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目本 語 学習 者 に見 られ る 外 来 語表 記 の誤 りにつ い て

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(1)

目本 語 学習 者 に見 られ る 外 来 語表 記 の誤 りにつ い て

一 開 音 節 化 の規 則体 系 が どの よ うに片仮 名 表 記 に表 れ る か

+西 八 重 子

1.は じ め に

目本 で は,英 語 由 来 の 外 来 語 の 定 着 率 が 他 言 語 に 比 べ 非 常 に 高 い と い う の が 定 説 に な っ て い る ・ 通 常,片 仮 名 表 記 を用 い る 外 来 語 が 日本 語 に 借 用 され る 時 ・ 音 声 ・音 韻 面 ・ そ して 形 態 面 に お い て も 日本 語 化 す る た め ・ 特 に 英 語 圏 か らの 目本 語 学 習 者 に と っ て 習 得 上 の ネ ッ ク と な っ て い る 。 目本 語 化 は 体 系 的 に 起 こ る か ら,そ こ に5っ の 規 則,1)開 音 節 化,2)促 音 挿・

入,3)母 音 の 日本 語 化,4)子 音 お よ び 半 母 音 の 日本 語 化,5)ス ペ ル に 基 づ い た 目本 語,が 存 在 す る(カ ッ ケ ン ブ ッ シ ュ ・大 曽1990)。 し か し,日 本 語 化 が 体 系 的 に お こ る と い っ て も 外 来 語 の す ぺ て に 適 用 さ れ る わ け で は

な い 。 ま た,各 規 則 に は そ れ ぞ れ 例 外 も 多 く一 定 性 が な い た め,さ ら に 片 仮 名 表 記 を難 し い もの に して い る 。

本 稿 で は,上 記1)の 「開 音 節 化 」 に焦 点 を あ て,外 来 語 表 記 に 表 れ た 誤 用 と そ の 頻 度 を 規 則 ご と に 整 理 し た リ ス トを制 作 し,以 下 の4点 に っ

い て 考 察 す る 。

(1)開 音 節 化 規 則 の類 型 ご とに 表 れ た 表 記 上 の 問 題 点 。 (2)開 音 節 化 に お け る例 外 規 則 の 習 得 上 の 問 題 点 。

(3)開 音 節 化 に伴 い,特 に濁 音,半 濁 音,拗 音 表 記 に 表 れ た 問 題 点 。 (4)開 音 節 化 以 外 の各 規 則(促 音 化,子 ・母 音 の 目本 語 化,母 音 の 日本

一85一

(2)

語 化 〉に表 れ た代 表 的 な問題 点 。

2.日 本 語 化 規 則(資 料1)

日本 語 化 規 則 と は,外 国 語 の 単 語 を 日本 語 に 借 り入 れ る 際 に 発 生 す る ・ 音 韻 上,お よ ぴ 表 記 に 関 す る 規 則 で あ る 。 カ ッ ケ ン ブ ッ シ ニ ・大 曽 (1990;p21)は,日 本 語 化 の 成 立 過 程 を想 像 上 の 語 彙 を用 い て,次 の よ う に説 明 して い る 。 宇 宙 人E.T.が 宇 宙 船 か ら地 上 に 降 り立 っ た 時,最 初 に 叫 ん だ 音 声 と仮 定 さ れ るE.T.語 「ア ス ラ チ ッ ト」[asura頃tto]

[田Olatith]が 目本 語 化 さ れ る場 合,次 の よ う に な る 。・

表1E.T.語=匿01atith]の 日 本 語 化

〔記Ohti th〕

u

ar

S

a

Q

Q

asuraすiQto

1.開 音 節 化 2.促 音 挿 入 3.母 音 の 目 本 語 化 4.子 音 の 日本 語 化 5.ア ク セ ン トの 目本 語fヒ 6.カ タ カ ナ 表 記

上 の例 に 示 さ れ る よ う に,目 本 語 化 に は1か ら5ま で の 規 則(全 て の 外 来 語 が5規 則 を 同 時 に 含 む わ け で は な い 〉が 係 わ っ て い る こ と が わ か る 。

3.開 音 節 化 規 則 3.1開 音 節 イヒと は

日本 語 の 音 節 構 造 は,ほ と ん ど母 音 で 終 わ る 開 音 節(opensyllable)で あ る 。 対 照 的 に,英 語 の 基 本 的 な 音 節 構 造 は 閉 音 節(closedsyllable)で あ る た め,日 本 語 化 さ れ る場 合 は 母 音 を 添 加 し て 開 音 節 に す る ・ そ の 際 に,一 番 多 く使 わ れ る 母 音 は[U]で あ る 。 こ れ は[U]が 音 声 学 的 に み て, 日本 語 の5っ の 母 音 の 中 で 一 番 短 い 母 音 で あ り,無 声 化 さ れ や す い こ と と 関係 が あ る と思 わ れ る 。 し か し,開 音 箇 化 に 際 して,す べ て の 子 音 の 後

一86一

(3)

に[u]が 添 加 され る わ け で は な く,[tld]の 後 に は[o]が 入 る の が 普 通 で あ る(大 曽1991:p40)。

例 え ぱ,今 回 使 用 し た 調 査 語No25(資 料2),̀̀fi超 主"[fo=stlが 「フ ァ ー ス ト」 踵a=suto]に な る に は,上 記 の 下 線 部2箇 所 の 子 音,[sL[t]

の 後 に 適 切 な 母 音 が 挿 入,あ る い は 添 加 さ れ る 必 要 が あ る 。 開 音 化 規 則 と は,こ の よ う に 連 続 す る 子 音 間 へ の 母 音 挿 入 ・ お よ ぴ 語 末 の子 音 へ の母 音 添 加 に か か わ る 規 則 を い う(小 林1997:p3)。

3.2開 音 節 化 に か か わ る9っ の 規 則(資 料1)

こ こ で は,開 音 節 化 に 関 連 す る9つ の 規 則 が,調 査 対 象 と な る36語 中,55箇 所 に 適 用 さ れ て い る こ と を示 す 。 規 則 に 付 した 番 号 は,カ ッ ケ

表2(注1)

規 則 調 査 語

(3.2.1)[t]→[to1 ョ コ レ ート・・ フ ァ ー スト1ジ ェ ッ ト,ベト(best,

vest)

(3.2.2)[d]→[do] フ ィ ー ル ド,キ ャ ッ シ ュ カ ー ド,ラ ン ド パ ウ ン ド ケ ー

(3.3)[tl→[tsu] ク リ ス マ ス ツ リ ー

〔3.4.1)[可 】→[サij ス ケ ッ ヂ ブ ッ ク (3.4.2)[む]→[亀 至] マ ッサ ー ジ

(3.5)[q→[Cu] ク リ ス マ ス ツ リ ー,フ ァ ー ス ト,ビ ー フ ス テ ー キ,べ

(子 音;P.b.k.9. ト(塊st,vest),ス ケ ッ チ プ ッ ク,チ ッ プ,ロ イ ヤ

s.z』e.f, ル ボ ッ ク ス,ス タ ジ オ,チ ュ ー リ ッ プ,デ ィ ズ ニ ー"

̲一

v.∫.5.也 コ マ ー シ ャ ノレ,パ ス タ ー ミ ナ ル,フ ロ ア ー,ア ッ プ ノレ

、m.τ. ジ ュ ー ス,ポ テ ン シ ャ ル,ク エ ス チ ョ ン マ ー ク,ス

一 ム ァ イ ロ ン,フ ェ ア プ レ イ,ラ ン ダ ム,シ ェ目 ビ ン

グ,フ ニ ン シ ン グ,パ ス(bath),マ ン モ ス,テ ニ ス

ゴ ー ジ ャ ス,サ シ カ ー ボ ー ル

(3.6.2〉[kl→[ku/i】 パ ウ ン ド ケ ー キ,ビ ー フ ス テ ー キ

(3.6.3〉[∫ 】→[∫u/i]キ ャ ッ シ ニ カ ー ド,テ ッ シ ュ ペ ー パ ー

一87一

(4)

ン ブ ッ シ ュ ・大 曽 に 拠 る(1990:目 次)。 な お,規 則(3.6.1)は(3.6.2) に 統 合 され て い る 。 単 語 数 に 比 べ て 適 用 箇 所 が 多 い の は,同 一 の 規 則 が 複 数 の 語 に 表 れ る た め で,表2の 下 線 部 分 が 相 当 す る 箇 所 で あ る 。 二 れ に よ っ て,最 も 多 い 目本 語 化 規 則 は,規 則3、5の 子 音 に[叫 の 添 加 で あ る こ と が わ か るp

生 調 査 の 概 要

4.1被 験 者

8名 の 被 験 者 は,1997年9月 か ら1998年6月 ま で 早 稲 田 大 学 国 際 部 の 」4に 在 籍 し た 初 級 後 半 の 学 習 者 で,米 国 と カ ナ ダ(1名)の 大 学 で7か 月 か ら2年(3名)の 日 本 語 学 習 歴 が あ る 。8名 の 中 に は 韓 国 人 と メ キ シ コ 人 が 一 人 ず つ い る が,滞 米 年 数 が5年 以 上 で あ 動 ま た 米 国 で 日本 語 学 習 を 始 め た の で,今 回 の 調 査 で は 他 の ア メ リ カ 人 学 習 者 と扱 い を 同 じ にす る 。2名 は,1997〜8年 に 他 大 学 で 筆 者 の ク ラ ス に 在 籍 し た 短 期 留 学 生 で,母 国(オ ー ス ト ラ リ ァ.,イ ギ リ ス)の 大 学 で1年 程 度 の 目本 語 学 習 歴 が あ る 。 オ ー ス ト ラ リ ア か ら の 学 生 は 来 目 し て5か 月 で あ り,本 国 で の 学 習 時 間 を 入 れ て1年 半 程 度 で あ る 。 こ の2名 は,前 者 の8名 と学 習 時 問 数 や レ ベ ル も 同 じ な の で,同 じ に扱 う こ と に す る 。本 調 査 は,春 学 期 の 終 わ り に 実 施 さ れ た 。

4.2調 査 の 目的

∫4に プ レイ ス さ れ た 学 生 の ほ と ん どは,、斗 技 能 習 得 面 に お い て は 非 常 に ば ら つ き が あ っ た 。 例 え ば,「 聞 く,話 す 」 の2技 能 が 比 較 的 良 い が, 新 出 文 法1文 型 の 定 着 が 悪 か ウ た り,反 対 に 聞 い て理 解 で き て も話 せ な い な ど,様 々 で あ っ た 。2名 の 教 師 が 週2回 ず つ 指 導 に あ た っ た が,日 々 予 定 表 に 沿 っ た 授 業 の 消 化 と 「基 礎 学 力 」 の強 化 に追 わ れ て い た 感 が あ る 。 そ の た め,片 仮 名 指 導 の 時 間 が ほ と ん ど持 て な い ま ま,学 期 を修 了 し た こ

とが 反 省 点 に な り,ま た,今 後 の 片 仮 名 指 導 の 指 針 に す べ く,調 査 を開 始 した,

一88一

(5)

4.3調 査 方 法 ・内 容

48語(資 料2)の 英 語 の 単 語 を 提 示 レ て 片 仮 名 で 表 記 し て も ら い,そ の 誤 用 に つ い て 分 析 し た 。 片 仮 名 表 記 が わ か らな い か,忘 れ た 場 合 は 質 問 に 応 じ て 教 師 が 板 書 し た 。 使 甲 寺 間 は 説 明 も 入 れ,30分 程 度 で あ る 。 付 け 加 え る 点 と し て,」4ク ラ ス はTotalJapaneseの9課 か ら ス タ ー ト した た め,48語 の 中 に は,ビ ー フ(9課),ア イ ロ ン(18課),ク レ ジ ッ トカ ー ド(31課)の 既 習 語 が あ る 。 また,テ ニ ス(4課),サ ッ カ ー(5課),チ ュ ー リ ッ プ(7課),ケ ー キ(7課)の4語 に つ い て は 導 入 し て い な い が,学 生 は 独 習 し て い る 可 能 性 も あ る 。

な お,本 稿 で は 外 来 語 表 記 の ゆ れ に つ い て は 言 及 しな い 。

5.調 査 結 果 ・考 察

5,1単 語 レベ ル で の 成 績

学 習 者 の 片 仮 名 表 記 の 習 得 度 を知 る た め に,ま ず 単 語 レベ ル で の 成 績 を だ し て み た 。 操 点 方 法 は 小 林(1997)に 準 じ,単 語 全 体 を 目本 語 の 外 来 語 と して 正 し く表 記 で き た 場 合 は1点,1箇 所 で も 間 違 っ て い る揚 合 は0点 と し,部 分 点 は 与 え な か っ た(資 料3,No.1〜5参 照)。 ま た,ひ ら が な で 表 記 さ れ て い る場 合 は 正 解 に し た 。

表3

最 局 点

最 低.

平 均

標 準 偏 差

48点 満 点 23.0

3.0 12.70 6.77

単 語 レ ベ ル で の 総 合 計 は127点 で,ク ラ ス 平 均 は12.70と 極 端 に 悪 い 。 正 解 率 は625〜47、92%で,50%に 届 い て い な い 。 考 え ら れ る 理 由 は, 促 音 化,母 音 化 な ど の 規 則 化 が わ か っ て い な い こ と も あ る が,語 彙 を一 つ

一89一

(6)

の か た ま り(cluster)と し て 捉 え て い な い こ と が わ か る 。 ま た ,単 語 レ ベ ル の標 準 偏 差 は6.77で,被 験 者10人 は 相 対 的 に 差 が な い よ う で あ る 。 以 下 に,複 合 語 で エ ラ ー の 多 か っ た 対 象 語No,例 お よ び 正 解 率 を 示 す 。

表4

6・sketc五bookス ヶ ッ チ プ ー ク ,ス ケ チ プ ク(20%)

1!騨.cashcard キ ャ シ ュ,カ シ カー ド(20%)

1ゆ.busterminal ノマス タ ミナ ノレ,ノ ミス タ ミ ナ ー ル(20%) 12.pomdcake パ ー ウ ン ドケ ー キ,パ ウ ン ドケ ッ キ(20%)

B.Steam正ron ス テ ィ ー ム ァ イ ロ ン,ア イ オ ン(20%)

20、t1ssuopaper テ ィ シ ュ,テ ィ シ ュ ー ぺ 一 パ ー(20%) 22,aPPlcjuice ア プル ジ ュー ス,ジ ュ ス(40%)

32.questionmark ク エ ー ス チ

ョ ン,ク エ ッ シ ョ ン マ ー ク(20%〉

上 記 以 外 の正 解 率50%以 下 の単語 2. 丘eld

i

フ イ ル ド量 フ イ ル ド (40%)

3. random ラ ン ドム

(0%)

7. mas阻ge マ サ ジ, マ サ ー ジ (20%)

呂. bヒige ベ イ ジ, ベ ー ジ (30%)

11. soccerbaII サ ツ カ, ス ツ カ ー (40%)

13. rovalbox ロ ヤ ル, ロ ヤ ー ル (0%)

15. 且oor フ ロ ー ア, フ ロ ー (o%〉

16, puτe ヒ ュ ー ア, ビ ュ ー ア (o%〉

17. tip テ ィ ツ プ, テ ィ プ

(30%)

21. studio ス チ ュ デ ィ オ

(20%)

2{. symphony シ ン フ ォ ニ 》 シ ン フ ニ ニ (30%)

27. shaving シ ヤ ー ビ ン グ, シ ェ ビ ー ン グ (40%)

29, bath ノ、一" ス7

ノ、 ツ (10%)

30. mother マ ー ザ, マ ー ザ ー

(20%)

33. yellow

i

イ エ ー ロ 圃ヤ ロ ウ (20%)

一90

(7)

34.guitar ギ ー ター,ギ ッ ター(30%)

35.Disney デ ィス ニ ー,デ ー ズ ニ 」(0%)

36.colouτ コ ー ラー,カ ー ラー(30%〉

37.gorgeDus ゴ ー ジ ェ ス,ゴ ー ジ ュ ー ス(o%〉

38.audition オ ーデ ィ シ オ ン,オ デ シ ャ ン(10%〉

39.mammoth マ モ ツ,マ モ ス,マ ッ モ ス(0%)

40.commercia1 コ メ ー シ ャ ル,コ マ ー シ ェ ル(20%)

41.runneτ ラーナ,ラ ー ン ナー(30%)

45.potentia王 ポ テ ンシ ア ル,ポ テ ン シ ァー ル(0%)

46,tOwer ター ワー,タ ー ワ(20%)

語 彙 レ ベ ル で の 正 解 率0%の 中 で,開 音 節 化 に 成 功 し て い る の は

"random

,gorgeous,potentね1りroyalbox,Hoor"(80〜100%)で あ る 。̀̀random"は55.8,"mammoth/Disney"5.5.2で ふ れ る 。

"gorgeous/royalbox

,岨oor"は 母 音 の 日本 語 化 の 問 題 に 係 わ る た め, こ こ で は 省 略 す る が,.ま とめ6.1で ふ れ る 。

5.2濁 ・半 濁 音,拗 音 表 記 に 見 ら れ る 問 題

こ こ で は,調 査 事 項(researchquestion)(3)に 関 連 し た 結 果 に つ い て 述 べ る 。 本 調 査 で は,特 に学 生No9忙,「 ジ ュ ー ズ/ベ ズ ト」 の よ う に, 語 中 と語 末 のrス 」 がrズ 」 と濁 音 化 す る 傾 向 が 見 られ た 。 開 音 節 化 に 成 功 し て い る が,「 バ ズ(bath)ノ マ ン モ ズ(mammoth)」 も 同 様 で あ る 。[0]

の 濁 音 化 は[0/δ]と[s/zlの 混 用 が 考 え ら れ る 。 こ れ に っ い て は,5.5.2 で ふ れ る 。 ま た,「 フ ェ ァ ー プ レ イ 」 に 半 濁 音 の 誤 用 が2例 見 られ る が, 恐 ら く,書 き 問 違 い と思 わ れ る 。

片 仮 名 表 記 で は,拗 音 表 現 解大 き な ウ ニ ー トを 占 め る 。 代 表 的 な 誤 用 は

"

pure"[pjuar]の 下 線 部 分 が[ualと 日本 語 化 す る こ と に よ っ て,「 ピ ュ ァ 」 ど な る べ き と こ ろ,4名 が 「ピ ュ ー ア,ピ ュ ー ア 」,他 は 「ピ ニ ル, プ ユ ー ア,フ ユ ア ー,ピ ー ウル 」 な ど と,意 味 不 明 の 表 記 が 多 か っ た こ と で あ る 。 こ れ に は,[pjlの 音 韻 を 「ピ ュ 」 と い う拗 音 表 記 に 反 映 で き な か

一91一

(8)

っ た こ と と,[ue/uar]が[ua1で は な く,[u:]と 長 母 音 化 さ れ た 可 能 性 も 考 え られ る 。 日 本 語 学 習 歴 が2年 程 度 で あ っ て も,拗 音 の 表 記 に 熟 知 し て い な い こ と が 伺 え る ・ 調 査 結 果 か ら,「 読 め る,書 け る 」 を 念 頭 に 入 れ た,適 切 な 指 導 の必 要 性 を痛 感 し た 。

5.3音 韻 に 基 づ く そ れ ぞ れ の 日本 語 化 規 則 の 正 解 率

被 験 者 の 音 韻 に 対 す る 理 解 度 を把 握 す る た め に,本 稿 で ふ れ て い る4 つ の 日本 語 化 規 則 の 平 均 正 解 率 を 下 に 示 す 。 下 の表 のCKP数(チ ェ ッ ク ポ イ ン ト;日 本 語 化 規 則 の 適 用 箇 所)55/36と は,決 め ら れ た55のCKP

を,ク ラ ス レベ ル で36マ ー ク した と い う意 味 で あ る 。 表5

規 則 規 則数 CKP数 平均正解率 標 準偏差 最高!低 点

L開 音節 化 9 55β6 45.4 5.12 53,035.0

2.促 音挿 入 1113111 5.3 2.97 11.01.0

3.母 音 の 日本 語 化 22:5&/4S:39,1 9.07 51,021.0 4、子 音 ・半 母 音 の 日本 語 化

1641!2725.4

6.31 34,014.O

上 に 示 さ れ る よ う に,開 音 節 化 の 平 均 正 解 率 は63.63%(最 低 点35.0) か ら96、36%(最 高 点53.0)の 間 に あ り,単 語 レ ベ ル で の 平 均 点6.25%

(最 低 点3,0)か ら47、92%(最 高 点23.0)に 比 べ て 高 い(表3参 照)。 こ の 点 に つ い て,「 片 仮 名 表 記 そ の も の が 開 音 節 の 拍 に 対 応 す る も の で あ り,被 験 者 が 日本 語 の 音 韻 体 系,特 に 拍 の 把 握 に 成 功 し て い る か ど う か は 定 か で は な い 」 と い う考 え 方 も あ る(小 林 他1991)。

ま た ・ 開 音 節 化 以 外 の 規 則 か ら は,次 の よ う な 正 解 率 が 得 られ た 。

表6

促 音 化

母 音 の 日本 語 化 子 音 ・半 母 音 の 目本 語 化 8.33%

〜 9L67%

31.D3%

77.59%

34.15%

92.93%

一92

(9)

以 上 か ら,被 験 者 は1)促 音 化,2)子 ・半 母 音 の 日本 語 化,3)母 音 の 目 本 語 化 の 順 に,何 らか の 中 間 言 語 の 規 則 に 基 づ い て 日 本 語 化 を行 っ て い る と思 わ れ る 結 果 を 得 た 。 ま た,外 来 語 表 記 に 個 人 差 が あ 窮 特 に 促 音 挿 入 に80点 の 差 が 見 ら れ た 。 こ の こ と は,特 に 促 音 化 に は 一 応 規 則 は 考 え ら れ て も例 外 が 多 い た め,そ の 表 記 は 一 定 で は な い こ と の 難 し さ(カ ッ ケ ン ブ ッ シ ュ1992)を 裏 付 け て い る と考 え ら れ る 。

5.4個 入 レベ ル のCKPの 通 過 度

個 別 に,四 つ の 日本 語 化 規 則 のCKP数 を集 計 す る と 次 の よ う に な る 。 表7

学生No 開音節 促 音 母 音

子 音 ・半 母 音 目 CPK合 計

1(23!48)

53/55ckp 3!12ckp 51!58ckp 31/41ckp 138.'166

2(21)

50 11 47 29 137

3(19) 50 7 45 34 136

4(15) 51 9 43 30 133

5(15) 45 7 馨5 32 129

6(12) 42 5 42 21 11D

7(8)

45 4 36 23 108

8(s) 41 3 35 21 10D

9(3) 36 3 26 14 79

10(3) ヰ2 1 21 19 83

127 455 53 391 254

()の 数 字 は,48調 査 語 中,被 験 者(No1か ら10ま で)の 単 語 レベ ル で の 得 点 数 を 示 す 、 学 生No1の 揚 合,単 語 レ ベ ル で23点(採 点 基 準 に つ い て は5,1参 照 〉,そ れ ぞ れ の 日本 語 化 規 則(開 音 節 化,促 音 化,母 音 の

日本 語 化,子 音 ・半 母 音 化)で は,166のCKPを マ ー ク し て い る ・ 表7の 結 果 か ら,学 生No1か ら5ま で は70点 以 上 を マ ー ク して い る が,50点 以 下(No9)が 一 人 と な っ て い る 。 相 対 的 に促 音 化 の 低 正 解 率 が 足 か せ と な っ て い る 感 じ が う か が え る 。.特 に 学 生No1は,開 音 節 化 で

̲93一

(10)

CKP53を マ ー ク して い て も,促 音 化 で は3ポ ィ ン ト し か マ ー ク で き ず, 外 来 語 表 記 習 得 に お け る バ ラ ン ス の 悪 さ が 目立 っ て い る 。

5.5開 音 節 化 に表 れ た 問 題 点

開 音 節 化 に 一 番 多 い エ ラ ー は,規 則(3.5)(表8参 照)に 関 す る も の で, 0回 答 も含 め,27語 中(表2)54ckpに 表 れ て い る 。 以 下,開 音 節 化 規 則 の 類 型 ご と に 表 れ た エ ラ ー 数(正 解 率90%か ら30%)を 示 し,そ れ ら に つ い て 考 察 す 多 。 な お,規 則(3.5)は 他 規 則 に 比 べ て エ ラ ー 数 が 多 い た

め,こ こ で は 正 解 率60%以 下 で あ っ た4語"mammoth,bath, question,Diseny,,に っ い て の み 考 察 す る 。

5.5.1

今 回 の 調 査 で は 規 則(3.2.1)と(3.4.1)に つ い て は 誤 答 が極 端 に 少 な か っ た 。 こ の こ と は 他 の 開 音 節 化 規 則 と は 異 質 で あ る と も 考 え られ る が, さ ら な る デ ー タ の 収 集 と分 析 が 必 要 で あ る 。

5.5.2

こ こ で は,規 則(3.5)に 関 連 し,① か ら ④ の 誤 用 に つ い て 述 ぺ る 。 表8

規則番号

音 声表 記 エ ラ ー数

学生 の表記

(3.5) [C→Cu]i54 マ モ ツ,マ モ ッ ト ー 一

バ シ,バ ー フ ウ 値

ク エ ン シ ョ ン,ク エ シ ト ー ン,

デ イ ス ニ ー,テ イ ス ニ ー

(3.6.3) [f→ ∫u1∫i]9 テ ィ シ 昌 一,テ ィ ズ ン キ ャ シ,カ シ ュ

(3.2.2) [d→do】' 7 フ ィ ー ルト ・ カ ー ド ー ・ バ ウ ン(pound)

(3.3)[t→tsu] 6 ク リ ス マ ス ト リ ー

β,6.4)[3→3ullユ 6 べ 一 ジ,ベ ー ジ ュ ー

〔3,6.2) [k→ki] 5 ケ ー キ ー,ス テ ー ク,ス テ ー キ ー

区3・4・2) [吻 →dzi] 3 マ サ ー ジ ュ,マ

サ ー ジ,マ サ ジ

i(3・生1) [U→ ずiI 2 ス ケ ッ チ ョ,ス ケ チ ー

(3.2.1)lt→to] 1 (無回 答1)

一94一

(11)

表8の ① ② に 関 連 し,目 本 語 の 音 韻 体 系 に は[0/司 と い う歯 間 摩 擦 音 が な い た め,歯 茎 摩 擦 音 の[s][zlに 統 合 さ れ,そ れ ぞ れ 「ス,!ズ 」 と 発 音,表 記 さ れ る 。 従 っ て"bath""bus""bass"は 全 て 「バ ス 」1こ な る が,[̀bath"(正 解 率50%),"mammoth"(40%)の̀醇th"の 表 記 に は,英 語 の1θ]の 音 が そ の ま 転 用 され,「 ッ,シ,ト,フ ウ 」 と様 々 で あ るq

③ 語 彙 レ ベ ル で 低 正 解 率(20%)の"question"の 語 中 の[slに は[uI が 添 加 さ れ て,「 ク エ ス チ ョ ン 』 に な る 。 誤 答 例 に は,開 音 節 化 さ れ ず に,

「シ 」 「チ 」 「エ ッ 」 な ど の 表 記 が見 られ る 。

④"Disneゾ コ[dizni](正 解 率40%)の 語 中 に あ る子 音[zlも 習 得 し に く い こ と が わ か っ た 。Disneyの[s]は 開 音 節 規 則 の 体 系 が 反 映 さ れ て, [zulに な る 。 開 音 節 化 に は 成 功 し て い る が,10人 中6人 が 「デ ィ ス ニ ー 」 と表 記 し て い る の は,英 語 の 音 声 表 記[z]で は な く,ス ペ ル が 片 仮 名 表 記 に 反 映 さ れ た の で は な い だ ろ う か 。 も し そ う で あ れ ば,英 語 話 者 自 身 が 母 語 の 音 声 記 号 を ど の く ら い 理 解 し て い る の か,と い う危 惧 を抱 か せ る ・

5.5.3

規 則(3.6.3)に 関 連 し て,子 音[可 〆{ち/k/∫/31には 音 韻 レ ベ ル の 例 外 規 則 か ら,[ulで は な く,[i]が 添 加 さ れ,「 ス ケ ッ チ!マ ッ サ ー ジ 」 に な る 。 し か し[∫]に は[ulが 添 加 さ れ て,テ ィ ッ シ ュ[ti∫u=](40%正 解)と な る 。3名 が 「シ ュ ー 」 と 表 記 し て い る の は,下 線 部 分 の 音 声 表 記 が[∫u=1 で あ る た め と考 え られ る 。 ま た,今 回 は テ ィ ッ シ[∫i]の よ う な例 は 無 い の で,単 な る 音 声 表 記 か ら の 誤 答 と も考 え ら れ る 。

語 尾 の[∫/31に は 原 則 と し て[ulが 添 加 され る が,年 代 的 に 古 い 外 来 語 に は 山 が 添 加 さ れ て,「 べ 一 ジ/キ ャ ッ シ 」 に な る 揚 合 が あ る た め,「 キ ャ ッ シ 」 の エ ラrが 発 生 し た の か も 知 れ な い(次 頁5,5,6参 照)。 ま た,

「キ ャ シ 」 「カ シ ュ 」 の 誤 例 に 見 ら れ る よ う に,拗 音 表 記 が2語 続 く場 合 は,表 記 に む ら が あ る こ と が わ か っ た.同 時 に,促 音 化 の 失 敗 が 正 解 率 の 低 下 に 係 わ っ て い る の が 明 自 で あ る ・

一95一

(12)

5.5.4

原 則 と し て,規 則(3.2.2)の[司 に は[o]が 添 加 さ れ て 「フ ィ ー ル ド, カ ー ド,ラ ン ド」 に な る が,諮 で は 「ド」 に な ら ず に,7例 が 「ト!ド ー 」 と な っ て い る 。 こ の 場 合 ,被 験 者 は 母 音[o]の 添 加 に は 問 題 な く,む

し ろ 濁 音 表 記 が 十 分 で な い こ と が う か が え る 。 こ の 点 に っ い て は,5,2で ふ れ て い る 。

5.5.5

規 則(3.3)ッ リ ー(40%正 解)は 「ト リー 」 と表 記 す る 被 験 者 が 多 い 。 歯 茎 破 裂 音 の[t/d〕 に は原 則 的 に[o]が 添 加 さ れ る[to]に な る が,例 外 的

に[tsu]に な る 。(3.2.2)でlt]にlolが 添 加 され る 場 合 と混 乱 し て い る よ 到 こ思 わ れ る が,開 音 節 化 に は 成 功 し て い る こ とが わ か る 。

5.5.6

規 則(3、6,4〉 に 関 連 し,べ 一 ジ ュ(30%正 解)は 「ベ ー ジ 」 と表 記 した も の が 多 い 。 語 尾 が 摩 擦 音 で あ る[3]の あ る 単 語 は 仏 語 か ら英 語 に 入 っ た 語 で あ り,こ れ ら の 日本 語 化 の 際 に は[U]が 原 則 的 に 添 加 さ れ る が,[i]

が 添 加 さ れ る例 も あ る 。 後 者 は[ki][∫i]の 例 と 同 様 に,年 代 的 に 古 い 形, も し く は 古 い ニ ュ ァ ン ス を 持 つ 形 で あ る(カ ッ ヶ ン ブ ッ シ ュ ・大 曽1990)。

結 果 と し て は,ど ち ら で も 良 い と い う こ と に な る が,こ の ケ ー ス は,む し ろ 被 験 者 の 拗 音 表 記 の未 熟 さ が 影 響 し て い る と思 わ れ る 。

5.5.7

規 則(3.尋.2)に 含 ま れ る[む]は,例 外 規 則 が 適 用 さ れ る 子 音 に 属 し, 原 則 的 に 添 加 さ れ る母 音 は[u]で は な く,[i]で あ る 。 「マ サ ー ジ ュ 」 の 一 例 を 除 い て,ほ と ん ど の 語 尾 が 「ジ 、一「シ」 と な っ て い る 。 こ の こ と は,開 音 節 化 規 則 は 反 映 さ れ て は い る が,「 マ サ ジ 」 の エ ラ ー が 示 す よ う に,む

し ろ促 音,長 音 挿 入 が 適 切 に な さ れ て い な い こ と が わ か る 。・

5.5.8

最 後 に,開 音 節 化 に は80%成 功 して い る が,語 彙 レベ ル で0%で あ っ た̀̀random"[r器ndam]に ふ れ る 。 音 節 末 お よ び,子 音 の 前 の[m]は,

一96一

(13)

通 常 開 音 節 化 し,「 ラ ン ダ ム/ス チ ー ム 」 の よ う に,基 本 的 に はlulが 添 加 さ れ る 。 二 例rラ ン ダ ン/ラ ン ドー ン」 を 除 い て[mlをrム 」 と表 記 し て い る が,む し ろ 〜5random"の 下 線 部 分 を そ の ま ま 片 仮 名 に 転 用 し,

「ラ ン ドム 」 と表 記 し た と 思 わ れ る エ ラ ー が,10人 中9人 に 見 ら れ た 。 通 常,語 中 の[の は[o]溝 添 加 さ れ て[dolに な る が,母 音 の 日本 語 化 に 関 連 し,英 語 の[記,a,A,a]は,す ぺ て 目本 語 の[a]に 統 一 さ れ る た め,「 ダ 」 と表 記 さ れ な け れ ば い け な い 。 指 導 上,注 意 す べ き 点 で あ る 。

6・ ま と め と 今 後 の 課 題

6.1ま と め

本 稿 で は,初 級 後 半 の 目本 語 学 習 者 を対 象 に,主 に 開 音 節 化 規 則 の 体 系 が,ど の よ う に 片 仮 名 表 記 に 反 映 さ れ て い る か を調 べ,分 析 し て き た 。 こ こ で は 総 ま と め の 意 味 で,初 め に 述 べ た4っ のResearchQuestionに

言 及 しつ つ,調 査 に 表 れ た 各 規 則 ご と の 調 査 結 果 に つ い て 述 べ る 。 初 め に,語 彙 レ ベ ル で の 習 得 度 を 調 べ た 結 果,48点 満 点 の 平 均 点 は 12.7点 と低 く,こ れ に は 音 声 環 境 の と ら え 方 だ け ぞ な く,特 に 拗 音 表 現

の 表 記 の 未 熟 さ が 関 係 し て い る こ と が わ か っ た 。

次 に,各 規 則 の 類 型 ご と の 調 査 結 果 か ら は,1)促 音 化,2)子 音 ・半 母 音 の 日本 語 化,3)母 音 の 日 本 語 化,4)開 音 節 化 の 順 に 誤 用 が 多 く 見 ら れ た 。 類 型 ご と に ま と め た もの の 中 か ら 顕 著 な例 を 示 す と,次 の よ う に な る 。

1)促 音 挿 入 に っ い て は,"book,massage,cash,fashion"(16.67%),

"tissue"(25 .0%)ナ"box"(33・33%)にrッ 」 が 表 記 さ れ て い な い 。 2)子 音 ・半 母 音 に つ い て,[ti=],[dilが 難 し い 。 し か し,団u=]に つ い て

は 習 得 度 に 差 が 見 られ る 。 【̀steam"[sthm]の 場 合,ほ と ん ど が 「ス テ ィ ー ム 」(0%)と 表 記 。 ま た,同 じ 音 声 表 記[tju]を 含 む"tulip"

[tjullipl(50%)と,"studio"[stju;diou](20%)に は,「 テ ユ ー,ツ ー,チ ュ 」 な ど の 表 記 が 見 られ る.。両 者 は 英 語 の 発 音 が 同 じ で あ っ て

も,片 仮 名 表 記 で は 全 く異 な る た め に,誤 用 が 生 じた と思 わ れ る 。 一 97一

(14)

3)二 重 母 音,ま た は長 母 音 を持 つ 英 語 で,日 本 語 の 表 記 が 「一 」 を つ け て 表 さ れ る 語gorgeous(3名),audition(3名)の 正 解 率 が低 い 。 反 対 に,長 母 音 を 持 つ 英 語 で も,長 音 符 号 「一 」 を つ け な い で 表 さ れ る 一̀Hoor"「 フ ロ ァ

」 や,(5.3,18)の 規 則 が 適 用 さ れ る"roya1"は[oi1 の 「イ 」 の 欠 落 で,共 に 正 解 率 は0で あ る 。

4)開 音 節 化 規 則 に 関 連 し,4点 述 べ る 。

☆[k/∫/5/U/砧]の 音 は は 習 得 し に く い 。

歯 茎 破 裂 音[t/d]に[o]が 添 加 さ れ る の が 原 則 で あ る が,例 外 的 に

「 ト リ ー 」 で は な く

,[tsu]「 ツ リ ー 」 と な る 場 合.反 対 に,"two"

[tu:1の 表 記 が[tsu=]「 ッ ー 」 と な ら ず に 「 ト ウ,チ ュ ー,テ ィ ー ウ 」 と 表 記 す る 傾 向 が あ る 。

女 語 中 の[s/z][[question/Disney"[dセn重]に は[u]が 添 加 さ れ に く いo

女 英語 の 歯 間 摩 擦 音"th"[e]の 表 記 に,開 音節化規則 の体系が反映 さ れ に くい 。

☆ 例 外 規 則 の習 得 に 関 し て は,規 則(3 .6.2)の 「ケ ー キ,ス テ ー キ 」 以 外 は極 端 に悪 い 。

6.2今 後 の課 題

今 回 の調 査 で は限 られ た デ ー タ数 で は あ った が,CKPご とに誤 用 を算 出 し分 析 した の で・ よ り体 系 的 に 学習 者 の音 韻 の と らえ方 や,表 記 上 の問 題 が把 握 で き た と思 う.し か し,調 査 の結 果 か らは英 語 の音 声 を 日本 語 化 せ ず に・ そ の ま ま片 仮名 で表 記 した と思 われ る誤用 例 が多 か った た め,調 査 方法 を考 え直 す必 要 が あ る。

最後 に・ 特 に誤 用 の 多 か っ た促 音 化 を は じめ,他 の 日本 語 化 規則 に関 す るデ ー タ分 析 を早急 に や り,表 記 指 導 に役 立 て るの が最 大 の課 題 と して あ げ られ る 。

注L開 音 節 化 に 関す る調 査 語例,お よび フォ ー マ ッ トは 「日本 語 学 習者 は 英 語 を ど う開 音 節化 す るか」(小 林1997)p3〜4か ら引用 。

一98一

(15)

資料1

日本 語 化 規 則 一 覧(『外 来 語 の形 成 とそ の教 育 ■ の 目次 か ら抜 粋) 3開 音 節 化L

λLZλλよ生生

33333

[t]→[to]

【d]→[do]

[t]→[tSU]

[可1→[可i]

[吻]→[吻i]

斗 促 音 挿 入 4.1.促 音 化 5母 音 の 日本 語 化

t2345

33333i55

5.3.6, 5,3.7.

5.3.8.

[i=】→[i=]

[正1→[i]

〔e正1→[e=]

[el→[eI [お】→la】

[記]→[ja]

[∂:1/[3=r]→[a=I EA]→[a】

【a:]一一[a:r]→[a=]

5,3.10,[つ/a]→[o]

[D/a]→aI

6子 音 お よ び 半 母 音 の 日 本 語 化 6,2.1.[ti]→[可i】 〆[ti1

[ti=】→[可i二]/[ti:1 [tu二]→[tsじ=】

[di】一→[d5i]1'[3i]ノ'Edil 6.2.2.[句u1一 ラ[可u]![tju】

[djul→[45u]/[3u]一'[djuユ 6.2,3.[¢a][のi][¢e][のo]

6.2,4.[∫e1→[seI

→[so]、 一一[∫e】

→[∫c]

[3e]→[dzeユ

[むe]→[むeユ 一[dze]

→[銘e]/[3el 6.2.5,[tsa][tsiHtsel[tso]

7ス ペ ノレ に 基 づ い た 目 本 語 化

̀こ 甲},̀̀一1,

8

L6

111111

7777 1

"

8."

"

L,u王 →[i]

ピ'→[¢]

a"→[aユ Q"→[o]

u'P→[al u"→[jul ジ'→lil]

ie"→[t:]

ee"→ eジ'→[]

er"→[a】

Dr"→[a]・

"ar"→[a]

re"→[a]![a]

"

Qur"→[a=]

ア ク セ ン トの 日本 語 化 は 省 略

‑Z34i臥臥丘軌よ33よ飢

C→C[u】

[k]→目[kul/[ki】

[k]→[ki]

[∫]→ ∫u】ノ[∫i】

[5]→[5u]/[5i]

4.3・/CIVC2、'以 外 の 条 件 で の促 音 化

5.3.11.

5,3.13, 5、3.14.

5.3.15.

5.3.16.

5.3.17.

5.3,18.

5.3.19』

5.3.2D.

5.3.21.

5.3.22.

6.3.1.

6.3.2.

3LZ31

3

6!0666

6.5.2.

7.1.9,

7[L

7777 234333

777

7.3.5.

7.3.6.

[Ol1〆[D=τ]→[o=]

[oul→[0=]

[u1→[u]

[u=]→[uq [ai]→[ai】

[au]→[au]

[っil→[Qi]

[ig一'正er]→[io)司 [e∂1e∂rl→[e(j〉a]

[oo‑bar1→ ・al [ua/ugr】 →[ua]

[!][r]

[s】[eI lz][o]

[b]][v]

[n】

[m]

[弓]

[wa]→[waI [WOU,WO=]一)[UO,Uα]

[wi】 →[ui】

[WU〔=)ユ →[U(=)]

[we,wei】 →[Uビ]

[j]→[ja,ま,ju,e,jo]

[j]→[∫]の 脱 落!国

"QUS".→ 〔翫suI

"aロ"→[Q:]

"

ng,ロ 「 ン'ク ▽」

" 一mm一"→ 「一 ン ー」

"一nn一"→ 「一 ン ー 」

"tめn"→ 「シ ョ ン(チ ョ ン

,ジ ≡ ン)」

5Lsion"→ 「 シ

ョ ン(チ ン,ジ ン 〉」

5【shion'1→ 「 ジ ョ ン(チ

,ジ ョ ン)」

"ago"→ 「エ ジ 」

̀[ate"→ 「ユ ト 」

"

cia1"→ 「 シ ャ ル 」

"tia王"→ 「シ ヤ ノレ

"ing"→ 「イ

̀【wer"→[ワ ー 」

99

(16)

資料2調 査 語

1.cヒoco正ate 一7.UP 33.yellow

2.field 18.steamiron

3.random 19.two

4.vest 20.tissuepaper

5.Chr正Stmas亡ree 21.studio 6,sketchbook 22,謎PPlejuice

7.ma5sago 23,旬1ip

be三ge symphony

10.bustermina1 26.fencing 11.soccerba11 27.shavihg

12.poundcake 28.jet

13.royalbox 29.bath

14.fairp【ay 30.mo年her

15.noor 31.bost

16.pure 32.questionmark

34.guitar 35.Disney 36.oolour 37、gorgeous 38、audition 39,mammoth 40.comm巳rcl証 41.runner 42.tennis 43.m盟s民Dn 44.fashion 45.potentia1 46.tower

47.beefSteak 尋8.1and

引 用 ・参 考 文 献

茜 八 重子(1卯8)「 外 来 語 の カ タ カ ナ表 記 にお け る 中間 言 語 分 析 に つ い て 」 『大 東 文 化大 学 語 学 教 育 研 究 論叢 』15号

大 曽美 恵 子(1991)「 英 単 語 の 音 形 の 目本 語 化 」 『日本 語 教 育 』74号 目本 語教 育 学 会 カ ッケ ンブ ッ シ ュ寛 子 ・大 曽 美恵 子 〔1990)『目本 語 教 育 指 導 参考 書16外 来 語 の形

成 とそ の教 育 ■ 国 立 国語 研 究所

カ ッケ ン ブ ッシ ニ寛 子(1992)『 外 来 語 分 析 の課 題 一 促 音 化 の 規 則 と例 外 に っ い て』 名 古 屋 大 学 出 版 会

小 躰 ミナ(1997)r目 本 語学 習 者 は英 語 を ど う開音 節 化 す るか 一 英 語 を母 語 と しな い初 級 学 習 者 の場 合 一 」 『北 海道 大学 留 学 生 セ ン ター 紀 要 』 第1号

小 林 ミナ 他(199ヰ)「外 来語 に み られ る 日本 語化 規 則 の習 得 一 英語 話 者 の 調査1こ基 づい て一 」 『目本 語 教 育 』74号,日 本 語 教 育学 会

玉 村 文郎(1991〕 「日本 語 に お げ る外 来語 要 素 と外 来 語 」 『目本 語 教 育 』 舛 号 ・ 日本 語教 育 学 会

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(17)

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参照

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