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東アジアにおける大気汚染の現状

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Academic year: 2021

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(1)

放射性物質の大気シミュレーション

とホットスポット形成に関して

大原 利眞

独立行政法人 国立環境研究所

地域環境研究センター

民主党原発事故影響対策PT 2011年8月2日 1

(2)

原子力発電所から放出された放射性物質の

環境中における挙動(模式図)

事故のあった 原子力発電所 空気中を漂う放射性 物質は、ちりや雨滴と ともに地面に落ちる 水道水の水源 野菜などの食物 地表に落ちた放射性物質 大気中を漂って いる放射性物質 施設から海への漏出 がれき 移流・拡散 爆発や蒸気排出などによ り、放射性物質が大気環 境中に放出される 沈着 放出 放射性物質は風で運ばれながらひろがっていく。同心 円状にではなく、風下に運ばれるため、同じ距離でも 観測線量や予測線量が方角によって大きく異なる 風向き

国立環境研究所

東日本大震災関連ページより

http://www.nies.go.jp/shinsai/index.html

2

(3)

放出源 人、植物、水など (曝露) 風

A

① 移流・拡散 (風、乱れ) ① ③ 除去 (乾性・湿性沈着) ③

放射性物質の大気中での挙動

② 放射性物質の崩壊

A

A ② 3

(4)

大気濃度・沈着量 の時空間分布

大気シミュレーションモデル

3次元モデル

気象データ 排出量データ 4 ① 移流拡散 ② 排出 ③ 放射崩壊 ④ 沈着 大気中の物質の 3次元分布を 時々刻々と計算

(5)

計算条件

物質 セシウム137 (ヨウ素131) 放出量 原子力安全委員会5/12発表資料をもとにデータ化 沈着 粒径1μmの粒子として計算 壊変 なし 1000 800 600 400 200 0 T er rai n hei ght ( m) 標高 (m) (注) 色は、6kmメッシュの標高を示す。 5 計算領域

モデルの不確実性

・放出条件 (量、時間変動、高度) ・気流や降雨の再現性 ・沈着パラメータの設定

(6)

シミュレーション結果(セシウム

137)

6

沈着量

(7)

セシウム

137の積算沈着量

7

3月11-23日

・セシウム137は粒子であるため、乾性沈着が少なく、湿性沈着が 多い。そのため、沈着量は大気中濃度と降水量の両方に関係する。 ・原発周辺だけでなく、風によって放射性物質が運ばれ、且つ、 降雨があった福島県東部、宮城県、関東北部で沈着量が多い。 空間線量マップ (実測結果) 3月24-29日

(8)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 I-131 Cs-137 Xe-133 Niigata Kanagawa Tokyo Chiba Sitama Gunma Tochigi Ibaraki Fukushima Yamagata Miyagi

3/11-29における都県別沈着量の割合

ヨウ素131 セシウム137 ・大気中に放出したセシウム137 のうち1都10県に沈着したのは14% ・都県別には、福島県、宮城県、群馬県、栃木県、茨城県の順に多い。 8 放出量に 対す る 割合 (%)

(9)

9

セシウム

137の都県別の沈着量・大気濃度の変化

緑色:乾性沈着量、青色:湿性沈着量、赤色:地上の大気濃度 100x103 80 60 40 20 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 100 80 60 40 20 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Fukushima Dry dep. Wet dep. Activity 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Miyagi 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Yamagata 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Ibaraki 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Tochigi 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Gunma 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Chiba 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Saitama 20x103 15 10 5 0 D EP (M Bq k m -2 day -1 ) 3/11 3/16 3/21 3/26 3/31 Local time (2011) 20 15 10 5 0 Ac tiv ity (Bq m -3 ) Cs-137, Tokyo 福島県 宮城県 山形県 茨城県 栃木県 群馬県 千葉県 埼玉県 東京都

(10)

関東北部のホットスポット(3/15の15時)

10 低気圧通過後の北風によって、 3月15日0時過ぎに原発から大量に 放出された放射性物質が関東地方へ運ばれた後、午後に風向が反 転し、南寄りの風によって北関東に移動し、雨によって大気中の放 射性物質が地表に降下 セシウム137の大気濃度 降水量 セシウム137の沈着量

(11)

関東北部、福島県のホットスポット(

3/15の19時)

11 その後、放射性プルームは北や西に運ばれるとともに、当日午後に 放出された放射性物質が東風によって原発の西側に運ばれ、降水 域において雨により地表に降下。 セシウム137の大気濃度 降水量 セシウム137の沈着量

(12)

宮城県北部のホットスポット(

3/20の17時)

12 セシウム137の大気濃度 降水量 沈着量 低気圧の通過に伴う南東風によって、20日午前中に放出された放 射性プルームが宮城県を通って17時頃に宮城県北部にまで運ば れ、それが降水帯にぶつかることによって、大気中の放射性セシウ ムが地表に降下 セシウム137の大気濃度 降水量 セシウム137の沈着量

(13)

関東南部のホットスポット(

3/21の18時)

13 翌日21日には、北風に反転したため、放射性物質が南の関東地方 に運ばれ、午前中のまとまった降雨によって地表に降下し、関東地 方の水道や農作物の汚染、千葉県北西部のホットスポットを作った と考えられる。 セシウム137の大気濃度 降水量 沈着量 セシウム137の大気濃度 降水量 セシウム137の沈着量

(14)

関東南部のホットスポット(

3/21の8時)

14 しかし、東大・柏での空間放射線量の観測結果によると、千葉県北 西部のホットスポットは、21日の朝に形成されたと考えられ、その 再現はできてない。 セシウム137の大気濃度 降水量 沈着量

(15)

まとめ

• セシウム

137の影響は福島県以外に、宮城県や山形

県、関東地方、中部地方東部など広域に及んでいる。

• 時間的には、

3月15~16日と3月20~22日の2期間に

集中している。

3月に放出されたセシウム137のうち、東北南部と関東

1都10県に沈着した割合は14%で、福島県、宮城

県、群馬県、栃木県、茨城県などで沈着量が多い。

• シミュレーション結果は、実測された降下量、大気濃

度、空間放射線量マップの基本的特徴を概ね再現する

が、放出条件や気象の再現不足などに起因する誤差・

不確実性は大きい。

• シミュレーションによって、ホットスポットの基本的特徴

は、一部地域を除き、再現されている。

15

(16)

環境シミュレーションの役割

• ホットスポットの可能性がある地域の抽出

→ 詳細な測定を実施

• ホットスポット形成の原因解明

• 新たな大量放出時の環境影響の短時間予測

→ 回避策の迅速な検討

• 新たな環境汚染の予見、環境影響の長期的予測

→ 地域環境アセスメント、地域環境管理計画の策定

16 厚生労働省の「水道水における放射性物質対策検討会」において 汚染メカニズムを解明するために活用 「水道水における放射性物質対策中間取りまとめ」(H23.6)

(17)

大気核種濃度 生態系 (湖水、底質、生物) 土壌 野生生物(トンボ) (広域;市民参加型)

Air compartment as Grid

Soil compartmnet as Basin

Water compartment as River

, , p q r∈RIVER , , m n∈BASIN , , i j k∈MESH River seg. A 1 2 3 4 5 6 Seg . A Seg . B S eg . C Seg . DSeg. E Node (Connection) River seg. C River seg. B River seg. DRiver seg. E Seg.=Segme nt 1 2 3 4 5 6 Seg . A Seg . B S eg . C Seg . DSeg. E Node (Connection) River seg. C River seg. B River seg. DRiver seg. E Seg.=Segme nt

Automatic run-time sub-sugmentation of a river segment

Total length=5.7 km in average Sub-segment length=1-2km

Advective transport between adjacent grid cells

Emission to air (can be put into L0 to L2 by user

selection) Horizontal grid cell

size : 1km – 100km Air (L0) Air (upper) E0 Air (L2) Air (L1) E1 E2 Air (L0) Air (upper) E0 Air (L2) Air (L1) E1 E2 Advective transport between adjacent sea segments Sea (3) Sea (0) Sea (1) Sea (2) Sediment Sea (3) Sea (0) Sea (1) Sea (2) Sediment

River input to the sea segment LAND AIR SEA RIVER MULTIMEDIA 多媒体モデル(陸域) 大気モデル 海洋モデル 多媒体モデリングによる 環境汚染メカニズムの解明 戦略的・長期的モニタリングによる 環境汚染実態と長期推移の把握 環境アセスメントによる放射能汚染の 広域環境影響評価と長期予測 被ばく量 健康影響評価 社会インフラ(上下水道、廃棄物)影響評価 放射能汚染に対する 地域環境管理計画の策定 詳細なモニタリングとモデリング 詳細なアセスメント 地域環境管理計画の作成 (市民参加型を含む) 外部被ばく (携帯型測定) 内部被ばく (食事) 市民 参加型 17

今後の放射能汚染研究の方向性(私案)

参照

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