 索 し 分 類 す る 。カ テ ゴ リ ー 変 数 の 場 合 は 尤 度 比 カ イ 2 乗 が 基 準 と な る 。 二 変 量 に グ ル ー プ 分 け を 行 い (3 つ の カ テ ゴ リ ー を 持 つ 変 数 の 場 合 は 各 カ テ ゴ リ ー を 組 み 合 わ せ て 2 変 量 に グ ル ー プ 分 け る 。)、尤 度 比( 疾 患 を 有 す る 人 が あ る 検 査 結 果 と な る 尤 度 と 疾 患 を 有 し な い 人 の 尤 度 の 比 で あ る 。尤 度 比 が 大 き い ほ ど 、 疾 患 を 示 す 良 い 検 査 と な る ) の カ イ 二 乗 値 の 値 が 算 出 さ れ る 。 グ ル ー プ 分 け が 複 数 の 場 合 は そ れ ぞ れ の 組 み 合 わ せ で 尤 度 比 カ イ 2 乗 が 最 も 大 き な 値 が 該 当 変 数 の 尤 度 比 カ イ 2 乗 と な る 。ま た 、連 続 変 数 の 場 合 は 平 方 和 (S S) が 基 準 と な る 。 あ る 境 界 値 を 境 に し て 2 つ に グ ル ー プ 分 け を 行 い 、 同 じ 用 量 で 尤 度 比 カ イ 2 乗 が 算 出 さ れ

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る 。境 界 値 を 変 更 し 、尤 度 比 カ イ 2 乗 が 最 大 と な る 境 界 値 を 見 つ け る 。こ の 時 の 尤 度 比 カ イ 2 乗 が 、該 当 変 数 の 尤 度 比 カ イ 2 乗 値 と し て 返 さ れ る 。カ テ ゴ リ ー 変 数 の デ ー タ に 欠 測 が あ る 場 合 、欠 測 値 は 一 つ の カ テ ゴ リ ー と し て 扱 わ れ る 。 分 岐 の 解 釈 に は 注 意 を 要 す る 。 分 岐 は 複 数 階 層 か ら な り 、 同 じ 分 岐 変 数 が 選 択 さ れ る 場 合 が あ る 。 分 岐 変 数 と し て 選 択 さ れ た 因 子 の 重 要 度 は 累 積 寄 与 率 か ら 判 断 さ れ る 。分 岐 変 数 は 基 準 に 沿 っ て 自 動 的 に 選 択 さ れ る た め 、臨 床 的 な 意 味 を 有 す る か は 医 療 者 の 評 価 が 必 要 と な る 。ま た 、分 岐 の 最 終 地 点 に お い て 各 群 の 選 択 確 率 が 示 さ れ る た め 、分 岐 変 数 と 分 岐 点 を 組 み 合 わ せ て 分 岐 を た ど る こ と で 、患 者 の 因 子 と そ の 選 択 の 方 向 性 を 理 解 す る こ と が で き る 。

有 意 度 最 大 化 の 方 法

各 分 岐 候 補 の 有 意 度 を 計 算 し て 最 適 な 分 岐 を 実 施 す る 。 水 準 数 の 多 い 変 数 が 分 岐 候 補 に な る 傾 向 が あ り 、 こ れ ら を 調 整 し た も の が 、 有 意 度 最 大 化 と い う 基 準 で あ る 。各 分 岐 候 補 の 有 意 度 を 計 算 し て 最 適 な 分 岐 を 決 定 す る 。

分 類 精 度 の 評 価 方 法 K -分 割 交 差 検 証 法

決 定 木 分 析 の モ デ ル の 精 度 を 確 認 す る た め に 、交 差 検 証 法 を 用 い た 。本 研 究 で は K = 5 を 用 い た 。5 分 割 さ れ た デ ー タ の う ち の 一 つ の グ ル ー プ が 決 定 木 分 析 さ れ 、残 り の 4 つ の グ ル ー プ が モ デ ル の 検 証 に 用 い ら れ る 。5 分 割 交 差 検 証 法 に お い て は 、5 分 割 さ れ た デ ー タ そ れ ぞ れ を 最 初 に 分 割 し た 1 つ の デ ー タ を 用 い て 5 回 の 評 価 が 行

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わ れ る 。過 剰 適 合 を 防 止 す る た め に 、R2 値 が 0 . 0 0 5 よ り 大 き く な い 際 に 分 岐 が 中 止 さ れ る 。

受 信 者 動 作 特 性 曲 線 (R e c e i v e r O p e r a t i n g C h a r a c t e r i s t i cR O Cc u r v e

決 定 木 分 析 に て 作 成 し た モ デ ル の 検 証 に 使 わ れ る 。 縦 軸 に 感 度

( 疾 患 を 有 す る 患 者 の 内 、 検 査 結 果 が 陽 性 )、 横 軸 に 特 異 度 ( 疾 患 を 有 し な い 患 者 の 内 、検 査 結 果 が 陰 性 )を と っ た R O C 曲 線 を 示 し 、 左 上 が 最 も 良 い モ デ ル と な る 。R O C 曲 線 下 面 積 は モ デ ル の 精 度 の 指 標 と な り 、1 に 近 い ほ ど 良 い モ デ ル で あ る こ と を 示 す 。

記 述 モ デ ル ( 決 定 木 ) と 数 学 的 モ デ ル ( ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 ) の 比 較

決 定 木 分 析 は 、2 値 の 結 果 を モ デ ル 化 す る た め に 用 い ら れ る ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 と 比 較 し て 有 用 で あ る と い わ れ る[ 3 3 ]。 臨 床 予 測 モ デ ル 構 築 の た め の ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 の 欠 点 に は 、煩 雑 な 計 算 、結 果 の 不 明 確 な 解 釈( 例 え ば 、予 測 変 数 間 の 相 互 作 用 が あ る 場 合 に は 直 感 的 で は な い ) と い う 点 が 指 摘 さ れ る[ 3 3 ]。 更 に 、 予 測 変 数 と 結 果 の 線 形 関 係 が 不 適 切 な 可 能 性 も あ り 、実 臨 床 に お け る モ デ ル 構 築 に お い て は 不 完 全 な 仮 定 で あ る こ と も 指 摘 さ れ る[ 3 3 ]。 ま た 、 欠 測 デ ー タ の 補 完 方 法 に も 異 な る 点 が あ る 。 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 で は 、 予 測 モ デ ル を 作 成 す る 前 に 、全 て の 観 測 に 対 し て 別 の 補 完 方 法 を 使 用 し て 欠 落 デ ー タ を 補 完 す る 必 要 が あ る 。決 定 木 に お い て は 、欠 測 デ ー タ を 考 慮 し た 分 割 方 法 が 可 能 で あ り 、必 ず し も 全 て の 医 療 情 報 を 入 手 で き な い 実 臨 床 に よ り 近 し い 解 析 手 法 と 考 え る 。こ れ ら の 理

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由 か ら 、決 定 木 分 析 は ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 と 比 較 し て 臨 床 予 測 モ デ ル を 開 発 す る た め の 有 益 な 方 法 の 一 つ と 考 え る 。

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本 論

1 章 日 本 に お け る 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 経 口 血 糖 降 下 薬 の 処 方 傾 向 ; 健 康 診 査 デ ー タ と レ セ プ ト デ ー タ を 用 い た ト レ ン ド 解 析

1 . 1 背 景

経 口 血 糖 降 下 薬 の 処 方 傾 向 は 医 薬 品 承 認 後 2 年 間 、一 時 的 に 使 用 量 が 増 加 す る が 、 そ の 後 は 低 下 し た と の 報 告 が あ る[ 1 6 ]。 先 行 研 究 で 示 さ れ て い る D P P - 4 阻 害 薬 承 認 後 2 年 間 の 結 果 で は D P P - 4 阻 害 薬 が 日 本 診 療 で 定 着 し た 薬 剤 で あ る か は 判 断 が で き な い 。そ の た め 、 承 認 後 少 な く と も 5 年 間 の ト レ ン ド を 見 る こ と で 、そ の 薬 剤 が 糖 尿 病 の 薬 物 治 療 と し て 定 着 し て い る か を 評 価 す る 必 要 が あ る 。 ま た 、 糖 尿 病 治 療 薬 は 食 生 活 や 運 動 状 況 、糖 尿 病 の 重 症 度 や 低 血 糖 リ ス ク を 考 慮 し て 選 ば れ る 。食 習 慣 や 運 動 習 慣 は 時 代 に よ っ て 変 化 す る こ と が 予 想 さ れ る た め 、健 康 診 断 の デ ー タ を 用 い て 、食 習 慣 や 運 動 習 慣 の 違 い 、糖 尿 病 の 重 症 度 、低 血 糖 リ ス ク の あ る 患 者 で の ト レ ン ド を 示 す こ と が 必 要 で あ る 。

そ こ で 、2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 経 口 血 糖 降 下 薬 処 方 の ト レ ン ド を 示 す こ と を 目 的 と し て 、株 式 会 社 J M D C( 以 下 、J M D C)の 医 療 情 報 デ ー タ ベ ー ス と 健 康 診 査 デ ー タ を 用 い 、2 0 0 5 年 4 月 か ら 2 0 1 5 年 3 月 ま で の 日 本 で の 糖 尿 病 の 薬 物 治 療 の 処 方 実 態 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。

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1 . 2 方 法

1 . 2 . 1 デ ー タ ソ ー ス

J M D C の 所 有 す る 2 0 0 5 年 4 月 か ら 2 0 1 5 年 3 月 ま で の 医 療 情 報 デ

ー タ ベ ー ス を 使 用 し た 。J M D C が 有 す る デ ー タ ベ ー ス に は 、 国 内 の 複 数 の 健 康 保 険 組 合 に 加 盟 す る 被 保 険 者 並 び に そ の 家 族 の 4 0 0 , 6 8 0 レ コ ー ド の 健 康 診 査 デ ー タ ( 以 下 、 健 診 デ ー タ ) 並 び に 3 8 , 1 6 9 , 7 8 7 レ コ ー ド の レ セ プ ト デ ー タ が 含 ま れ て い る 。本 デ ー タ ベ ー ス は 加 入 者 ご と に I D が 付 与 さ れ て い る た め 、 転 院 や 複 数 施 設 の 受 診 が あ っ て も 追 跡 が 可 能 な デ ー タ で あ る 。

1 . 2 . 2 患 者 コ ホ ー ト

糖 尿 病 の 確 定 診 断(I C D 1 0 分 類 E 11 : イ ン ス リ ン 非 依 存 性 糖 尿 病 、

E 1 2 : 栄 養 障 害 に 関 連 す る 糖 尿 病 、E 1 4:詳 細 不 明 の 糖 尿 病 )が あ り 、

か つ 経 口 糖 尿 病 薬 の 処 方 が あ る 患 者 を 選 択 し た 。1 型 糖 尿 病(I C D 1 0

分 類 E 1 0: イ ン ス リ ン 依 存 性 糖 尿 病 ) は 除 外 し た 。 年 齢 に よ る 制 限

は 設 け な か っ た 。

1 . 2 . 3 定 義

血 糖 降 下 薬 を S U 薬 、B G 薬 、T Z D、A - G I、G L P - 1 R A、D P P - 4 阻 害

薬 、S G LT- 2 阻 害 薬に 分 類 し た (Ta b l e 3)。 対 象 薬 剤 は 2 0 1 5 年 3 月

の 時 点 に お い て 日 本 で 承 認 さ れ て い た 薬 剤 と し た 。ま た 、合 剤 は そ れ ぞ れ の 系 統 に 分 け て 評 価 を し た 。

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Ta b l e 3 . 血 糖 降 下 薬 の 分 類

血 糖 降 下 薬 の 系 統

成 分 名

S U 薬 ア セ ト ヘ キ サ ミ ド 、 ク ロ ル プ ロ パ ミ ド 、 グ リ ク ラ ジ ド 、 グ リ ク ロ ピ ラ ミ ド 、 グ リ ベ ン ク ラ ミ ド 、 グ リ メ ピ リ ド 、 ト ル ブ タ ミ ド

B G 薬 ブ ホ ル ミ ン 、 メ ト ホ ル ミ ン

A - G I ア カ ル ボ ー ス 、 ボ グ リ ボ ー ス 、 ミ グ リ ト ー ル

T Z D ピ オ グ リ タ ゾ ン

G l i n i d e 薬 ナ テ グ リ ニ ド 、 ミ チ グ リ ニ ド 、 レ パ グ リ ニ ド

D P P - 4 阻 害 薬 ア ナ グ リ プ チ ン 、 ア ロ グ リ プ チ ン 、

サ キ サ グ リ プ チ ン 、 シ タ グ リ プ チ ン 、 テ ネ リ グ リ プ チ ン 、 ビ ル ダ グ リ プ チ ン 、 リ ナ グ リ プ チ ン 、

S G LT- 2 阻 害 薬 イ プ ラ グ リ フ ロ ジ ン 、 エ ン パ グ リ フ ロ ジ ン 、

カ ナ グ リ フ ロ ジ ン 、 ダ パ グ リ フ ロ ジ ン 、 ト ホ グ リ フ ロ ジ ン 、 ル セ オ グ リ フ ロ ジ ン

2 0 1 5 3 月 の 時 点 に お い て 日 本 で 承 認 さ れ て い た 薬 剤 を 対 象 と し た 。

1 . 2 . 4 統 計 解 析

血 糖 降 下 薬 の 処 方 評 価 に は 3 ヶ 月 毎 に 集 計 し た 各 薬 剤 の 処 方 割 合 を 用 い た 。ト レ ン ド 解 析 に は C o c h r a n - A r m i t a g e 法 を 用 い 、有 意 水

準 0 . 0 5 と し た 。 連 続 変 数 は 平 均±標 準 偏 差 で 示 し た 。 解 析 ソ フ ト は

S A S s t a t i s t i c a l s o f t w a r e v e r s i o n 9 . 3(S A S I n s t i t u t e I n c . , C a r y, N C , U S A) を 使 用 し た 。

1 . 2 . 5 倫 理 審 査

本 研 究 は 明 治 薬 科 大 学 の 倫 理 委 員 会 に よ っ て 承 認 さ れ た( 承 認 番 号

2 7 0 9)。 ま た 、2 0 1 3 年 ヘ ル シ ン キ 宣 言 の 原 則 に 従 っ て 実 施 さ れ た 。

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1 . 3 結 果

J M D C が 有 す る 2 0 0 5 年 4 月 か ら 2 0 1 5 年 3 月 ま で の 糖 尿 病 患 者 の

レ セ プ ト デ ー タ (n = 1 9 0 , 5 0 7) の う ち 対 象 と な る 2 型 糖 尿 病 患 者 は

9 9 , 7 0 7 例 だ っ た 。 そ の う ち 血 糖 降 下 薬 の 処 方 が あ っ た 4 5 , 1 0 7 例 が

研 究 対 象 者 と な っ た (F i g u r e 2)。

F i g u r e 2 . 解 析 フ ロ ー チ ャ ー ト

男 性 は 3 1 , 4 4 1 例 (6 9 . 7 %)、 女 性 は 1 3 , 6 6 6 例 (3 0 . 3 %) だ っ た 。 2 0 0 5 年 2 , 7 1 9 例 、2 0 0 6 年 3 , 3 1 9 例 、2 0 0 7 年 3 , 6 9 4 例 、2 0 0 8 年 7 , 2 0 5 例 、2 0 0 9 年 11 , 6 1 7 例 、2 0 1 0 年 1 8 , 4 6 5 例 、2 0 11 年 2 5 , 6 7 6 例 、2 0 1 2 年 2 7 , 5 3 2 例 、2 0 1 3 年 2 8 , 3 8 4 例 、2 0 1 4 年 2 4 , 3 5 2 例 、2 0 1 5 年 2 0 , 2 7 5 例 だ っ た 。2 0 歳 代 は 5 3 3 例 、3 0 歳 代 は 3 , 1 9 0 例 、4 0 歳 代 は 9 , 6 8 7 例 、5 0 歳 代 は 1 6 , 7 4 4 例 、6 0 歳 代 は 1 2 , 8 8 7 例 、7 0 歳 以 上 は 2 , 0 8 2 例 だ っ た 。 施 設 数 割 合 は 診 療 所 1 3 , 8 2 5(7 9 . 2 %)、 そ の 他 病 院 2 , 9 3 0

(1 6 . 8 %)、 国 公 立 病 院 5 5 8(3 . 2 %)、 大 学 病 院 1 4 2(0 . 8 %)、 不 明 1

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(0 . 0 1% ) だ っ た 。 ま た 各 施 設 の 受 診 人 数 割 合 は 診 療 所 3 1 , 3 0 6 例

(5 9 . 1 %)、そ の 他 の 病 院(1 4 , 2 0 5 例 )2 6 . 8 %、国 公 立 病 院(4 , 6 8 6 例 )

8 . 8 %、 大 学 病 院 (2 , 7 7 3 例 )5 . 3 %だ っ た 。

F i g u r e 3 . 3 ヶ 月 毎 に 集 計 し た 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 経 口 血 糖 降 下

薬 の 全 処 方 に 対 す る 各 系 統 薬 剤 の 処 方 割 合 の 推 移

S U P < 0 . 0 0 0 1、a G I P = 0 . 0 0 2、B G P = 0 . 5 8、T Z D P = 0 . 0 0 5、G l i n i d e P = 0 . 11D P P - 4 阻 害 薬 P < 0 . 0 0 0 1、S G LT- 2 阻 害 薬 P = 0 . 1 5 ( C o c h r a n - A r m i t a g e )

2 型 糖 尿 病 患 者(n = 4 5 , 1 0 7)の 血 糖 降 下 薬 の 治 療 ト レ ン ド を F i g u r e 3 に 示 す 。2 0 0 5 年 4 月 か ら 6 月 の 時 点 で の 処 方 割 合 は S U 薬(5 3% )、

A - G I(2 1% ) だ っ た 。2 0 1 5 年 1 月 か ら 3 月 ま で の 処 方 割 合 は ジ ペ

プ チ ジ ル ペ プ チ ダ ー ゼ- 4(D P P - 4)阻 害 薬(4 3% )と 増 加 し(P< 0 . 0 0 0 1)、

S U 薬 (1 8% ) は 減 少 し て い た (P< 0 . 0 0 0 1)。 健 診 デ ー タ と 突 合 す る こ と が で き た 1 6 , 4 4 5 例 の 患 者 背 景 を Ta b l e 4 に 示 す 。年 齢 は 5 3 . 8 ± 9 . 4 歳( 平 均±標 準 偏 差 )、観 察 期 間 は 3 5 . 4 ± 2 4 . 5 ヶ 月( 平 均±標 準 偏 差 ) だ っ た 。H b A 1 c 値 ( 平 均±標 準 偏 差 ) は 7 . 2 ± 1 . 2 %だ っ た 。

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Ta b l e 4 . 1 6 , 4 4 5 例 の 患 者 背 景

項 目 平 均 値 ±標 準 偏 差 ( 調 査 対 象 人 数 )

年 齢 、 歳 5 3 ± 9 (1 6 , 4 4 5)

B M I、k g / m2 2 6 . 2 ± 4 . 6 (1 6 , 3 4 0)

空 腹 時 血 糖 値 、m g / d L 1 4 2 ± 4 1 (1 3 , 5 2 5)

H b A 1 c(N G S P) 値 、% 7 . 2 ± 1 . 2 (1 5 , 0 3 2)

腹 囲 、c m 9 1 ± 11 (1 5 , 9 9 1) 収 縮 期 血 圧 、m m H g 1 3 1 ± 1 7 (1 6 , 3 4 2) 拡 張 期 血 圧 、m m H g 7 9 ± 11 (1 6 , 3 4 2)

A S T、U / L 2 6 ± 1 7 (1 6 , 111)

A LT、U / L 3 2 ± 2 4 (1 6 , 11 3)

γ - G T P、U / L 5 3 ± 6 2 (1 6 , 1 0 5)

s C r、m g / d L 0 . 8 ± 0 . 6 (7 , 2 3 4)

e G F R、m L / m i n / 1 . 7 3 m2 8 2 ± 2 1 (7 , 2 3 4)

T G、m g / d L 1 4 4 ± 11 6 (1 6 , 1 6 8)

H D L コ レ ス テ ロ ー ル 、m g / d L 5 6 ± 1 5 (1 6 , 2 4 4)

L D L コ レ ス テ ロ ー ル 、m g / d L 11 7 ± 3 0 (1 6 , 1 2 7)

1 . 4 考 察

2 0 1 0 年 に 承 認 さ れ た D P P - 4 阻 害 薬 は 2 年 を 超 え て 処 方 数 量 が 上

昇 し 続 け て お り 、日 本 の 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 治 療 薬 と し て 定 着 し た と 考 え る 。D P P - 4 阻 害 薬 は 承 認 時 の 時 点 で は H b A 1 c の 低 下 作 用 が 認 め ら れ て い る の み で あ り 、3 大 合 併 症 予 防 や 大 血 管 関 連 事 象 の 予 防 効 果 は 示 さ れ て い な い 。2 0 0 8 年 の A C C O R D 試 験 等 に よ り 重 症 低 血 糖 が 死 亡 リ ス ク を 増 大 さ せ る と 報 告 さ れ た[ 3 4 ]。A C C O R D 試 験 の 結 果 が 、D P P - 4 阻 害 薬 の 処 方 量 の 増 加 に 寄 与 し た 可 能 性 が あ る 。 一 方 で 、 正 常 体 重 例 、 軽 度 高 血 糖 例 、 腎 機 能 低 下 例 と い っ た 低 血 糖 発 症 の リ ス ク が 高 い 患 者 の 処 方 傾 向 と 低 血 糖 発 症 リ ス ク の 低 い 患 者 と の 違 い は 見 ら れ な か っ た 。こ れ ら か ら 、リ ス ク の 程 度 に 応 じ た 処 方 が さ れ て い る の で は な く 、用 量 調 節 が 他 の 血 糖 降 下 薬 に 比 べ て 容 易 で あ る 点 が 処 方 数 を 増 大 さ せ た 要 因 の 一 つ と 考 え ら れ る 。

健 康 診 査 と の 突 合 に よ り 得 た 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ て い る 患 者

(27)

22

の 健 康 診 査 時 の H b A 1 c 値 は 7 . 2 ± 1 . 2 %( 平 均 値±標 準 偏 差 ) だ っ た 。 本 結 果 か ら 、H b A 1 c 値 が 高 値 で は な い 患 者 に 対 し て も 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 日 本 に お い て は I G T を 対 象 に 、欧 米 に お い て は 前 糖 尿 病 患 者 を 対 象 に 血 糖 降 下 薬 に よ る 薬 物 治 療 が 実 施 さ れ る こ と が あ る た め 、早 期 の 薬 物 治 療 の 介 入 の 実 態 を 明 ら か に す る こ と が 、血 糖 降 下 薬 の 適 正 使 用 の 評 価 に 必 要 で あ る と 考 え る 。

(28)

23

1 . 5 小 括

2 0 1 0 年 に 承 認 さ れ た D P P - 4 阻 害 薬 は 2 年 を 超 え て 処 方 割 合 が 上

昇 し 、日 本 の 2 型 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 治 療 薬 と し て 定 着 し た と 考 え ら れ る 。血 糖 降 下 薬 が 投 薬 さ れ て い る 患 者 の 中 に は 、H b A 1 c 値 が 低 値 で あ る 患 者 も 含 ま れ た 。早 期 の 糖 尿 病 患 者 に 対 し て も 血 糖 降 下 薬 が 投 与 さ れ て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。

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24

2 章 日 本 に お け る 2 型 糖 尿 病 の 発 症 リ ス ク の あ る 患 者 の 特 徴

と 早 期 薬 物 治 療 に 関 す る 検 討 ; 健 康 診 査 デ ー タ と レ セ プ ト デ ー タ を 用 い た 後 ろ 向 き コ ホ ー ト 研 究

2 . 1 背 景

2 型 糖 尿 病 発 症 の リ ス ク の あ る 患 者 に 対 し て 生 活 習 慣 の 改 善 と い っ た 早 期 の 介 入 を す る こ と は 、2 型 糖 尿 病 患 者 発 症 を 予 防 す る う え で 重 要 で あ る[ 6 , 9 , 3 5 - 3 7 ]。 生 活 習 慣 の 介 入 に よ り 血 糖 コ ン ト ロ ー ル が 安 定 し な い 場 合 は 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ る[ 3 , 4 , 3 8 ]。

A D A で は 、F P G:1 0 0 か ら 1 2 5 m g / d L、7 5 g O G T T:1 4 0 か ら 1 9 9

m g / d L、H b A 1 c 値 : 5 . 7 か ら 6 . 4 %の い ず れ か に 該 当 す る 患 者 を

P r e d i a b e t e s と 定 義 し 、運 動 療 法 や 食 事 療 法 と い っ た 早 期 治 療 を 推 奨

し て い る[ 9 ]。更 に 、糖 尿 病 に 発 展 す る 可 能 性 の 高 い B M I > 3 5 k g / m2、 6 0 歳 未 満 、 妊 娠 糖 尿 病 の 前 段 階 で あ る 女 性 患 者 で は メ ト ホ ル ミ ン の 投 与 が 推 奨 さ れ て い る[ 9 , 1 0 ]。

日 本 で は 、健 康 保 険 等 の 加 入 者 は 定 期 健 康 診 断( 国 に よ り 、1 5 歳 以 上 の 労 働 者 に 行 う こ と が 義 務 付 け ら れ て い る 、1 年 に 1 回 定 期 的 に 医 師 に よ り 行 わ れ る バ イ タ ル サ イ ン 、一 般 的 な 生 化 学 的 検 査 、血 球 算 定 検 査 の 定 期 検 査 ; 労 働 安 全 衛 生 規 則 第 一 編 第 六 章 健 康 の 保 持 増 進 の た め の 措 置 第 四 十 四 条 ) を 受 診 し 、 そ の 検 査 結 果 を 基 に 2 型 糖 尿 病 が 発 症 す る 前 に 医 療 機 関 を 利 用 す る こ と が 多 い 。日 本 糖 尿 病 学 会 は 生 活 習 慣 の 早 期 改 善 の 対 象 者 を I G T と 定 め て い る 。メ タ ボ リ ッ ク シ ン ド ロ ー ム を 対 象 に 、 健 康 診 査 が 2 0 0 8 年 に 開 始 さ れ

た[ 3 9 , 4 0 ]。I G T の よ う な 2 型 糖 尿 病 へ の 進 展 の リ ス ク が あ る 患 者

は 健 康 診 査 の 結 果 、 受 診 勧 奨 が な さ れ 、 病 院 ・ 医 院 を 受 診 し 、 確 定

(30)

25

診 断 が 下 さ れ る 。 患 者 が 受 診 し た 際 に 、 医 師 は I G T 患 者 に 対 し て 、 生 活 習 慣 の 改 善 を 促 し 、3 か ら 6 ヶ 月 の フ ォ ロ ー ア ッ プ の 末 、 必 要 な 場 合 は 薬 物 治 療 を 開 始 す る 。

早 期 血 糖 降 下 薬 に よ る 薬 物 治 療 の 必 要 性 を 評 価 す る に あ た り 、実 際 の 薬 物 療 法 の 調 査 が 必 要 で あ る 。2 型 糖 尿 病 へ の 進 展 リ ス ク の あ る 患 者 は レ セ プ ト デ ー タ に て 特 定 す る こ と が で き な い た め 、日 本 の プ ラ イ マ リ ケ ア に お い て は 早 期 の 薬 物 治 療 は ま だ 調 査 さ れ て い な か っ た 。日 本 の 健 康 診 査 と 特 定 健 康 診 査 の デ ー タ を 突 合 し 追 跡 す る こ と で 、2 型 糖 尿 病 へ の 進 展 リ ス ク の あ る 患 者 の 特 徴 と 早 期 の 血 糖 降 下 薬 の 処 方 内 容 を 明 ら か に す る こ と が 可 能 と な っ た 。

今 回 、国 内 の 複 数 の 健 康 保 険 組 合 に 加 入 す る 被 保 険 者 並 び に そ の 家 族 の 健 康 診 断 デ ー タ と レ セ プ ト デ ー タ を 利 用 し て 、日 本 に お け る 2 型 糖 尿 病 へ の 進 展 リ ス ク の あ る 患 者 の 特 徴 と 薬 物 治 療 の 実 態 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た 。

2 . 2 方 法

2 . 2 . 1 デ ー タ ソ ー ス

株 式 会 社 J M D C( 以 下 、J M D C)が 所 有 す る 健 康 診 査 並 び に レ セ プ ト デ ー タ を 使 用 し た 。J M D C が 有 す る デ ー タ ベ ー ス に は 、 国 内 の 複 数 の 健 康 保 険 組 合 に 加 盟 す る 被 保 険 者 並 び に そ の 家 族 の 4 0 0 , 6 8 0 レ コ ー ド の 健 康 診 査 デ ー タ( 以 下 、健 診 デ ー タ )並 び に 3 8 , 1 6 9 , 7 8 7 レ コ ー ド の 診 療 報 酬 請 求 デ ー タ ( 以 下 、 レ セ プ ト デ ー タ ) が 含 ま れ て い る 。

本 研 究 に お い て 、1 8 歳 以 上 で 、糖 尿 病 の 診 断 名 で 診 療 報 酬 の 請 求 が さ れ た 2 0 0 5 年 4 月 か ら 2 0 1 5 年 3 月 ま で の レ セ プ ト デ ー タ 2 4 5 , 8 6 8

(31)

26

レ コ ー ド (n = 1 9 0 , 5 0 7、 男/女 11 7 , 9 4 3 / 7 2 , 5 6 4) と 健 診 デ ー タ 1 0 , 6 9 8 レ コ ー ド (n = 1 0 6 , 9 8 4、 男/女 7 6 , 9 0 9 / 3 0 , 0 7 5) を 用 い た (F i g u r e 4)。

レ セ プ ト デ ー タ に は 保 険 請 求 さ れ た 全 て の 医 療 行 為 情 報 が 含 ま れ 、 そ の 中 か ら 医 薬 品 、 検 査 名 、 診 断 名 、 年 齢 、 性 別 に 関 す る デ ー タ を 使 用 し た 。 ま た 、 健 診 デ ー タ か ら は 、H b A 1 C(N G S P)、 空 腹 時 血 糖

値 、B M I、 腹 囲 、 血 圧 、 ト リ グ リ セ リ ド (T G)、H D L コ レ ス テ ロ ー

ル 、L D L コ レ ス テ ロ ー ル 、A LT、A S T、γ - G T P、血 清 ク レ ア チ ニ ン と

喫 煙 習 慣 、 飲 酒 習 慣 、 運 動 習 慣 、 睡 眠 の 質 と い っ た 生 活 習 慣 に 関 す る デ ー タ を 使 用 し た 。

F i g u r e 4 . フ ロ ー チ ャ ー ト

(32)

27

2 . 2 . 2 対 象 患 者

レ セ プ ト デ ー タ と 健 診 デ ー タ を 患 者 の 固 有 I D を も と に 突 合 さ せ 、 本 研 究 の コ ホ ー ト を 選 択 し 、 追 跡 し た (F i g u r e 5)。 ま ず 、 そ れ ぞ れ の 健 康 診 査 日 に お い て 、過 去 に 糖 尿 病 の 診 断 が さ れ て お ら ず 、血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ て い な い 4 0 歳 以 上 か つ F P G 1 0 0 m g / d L か ら 1 2 5

m g / d L ま で 、 ま た は 、H b A 1 c 値 5 . 7 %か ら 6 . 4 %の 患 者 を 2 型 糖 尿 病

発 症 リ ス ク 患 者 ( 前 糖 尿 病 患 者 ) と し て 選 択 し た 。 こ こ で 、 前 糖 尿 病 に 関 し て 日 本 人 を 対 象 に し た 定 義 が な い た め 、A D A の 定 義 を 参 考 に し た 。た だ し 、7 5 g O G T T の 検 査 値 に つ い て は 、健 診 デ ー タ に は 含 ま れ て い な い た め 、今 回 の 定 義 か ら は 除 い た 。ま た 、3 9 歳 以 下 の 成 人 が 全 て 健 康 診 査 を 実 施 す る わ け で は な い た め 、選 択 バ イ ア ス を 除 く 目 的 で 4 0 歳 以 上 に 対 象 を 限 定 し た 。J M D C の デ ー タ に 組 み 込 ま れ た 時 点 で 、す で に 糖 尿 病 を 発 症 し て い る 可 能 性 が あ る 患 者 を 除 外 す る た め に 、観 察 期 間 が 不 十 分 と な る J M D C の デ ー タ 組 み 入 れ か ら 初 回 の 健 康 診 査 ま で の 間 が 1 年 以 内 の 患 者 、血 糖 降 下 薬 が す で に 処 方 さ れ て い た 患 者 、1 型 糖 尿 病 の 患 者 、 糖 尿 病 性 腎 症 や 糖 尿 病 性 神 経 障 害 や 糖 尿 病 性 網 膜 症 を 有 す る 患 者 を 除 外 し た 。次 に 、前 糖 尿 病 と し て 選 択 し た 患 者 が レ セ プ ト デ ー タ か ら H b A 1 c や F P G 等 の 糖 尿 病 関 連 の 検 査 を 実 施 し た 時 点 を 初 回 受 診 日 と し た 。前 糖 尿 病 の 定 義 に 当 て は ま っ た 初 回 の 健 康 診 査 か ら 糖 尿 病 関 連 の 検 査 を 実 施 し た 初 診 日 ま で の 間 に F P G 1 2 6 m g / d L 以 上 ま た は H b A 1 c 6 . 5 %以 上 と な り 糖 尿 病 を 発 症 し た 患 者 は 除 外 し た 。

ま た 、研 究 コ ホ ー ト は 血 糖 降 下 薬 の 処 方 開 始 日 に 応 じ て 2 群 に 分 け た 。健 康 診 断 後 に 初 め て 医 療 機 関 を 受 診 し て か ら 6 ヶ 月 以 内 に 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ た 患 者 を 早 期 薬 物 治 療 群 、健 康 診 断 後 に 初 め て

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28

医 療 機 関 を 受 診 し て か ら 6 ヶ 月 以 内 に 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ な か っ た 群 を 非 薬 物 治 療 群 に 分 類 し た 。

F i g u r e 5 . 研 究 デ ザ イ ン

2 . 2 . 3 変 数

以 下 の 患 者 の 特 徴 は 初 診 日 の 直 前 の 健 診 デ ー タ を 用 い た ; 年 齢 、 性 別 、F P G、H b A 1 c、B M I、 推 算 糸 球 体 濾 過 量 (e G F R)。 更 に 、 併 存 疾 患 に 関 し て は 服 薬 と I C D - 1 0 に よ り 定 義 づ け た 。 直 前 の 健 診 デ ー タ の 時 点 に お い て 、 喫 煙 習 慣 、 飲 酒 習 慣 、 運 動 習 慣 、 睡 眠 の 質 の よ う な 患 者 の 生 活 習 慣 に 関 し て は 、患 者 の 問 診 票 の 結 果 を 用 い た 。喫 煙 習 慣 が あ る と は 、 喫 煙 開 始 か ら 健 康 診 査 の 時 点 ま で に 総 本 数 1 0 0 本 を 喫 煙 し て い る か 、6 ヶ 月 間 以 上 喫 煙 を し て い る か 、 最 近 1 ヶ 月 間 の 間 に 喫 煙 を し て い る と 回 答 し た 場 合 と し た 。飲 酒 習 慣 あ り と は 健 康 診 査 の 問 診 票 で 「 毎 日 」「 時 々 」 と 回 答 し た 患 者 と し た 。 運 動

(34)

29

習 慣 あ り と は 、1 週 間 に 2 日 以 上 3 0 分 以 上 の 運 動 を 実 施 し て い る か 、1 年 以 上 継 続 的 に 運 動 を し て い る と 回 答 し た 患 者 と し た 。 睡 眠 の 質 が 良 好 と は 患 者 が 十 分 な 休 息 を と れ て い る と 回 答 し た 場 合 と し た 。 更 に 、2 0 1 0 年 以 降 D P P - 4 阻 害 薬 の 発 売 に 伴 い 、 処 方 傾 向 が 大 き く 変 化 し た た め 、2 0 0 5 年 か ら 2 0 1 0 年 と 2 0 1 0 年 か ら 2 0 1 5 年 の 処 方 時 期 に よ る 処 方 薬 剤 の 割 合 の 比 較 を し た 。

前 糖 尿 病 患 者 に 対 す る 初 回 の 血 糖 降 下 薬 に 関 し て 、初 回 の 単 剤 療 法 の 系 統 を 調 査 し 、S U 薬 、A - G I、B G 薬 、T Z D、g l i n i d e 薬 、D P P - 4 阻 害 薬 、S G LT- 2 阻 害 薬 、G L P - 1 R A、 イ ン ス リ ン に 分 類 し た 。

2 . 2 . 4 統 計 解 析

ベ ー ス ラ イ ン の 患 者 の 特 徴 に つ い て は 平 均 値( 標 準 偏 差 )に て 記 述 し た 。早 期 薬 物 治 療 群 と 非 薬 物 治 療 群 間 の カ テ ゴ リ ー 変 数 と 連 続 変 数 を 比 較 す る た め に 、F i s h e r の 正 確 検 定 ま た は カ イ 二 乗 検 定 を 用 い た 。 統 計 学 的 な 優 位 水 準 は P < 0 . 0 5 と し た 。 年 齢 、 性 別 、B M I、

e G F R と い っ た 様 々 な 患 者 の 特 徴 に よ る 患 者 特 性 ご と に 血 糖 降 下 薬

の 処 方 割 合 を 計 算 し た 。 全 て の 統 計 処 理 は S A S s t a t i s t i c a l s o f t w a r e v e r s i o n 9 . 3(S A S I n s t i t u t e I n c . , C a r y, N C , U S A) を 使 用 し た 。

日 本 に お け る 早 期 介 入 の 対 象 が 日 本 に お い て F P G 11 0 m g / d L か

ら 1 2 5 m g / d L( A D A の 定 義 よ り 高 値 ) と な っ て い る た め 、 感 度 分

析 を 行 っ た 。 感 度 分 析 に お い て 、 初 回 の 健 康 診 査 時 に 4 0 歳 以 上 の 患 者 で 、F P G 11 0 m g / d L か ら 1 2 5 m g / d L ま た は H b A 1 C(N G S P) 値

5 . 7 %か ら 6 . 4 %群 の 患 者 を 選 択 し た 。

(35)

30

2 . 2 . 5 倫 理 審 査

本 研 究 は 明 治 薬 科 大 学 の 倫 理 委 員 会 に よ っ て 承 認 さ れ た( 承 認 番

号 2 7 0 9)。ま た 、2 0 1 3 年 ヘ ル シ ン キ 宣 言 の 原 則 に 従 っ て 実 施 さ れ た 。

2 . 3 結 果

レ セ プ ト デ ー タ と 健 診 デ ー タ か ら 、組 み 入 れ 基 準 に 合 致 す る 患 者

5 , 6 7 6 例 を 同 定 し た (F i g u r e 4)。Ta b l e 5 に 示 す 通 り 、 年 齢 5 4 ± 8 歳

( 平 均±標 準 偏 差 )、7 0% が 男 性 だ っ た 。H b A 1 c は 5 . 8 ± 0 . 3 %( 平 均± 標 準 偏 差 )、F P G 1 0 3 ± 1 9 m g / d L( 平 均±標 準 偏 差 ) だ っ た 。 平 均 追 跡 期 間 は 5 . 1 ± 2 . 2 年 ( 平 均±標 準 偏 差 ) だ っ た 。 解 析 対 象 者 5 , 6 7 6 例 の う ち 、2 7 6 例 が 初 回 受 診 の 後 6 ヶ 月 以 内 に 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ 、

5 , 4 0 0 例 が 初 回 受 信 後 6 ヶ 月 以 内 に 血 糖 降 下 薬 が 処 方 さ れ な か っ た

(F i g u r e 4)。

Ta b l e 5 . 解 析 対 象 者 (n = 5 , 6 7 6) の 特 徴

平 均 値 ± 標 準 偏 差

年 齢 、 歳 5 4 ± 8

男/女 、 n(%) 3 , 9 8 2(7 0)/ 1 , 6 9 4(3 0)

B M I、k g / m2 † 2 5 ± 4

腹 囲 、c m 8 6 ± 1 0

空 腹 時 血 糖 値 、m g / d L 1 0 3 ± 1 0

H b A 1 c 値 、% 5 . 8 ± 0 . 3

収 縮 期 血 圧 、m m H g 1 3 0 ± 1 8 拡 張 期 血 圧 、m m H g 8 0 ± 1 2

A S T、U / L 2 5 ± 1 4

A LT、U / L 2 9 ± 2 2

γ - G T P、U / L 5 1 ± 5 8

e G F R、m L / m i n / 1 . 7 3 m2 † 8 0 ± 2 5

H D L -コ レ ス テ ロ ー ル 、m g / d L 5 9 ± 1 6

L D L -コ レ ス テ ロ ー ル 、m g / d L 1 3 1 ± 3 4

平 均 値±標 準 偏 差 、 検 査 値 は 初 回 の 医 療 機 関 受 診 直 前 の 健 康 診 査 の 結 果 を 用 い て い る 。

(36)

31

両 群 の 患 者 の 基 本 情 報 を Ta b l e 6 に 示 す 。F P G 値 が 11 0 m g / d L か

ら 11 9 m g / d L ま た は H b A 1 c 値 6 . 0 %か ら 6 . 4 %に 該 当 す る 早 期 薬 物 治

療 群 が 非 薬 物 療 法 群 よ り も 多 か っ た 。非 薬 物 療 法 群 に 比 べ て 早 期 薬 物 療 法 群 に お い て B M I 2 3 k g / m2 未 満 の 患 者 が 多 か っ た 。 更 に 、 非 薬 物 療 法 群 に 比 べ て 早 期 薬 物 療 法 群 に お い て B M I 2 5 k g / m2 よ り も 高 い 患 者 が 多 か っ た 。両 群 間 に お い て 年 齢 の 分 布 に 統 計 学 的 な 差 は な か っ た 。

(37)

32

Ta b l e 6 . 早 期 投 薬 群 と 非 早 期 投 薬 群 の 患 者 特 徴 の 比 較

(38)

33

高 血 圧 症 、 心 血 管 障 害 、 腎 障 害 、 肝 障 害 の 患 者 は 非 薬 物 療 法 群 に 比 べ て 早 期 薬 物 療 法 群 の 方 が 少 な か っ た 。一 方 で 、喫 煙 習 慣 や 飲 酒 習 慣 が あ る 患 者 は 非 薬 物 療 法 群 に 比 べ て 早 期 薬 物 療 法 群 の 方 で 多 か っ た 。運 動 習 慣 や 睡 眠 の 質 に 関 し て は 両 群 に 統 計 学 的 な 差 は な か っ た 。

早 期 薬 物 療 法 群 2 7 6 例 の う ち 、2 3 0 例 (8 3 %) が 単 剤 療 法 、4 6 例

(1 7 %) が 2 剤 以 上 の 併 用 療 法 を 実 施 し て い た 。 単 剤 療 法 だ っ た 血

糖 降 下 薬 の 系 統 は S U 薬 1 0 例 (4 %)、B G 薬 2 8 例 (1 0 %)、A - G I 4 4

例 (1 6 %)、T Z D 1 8 例 (7 %)、g l i n i d e 薬 6 例 (2 %)、D P P - 4 阻 害 薬

7 9 例 (2 9 %)、 イ ン ス リ ン 4 5 例 (1 6 %) だ っ た 。G L P - 1 R A、S G LT- 2

阻 害 薬 の 患 者 は い な か っ た 。1 6 例 (7 %) は 日 本 に お い て I G T に 対 す る 治 療 の 適 応 を 有 し て い る ボ グ リ ボ ー ス が 処 方 さ れ て い た 。イ ン ス リ ン が 開 始 さ れ て い た 4 5 例 の う ち 、3 9 例 (8 7 %) は 抗 菌 薬 を 併 用 し て い た 。3 9 例 中 1 7 例 (4 4 %) は 副 腎 皮 質 ス テ ロ イ ド と の 併 用 で あ り 、残 り の 2 2 例(5 6 %)は が ん の 治 療 と 糖 尿 病 性 ケ ト ア シ ド ー シ ス の 治 療 に 用 い る カ リ ウ ム 製 剤 か イ ン ス リ ン を 用 い た 成 長 ホ ル モ ン 検 査 を 実 施 し て い た 。

早 期 薬 物 治 療 群 の 血 糖 降 下 薬 の 選 択 は Ta b l e 7 に ま と め た 。A - G I

と D P P - 4 阻 害 薬 は 第 一 選 択 薬 と し て 最 も 多 く 5 3 %を 占 め た 。 次 い

で 、イ ン ス リ ン と B G だ っ た 。S U 薬 、T Z D、g l i n i d e 薬 は 少 数 の 患 者 だ っ た 。D P P - 4 阻 害 薬 は 患 者 の 特 徴 に よ ら ず 、 最 も 多 く 処 方 さ れ て い た 。B G と A - G I は 年 齢 と 共 に 処 方 数 が 減 少 し 、D P P - 4 阻 害 薬 は 年 齢 と 共 に 処 方 数 が 増 加 し た 。B G は B M I が 大 き く な る ほ ど 処 方 数 が 増 加 し 、D P P - 4 阻 害 薬 は B M I と 共 に 処 方 数 が 減 少 し た 。

感 度 分 析 の 結 果 、方 法 の 項 で 定 義 づ け た 新 た な 患 者 の コ ホ ー ト に

(39)

34

て 4 , 4 6 9 例 の 患 者 が 同 定 さ れ た 。早 期 薬 物 治 療 群 は 2 2 5 例 と 元 の コ

ホ ー ト と の 違 い は 観 察 さ れ な か っ た 。

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