地理歴史科(日本史B)学習指導案
-単元「開国と幕末の動乱」を題材にして-
広島県立賀茂高等学校植田 稔
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授業計画
授業計画
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授業計画
1 日 時 平成27年 6月26日(金) 3時間目 2 実施クラス/教室 3年1・4組/大講義室 3 単元名 開国と幕末の動乱 4 単元について (1)単元観 高等学校学習指導要領日本史Bの内容「(4) 近代日本の形成と世界 ア明治維新と立憲体制の成立」 には,「開国と幕府の滅亡,文明開化など欧米の文化・思想の影響や国際環境の変化,自由民権運動 と立憲体制の成立に着目して,明治維新以降の我が国の近代化の推進過程について考察させる。」と ある。そして,高等学校学習指導要領解説地理歴史編には,「我が国で近代国家の基盤が形成されて いった過程とその推進の背景を,近世から近代への移行という大きな視点に留意して考察させる」こ と,明治維新に至った過程については,「欧米諸国がアジアに進出する国際環境を背景に,経済の状 況や社会の動向とかかわらせて考察させる」ことなどが求められている。 「近代日本の形成と世界」の内容の本単元「開国と幕末の動乱」では,1850 年代の開国から 1867 年 の幕府滅亡までを扱う。内容としては,①ペリー来航から和親条約,通商条約締結に至る開国の過程, ②開港とそれにともなう居留地貿易進展の国内経済への影響,③開国への対応に端を発する公武合体・ 尊攘運動と倒幕勢力の形成及び幕府滅亡への政治過程ということになる。これらの内容を包括する本単 元を貫く発問として「開国によって幕府が滅亡したのはなぜか?」を設定した。17 世紀初めに成立した 江戸幕府は,鎖国体制の完成(1640 年代)によって,その支配体制(幕藩体制)を確立した。18 世紀に 入ると幕藩の財政難など支配体制に様々な問題点が発生するが,鎖国体制が維持されている間は幕府の 指導力が衰えることはなかった。しかし,1853 年のペリー来航をきっかけとする開国(鎖国体制の崩壊) によって,一気に滅亡へと向かう。現象面での開国と幕府滅亡の因果関係は明白である。幕府による大 名統制と幕藩権力による民衆支配の2つの視点から,開国と幕府滅亡の因果関係を考察し,解明してい くことを授業展開の柱に据えることにした。また,本単元は,大単元「近代日本の形成と世界」の導入 部分となる単元である。「我が国で近代国家の基盤が形成」された明治国家は,「万国対峙」を至上の 命題とし,その実現のために必要とされる政治・経済・社会・文化など多岐にわたる改革を,短期に成 し遂げて成立した。「明治維新」とよばれる近代化に向けての諸変革は,開国の過程で明らかになった 幕藩体制の矛盾を克服・受容する意図を持ってすすめられたことから,この単元で学習する内容(獲得 する知識)は,次単元「明治維新と富国強兵」及び「立憲国家の成立と日清戦争」を学習していく上で の基礎となる。 (2)生徒観 本校第3学年は7クラス。文科型3クラス,理科型3クラス,文理混合1クラス。第2学年から習熟度別学級編成 を取り入れており,文科型・理科型それぞれ1クラスが発展クラスである。地理歴史科の選択科目では,文科型 は,第2学年で「日本史 B」「世界史 B」「地理 B」(各3単位)のいずれかを選択履修し,「日本史 B」「地理 B」 選択者は「世界史 A」(2単位),「世界史 B」選択者は「地理 A」(2単位)を履修する。第3学年では,第2学年で 履修した B 科目を2単位,継続履修した上で,各 B 科目の学校設定の演習科目(2単位)を履修する。理科型 は,第2学年で「世界史 A」「地理 A」(各2単位)を履修し,第3学年で「世界史 B」「地理 B」(各4単位)のいずれかを履修する。(したがって,理科型には「日本史」選択者はいない。) 本時のクラス3年1・4組はともに文科型で,1組は習熟別クラス編成での S(発展クラス),4組はAクラス(標準 クラス)である。両クラスとも,生徒は素直・従順で,授業態度もよく,与えられた課題に対してはまじめに取り組 む。第3学年でのクラス替えはあったが,すべての生徒が第2学年から継続して「日本史 B」受講生徒であり,指 導者の指導方針を理解しており,指導スタイルにも慣れている。 (3)指導観 本県の「学びの変革」アクション・プランを受けて,本校では「負荷・活用・省察」をキーワードに した授業改善への取り組みがなされている。日々の授業における「負荷」は,生徒の既存の知識や経験 では解決不可能な課題(発問)を提示することで,課題解決に向けての興味・関心・意欲を高めること であり,一般に授業の導入部分で仕掛けられる。「活用」は,授業で新たに獲得した知識を活用して, 課題を論理的・実証的に解決する活動であり,授業の展開部分となる。「省察」は,授業内容の振り 返りで,課題に対する結論を自分のことばで表現する。授業の終結部分もしくは家庭学習(復習)の 課題となる。日常の授業では,「負荷・活用・省察」を取り入れた「探求型」の授業を展開し,生徒の知 的好奇心を高め,思考力・判断力・意志決定力を育む授業を行いたいと考えている。 5 単元の目標 「開国によって幕府が滅亡したのはなぜか?」という問いに対して,次の①,②から説明できるよう になる。 ①開国・開港に至る政治過程の分析を通して,倒幕勢力が形成され,諸大名を統制する力を幕府が 失ったことを説明できる。 ②開港後の居留地貿易の実態及び国内経済への影響の分析を通して,幕藩権力が民衆からの信頼を 失い,民衆を支配する力を失ったことを説明できる。 6 単元の指導計画(6時間) ゴシック体の部分が本時 授業タイトル 主課題 時間配当 (1) 開国と開港 ~和親条約と通商条約~ ①幕府が開国・開港したのはなぜか? ②条約改正が明治政府の主要な外交課題となる のはなぜか? 2時間 (2) 開国と倒幕運動 ~開国の国内政治への影響~ ①開国・開港の過程で,幕府の大名への統制力が 弱まり,尊攘運動が強まったのはなぜか? ②尊攘運動に代わって倒幕運動がおこり,大政奉 還によって幕府が滅亡したのはなぜか? 2時間 (3) 開港の影響と民衆運動 ~開国の国内経済・社会への影響~ ①開港後に一揆が多発したのはなぜか? ②幕末に打ちこわしの形態の一揆が増加し,「世直 し」を目的とする一揆が発生したのはなぜか? 2時間 (本時 2/2) 7 単元の評価規準(本時を含む) ゴシック体の部分が本時 関心・意欲・ 態度 江戸幕府が滅亡し,明治政府が成立していく原因・過程を探求していくことに関心と課題意識 をもち,課題解決に向けて主体的に取り組もうとする態度がある。 思考・判断・ 表現 (1) ①1853 年~1854 年,ペリーの開国要求に対し,幕府は要求を受諾して開国すべきであるか, 要求を拒否して鎖国を維持すべきであるか,自分の意見を述べることができる。
②幕末に結ばれた不平等条約を改正するためには,どのようにすれば良いか,予測し,意見を 述べることができる。 (2) ①開国・開港の過程で,幕府が諸大名に意見を求め,朝廷に勅許を求めて,幕府独裁を放棄 しようとしたのはなぜか,予測し,意見を述べることができる。 ②倒幕運動が起こる中,将軍が大政奉還をおこなって,自ら幕府政治に幕を引いたのはなぜ か,予測し,意見を述べることができる。 (3) ①開港後に一揆が多発した原因を開港後の居留地貿易と百姓の階層分化から予測し,意見 を述べることができる。 ②百姓一揆の形態が,代表越訴型から惣百姓強訴型,さらに打ちこわしへの変化の原 因を百姓の為政者観から予測し,意見を述べることができる。 ③明治維新後の百姓(農民)一揆の発生状況から,明治政府の民衆支配のあり方を予 測し,意見を述べることができる。 資料活用の 技能 ①開国・開港に関する資料から,探求に必要な情報を読み取る技能を身に付けている。 ②史料を読解し,キーワードと探求に必要な記述をピックアップする技能を身に付けている。 ③統計・グラフ・図などから,探求に必要なデータを読み解く技術を身に付けている。 知識・理解 (1) ①江戸幕府が,欧米列強諸国と和親条約・通商条約を結んで開国・開港に至った理由を,19 世紀半ばの国際情勢(とくに東アジア情勢)から説明できる。 ②和親条約・通商条約に含まれる不平等条項が国家主権を侵害する内容である(=独立国と して国際社会から承認されていない状態を意味する)ことを説明できる。 (2) ①開国・開港要求の外圧という形で国際社会に直面したとき,江戸幕府が挙国一致体制構築 のために「勅許」を求めた理由を大名領国制の矛盾から説明できる。 ②開港から幕府滅亡の政治過程における公武合体・尊攘運動,倒幕運動,そして大政奉還 推進した諸勢力の行動原理とその背景を説明できる。 (3) ①開港・居留地貿易の拡大によって,急激な物価高が生じたことを説明できる。 ②開港後の物価高と百姓の階層分化の進行から,幕末に多数の一揆が発生した理由を説 明できる。 ③百姓の公儀(幕府)への信頼・期待が失われていった様子を,江戸時代における百姓 一揆の形態の変遷(幕末においては,「打ちこわし」「世直し」一揆の増加)から説 明できる。 8 使用教科書・副教材 教科書 「詳説日本史B」 (山川出版社) 副教材 「ビジュアルワイド図説日本史」(東京書籍),「新編史料日本史」(とうほう) 9 参考文献 1)横山十四男著 『百姓一揆と義民伝承』(歴史新書85) 教育社 1977 年 2)深谷克己 「幕藩制社会と一揆」(『一揆/一揆史入門』(東大出版会)所収 1981 年) 3)週刊朝日百科 日本の歴史 86 近世から近代へ⑥ 世直しとええじゃないか 朝日新聞社 2004 年
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Ⅱ.授業展開
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(3)-② 開港の影響と民衆運動(2/2時間) …本時 (●は,本時の主題) 学習内容 発問(教師の活動) 資 料 教授・学習活動 生徒が習得していく知識 導 入 貿易の拡大と 百姓一揆(前 時の復習) 幕末の動乱と 百姓一揆(本 時 の 課 題 提 示) ○1861~1867 年の開港後の貿易が 拡大していった時期に,百姓一揆 が激増したのはなぜか? ●1861~1867 年の幕末の動乱(江 戸幕府の滅亡)と百姓一揆の激 増はどのような関係にあるのだ ろうか? 前時のノート T:発問する。 P:各自がまとめ たノートを読 み確認する。 T:発問する。 P:予測する。 ○百姓の階層分化によって貧しい百姓が増加した農村 を,開港による物価高騰が直撃したから,百姓一揆が 激増した。 ●本時は,1861~1867 年の幕末の動乱(江戸幕府の 滅亡)と百姓一揆の激増はどのような関係にある のか探求する。 展 開 百姓一揆の形 態 百姓一揆の形 態変化 百姓一揆の形 態分析 代表越訴型 強訴型 打 ち こ わ し 型 百姓の階層分 化と一揆 ○百姓一揆にはどのような形態が あるか? ○百姓一揆の形態は時期によって, どのように変化しているか。 ・慶安・延宝期(1640~1679) ・享保・宝暦期(1720~1769) ・天保・幕末維新期(1830~1871) ○江戸時代前半(享保まで)は代表 越訴型が中心であるのはなぜ か? ・代表越訴型一揆では,百姓はど のようにして問題解決をはかろう としていると考えられるか? ・江戸時代前半(享保まで)の百 姓が為政者に信頼していたのは なぜか? ○享保期以降になると,百姓一揆が 強訴中心となるのはなぜか? ・強訴型一揆では,百姓はどのよ う にして問題の解決をはかろう としていると考えられるか? ・享保期以降に百姓が為政者を 信頼しないのはなぜか? ○幕末になると,百姓一揆に打ちこ わし型が急増するのはなぜか? ・代表越訴・強訴型と打ちこわし型 の違いはどこにあるか? ・百姓が為政者に訴願しないのは なぜか? ○史料では百姓一揆はなぜ起こると 論評しているか? 図説 2 おもな百 姓一揆と打 ちこわし プリント資料 「百姓一揆 形態別発生 件数の推 移」 史料集 『世事見聞 録』 T:発問する。 P:答える。 T:補足説明す る。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:予測する。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:予測する。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:予測する。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 ○百姓一揆は,広い意味では違法な手段による「お上」 に対する要求運動を意味し,その手段により, ①代表越訴型…村役人クラスが死を覚悟し,村民を代 表して,代官などをとび越えて領主に願いを訴え る。(いわゆる直訴) ②惣百姓一揆(強訴型)…一般農民を含む全ての農 民(時には村を越えて広域に)が大挙して参加,領 主に詰め寄り,強引に訴え,要求をのませる。 ③打ちこわし型…(領主に訴えることなく,)不正を行う 商人や役人の家宅などを襲撃し,壊す。 …などに分類できる。 ※その他にも愁訴,逃散などの分類もあるが省略する。 ・慶安・延宝期は,代表越訴型が最も多く,打ちこわしは ない。 ・享保・宝暦期は,強訴型が最も多くなり,打ちこわしも起 こり始めた。 ・天保・幕末維新期は,強訴が最も多いが,停滞気味で ある。代わって打ちこわし型が急増している。越訴は減 少に転じた。 ・代表越訴型一揆では,百姓には為政者への信頼があ り,百姓の声が届けば,為政者によって問題を解決し てもらえると信じていた。 ・権力者が百姓の生活の保障を大前提として,年貢を徴 収しているから。 「財の余らぬ様,不足なき様に不足なき様に不足なき様に…」 不足なき様に 百姓の余剰を完全には収奪しない。(農間余業から得ら れる収益の黙認)=幕藩財政にゆとりあり 幕藩権力と百姓は共存関係幕藩権力と百姓は共存関係幕藩権力と百姓は共存関係幕藩権力と百姓は共存関係にある。 ・享保期以降は,百姓が数の力で為政者を恐喝し,要求 を認めさせようと考えている。 ・為政者は,政権維持のために百姓の「幸福」を全く無視 して,年貢を徴収している。《享保改革》 「胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出る絞れば絞るほど出る絞れば絞るほど出る絞れば絞るほど出るものなり」 =百姓の余剰をめぐり,幕藩権力と百姓が階級的幕藩権力と百姓が階級的幕藩権力と百姓が階級的 幕藩権力と百姓が階級的 に対立 に対立 に対立 に対立するようになったするようになったするようになった。するようになった。。 。 ・代表越訴・強訴型は,手段は異なるが,為政者に訴願し ている。打ちこわし型では為政者に訴願していない。 ・為政者に訴願しても問題解決しないと考えているからで はないか。 (為政者に起因する問題ではない,もしく は,為政者に問題解決の能力がない。) ○史料では,一揆は必ずしも領主が年貢を責め取るから 起こるのではなく,一揆が起こる場所では「福有人」と 「困窮人とが偏っていて,其土地の「有余のもの」が大勢 の「小前」から富を奪っているので,その苦痛から一揆 が起こると分析している。世直し一揆 ええじゃないか ○史料のような福有人と困窮人とが 偏っている農村で一揆がおこるの はなぜか? ○福有人と困窮人とが偏っている農 村でおこる一揆は,どのよう人々 が誰を攻撃するのか? ○福有人と困窮人とが偏っている農 村では,一揆はどのような形態を とるか?また,それはなぜか? ○プリント資料の武州一揆はどのよ うな一揆か? ○同様な一揆に降参した物持ちの 降参状では一揆衆に何を約束し ているか? ○一揆衆が掲げた旗や降参状にあ る「世直し」とはどのような意味 か? ○打ちこわしを行う一揆衆が,「世直 し大将軍」や「世直し大明神」を持 ち出したのはなぜか? ○幕末に,自らの行為を正当化する ため,「神」的な権威を持ち出した 騒動は起きていないか? ○世直し一揆と「ええじゃないか」の 共通点は何か? 図説 4百姓一揆 の形態 プリント資料 「武州一揆」 図説 「おもな百姓 一 揆 と 打 ち こわし」 図説 1 乱舞する 民衆 史料集 え え じ ゃ な いか運動 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:答える。 T:補足説明す る。 T:発問する。 P:答える。 ○富はごく一部の地主(豪農)層に集中し,多数の百姓 は貧しく,格差が拡大するため。 =一揆が発生しやすい状況が村内でつくられる。 ○貧しい百姓=小作層にとって、富を奪い取るのは,領 主ではなく、高額の小作料を取る地主。 ○小百姓・小作人らは,村役人となった地主(豪農)の不 正を追及し,公正な村の運営を求める村方騒動を起こ した。 ○一揆の原因は年貢など為政者に起因するものではな一揆の原因は年貢など為政者に起因するものではな一揆の原因は年貢など為政者に起因するものではな一揆の原因は年貢など為政者に起因するものではな いので,為政者に訴願しても解決しないため,打ちこ いので,為政者に訴願しても解決しないため,打ちこいので,為政者に訴願しても解決しないため,打ちこ いので,為政者に訴願しても解決しないため,打ちこ わし型の形態をとることが多い。 わし型の形態をとることが多い。わし型の形態をとることが多い。 わし型の形態をとることが多い。 ○困窮した百姓たちが,物持ち(富裕層)に米の安売り, 借金の帳消しなどを求めた打ちこわし型の一揆。 ○物持ちは一揆衆に貸金・質物など全て返し,穀物はい くらでも差し上げることを約束して,打ちこわしを免れて いる。 ○「世直し」とは,不正な世を正して,あるべき世の中に 戻すこと。 ○不正とは貧富の差(福有人と困窮人とが偏っている状 態)。貧しい者が物持ちから富を奪うことで,世の不正 を正すことができる。 ○自らの行為を正当化するため,世を正そうとする 「大 将軍」や「大明神」の権威(虚構の権威)を持ち出した。 ○一揆の原因である「社会の不正」は,幕府や藩などの 既存の政権が解決できる問題ではないので,打ちこわ しによって百姓自らが「世直し」を行う以外に解決の方 法はない。 ○1867 年に発生した「ええじゃないか」の民衆の集団乱 舞は,空から伊勢神宮のお札が降ったという噂を契機 に始まった。 ○「ええじゃないか」では,男女の倒錯,酒食接待強要な ど封建的秩序からの民衆の解放へのエネルギーの爆 発が見られる。 ※「ええじゃないか」の囃子には「世直し,ええじゃない か…」が見られる地域もある。 ○階層分化(格差)の拡大,封建社会秩序など既存の社階層分化(格差)の拡大,封建社会秩序など既存の社階層分化(格差)の拡大,封建社会秩序など既存の社階層分化(格差)の拡大,封建社会秩序など既存の社 会への民衆の不満がピークに達しており,それを幕府 会への民衆の不満がピークに達しており,それを幕府会への民衆の不満がピークに達しており,それを幕府 会への民衆の不満がピークに達しており,それを幕府 や藩などの既存の政権は解決できないことを民衆が や藩などの既存の政権は解決できないことを民衆がや藩などの既存の政権は解決できないことを民衆が や藩などの既存の政権は解決できないことを民衆が 認識している。 認識している。認識している。 認識している。 ※その一方で,世直し一揆にも「ええじゃないか」にも, 幕藩にかわる新政権への構想・展望はない。 終 結 幕末の動乱と 百姓一揆(本 時の課題解 決) 明治維新の 民衆支配の 方向性(次時 の課題提示) ●幕末の動乱(江戸幕府の滅亡) と打ちこわし型の世直し一揆の 増大,「ええじゃないか」の発生 はどのような関係にあるのだろ うか? ○明治新政府に対して,百姓・民衆 と地主・高利貸・商人はそれぞれ どのような政治を期待したのか? ○明治になって,百姓一揆(農民騒 擾)は減少したか? ○明治維新の民衆支配はどのような 方針で進められたと予想される か? 教科書 「明治初 期 の農民騒擾 の 発 生 件 数」 T:発問する。 P:ノートに短文 でまとめる。 P:ノートにまと めた短文を 発表する。 T:発問する。 P:予想し,答え る。 T:発問する。 P:答える。 T:発問する。 P:予想し,答え る。 ●世直し一揆や「ええじゃないか」の発生は,幕藩社会 に対する民衆の不満の高まり,及び問題解決力がな い幕藩政治に対する民衆の失望を意味している。 したがって… 世直し一揆や「ええじゃないか」が発生する事態が 起こると,民衆は幕府を支持しないので,幕府は滅 亡する。 《百姓・民衆》 ○困窮した百姓たちが救われる社会。 格差が解消され る社会。 身分など封建的束縛から解放される社会… 《地主・高利貸・商人》 ○百姓の打ちこわしを押さえ込む強い政府。 地主・高 利貸・商人の経営が保証される社会… ※新政府の改革政治は「御一新」とよばれ人々から期待 された。 ○戊辰戦争の後,収束していくが,1880 年代には爆発 的に急増している。 ○困窮した百姓が救われる社会には,なっていないのか もしれない…