小学校外国語学習導入期における英語絵本を活用した授業に関する実践研究
教科@領域教育専攻 言語系コース(英語) 三 本 祐 加
1.研究の目的
本研究の目的は,小学校中学年の外国語学習 における英語絵本活用が(1)児童の情意面
。)音声のインプット包)内容理解に与える 影響を実践より検証し,英語絵本の耕オとして の可能性を探ることである。
2.研究の背景
2020年から小学校における高学年の外国語 耕ヰ,中学年での外国語活動が全面実施となる。
高学年外国語科への円滑な接続に向けて9 中学 年では外国語に十分慣れ親しんで学習への動機 付けを十分高めるということが求められている。
そこで本研究では,小寺司妙ト国語学習導入期に 当たる中学年に焦点をあて,楽しく外国語に触 れると同時に,積極的に学習を進めていこうと する態度を育成するために英語絵本の活用に注
目した。
英語に慣れ親しむ過程においてp 絵本耕オを 活用することは以前より注目されてきた。例え ば, IHi, Friends!2指導編jに品絵本耕オの読み 聞かせついて「コミュニケーションは, w話す』
ことというより,相手の話を『聞く』ことから 始まる。聞いて相手の話していることが分かる 伸験をたくさん児童にさせることが大切である。
そこで,児童に聞かせる工夫の1っとして,絵 本の読み聞かせが考えられる。絵本の絵から情
指導教員 畑 江 美 佳
報を読み取り,状況を珊卒しながら,児童は相 手の話を聞くことになるため, w聞いて分かる』
偶験をさせやすい。Jとし1う記述がある。しかし,
英語絵本の活用やその効果が期待されている一 方で, うまく活用できていないという現状も報 告されている。
本研究では英語示会本を活用した授業実践とそ の考察を通して3 英言献会本の耕オとしての可能 性を探る。
3.論文の構成及。淵要
本論文は4つの章から構成されている。
第1章では本研究の目的及。噺究の背景を述べ た。第2章では,まずミ第二言語習得という立場 から絵本活用について概観した。第二言苦習得 において重要とされる「意瑚轍過程Jを絵本 の読み聞かせに汎用させると,理解できない英 語の音を聞いている状況下で、あっても,
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献金が ヒントとなり内容を推測することが可能であり,さらに音と理解した内容をつなぐこともでき3
意味理揮が進むことなどを示した。次に,絵本 の鞘敷と耕オとして活用することの利点として 芸術性の高さなどを示すと同時に,毒性寸として の絵本のよさについて5つの点から概観を行っ た。また,絵本の活用方法として読み聞かせや リードアラウドについて述べ,小学校における 英語絵本を活用した授業実践例を示した。さら
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lこp 中学年児童の鞘敷と学齢にあった外国語指 導,対象児童の発達段階や活用方法に応じた絵 本溜尺についても概観を行った。第3章では実 践授業について述べた。調査対象は3 高知県の 公立小学校3年生児童11名, 4年生児童13名 の計24名である。調査校では中学年において 今年度より週1回の外国語活動が導入されてい るので,小寺司妙ト国語学習の導入期にあたると いうことができる。事前アンケートより,外国 語活動や ALTと関わる以外は児童が日頃英語 に触れる機会はない。英語絵本を読んでもらっ たことのある児童は複数名いたが3 日常的に触 れている児童はおらず,英註絵本に対して「難 ししリとしづ印象を持つ児童がほとんどで、あっ た。英語絵本を使った授業を行う前と後でアン ケート及びテストによる調査を行い情意面 における分析結果と考察J
r
リスニングカにお ける分析結果と考察Jr
スピーキングテスト分 析結果と考察」としてまとめた。第4章では結 論として,本研究のまとめ,教育的示唆,今後 の課題を示した。4.調葡吉果
調査授業とその結果分析から,週1回, 15分 x3固という限られた時間で、あっても,まとまっ た英語の音(フレーズ)とそのフレーズが使わ れる場面とが挿絵によって示されている絵本を 活用し, リードアラウドすることで9 英語を聞 いてどんなことを言っているのかが分かる意味 瑚平においては,一定の効果が期待できること が分かった。しかし,そのフレーズをアウトプ
ットするまで、の定着には至っておらず3 自然に 発話することを目標とするには不十分であると 言える。
一方で事後アンケートや自由記述により,英
語絵本のリードアラウド活動は小朝交英語学習 導入期である中学年児童の英語学習への意欲を 高めるほか,聞いて分かるようになったり,声 に出したりすることによって,英語への自信に つながっていることが分かった。
5.今後の課題
英語絵本を耕寸として活用するにあたり次の 3つの課題が考えられる。
第一lこ時教の確保である。2020年からの新学 習指導要領に基づく外国語活動・外国語手3t授業 時数は中学年で週l時間(年間35時間入高学 年は週に2時間(年間70時間)と限られてい る。このような状況において9 教科書以外の教 材を取り入れることは困難であるかもしれない。
第二に,英語絵本の読み手の確保とし、う課題 もある。 ALTや外国語専門教員がおらず,担任 が単独で、授業を行っている場合もある。教員を 対象にしたアンケートからも自身の英語力に不 安を感じている教員は少なくない。
最後に,児童の発達段階や学習に応じた英語 絵本をどのように濁Rするかということである。
絵本選択については,教師が自ら内容を確認し クラスの児童に合うものを選ぶのが理想的で、あ るが,時間的な余裕がなかったり英語絵本に対 する知識があまりなかったりすることが考えら れる。
以上のような課題が想定されるのだが,英語 への興味関心を高め,児童が楽しみながら自然 な英語に触れることができるという英語絵本の よさは鰐見することはできない。小学校外国語 学習で英語絵本の活用を積極的に進めていくた めに,上記の課題に対しての対応策を考え,実 践してくことが重要であると結論付ける。
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