Ⅰ.はじめに
人口構造の変化に伴い、看護の需要は拡大してお り、看護の高等教育化が進んでいる。また社会のグロ ーバル化の進展中で、看護に対する期待や役割も広が っており、看護を通じて国際協力や支援をすることが 求められている。グローバル化という社会のニーズの 中で、国際交流や協働をすすめるための必須能力とし て、語学力があげられる。平成21年度からのカリキュ ラム改正点として、国際看護に関する項目もあげられ ており、国際看護を学習する意義が広く認識されてき ている。これらの今日的ニーズに応えうる人材の育成 をすることが、看護基礎教育の特に英語教育へ期待さ れている。
看護基礎教育は、この十数年の間に高等教育化が進 展しており、4年制看護大学が158校(2008年2月)
と急増している。2002年の4年制看護大学97校の英語 教育に関する全国調査4)では、英語教育定着に向けて
の、各大学の英語教育の実態が明らかとなった。これ らの調査結果からは、英語の4技能のうち、Speaking、
Readingには力が注がれているもののListening、Writing はあまり取り入れられてないという結果であった。特 にWritingは授業で取り上げられておらず、基本的な 4技能の教育のアンバランスが明らかとなった。同研 究チームの看護職および看護教員を対象とした、看護 におけるニーズの調査1)では、日々の看護実践の中で の英語の使用および英語論文・記事を読む頻度は少な いと答える者が多い中、使用頻度の高い者もおり、必 要度には個人差が大きいことが明らかとなった。また ニーズからも、日常の英会話を必要としている者と英 語論文の書き方の授業のニーズもあり、二極化してい るという結果であった。これには現在の職業環境も影 響しており、臨床の看護師には日常英会話能力習得が 求められており、看護教員や研究者には英語の読解・
記述能力の習得が求められていることがうかがえる。
【要約】
平成21年度のカリキュラム改正では国際看護に関する内容が含まれ、国際看護の学習意義が明示されている。
グローバル化の中で、看護基礎教育における英語教育の重要性が認識されはじめている。そこで、看護基礎教育 における英語教育の現状を把握することを目的に、実態調査を行った。全国の看護基礎教育機関672機関を対象 に研究参加について依頼し、協力を得られた124機関【大学:20、短期大学:7、専門学校97】に対して調査を 行った。調査内容は、2001年4年制大学の英語教育の調査に使用された質問項目を参考に調査票を作成し、調査 内容はExcel2007を用いて単純集計を行った。この結果から、教育機関により英語教育に関する学習科目が、量 的・質的に異なる傾向があることが明らかとなった。このため臨床看護師は、養成機関により、それまでの英語 教育に関する学習内容によって、教育・研究などの場や海外で活躍するための英語に関する基盤が異なることが 予測された。現在も養成数の最も多い専門学校の卒業生に対して、大学教育との格差を埋める英語教育を実践す ることが、大学院の進学や、海外で活躍する人材を広く育成することに繋がると考えられた。
キーワード:看護基礎教育、看護師の英語教育、看護師のグルーバル化
看護基礎教育における英語教育の実態調査
─全国看護系大学・短期大学・専門学校の調査結果から─
口元志帆子 竹内久美子
(Shihoko KUCHIMOTO Kumiko TAKEUCHI)
くちもとしほこ:看護学部看護学科 たけうちくみこ:看護学部看護学科
2.調査内容
調査内容は、教育カリキュラムおよび英語教育の実 態調査6)で用いられた調査項目と、さらに本研究の目 的から研究者間で検討した調査項目を追加した調査票 を作成した。調査項目は、英語科目の単位数(必修お よび選択科目の単位数)、英語科目の学習時期、英語教 育の目的、英語教育の教授内容、今後の英語教育に関 する教授内容の必要性の認識の5項目である。
英語科目の単位数および学習時期については、必 修・選択科目において、科目名・単位数・設定学習時 期を記載する形式とした。
英語教育の目的については、「リスニング力の強化」
「一般的英会話能力の強化」「医療現場で使用する英会 話能力の習得・強化」「英語文章の読解力の強化」「医 療関連文章の読解力の習得・強化」「時事英語力の強 化」「一般的スピーチ・プレゼンテーション能力の習 得・強化」「英語論文作成に関する能力の習得」が含ま れているか否かについて「含まれている」「含まれてい ない」で回答する形式とした。
英語教育の教授内容については、授業の中に「一般 英語」「看護要素を含む内容」「看護に特化した内容」
「看護ではないが医学的要素を含む内容」「看護ではな いが医学的に特化した内容」「その他看護に関連した 内容を広く含む内容(保健・福祉など)」「海外看護論 文(テキスト含む)の読解」「海外看護論文の作成」が、
含まれているか否かについて「含まれている」「含まれ ていない」で回答する形式とした。
今後の英語教育に関する教授内容の必要性の認識に ついては、教授内容として「一般英語」「看護要素を含 む内容」「看護に特化した内容」「看護ではないが医学 的要素を含む内容」「看護ではないが医学的に特化し た内容」「その他看護に関連した内容を広く含む内容
(保健・福祉など)」「海外看護論文(テキスト含む)の 読解」「海外看護論文の作成」が、まったく必要でない から非常に必要までの5件法を用いて調査した。
これらのことから、看護基礎教育での英語教育は、グ ローバル化に伴いケア対象者が拡大したことから、看 護実践で使用する英語のコミュニケーション能力を身 につけることと、さらに将来看護教員や研究者として の進路を希望により選択することを可能にするような 英語論文を読解・記述するための、基盤となる英語力 を身につけることが必要であると考えられた。
わが国の看護基礎教育は、前述のように高等教育化 が進んでおり、大学教育を終了した看護師が今後増加 することが予測される。しかしながら、2007年度4年 制看護大学在学生数46,331名に対して短期大学およ び専門学校(3年制)在学生数は73,737名であり、現 在でも4年制大学卒業者より短期大学および専門学校 が約1.5倍以上の養成数を担っている。さらにこれま での卒業者数を考慮すると、短期大学および専門学校 で英語教育を受けた看護師が、多いことが推察され る。このため、看護基礎教育における英語教育を検討 する際には、まず広く実態調査を実施する必要がある と考えられる。これまでの先行研究では、前述した 2002年の4年制看護大学のみを対象とした、実態調査 が実施されているが、2002年には97校であった大学 も、158校と増加していること、グローバル化へのニ ーズが進展していることを考慮すると、学習内容は 2002年からさらに変容していることが予測される。こ のため、全国の4年制看護系大学・3年制短期大学・
3年制専門学校を対象に、英語教育の実態を調査し、
各養成機関での特徴および相違点を明らかにすること が課題であると考えられた。
Ⅱ.研究目的
本研究は、看護基礎教育で行われている英語教育の 現状を明らかにし、看護基礎教育における英語教育の 課題を考察することを目的とする。
Ⅲ.研究方法 1.調査対象
全国の看護系大学168校と短期大学(3年制)27校、
専門学校(3年制)477校を調査対象とした。このう ち、研究へ参加の同意の得られた看護系大学20校
(16.1%)・短期大学7校(5.6%)・3年制専門学校97 校(78.2%)の合計124校(表1)を分析対象とした。
表1 対象の教育機関種別
学校種別 数 %
大学 20 16.1
短期大学 7 5.6
専門学校(3年制) 97 78.2
計 124 100
3.調査方法・分析方法
調査票の配布および回収は、郵送法を用いて、研究 計画の概要と調査票を送付した。その際に研究対象施 設の学部長または教務主任に対して、回答可能な人物 の推薦を依頼し、推薦者1施設1名に回答を依頼する 形式とした。また調査票の送付時には、調査の趣旨と お願いを同封するとともに、返信用の封筒も同封し、
研究への参加は、調査票の返送により、研究の参加へ の同意とする旨を記載し、調査票の返送をもって研究 の参加の意思表示と判断した。
有効回答数124教育機関(26.0%)を、分析対象と し、調査データは、表計算ソフトExcel 2007を用いて 単純集計を行った。
Ⅳ.結果
1.語学科目の種類
語学教育における授業科目は、対象教育機関124校
(100.0%)すべてで、英語が必須科目として設けられ ていた。選択科目は、7種類の語学が設けられており、
英語30校(24.2%)、中国語19校(15.3%)、フランス 語14校(11.3%)で設置されていた。また英語以外の 語学を選択科目に設けている教育機関はいずれも大学 であった。(図1)
2.教育機関種別による英語教育の単位数と設定時期 教育機関種別による英語科目の平均単位数を表2に 示した。教育機関全体の英語必修科目の平均単位数 は、3.2単位であり、英語選択科目の平均単位数は2.4 単位であった。平均単位数が最も多かったのは、必 修・選択ともに大学で、必修平均単位数5.2単位、選択 平均単位数2.5単位であった。大学は、必修科目の平均 単位数は、専門学校の平均単位数の約2倍であった。
学習時期は、必修科目および選択科目により異なっ ていた。すべての教育機関が、2学期制(Semester)
を導入していたため、各学期で英語科目を設定してい る教育機関数と、調査対象124機関に占める割合を表 3に示した。学習設置時期は、必修科目では、1年次 前期が102校(82.3%)と最も多く、4年次後期が1 校(0.8%)と最も少ない設定であった。選択科目で は、2年次前期が16校(13%)と最も多く、4年次後 期が3校(2.4%)と最も少ない設定であった。
3.英語教育の目的
英語教育の目的に以下の項目が、目的に含んでいる と回答した教育機関数を(項目・教育機関種別ごとに)
表4に示した。教育機関全体では、「一般的英会話能力 の強化」111校(89.5%)、「医療現場で使用する英会話 能力の習得・強化」111校(89.5%)が多く目的に含ま れていた。一方で英語教育の目的に、「英語論文作成に 関する能力の習得」を含んでいる教育機関が最も少な く、全体で11校(8.9%)であった。
4.英語教育の教授内容
英語教育の教授内容に以下の項目を、教授内容に含 んでいると回答した教育機関数を(項目・教育機関種 別ごとに)表5に示した。教育機関全体では、「看護要 素を含む内容」113校(91.1%)、「一般英会話」112校
(91.1%)、「看護ではないが医学的要素を含む内容」99 校(79.8%)が多く教授内容に含まれていた。一方で
「海外看護論文の作成」1校(0.8%)、「海外論文(テ キストを含む)の読解」20校(16.1%)が、教授内容 に含まれていると回答した教育機関が少なかった。
5.今後目指している英語教育の内容と方法
今後、看護基礎教育の英語教育における教授内容に ついて、「一般英語」「看護要素を含む内容」「看護に特 化した内容」「看護ではないが医学的要素を含む内容」
図1 語学科目の種数と設置学校数 ポルトガル;1 スペイン;5
ハングル;6
ドイツ語;13
フランス;14
中国;19
英語;30
表2 英語科目の平均単位数
学校種別 英語必修科目
平均単位数 英語選択科目 平均単位数
大学 5.2 2.5
短期大学 3.5 2.1
専門学校(3年制) 2.6 1.8
全体 3.2 2.4
表3 英語科目の設定時期 n=124
1年次 2年次 3年次 4年次
前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期
必修 教育機関数 102 85 75 34 22 12 2 1
教育機関の割合(%) 82.3 68.5 60.5 27.4 17.7 9.7 1.6 0.8
選択 教育機関数 5 11 16 11 9 4 4 3
教育機関の割合(%) 4 8.9 13 8.9 7.3 3.2 3.2 2.4
表4 教育機関種別による英語教育の目的 n=124
大学 短期大学 専門学校 計
リスニング力の強化 19 (95.0) 5 (71.4) 72 (74.2) 96 (55.6)
一般的英会話能力の強化 17 (85.0) 4 (57.1) 90 (92.8) 111 (89.5)
医療現場で使用する英会話能力の習得・強化 13 (65.0) 6 (85.7) 92 (94.8) 111 (89.5)
英語文章の読解力の強化 20 (100.0) 4 (57.1) 68 (70.1) 92 (74.2)
医療関連文章の読解力の習得・強化 13 (65.0) 5 (71.4) 61 (62.9) 79 (63.7)
時事英語力の強化 7 (35.0) 1 (14.3) 16 (16.5) 24 (19.4)
一般的スピーチ・プレゼンテーション能力の習得・強化 12 (60.0) 3 (42.9) 28 (28.9) 43 (34.7)
英語論文作成に関する能力の習得 6 (30.0) 1 (14.3) 4 (4.1) 11 (8.9)
対象数 20 7 97 124
※( )内は対象数に対する%を示す
表5 教育機関種別における教授内容 n=124
大学 短期大学 専門学校 計
一般英会話 20 (100.0) 5 (71.4) 87 (93.5) 112 (90.3)
看護要素を含む内容 17 (85.0) 5 (71.4) 91 (94.8) 113 (91.1)
看護に特化した内容 10 (50.0) 4 (57.1) 37 (43.0) 51 (41.1)
看護ではないが医学的要素を含む内容 15 (75.0) 4 (57.1) 80 (87.9) 99 (79.8)
看護ではないが医学的に特化した内容 5 (40.0) 2 (28.6) 28 (33.7) 35 (28.2)
その他看護に関連した内容を広く含む内容(保健・福祉など) 10 (50.0) 4 (57.1) 26 (16.5) 40 (32.3)
海外看護論文(テキスト含む)の読解 8 (60.0) 2 (28.6) 10 (11.4) 20 (16.1)
海外看護論文の作成 0 (0.0) 1 (16.7) 0 (0.0) 1 (0.8)
対象数 20 7 97 124
※( )内は対象数に対する%を示す
表6 今後必要と考えている英語の教授内容 n=124 必要度平均値(SD)
大学 短期大学 専門学校 全体
一般英会話 4.6 (0.5) 4.7 (0.5) 4.1 (0.8) 4.2 (0.8)
看護要素を含む内容 4.2 (0.9) 4.7 (0.5) 4.4 (0.6) 4.4 (0.6)
看護に特化した内容 3.7 (0.9) 4.7 (0.5) 3.7 (0.8) 3.7 (0.9)
看護ではないが医学的要素を含む内容 3.9 (1.1) 3.8 (1.0) 4.0 (0.6) 4.0 (0.7)
看護ではないが医学的に特化した内容 3.4 (1.0) 3.3 (1.2) 3.4 (0.8) 3.4 (0.8)
その他看護に関連した内容を広く含む内容(保健・福祉など) 3.8 (0.8) 3.7 (0.5) 3.1 (0.8) 3.6 (0.8)
海外看護論文(テキスト含む)の読解 4.0 (1.0) 3.8 (0.8) 2.3 (0.9) 3.2 (1.0)
海外看護論文の作成 2.7 (0.9) 2.5 (1.0) 2.3 (0.9) 2.4 (0.9)
「看護ではないが医学的に特化した内容」「その他看護 に関連した内容を広く含む内容(保健・福祉など)」
「海外看護論文(テキスト含む)の読解」「海外看護論 文の作成」の必要性の認識について調査した。これら の教育機関別の認識(5件法)の回答について平均点 を表6に示した。教授内容に関して教育機関全体では
「看護要素を含む内容」4.4点、「一般英会話」4.2点と 必要性の認識が高く、「海外看護論文の作成」が2.4点 と低かった。大学が、短期大学・専門学校より必要性 の認識が高いのは、「海外看護論文(テキストを含む)
の読解」「海外看護論文の作成」「その他看護に関連し た内容を広く含む内容(保健・福祉など)」であった。
Ⅳ.考察
基礎教育機関では、主要な必修科目として語学の中 で、英語が教授されており、他語学は選択科目として 大学で教授されている。単位数も専門学校より大学が 多い傾向にあり、大学教育の中で英語教育が重視され ていることがわかる。学習時期については、1・2年 次が多く、これは卒業時には国家試験の受験が控えて いることから、国家試験関連科目へ学習が集中するこ と、さらには英語が一般教養と捉えられていることか ら1・2年次に設定されていることがうかがえた。4 年間継続して、英語科目を設定している教育機関はな かった。
単位数の設定では、大学と専門学校では、平均2単 位以上も差があり、英語に関する学習に量的な差があ ることがわかる。看護師の看護基礎教育機関により、
英語教育に関する学習内容も異なっていることがわか った。専門学校では、看護師の英語教育に関するニー ズ1)にもあるよう、一般英会話能力の強化を目的に含 んでいる機関が90%を起え、より実践的な立ち場から の英語教育をしているといえる。一方大学では、読解 力の強化やプレゼンテーション能力の習得など、より 研究者的立ち場からの英語教育をしているといえる。
しかし今回の調査では、授業目的・内容に含まれるか 否かを調査しているのみであり、授業のレベルの詳細 は不明確である。看護基礎教育における今後の英語授 業内容の必要性に関する認識では、大学・短期大学・
専門学校ともに、授業内容に「海外論文の読解」「海外 論文の作成」の必要性を認識しているという結果であ った。これらのことから、看護基礎教育の中でも、大 学と短期大学・専門学校により実施されている英語教
育に、量的だけでなく質的に差が生じているものの、
英語教育への期待は同様であることが推察される。し かし、現状においては、大学が看護基礎教育の中にお いて、英語教育のリーダーシップおよび重責を担って いるといえる。
現在大学卒業の看護師は20%2)近いとのデータもあ る。しかし実際のA県の調査5)では、大卒看護師の割 合は5~ 20%であり、殆どの病院が5%未満であっ た。これは大卒看護師が増加しつつあるものの、地域 や病院規模により格差があり、多くの臨床の現場を専 門学校卒業の看護師が支えていることを示している。
先行研究による看護師の英語教育に関するニーズの調 査1)では、調査対象の臨床看護師の大半が、専門学校 の卒業者であった。看護基礎教育機関の種別により、
英語教育が異なるため、培ちかわれてきた能力にも違 いがあると考えられる。今後、大学卒業の看護師が増 加することが予測されるが、現在専門学校卒業の臨床 看護師が大半である。臨床看護師の大学院進学への希 望、海外での活動への志向が、増えていることが指摘 されている5・3)。高度専門技術者の育成を主眼におい た大学院の設立など、医療全体もこれまでの経験を活 かした教育や研究への取り組みがのぞまれている。臨 床で経験を積んだ専門学校卒業の看護師が、大学院へ の進学、教育や研究の場、海外で活躍するためには、
英語能力の強化が必要である。今回明らかとなった、
看護基礎教育機関種別による英語教育の違いを、さら に詳細に検討する必要がある。そして、専門学校にお ける英語教育終了後に、大学との英語教育の差を埋め るような、教育システムを検討していくことが必要で ある。このことは、海外で活躍する人材を広く育成す ることにも繋ながるのみでなく、看護の教育および研 究に、実践の経験が活かされることにも繋がるのでは ないだろうか。
結語
今回の調査結果から、以下の特筆すべき点が明らか となった。
1 .看護基礎教育の中での語学教育は、英語が中心で あり、特に専門学校では1・2年次のみの教授であ り、継続して学習していく履修設定となっていな い。
2 .看護基礎教育機関の種別により、英語科目の学習 は量的・質的に特徴があり、大学教育が看護基礎教
育の中で重要な役割を担っている。
3 .臨床看護師の大半は、専門学校卒業であるため、
広く現在の実践経験を活かして、教育・研究に携わ る、大学院への進学、海外で活躍する人材の育成を 考えると、専門学校卒業後に大学教育との英語学習 の量的・質的な差を埋める、システムが必要であろ う。
研究調査の限界と課題
今回の調査では、調査対象教育機関477機関に対し て、回答数124機関(26.0%)であった。このため十 分に全国の状況を反映する結果に至らなかった。今後 は、今回得られたデータを基に、より具体的に英語教 育について内容が明らかとなるよう調査していくこと が課題である。また英語教育の中で、教育内容や方法 を研究的に実践し、その教育の成果を測定している報 告7)などもあるため、今後看護基礎教育としての特徴 的な教育プログラムの成果についても検討していくこ とが課題である。
謝辞
本調査に関し、ご快諾いただき調査にご協力いただ きました、教育機関の責任者およびご回答いただきま した担当の皆様に、心より感謝申し上げます。
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