• 検索結果がありません。

智山學報 第57 - 005眞保 龍敞「真言教化の構造 : 三大円融無礙の教化」

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "智山學報 第57 - 005眞保 龍敞「真言教化の構造 : 三大円融無礙の教化」"

Copied!
29
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

 

 

 

真 言教化の構 造 (眞保 )

 

 

教 の 宗 祖 弘 法 大

は 、 「 四 恩 の

為 に 二

の 大

荼 羅 を 造 る 願 文 」 の

で 、                           げ ん げ ん    

子 空 海 、 性

我 を

め て

源 を 思 と 爲

。 径 路

ら ず 。

に 臨 む で

た び か 泣

感 有

て 、 此 の             ( 1 )     祕 門 を 得 た り と 述

し 、 大 師 の 内 な る

性 よ り 還 源 が 希 求 さ れ 、 所

と さ れ た 。   そ の

は 、 勿

釈 尊 の 大 悟 に ほ か な ら な い 。 そ の

悟 こ そ 四 諦 ・ 八 正 道 ・ 三

の 境 界 で 、 と

わ け 無 我 ( 雪           ( 2 )                                                                                         ( 3 ) 倒 自 目 ) の 思 想 は 、

一 如 に

る イ ン ド の

的 バ ラ モ ン の

へ の 批 判 、

で あ る と と も に 、

諸 宗 教 思 想 の

で も 、 こ れ は 独 自 な

し い 思

の 境 地 を 提 起 し た も の と し て 、

今 に

な 世 界 的 意 義 を

す る も の で あ ろ

。  

は 、 こ こ を

と し て 、 四 十 五 年 の 教 化 を

開 し て

に 趣 か れ た 。 一

27

(2)

智山学報第五 十 七輯

 

降 っ て 空 海

大 師 は 、

言 密 教 を 組 織

成 し た が 、 入 唐 受

よ り

入 定 へ の

言 教 化 三 十 年 の 根 本 課 題 を 、

 

 

 

    ( 4 ) に ” 無

の 大

” と し て 抉 り 出 し 掘 り 当 て 、

抵 か ら 見

に 還 源 を 果 た し て い っ た 、 と 考 え ら れ る 。

 

 

 

        ( 5 )

 

こ れ を 表 徳 の

と す れ ば 、 釈 尊 の 主 張 し た 大 悟 の 無 我 は 遮

の 実

と い

 

遮 表 の 実 義 が 闡 明 さ れ る ま で 、 無 慮

二 百

を 要 し た 。 そ の 間 、 先

師 の

を 重 ね 無

縁 起

無 自 性

本 不 生 と 深

さ れ て き た 。 原 始 よ り 中 観 、 瑜 伽 唯 識 、 如 来 蔵 、

厳 を

尽 し て 、 遂 に 密 乗 に 領 達 し た の で あ る 。

 

今 、

言 教

造 を 綜

的 に 究 明 す る に 、 先 ず

一 に 、 真 言 教 化 の 源 底 を

ま え 、 第 二 に 、 体 ・ 相 ・ 用 の 綱

を 『

論 』 に お い て 、 大

の 深 秘 釈 と し て 摩 訶 衍 の 三 大 を 踏 ま え な が ら 、 『 釈

訶 衍 論 』 に お け る 三 大 に つ い て 、 大 師 と

鑁 上 人 の 把 捉 の 仕

も 窺 っ て み た い 。

 

第 三 に 、 真

教 化 の 三 大 円 融 無 礙 の 構 造 を 綜 括 し つ つ 、 そ の

格 の

方 を

っ て み た い 。

 

更 に 、 真 言

の 性

件 、 そ の 利 益 の 方 向 性 を 検 尋 し 、 三 大 法

の 論

か ら 、

教 化 へ の 一 つ の 方

し て み た い 。

 

以 っ て 、 真

教 化 の

造 と そ の

格 の 大

を 究 明 し た い と 思

。 一 28 一 一

 

 

は 、 現

の 生 を 常 、

、 我 浄 と

る 妄 見 を 破 し て 四

倒 を

い た 。 そ の 中 で               お も                                       ( 6 )     無 我 を 我 と 謂 ふ 。 是 の 故 に 想 心 に 見 倒 を 生 起 す 。 と 、

道 の 我

を 破 し た 。 こ の こ と は 、

に 至 っ て も 、                

 

 

 

 

                                         

 

 

 

 

    ( 7 )     愚 童 凡 夫 は 、 我

と 我 有 と に 執 著 し て 、 我 の

性 を 観 ぜ ざ れ ば 、 則 ち 我 と

と を 生 ず 。

(3)

真言教化の 造 (眞保 )                                   ( 8V と 示 し 、 善 無 畏 三 蔵 は こ れ を

夫 違 理 の 心 と 称 し た 。   こ の

の 縁 起

を 深 達 し 、

に 進 め 、 現 生 に お け る

常 の 実

と 無

性 な る 法 性 ・ 性 理 と の 時 空 を 同 時 限 に 把 捉 し て 、 空 観 を

達 し て い っ た 。 そ し て 佛 と は 、 仏 性 と は 何 か を

め 、 天

は 『 佛 性 論 』 に 一 切

生 、

性 を 標

し 、                                           ( 9 )     佛 性 と は 、 即 ち 是 れ 人

顕 の

如 な り 。 と し 、 法

、 如 如 、 仏 性 な る 三

性 を 以 っ て 心 清 浄 界 を 顕 わ し 、

蔵 思 想 を

起 し た 。   真

教 化 の 源 底 た る 無 我 に 対 し 、

師 は 三

の 中 の 意 密 を 明 か し た 『

』 に お い て 、    

( 劃 )

と は 大 日 の 種 子 な り 。 一 切 世 間 は

我 を

す と い え ど

だ 実 義 を

。 た だ 大 日 如 来 の み い                                                                       ( 10 )     ま し て 、 無 我 の

に お い て 大 我 を

た ま え り 。 … こ れ す な わ ち 表 徳 の

義 な り 。 と 道 破 し た 。 こ れ は 、

底 に お い て 、 不 空 訳 『 釋 字 母 品 』 の 所 説 に 基 い た も の で は な か ろ う か 。 即 ち 、                                 〔 11 )     薮

( 麼 )

門 一

法 吾 我 不 可 得

と あ り 、

来 の

で あ る

を 明 示 し て い る の が 下

と な っ て い る 。 更 に 積 極 的 に 裏 付 け て い る の が 大

来 の 不 空 訳 『 仁 王 般 若 陀

尼 釋 』 の 一 文 で あ ろ

。 即 ち 、    

と い っ ぱ 、 一 切

無 我 の

な り 、 無 我 に 二 種 、 人

・ 法 無 我 あ り 。 瑜 伽

若 し 二 無 我 を

す れ ば 、 則

                                                      ( 12 )    

賢 地 を 出 て 、 眦

遮 那 の 百

荘 厳 円 満

浄 の 法 身 を

。 と あ り 、 こ の 人 法 二 無 我 を 証 す れ ば 、 遮 那

身 を

と 断 じ て い る 。 し か も こ の 第 五 帖 に は 『 瑜

』 が あ り

ら 、

十 四

の 策 子 総 目

に 、 大 師 が こ の 策 子 を 「

王 隗

尼 釋

せ し め 、 特 に

の 見 返 し に は 、

で し か も

で 「

王 般

陥 羅 尼

( 以 上 朱 ) 一 巻 」 と 書 き 入 れ ら れ て い る く ら い で あ る 。 こ れ を

ま え て 、 先 掲 の 『

字 義 』 の 「 た だ 大 日

来 の み い ま し て 無 我 の 中 に お い て

我 を

た ま え

」 が 導 か れ た の で あ ろ 一

29

(4)

智由学 報 第五 十 七輯 う 。   更 に 、 大 師 の 「

の 澄 法 師 理 趣 釈 経 を

む る に 答 す る 書 」 ( 「 性 霊 集 』 十 弘 大 全 三 、 五 五 〇 頁 。 ) に 、                                                                       ヘ       ヘ             ヘ       へ     も し 我 が 理 趣

め ば す な わ ち 二 種 の 我 あ り 。 一 に は 五

の 仮 我 、 二 に は 無 裁 の

我 な り 。 も し 五

の 仮 我 の                                                                           も と                                 ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     へ     理 趣 を

め ば 、

な わ ち 仮 我 は 実 体 な し 。

体 な く ん ば 何 に よ つ て か

る こ と を

め ん 。 も し 無 我 の 大 我 を 求                   し ゃ   な     め ば 、 す な わ

遮 那 の 三 密 は

な わ ち こ れ な り 。 遮

の 三 密 は い

れ の 処 に か 遍 ぜ ざ ら ん 。 と 、 仮 我 に 実 体 な

、 無 我 の 大 我 た る 遮 那 如 来 の 三 密 遍

の 仏 徳 に

せ て 、 『 理 趣 釈 』 の

め を

っ て い る 。                                                                         ( B }   こ の

の 遍

も と よ

『 大 日

』 、 『 大 疏 』 に 、 「 一 切 處 起 滅

際 不 可

」 な る 「 毘

遮 那 の 遍 一 切 ( 超 身 し に 依

し て い る 。   こ こ で 、 無 我 を 阿

本 不 生 と

る 大 贓 の

擬 を み る に 、 吶 大 日

馳 具

品 に 、                                                             ( 15 )     暗 に 仏 、 一 切

来 一

速 疾

三 眛 に 入 り た ま ふ 。 我 、 本 不 生 を

る 。 と あ り 、 大 師 は こ れ を 、

に 『

』 に 六 大 法 界 体 性 所 成 の 身 の

の 地 大 の

と さ れ て い る 。 更 に 、 経 の 本 文 に つ い て は 、 『 大 疏 』 に                                                                                                   ( 蜀 )     我

本 不 生 と は 、 謂 く 自 心 は 本 よ り 以

不 生 な り と

れ ば 、 即 ち 是 れ 成 仏 な

。 而 も 実 に は

も な く 成 も 無 し 。 と あ る 善 無 畏 三 蔵 の

を 踏 ま え 、 更 に こ れ と 、 『

日 経 』 具 縁

の 真 言 教

に                                       ( 17 )     謂 く 、 阿 字 門 は 一 切 諸 法

不 生 な る が

に 。                           ( 18 } と あ る の と 『 金 剛 頂 経

母 口 嬰 と に 基 づ き

字 義 』 に 、 阿 字 は 本 不 生 よ

一 切 の 法 を 生

と し 、                                                             ロ つ     岡 炎 字 の 霙 義 と い つ ば 、 三 義 あ り 。 い は く 、 不 亜 の

、 空 の

の 義 な り 、 も し 本 初 あ れ ば す な わ ち こ れ 因                                                                         と    

な り 。

に 名 づ け

と な す 。 ま た 阿 と は 無 生 の

な り 。 も し 法 の 困

を 攬 つ て

る は 、

な わ ち 自 ら     性 あ る こ と な し 。 こ の

に 空 と な す 。 ま た い わ ゆ る 、

字 門 一 切

法 法 不 生 と は 、 阿 字 門

実 の

も ま た ま た 一一

30

(5)

真 言教化の 造 (眞保)     か く の ご と し 。 一 切 法

の 中 に 遍 ず 。 ゆ え は い か ん と な れ ば 、 一 切 の 法 は

縁 よ り 生 ぜ ざ る こ と な く 、

こ の     能 生 の 縁 を 観 ず る に 、 ま た ま た

因 縁 よ

生 ず 。 展 転 し て 縁 に 従 わ ば 、 誰 を か そ の 本 と せ ん 。 か く の ご と く 観                         ヘ       ヘ       ヘ       へ    

る と き は

な わ ち 本 不 生 際 を 知 る 。 こ れ 万 法 の 本 な り 。 な お 一

の 語

を 聞 く と き に 、 す な わ ち こ れ 阿 の    

を 聞 く が ご と く 、 か く の ご と

一 切 の

の 生 ず る を 見 る と き 、 す な わ ち こ れ

る な り 。                                   ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     ヘ     へ     も し 本 不 生 際 を

る も の は 、 こ れ 実 の ご と

自 心 を 知 る な り 。

の ご と く

心 を 知 る は 、 す な わ ち こ れ 一 切 智                 、   、   、   、                                 、   、                                                     ( 19 )     智 な

、 故 に

遮 那 は た だ こ の 一 字 を も つ て 真 言 と な し た も

。 こ れ す な わ ち 阿 字 の 実

な り 。               〔 20 ) と 『 大 疏 』 七 の

を 引 証 し て 、 真 言 貫 字 一 字 の 中 に 、 本 不 生 無 我 の 実 義 を 建 立 し た の で あ る 。                   ( 21 )  

に 、

は 『

』 に 、 金

訳 の           も と                                                                                           22 )     諸 法 は

よ り 不 生 な り 、 自 性

を 離 れ た り 、

浄 に し て 垢 染 な し 。 因

な り 、 虚 空 に

し と 、 『 金 剛 頂 経

修 習 毘

遮 那 三 摩 地 法 』 の

証 を 示 さ れ て い る が 、 「

法 は 本 よ り 不 生 な り 」 の

は も と よ

 

31

六 大 の 中 の 地 大 の

拠 と し て

げ た

の で あ る 。 万

の 依

処 に し て 所

た る

不 生 際 を 母 な る 大 地 の 性

徴 し た も の で あ る 。   こ の こ と は 、 『 即 身

』 に

用 す る 『

』 の 一 文 に み る に 、                                                 ヘ     ヘ     ヘ                      ヘ     ヘ                                         ヘ     ヘ     へ     法

を 具 足 し て と は 、 大 日 経 に い わ

、 我 れ は 一

の 本 初 な り 。 号 し て 世 所 依 と

つ く 。 説

な                             ( 23 )     く 、

に し て 上 あ る こ と な し 。 と あ る 我 れ は 大 日 尊 、 一 切 の 本 初 は 、 即 ち 、 阿 字

不 生 際 に し て 、 『 大 日

開 題 』 に                     丶   、                         、   、   、   、   、           ( 24 )    

来 の 説

は ま つ 二 我 の 執 を

れ し め 無 我 の

我 を 證 せ し む 。 と 、 無 我 の 大 我 を 証 せ し む る こ と に お い て 真 言 教

の 源

を 掘

起 こ し 、

尽 し 、 還 源 の

願 を 果 し 達 成 し た も の で あ る 、 と い え よ う 。

(6)

智山学報第五

 

・ 相 ・ 用 )

1

 

の 三

『 大 乗 起 信 論 』   無 我 の 大 我 た る 大 日 尊 の 綱 格 に つ き 、 ま ず 大

は 『 大 乗

論 』 の 如 来

思 想 に 着 目 、 十 住

九 華 厳 の

無 自 性

心 を 通 論 し た の ち 、 そ の 深 秘 釈 と し て 五

の 経 論 疏 を

げ る 冒 頭 で 、     秘 密 趣 と は 、 自 上 所

の 極

自 性

心 は 、 こ れ 普 賢 菩

証 の 三 摩 地 門 な り 、 ま た こ れ 大

那 如 来 の                 ( 25 )    

提 心 の 一 門 な り 。 と

く り 、 そ の 一 つ に 『 大 乗 起 信 論 』 の 三 大

を 掲 げ て い る 。 即 ち 、     ま   か え ん     摩 訶

に は 総 じ て 説 く に 二 種 あ り 。 い か ん が 二 と な

。 一 に は 法 、 二 に は

な り 。 い う と こ ろ の 法 と は い わ く     衆 生 心 な り 。 こ の 心 は

な わ ち 一 切 世 間 の 法 、 出 世 間 の 法 を 摂 す 。 こ の 心 に よ つ て 摩 訶 衍 の

を 顕 示 す 。 何 を     も つ て の

に 、 こ の 心 真 如 の 相 は す な わ ち

衍 の 体 を 示 す が

に 。 こ の 心 生 滅 因 縁 の 相 は よ く 摩 訶

の 自     体 ・ 相 ・ 用 を 示

に 、 い

と こ ろ の 義 に は す な わ ち 三 種 あ り 。 い か ん が 三 と な す 。 一 に は

大 、 い わ く 」 圏     切

如 平

に し て 増 減 せ ざ る が 故 に 。 二 に は 相 大 、 い わ く

蔵 は 無 量 の

功 徳 を 具 足 す る が 故 に 、 三 に 一

32

一                                                                 ( 26 )     は 用 大 、 い わ

よ く 一 切 の

と 出 世 間 と の 善 の 因 果 を 生 ず る が

に と 、

生 の 菩 提 心 に は 、 世 問 の 心 生 滅 門 と 出 世 聞 の 心 真 如 門 と を 法 と し て 具 摂 し 、 心 生 滅 の 相 に 真

に し て 増 減 な き 体 大 と 、 無 量 の 性 功 徳 を

足 す る 相 大 と 、 善 の 因 果 を 生 ず る 用 大 と の 三 大

を 顕 示 し て い る 、 と す る 。   こ ・ に 大 師 は 、 三 大 義 の 祖 型 を 見 出 し た も の と み ら れ よ

(7)

真言教化の 造 (眞保 )   し か し 、 こ の 三

の 仏 は 、

生 滅 二 門 の 仏 に し て 、

説 の 三

世 間 の 仏 と と も に 、 『 釈 論 』 で い

種 因 海 の 仏 に し て

な る 不 二 摩 訶 衍 の 法 と そ の 性

円 満

の 仏 に 望 む れ ば 、 劣 な る が 故 に 、 不 二

の 仏 を 摂 し 得 す                    

 

 

 

 

                    ( 27 ) る こ と は で き な い と し 、 円 円

を 成

す る こ と は で き な い 、 と し て 、 大

は こ の 摩 訶 衍 の 三 大 と そ の 境 位 を 十 住 心 の

心 に 位 置 づ け た の で あ る 。

2

の 三

『 釈 摩 訶 衍 論 』   馬 鳴 菩

造 『 大

起 信

』 を

し た 龍 樹

『 釈

訶 衍

』 に は 、

対 界 を

し た 不 二

訶 衍 の

が 説 か れ た 。 ・ ξ 上 人 の 『 釈 摩 訶

』 に は 、     浅 略 に つ け ば 三 十 二 種 は 顕 教

種 因

応 化

の 所

な り 。 不 二 大

円 々 海

の 所 説 な り 。

二     は こ れ

日 不 二 の 総 体 、 一 心 三

は こ れ 四 仏

後 両 重 の 門 、 秘 々 中 の

秘 に 付 か ば 、 皆 こ れ 大 日

来 の

        〔 28 )     羅

な り 。 と 、 顕

密 勝 な る

に 対 す る 円 々 海 た る

二 門 が 示 さ れ た 。   そ の 立

分 の 生 滅 門 三

義 そ の 顕 示 自 用 大

門 の 中 で は 、

現 応 門 に 、                                      

 

 

 

 

    ( 29 )     自 性

の 体 は 空 寂 に し て 像 無 け れ ど も 、

諸 像 を 現

と あ る を

ま え 、

現 の 法

が 報 応 の 仏

に し て 現 じ

る の か を 、 五 門 を 開 い て 明 か す 。 ( 顕 示 自 用 大 義 門 )

1

出 現

門   能

身 と 所 現 の 色 形 と は

相 障 礙 な く 、 無 始 よ

来 か た 平

に し て 、

一 心 量 の 故 に 、   色 心 不 二 な る が 故 に 。

2

顕 示

 

智 を も っ て 色 を

し 、 色 性 即

、 色 心 不 二 な る が 故 に 。

3

顕 示 法

形 相 門

 

色 を 以 っ て

を 摂

る に

の 智 と し て 色 に あ ら

る は な し 。

性 即 色 な る を

と す る 故 一

33

(8)

智 山学 報 第五十 七輯   に 。

4

広 大 円 満

門   智 身 と 理 法 身 と が 、 無 所 不 至 ・ 無 所 不 作 ・ 遍 一 切 処 に 一 一 に 相

な き が 故 に 。

身 と 無 量 の 荘  

と 各

差 別 し て 皆 相 い 妨 げ ざ る が

に 。

5

不 可 思

勝 門   真 如

在 用 の 義 の 故 に ( 本 論 ) 、

身 の

用 は 、 甚 深 極 妙 に し て 独

、 殊 勝 な る が

腿 。   右 の 真

生 滅 二 門 か ら 、 左 の 二 種 の 三 大 義 が 示 さ れ る 。     さ ア つ ▽ 無 雙 立 の 三 大   真 如 門 の 中 に

し て は 、 た だ 各 々 一 門 の

を 立 て る 。 な ら べ て 立 て る も の が な い か ら 。   さヒ つ ▽ 雙 立 の 三 大   生 滅 門 の 中 に 約 し て は 、 三 種 の 大 義 は 具 足 し 、 な ら べ て 立 て る 。 前

が な い か ら で あ る 。

O

不 二 摩 訶

の 法 は 、 因 縁 ・ 機

・ 建 立 ・ 教 説 を

る     相 対 を 離 る

  大 師 の 『

顕 密 二

論 』 に 『

論 』 を 引 き 、 果 の 境 位 を 示 し 、     ま た い わ く 、 「 何 が 故 に 不 二 摩 訶 衍 の 法 は 因 縁 な き や 。 こ の

甚 深 に し て

。 機 根 を 離 れ た る が     故 に 。 機 根 な き が 故 に 。 建 立 に あ ら ざ る 故 に 。 ( 中 略 )

海 こ れ な り 。 ( 中 略 ) 教

を 離 れ た る が 故 に 」   ( 腱 ・ と 、 不 二

訶 衍 の

位 は 、 因

・ 機 根 ・ 建 立 ・ 教 説 と い う

対 界 を 超 離 し た 極

に し て 独 尊 な る 性 徳 円 満 海 の 領 域 で 、 生 そ の も の 、 如 来 の 自 内 証 の 境 位 、

然 の 一 切 の

対 を 絶 し た

尓 自

の 絶

界 で あ る 。   こ の 境 位 を 「 釈 論 』 は 、    

二 摩 訶 衍 の 法 は た だ こ れ 不 二 摩 訶

の 法 な

。                   ( 32 ) と 言

し て い る の で あ る 。 一

34

(9)

真 言教化の構造 保) ▽ 無 相 現 応 門

 

こ ・ で 、 前 述 の 教 説 を 絶 し た 境 位 は 如 何 に

現 す る か に つ き 『 釈 論 』 の 顕 示

用 大 義 門 の

応 門 に は 、 既 に 標

が 示 さ れ て い る 。 即 ち 、

 

  法

の 仏 は

し 是 れ 一 々 な り 、 唯 し 是 れ

々 な り 、 亦 一 々 に

、 亦 寂 々 に 非

、 心 行 処 滅 し 言 語

せ り 、

 

  滅 を 滅 し 断 を

じ て 、 唯 し 阿 阿 〔 誕 筆・ 者

〕 を 作

が 故 に 、

以 い か ん と な れ ば 、

仏 如 来 は 唯 し

 

自 の 身

 

  に し て

 

き が 故 に 、 而 も 諸 の

聞 し て 益 を 得 る は 、 自 の 心 量 の

に 利 益 を 獲 得 す る な り 、

の 体

 

   

 

    あ つ か                           ( 33 )

 

  の 中 に は

 

関 る こ と あ る こ と

き が

に 。 と

、 「 唯 し 阿 阿 を

に 」 と 阿 字 に 慓 幟 を 断 じ て い る 。 こ の 阿 ( 虱 ) に つ い て 、 智 山 の

眼 ( = ハ 四 三 − 一 七 二 五 〉

化 の 『

衍 論 科 註 』 十 五 巻 に は 、

 

   

 

   

 

   

 

                             

 

   

 

   

 

   

 

              ( 34 )

 

 

し 亦 た 可 の

に 依 ら ば 、

ち 謂

佛 己 下 に 局 る 可 し 。 二 の 阿 次 の

の 二

な る が 故 に と

し 、 二 つ の 阿 は 理 法

法 身 と で あ る と し て い る 。 阿 は 阿

本 不 生 に し て 、 現 応

る 諸 像 は 、 そ の ま ・ 本

 

   

 

   

 

   

 

                      ( 35 ) 不 生 の 生 と し て 法 身

を 具 す る の で あ る 。 こ ・ に 教

・ 建 立 を 離 れ た 、 絶

位 は 、 た ず 真 言 ・ 種 子 に

る 法

如 来 の

用 に お い て 、 表 顕 す る

が 開 か れ た の で あ る 。

 

こ の 虱 字 本 不 生 な る

身 如

を 見 聞 す る

、 入 証 の

途 は こ こ に は

か れ て い な い が 、 如 来 か ら の 法

る の は 、

生 の 側 の 心 量 の 中 に お い て 獲

す る の で あ っ て 、

身 の

の 中 に は 、 本 来 空

不 生 で あ る か ら 、 も と よ り 関 る

の で は な い 道 理 で あ る 。

 

上 人 が 、 こ の

衍 の 三

に つ い て 、

 

   

 

   

 

   

 

                            ( 36 )

 

 

入 種 々 差 別 と は 不 二

の 上 の 差

縁 起 の

な り 。 と 判

さ れ た の も 、

言 へ の

機 を 内 在

る も の と し て 認 定 し た か ら に は ほ か な ら な い 。 一

35

(10)

智山学 報第五十七輯

言 密

三 大 の 綱 格 と 教 化 理 念 一 覧 図 ・廬 遮 那 如 來 無 我ノ大 我 ・究竟 法 身 、遍一切処 身

六大 法 界体 性 所 成 之 身 六 大 法 身・法 界身

      ( 性 徳 業 用 ) ・ 地 大 { 堅 持

『 心 大 〈 こ こ ろ 〉   ( 白 〉 金 剛 不 壊 支 持 依 住 潤 洗 清 涼 摂 受 集 成     〔 教 化 理 念 〕 〈 ゆ る ぎ な い 依 り 処 に           安 住 す る V 諸 法 本 不 生 (an−utpEda )

・ め て 清 め 潤 す 〉 離 言 口 説

燃 焼 エ ネ ル ギ ー 〈 情 熱 を も や し 熟 成 円 成      

 

実 り あ る も の に す る 〉 活 動 精 進 育 成 熏 習     無 呈 礙 無 執 着 不 障 包 容 大 自 在

 

2

寶 生

決 断 修 行

1

阿 悶 ー 発 願 簡 択 〈

を つ く し て

 

自 他 を 〈 執 着 を 離 れ 大 ら か に 〈 願 い を 発 し   よ き も の を 選 ぶ 〉 〈 決 断 実 行 し   福 徳 を 積 む 〉 ・

量 壽

知 く

胎 蔵 海会曼 荼 羅 胎 蔵 曼 荼 羅 胎蔵 身

一 一

(11)

真言教化の造 (眞保) 一

 

[ ・

空 成 就

・ 勇 猛 く 怖 れ

成 所 作

    A

・欝 羅 ・         離

_

4

_

3

_

2

_

1

三 大

曼 身曼 身荼 身耶 身荼 ) 荼 )羅 )曼 ) 羅

 

     

荼       羅

              〔 印

二 摩 地 三 昧 〕  

 

n

不 邪 見

覚 悟 〈 い の ち の 使 命 を つ く す 〉              

成 身 観

 

〔 遮 情 表 徳

 

無 相               ( 通 達 心 修 菩 提 心 成 金 剛 心 金 剛 身 金 剛 堅 固 身 )

  有   相 一 秘 密 無 尽 荘 厳 身〈っ くしあい〉 一 一

(12)

lli

学報 第五 十七輯   弘 法 大

海 は 、

九 住 心 の 秘

釈 に お い て 、 当 面 の 不 二 摩 訶 衍 の 三 大 の

の ほ か 、 『

日 経 』 と 『 大 疏 』 か ら

賢 菩 薩 の 《 、 「 理 趣 経 』 と 『 理 趣 釈

』 か ら 金 剛

唾 の 築 、 『 守 護 国 界 主

』 か ら

身 の ξ 、

の 梵 字 種 子 を 示 し                                                                   ( 37 )     か く の ご と く 諸 仏 お よ び 所

証 の 教 理 境 界 は こ と ご と

一 字 に 摂 し

す 。 と 体 相 用 の 三 大 を

包 す る 梵

子 へ の

徴 標 幟 の

途 を 開 示 さ れ て い っ た 、 と 了 解 せ ら れ る 。                

3

 

の 三

  前 説 に み て き た 過

を も 内 包 し つ つ 、 空 海 弘

大 師 に よ っ て 開 顕 さ れ た

言 密

の 三 大 円 融

礙 の 綱 格 と そ の 大

を 総

し 、 そ こ か ら 真 言 密 教 の 教 化 理 念 を い さ さ か 導 き

し て ゆ き た い と 思 う 。   真 言

の 三 大 の

格 は 、 凡 そ 別 に 示

真 言

教 三 大 の 綱

と 教

一 覧 図 の 如 く で あ る 。   三 大 は 六

・ 四 曼 ・ 三 密 が そ れ ぞ れ

礙 ・ 不 離 ・ 相 応 し 、 総 体 と し て 円 融 無 礙 、 重 々 帝 網 の 関 係 に 統 括 総 持 さ れ て い る 。                                         ( 38 )   ⊥ ハ 大

の 色 大 と 心 大 ( 識 大 ) で は 、

に 瑜 伽 に し て 色 即 心 心 即 色 、

即 境 境 即 智 、 智 即 理 理 即

自 在 に 、 互

に 相 応 渉 入 し て い る と し て 、 大 師 は こ れ を 六 大

成 之

と し 、

上 人 は 六

法 身 と

し た 。                                                     ( 39 )                                             ( 40 )   色

理 念 は 『 大 疏 』 の 五 種 譬 喩 等 の 性 徳 ・ 業 用 か ら 、 そ れ ぞ れ 〈 ゆ る ぎ な い

処 に 安 住 す る 〉 ( 地 大 ) 、                 ( 41V                                                               ( 42 )                                                             ひ ら ( 醤 ) 〈 心 を こ め て

す 〉 ( 水 大 ) 、 〈 情

を も や し

り あ る も の に す る 〉 ( 火 大 ) 、 〈 力 を つ

し て 自 他 を 養 い

〉                                             ( 44 ) ( 風 大 ) 、 〈

を 離 れ 、 大 ら か に い の ち を つ く す V ( 空 大 ) と な ろ う 。                                   45                                                   ( 46 )   心

( 識 大 ) の 教 化 理 念 は 、 金 剛 界 五

の 性 徳 か ら 、

1

〈 願 い を 発 し 、 よ き も の を 選 ぶ V ( 大 円 鏡 智 ) 、

2

〈 決 断 実           ( 47 )                                                         ( 48 )                                               ( 49 ) 行 し

む 〉 ( 平 等 性 智 ) 、

3

〈 い の ち の 真 実 を 見 き わ め る 〉 ( 妙 観 察 智 ) 、

4

喜 び に 安 ら ぐ V ( 成 所 作 智 ) が 開 か れ る 。 そ し て 、 こ れ

の 四 智 を ま と め

便 究 竟 す る の が 法 界

に し て 、 金 剛 界 会 曼

羅 と し て 、 色 大 と 一 一

(13)

真 言教 化の構造 眞保                                                       ( 50 ) の 関

で は 色 心 不 二 、 理 智 金 胎 不 二 一 如 の 六

法 界 体

之 身 を

成 す る の で あ る 。   四

荼 羅 ( 以 下 四 曼 と い う ) は

・ 三

耶 ・ 法 ・ 羯

が そ れ ぞ れ

の 様 相 を 呈 し つ つ 、 相 互 に 無 礙 渉 入

応 し                                         ( 51 ) 不 離 の 関 係 を な し 、 四 智 印 が 法

来 の 法 界

印 と し て 統 摂 し 、

荼 羅 身 を

成 す る の で

る 。                             ( 52 )   こ の 四 曼 に お け る ー の 大 曼 荼

・ 大 智 印 の

化 理 念 は く 生 き る

姿

勢 を 整 え る V 、

2

は 〈

性 を 生 か

〉 ( 三 昧 耶 智 ( 53 )                                     ( 54 )                               ( 55 ) 印 ) 、

3

は 〈 本

を 探 る 〉 ( 法 智 印 ) 、

4

は 〈

能 を 発 揮 す る 〉 ( 羯 磨 智 印 ∀ 、 以 上 の 四 つ の 教 理 理 念 が

か れ る 。   そ し て こ れ 等 の 四 智 印 を ま と め 重 々 帝 網 に

入 相 即

る の が 法 界

に し て 、 如 来 の

界 曼

と し て

密 荘

さ れ る の で あ る 。                                                                         ( 56 )   三

持 二 二

応 ( 瑜 伽 ) す る 用 大 に つ い て み る に 、 大 日

が 自

神 力 加 持 三 昧 に 住 し て 金 剛 の 幻 を 現 じ 、 自                         ( 57 ) 性 身 の 上 の 加 持

る の で あ る 。 眦 盧 遮 那 如 来

持 し て

・ 語 ・ 意 の 三 密 が

尽 荘

を 奮 迅 示 現 す る 。                                                         ( 58 ) そ れ ぞ れ の 威 儀 は

言 、 説

は 三

で な い も の は な い 。 し か も

一 の 尊

し く

塵 の 三 密 を 具 し て                     ( 59 ) 互 相 に

入 し 、

持 」

る の で あ る 。   衆 生 の 三 密 も ま た ま た か く の 如 く 、 「 も し

言 行 人 あ つ て こ の

を 観

し て 手 に 印 契 を 作 し 、 口 に 真 言 を 誦 じ 、                                                                                               ( 60 ) 心 三 摩 地 に 住 す れ ば 、 三

応 し て 加 持

る が

に 、

大 悉 地 を 得 現

に 本 有 の 三 身 を 顕 現 し 証 得 す 。 」 と

る 三

相 応 が

の 成 仏 へ の 基 本 的

則 で あ る 。   大 師 は こ の 現 身

仏 の

を “ 速 疾 力 不 思 議 神 通 三 摩

” と

づ け ら れ た 。 こ こ で 、 少 し く

仏 に お け る “ 身 ”                                                                                 ト         ト         ノ                             ノ の

り 方 を み る に 、 「

重 重 に し て 鏡 中 の

と 燈

と の

入 す る が ご と し 」 と し 、 「 我

生 身 」 と が 「

  ハ     レ   ノ   ナ リ     ノ   ハ     レ   ノ                   レ     ノ             ノ         レ               ニ シ テ     ナ リ     ニ シ テ     ナ リ ( 61 )

即 是 此

。 此 身 即

。 佛 身 即 是 衆 生

生 身 即

身 。 不 同

 

而 同 。 不 異 而 異 。 」 と し て い る 。                                                                         ( 62 )                   ( 63 )  

の こ の 境 位 に 至 る 三 摩 地

の 根 拠 は 『 金 剛 頂 経 』

の 真 言 宗 不 共 の 五

成 身 観 に あ り 、 『 菩

心 論 』 に も 掲 げ ら れ て あ る 。 こ の 五 相 に は 内 的 に 心 か ら

へ の 大 転

が あ る 。

ち 、 三 相 ま で は 、 通 達 心 ・

心 ・

金 剛 心 一 一

(14)

智 山学報 第五 と 心 位 に お

を 深 め 、 第 四 金 剛

( 。 ゼ く

鋤 § 鋳 。. 7

) の 酬 冖 ヨ 爵 ゜ に 至 っ て は 一 転 し て

体 に 、 大 日

来 が

を 契 機 に

持 さ れ て 入

し 、 金 剛

を 成 ず る の で あ る 。 そ し て 、 第 五

三 摩 地

提 心 仏

円 満 に 至 り 、

者 と

と の 一 如 円 満 な る 金 剛 堅 固 の 仏 身 が 成 満 す る 。   こ の 法

( 金 剛

) 円

の 経 証 と し て 『 即

義 』 に 「 三 密 の 金 剛 を 以 て 増 上

と な し て よ く 眦 盧 遮 那 三

の 果 位     ( 64 )                                                                                                                     ( 65 ) を 證 す 」 と

げ ら れ た 経 が 、 大 師 新

の 『 金 剛 頂

伽 五 秘

軌 』 一

で 、 『 三 十

子 』 第 二 十 一

に も こ の 文 言 が あ り 、

・ 報 ・ 化 、

印 ( 三 昧 ) 形 ( 身 ) の

三 と 四 種 法 身 ( 自 性 ・ 受 用 ・ 変 化 ・ 等 流 ) が 大 日

の 内 証 と し て 円 成 す る の で あ る 。   現 身 に 即

成 仏 す る 経

は 『 大 日 経 』 に                                               〔 66 )     不 捨 於 此 身

 

逮 得 神 境 通

 

遊 歩 大 空 位

 

而 成 身 祕 密             ヘ                                                       へ と

り 、 「 こ の

て ず し て 、 身 秘 密 を 成

」 に お い て 具

的 に 即 身 成 仏 が 完 成 す る の で あ る 。 も と よ り こ の

          ノ   ( 67 )

が 「 無 我 大 我 」 を 内

と し て い る こ と に は 変 り は な い 。   し か も 、 こ の

語 意 三 密 円 融 無 礙 に つ き 、 「 三 法 は 平

に し て 一 な り 。 一 に し て 無 量 な り 。

量 に し て 一 な                     ( 68 )

。 し か も つ い に

乱 せ

。 」 と 不

乱 を

っ て 念 を 入 れ て あ る の は 、                                             モ           〔 69 )     平

平 等 一   皆 無 レ 有 二 別 異 一

摂 二 諸 法 一 故

 

不 二 雑 乱 】 と の 『 釈 論 』 の 不 二 摩 訶 衍 の

り 方 に

じ た も の と み ら れ る 。   三 密 相 応 の 用 大 は 、 総 じ て 法

で あ る 。 事 相 の 次 第 で は 、 入 我 我 入 観 ・ 正 念 誦 ・ 字

観 に よ っ て 即 身 成 仏 を

し 、 大

位 を 証 す る の で あ る 。   こ れ を 教 化 の 現 場 に 開 け ば 遮

の 身 三 ・ 口 四 ・ 意 三 の 十 善

と な り 、 図 の 如 く 無 相 の 教 化 理 念 が 導 か れ よ

の 三 密 行 と し て は 、 そ れ

へ の 帰

・ 合

・ 御 宝

ら れ る 。 一

40

(15)

真 言教 化の造 (眞保)

 

、 速 疾 力 不 思 議

通 三

地 法 に よ り 、 三 大 円 融 無 礙 の 秘 密

尽 荘

さ れ る こ と と な る 。

 

の 如 く 無 我 の 大 我 た る

如 来 の 三 大 円 融 無 礙 な る 綱

を 、 一 言 で

れ ば 、 〈 つ く し あ い 〉 と な る か と 思

。 〈 つ

い 〉 は

無 尽 荘

身 の 現 代

に お け る 構

的 把 捉 の 教 化 理 念 で あ る 。

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

       

1

 

 

言 教

の 本 質 は 、 も と よ り

の 大

に 根 ざ し 、 志 向 す る も の で な け れ ば な ら な い 。

 

即 ち 、 『 大 日 経 』 住 心 品 に 、

 

 

 

ン カ       ト ナ ラ バ   ク   ク     ノ   ル ナ リ       ヲ           ニ       ス     ト   ヒ         ト ヲ       ク ノ         ハ         ヲ   シ     ト         ヲ   シ       ト           ヲ   ス

 

 

云 何

 

知 一 自 心 一 自 心

菩 提 及 一 切 智 一 如 レ 是 智 慧 菩 提 心

レ 因

 

本 一 方

便

 

 

 

ト ( 70 )

 

 

究 竟 一 と あ る 如 く 、

心 の 実

が 本 性

浄 で あ る

我 の 大 我 な る こ と を 如 実 に

知 す る こ と に あ る 。 し か も そ の

知 す る 智 慧 は 、

提 心 と 如 来 の 大

と 絶 対 的 供 養

と を 、 因

る 三

の 法 門 で な く て は な ら な い 。

 

こ れ を

は 、 『 十 住 心

』 に 総 摂 し 、

 

 

 

 

              レ       ノ         シ                   ヲ                               ノ 秘

聽 繝

と 心

を 内 包 す る 秘 密 荘 厳

心 と

さ れ た の で あ る 。 一 一

(16)

智山学 報第五十七

2

言 教 化 の 特 質 に つ い て 、 『 金 剛 頂 経 』 に 対 す る 大 師 の 次 の 注 釈 か ら 、

っ て み た い 。 金 剛 頂 経 大 師 の 注 釈                         ニ     テ 一 時 薄 伽 梵 金 剛 界 遍 照 如 来 常

    ニ             ノ       ヲ 以 三 世 . 不 壊 化 身 。     メ         ヲ     ン     ト メ   ク モ   ム 7 利一 楽 有 情 一 無 一 時 暫 息 一 [ 『 十 住 心 論 』 弘 大 全 一 、 四 〇 七 頁 『 二 教 論 』 弘 大 全 一 、 五 〇 一 頁 〕 ク         ト 謂 三 世 者 三 密 也 。   ト ノー ハ   ス         ヲ       ト 不 壊   表 二 金 剛 而 化 者 業 用 。 ク   ニ   テ         ノ       ノ       ヲ 言 常 以 二 金 剛 三 密 業 用 一 テ             ニ 亘

三 世 の ム         ノ       ヲ ノ   ケ           ノ   ヲ 令 三 自 他 有 情 受 一

法 楽 一 也   大 日

の 常 恒 の 三 世 に 亘 る 生 命

動 を 大 師 は 「 三 世 と い っ ぱ 三 密 な り 」 と 釈 し 、 如 来 の

ロ 意 の 三 密 活 動 と                                                       メ             セ ハ       ハ   ナ リ             ヲ                   ソ               ニ す る 。 「 不

と は 金 剛 を

す 」 は 「 金 剛 般

経 開 題 』 に も 「

二 三 大 一

。 金 剛

不 壊 法

二 金 剛 一 約 二 四

一 セ ハ   ヲ                         ナ リ               ( 72 ) 釈 レ 之 。 金 剛 者 自 性 法

。 常 恒 不 変 故 。 」 と 無 我 の 大 我 た る

法 身 の 体 の 常 恒 不 変 の 妙

に 寄 せ て 金 剛 と い っ た が 、 経 の

の 化 に つ き 「 化 と は 業 用 な り 」 と 釈 し 、 「 金 剛 の 三

用 」 と い

如 来 法 身 の 常 恒 不 壊 の 生

活 動 そ の も の の 中 に 自 も

も こ の

を 捨 て

し て 生 を

化 し 、

住 さ せ 、 安

せ し め る こ と が 、

教 化 の 特 質 で あ る こ と を 示 し て い る 。 こ の 三 密 の 業 用 、 即 ち

来 の 三 密

の 中 に 入 住 す る こ と に よ っ て は じ め て 、 不 思 議 な

楽 を

る こ と に な る の で あ る 。 一

42

 

(17)

真言教化の構造 (眞保)   教 化 は 他 者 の み に

け ら れ る の で は な い 。

き 人

と し て の

分 と の 出 合 、 死 す べ き 自 身 を

何 に 度 す か が 、 す べ て の 手

に あ る 。 自 身 を 度 せ な い 者 が 、

に し て 他 者 を 度 す こ と が で き よ

。   『 三 昧 耶

』 に 、 秘

三 摩 耶 仏 戒 を 説

、     こ の

( 秘 密 仏 乗 ) に

す る も の は 、 こ の 戒 を も つ て 自 の

心 を 檢

し 、 他 の

生 を 教 化 す 。 す な わ ち こ れ

                ( 73 ∀     密 三

耶 佛

な り 。 と あ る 。

の 身 心 が 無

の 大 我 な る こ と を                                           シ テ     ノ         ヲ 秘 密 三

、 よ く よ

の 身 心 を 檢 知 の 上 の 教

が 、 秘 密 仏

に 住 す る 者 の 基 本 要

で あ る 。

 

 

言 教

益 の 在

を 『

提 心 論 』 に つ い て み る に 、     初 め に

願 ( 菩 提 心 V と は 、 い は く 、

の 人 、

の 如 く の 心 を

く べ し 。 我 れ

に 無

の 有 情 界 を

益                           ガ ン ジ キ     し 安

す べ し 、 と 。 十

識 を 観 る こ と 猶 し 己 身 の 如 し 。                            

 

 

 

 

        カ ン ポ ツ       言 ふ と こ ろ の 利

と は 、 い は く 一 切

情 を

し て こ と ご と く

上 菩

に 安

せ し む 。

言 行 人 応 に                            

 

 

 

 

                                      ( 74 )    

る べ し 、 一 切 有

は み な

来 蔵 の 性 を

し 、 み な 無 上

提 に 安 住

る に

任 せ り 。           ガ ン ジ キ と 、 十 方 の 含 識 ( 喜 窪

斜 喜 g 母 生 き と し 生 け る も の ) を 観 る 時 、

に 己

と し て 、 自 分 だ っ た ら 、 と 己 の 身 に な っ て

益 し

す べ し 、 と す る 。 一

43

(18)

智 山学 報第五 十七輯                 か ん ぽ つ   そ の 利 益 と は 勧 発 し て 無 ヒ 菩

に 安 住 せ し む る こ と だ と い

。 そ れ は 、 三 密 行 を

し 、 三 摩 地 菩 提 心 を 修 し 、 修 せ し む る こ と で あ り 、 如 来 内 証 の

界 に 人 住 し

住 せ し む る こ と に よ っ て 実 現 す る 。   そ れ は 、 皆 、 如 来

の 性 を 本

じ て い て 、 む し ろ も と も と 仏 と し て 堪 え う る

を も っ て い る か ら 可 能 で あ る と す る 。 こ れ が 真 言

化 の 大 利

で あ る 。

 

 

院 第 三 世 口

化 ( 一 五 六 六   六 四 〇 ) の 頃 は 、 夏 の 『

論 』

議 が 二 月 二 十 四 日 か ら 四 月 十 二 日 ま で 五 十                 〔 75 ) 日 に 亘 っ て 執 行 さ れ た が 、 そ の 『 釈 論 』 百 条 の

、 当 面 の 三 大 に 寄 せ て 、 運 敞 能

( 一 六 一 四

 

六 九 三 ) の 『 釈 論                   ( 76 ) 談

』 『 釈 論 百

二 重 』 に お け る 三 大 法 体 の 論

に つ い て 、

を み つ つ 、 教 化 へ の

口 を 模 索 し て み た い 。   こ の 論 議 は 、 『

議 』 に あ る が 如 く 、 「

入 の 三 大 の 巾 の

用 二 大 は 、 倶 に 理 な る べ き か

や の 」 論

で あ る 。  

勢 は 、 「

の 論 文 を 後 重 の 所 入 を 明

に 付 き て 、 且 く

用 二 大 は 倶 に 理 な り と 云 ふ べ し や 」 と 糺 す 。 答 者 は 「 然 る 可 き 也 」 と

す 。 そ の 由 は 、 所 入 の 法 体 は

俗 不 二 の 中

に し て 諸 法 所

の 体 性 で あ る か ら で あ る 、 と 。   更 に 「 生 滅 門 の 三 大 を 思 は ば 、 智

色 相 を 以 て 相 用 二 大 と 為 す と 見 え た り 。

ぞ 倶 に 理 な り と 云

」 と 難 ず る に 、 「 会 し て 云

、 所 入 は 一 味 の

な る が 故 に 」 と 会 通 し 、 「 相 用 二 大 は 倶 に 理 な る べ き 也 」 と

し て い る 。   こ の こ と に つ い て は 、 「 釈 論 』 六 に 、

相 大

門 を 説 き 、                                                                                   か け た る     円

功 徳 門 と は 其 の 相 云 何 ん 。

く 真 体 ( 真 如 の 法 体 ) の 中 に は 一

を 円 満 し て 、

 

少 と こ ろ

き が 故   ( 77 )     に 」                     ( 78 ) と し て 、 『 起 信 論 』 を 土 台 に 、 次 の 六

義 を

げ て い る 。 一

(19)

真 言教化の構造 (眞保)

 

大 智

明 の

 

 

 

界 の 義

 

識 知 の 義

 

 

 

 

浄 心 の

 

我 浄 の

 

 

 

の 義 こ の 六 種 性 義 に つ い て は ・

も 『

 

 

( 79 )

』 で ・ そ れ ぞ れ に 釈 を 施 し て 覚

の 相 大 と

入 体 用 二 大 と の 無 礙 円 融 を 明 ら か に さ れ て い る 。  

輒 上 人 も 、 三 十 八 法 門 の 差 別 に つ い て 、                                    

 

 

 

 

        ( 80 )   「 能 入 所 入 種

差 別 と は 、

二 総 体 の 上 の 差 別 縁 起 の 法 な り 。 」 と 不 二 摩

衍 た る 法

来 の つ く し あ

の 在 り 方 を

ら か に し て い る 。   『 釈 論 第 二 重 』 に 「 所 入 一

の 体 な る が

に 」 と あ る 円 融 無

な る

厳 身 に

と し て 、 既 に 三 密                                    

 

 

 

 

                                    ( 81 )   用

で 意 密 の 三 摩 地 直 修 を

じ た 。 今 、 口 密

誦 に 『 般 若 理 趣

』 を 了 っ て 合 殺 が あ る 。   「 眦 盧 遮 那

」 十 一

の 仏

を 連 誦 す る 讃

と な っ て 、 読 経 の 最 後 に

は 、 本

仏 に な る 。 唯 、 至 心 に 名  

を 念 誦

る 口 密 に 帰

( 三 摩 地 ) と 合

( 密 印 ) が 有 相 の 三 密 相 応 し て 三 大 法

に 趣 入 す る の で あ る 。   た ず 最 極 に は 、 音

は 消 え て 無 言

仏 三 昧 に な る で あ ろ

。 や が て 無

の 三 密 と な

、 三

体 の 秘 密 無 尽 荘

 

そ の も の の 生

だ け の

界 と な っ て 真 言 教 化 が

る こ と と な る 。

善五 ロ ロ   げ ん げ ん   還 源 を

さ れ た 空 海 弘

大 師 は 、 釈

の 大

の 中 核 が 無 我 に あ る こ と を

き と め 、 そ の 無 我 の

抵 に ” 無

の 大

” な る み

が 、 常 恒

壊 に 森 羅 万

と な っ て

し て い る 神 秘 を 探 り あ て 、 そ の み 仏 か ら の 正

を 、

し 一 一

(20)

智 山学報第五 十 七輯 て

い に も 相 承 す る こ と が で き た 。   そ の

え こ そ

言 密 教 で あ り 、 そ の 教 え の 綱 格 が 、 体 相 用 の 円 融

礙 な る 三 大 で あ っ た 。   大

言 教

の 三 十 年 は 時 空 の 制 約 の 中 で 、 如 何 に こ の 円 融

礙 な る 三 大 の 体

を 構 築 し 、 教 化 し 、 紹 隆 せ し め て い く か と い う 歴 史 的 使 命 を

い 、 圧 倒 的 に そ の 使

を 円 成 し て い っ た 半 生 で あ っ た 。

1

真 言 教 化 の 源 底 は 、 釈

の 無

に あ り 大 師 が 無 我 の 大 我 を 組 織 大 成 す る ま で に は 、 実 に 千 二 百 年 の 仏 を 探 求 す   る 苦 闘 の 歴 史 が あ っ た 。

2

三 大 の 綱 格 に は 、 ま ず 『 大

起 信 論 』 の

衍 の 三

義 が 、 第 九 住 心 の 秘

で 、 菩 提 心 の 一 門 と し て 、 三   大 の

形 と し て 位 置 づ け さ れ た 。

3

不 二

訶 衍 の 三 大 で は 、 『 釈 摩

衍 論 』 に よ

、 相 対 を 越 え 、 教 説 を

れ た 不 二

衍 が 説 か れ 、 真 如 門 に 約 す   る 六

性 義 が 説 か れ た 。 無 相 現 応 門 で は 「 唯 し 阿 阿 を 作 す 」 と 理

身 が 即 、

身 を 現 応

る と し 更 に

言 と  

で 象

す る

式 も 開 か れ た 。

4

密 教 の 三 大 で は 、 三 大 の 綱 格 と

化 理 念 一 覧 図 を

示 し 、 註 に 於 い て 大 師 の

応 す る 教 化

動 も

て 対 応   し た 。

5

五 相 成

観 に お い て は

相 応 か ら 即

成 仏 を 実 現 す る 不 共 の 秘 法 と し て 示 さ れ て い る が 、 特 に 心 か ら 身 へ の        

 

  ( 82   転 換 を 指 摘 し た 。 こ れ に よ っ て 、 究 竟

、 遍 一 切 処 身 ⊥ ハ 大 法 界 体 性 所

、 六 大 法

、 胎 蔵

、 無 尽 荘

  金 剛

身 、 四 種 曼

荼 羅

、 事 業

、 三 密

等 智 身 と 三

に 補 注 し 、 総 括 し て 秘

無 尽 荘 厳 身   と 総 称 し た 。 大 師 が 即

成 仏 と し た

を 汲 ん だ も の で あ る 。

6

〈 つ く し あ い 〉 の 言 語

に つ い て   三 大 円 融 無 礙 を 構 造 的 に 現 代 日 本 語 で 表 現 し た も の で 、 三 大 の 中 で は 、 個 と し て は つ く

働 き の み 。 つ く

+ あ 一 一

参照

関連したドキュメント

 KMK式微量赤血球沈降蓮度測定器ハ吾が病 理學自室二於テ杉山教授指導ノ下二新案サレタ

,帥チ上述ノ内雪解ノ配列模様ヲ見ルニ,噴門 部ニチハ輪走 V

②教育研究の質の向上③大学の自律性・主体 性の確保④組織運営体制の整備⑤第三者評価

議会」 「市の文化芸術振興」 「視聴覚教育」 「文化財の 保護啓発・管理」

 第二節 運動速度ノ温度ニコル影響  第三節 名菌松ノ平均逃度

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

第3節 チューリッヒの政治、経済、文化的背景 第4節 ウルリッヒ・ツウィングリ 第5節 ツウィングリの政治性 第6節

次に,同法制定の背景には指導者たちにどのよ