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担当チーム:構造物研究グループ(橋梁)

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(1)

戦-42 既設鋼道路橋における疲労損傷の調査・診断・対策技術に関する研究

研究予算:運営費交付金(理事長特別枠)

研究期間:平 21~平 25

担当チーム:構造物研究グループ(橋梁)

研究担当者:村越潤、上仙靖、梁取直樹

【要旨】

我が国の鋼道路橋は約 5 万 8 千橋(橋長 15m 以上)を数えるが、近年、重交通路線に位置する橋梁や長期供用 された橋梁等において、重大な疲労損傷事例が顕在化しつつある。鋼道路橋の疲労損傷については、交通条件、

構造条件、細部構造、溶接品質等により損傷傾向、原因及び対策方法が異なる場合が多く、これらの事例に対す る調査・診断・対策技術の体系化を図ることが重要と考えられる。本研究では、鋼道路橋における疲労損傷の発 生傾向、各種要因との関係について既存事例に基づく実態分析を行うとともに、具体的な事例について実験・解 析的検討を行い、調査・診断・対策技術に関する知見を現場で活用できる技術資料としてとりまとめることを目 的としている。本年度は、き裂や塗膜割れが確認されている鋼橋の定期点検結果を収集し、損傷実態の整理分析 を行った。また、鋼床版に発生する疲労き裂を対象として、対策技術としての SFRC 舗装の補強効果について検 討を行った。

キーワード:鋼道路橋、疲労、点検結果、鋼床版、 SFRC 舗装 1.はじめに

近年、重交通路線に位置する橋梁や長期供用された橋 梁等において、 重大な疲労損傷事例が顕在化しつつある。

鋼道路橋の疲労損傷については、交通条件、構造条件、

細部構造、溶接品質等により損傷傾向、原因及び対策方 法が異なる場合が多く、これらの事例に対する調査・診 断・対策技術の体系化を図ることが重要と考えられる。

本研究では、鋼道路橋における疲労損傷の発生傾向、各 種要因との関係について既存事例に基づく実態分析を行 うとともに、具体的な事例について実験・解析的検討を 行い、調査・診断・対策技術に関する知見を現場で活用 できる技術資料としてとりまとめることを目的としてい る。

本年度は、定期点検によりき裂(塗膜割れを含む、以 下同様)が確認されている鋼橋の点検結果を収集し、損 傷実態の整理分析を行った。また、鋼床版に発生する疲 労き裂の対策技術として注目されている SFRC 舗装を対 象に、実大鋼床版試験体を用いて補強効果の検討を行っ た。本文ではそれらの検討結果の概要を報告する。

2.定期点検結果を用いた損傷実態の分析 2.1 研究概要

平成 15 年度から平成 19 年度に直轄で実施された定期 点検において、き裂が確認されている鋼橋を対象に、定 期点検結果や橋梁カルテを収集し、き裂の発生部位・発 生数を整理するとともに、主なき裂に対して供用年数や

0 50 100 150 200 250

19 30 19 35 19 40 19 45 19 50 19 55 19 60 19 65 19 70 19 75 19 80 19 85 19 90 19 95 20 00

架設年

橋梁数

0 20 40 60 80 100

発生率 ( % )

S14

設計基準 S31 S39 S43 S48 S55 H2 H6 H8

高度成長期   全ての鋼橋

き裂(塗膜割れ含む)が確認されたもの

き裂発生率

(2)

大型車交通量に対する発生傾向の分析を行った。また、

一部地域についてはき裂の発生していない鋼橋のデータ を収集し、発生率を含めた発生傾向の分析を行った。な お、点検は「橋梁定期点検要領(案) 」

1)

(平成 16 年 3 月、道路局国道・防災課)あるいは「橋梁点検要領(案) 」

2)

(昭和 63 年 7 月、土木研究所)に従って実施されたも のである。 図-1に、直轄の全ての鋼橋(橋長 15m 以上)

3)

と、き裂が確認された直轄の鋼橋について、架設年度毎 に整理した結果を示す。

2.2 対象橋梁と主なき裂

定期点検によってき裂が確認された鋼橋のうち、判定 区分が E (緊急対応が必要な損傷) 、 C (補修が必要な損 傷) 、 S (詳細調査が必要な損傷)のき裂を有する橋梁を 対象に、き裂の種類を整理するとともに、主なき裂に対 して供用年数や大型車交通量との関係を分析した。

図-2に、判定区分毎に橋梁数と径間数を整理した結 果を示す。なお、 1 橋梁あるいは 1 径間に複数のき裂が あり、それらの判定区分が異なる場合は、重複させて計 上した。判定区分は、 S 、 C 、 E の順に多かった。また、

判定区分 E は鋼I桁橋と鋼床版橋に見られた。

図-3に、判定区分 E 、 C 、 S の橋梁について、橋梁形 式毎に橋梁数と径間数を整理した結果を示す。なお、 1 橋で複数の橋梁形式を有する橋梁は、両方の形式で計上 した。鋼 I 桁橋が最も多く、次いで鋼床版橋が多かった。

図-4に、判定区分が E の事例を示す。 (a) は、主桁と 横桁の取合い部に生じたき裂であり、横桁の下フランジ が主桁ウェブを貫通する形式の溶接部から発生し、主桁 ウェブの進展したものである。 (b) は、支点上のソールプ レートと主桁との溶接部から発生し、主桁ウェブに進展 するタイプのき裂である。

図-5に鋼I桁橋・鋼箱桁橋の場合、図-6に鋼床版 橋の場合、 図-7に鋼アーチ橋や鋼トラス橋の床組の場 合について、それぞれ確認されたき裂事例の発生部位を まとめる。

2.3 主なき裂の発生傾向の分析

前節で示したG1~ 3 および SD1~4 のき裂が発生して いる橋梁について、発生傾向について分析した。 図-8 に、主なき裂の発生橋梁数と発生径間数を整理した結果 を示す。鋼I桁橋・鋼箱桁橋では、主桁と横桁・対傾構 の取合い部でのき裂( G1 )が最も多く、次に主桁ウェブ とガセットプレートの溶接部のき裂(G2)が多かった。

鋼床版橋では、横リブとUリブの交差部でのき裂(SD3)

が最も多く、次にデッキプレートとUリブの溶接部のき 裂( SD1)が多かった。

(a) 橋梁数

(b) 径間数

図-2 対策区分毎の橋梁数と径間数

(a) 橋梁数

(b) 径間数

図-3 橋梁形式毎の橋梁数と径間数

E 28橋 (7%) C

67橋 (16%) S

328橋 (78%)

合計 423橋

S 1000径間

(87%)

C 107径間

(9%)

E 42径間

(4%) 合計

1149径間

鋼I桁 330橋 (80%) 鋼箱桁

30橋(7%) 鋼床版 35橋(9%)

鋼トラス 11橋(3%)

その他 5橋(1%) 鋼アーチ

15橋(4%)

合計 411橋

鋼I桁 782径間

(78%) 鋼箱桁

57径間 (6%) 鋼床版 93径間 (9%)

鋼トラス 39径間 (4%)

その他 5径間 (1%) 鋼アーチ

21径間 (2%)

合計

997径間

(3)

(a) 主桁と横桁の溶接部 (主桁ウェブに進展) (b) ソールプレート溶接部 (主桁ウェブに進展)

図-4 判定区分が E の事例

図-5 鋼Ⅰ桁橋・鋼箱桁橋のき裂の事例

図-6 鋼床版橋のき裂の事例

主桁下フランジ

支点上 補剛材

ソールプレート 主桁 ウェブ

フランジ貫通後

端横桁

主桁 中間横桁

横構

G3. ソールプレート溶接部 G1. 主桁と横桁・対傾構の取合い部

G2. 主桁ウェブとガセットプレートの溶接部

横桁 下フランジ

主桁下フランジ 主桁ウェブ 横桁ウェブ

リブプレート

(ウェブギャップ版)

横構 主桁 下フランジ 主桁 垂直補剛材 ウェブ

未溶接

横構

主桁 下フランジ

主桁 ウェブ 垂直補剛材

主桁上フランジ

主桁 ウェブ

横桁 上フランジ

横桁 ウェブ

横桁 下フランジ

主桁下フランジ 垂直 補剛材 上側リブ板

主桁上フランジ

主桁 ウェブ

横桁 上フランジ 横桁ウェブ

デッキプレート

横リブ Uリブ

ウェブに進展

デッキプレート

横リブ Uリブ

Uリブ側止端から発生

横リブ側止端から発生 デッキプレート

Uリブ

デッキプレート

Uリブ ウェブ

SD3.

横リブと Uリブの交差部 SD2. Uリブの

現場溶接部

SD4. デッキと垂直補剛材の溶接部

SD1.デッキとUリブの溶接部(ビード進展)

デッキ プレート

垂直 補剛材 主桁 ウェブ

(4)

図-9に、供用年数と日大型車交通量( H17 センサス)

とき裂発生橋梁数の関係を整理した結果を示す。なお、

図中には累積大型車交通量(平成 19 年までの供用年数

×日大型車交通量× 365 )の曲線も示した(例えば、累 積大型車交通量 1 億台とは、 供用年数40 年で日大型車量 6850 台に相当する) 。ただし、日大型車交通量や供用年 数が不明のものは計上しなかった。鋼I桁橋・鋼箱桁橋 では、累積大型車交通量との関係は明確でないが、供用

年数が 30 年以上でき裂発生橋梁数が多かった。 鋼床版橋 では、累積大大型車台数が 1 億台以上でき裂発生橋梁数 が多かった。

図-10に、 一部地域においてき裂の発生していない橋 梁のデータを用いて、き裂発生率(橋梁数)について供 用年数と日大型車交通量との関係を整理した結果を示す。

同図では発生率で整理しているが、き裂発生橋梁数で整 理した図-9と概ね同様の傾向であった。

(a) 垂直材の上下端の接合部 (b) 床組における主構と横桁の接合部 図-7 鋼アーチ・鋼トラス橋でのき裂の事例

(a) 鋼Ⅰ桁橋・鋼箱桁橋における主なき裂の発生橋梁数 (b) 鋼床版橋における主なき裂の発生橋梁数

(c) 鋼Ⅰ桁橋・鋼箱桁橋における主なき裂の発生径間数 (d) 鋼床版橋における主なき裂の発生径間数 図-8 主なき裂の発生橋梁数と発生径間数 ※図中記号は図-6に対応

主構上フランジ

主構 ウェブ

主構下フランジ 床げたウェブ

床げた上フランジ

床げた下フランジ

主構上フランジ 主構上フランジ

主構 ウェブ

主構下フランジ 床げたウェブ

床げた上フランジ 床げた上フランジ

床げた下フランジ 床げた下フランジ

G3 92径間

(26%) G2 166径間

(46%)

G1 773径間

(215%) 合計

1031径間

SD1 51径間

(14%)

SD2 29径間

(8%) SD3

67径間 (19%) SD4 14径間

(4%)

合計 161径間 G1

263橋 (73%) G2

42橋 (12%)

G3 55橋 (15%)

合計 360橋

SD1 14橋 (4%)

SD2 9橋 (3%) SD3

24橋 (7%) SD4 5橋 (1%)

合計 52橋 補剛桁

き裂

垂直材

き裂 垂直材

アーチ

リブ

(5)

3.鋼床版における SFRC 舗装の補強効果に関する検討 3.1 研究概要

鋼床版橋では、デッキプレートとUリブの溶接部にお いて溶接ルートから発生し、デッキプレートを貫通する 疲労き裂(以下、デッキ貫通き裂)が確認されている。

主な対策方法の一つに SFRC 舗装による補強が挙げられ

るが、土木研究所では、これまでに SFRC 舗装による既 設鋼床版の補強効果について実験的・解析的検討を実施 しており、その成果を設計・施工マニュアル(案)

4)

とし てまとめている。

一方、鋼床版橋では、デッキ進展き裂とともに、溶接 ルートからビードを貫通する疲労き裂(以下、ビード進 (a) 鋼Ⅰ桁橋・鋼箱桁橋 (b) 鋼床版橋

図-9 供用年数と日大型車交通量とき裂発生橋梁数の関係

(a) 鋼Ⅰ桁橋・鋼箱桁橋

(b) 鋼床版橋

図-10 供用年数と日大型車交通量とき裂発生率(橋梁数)の関係

0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50以上

14~16 12~14 10~12 8~10 6~8 4~6 2~4

0~2 16~18 18~20 20~22 22~24 24~26 26~28 28~30 30以上

8%

(1/12) 0%

(0/6) 0%

(0/17) 0%

(0/9) 0%

(0/8) 0%

(0/25) 0%

(0/8) 0%

(0/1) 0%

(0/4)

0%

(0/2) 0%

(0/2) 0%

(0/2) 0%

(0/7) 11%

(1/9) 0%

(0/11) 0%

(0/24) 13%

(3/24) 17%

(4/23) 0%

(0/21) 6%

(1/17) 14%

(2/14) 7%

(1/15)

0%

(0/3) 0%

(0/1) 0%

(0/14) 0%

(0/11) 29%

(2/7) 8%

(1/13) 4%

(1/23) 9%

(2/23) 0%

(0/10) 14%

(2/14) 0%

(0/27) 6%

(2/36) 21%

(4/19) 10%

(1/10) 13%

(5/40) 2%

(1/46) 20%

(9/46) 27%

(8/30) 19%

(7/36) 23%

(5/22) 23%

(5/22) 43%

(9/21) 0%

(0/7) 22%

(2/9)

50%

(2/4)

33%

(4/12) 0%

(0/11) 10%

(4/39) 7%

(2/30) 19%

(3/16) 13%

(1/8) 33%

(3/9) 38%

(3/8) 100%

(1/1)

0%

(0/1) 0%

(0/2)

0%

(0/3)

0%

(0/1) 20%

(1/5) 0%

(0/5) 0%

(0/1) 0%

(0/2) 0%

(0/4)

0%

(0/1)

日大型車交通量(千台/日)

供用 年数 ( 年)

累積大型車交通量

5千万台 1億台 2億台 4億台

数値はき裂発生率を示す。

括弧内は(き裂発生橋梁数/対象橋梁数)

0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50以上

14~16 12~14 10~12 8~10 6~8 4~6 2~4

0~2 16~18 18~20 20~22 22~24 24~26 26~28 28~30 30以上

0%

(0/1) 0%

(0/1) 0%

(0/4) 0%

(0/1)

0%

(0/2) 0%

(0/2)

50%

(1/2)

100%

(2/2) 100%

(1/1) 17%

(1/6) 67%

(2/3) 17%

(1/6) 0%

(0/2) 0%

(0/5) 0%

(0/2)

0%

(0/1) 100%

(1/1) 100%

(1/1) 50%

(3/6) 0%

(0/2) 50%

(1/2) 0%

(0/4) 0%

(0/1) 0%

(0/1) 0%

(0/1) 100%

(2/2) 14%

(1/7) 50%

(1/2)

100%

(2/2)

0%

(0/1)

67%

(2/3) 0%

(0/1)

0%

(0/1)

0%

(0/1) 0%

(0/1) 100%

(1/1)

日大型車交通量(千台/日)

供用年 数 ( 年)

累積大型車交通量

5千万台 1億台 2億台 4億台

数値はき裂発生率を示す。

括弧内は(き裂発生橋梁数/対象橋梁数)

1 1

3 1 3 2 1 2

4 5 4 5 1 6 1 1 3 1 2 1

9 26 11 9 15 6 14 5 3 2 13 1 23 20 20 10 9 5 3 5 5 1 2 1 2 4 5

1 3 1

2 3

31 39

0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50以上

30 以上 28 ~ 30 26 ~ 28 24 ~ 26 22 ~ 24 20 ~ 22 18 ~ 20 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10

0 ~ 2 2 ~ 4 4 ~ 6 6 ~ 8

日大型車交通量(千台/日)

供用年数(年 )

累積大型車交通量

5千万台 1億台 2億台 4億台

数値はき裂発生橋梁数

1 1 1 2 6 2

2 1 2 2 2

5 1 2 2 2 1 2

1 7

6

1

0~10 10~20 20~30 30~40 40~50 50以上

30 以上 28 ~ 30 26 ~ 28 24 ~ 26 22 ~ 24 20 ~ 22 18 ~ 20 16 ~ 18 14 ~ 16 12 ~ 14 10 ~ 12 8 ~ 10

0 ~ 2 2 ~ 4 4 ~ 6 6 ~ 8

日大型車交通量(千台/日)

供 用年数(年)

累積大型車交通量

5千万台 1億台 2億台 4億台

数値はき裂発生橋梁数

(6)

展き裂)が発生している事例が多い。 SFRC 舗装ではデ ッキプレート溶接部周辺の局部応力軽減効果が得られる のでビード貫通き裂の発生・進展に対しても十分な抑制 効果が期待できるものと考えられる。これまでに実施さ れている補強事例では、 ビード貫通き裂の長さに応じて、

SFRC 舗装に加えて当て板による断面補強を併用する対 策が行われているが、目視では確認困難なビード内在き 裂の進展や、観察孔に露出したルートからの新たなき裂 の発生が懸念されるところである。

本研究では、ビード貫通き裂を存置した場合の SFRC 舗装によるき裂進展抑制効果について実験的に検討を行 った。本年度は、過年度までに SFRC 舗装の補強効果を 検討していた実大鋼床版試験体を用いて、デッキプレー トとUリブの溶接部にスリットを導入することによりビ ード貫通き裂を模擬して、静的載荷試験や定点疲労載荷

試験を実施した。試験では、スリット長を変化させ、観 察孔周辺のひずみを計測して応力性状を検討した。定点 疲労試験については、現在、試験を継続中であるため、

本報告では静的載荷試験の結果を報告する。

なお、本研究は、㈱横河ブリッジホールディングスと の共同研究「鋼床版橋梁の疲労耐久性向上技術に関する 共同研究(その 2) 」 (平成 16~ 21 年度)の一環として実 施している。

3.2 試験体

図-11に、本試験で用いた試験体を示す。 U リブ支間 は、 1,375mm と 2,750mm の 2 径間とし、デッキプレート 厚は 12mm である。試験体には 8mm と 6mm のリブ厚の U リブが設置されているが、本試験では 8mm 厚 U リブ に着目して検討を行った。使用鋼材は SM490Y である。

デッキプレート上面には 75mm 厚のSFRC 舗装が設置さ 図-11 試験体、各試験 Case のスリット長、およびゲージ位置

t = 8 t = 8

t = 6 t = 6

スリット導入溶接線 27501375 13751375

4 5

160 160

3 4 5

Li n e 1 2

160 160

2 3

Li n e 1 200 100 200

A Se c . B C D E F G H I J

K L M N O P Q R S T

11 x 100 = 110011 x 100 = 1100

a b c d

e 2 x 87.5 = 175 200200 300200100 400200100100

着目箇所 着目箇所 着目箇所

着目箇所着目箇所

100100100 1 2 43

着目箇所 着目箇所 着目箇所

ase ase ase ase

25 12 4 12

4 計57

載荷Case毎のスリット長と着目箇所

中間横リブ

端横リブ 垂直補剛材 端横リブ

C C C C

55

5

5

20

5 5 3

4 45°

12

スリット 観察孔の形状とゲージ位置

切削除去

24. φ

5 5R以下 奥行き200mm

(7)

れている。デッキプレートと SFRC の接着には、エポキ シ系高耐久性接着材を用い、 SFRC 端部や横リブ位置に はスタッドが配置されている。 なお、 本試験体では、 SFRC 舗装の施工前に隣接の 8mm 厚 U リブを対象とした輪荷 重走行試験(図-11の Line5 に載荷)が実施されており、

ダブルタイヤによって挟まれるデッキプレートとUリブ

(Line4 側ウェブ)との溶接部にデッキ進展き裂が生じ ている

5)

。また、 SFRC 舗装の施工後にダブルタイヤが主 桁ウェブ(張り出し部側)を挟み込む位置で輪荷重走行 試験を実施しており、主桁ウェブ直上や横リブウェブ直 上の SFRC には、ひび割れが発生している

6)

本試験体では、デッキプレートとU リブとの溶接部の 溶込み量は 75%程度が確保されている。一方、ビードき 裂が確認されている既設橋の場合、溶込みやのど厚が不 足している場合が多い。そこで本試験体も、既設橋の溶 接状態に合わせるため、 図-11の右下図に示すように溶 接ビードを切削除去(ひずみを計測する範囲)した。な お、溶接ビードの切削除去による影響を調査するため、

切削前後でデッキプレートとUリブとの溶接線周辺の応 力を計測した結果、ひずみの変化はほとんどなかった。

3.3 試験方法

本試験では、ビード貫通き裂を模擬したスリットを試 験体に導入し、スリット先端に設けた観察孔のこば面で のき裂の発生に着目して、載荷試験を実施した。載荷ケ ースは、 図-11に示すように、スリット長毎に 4 段階に 分けた。荷重は、静的に 150kN まで載荷した。載荷位置 は、スリットを導入する着目溶接線をダブルタイヤが挟 み込む位置( Line3 )を基本としているが、図-11に示 すように Case4 では、横断方向の分布も検討するため他 の位置(Line1,2,4,5)にも載荷した。

ひずみゲージは、 図-11に示すように、観察孔の周辺 を中心に貼付しており、こば面には局部のひずみ分布を 検討するため、5 連ゲージを用いた。なお、ゲージ長は 全て 1mm である。

3.4 試験結果

(1) U リブこば面のひずみ挙動

図-12に、 Line3 に載荷した場合のスリット長毎の U リブこば面のひずみ挙動を示す。対象としたのは、 U リ ブこば面に貼付した集中ゲージの第 1 ゲージである。観 察孔中心からの載荷中心までの距離を横軸とし、縦軸を (a) 一般部

(b) 交差部

図-12 U リブこば面(5 連ゲージの第 1 ゲージ)のひずみ挙動

-600 -500 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400

700 600 500 400 300 200 100 観察孔 -100 -200 -300 -400

200 300 400

載荷位置

ひず み( μ )

スリット長

スリット側

-400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400

-400 -300 -200 観察孔 -100

100 200 300 400 500 600 700 800

200(観察孔位置:断面N)

300(観察孔位置:断面N)

400(観察孔位置:断面M)

載荷位置

ひずみ( μ )

スリット長

スリット側

荷重0 位置

荷重0 位置

(8)

着目ゲージのひずみ値としており、影響線(スリットの ある方向を正)として整理している。

一般部では、スリット長が増加すると、ひずみの振幅 範囲も大きくなった。圧縮の最大値は、観察孔からスリ ット側に 100 ~ 200mm 離れた位置に載荷した場合に発生 し、引張の最大値は、観察孔からスリットのない側に

300mm 程度離れた位置に載荷した場合に生じた。なお、

観察孔の位置は断面 H であり、すべて同じ位置である。

交差部では、観察孔位置が同じスリット長 200mm と 300mm を比較すると、一般部と同様にスリット長が増加 すると、ひずみの振幅範囲も大きくなる傾向にあると考 えられる。スリット長 400mm では、観察孔位置が前述 の位置から 100mm、横リブから離れる方向に移動した。

観察孔直上に載荷した場合でも、 150 μ程度の差が生じた。

圧縮の最大値は、観察孔からスリット側に 100mm 離 れた位置に載荷した場合に生じ、引張の最大値は、観察

孔からスリットのない側に 300mm 程度離れた位置に載 荷した場合に生じた。

(2) U リブ側面の主応力挙動

図-13に、 Line3 に載荷した場合のU リブ側面に貼付 した 3 軸ゲージにより計測した主応力の挙動(主応力ベ クトル)を示す。

図より、スリットを導入することにより、観察孔の直 上付近に載荷した場合、鉛直方向の圧縮が卓越すること が確認できる。また、スリットのない側に観察孔から 200

~300mm 程度離れた位置に載荷した場合、斜めの方向の 引張が生じることが確認できる。

参考文献

1) 道路局国道・防災課:橋梁定期点検要領(案) 、 2004.3.

2) 土木研究所:橋梁点検要領(案) 、 1988.7.

3) 国土交通省 国土技術政策総合研究所:平成 20 年度道路構造 物に関する基本データ集、国土技術政策総合研究所資料 (a) 一般部

(b) 交差部

図-13 U リブ側面の主応力挙動

A B C D E F G H I J K

L M O N

P Q R S

T e d c b a

Case4 Case1

Case2

Case3

着目部

A B C D E F G H I J K

L M N O P Q R S

T e d c b a

Case4 Case1

Case2

Case3 着目部

(9)

No.545 、 2009.10.

4) 独立行政法人 土木研究所:鋼床版橋梁の疲労耐久性技術に 関する共同研究(その2 ・ 3 ・ 4)報告書 - SFRC 舗装による 既設鋼床版の補強に関する設計・施工マニュアル(案)- 、 共同研究報告書No.395、 2009.10.

5) 有馬、村越:輪荷重走行試験による鋼床版デッキプレート進 展亀裂の再現、土木学会第 61 回年次学術講演会、 I-543 、 2006.9.

6) 宇井、村越、梁取、児玉、辻井、石垣、井口:鋼床版上SFRC

舗装のひび割れ挙動に着目した輪荷重走行試験、土木学会第

63 回年次学術講演会、 I-224、 2008.9.

(10)

RESEARCH ON TECHNIQUES FOR INSPECTION, DIAGNOSIS, AND RETROFIT FOR THE FATIGUE DAMAGES

OF EXISTING STEEL HIGHWAY BRIDGES

Budged : Grants for operating expenses General account

Research Period : FY2009-2013

Research Team : Bridge and Structural Technology Research Group Author : Jun MURAKOSHI

Yasushi JOSEN Naoki YANADORI

Abstract : Recently, serious fatigue damages have been observed increasingly on steel highway bridges which carry severe traffic loads and experience long periods after their completions. The damages are mostly caused by the combination of factors such as traffic volume, structural detail, and the quality of welded connection of the bridges.

Therefore, it is important to systemize the diagnostic examination technique for fatigue damages and retrofit methods for each case. The aim of this research is to figure out the relation between the occurrence tendency and cause of the fatigue damage based on experimental and analytical studies, and to prepare technical guidelines for engineers who engaged in the inspection, diagnosis and retrofit of highway bridges. In FY2009, regular inspection reports were assembled and organized in order to figure out the current fatigue situations of steel highway bridges in Japan. Also, the effectiveness of SFRC pavement, as the reinforcement method for fatigue damages in orthotropic steel deck, was examined.

Key words : steel highway bridge, fatigue, inspection report, orthotropic steel deck, SFRC pavement

参照

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