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50 % 700 2 kg 500 10 30 3000 アルミのリサイクルと廃棄物処理技術   No.98024

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アルミのリサイクルと廃棄物処理技術   No.98024

キーワード:アルミドロス,めっきスラッジ,テルミット反応,含有金属回収

アルミはリサイクルの優等生?

 アルミの軽量性,加工の容易さ,価格など他 の金属にない優れた特徴から,わが国では年々 アルミの使用量が増大しており,年間約 400 万 トンのアルミ地金を輸入,溶解して各種のアル ミ製品を製造しています。使用済みのアルミは 回収して再溶解後再び,ダイキャスト材などに 使用されています(図1,図2参照)。

 溶解するとき,アルミの一部が酸化されたり,

空気中の窒素で窒化アルミが出来たりします。

また,塗料や不純物も混入しますので,これら を分離しなければなりません。再利用できるの は金属アルミだけです。アルミと酸化アルミの 比重差が少ないこと,アルミより酸化アルミの 融点がはるかに高いことなどの理由により完 全にアルミを分離回収することが出来ず,酸化 アルミなどに金属アルミが含まれた状態で処 分しなければなりません。

 回収後の残渣をアルミドロスと呼んでいま すが,これは年間 20 万トン程度にもなります。

これに水がかかると水素やアンモニアガスが 発生し,爆発事故も起こっていますが,埋め立 て等に頼らざるを得ないのが現状です。アルミ リサイクルのためにはアルミドロスの無害化 技術開発が必要です。

アルミドロス無害化技術

アルミドロス無害化の方法として現在,加水 分解法と焼成法が検討されています。加水分解 では長時間かけても完全に分解できず,発生し た多量のガスの処理にコストがかかります。焼 成による無害化は,アーク放電の高熱でアルミ を酸化,無害化するのですが,多量の電力が必 要で,現在のところ実用化は困難です。

テルミット反応を利用したアルミドロスの無害化  アルミ粉と酸化鉄を混合して着火,反応させ ると,アルミが酸化され酸化鉄は還元されて鉄 になります。このとき3000℃の高温が得られ,

以前は新幹線のレールの溶接にもこのテルミ ット反応が利用されていました。

 一方,めっき排水中には重金属が溶けている ので,中和沈殿させて,排水を捨てます。

残ったスラッジ(沈殿物)には銅,ニッケル,

クロムなどが含まれているのですが,資源とし て利用されずにセメントで固めて埋め立て処 分しています。

 アルミドロス中の金属アルミ分(1030%程 度)に注目して,めっきスラッジとテルミット反 応を起こさせ,資源の回収と無害化ができない か実験を行いました。めっきスラッジを乾燥,

500℃で焼成したものとアルミ分30

%のアルミドロスを混合し,るつぼ中でテルミ ット反応させました。その結果2kgの試料で5 分程度の時間で反応は終わり,めっきスラッジ 中のクロム,ニッケルなど金属の回収が出来る こと,また反応後の試料からの重金属の溶出も なく,アルミドロスとめっきスラッジの同時無 害化が短時間に達成できることがわかりまし た。

めっきスラッジ中の含有金属の回収

 アルミドロスを原料にした場合,純粋のアル ミ粉を使用した場合と比較して,テルミット反 応の温度はあまり上がらず,還元された金属と 酸化物の分離が困難です。混合した原料をあら かじめ 700℃程度に予熱してから反応させる と,還元された金属の分離が容易になり,めっ きスラッジ中に含まれている金属分の 50% 上がニッケルやクロムの合金として回収でき ました(図3参照)。

(2)

連続処理のために

 将来,多量のアルミドロスやめっきスラッジ を安全に処理するためには,連続処理が必要で,

そのための処理条件を確定しなければなりま せん。また,分離回収のためには原料の予熱が 必要ですが,予熱中に突然反応が始まると危険 ですので,テルミット反応の着火条件を熱分析 で調べました。酸化鉄と金属アルミ粉を混合し て熱分析を行い,1438℃で発熱反応が始まる ことを見つけました。

 アルミの表面は酸化アルミでおおわれてお り,内部のアルミの酸化を妨げていますが,

1438℃で酸化鉄とアルミ表面の酸化皮膜が反 応してスピネル(FeO・Al2O3)を生成します。言 い換えれば,表面の酸化皮膜がスピネルになる と内部のアルミが酸化されるようになり着火,

テルミット反応が起こることが分かりました。

作成者 評価技術部 環境科学グループ     薦田俊策 Phone:0725-51-2723 発行日 1998年10月14日

 アルミドロスやめっきスラッジには,多種類 の酸化物が含まれているため,もっと低い温度 で着火するものと思われますが,1000℃まで は安全に予熱でき,連続テルミット反応による アルミドロスとめっきスラッジの同時処理は 可能と考えています。

まとめ

 アルミドロスを原料にしたテルミット反応 は,めっきスラッジの無害化と含有金属の回収 に有効で,それ以外にも重金属を含んだ各種ダ ストなど産業廃棄物の無害化に応用できれば より一層素晴らしいと考えています。

参照

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