日機連 16 環境安全−2
平成16年度
CSR(企業の社会的責任)概念の中小機械製造業への 導入促進のための調査報告書
平成17年 3 月
社団法人 日本機械工業連合会 財団法人 ひろぎん経済研究所
序
近 年 、技 術 の 発 展 と 社 会 と の 共 存 に 対 す る 課 題 が ク ロ ー ズ ア ッ プ さ れ 、機 械 工 業 に お い て も 環 境 問 題 、 安 全 問 題 が 注 目 を 浴 び る よ う に な っ て き て お り ま す 。環 境 問 題 で は 、京 都 議 定 書 が 発 効 し 、排 出 権 取 引 や C D M な ど の 柔 軟 性 措 置 に 関 連 し た 新 ビ ジ ネ ス の 動 き も あ り 、政 府 や 産 業 界 は 温 室 効 果 ガ ス の 削 減 目 標 の 達 成 に 向 け た 取 り 組 み を 強 化 し て い る と こ ろ で あ り ま す 。 ま た 、 安 全 問 題 も 、E U に お け る C E マ ー キ ン グ 制 度 の 実 施 や 、平 成 1 2 年 に は 厚 生 労 働 省 か ら「 機 械 の 包 括 的 な 安 全 基 準 に 関 す る 指 針 」が 通 達 と し て 出 さ れ る な ど 、機 械 工 業 に と っ て き わ め て 重 要 な 課 題 と な っ て お り ま す 。
海 外 で は 欧 米 諸 国 を 中 心 に 環 境・安 全 に 配 慮 し た 機 械 と し て の 具 体 的 な 形 が 求 め ら れ て き て お り 、そ れ に 伴 う 基 準 、法 整 備 が 進 め ら れ て い る と こ ろ で あ り ま す 。グ ロ ー バ ル な 事 業 展 開 を 進 め て い る わ が 国 機 械 工 業 に と っ て 、こ の 動 き に 遅 れ る こ と は 死 活 問 題 で あ り 早 急 な 対 処 が 必 要 で あ り ま す 。
こ う し た 内 外 の 情 勢 に 対 応 す る た め 、当 会 で は 早 く か ら 取 り 組 ん で き た 環 境 問 題 や 機 械 標 準 化 に 係 わ る 事 業 を 発 展 さ せ て 、環 境・社 会 と の 共 存 を 重 視 す る 機 械 工 業 の 在 り 方 を 追 求 し て 参 り ま し た 。平 成 1 6 年 度 に は 、海 外 環 境 動 向 に 関 す る 情 報 の 収 集 と 分 析 、環 境 適 合 設 計 手 法 の 標 準 化 、そ れ ぞ れ の 機 械 の 環 境
・ 安 全 対 策 の 策 定 な ど 具 体 的 課 題 を 掲 げ て 活 動 を 進 め て き ま し た 。
こ う し た 背 景 に 鑑 み 、当 会 で は 機 械 工 業 の 環 境・安 全 対 策 の テ ー マ の 一 つ と し て 財 団 法 人 ひ ろ ぎ ん 経 済 研 究 所 に「 C S R( 企 業 の 社 会 的 責 任 )概 念 の 中 小 機 械 製 造 業 へ の 導 入 促 進 の た め の 調 査 」を 調 査 委 託 い た し ま し た 。本 報 告 書 は 、 こ の 研 究 成 果 で あ り 、 関 係 各 位 の ご 参 考 に 寄 与 す れ ば 幸 甚 で あ り ま す 。
平 成 1 7 年 3 月
社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 会 長 金 井 務
は じ め に
企 業 活 動 の 拡 大 に 伴 い 、 企 業 の 社 会 や 環 境 へ の 影 響 度 が 高 ま り 、 社 会 か ら 企 業 へ の C S R ( 企 業 の 社 会 的 責 任 ) に 関 す る 要 求 も 多 様 化 し 、 企 業 も C S R を 経 営 課 題 の 一 つ と し て 認 識 す る よ う に な り ま し た 。
C S R は 欧 米 で 発 達 し た 概 念 で は あ り ま す が 、 わ が 国 で も 社 会 的 な 認 知 度 が 高 ま り 、 経 済 団 体 や 大 手 企 業 を 中 心 に 企 業 行 動 規 範 の 策 定 等 の 具 体 的 な 取 り 組 み が 始 め ら れ て お り ま す 。
C S R の 実 践 は 、 経 営 リ ス ク ・ マ ネ ジ メ ン ト や 情 報 統 括 等 を 通 じ て 、 企 業 の 社 会 的 信 用 力 や 競 争 力 を 高 め 、 企 業 の 持 続 的 な 成 長 や 新 し い 企 業 価 値 ・ 企 業 イ メ ー ジ の 創 造 に も 繋 が り 、 C S R を 履 行 す る た め に コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス ( 経 営 者 の 業 務 執 行 等 を 適 切 に 監 督 ・ 評 価 し 、 そ れ を 実 践 す る た め の 仕 組 み ) の 確 立 も 求 め ら れ て お り ま す 。
ま た 、 欧 米 で は 、 C S R に 関 す る 企 業 の 行 動 規 範 を 定 め 、 取 引 先 や サ プ ラ イ チ ェ ー ン に も 同 様 の 対 応 を 求 め る 事 例 も 見 ら れ 、 企 業 活 動 の グ ロ ー バ ル 化 に 伴 い 、 わ が 国 の 企 業 が 海 外 で 事 業 を 展 開 す る 場 合 、 C S R へ の 取 り 組 み が 重 要 な 要 件 と な り つ つ あ り ま す 。
こ の よ う な な か 、 C S R の 世 界 的 な 動 向 を 把 握 し 、 先 進 事 例 等 を 参 考 に し て C S R の 現 状 ・ 概 念 等 を 整 理 す る と と も に 、 中 国 地 域 に お け る 中 小 機 械 製 造 業 等 を 対 象 と し て 、 C S R へ の 取 り 組 み 状 況 や 企 業 意 識 の 実 態 を 把 握 し 、 今 後 の 中 国 地 域 に お け る C S R 導 入 に む け た 課 題 と 対 応 策 等 を 整 理 い た し ま し た 。
最 後 に 、 本 調 査 を 実 施 す る に 当 た り 、 中 国 経 済 産 業 局 及 び 社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 か ら ご 指 導 ご 支 援 頂 き ま し た こ と を 感 謝 す る と と も に 、 ご 協 力 頂 き ま し た 関 係 各 位 に 厚 く 御 礼 申 し 上 げ る 次 第 で あ り ま す 。
平 成 1 7 年 3 月
財 団 法 人 ひ ろ ぎ ん 経 済 研 究 所 理 事 長 鈴 木 重 次
事業運営組織
本調査の目的を達成するために、大学、経済団体等の学識者で構成する委員会を設置して事 業を運営した。以下に事業運営組織を示す。
平成 16 年度「CSR(企業の社会的責任)概念の中小機械製造業への導入促進検討委員会」
区 分 氏 名 所属・役職
委員長
委員
吉長 成恭
荒川 昌治
岩城 正之
小田賢太郎
亀迫 忠基
田中 賢治 *
林 義 之
森本 敏文
広島国際大学 大学院 総合人間科学研究科 教授
広島経済同友会 常任幹事(中国電力株式会社 取締役)
中国経済連合会 常務理事
広島商工会議所 産業部長
中国生産性本部 理事 事務局長
中国生産性本部 事務局長
社団法人中国地域ニュービジネス協議会 常務理事
東友会協同組合 専務理事
オブザーバー 小嶋 泰廣
中 村 実
宅見 幸一
中国経済産業局 総務企画部参事官(総合戦略立案担当)
中国経済産業局 総務企画部企画調査課長補佐
中国経済産業局 総務企画部企画調査課 企画係長
事務局 広江 啓司
松岡 克己
若山 誠司
財団法人ひろぎん経済研究所 経済調査部長
財団法人ひろぎん経済研究所 経済調査部 主任研究員
財団法人ひろぎん経済研究所 経済調査部 副主任研究員
*
人事異動による後任者目 次
Ⅰ CSRの世界的な動向とわが国の現状 1.定義
(1)CSR……… 1
(2)SRI……… 2
(3)コンプライアンス……… 2
(4)コーポレート・ガバナンス……… 2
2.CSRを取り巻く環境 (1)全般……… 3
(2)企業を取り巻く環境変化……… 4
(3)欧米における環境変化……… 4
3.CSRの位置付け (1)企業活動とCSR……… 5
(2)従業員とCSR……… 6
(3)環境とCSR……… 6
(4)CSRの意義……… 7
4.CSRのガイドラインと評価基準 (1)企業行動原則と評価基準……… 8
(2)評価基準と評価項目………11
5.CSRの規格化 (1)海外の動き………12
(2)日本の動き………14
6.企業の社会貢献活動………15
7.わが国の現状と課題 (1)経緯………16
(2)現状………17
(3)最近の動き………18
(4)経済団体等の現状と課題………19
(5)個別企業の現状と課題………23
(6)環境報告書と持続可能性報告書等………26
8.海外における取り組み状況 (1)欧州(EU)………30
(2)米国………31
(3)企業事例………32
9.SRI (1)米国の動き………33
(2)欧州の動き………34
(3)日本の動き………34
(4)SRIの評価項目………35
(5)今後の動向………36
Ⅱ 中国地域の現状と課題 1.現状 (1)産業構造と機械製造業の位置付け………37
(2)企業のCSRへの取り組み状況………38
2.中国地域におけるCSRへの取り組み事例 (1)大手企業・大手企業の関連会社………43
(2)中堅・中小製造業………45
(3)中堅・中小非製造業………48
3.CSR普及のための課題と対応策 (1)全般………49
(2)分野別の課題と対応策………51
Ⅲ 中小機械製造業へのCSR導入 1.中小企業の取り組み (1)中小企業の全般的な取り組み………53
(2)中小機械製造業の取り組み………54
2.経済団体・マスコミによる支援………59
3.行政による支援………60
4.大手製造業の役割………60
5.経済団体・行政等のコラボレーション………61
おわりに………62
語句説明………63
参考資料1 経済同友会 企業白書(抜粋、一部要約)………64
参考資料2 先進事例調査・ヒアリング調査………67
参考資料3 環境報告書・社会的責任報告書の記載内容等………86
参考資料4 アンケート調査結果………90
参考資料5 アンケート調査 データ表………97
参考資料6 アンケート票・アンケート添付資料……… 110
Ⅰ CSRの世界的な動向とわが国の現状 1.定義
(1)CSR
企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)とは、企業が法 令遵守にとどまらず、市民・地域・社会に利するような形で、経済・環境・社会問題 にバランス良くアプローチをすることで事業を成功に導くことを言う。
EUの「企業の社会的責任に関する通達:持続可能な発展に対する企業の貢献(2002 年 7 月)」では、CSRは「責任ある行動が持続可能な事業の成功につながるという認 識を企業が深め、社会・環境問題を自発的に、その事業活動及びステークホルダーと の相互関係に取り入れるための概念」と定義している。
CSRという言葉は欧米で使われてきたものだが、日本企業は従来から社会へのさ まざまな貢献を通じて社会的責任を果たしてきている。例えば製品やサービスの提供、
雇用の創出、税金の納付、メセナ活動(1)(63 ペ ー ジ 参 照 、以 下 同 様)等があげられる。しかし、
その定義は、社会の変化に伴い移り変わり、近年、企業不祥事等もあって、従来より
幅広い角度から企業の社会的責任が議論されている。
図表Ⅰ‑1 企業の社会的責任(CSR)の概念
企業の社会的責任(企業が果たすべき責任、CSR)
社 会 貢 献
社会貢献活動への積極的な参加、
地域との共生 等 環 境
地域・国際社会への環境配慮、環境 マネジメント 等
雇 用
雇用責任、働きやすい職場、人材育成、
雇用・人材マネジメント 等 市 場
消費者・顧客対応、調達先対応 等
コーポレート・ガバナンス(企業統治)
コンプライアンス(法令・倫理等遵守)
(2)SRI
社会的責任投資(SRI)とは、企業に投資を行う場合、財務面だけでなく環境や社 会への対応等も考慮して投資先を決定する投資手法つまり、「企業が社会的責任をい かに果たしているか」を投資の世界から評価することを言う。
欧米では、SRIは一つの投資手法として定着しており、今後さらに発展するとみ られる。特に、年金基金の資産運用先として、従来から日本企業への投資が行われて おり、各企業のCSRへの取り組みが評価され、それらの年金基金のSRI対象先と なれば、当該企業の株式や債権の購入金額が増えることを意味する。
SRIによる投資先選定の評価基準は、投資家や運用者の考え方(価値観・倫理観)
によって様々で、例えば、米国では、アルコール・たばこ・ギャンブル等の関連企業 を投資対象から意図的に除外するファンドが多い。
(3)コンプライアンス
コンプライアンスとは、企業が、法令や行政規則等を守るだけでなく、その実効性 を高めるために自主行動基準を設定し、企業倫理を確立し、順守することを言う。
大企業の不祥事が相次ぎ、企業の違法・不正行為により、株主や顧客・消費者等、
利害関係者の事業活動に対する不信感が高まり、利害関係者からの信頼を回復するた めに、企業は、法令や社会的規範を遵守する仕組みを構築し、社会のチェック体制を 強化することが求められている。
このような企業風土を改善し、社内のチェック体制を整備するには、経営者が先頭 に立って法令遵守の認識を高め実践できるような仕組みづくりが重要である。例えば、
倫理行動規範を策定し、それを徹底するための支援体制を設置すると同時に、法令遵 守の状況の監査・評価を定期的に実施する仕組みが求められる。
(4)コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス(企業統治)とは、会社経営における意思決定の内容や 過程の中に株主の意思や利益を適切に反映させることを言う。
1990 年代に、証券会社の損失補填、建設会社による汚職事件、総会屋に対する利益 供与事件等、従来の日本型内部統制システムの抱える問題が表面化し、経営トップに よる不正行為の監視機能を強化するために、従来の内部統制システムの見直しや監視 機能の強化が進められてきた。近年、透明性、説明責任、情報開示、企業倫理に重点 をおいたコーポレート・ガバナンス強化の取り組みが始められている。
企業の社会的責任という観点からは、経営の透明性を高め、利害関係者の不利益を 最小にするための情報を積極的に開示するための企業統治が求められる。
2.CSRを取り巻く環境
(1)全般
近年、経済活動のグローバル化(多国籍企業の増加)や自由貿易の進展に伴い開発 途上国やNGOから「貧富差の拡大」、「環境破壊の増大化」等が指摘され、消費者・従 業員の意識変化もあって環境や社会への対応が企業に求められている。
このため、企業の社会性に着眼した企業責任を踏まえた事業活動、いわゆるCSR の活動が拡大し、CSRに関する国際的な基準、ガイドライン等も公表されている。
また、環境や社会に配慮した経営の推進や情報開示は、グローバルな金融市場から も評価され、企業が自社で取り組むべきCSRを明確にし、それを積極的に取り組み、
広く情報開示していくことの重要性が認識されつつある。
近年、わが国において、不祥事により長年培ってきたブランドが崩壊し、経営不振 や破産にまで至ってしまった企業の事例等もあって、公正な企業活動への要請が強ま り、これまで以上にステークホルダー(注)との関係を重視するようになってきた。こ のように、企業に求められる社会的な責任は、従来の経済的あるいは法的な企業の責 任を大きく超えた概念にまで広がり、企業の長期的な安定性や成長性をCSRの観点 から評価して投資する動き(社会的責任投資 SRI)も急速に広まりつつある。
(注) ス テ ー ク ホ ル ダ ー と は 企 業 と 何 ら か の 利 害 関 係 を 有 す る 主 体 で 、顧 客 、株 主 、従 業 員 、取 引 先 、地 域 住 民 、 求 職 者 、 投 資 家 、 金 融 機 関 、 政 府 等 が 含 ま れ る 。
図表Ⅰ‑2 企業の利害関係者(ステークホルダー)
企 業
マスメディア
取引先 従業員
消費者
住 民 NGO
政 府 株 主
投資家 金融機関
CSRの対象範囲は、一般的に、経済面に加え社会面・環境面の企業活動に及び、
内容はコンプライアンス(法令遵守)から環境保全・消費者保護・公正な労働基準・人 権・安全衛生・地域社会への貢献等、幅広い要素から構成される。そのため、企業は、
対象分野ごとに業種・業態に応じて柔軟に対応することが求められる。
CSRに対応することは、単に企業が社会貢献を行うということにとどまらず、そ の企業の企業経営そのものを見直すことになり、企業の競争力強化にも繋がる。近年、
日本企業に対する海外投資家からのCSRに関する調査がなされ、国内でも社会的責 任投資(SRI)を重視する投資家の動きが見られ始めている。
また、国際機関の中では、CSRの標準化や企業行動指針の策定にむけた動きが進 んでいる。
(2)企業を取り巻く環境変化
わが国では、規制緩和の進展により、政府の規制や行政指導が減り、企業は、自社 の企業理念に基づき主体的に自己責任で行動することが求められ、企業が自律的にC SRに取り組む必要性が高まっている。
特に、欧米でのCSRへの取り組みが進んでおり、日本企業は欧米の動きを正しく 理解し適切に対応しないと、欧米の政府や企業の調達条件から除外される可能性も高 まっている。
また、最近の企業不祥事は、これまでの談合や不正取引等と異なり、消費者やユー ザーに関係するものが目立ち、CSRを通じて消費者や社会の企業への信頼を回復す る必要が高まっている。
(3)欧米における環境変化
近年、欧米では、企業に対して商品そのものの価格や質だけでなく、環境や人権、
労働環境への配慮も求めるという消費者行動の変化が見られる。また、投資家のSR Iを通じた評価、従業員のCSRへの意識変化、そして市民レベルでの地球環境問題 や持続的発展の重要性に対する認識が高まっている。その背景には、企業活動のグロ ーバル化がもたらすマイナス面への市民社会や発展途上国の懸念があげられる。
このような変化をうけて、消費者や市民の間では、これまで以上に企業の社会的責 任を求める動きが活発化し、国際機関や企業行動の評価機関によるCSRに関する国 際基準や規格の策定、見直しの動きも相次いでいる。特に、欧州では、上場企業や年
金基金に対して社会・環境等に関する情報開示を求める法案が相次いで成立するなど、
CSRやSRIを法制化によって促進しようという動きも活発化している。
3.CSRの位置付け
(1)企業活動とCSR
①企業経営とCSR
環境やCSRへの取り組みは、一般的に、それ自体が収益を生むものではなく、直 接的に株価や企業業績に影響するものではない。しかし、その取り組みを通じて、企 業を取り巻く市場環境や産業構造の変化、ステークホルダーの様々な要請に敏感に反 応し適切に対応していく経営戦略や経営マネジメントが求められる。
このような行動を実践できる企業は、そのマネジメントスタイルや提供する製品・
サービスが市場・顧客・従業員から信頼を得ることが可能になり、結果として株価が 上昇する要因や市場での競争力強化に繋がり、企業価値の向上が図られる。このよう な企業は、結果的に環境問題、情報開示、提供する製品・サービスの質、コーポレー ト・ガバナンス、コンプライアンス等についても適切に対処できると考えられる。
②コーポレート・ガバナンスとCSR
経済同友会は、CSRを実践し持続的成長・発展をめざすためにコーポレート・ガ バナンスの確立が必要で、そのためのツールとして、
・理念とリーダーシップ(経営理念の明確化と浸透、リーダーシップの発揮)
・マネジメント体制(取締役会/監査役(会)の実効性、社長の選任・評価、CSRに 関するマネジメント体制の確立)
・コンプライアンス体制(企業行動規範の策定と周知徹底、コンプライアンス体制の 確立)
・ディスクロージャー(2)とコミュニケーション(ディスクロージャーの基本方針やそ の範囲、ステークホルダーとのコミュニケーション)
を提唱している。
③自主行動基準
近年、企業不祥事により消費者の信頼を失い市場からの退場を余儀なくされたもの もあり、経営の透明性を高め消費者の信頼を回復するためには、自主行動基準の策定 と運用が必要という意見も出されている。
自主行動基準の対象範囲として、消費者との関係、従業員との関係、取引先との関 係、株主との関係、政治・行政との関係、反社会的勢力・団体について、海外での事 業における現地との関係、環境問題への取り組み、人権問題への取り組み、労働問題 への取り組み、社会貢献活動への取り組み等があげられている。
(2)従業員とCSR
少子高齢化の進展により、労働人口の減少・社員の高齢化が進む中で、女性等の優 秀な人材を確保し、職場を活性化することが課題となっている。このようななか従業 員がエンプロイアビリティ(雇用される能力(注))を強化できる環境や、仕事と家庭の 両立が可能で安全衛生・健康に配慮された職場環境を整備することが求められている。
特に、従業員個人が社内外で評価される能力を高めることは、企業の長期的な業績改 善に繋がると考えられ、その方策として、社員のキャリアプラン作成の指導・支援、
職能別教育の実施、自己啓発に関する情報の提供・経費援助、人事評価項目の追加等 があげられる。
また、経済同友会は、企業評価基準の一つとして、ファミリーフレンドリー(3)な職 場環境の実現、つまり、仕事と育児・介護とが両立でき、多様で柔軟な働き方を労働 者が選択できるような環境を有する職場を提供することがあげられている。
職場の安全衛生・健康については、従来の労働安全衛生に関する取り組みに加えて 従業員の健康志向やメンタルヘルスケアのための取り組みが求められている。
なお、労働や従業員福祉という視点から、労働組合においてもCSRへの取り組み が始められている。
(注)エンプロイアビリティとは労働市場において市場価値をもつ実践的な就業能力のことをいう。
(3)環境とCSR
近年、日本企業の環境保全・管理活動は急速にひろまり、環境関連法規制の遵守や 環境リスク管理だけでなく、戦略的に環境マネジメントに取り組む企業が増えてきた。
特に、事業活動に起因する環境負荷を組織的に軽減することは、その企業の利害関係 者に長期的利益をもたらすだけでなく、企業の競争力を強化するという認識が広がっ ている。
また、使用・廃棄段階から環境負荷に配慮した製品を設計し、製品・サービスの環 境負荷に関する情報を顧客・消費者に提供するなど、製品・サービスの範囲の拡大や 品質の向上が求められている。さらに、土壌・地下水汚染の浄化、有害廃棄物の処理、
京都議定書目標の達成等に関連する分野でも、新規環境ビジネスの立上げ、環境関連 技術の開発が求められている。
グリーン購入法施行(2001 年)以降、企業間取引においてグリーン調達基準を制定し 取引先に環境配慮を要請する考え方が浸透してきた。グリーン調達基準とは、環境配 慮の観点から自社製品の品質を担保するために、各企業が取引先企業に対して調達品 に関しての独自の条件・基準を提示するもので、大手メーカーを中心にグリーン調達 基準を定める企業が増えていることから、中小を含めた納入業者もそれに対応する動 きが広がりつつある。
(4)CSRの意義
①リスクマネジメントの強化
企業不祥事はコーポレート・ガバナンスの機能不全、問題を隠蔽する企業体質、経 営トップと現場との乖離、国民・消費者の視点の欠落等が要因となっていると考えら れる。CSRへの積極的な取り組みは、多様なリスクを十分に検討分析し実態を把握 するとともに対策を事前に講じることに繋がり、それによりリスクを回避できる可能 性が高まる。
②ブランド価値の向上
CSRへの積極的な取り組みは、顧客のブランド・ロイヤリティー(4)を高める効果 があると考えられる。例えば、環境への対応・女性の活躍・公正な取引等、CSRへ の取り組みをコーポレート・ブランドの強化に役立てている事例は、日本にも海外に も数多く見られる。
③優秀な人材の確保
近年、企業の理念やビジョンを就職先の選択肢のひとつと考える人が増え、CSR に 対 す る 企 業 姿 勢 を 明 確 化 す る こ と で 他 社 と の 差 別 化 を 図 る こ と が で き る と 考 え ら れる。また、CSRへの取り組みが従業員の誇りや社内の団結力の強化につながると 考える企業もあり、労働市場が流動化する中、CSRは優れた人材に長く勤めてもら うための有効な手段ともいえる。
④市場からの評価
近年、CSRは企業の将来業績を予測する上で重要な非財務指標(non‑financial
indicator)とみなされるようになり、CSRに前向きに取り組む企業を評価しよう という動きが株式市場の中で広がりつつある。
4.CSRのガイドラインと評価基準
CSRの制度化の方法として、ガイドライン・自主ルール・規格化・法律等による 規制等がある。欧州では、トリプル・ボトムライン(注)の観点やGRIガイドラインに 基づいて企業のパフォーマンス(5)を評価しようという動きが進んでいるが、米国では、
各領域において何に取り組んでいるのかという個別の事例が尊重される傾向にある。
(注 )G RI が提 唱す る企 業の 持続 可能 性報 告に おけ る基 本概 念。 持続 可能 な発 展に は、 経 済 的繁 栄・ 環境 の質 ・社 会的 公正 とい う3 つの 側面 でバ ラン スの とれ た企 業経 営が 不可 欠 とする考え方。
図表Ⅰ‑3 主要な原則・基準・規格等の状況
国際規格
・SA8000
・AA1000
・ECS2000
・CSR 規格(検討中)
報告書・評価基準
・GRIガイドライン
・日本経営品質賞
・SMIX21 等 公開試案・白書
・EUグリーンペーパー
・EUホワイトペーパー
企業行動原則
・OECD 多国籍企業ガイドライン
・コー円卓会議企業行動指針
・ 国 連 グ ロ ー バ ル コ ン パ ク ト 等
( 資料)水尾・田中「CSRマネジメント」(2004 年)
日本規格協会「企業の社会的責任」(2004 年版)等を参考に、海外の取り組み状況を 整理すると以下のとおりとなる。
(1)企業行動原則と評価基準
①OECD多国籍企業ガイドライン(OECD Multinational Enterprise Guidelines)
OECDが、多国籍企業による貿易・投資の拡大や経済のグローバル化等への市民 社会からの危惧・懸念に対応するため、多国籍企業に求められる行動規範をガイドラ
インとして作成したもので、日本を含む先進諸国 30 カ国が参加し、1976 年発行後、
4回改定されている。
法的な拘束力はなく、ガイドラインの採用は企業の自主性に任せられており、OE CDは検証を行わない。また、加盟国政府の多国籍企業に関する勧告で、法令遵守等 の責任ある企業行動に関する企業の自主原則及び標準を提示している。
②コー円卓会議の企業行動指針(CRT:Caux Round Table)
日米欧の民間経営者が共同で策定した初めての企業行動指針で、企業が社会の信頼 を獲得し建設的な役割を果たし様々な経済摩擦問題を解決するには、まず企業自らが 行動を律することが基本であるという認識に基づき、1994 年に発行された。
共生と人間の尊厳という倫理原則を基本として作成され、法的な拘束力はなく、採 用は企業の自主性に任せられ、CRTは検証を行わない。
企業行動指針の 7 原則(要約)は、以下のとおり。
・株主だけでなく、すべてのステークホルダーに対して責任を持つ。
・経済的・社会的影響を考慮し、イノベーション、正義、地球コミュニティを目指す。
・法律の文言以上に信頼の精神で行動する。
・ルールを尊重する。
・多角的貿易を支持する。
・環境を保護し、持続可能な経済発展を推進する。
・汚職など違法行為を行ってはならない。
③国連グローバル・コンパクト(United Nations Global Compact)
国連事務総長の提案による企業行動原則で 2000 年 7 月に発行され、世界人権宣言・
国際労働機関の労働権基本原則・環境開発リオ宣言等の普遍的な 10 原則から成る。
グローバル・コンパクトを支持した企業は、(a)最高責任者によるグローバル・コン パクトとその原則への支持表明、(b)グローバル・コンパクトの普及促進、(c)毎年、
原則実行のために実施した具体的な取り組み・活動報告、が求められる。
図表Ⅰ‑4 国連グローバル・コンパクト
④ 持 続 可 能 性 報 告 の ガ イ ド ラ イ ン (Global Reporting Initiative‑sustainability Reporting Guidelines on Economic and Social Performance)
GRI(Global Reporting Initiative:環境分野の非営利の連合組織と国連環境計 画等により設立)が作成した全世界共通の持続可能性報告のガイドラインで、2000 年 6 月に発行され、2002 年 8 月に改定(GRIサステナビリティ・リポーティング・ガイド ライン 2002)され、さらに意見集約を行い、2004 年 3 月、総合的な改善勧告も出され ている。
経済・環境・社会という 3 要素に関する 指標が作成され、企業が事業・製品・サー ビ ス に 関 す る 情 報 を 公 開 す る 際 に 自 主 的 に 活 用 で き る 報 告 書 作 成 の た め の ガ イ ド ラインとなっている。このガイドラインは 法的な拘束力を持たず、その利用は企業の 自主性に任せられている。
2004 年 6 月末現在、世界 45 カ国、480 組 織 が G R I ガ イ ド ラ イ ン に 基 づ い た 報 告書を発行しており、日本では 87 社が当 ガイドラインを活用している。
87 57
56 27
24
0 20 40 60 80 10 日本
米国
英国
スペイン
フランス
カ国
(資料)日本規格協会「標準化と品質管理」(2004年9月)
0
図表Ⅰ‑5 GRIガイドライン活用企業数
(上位 5 カ国)
(資料)UN Global Compact
(人権) 原則1.国際的に宣言された人権の保障を支援し、尊重する。
原則2.人権侵害に荷担しない。
(労働基準)原則3.結社の自由と効果的な団体交渉権を実効性あるものとして尊重する。
原則4.あらゆる形態の強制労働を排除する。
原則5.児童労働を廃止する。
原則6.雇用と就労に関する差別を撤廃する。
(環境) 原則7.環境問題に対する予防的アプローチを支持する。
原則8.環境問題に関するより大きな責任を遂行するためのイニシアティブを取る。
原則9.環境に優しい技術の開発と普及を促進する。
(腐敗防止)原則 10.強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む。
⑤SIGMAガイドライン
S I G M A ガ イ ド ラ イ ン は 、 英 国 の マ ル チ ス テ ー ク ホ ル ダ ー 参 加 型 プ ロ ジ ェ ク ト
(1000 を超える組織や個人が参加)において開発された。トリプル・ボトムライン( 注 )
の概念等を取り入れ、それを有機的に結び付けてPDCAのマネジメントサークルに 落とし込んだもので、シニアマネジメントの各フェーズにおける具体的な活動と望ま れる活動成果が明記されている。
( 注 ) ト リ プ ル ・ ボ ト ム ラ イ ン と は G R I に よ っ て 示 さ れ た 環 境 的 ・ 社 会 的 ・ 経 済 的 側 面 を 考 慮 し た 企 業 活 動 を い う 。
(2)評価基準と評価項目
欧州の「CSR政策に関する欧州委員会報告」(2002 年)では、CSRに関する情報公 開や監査等の基本方針を、ステークホルダーへの対応・基本原則・戦略領域に分けて 公表している。
図表Ⅰ‑6 CSRに関する基本方針
項 目 概 要
ステークホルダーへの対応 投資家に 対す る評価機 関 の 評 価 法 や 年 金 運 用 の 開 示 、 消 費 者 に 対 す る 倫 理 ・ 社 会・環境情報の提供、欧州議会の CSR フォーラム創設、トリプルボトムライン報告の推奨 基本原則 CSR の自主性・信頼性・透明性、経済的・社会的・環境的問題および消費者利益
のバランス、中小企業の取組、国際合意との協調
戦略領域 途上国での CSR とビジネスの重要性、CSR 経験の企業間共有、CSR マネジメント スキルの向上、中小企業の CSR 育成、CSR の EU 政策への組み込み
(資料)CSR政策に関する欧州委員会報告(2002 年)
図表Ⅰ‑7 CSRの評価項目
CEP(アメリカ) KLD社(アメリカ) エーコム社(ドイツ)
1.女性の雇用
2.マイノリティーの雇用 3.慈善活動・寄付 4.地域社会への貢献 5.従業員と家族への支援 6.労働環境
7.動物愛護 8.軍需契約 9.同性愛
1.寄付
2.雇用の多様性 3.労働者との関係 4.米国以外での操業 5.製品の配慮 6.役員報酬
7.排除項目( アルコール、 タバコ、
ギャンブル、軍事、原子力)
1.マネジメント・システム 2.労働者との関係
3.健康
4.社会的な福利厚生 5.社会的な弱者
6.サプライヤーとの関係 7.顧客との関係
8.地域との関係 9.開発途上国での操業 10.公正取引
EIRIS(イギリス) 朝日新聞文化財団 環境経営学会
1.社内倫理規定
2.顧客・納入業者との関係 3.職場の安全・衛生 4.労働者の権利
5.雇用の機会均等、多様性 6.従業員の報酬
7.従業員の能力開発 8.雇用の創出・安定 9.地域貢献活動 10.サプライチェーン 11.海外操業での人権
1.社員へのやさしさ 2.ファミリー重視 3.女性の働きやすさ 4.障害者雇用 5.雇用の国際化 6.消費者志向 7.地域との共生 8.社会支援 9.環境保護 10.情報公開 11.企業倫理
1.経営信頼性:
経 営 理 念 、 企 業 統 治 、 リ ス ク マ ネ ジメント、情報開示と説明責任 2.環境保全:
温 暖 化 対 策 、 資 源 循 環 、 有 害 化 学 物質管理、大気・水質・土壌汚染、
事 業 立 地 、 グ リ ー ン 購 入 、 エ コ デ ザ イ ン、物 流 、環 境報 告 書 、資 源 ・ エネルギー・環境効率
3.社会・文化・倫理:
企 業 倫 理 、 地 域 社 会 、 消 費 者 へ の 配慮、労働安全衛生、機会均等
(資料)ニッセイ基礎研究所
わが国では、経済同友会が「第 15 回企業白書(「市場の進化」と社会的責任経営)」
で企業の評価基準として、①企業の社会的責任(市場・環境・人間・社会の各分野)83 項目、②コーポレート・ガバナンス(理念とリーダーシップ・マネジメント体制・コ ンプライアンス・ディスクロージャーとコミュニケーション)23 項目、をあげている。
5.CSRの規格化
(1)海外の動き
現在、各国の標準化機関や民間ベースで様々な規格類の検討・作成がなされ、その 取扱は企業の自主性に任されている。日本規格協会「企業の社会的責任」(2004 年版)
等を参考に、取り組み状況を整理すると以下のとおりとなる。
①SA8000 「社会的責任説明」(Social Accountability 8000)
1997 年 10 月に発行(2001 年改定)された経済優先度調査会認証機関(SAI、米 国)による労働者の権利保護に関する世界基準の企業行動規範で、ILOや国連の人 権条約等にも準拠している。SAIが認証機関を認定し、その認証機関が SA8000 に 関する認定を行っている。
具体的な項目としては、児童労働の禁止、強制労働の禁止、健康と安全の保障、労 働組合結社の自由並びに団体交渉権の自由等がある。
②AS3806 「遵守プログラム」(Compliance Programs)
1998 年 2 月にSAI(オーストラリア規格協会)により発行された法令を遵守するた めのプログラムの概略と推奨事項を記述したガイダンスで、3つのセクション(適用 範囲と目的、効果的な遵守に関する基本要素、基本要素の実施に関する指針)と付属 書(中小企業のための指針)から構成されている。
③AA 1000 「社会的倫理的説明責任」(Account Ability 1000)
1999 年に英国の社会倫理説明責任研究所により発行され、企業が社会倫理に関する 報告を行う際のプロセスに関する規格で、計画、説明責任、監査・報告、システムの 確立についてそれぞれプロセスが示されている。
企業・NPO・政府等のアカウンタビリティ(説明責任)の実行の推進と改善を行 うことで、企業やNPOの社会的責任や倫理的行動を支援することを目的としている。
④ ECS 2000 「 企 業 倫 理 法 令 遵 守 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 規 格 」(Ethics Compliance Standard 2000)
日本初の企業倫理及び法令遵守に関するマネジメントシステム規格で、麗澤大学経 済研究センターが 1999 年に発行(2000 年改定)した。企業等の倫理法令遵守体制の確 立を支援し、公正かつ責任あるビジネスの実践を促し、マネジメントシステム(Plan
→Do→Check →Act)の構築と普及を通じて倫理的な企業等が正当に評価される社会 を建設していくことを目的としている。
⑤ISO(International Organization for Standardization)での規格化
ISO(国際標準化機構)は、スイスに本拠地をおく国家標準化機関の連合で、日本 では ISO9001 や ISO14001 の認証取得件数が非常に多く、ISO9001 については 160 カ国 以上の国や地域で 60 万超の事業所で認証取得されている。
2002 年、ISOの諮問機関 COPOLCO(消費者政策委員会)において GMWG(グローバル 市場における消費者保護グループ)がCSR規格の必要性と可能性に関する報告書を 提示した。その中で、ISOが企業責任マネジメントシステム(CRMSS)の作成の中心 となる機関として適しており、ISO9000・ISO14000 シリーズのような継続的な改善や 責任者の参加等が求められるとしている。
ISOは 2003 年にCSR規格を検討する戦略諮問会議を設置し、2004 年 5 月、同 会議で規格作成に伴う諸条件を勧告として取りまとめた。この勧告(ガイドライン作 成の7つの条件を提示)を受けて 2004 年 6 月、規格化に関する国際会議が開催され、
会議後の TMB(技術管理評議会)で、
①ISOがCSR(SR)に関するガイドラインの策定に着手すること
②ガイドラインは第三者認証を目的としない国際規格とすること
③TMB の下にタスクフォース(6)を設置し、国際規格開発体制の枠組み作りを検討し、
新規作業項目提案を作成すること
を決定した。今後、対象範囲等を整理し、規格作成を目的とする作業グループが編成 され 3 年後には新規格が作成される見込みとなっている。
図表Ⅰ‑8 ISOにおけるCSR規格化を巡る主な動き
年 月 動 向
2001 年 4 月 2002 年 6 月 2002 年 9 月 2002 年 12 月
2003 年 1 月〜2004 年 4 月 2004 年 6 月 21〜22 日 2004 年 6 月 23 日
ISO 理事会決議…COPOLCO における CSR 関連の調査を指示 第 24 回 COPOLCO 総会…CSR 関連の報告書を採択
ISO 理事会…TMB(技術管理評議会)の下に戦略諮問グループを新設 (日本:日本規格協会に CSR 標準委員会設置…日本の対応を検討)
SAG(戦略諮問グループ)会合…勧告を取りまとめ ISO SR 会議…ステークホルダーの意見集約 TMB 会合…CSR 規格化の今後の方針を決定 (資料)日本経済団体連合会「経済 Trend」(2004 年 7 月)より作成
図表Ⅰ‑9 ISOによるガイドライン作成における7つの条件
①ISOは、社会的責任が多くの主題や問題と関わること、しかもそれらがこれまでISO が扱ってきたものと質的に異なることを自覚すること。
② I S O は 、 社 会 的 な 義 務 や 期 待 を 設 定 す る 権 限 や 正 当 性 を I S O 自 身 が 持 っ て い な い こ と、そもそもそれらは政府や多政府組織によって適切に定められるものであることを自覚 すること。
③ISOは、権威ある国際的な多政府間組織によって採択されるものと、それが含まれる普 遍 的 な 原 則 を 反 映 す る 、 あ る い は 反 映 し な い 民 間 の 自 主 的 な 活 動 と の 違 い を 認 識 す る こ と。
④ISOは政治的なプロセスによってのみ解決されうる問題を扱わないよう、主題の範囲を 狭めること。
⑤ISOは、公式声明を通じて、組織としてのILOの特別の権限を認識すること。
⑥ISOは、扱おうとしている主題が複雑で急激に変化しているため、実質的な社会的責任 への関与を調整できないことを認識すること。
⑦ISOは、より広い範囲の利害関係者による意味のある参加を確かなものとするための調 整を必要に応じて行うこと。
(資料)企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会「中間報告書」(2004 年 7 月)
(2)日本の動き
わが国では、日本経団連・民間企業 8 社(リコー・ソニー・松下電器産業・オムロ ン・NEC・資生堂・イトーヨーカ堂・三菱商事)・経済産業省が協力して、日本規 格協会を事務局とした「CSR標準委員会」を設置(2002 年末)し、CSRの国際標準 化への対応のための検討が行われている。なお、日本経団連は 2004 年 2 月に、CS Rは規格化や法制化には馴染まないもので、企業の自主的取り組みによって推進され るべきものである等の意見を表明した。
2004 年 6 月、ISOが規格化を決定したため、今後、日本経団連は国際規格化に積 極的にかかわっていく方向で検討を進めており、10 月には日本規格協会にISO/S R国内対応委員会が設置され、規格の策定作業を開始した。
6.企業の社会貢献活動(Corporate Philanthropy:企業フィランソロピー)
企業フィランソロピーには、公益活動に対する寄付金による支援、製品をはじめと する物品の贈与・会社施設の提供・ボランティア活動等がある。
日本経団連(旧経団連)では 1992 年に初めて「社会貢献白書」を発表し、その後 96 年、99 年版も刊行している。99 年版によれば、日本の大企業は経常利益の1%程度 をフィランソロピーに支出しており、「学術・研究」・「教育」・「地域社会の活動」等の 分野で支出額の割合が高い。また、1996 年度以降、社会貢献活動実績を調査しており、
1 社当たり支出額(02 年度)を業種別に見ると、電力・ガス、自動車、情報通信等が大 きい。
国税庁によれば、2000 年度の日本の法人数は 254 万社で、そのうち寄付を行った企 業は 10%で、寄付金を支出した企業の割合は、資本金規模が大きいほど、比率が高く なっている。
1326 851
601 548 545 474 370 356 313 260
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 電力・ガス
輸送機械 情報通信 化学・製薬 食品 電機 窯業 商業 金融・保険 不動産
百万円
(資料)日本経済団体連合会「2002年度社会貢献活動実績調査結果」(2004年1月)
図表Ⅰ‑10 1 社当たり社会貢献活動支出額(上位 10 業種)
7.わが国の現状と課題
(1)経緯
わが国では戦後 10 年周期で大きな企業不祥事や企業批判が起こり、企業の社会的 責任の議論が再燃し、企業が反省・自戒するパターンが繰り返されてきた。
1960 年代には、高度成長の過程で公害問題が発生し企業不信が高まり、70 年代には、
土地投機や便乗値上げ等が行われ、企業批判が起こり、企業は対応のため財団法人を 数多く設立した。80 年代には、従業員の長時間労働、男女不平等等が言われ、企業に よる社会貢献活動が活発化した。90 年代に入ってバブル経済の崩壊で証券会社の損失 補填や建設業の談合事件等が発生し、経団連が企業行動憲章を策定する等の動きがあ った。一方、地球環境問題が顕在化し、企業の環境負荷への配慮が求められるように なり、2000 年以降は、エコファンド(7)の広がりがみられるとともに、食品関連企業の 不祥事等により企業倫理・コンプライアンス・説明責任・情報開示等が求められるよ うになった。
(2)現状
経済同友会が会員企業を対象に行った調査「日本企業のCSR:現状と課題」(2003 年7月調査)によれば、CSRに関する担当部署(担当者)が設置されている企業の割 合は 30%超となっている。
また、コンプライアンスの遵守状況のチェックが行われている企業の割合は 70%程 度で、CSRを考慮した調達基準の策定は 50%弱の企業で行われているが、社会・環 境(持続可能性)報告書を作成している企業は 20%強にとどまっている。
図表Ⅰ‑11 CSRに関する担当部署(担当者)の設置
23.6
8.3
68.1
0 20 40 60 80
設置しており、責任者は役員以上である
設置しているが、責任者は役員以上ではない
設置していない
%
(資料)経済同友会「日本企業のCSR:現状と課題−自己評価レポート」(2003年)
49.6
19.6
30.8
0 20 40 6
チェックしており、取締役会や監査役(会) にも報告されている
チェックしているが、取締役会や監査役 (会)には報告されていない
仕組みはない
%
(資料)経済同友会「日本企業のCSR:現状と課題−自己評価レポート」(2003年)
図表Ⅰ‑12 コンプライアンスの遵守状況のチェック
0
27.2 16.8
55.9
0 20 40 60
定めており、公表している
定めているが、公表していない
定めていない
%
(資料)経済同友会「日本企業のCSR:現状と課題−自己評価レポート」(2003年)
図表Ⅰ‑13 CSRを考慮した調達基準の策定と公表
図表Ⅰ‑14 社会面を含めた社会・環境(持続可能性)報告書の作成
76.6 8.6
14.7
0 20 40 60 80 100
作成・公表し、取り組み推進に役立っている
作成・公表している
作成していない
%
(資料)経済同友会「日本企業のCSR:現状と課題−自己評価レポート」(2003年)
(3)最近の動き
これまで、企業は社会に対してさまざまな貢献を通じて社会的責任を果たしてきた が、近年、企業の不祥事等を背景に、利害関係者(ステークホルダー:顧客・株主・
従業員・取引先・地域住民・求職者・投資家・金融機関・政府等)との関係を、企業 がこれまで以上に重視するようになり、企業の社会的責任という言葉は、従来の経済 的あるいは法的な企業の責任を大きく超えた概念に広がっている。
経済産業省は、2004 年 4 月にCSRの基本的性格・効果を明らかにし、企業の取り 組みや政府の施策の在り方等を検討するため、産業界・学会・ステークホルダー等の 有識者が参加した「企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会」を設立し、7 月に中 間報告書を取りまとめている。
また、経済産業研究所は経済産業省と協力して「企業の社会的責任と新たな資金の 流れに関する研究会」を 2003 年 4 月に立上げ、公共部門への資金の流れが拡大するな かで、企業の社会的責任や社会的責任投資と資金の流れを結び付けられないかという 検討を行っている。
厚生労働省は 2004 年 3 月に「労働におけるCSRのあり方に関する研究会」を発足 し、女性や障害者登用、従業員の教育訓練に関する情報開示等のあり方を検討してい る。本研究会の報告に基づき、2005 年には労働分野における情報開示項目の統一や指 標の開発を行う予定となっている。
環境省は 2003 年 11 月に中央環境審議会「環境に配慮した事業活動の促進に関する 小委員会」を設け、環境に配慮した事業活動の促進方策のあり方についてとりまとめ ている。また、2004 年 9 月には、企業や監査法人等からなる「社会的責任に関する研 究会」を設置し、企業の環境への配慮やCSR活動の推進にあたっての行政の役割等 を検討している。
図表Ⅰ‑15 最近の企業不祥事(日本)
業 界 内 容
食 品 食 中 毒 、 偽 装 表 示 、 無 認 可 添 加 物
医 薬 品 薬 害
電 機 水 増 し 請 求
自 動 車 リ コ ー ル 隠 し 建 設 手 抜 き 工 事 、 談 合 エ ネ ル ギ ー 臨 界 事 故 、 ト ラ ブ ル 隠 し 通 信 個 人 情 報 漏 洩
流 通 偽 装 表 示
医 療 医 療 ミ ス 、 診 断 書 改 ざ ん ・ 虚 偽 記 載 商 社 不 正 取 引 ・ 貿 易 、 不 正 入 札
コ ン サ ル タ ン ト 不 正 入 札
レ ジ ャ ー 工 業 用 水 飲 料 、 過 剰 花 火 打 ち 上 げ 金 融 損 失 補 填 、 不 良 債 権 隠 蔽 、 不 正 取 引
図表Ⅰ‑16 企業の社会的責任(CSR)概念の拡大
(従来) (現在)
・ 積 極 的 な 情 報 開 示 と 双 方 向 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン
・環境への配慮
・誠実な顧客対応
・ 社 員 の キ ャ リ ア ア ッ プ 支 援 、 家 庭 と の 両 立 への支援
拡 大
・法令、社会的規範の遵守
・有用な製品・サービスの提供
・利益の獲得と納税
・株主利益の保護 他
(資料)日本総合研究所資料より作成
(4)経済団体等の現状と課題
①日本経済団体連合会(日本経団連)
日本経団連では、日本経済再生・経済構造改革の推進に伴い、企業が自主的かつ積 極的に社会的責任の問題に取り組むように要請してきた。その具体的な活動として企 業行動憲章(1991 年)や地球環境憲章(1991 年)の制定・改良・普及等があげられる。
2004 年 2 月、日本経団連は、「企業の社会的責任(CSR)推進にあたっての基本的 考え方」を発表。その骨子は、①日本経団連はCSRの推進に積極的に取り組む、② CSRは官主導ではなく、民間の自主的取り組みによって進められるべきである、③ 企業行動憲章及び実行の手引きを見直しCSR指針とする、となっている。また、2004 年 5 月には、企業行動憲章を改定し、株主への対応に加え、ステークホルダーへの情 報開示や社会との双方向コミュニケーションの重要さを会員企業に提示している。
日本経団連は、ISOの規格化の動きに対して、CSR活動は自主的なものという 判断の下で、異論を唱えてきた。しかし、ISOのガイダンス策定の決定(04 年 6 月) を受けて、策定作業に積極的に関与するという判断を下し、三名の専門家を派遣する ことを決定した。
図表Ⅰ‑17 企業行動憲章
1.社会的に有用な製品・サービスを安全性や個人情報・顧客情報の保護に十分配慮 して開発、提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する。
2.公正、透明、自由な競争ならびに適正な取引を行う。また、政治、行政との健全 かつ正常な関係を保つ。
3.株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的か つ公正に開示する。
4.従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保 し、ゆとりと豊かさを実現する。
5.環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の存在と活動に必須の要件 であることを認識し、自主的、積極的に行動する。
6.「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動を行う。
7.市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対 決する。
8.国際的な事業活動においては、国際ルールや現地の法律の遵守はもとより、現地 の文化や慣習を尊重し、その発展に貢献する経営を行う。
9.経営トップは、本憲章の精神の実現が自らの役割であることを認識し、率先垂範 の上、社内に徹底するとともに、グループ企業や取引先に周知させる。また、社内 外の声を常時把握し、実効ある社内体制の整備を行うとともに、企業倫理の徹底を 図る。
10.本憲章に反するような事態が発生したときには、経営トップ自らが問題解決にあ たる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速 かつ的確な情報の公開と説明責任を遂行し、権限と責任を明確にした上、自らを含 めて厳正な処分を行う。
(資料)日本経済団体連合会(2004 年)
②海外事業活動関連協議会
海外事業活動関連協議会(経団連主導で 1989 年設立)では、海外における日系企 業のCSRへの取り組みを促進する活動を展開している。2001 年に「多国籍企業に 求められる社会的責任に関する研究会」を設置し、欧米を中心としたCSRの動向 の背景、各種国際基準・規格の内容等を整理する等の取り組みを行っている。
③東京商工会議所
東京商工会議所では、2002 年に企業行動規範特別委員会を設置し、東京商工会
議所企業行動規範を発表し、その行動規範に準じて、会員企業がコンプライアン ス・プログラムを作成し、実践することを要請している。
図表Ⅰ‑18 東京商工会議所の企業行動規範
項 目 内 容
法令の遵守 法令を遵守し、立法の趣旨に沿って公明正大な企業活動を遂行する 顧客(消費者)の信頼獲得 市 場 に お け る 自 由 競 争 の も と に 、顧 客 の ニ ー ズ に か な う 商 品 ・サ ー ビ
ス を 提 供 す る と と も に 、正 し い 商 品 情 報 を 的 確 に 提 供 し 、顧 客 の 信 頼 を獲得する。
取引先との信頼関係 公 明 正 大 な 取 引 関 係 の 上 に 取 引 先 と の 信 頼 関 係 を 築 き 、 相 互 の 発 展 を図る。
株主・債権者の理解と支持 公正かつ透明な企業経営により、株主・債権者の理解と支持を得る。
社員・従業員の連帯と自己実現 への環境づくり
社 員 ・ 従 業 員 が 企 業 の 一 員 と し て 連 帯 感 を 持 ち 、 自 己 の 能 力 ・ 活 力 を発揮できるような環境づくりを行う。
社会とのコミュニケーション 広 く 社 会 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る た め 、 社 会 の 要 求 に 耳 を 傾 けるとともに、必要な企業情報を積極的に開示する。
個人情報等の適正な管理 個人等の情報、自社の秘密情報を適正に管理する。
政治・行政との関係 政治・行政と健全かつ透明な関係を維持する。
反 社 会 的 勢 力 お よ び 団 体 へ の 対処
社 会 の 秩 序 や 安 全 に 脅 威 を 与 え る 反 社 会 的 勢 力 お よ び 団 体 と は 関 係 を持たない。
地域社会との共生 地 域 の 発 展 と 快 適 で 安 全 な 生 活 に 資 す る 活 動 に 協 力 す る な ど 、 地 域 社会との共生を目指す。
(資料)東京商工会議所
④経済同友会
経済同友会では、2000 年に 21 世紀宣言を出し、経済性だけでなく社会性、人間性 をも含めた総合的な企業価値を評価する動きをただ受身で捉えるのでなく、自らの信 念とそれに向けた企業の積極的なイニシアティブを発揮すべきであるとしている。
市場
環境
人間
社会
理 念 と リ
| ダ
| シ ッ
プ 体 ケ
マ ネ ジ メ ン ト
制
コ ン プ ラ イ ア ン ス
ディ スク ロ| ジャ
|と コミ ュニ
|シ ョン コーポレートガバナンス
企 業 の 社 会 的 責 任
図表Ⅰ‑19 経済同友会によるCSRの評価
よりよい社会の実現という、
企業と社会の相乗発展を目指すものとして位置付け、「CSRの実践」と「コーポレー り方を検討し、CSRを「市場」・「環境」・「人間」・「社会」に分け
⑤
買い
配 を定めCSR経営診断や
・企業風土、経営者の理念および利益についての考え方(自社としての家訓や商売道
・倫理価値の共有と社内への浸透(滋賀を中心とした地域の商業文化や三方よしとい
・社員の尊重と積極的な相互依存の醸成(社員との人間関係において「尊敬の心」を基
・ 顧客・取引先との人間関係において「尊
・地域社会の維持と次なる発展への関わり(企業は公器であり社会的役割を持つ組織 であるという認識はあるか 等 8 項目)
活用と保全の関わり(滋賀の自然保全のための取り組みなどについ
⑥
興市場のヘラクレスや第二部に上場するベンチャー企業の中 か ら 社 会 的 責 任 活 動 に 力 を 入 れ て い る 企 業 を 紹 介 す る メ ー ル マ ガ ジ ン を 配 信 し て い る。また、富士山清掃を上場企業に働きかけるなど、会員企業のCSR支援活動を積
開している。
2003 年の企業白書では、CSRを企業の競争力強化と
トガバナンス」のあ
て企業評価の体系を整理している(参考資料1参照)。
滋賀経済同友会
滋賀経済同友会では、2004 年 4 月、企業がCSRを果たすためのガイドライン「滋 賀CSRモデル」を策定した。「滋賀CSRモデル」は、近江商人の「売り手よし
手よし 世間よし」の「三方よし」に代表される商業精神をCSRの原点と考え、社会 慮型経営と環境配慮型経営をマッチングさせて、評価項目
自己評価ができるようにしている。経営診断の評価項目は、以下のとおり。
に関する経営哲学を有し活かしているか 等 11 項目)
った歴史的な商業倫理について共有し学習する機会はあるか 等 8 項目)
本としているか 等 8 項目)
顧客、取引先との誠実な関係の創造と維持(
敬の心」を基本としているか 等 8 項目)
・自然資本の有効
て社員と共有する機会を持っているか 等 12 項目)
大阪証券取引所
2004 年 11 月から、新
極的に展