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骨髄性プロトポルフィリン症における最新の知見

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Academic year: 2021

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特 別 講 演 抄 録

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骨髄性プロトポルフィリン症における最新の知見

川 原 繁 近畿大学医学部皮膚科学教室

低侵襲人工膝関節置換術:MIS‑TKAと UKA

赤 木 將 男 朝 田 滋 貴 松 下 哲 尚 浜 西 千 秋 近畿大学医学部整形外科学教室

抄録

近年わが国においても医療のグローバルスタンダ ード化の観点より,術後の早期回復および早期退院 を求める医療政策上および患者家族の要求がある.

整形外科では術後十分な機能回復が得られるまで入 院リハビリを行ってきたが,欧米諸国の在院日数に 比べると入院期間は極端に長い.当科膝斑では2004 年4月より人工膝関節全置換術(TKA)において低 侵襲手技およびこれに対応するクリニカルパスを導 入し,在院日数の短縮を図ってきた.従来法では15

‑16cm の皮切で膝蓋骨を飜転して行うのに対し,本 術式では 9‑10cm の皮切で,膝蓋骨を飜転せずに TKA を行う.

さらに2002年より,膝関節内側または外側のみの 変性で前十字靱帯機能が保たれている症例に関して は単顆人工膝関節(UKA)を開始,適応の拡大を行 っている.本術式はさらに侵襲が少なく,機能回復 は著しく早い.併存症の多い高齢者にも適応が可能 で,今後の超高齢化社会のニーズにマッチしたもの と考える.

以下に手術において重要と思われる5つのポイン トを記す.

1. 3D テンプレートによる術前計画:術前に CT  

DICOM  data による詳細な術前計画を行い,骨切り のための基本データを得る.

2. 手術手順の確立:手順の確立は非常に重要で,

どの肢位で,どの操作を,どの順番で行うかは必然 的に決まる.手術操作は一つのステップを確実に仕 上げていくことが重要で,これが時間短縮の要とな る.

3. 大腿骨,脛骨髄外骨切りガイドの使用:髄内加 圧操作を回避することは術後 VTE リスクの軽減に 役立つものと考える.

4. セメントテクニック:セメントテクニックは長 期成績の安定性に重要な手技と思われる.我々は確 実なセメント固定を行うため,ツーセメントテクニ ックを行っている.

5. 愛護的な操作:低侵襲手術では軟部組織に対す る愛護的操作が特に重要である.助手は軟部組織を 引いて術者に術野を見せるのではなく,術者より軟 部組織を保護する気持ちが必要である.

多くの工夫により,低侵襲人工膝関節手術はルー チンとなった.術後平均在院日数も16日程度と全国 でも最短のレベルとなった.今後も,手術手技の洗 練,教育,普及に努めてゆきたい.

骨髄性プロトポル フ ィ リ ン 症(Erythropoietic protoporphyria,EPP)は,ポルフィリン症の一つ 

で,ヘム代謝系の酵素であるフェロケラターゼ(fer- rochelatase)の活性低下により起こる常染色体優性 遺伝の疾患である.主な症状は,小児期から発症す る光線過敏であるが,重要な合併症に肝障害がある.

肝障害の合併率は従来約20%とされているが,その 中には無症候性で肝酵素の軽度増加を示す軽症例か ら慢性経過をたどって肝硬変に進行する重篤例があ り,さらに,急性肝不全により発症後数日で死亡す る場合もある.

EPP は常色体優性遺伝を示すが,その浸透性は約 50%と低い.その機序に関して,最近,フェロケラ ターゼの遺伝子FECH の一方に遺伝子変異があ り,その対立遺伝子にフェロケラターゼの活性を低 下させる遺伝子多型(イントロン3領域における1 塩基変異多型)を伴う場合に EPP を発症し,対立遺 伝子が正常な場合は発症しないでキャリアーになる ことが見出された.近畿大学皮膚科に通院している

EPP 患者は13例(6家系)であり,そのうち11例(5 家系)について遺伝子検索を行ったところ,3家系 では従来の報告と同様な遺伝解析結果が得られた.

一方,2家系ではFECH 遺伝子の遺伝子異常が見 いだされなかった.

EPP において肝疾患の合併が重要な問題である が,13例中5例において,AST または ALT の軽度 の増加を認め,1例では胆石症を伴っていた.EPP に対する主な治療は,サンスクリーンなどを用いた 徹底的な遮光が最も有用とされる.遮光を行わない と血中プロトポルフィリン量が高値を示し,それに 伴って肝酵素が著しく増加した症例も経験され,皮 膚症状を改善するためだけでなく,肝障害を防ぐた めにも遮光が必要である.

EPP は,まだ社会的にもあまり認知されていない 疾患である一方,毎年数人が合併する肝疾患のため に死亡している.今後,社会的啓蒙活動を進めると ともに,EPP に対する治療の開発が望まれる.

近畿大医誌(Med J Kinki Univ)第34巻3号 5A 2009 5A

参照

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