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低レベル放射性廃棄物処分

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Academic year: 2021

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(1)プロジェクト課題. 低レベル放射性廃棄物処分 背景・目的 原子力発電所の運転等に伴って発生する低レベル放射性廃棄物のうち、放射能濃度が比 較的高いものを対象とした地下 5 0 ~ 1 0 0 m 程度の埋設処分(余裕深度処分)を遅滞なく 実施していくことが望まれている。本処分施設の設計・性能評価の特徴は、人工バリアや 天然バリアの長期の放射性物質のバリア性能評価が必要とされている点にある。 本課題では、人工バリアのバリア性能の長期挙動評価で重要なバリア材料の平衡膨潤圧 [水が浸透することによる材料膨張(膨潤)により発生する材料の圧力]および透水係数 を検討した。また、天然バリアについては、地下水が侵入(涵養)時の温度を利用した新 たな地下水年代評価手法を提案する。. 主な成果 1.ベントナイト系材料の平衡膨潤圧評価 余裕深度処分で人工バリアとなるベントナイト(粘土)系材料は、有効粘土密度など が同一でも、測定された平衡膨潤圧にはばらつきがあるため、施設の性能評価における 不確実性の一因となっている。そのため、測定結果に影響を及ぼす要因のうち、試験装 置の変形性、供試体高さ、供試体の初期飽和度が平衡膨潤圧に及ぼす影響を検討した。 その結果、膨潤圧測定を行う際には、供試体高さや初期飽和度に加え、装置の変形性を 考慮すべきこと、膨潤圧測定結果を施設設計に適用する際には、装置とベントナイト周 辺の岩盤などの変形性を考慮すべき場合があること(図 1)を明らかにした[N 1 0 0 1 5] 。 2.ベントナイト混合土の変質に伴う透水性評価 放射性廃棄物処分で人工バリアとなるベントナイト混合土は、核種移行抑制のため 透水性を低く保つことが求められる。ベントナイト混合土の透水性は、セメント系材 料の溶脱に伴って生じるアルカリ溶液による変質で増大する可能性が指摘されており、 その現象解明が長期的な性能変化予測において重要となっている。 そのため、アルカ リ溶液によるベントナイト混合土の鉱物学的な変質挙動と透水性の変化を評価した。 その結果、ベントナイト混合土の透水性は、変質に伴い増大するばかりでなく、二次 生成物(C−S−H)の沈殿が大きく影響し、指摘とは異なり低下する(図 2)場合もあ ることを示した[N 1 0 0 3 7]。 3.地下水涵養時の地下水温度を考慮した地下水年代評価手法の提案 放射性核種は地下水に溶解して移行する特性があるため、放射性廃棄物処分の安全 評価では、地下水の流動性を把握する技術が必要である。その技術として地下水年代 評価がある。数万年程度の年代は放射性炭素(1 4 C)やヘリウム(4 He)を指標とし て評価できるが、それぞれ、地化学反応や評価対象とする帯水層外からの拡散による 4 He の流入により、正確な評価が阻害される。そのため、地下水涵養時の温度(涵養温度) を指標とする、あるいは涵養温度と他の地下水年代指標との関係から地下水年代を評 価する手法を提案し、その手法の有効性を確認した(図 3、4)[N 1 0 0 3 6]。 18. 02_1原子.indd 18. 11/06/13 14:52.

(2) 原子力技術. 原子力技術 有効粘土密度 実測値 計算結果 (棚井・菊池,2008) 3 1.2 Mg/m . 10. 3. 試験装置の変形性 D=0.00015 (m/MPa). 平衡膨潤圧 (MPa). 8. イライト. ケイ砂. 1.4 Mg/m 3. 1.6 Mg/m 1.8 Mg/m. 3. h:供試体高さ d:供試体直径(=20mm, 一定). 6. JAEA所有の分離型試験 装置による試験結果. 4. C-S-H. ケイ砂. 2μm 4000倍. 2 0 0.0. 0.5. 1.0. 1.5. 2.0. 縦横比 h/d. 2(a)ベントナイト内に沈殿した2 次鉱物の状況 2 次鉱物の状況 図図 2(a)ベントナイト内に沈殿した 溶液と反応させた供試体では間隙を充填するよ Ca(OH) 2 Ca(OH) 2 溶液と反応させた供試体では間隙を充填する うに C-S-H が二次生成物(鉱物)として沈殿していた。 ように C-S-H が二次生成物 (鉱物)として沈殿していた。 1E-06 10-6. 実測結果では、1.6、1.8 Mg/m3 と有効粘土密度が 実測結果では、1.6、1.8 Mg/m3 と有効粘土密度が 比較的大きい場合には、縦横比(供試体高さ)に 比較的大きい場合には、縦横比(供試体高さ)に よる影響が認められる。計算結果は、試験装置の 変形性を考慮することにより、実測結果のこうし よる影響が認められる。計算結果は、試験装置の た特徴を良く表すことができた。 変形性を考慮することにより、実測結果のこうし た特徴を良く表すことができた。 14. C や 4He が使えない場合、 地下水年代をどう評価 するか?. 14. C や 4He が使えない場合、地下水年代をどう評価 するか? 新しい指標「地下水涵養時温度」を導入. 透水係数(m/s). 図 図1 平衡膨潤圧と有効粘土密度の関係に及ぼす供 1 平衡膨潤圧と有効粘土密度の関係に及ぼす 供試体の縦横比(供試体高さ)の影響 試体の縦横比(供試体高さ)の影響. Ca(OH)2. 1E-07 10-7 1E-08 10-8 1E-09 10-9 1E-10 10-10 0. 200. 400. 600. 800. 日数(day). 2(b)ベントナイト供試体の Ca(OH) 図図 2(b)ベントナイト供試体の Ca(OH) 2 溶液によ 2 溶液による透水係 る透水係数の変化 数の変化. 新しい指標「地下水涵養時温度」を導入. Ca (OH) を通水溶液として用いた試験では、二次生成物 Ca(OH) 22 を通水溶液として用いた試験では、二次生成物 ◎古気候についての過去の研究 (C-S-H) の沈殿により透水係数は連続的に 2桁以上低下した。 (C-S-H)の沈殿により透水係数は連続的に 2 桁以上低下 今から 18,000 年前、最終氷期の最盛期(LGM)が ◎古気候についての過去の研究 た 存在。北半球の気温は極小値をとっていた。 今から 1 8,0 0 0 年前、最終氷期の最盛期(LGM) が存在。北半球の気温は極小値をとっていた。. ◎地下水中に存在する「温度指標」 ◎地下水中に存在する「温度指標」 ・ Kr濃度⇒温度が低いほど濃度が高い⇒地化学反 濃度⇒温度が低いほど濃度が高い⇒地化学反 ・Kr 応に影響されない。 応に影響されない。 18 O)⇒温度が低いほど小さくなる ・酸素同位体比( 18 ・酸素同位体比( O)⇒温度が低いほど小さくなる 地下水における LGM に対する温 地下水における LGM に対する温 度指標の極値を捉える⇒地下水 に年代を与える 度指標の極値を捉える⇒地下水に 年代を与える. 極大値. 涵養温度を指標とした地下水年代評価手法の確立 涵養温度を指標とした地下水年代評価手法の確立 図 3 温度指標を利用した地下水年代推定の考え方 図 3 温度指標を利用した地下水年代推定の考え方 本手法により、温度指標の極値から、年代値 18,000 本 手 法 に よ り、 温 度 指 標 の 極 値 か ら、 年 代値 年の地下水位置情報を明らかにすることができるこ 1 8,0 0 0 年の地下水位置情報を明らかにすることが とを示した。 できることを示した。. 図 4 評価対象井戸での深度と Kr 濃度の関係 図 4 評価対象井戸での深度と Kr 濃度の関係 Kr 濃度は深度 1 2 0m で極大値を示す。これは、深 Kr 濃度は深度 120m で極大値を示す。これは、深 度120m の地下水は涵養時低温(LGM(18,000年前)) 度 120m の地下水は涵養時低温(LGM(18,000 年 に対応することを示している。 前) )に対応することを示している。 2. 19. 02_1原子.indd 19. 11/06/13 14:52.

(3)

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