様式8の1の2 別紙2
論文審査の結果の要旨
専攻名 システム創成工学専攻
氏 名 Mabike Mamenzigou Uyanzindile
本論文は、「Studies on cyclodextrin inclusion complexation with catechins(シクロデキ ストリン-カテキン包接複合体に関する研究)」と題し、カテキン類とシクロデキストリン(CD)
類と包接複合体形成の解析とCDによる包接化がカテキン類の物理化学的性質について与える影響 について述べたものである。
CDは、その包接能と天然物由来の安全性から、医薬品、食品などへの添加物として広く利用さ れている。カテキンは、植物由来の抗酸化能を有する物質であり、食品や医薬品などへの利用が 行われているが、その苦味や酸化されやすさなどが問題となっている。そこで、カテキンをCDに 包接させ、カテキンの有する問題点の改善が試みられている。これまでに多くのCD-カテキン包 接複合体の解析が行われているが、カテキン類でもっとも抗酸化能が強いエピガロカテキンガレ ート(EGCg)とγ-CDの包接複合体の解析は行われていない。
本論文は、CD-カテキン包接複合体の解析を目的として、各種カテキン類とCD類との包接複合体 形成の解析と、CD類による包接化がカテキン類の物理化学的性質におよぼす影響についての解析 を行ったものである。
本論文は6章で構成されており、その概要は以下のとおりである。第1章は序論であり、CD- カテキン包接複合体に関する研究の背景と研究目的を提示している。第2章では本研究で用いた 包接複合体の解析手法およびカテキンの抗酸化能測定であるDPPHラジカル消去能測定法について 述べている。第3章では、EGCgとγ-CDの包接複合体形成の解析について述べている。その結果、
EGCgとγ-CDが包接複合体を形成すること、包接化が水溶液中におけるEGCgの安定性を高めるこ と、EGCgの抗酸化能に対しては阻害効果を示さないことを明らかとしている。第4章では、エピ カテキンガレート(ECg)またはカテキンガレート(Cg)とγ-CDの包接複合体形成の解析につい て述べている。その結果、ECgまたはCgとγ-CDが包接複合体を形成すること、包接化がECgまた はCgの抗酸化能に対しては阻害効果を示さないことを明らかとしている。第5章では、エピガロ カテキン(EGC)またはガロカテキン(GC)とβ-CDまたはγ-CDの包接複合体形成の解析につい て述べている。その結果、EGCまたはGCとβ-CDまたはγ-CDが包接複合体を形成すること、包接 化がEGCまたはGCの抗酸化能に対しては阻害効果を示さないことを明らかとしている。第6章で は、論文全体の概要とカテキン-CD包接複合体の今後の展望について述べている。
本研究において得られた成果を総括すると次のようになる。
1)カテキン類とCD類との包接複合体形成に関する解析
2)EGCg、ECg、Cgとγ-CDとの包接複合体形成に関する初めての報告
3)CDによる包接化がカテキンの安定性を高めること、抗酸化能に対して阻害効果がないことに
関する解析
4)カテキン類とCD類との包接複合体の利用に関する検討
本論文については、2014年2月17日、陽東キャンパス2号館221番教室において、審査員ならびに 関連分野の研究者が出席して公聴会が開催された。発表終了後に、質疑応答が交わされ、特に問題 が無いことが確認された。公聴会終了後に、審査員全員による学位審査委員会において本論文の 内容を詳細に検討した。その結果、本研究成果は工学的に価値が高く、研究内容の学術的水準の高 さと独創性において優れていると判断した。
よって本論文は、博士(工学)の学位論文に値するものと認める。