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■特集

— ホモ・クオリタス:過剰に意味を創り出す認知の理解に向けて

研究論文

美術初心者は絵画から何を読み取るか?

― 具象絵画鑑賞時の発話による探索的な検討

田中 吉史 

Beginners of art appreciation generally have “reality constraints” in that they show a strong tendency to insist on identifying depicted objects and their realistic expression in artwork. We examined the effect of reading commentaries on artwork on the relaxation of reality constraints and the time taken by appreciators to respond to paintings. In the first session of the experiment, 24 pairs of participants appreciated one of two paintings: either one by van Gogh (“Terrasse du caf´e le soir”) or one by Sisley (“Landscape in summer”). In the second session, the participants appreciated two paintings, by Renoir and Matisse, with the help of any of the following three methods: reading commentaries on the objects depicted in each painting, reading commentaries on the formal aspects of the paintings, and reading no commentary. In the third session, the participants viewed a painting (either van Gogh’s or Sisley’s) that they had not viewed in the first session. In each session, the participants freely talked to one another while viewing the painting for 5 minutes. The verbal protocols and gestures, such as pointing to objects in the painting, in the first and the third sessions were analyzed. In the case of the van Gogh painting, the participants generally tended to focus on the salient objects in the painting in the early stage of appreciation and to gradually shift their attention to more peripheral objects. The participants shown the formal commentary tended to focus on formal aspects of the painting, especially on the exaggerated perspective integrating the objects. On the contrary, in the case of the Sisley painting, the participants showed a strong tendency to insist on identifying the depicted objects. The characteristics of the paintings and the effects of the commentaries are discussed.

Keywords: art appreciation(芸術鑑賞), cognitive constraints(認知的制約), constraint relaxation(制約緩和)

1. は じ め に

1.1 主体的・能動的過程としての美術鑑賞 20世紀後半の美学や文学,美術,音楽など幅広 いジャンルの作家,批評家において重視されている ことの一つに,作品の鑑賞において鑑賞者が持つ主 体性や能動性がある(Barthes, 1968; Cage, 1961; Duchamp & Cabanne, 1967; Eagleton, 1983; 近 藤, 2004; 佐々木, 2004).佐々木(2004)によると,

What Do Art Novices See in Paintings? — An Exploratory Study on Conversation in Appreciation of Representational Paintings, by Yoshifumi Tanaka (Kanazawa Institute of Technology).

18–19世紀の美学で考えられていた美的体験とは, 概念を廃して虚心坦懐に快感情を得る感性的な体験 であったが,1960年代以降に現れた大きな思想的潮 流においては,鑑賞とは鑑賞者が自らの持つ概念を 用いて能動的に解釈していく過程として捉えられる (p. 18–19).また芸術家自身によって「芸術家は自分 の作品の本当の意味を意識していない」(Duchamp and Cabanne (1967), p. 144),あるいは鑑賞者に 向けたメッセージの伝達を意図して制作しているわ けではない(Cage, 1961;近藤, 2004)と表明された り,そもそも作者の意図を前提とした読解自体も否 定されたりする(Arenas, 1998; Barthes, 1968)こ ともある.

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こうした潮流は,美術鑑賞教育においても大きな 影響を与えている(Mayer, 2005; 石崎・王, 2010; Lachapelle, Douesnard, & Keenlyside, 2009).現 在の鑑賞教育では,鑑賞者は自分自身の鑑賞体験を 生み出す創造的な主体として捉えられ(Lachapelle et al., 2009),鑑賞者自身の主体的な鑑賞体験が重視 されるようになってきている(石崎・王, 2010).例え ば,対話型鑑賞(Arenas, 2001)やVisual Thinking Strategies (VTS) (Yenawine, 2013)などの鑑賞法 では,美術の専門的な知識や作者の意図などを先に 与えるのではなく,鑑賞者同士の対話を通して,作 品の持つ意味を能動的に引き出していくことが重視 されている.王・石崎(2007)によれば,理想的な 鑑賞とは,鑑賞者がそれぞれ多様な見方をし,互い に交流することを通じて,さらに深い見方を見つけ ていくという過程と考えられる. 1.2 美術初心者が持つ制約 しかしながら,鑑賞者が「自由に」作品を鑑賞し て自身の独自性や創造性を発揮する,ということは それほど容易なことではないであろう.多くの思考 研究からは,我々が問題解決を行うとき,問題の見 えや先行経験などに起因する制約によって,洞察や 新規なアイデアの生成が阻害されることが示され ている(Finke, Ward, & Smith, 1992; 開・鈴木, 1998). 一つの芸術作品からは,様々な情報を読み取るこ とができるが,これまでの絵画の認知に関する多 くの研究では,美術に関する素人の鑑賞者は,絵 画に描かれた事物が何であるかを同定することに 固執しがちであることが指摘されている.Cupchik (1992)は,美術鑑賞時に処理される情報を,作品 の表す外的な対象物に関する意味的情報(semantic information),作品内の要素間の関係に関する構文 的情報(syntactic information)に分けている.そ して,美術に関する知識の少ない人々は前者の情報 にのみ注目する傾向があることを指摘し,この傾向 を認知バイアスと呼んでいる.

ま た ,Schmidt, McLaughlin, and Leighten

(1989)は美術史の専門家と素人に対して,具象画と 抽象画を呈示して,自由記述をさせ,その内容を分 析した.その結果,素人は具象画に対してはその意 味内容や喚起された気分に対する言及が多く,色, 線や形など形式的要素への言及が少なかったが,抽 象画に対してはそれとは逆の傾向が見られた(同様 の結果は田中・松本(2013)でも得られている).一 方,専門家の自由記述では形式的要素や絵画のスタ イルに関するものがほとんどであった.

Leder, Belke, Oeberst, and Augustin (2004)の 提案した美術鑑賞における認知過程のモデルによる と,対象が芸術作品などの美的対象物かどうかの分 類を行った後,その対象物の知覚的分析と潜在記憶 的な処理という2つの自動的処理を行い,その後, 熟慮的処理の段階として,顕在的な知識を用いた作 品の様式や内容に関する分類と,さらに作品の解釈 と評価,感情的反応の喚起が行われる.このうち, 熟慮的処理の段階では,美術の素人は,作家の様式 に関する専門知識を持たないために,その作品に何 が描かれているか,ということの判断にとどまって しまう,とされている. 美術鑑賞能力の発達に関する研究においても,発 達段階の比較的初期に,作品の写実性に注目する 段階があることが指摘されている(石崎・王, 1997; Parsons, 1987).Parsons (1987)は,美術鑑賞能力 の発達段階として順に「お気に入り」「美と写実性」 「表現性」「スタイルと形式」「自律性」の5つを設 定している.このうち第2段階である「美と写実 性」では,絵画は何かを再現するものであるという 考え方が支配的であり,作品の主題に着目する.そ して主題がすぐに認識できるような写実的なスタイ ルに価値をおいて絵画に反応する. 一方,石橋・岡田(2010)は,描画においても,美 術初心者が現実世界との視覚的類似性,すなわち 写実性を重視する傾向があることを指摘し,これを 「写実性制約」と呼んでいる.そこで,本稿でも石 橋・岡田(2010)に倣って,美術初心者が絵画中の 事物の特定に固執する傾向のことを写実性制約と 呼ぶ. 1.3 制約緩和の可能性 ところで,多くの美術鑑賞過程のモデルでは,よ り高度な鑑賞が可能になるためには,美術の様式や 歴史に関する専門的で顕在的な知識が必要と考えら れている(Cupchik, 1992; Leder et al., 2004).勿 論,そうした知識が美術鑑賞に大きな影響を与える ことは否定できないが,同時に,高度な専門知識に よらない心的構えなどによっても,描かれた事物の 特定に固執する傾向が生じているのかもしれない.

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近年の創造性に関する認知科学的研究では,認知 的制約の緩和という観点から創造的思考へアプロー チする制約緩和パラダイムが用いられている(Finke et al., 1992; 開・鈴木, 1998).制約は効率的な問 題空間の探索を促し,問題解決をガイドする働きを する反面,洞察や新規なアイデアの生成を阻害する ことがある.制約緩和パラダイムでは,こうした制 約を緩和することによって新たなアイデアが生成さ れ,創造的思考が促進される,と考えられている. 美術初心者が持つ写実性制約も,単なる専門知識 の欠如だけではなく,制約の作用による可能性もあ る.Cupchik (1992)によれば,日常的な場面での 知覚は,対象の持つ機能や意味を重視した実用的な (pragmatic)もので,見ている場面の中の対象物を 同定することに向かうものであり,その場面に含ま れる感覚的な質(陰影や明るさ,肌理など)に気づ くことは少ない.美術の素人はこうした日常生活で の見方を美術鑑賞においても適用するため,作品に 含まれる意味的情報以外の情報には気づかない,と している.言い換えれば,美術鑑賞の初心者は,描 かれたものの意味的側面や内容(Cupchik (1992) のいう意味的情報)に着目する,という制約を持っ ており,それによって,その絵画に含まれる意味的 情報以外の情報,例えば描かれたものの素材の色や 形,構図といった形式的側面(Cupchik (1992)の いう統語的情報)には気づきにくい,と捉えられる. 勿論,絵画の意味的情報に着目すること自体が問題 なのではないが,鑑賞者が作品からより多様な情報 を引き出せるように支援することは,より創造的な 鑑賞へと導く上で重要であると考えられる. 石橋・岡田(2010)は,美術初心者が描画する際 に持つ写実性制約が,抽象画の模写によって緩和さ れることを示している.石橋・岡田(2010)の実験 では美術の様式や表現手法についての体系的な教育 が行われたわけではないが,美術初心者が持つ写実 性制約とは合致しない絵画を模写することが,制約 の緩和につながったと考えられる. 1.4 解説文を読むことによる効果 写実性制約とは合致しない刺激を与える方法と して,鑑賞する作品に関する解説文の呈示がある. 解説文は,鑑賞を支援するための方策として,美術 館では広く用いられており,また,美術館の来場者 に作品と共に作品解説を呈示することが,来場者 のポジティブな評価につながるという報告もある (Temme, 1992).作品の解説やタイトルなどの言語 的な情報が作品の美的評価に与える影響についてこ れまでもいくつかの研究がある(Leder, Carbon, & Ripsas, 2006; Lin & Yao, 2017).しかし,解説文を 読みながら鑑賞する経験が,その後の他の作品の鑑 賞にどのように転移するかを扱った研究は少ない. 田中・松本(2013)は,解説文を読みながら絵画 鑑賞する経験が,その後の鑑賞に与える効果を実験 的に検討した.彼らの実験では,美術初心者の大学 生に5点の絵画を1点ずつ呈示し,気づいたことを 自由記述させるという課題が用いられた.その際, 最初の3点の鑑賞(事前鑑賞)については,絵画と ともに,それに描かれた事物に関する解説文を呈示 される対象物解説文条件,絵画の構図や表現技法に ついての解説文を呈示される構図解説文条件,絵画 のみ呈示される統制条件,事前鑑賞を省略する条件 の4条件を設け,解説文なしで呈示される後半2点 の絵画(事後鑑賞)に対する自由記述を分析した. その結果,事前鑑賞で解説文を呈示された条件では 他の条件よりも記述量が多く,また,構図解説条件 では他の条件よりも絵画の形式的側面に着目した記 述が増え,写実性制約が緩和される可能性が示唆さ れた.ただし,田中・松本(2013)の実験では,得 られたプロトコルの量は全体に少なかった.初心者 の場合,絵画を見て気づいたことが多くあったにも 関わらず美術関連の語彙が少ないため言語化が難し かったという可能性もあるが,同時に,気づいたこ とを書くのが面倒であり,そのため反応が少なかっ た可能性もある. 1.5 より長い鑑賞時間の効果 鑑賞者がより多様な情報を引き出すための方策と して,もう一つ考えられるのは,鑑賞時間をより長 くする,ということである.一般的に言えば,対象 を観察する時間が長くなれば,それだけ抽出される 情報は増加し,それによって結果として多様な情報 を得ることができる可能性はあるだろう.また,時 間経過と共に着眼点が変化していく可能性もある. 一方,美術館における来場者の行動を観察した 研究 (Carbon, 2017; Brieber, Nadal, Leder, & Rosenberg, 2014; Smith & Smith, 2001; Smith, Smith, & Tinio, 2016)では,一般に来場者が一つ の作品を見るのにかける時間は非常に短いことが

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しばしば報告されている.作品を見る時間は,好 みや見る順序(Brieber et al., 2014)や作品のサイ ズ(Carbon, 2017),一緒に鑑賞するグループの人 数(Smith & Smith, 2001)によっても左右される が,作品1点当たりの時間(中央値)はSmith and Smith (2001)で17.0秒,Brieber et al. (2014)で 38.75秒,Carbon (2017)で25.4秒,Smith et al. (2016)で21秒であった.Carbon (2017)は,作品 を見て一旦移動した後また戻ってきて同じ作品を鑑 賞した来場者の合計の鑑賞時間も求めているが,そ れによると中央値43秒であった.いずれにせよ, 作品1点当たりを見る時間は1分に満たない.こ れらの研究では,その鑑賞者がどの程度美術に関す る専門知識を有するのかは不明であるが,いずれに せよ,美術初心者の鑑賞時間も同程度に短いことが 推測される.田中・松本(2013)は,参加者の1点 あたりの鑑賞時間が報告されていないが,これらの 研究を踏まえると,鑑賞時間はそれほど長いもので はなかったことが考えられる. Lachapelle et al. (2009)は,短時間の鑑賞では 非専門家の鑑賞者が持つ潜在的な鑑賞スキルを充分 に発揮できないと考え,より長い時間かけて作品を 鑑賞することがより良い鑑賞につながるかを検討し た.彼らは,34人の非専門家を参加者として,野外 彫刻公園でのフィールド実験を行った.実験の第1 セッションで,参加者は1人ずつ,24の現代彫刻作 品が展示された公園全体を10–15分で自由に見て 回り,鑑賞中の思考内容を発話した(作品1点あた りの発話時間は平均140秒であった).その後,第 2セッションでは,任意の彫刻を選び,5分間黙っ て作品を観察した後,5分以上発話させた.発話内 容を分析したところ,より長時間かけて作品を鑑賞 した第2セッションでは,34人中25人の参加者 で「幅広く大胆に見て考える」「体系的に見て考え る」といったカテゴリーの発話や,作品の要素が全 体に対して持つ意味についての「発見的な仮説」が 第1セッションより増加しており,専門家でない鑑 賞者であっても,時間をかけることでより深い鑑賞 が可能になることを示す結果を得たとしている.た だし,Lachapelle et al. (2009)の実験では,鑑賞 材料は彫刻であり,また第2セッションでは観察と 発話を分けているので,鑑賞中の時間経過とともに どのように着眼点が変化するのか,といった点は検 討されていなかった. 1.6 本研究の目的 これらのことを踏まえ,本研究では田中・松本 (2013)の方法に基づいて,美術初心者の絵画鑑賞 過程において,どのような情報が着目されているか, またそれが解説文を読む経験と鑑賞中の時間経過と ともにどのように変化するか(タイムコース)を, 探索的に検討する.鑑賞中に注目されている情報が 何かについて検討するためには,単に鑑賞後の作品 の美的評価ではなく,鑑賞中の思考内容を分析する 必要があるだろう.本研究では田中・松本(2013) と同様,思考内容の言語データについてテキストマ イニング的な手法を用いて検討する.絵画鑑賞時の 発話に含まれる単語の統計的特徴を検討すること で,初心者の鑑賞過程がどのように進むかの全体像 を把握することができると考えられる.田中・松本 (2013)は単語の頻度にのみ基づいて検討していた が,本研究では単語(と会話中にみられる対象の指 さし)の共起関係も併せて検討する.また上述の通 り,田中・松本(2013)のとった筆記による絵画に対 する反応の収集では,全体に記述量が少なかった. テキストマイニング的な手法をとるためには,ある 程度の量のデータが必要となる.そこで,本研究で は,友人同士2人一組で絵画鑑賞し気づいたこと を発話するという状況設定を行うことで,より多く の反応を収集することを試みる.知人と会話しなが ら鑑賞する,という行動は頻繁に見られ,ごく自然 な状況設定と考えられる.また,会話を維持するた めに何らかの発話を続けなければならないため,自 然に言語化が促されると思われる.さらに,鑑賞中 の様子を録画し,特徴的な行動(ここでは絵画中の 対象物の指さし)も合わせて検討することで,言語 化が難しい側面もある程度捉えることが可能となる と思われる.また,鑑賞時間を長くし,タイムコー スによる変化を検討するため,絵画鑑賞の時間を5 分間とし,1分ごとに発話の特徴を検討する.5分 間という時間設定は,これまでの美術館での鑑賞行 動の研究で報告されてきた作品1点当たりの鑑賞 時間と比べるとかなり長い.鑑賞開始直後の反応を 見ることで,美術館で観察されるような短時間での 鑑賞時の反応を把握することができ,また,さらに 長時間絵画を鑑賞することがどのような効果を持つ のかを検討することも可能となると思われる.さら に,複数の絵画を鑑賞材料とすることで,作品によ る反応の違いを検討する.田中・松本(2013)では

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具象画と抽象画1点ずつのみの反応を検討してい た.しかし,単に具象画,抽象画と言っても1点ご とに様々な特徴があり,それによって鑑賞者の反応 は変化する可能性がある. 本研究では,具象画2点を鑑賞材料とする.これ は抽象画より具象画の方が写実性制約の効果が見ら れやすく,それが解説文や鑑賞時間の経過に伴って どのように変化するのか,ということが検討しやす いと考えられるためである.

2. 方 法

参加者 実験には,美術初心者の大学生48人(平 均年齢21.7歳)が友人同士の2人1組(合計24 ペア,うち男性ペア15,女性ペア5,男女混合ペア 4)で参加した.実験後の質問紙調査によると,通 常の学校教育以外で美術教育を受けた経験のある人 はいなかった.また,1年あたりに美術館を訪れる 回数は中央値0.5回(最頻値0回,最大4回)程度 であった. 鑑賞材料 鑑賞材料として,田中・松本(2013) と同じ,ゴッホ「夜のカフェテラス」,ルノワール 「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」(以上,具象画), カンディンスキー「コンポジションVII」,マティ ス「ピアノのレッスン」(以上,抽象画)の4点に 加え,シスレー「夏の風景」(具象画),モンドリ アン「大きい赤の平面,黄色,黒,灰色と青による コンポジション」(抽象画)の2点,合計6点を鑑 賞材料とした.これらの絵画の画像を,下に作者 名とタイトルを載せて,A3サイズでカラープリン ターにより印刷し,透明なクリアケースに入れたも のを参加者に呈示した.なお,本報告では,これら の6点のうち,後述する事前鑑賞フェーズ,事後鑑 賞フェーズで呈示された2つの具象画(ゴッホ「夜 のカフェテラス」(図1,以下ゴッホ)とシスレー 「夏の風景」(図2,以下シスレー)を分析対象とし た.これらの絵画はともに風景画であり,いわゆる 印象派に属し,一つ一つのオブジェクトの形態がや や曖昧に描かれているという共通点があった.一方, ゴッホが夜の街中を,シスレーが昼間の田園風景を 描いているという点で対照的であった.また,ゴッ ホは,夜の街頭に面して営業する明るいカフェテラ スと背後に続く暗い街路を描いた風景画であり,比 較的明確な輪郭線を持つオブジェクトが多数描かれ ていた.一方,シスレーは,丘の上から見た田園風 図1 鑑賞材料:ゴッホ/夜のカフェテラス 図2 鑑賞材料:シスレー/夏の風景 景を描いた風景画で,手前にある草地と廃屋のよう な建造物,樹木と,その向こうに平野と山脈が描か れていた.またゴッホとは対照的に,対象物の輪郭 は曖昧に描かれていた.なお,抽象画の2点(カン ディンスキー,モンドリアン)はともにタイトルが 「コンポジション」と抽象的で,題名に基づいて何 らかの具体物として解釈することができないもので あり,互いに対照的な特徴を持つものであった.カ ンディンスキーは,様々な色で曖昧な形のオブジェ クトが多数含まれるもので,一方モンドリアンは, 題名で言及された色の様々な大きさの四角形によっ て構成された幾何学的なものであった. 解説文 後述する解説文フェーズでは,2点の絵 画についての解説文も同時に呈示された.ルノワー ルの解説文は田中・松本(2013)と同じものを用い たが,マティスに関する解説文は,予備実験で参加 者から難解との指摘があったため,新たに作成し

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た(これを付録に掲載した).この解説文をA4サ イズの用紙に印刷し,透明のクリアケースに入れ たものを参加者に呈示した.なお,鑑賞後に行った 解説文の分かりやすさの評価(5段階,5=分かり やすい,1=分かりにくい)では,対象物解説文と 構図解説文の間に分かりやすさの差はルノワール (t(30) = 1.42, ns),マティス(t(30) = 0.47, ns)と も有意ではなかった. 実験デザイン 実験は,事前鑑賞フェーズ,解説 文フェーズ,事後鑑賞フェーズの3フェーズから なった(表1).事前/事後鑑賞の絵画の組み合わ せは,ゴッホとカンディンスキーを事前鑑賞,シス レーとモンドリアンを事後鑑賞に用いる条件と,絵 画と事前/事後の組み合わせを逆にした条件の2つ であった.解説文フェーズでは解説文の種類に3条 件(解説文なし条件,対象物解説文条件,構図解説 文条件)設定し,ルノワールとマティスが呈示され た.なお,解説文の種類の3条件(以下,解説文条 件と表記)には,それぞれ8ペアずつ割り当てら れた.また,それぞれの解説文条件の中に,事前に ゴッホとカンディンスキー,事後にシスレーとモン ドリアンを鑑賞するペアが4ペア,事前にシスレー とモンドリアン,事後にゴッホとカンディンスキー を鑑賞するペアが4ペア割り当てられた. 事前鑑賞フェーズは,参加者が解説文を読みなが ら鑑賞する経験をする前に,どのようにそれぞれの 絵画を鑑賞するかを把握するためのもので,手続き の項で述べるように,解説文条件を問わず,すべて の参加者が解説文なしで(つまり同じ条件で)絵画 を鑑賞した.従って,後の分析では,解説文条件ご とに分けずにまとめて分析された.事前鑑賞フェー ズでゴッホとカンディンスキーを鑑賞したのは12 ペア,シスレーとモンドリアンを鑑賞したのは12 ペアとなった. 事後鑑賞フェーズは,解説文を読みながら鑑賞し た経験の後,どのように絵画を鑑賞するかを把握す るためのものであり,解説文条件ごとに区別して分 析された.従って,事後鑑賞フェーズでゴッホを鑑 賞したのは,解説文なし条件,対象物解説文条件, 構図解説文条件それぞれ4ペアずつ,またシスレー を鑑賞したのも各条件4ペアずつであった. 手続き 参加者は2人でマジックミラーの前の長 机に横に並んで着席し,机の上に置かれた絵画を見 ながら自由に会話した.なお,2人のうち1人は話 し手,もう1人は聞き手となり,主として話し手が 気づいたことを話すこと,聞き手は相づちや問いか けを自由に行いながら話し手の発話を促すように教 示し,相談して話し手と聞き手を決めてもらった. 続いて,各絵画を1点につき5分ずつ見ながら,気 づいたことを会話するように教示した.教示の後, 事前鑑賞フェーズの絵画が,1点ずつ解説文なしで 5分間呈示され,参加者は絵画を見ながら自由に会 話した.5分経過したところでその絵画を回収し, もう一つの絵画が呈示され,同様に5分間会話し た.続く解説文フェーズでは,3つの条件のいずれ かで2点の絵画が(対象物解説文条件と構図解説 文条件ではそれぞれの解説文を伴って,解説文なし 条件では絵画のみが)1点ずつ呈示された.参加者 は解説文と絵画を見ながら自由に会話した.解説文 を先に見てから絵画を見るか,絵画と解説文を見比 べながら見るか等については指示しなかった.解説 文フェーズでも,絵画(および解説文)を呈示して から5分経過後に,別の絵画(と解説文)に入れ替 え,同様に5分間会話してもらった.続いて,事後 鑑賞フェーズで,これまでと同様,2点の絵画が1 点ずつ,解説文なしで呈示され,5分間自由に会話 した.これによって各ペア合計6点の絵画を鑑賞し た.鑑賞中は,絵画や解説文に触れたり,指さした りすることは制限しなかった.鑑賞中の様子は,マ ジックミラー越しで正面から録画・録音された. すべての絵画を鑑賞した後,小冊子を渡して以下 の項目について回答を求めた.まず,各絵画を再び 呈示して,それぞれの絵画を実験以前に見たこと があったかどうかとSD法による印象評定を行った (印象評定の結果については今回は省略する).解 説文を読んだ条件では,続いてルノワールとマティ スの解説文を再び呈示して,内容の分かりやすさに ついて5段階で評定してもらった.最後に,性別や 年齢,年間に美術館に行く回数,美術作品の鑑賞と 制作が好きかどうかをそれぞれ「好き」-「嫌い」ま での5段階評定,小学校から高等学校までに美術の 授業を受けたか,また受けた場合は好きだったか, 学校以外に習い事や部活動などで美術の作品制作を ならった経験,好きな美術作家が居ればその名前を 回答してもらった.最初の教示から,質問紙の回答 終了までの時間はおよそ45分であり,終了後に謝 礼として図書カードが渡された.

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表1 実験手続き:鑑賞フェーズ,解説文条件と 絵画の組み合わせ 事前鑑賞フェーズ 解説文フェーズ 事後鑑賞フェーズ ゴッホ, ルノワール, シスレー, カンディンスキー マティス モンドリアン ・解説文なし ・対象物解説文 ・構図解説文 シスレー, ルノワール, ゴッホ, モンドリアン マティス カンディンスキー ・解説文なし ・対象物解説文 ・構図解説文

3. 結 果

3.1 分析方法 事前の教示では話し手と聞き手で役割を決めた が,聞き手も積極的に発言しているペアが多く,話 し手と聞き手の発話にかなりの相互作用が見られ た.そこで,以下の分析では,両者を区別せず,ペ アの発話全体を分析することとした. 事前鑑賞フェーズでは,すべてのペアが解説文の 条件に分かれる前にゴッホとカンディンスキー,ま たはシスレーとモンドリアンを鑑賞しているので, それぞれの絵画について12ペアずつのデータを用 いた.事後鑑賞フェーズでは,事前鑑賞では見な かった絵画について,解説文なし条件,対象物解説 文条件,構図解説文条件に分かれており,それぞれ の絵画と解説文条件の組み合わせで,4ペアずつの データを用いた. まず,録音された会話を以下の手順によりテキス トデータに書き起こした.まず録音された会話を, テープ起こしの専門業者に依頼し,ケバ取りをした 上で逐語的に書き起こした.続いてその書き起こし について,この後のテキストマイニング的な処理に 合わせるため,方言や口語的な表現の修正を,筆者 および実験参加者と同年代の大学生である実験協力 者の2名で確認しながら行った.また,単純な相づ ちや,絵画とは関係ない雑談などの発話は除外した. 会話中は発話と共に絵画中のオブジェクトを指さ す行動が頻出していた.そこで,指さされたオブ ジェクト(以下,指さし対象と呼ぶ)を符号化し, この符号を発話中の指示代名詞に置き換えて,発話 の書き起こしの中に埋め込んで分析することとし た.参加者が手を伸ばして絵画に近づけて手を手前 に引くまでを1回の指さしとした.1つの対象を指 した後,完全に手元に手を戻さず,空中で少し引い てから別の対象を指さす箇所が多かったが,この場 合は別の指さしとした.また,ある点から別の点ま で,手を戻さずに動かす場合には,1回の指さしと した.参加者の行動の録画を見ながら,指さしが生 起したときに画面を一時停止しその対象や場所を特 定した.なお,指さしの動作においては指先が完全 に絵画の表面に触れない場合が多く,またカメラの 位置が絵画の置かれたテーブルの正面斜め上であっ たため,画面上指先が最も絵画に近づいた箇所で も,指先が絵画中のどこを指しているかを特定する のが難しい箇所が少なくなかった.そのため,指さ し対象を特定する際には,同時に現れる発話の内容 も参考にし,筆者と実験協力者の2名で確認しな がら作業を行った.これらの指さし対象を,他の発 話と区別できるようにアルファベットを用いた表記 により符号化した(符号の例が表4,表12に示さ れている).この際,基本的には1つの指さしにつ き1つの符号を割り当てた.発話内容から1回の 指さしで複数のオブジェクトを指していると考えら れる場合には,それぞれ別のオブジェクトとして符 号を割り当てた.また,広い範囲をまとめて指す場 合(例えば表4のCenter)には個別の指さし対象 とは別の符号とした.そして,この符号を発話の書 き起こしの中に埋め込んだ.発話が「これ」など指 示代名詞とともに行われている場合にはその指示代 名詞をその対象の符号に置き換えた(置き換えられ た指示代名詞は以下の分析ではすべてこの符号とし て分析された).また,指示代名詞を伴わない場合 は,その指さしとほぼ同時の箇所に,その符号を埋 め込んだ.この符号も単語の1つとして見なして, 以下の分析に含めた. このテキストデータを,テキストマイニング用ソ フトウェア「Text Mining Studio 5.2.1」((株)NTT データ数理システム)を用いて分析した.日本語解 析エンジンとしてTMStudio3.2を用いて形態素解 析と係り受け分析を行い,この出力を基にこの後 の分析を行った.なお,指さし対象を表す符号は, 「Text Mining Studio 5.2.1」ではいずれも一般名

詞として処理された.

今回収録した自由な会話では,相手の発話の模倣 やオウム返しも多く,話者交代ごとに区切ると個々

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表2 ゴッホに対する発話に含まれる品詞の頻度 品詞 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 名詞 1578 657 565 565 3365 動詞 409 173 148 148 878 形容詞 126 67 78 78 349 副詞 351 126 106 106 689 連体詞 111 44 39 39 233 接続詞 57 25 11 11 104 格助詞 2 0 1 1 4 引用助詞 3 8 0 0 11 副助詞 1 0 0 0 1 助動詞 8 0 0 0 8 感動詞 204 38 46 46 334 合計 2850 1138 994 994 5976 表3 ゴッホに対する発話の各時間ユニットにおけるアイデアユニット数と単語数の平均と標準誤差 時間ユニット 1 2 3 4 5 アイデアユニット数 事前鑑賞 5.08 (0.57) 3.25 (0.27) 3.67 (0.59) 2.75 (0.51) 2.83(0.41) 解説文なし 4.75 (0.41) 3.50 (0.83) 2.75 (0.74) 3.00 (0.61) 3.25 (0.89) 対象物解説文 5.25 (0.41) 3.25 (0.74) 1.50 (0.43) 2.75 (0.22) 3.00 (0.35) 構図解説文 4.75 (0.74) 1.75 (0.74) 1.75 (0.65) 2.75 (1.24) 2.75 (0.65) 単語数 事前鑑賞 25.50 (2.46) 23.92 (3.10) 24.92 (3.91) 23.83 (3.39) 17.58 (2.62) 解説文なし 30.50 (2.56) 27.75 (2.97) 30.25 (2.07) 28.00 (4.84) 30.50 (5.68) 対象物解説文 34.25 (4.85) 13.50 (6.51) 29.00 (7.27) 29.00 (8.81) 25.00 (5.49) 構図解説文 33.50 (3.05) 28.00 (5.01) 2.001 (5.23) 25.00 (2.67) 28.00 (3.24) の文が非常に短くなり,文脈を捉えにくくなる可能 性があった.また,文脈に依存した省略や倒置表現 が多く,係り受け分析が困難であることが考えられ た.これらのことから,各ペアの発話を時間軸に 沿って話題ごとに分割してアイデアユニット(IU) に分けた.これを筆者と1名の実験協力者で独立に 行った.一致率はゴッホ,シスレーとも84%であ り,不一致箇所は協議して調整した.そして,アイ デアユニットを単位としてその中での単語の共起関 係に基づく分析を行った.また,各アイデアユニッ ト中で生起した単語は2回以上出現した場合でも, 1回とカウントした. また,鑑賞中の時間経過に伴う会話内容の変化を 捉えるために,絵画を呈示してから1分ごとの時間 ユニット1-5(以下,単にユニット1-5と記す)に分 け,各時間ユニットで開始されたアイデアユニット をまとめて,発話の特徴の時間的推移を検討した. 3.2 ゴッホに対する発話 3.2.1 ゴッホに対する発話量 はじめにゴッホに対する発話量について検討する. まず,アイデアユニットごとの集計を行う前の,形 態素分析で得られた単語の頻度を見たところ,全条 件のものを合わせた総頻度は5976個であった.田 中・松本(2013)において,同じゴッホの作品に対す る自由記述で得られた単語の総計は1015個であっ たことと比較すると,分析に用いたソフトウェアが 異なることや,指さし対象も含まれることを考慮し ても,田中・松本(2013)よりも多くの言語データ が得られたと言える.鑑賞条件別の各品詞の頻度を 表2に示す.事前鑑賞条件で全体に頻度が多いのは この条件に参加したペア数が他の条件の3倍であ ることによると考えられる.筆記によって反応を求 めた田中・松本(2013)とは違って,「はい」や「あ あ」などの感動詞が多く見られたことも,会話が持 つ特徴と言える. 次に,アイデアユニットを単位とした発話量の指 標を検討する.まず,ペアごと各時間ユニットにお けるアイデアユニット数を求め,その平均と標準誤 差を算出した(表3上段).アイデアユニット数に ついて条件×時間ユニットの2元配置分散分析を 行ったところ,時間ユニットの主効果が有意であっ

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表4 ゴッホに対する発話において高頻度で見られた指さし対象とその頻度 指さし対象 説 明 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 TRC テラス 14 7 10 2 33 ROOF テラスの屋根・天井 9 0 6 3 18 PSN-Sitting テラスの席に座る人々 5 4 4 4 17 PSN-Str-pair 通りにいる 2 人組の人物 6 5 3 3 17 LMP ランプ 7 0 2 7 16 PSN-Ent テラスの入口にある人影 7 1 4 3 15 DOOR 画面左手前のドアのようなもの 4 1 4 5 14 TBL-Str 通りに置かれたテーブル 5 3 2 4 14 ENT テラスにある入口 5 1 4 3 13 BLr 画面右の建物 3 1 6 2 12 PSN-White テラスにいる白い人物 2 4 3 2 11 SKY 空 6 1 3 1 11 C-Yellow 画面中央の黄色い領域を広く指す 3 2 1 4 10 BLr-LIGHT 画面右の建物の灯り 3 2 3 1 9 STR-D 通りの奥の付近 4 3 0 2 9 TBL-f テラス手前に置かれたテーブル 6 1 0 2 9 PSN-Str-f 通りの手前に立つ小さな人物 2 4 1 1 8 STR-f 通りの手前付近 4 0 1 3 8 TREE 画面右の木 2 2 2 2 8 BLl-U 左の建物の上部を指す 3 2 1 1 7 DEPTH 奥行きを表すような動作 2 0 1 4 7 PSN-Str 通りに立つ人々 4 2 1 0 7 PSN-Str-D 通りの奥にある人影 3 3 0 1 7 STAR 星 1 2 2 2 7 STR 通り 3 1 3 0 7 STR-fr 通りの手前右の部分 0 1 4 2 7 TRC-f テラスの手前の部分 3 2 1 1 7 LMP-Stick ランプを支える棒 1 0 3 2 6 た(F (4, 80) = 9.22, p < .05).Ryan法による多 重比較の結果,時間ユニット1はユニット5より 有意にアイデアユニット数が多かった.つまり鑑賞 開始直後は話題の変化が多く,鑑賞が進むにつれて 減少することが示唆された. 以下の意味内容の分析で内容語として分析対象と する名詞,動詞,形容詞について,アイデアユニッ トごとの出現頻度を求め,時間ユニットごとに単語 総数を求めた.(表3下段).単語総数についても同 様に分散分析を行ったが,主効果,交互作用とも有 意なものはなかった. 3.2.2 ゴッホにおける指さし対象 ゴッホに対する発話に含まれる指さし対象の総頻 度は378個であり,72種類に符号化された.その うち,高頻度のものとして頻度6以上のもの(総 頻度のうち約83%を占める)を表4に示す.ここ では各条件全体の頻度を示した.テラス付近のも のが多く指さされており,次いで右側の建物や空, 通りなど周辺の対象物が指さされていた.この中 で特徴的なのは,奥行きを示すようなジェスチャー (DEPTH,具体的には画面中央から手前に向けて 両手や指の間隔を広げるようなジェスチャー)であ る.これは特定の対象物を指しているわけではない が,対象物の配置による構図の特徴を示すものであ り,特に構図解説文条件で多く見られた. 3.2.3 ゴッホにおける高頻度語 ゴッホに対する発話において高頻度で出現してい た内容語として,名詞,動詞,形容詞について,上 位30位までの単語を表5に示す.この中には上述 の方法で符号化された指さし対象も含まれている. 田中・松本(2013)と同様「ある」「いる」「見る」と いった一般的な動詞が上位に多く含まれていた.田 中・松本(2013)では頻度が15位であった「思う」 という動詞が,今回のデータでは2位と高頻度で あった(これに関しては後に主観的印象に対する言 及の分析においてさらに検討する).また,指さし 対象が高頻度語と並んで出現しており,発話に伴っ てかなり頻繁に指さしが行われていることが分か

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表5 ゴッホに対する発話において高頻度で出現していた名詞,動詞,形容詞(上位30位) 単語 品詞 事前鑑賞条件 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 人 名詞 31 12 8 11 62 思う 動詞 22 11 2 13 48 ゴッホ 名詞 27 5 8 3 43 確か 名詞 31 6 3 2 42 わかる+ない 動詞 24 5 5 6 40 見る 動詞 17 6 7 10 40 ある 動詞 17 6 7 7 37 絵 名詞 20 6 7 2 35 描く 動詞 15 5 11 4 35 TRC 名詞 14 7 10 2 33 すごい 形容詞 8 7 7 9 31 明るい 形容詞 8 6 5 7 26 カフェテラス 名詞 11 4 4 5 24 いう 動詞 11 5 5 2 23 見る+できる 動詞 6 7 5 5 23 星 名詞 10 5 4 3 22 良い 形容詞 11 6 4 1 22 いる 動詞 7 7 1 6 21 やる 動詞 11 7 2 1 21 本当 名詞 10 1 5 5 21 する 動詞 5 7 5 3 20 無い 形容詞 9 3 5 2 19 夜のカフェテラス 名詞 7 7 3 2 19 ROOF 名詞 9 0 6 3 18 黄色 名詞 12 2 0 4 18 PSN-Sitting 名詞 5 4 4 4 17 PSN-Str-pair 名詞 6 5 3 3 17 ランプ 名詞 6 1 3 7 17 暗い 形容詞 8 3 3 3 17 大きい 形容詞 6 3 3 5 17 る.また,TRC(テラス,カフェテラス)やLMP (ランプ)や人など,対応する名詞が実際に高頻度 に発話されているものもあるが,同時にROOF(カ フェテラスの屋根,天井)のように,対応する名詞 が発話されていないものも含まれており,これらの 指さしが言語化の容易でない対象物を示すのに頻繁 に利用されていることが示唆された. 3.2.4 ゴッホにおける時間ユニットごとの特徴語 解説文条件別に,発話内容の変化を捉えるため に,時間ユニットごとの特徴語を求めた.ここでは 全体的傾向を捉えるために,各条件の全ペアの発話 をまとめて分析を行った.その際,補完類似度1)を 用い,各時間ユニット内で2つ以上のアイデアユ ニットで出現する単語(ただし,事前鑑賞フェーズ ではペアが他の条件の3倍であることを考慮して, 頻度6以上)を抽出した.その結果を表6に示す. いずれの条件においても,作者名,題名は冒頭のユ ニット1の特徴語となっていた. まず,絵画中の事物に関する発話と指さし対象に ついて見ると,ユニット1ではどの条件でも星とテ ラスが言及されていた.ユニット2以降では,どの 条件でも(対象物解説文条件ではユニット3から) 全体に人や人物に関する言及が多く見られた.また, ユニット3からはテラスの入口(ENT)や入口付近 の人影(PSN-Sitting)への言及が,ユニット4以降 1)補完類似度は,もともと印刷文字認識のために考案さ れた指標 (澤木・萩田, 1995) であるが,データマイニング においても用いられることがある (山本・梅村, 2002).こ こでは,ある単語 (ターゲット単語)が特定の属性(ター ゲット属性)において偏って出現する程度を表す指標と して用いられ,以下の式によって定義される. ac − bd



(a + c)(b + d) ただし,a はターゲット単語がターゲット属性において出 現する頻度,b はターゲット単語がターゲットでない属性 において出現する頻度,c はターゲットでない単語がター ゲット属性において出現する頻度,d はターゲットでない 単語がターゲットでない属性において出現する頻度であ る.補完類似度は,φ 係数と比べて,その単語の出現頻度 の大小に影響されずに,属性間での偏りを際立たせるこ とができるという特徴がある (服部, 2010).

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表6 ゴッホに対する条件別の時間ユニットごとの特徴語(補完類似度) 時間ユニット 1 2 3 4 5 事前鑑賞 ゴッホ(11.42) 人(8.12) PSN-Ent(6.627) ROOF(11.199) 知る+ない(7.613) 見る(8.205) わかる+ない(6.915) 無い(5.64) 確か(5.901) 確か(7.02) カフェテラス(7.189) 絵(6.574) 描く(5.2) わかる(4.886) 大きい(6.02) すごい(6.681) 店(5.551) 人(4.866) ある(4.817) 暗い(5.193) 出る(5.581) 描く(4.322) やる(4.653) TRC(3.664) 普通(4.366) 星(5.498) SKY(4.163) 思う(4.266) 人(3.322) やる(3.953) ひまわり(4.99) ランプ(4.163) いる(4.107) 本当(2.985) PSN-Str-pair(3.186) 黄色(4.315) 暗い(3.116) わかる+ない(3.28) 良い(2.51) 外国(3.186) 油絵(3.807) 知る+ない(2.593) 普通(2.627) PSN-Str-pair(2.307) 街(3.186) 外国(3.299) 普通(2.07) 本当(2.627) SKY(2.307) 見る+できる(3.186) 色(3.299) なる(2.307) 使う(3.186) 知る(3.299) 違う(2.307) 壁(3.186) 色(2.307) 大きい(2.307) 壁(2.307) 解説文なし 夜のカフェテラス(8.379) TRC(6.574) 違う(4.987) やる(6.861) STR-D(6.106) ゴッホ(7.021) カフェ(5.054) 光る(3.992) PSN-Str-f(5.748) TBL-Str(6.106) 絵(4.074) 人(4.093) 作る(3.992) 見る(4.784) 外(5.124) すごい+ない(3.775) いう+?(4.031) 上(3.992) PSN-Str(4.153) いる(4.141) 有名(3.775) 人間(4.031) わかる+ない(2.489)ウエーター(4.153) やる+ない(4.071) すごい(3.544) 酒(3.535) 行く(2.489) 着る(4.153) 椅子(4.071) 灯る(3.246) 大きい+ない(3.039) 星(2.489) PSN-White(3.19) 入る(4.071) カフェテラス(2.716) ある(2.047) 描く(2.489) PSN-Str-pair(2.708) 来る(4.071) いう(2.186) 明るい(2.047) ある(1.988) 確か(2.226) PSN-Sitting(3.088) 違う(2.186) すごい(1.55) 明るい(1.988) 人(1.895) PSN-Str-pair(2.597) 星(2.186) 見る+できる(1.55) 良い(1.988) いう(2.597) 描く(2.186) 対象物解説文 わかる(6.64) TRC(4.564) 雑(4.517) ROOF-square(4.172) 人(6)

わかる+しやすい(5.397) 強い(3.843) SKY(4.074) LMP-Stick(3.692) PSN-Ent(5.5)

夜のカフェテラス(5.397)絵(3.683) 確か(4.074) ランプ(3.692) PSN-Str-pair(3.5) ゴッホ(4.972) 椅子(3.323) 入口(3.631) DOOR(3.213) PSN-White(3.5) 星(4.841) 細かい(3.323) 見る+できる(3.188) TRC(2.902) ENT(3) 良い(4.841) 石(3.323) 人(1.86) する(2.734) STR-fr(3) 光(3.729) カフェテラス(2.802)きれい(1.816) わかる+ない(2.734) 屋根(3) STAR(3.598) いう(2.282) イメージ(1.816) 描く(2.422) わかる+ない(2.5) 教科書(3.598) ROOF(1.761) メイン(1.816) ROOF(2.254) 見る+できる(2.5) ある(3.173) 光(1.761) 感(1.816) 色(2.254) 本当(2.5) 絵(3.173) 気がする(1.816) 無い(2.5) 見る(3.173) 周り(1.816) 部分(1.816) 密度(1.816) 構図解説文 ゴッホ(4.913) 不思議(6.259) 思う(6.084) BLr(3.692) TBL-Str(5.287) 星(4.913) DOOR(5.3) 灯る(5.042) PSN-White(3.692) 見る(4.637) STAR(3.276) わかる+ない(4.981) ENT(3.527) STR-fr(3.692) STR-D(3.869) いう(3.276) すごい(4.022) 普通(3.527) ウエーター(3.692) 一緒(3.869) 知る(3.276) 人(3.383) PSN-Sitting(3.03) 運ぶ(3.692) 台(3.869) 夜のカフェテラス(3.276) TREE(2.81) 扉(3.03) 色(3.692) ランプ(3.736) する(2.665) こわい(2.81) 大きい(2.533) PSN-Ent(3.151) ROOF(3.352) 暗い(2.665) 建物(2.81) 人(2.06) C-Yellow(2.609) 机(3.352) 遠い(2.665) 石(2.81) いる(2.036) PSN-Sitting(2.609) 描く(2.835) ある(2.471) 全体的(2.81) LMP(1.539) 本当(2.067) 見る+できる(2.318) 明るい(2.471) 多分(2.81) 大きい(2.318) 大きさ(2.81) 変わる(2.81) 名前(2.81) 木(2.81) 来る(2.81)

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では(対象物解説文条件ではユニット5)通りにあ る事物(PSN-Str, PSN-Str-f, PSC-Str-pair,TBL-Str)への言及が現れていた.全体に見ると,テラ スや星などの目立ったオブジェクトから,人,テラ スの細部(入口やテラスにる人物),その後,画面 の中では比較的暗い周辺にある通りへと発話が移っ ていくといえる.一方,構図解説文では,ユニット 2で画面左隅に描かれたドアのようなもの(DOOR) や右に描かれた木(TREE)が挙がっており,比較 的早い段階から画面の周辺にも注目されていた. 次に絵画の形式的側面(大きさや明暗,遠近感や 距離など)に関する特徴語に着目する.事前鑑賞条 件ではユニット1で「黄色」「色」など色に関する 特徴語が,ユニット2で明暗(「暗い」)に関する特 徴語が見られ,ユニット4以降で色や大きさについ ての特徴語が出現していた.解説文なし条件ではユ ニット2と3で明暗に関する特徴語(「明るい」)が 出現しているが,これ以外には形式的側面に関する 特徴語は見られなかった.対象物解説文条件では, ユニット3で描き方に関する言及(「雑」)が,ユ ニット4で「色」のみが特徴語として出現してい た.これらに対して,構図解説文条件では,ユニッ ト1で明暗(「明るい」「暗い」)や距離(「遠い」) に関する特徴語が見られ,ユニット2,3,5で「大 きさ」「大きい」など大きさに関する特徴語が,ユ ニット4で「色」が出現していた.つまり,他の条 件と比べ,構図解説文条件では形式的側面に言及す る特徴語が多かった. 3.2.5 形式的要素への言及 次に,形式的要素への言及の特徴についてさらに 検討する.一般に,絵画の形式的要素の中では,色 が最もよく言及されることがしばしば報告されてい る(Parsons, 1987; Schmidt et al., 1989;田中・松

本, 2013)が,上述した特徴語の分析では,色以外 でしばしば言及されていたのは,絵画中の明暗に関 する言及と,対象物の大きさの誇張や遠近の強調・ 歪みに関するものであった.そこで,これらの二つ に注目して分析を行う. 田中・松本(2013)によると,構図解説文条件で は形式的要素への言及が他の条件よりも増加したこ とが報告されている.そこで,今回のデータにおい て,解説文条件と時間ユニットによってどのような 傾向が見られるかを検討する. 表7 ゴッホにおいて明暗の対比に言及する アイデアユニットの比率 時間ユニット 1 2 3 4 5 事前鑑賞 0.049 0.077 0.023 0.091 0.088 解説文なし 0.053 0.143 0.182 0.083 0.000 対象物解説文 0.095 0.000 0.167 0.091 0.083 構図解説文 0.158 0.000 0.143 0.182 0.182 表8 ゴッホにおいて遠近・大きさに言及する アイデアユニットの比率 時間ユニット 1 2 3 4 5 事前鑑賞 0.000 0.026 0.091 0.152 0.147 解説文なし 0.000 0.214 0.182 0.167 0.077 対象物解説文 0.048 0.154 0.167 0.091 0.250 構図解説文 0.105 0.429 0.286 0.091 0.273 3.2.5.1 明暗への言及 単語の中で明暗に関するものとして,「明るい」「暗 い」「暗さ」「陰陽」という単語を含むものを明暗に 言及したアイデアユニットとし,各条件の各時間ユ ニットに含まれるアイデアユニットに占める比率を 算出した(表7).全体にどの条件でも最初の時間 ユニットから明暗に関する言及が見られた.また, 変動はあるものの,全体として構図解説文条件の方 が他の条件より多いという傾向も見られなかった. 3.2.5.2 遠近・大きさへの言及 発話の中に「遠近感」「奥行き(感)」「遠近法」 「距離->おかしい+ない」「大きさ->おかしい+な い」「比率->おかしい+ない」「対比->おかしい+ ない」「比率->おかしい」「対比->おかしい」「違和 感+ない->おかしい」「わりと->おかしい」「大き い」「大きい+ない」「小さい」「小さい+ない」「小さ い+すぎる」「大きい+すぎる」「大きい」「大きさ」 という単語や係り結びを含むアイデアユニットを, 遠近・大きさに言及するアイデアユニットとした. 条件ごとに各時間ユニットで遠近・大きさに言及 するアイデアユニットの占める比率を表8に示す. 事前鑑賞条件,解説文なし条件では時間ユニット1 では遠近・大きさには言及されていなかった.それ に対して,解説文を読んだ2条件では鑑賞開始直 後(時間ユニット1)ですでに遠近・大きさに言及 していた.特に構図解説文条件では時間ユニット4 以外のユニットで一貫して他の条件よりも遠近・大 きさへの言及が多かった. 次に,遠近・大きさについて主にどのような対象

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図3 ゴッホにおける遠近・大きさへの言及を含むアイデアユニットにおける単語の共起ネットワーク 物と関連して言及されているのかを検討するため

に,条件ごとに,遠近・大きさに言及するアイデア ユニットを抽出し,「Text Mining Studio 5.2.1」の 「ことばネットワーク」を用いて,単語の共起ネッ トワークを作成した.その際,共起回数が2回以上 のものを抽出,最低信頼度を602)とし,名詞,形容 詞,形容動詞,動詞を用いた(図3).事前鑑賞条件 (図3 (a))では,大きさに関する単語は人,扉など 特定の対象物とのみネットワークを形成していた. 解説文なし条件(図3 (b))では,大きさは人間(通 りの奥の人影PSN-STR-D)と星,また「遠近感」 はテラスの手前部分(TRC-f)とのみネットワーク を形成していた.対象物解説文条件(図3 (c))では, カフェの入口(ENT)とその付近の人影(PSN-Ent) が,大きさに関する単語とネットワークを形成して いた.これらの条件では,特定の対象物の大きさに 2)信頼度は事象 X が生じた条件の下で事象 Y が生じる 場合の条件付き確率を表す.この場合,各アイデアユニッ トに単語 X が含まれるとき,単語 Y が含まれる確率を指 す.最低信頼度が 60 以上ということは,共起ネットワー クにおいて互いにリンクされた単語は,片方が存在する ときにもう片方が出現する確率が 60%以上であることを 意味する. ついて言及されていることが示唆される.一方,構 図解説文条件(図3 (d))では,大きさだけでなく, 「比率」や「奥行き」「遠近感」といった単語が,ラ ンプ(LMP),人物,扉(DOOR),屋根(ROOF), 入口(ENT)など,カフェテラスを中心とした様々 な対象物と共起しており,またその中に,奥行きを 示すようなジェスチャー(DEPTH)が含まれてい た.このことから,構図解説文条件では複数の対象 物を関係づけて,絵画の全体的な遠近感を捉えてい ることが示唆される. 3.2.6 ゴッホにおける主観的印象の言及 田中・松本(2013)の報告では,構図解説文条件 においては,単に絵画に描かれたものを述べるだけ でなく,「と思う」「に見える」など主観的な印象や 解釈を表明する記述が増加していた.そこで,今回 のデータでも同様の傾向が見られるかを検討した. ここでは「思う」「感じる」「印象」「イメージ」 「見る+できる」「伝わる」「受ける」「わかる」「驚 く」を含むアイデアユニットを,主観的印象を表明 するアイデアユニットとする.

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表9 ゴッホにおいて主観的印象を表明する アイデアユニットの比率 時間ユニット 1 2 3 4 5 事前鑑賞 0.377 0.333 0.386 0.333 0.265 解説文なし 0.421 0.429 0.364 0.417 0.308 対象物解説文 0.333 0.538 0.333 0.455 0.167 構図解説文 0.421 0.429 0.714 0.273 0.636 表10 シスレーに対する発話に含まれる品詞の頻度 品詞 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 名詞 1878 676 535 574 3663 動詞 930 212 292 255 1689 形容詞 276 100 71 111 558 副詞 362 124 117 129 732 連体詞 94 32 38 20 184 接続詞 65 29 29 19 142 格助詞 1 0 0 0 1 引用助詞 2 0 0 1 3 副助詞 2 0 0 0 2 助動詞 3 0 1 1 5 感動詞 147 63 59 63 332 合計 3760 1236 1142 1173 7311 表11 シスレーにおける各時間ユニットにおけるアイデアユニット数と単語数の平均と標準誤差 時間ユニット 1 2 3 4 5 IU数 事前鑑賞 4.75(0.39) 3.92(0.66) 3.67(0.53) 3.085(0.66) 3.92(0.61) 解説文なし 6.00(0.58) 4.00(0.58) 3.50(0.65) 3.50(0.29) 5.00(1.96) 対象物解説文 5.00(0.71) 4.50(0.87) 3.00(0.71) 3.00(0.42) 2.50(0.65) 構図解説文 6.25(0.95) 5.00(0.82) 4.25(0.75) 4.25(0.75) 3.50(0.50) 単語数 事前鑑賞 35.84(3.86) 29.08(3.23) 32.75(3.74) 32.92(5.11) 28.75(4.24) 解説文なし 39.25(6.79) 34.25(7.50) 23.25(4.33) 25.00(3.67) 27.25(10.47) 対象物解説文 35.00(5.28) 34.25(3.40) 22.00(7.45) 32.00(5.64) 20.50(7.03) 構図解説文 35.75(4.92) 32.75(9.59) 29.25(8.04) 28.75(4.01) 29.25(7.15) 各条件の時間ユニットごとに,主観的印象を表明 するアイデアユニットの比率を表9に示す.変動は あるものの,どの条件においても主観的印象を表明 するアイデアユニットが15%から40%程度含まれ ており,条件の差も見られなかった.つまり,一人 で筆記する状況(田中・松本, 2013)とは異なり,他 者と会話する状況では主観的印象の表明が多く見ら れ,条件による差は見られなかった. 3.3 シスレーに対する発話 3.3.1 シスレーに対する発話量 シスレーに対する発話量について検討する.ゴッ ホと同様,アイデアユニットごとの集計を行う前の, 形態素分析で得られた単語の頻度を見たところ,全 条件のものを合わせた総頻度は7257個であり,全 体にはゴッホよりも発話量は多かった.鑑賞条件別 の各品詞の頻度を表10に示す.ゴッホ(表2)と 比較すると,全体に動詞,形容詞の頻度が高かった. 品詞のうち,頻度の多かった名詞,動詞,形容詞, 副詞,連体詞,接続詞,感動詞について,ゴッホとシ スレーで比率に差があるかχ2検定を行ったところ 有意であり(χ2(6, N = 13252) = 194.85),残差分 析の結果,動詞と形容詞はシスレーの方が多く,名 詞,副詞,連体詞,感動詞はゴッホの方が多かった. 次に,アイデアユニットを単位とした場合の発 話量の指標を検討する(表11).まず,各時間ユ ニットにおけるアイデアユニット数(表11上段) について条件×時間ユニットの2元配置分散分析を 行ったところ,時間ユニットの主効果が有意であり (F (4, 80) = 5.88, p < .05),Ryan法による多重比

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表12 シスレーにおける指さし対象の一覧と条件別の出現頻度 指さし対象 説 明 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 BLl 左隅の建物 18 9 6 9 42 BLc 中央付近の建物 19 7 5 9 40 HMld 画面左下の人物 17 9 4 7 37 WHc 中央右の白い部分 13 3 3 7 26 Center 画面の中央付近 (漠然と) 8 3 1 5 17 BRrd 右下の柵 6 6 0 3 15 GR 下の草むらを差す(広い範囲) 10 1 1 2 14 MTrl 中央左右の山並みをなぞる 8 2 2 2 14 SKY 空全体 6 2 1 5 14 TRr 右端の木 8 1 1 1 11 LNDrl 画面中央の遠景を左右に点々と指す 5 2 1 1 9 SKYl 画面左の空を指さす 4 2 1 2 9 YLcd 中央やや右下の黄色い一点を指す 2 3 2 1 8 GRr 下部右の草むらを差す 2 4 1 0 7 LNDl 画面左の遠景を差す 3 2 1 1 7 Left 左端を指さす 3 1 2 0 6 MTr 画面右の遠い山 4 1 0 1 6 SKYc 空の中央を指す 0 2 1 3 6 WHcd WHcの下の部分 3 2 0 1 6 較の結果,ユニット1とユニット2は他のすべて のユニットより有意にアイデアユニット数が多かっ た.つまり,ゴッホと同様,鑑賞開始直後は話題の 変化が多く,鑑賞が進むにつれて減少することが示 唆された. また,ゴッホと同様,名詞,動詞,形容詞を抽出 し,アイデアユニット内で2回以上出現した単語の 頻度を1回としてカウントした場合の単語総数を求 めた(表11下段).単語総数についても同様に分散 分析を行ったところ,時間ユニットの主効果に有意 傾向が見られた(F (4, 80) = 2.27, p = .07),Ryan 法による多重比較の結果,時間ユニット1はユニッ ト3,ユニット5より有意に単語数が多かった. 3.3.2 シスレーにおける指さし対象 シスレーにおける指さし対象の総頻度は332個 (条件ごとの内訳は,事前鑑賞フェーズ162個,解 説文なし条件66個,対象物解説文条件37個,構 図解説文条件67個)であり,38種に符号化され た.それらのうち,高頻度のものとして全体の頻度 6以上のもの(全体の89%にあたる)と,条件別の 出現頻度を表12に示す.BLl,BLc,HMld,WHc の4つが際立って多かった.これらのうち,HMld, WHcは画面上の大きさは小さいものの,注目され やすかった.また,事後鑑賞フェーズの3つの条件 のうち,対象物解説文では指さしの頻度が他の2条 件よりも少なく,特に表12の中では,絵画中の比 較的広い範囲を指さすCenter,画面の周辺にある 小さな領域であるYLcdは特に少なかった. 3.3.3 シスレーにおける高頻度語 シスレーについての発話において高頻度で出現 していた内容語として,名詞,動詞,形容詞につい て,上位30位までの単語(ただし同頻度のものを 入れて合計31語)を表13に示した.この中には指 さし対象も含まれている.先に品詞の比率について 指摘した通り,シスレーでは動詞,形容詞がゴッホ に比べて多かったが,このことは表13からも確認 できる.最上位の名詞はゴッホと同じ「人」であっ たが,ゴッホでは順位が1位だったのに対し,シス レーでは8位と低くなっている.また,「っぽい」と いう,あるものが別のものに似ていることを示す表 現が上位にあり,絵画中に描かれたものが何に見え るかを表明する発話が多いことが示唆される. 3.3.4 シスレーにおける時間ユニットごとの特 徴語 シスレーに対する発話についても,ゴッホと同様 の方法で,解説文条件別に,時間ユニットごとの特 徴語を求めた(表14).ゴッホと同様,いずれの条

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表13 シスレーに対する発話において高頻度で出現していた名詞,動詞,形容詞(上位30位) 単語 品詞 事前鑑賞条件 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 いる 動詞 64 16 23 19 122 感じる 動詞 65 13 17 18 113 ある 動詞 62 11 17 13 103 する 動詞 48 13 20 17 98 っぽい 形容詞 46 19 9 16 90 無い+ない 形容詞 48 9 11 17 85 いう 動詞 51 6 15 6 78 人 名詞 33 12 9 12 66 思う 動詞 31 4 15 4 54 わかる+ない 動詞 24 7 5 12 48 BLl 名詞 18 9 6 9 42 家 名詞 18 10 5 8 41 BLc 名詞 19 7 5 9 40 見る 動詞 28 5 5 1 39 確か 名詞 21 4 9 4 38 山 名詞 19 8 6 5 38 HMld 名詞 17 9 4 7 37 なる 動詞 20 5 6 5 36 見る+できる 動詞 13 3 11 8 35 良い 形容詞 15 5 10 5 35 夏の風景 名詞 12 5 7 5 29 絵 名詞 18 3 5 3 29 気 名詞 19 4 5 1 29 知る+ない 動詞 15 4 3 7 29 シスレー 名詞 13 6 5 4 28 WHc 名詞 13 3 3 7 26 違う 動詞 12 5 1 8 26 ている+ない 動詞 14 3 3 5 25 すごい 形容詞 11 4 3 5 23 描く 動詞 9 5 3 4 21 木 名詞 12 1 4 4 21 件においても,題名は冒頭のユニット1の特徴語と なっていた. 一方,シスレーでは,ゴッホと比較して形式的要 素に関する特徴語が少なかった.事前鑑賞フェーズ ではユニット1で「オレンジ」,解説文なし条件で はユニット2で「色」「茶色」,対象物解説文条件で はユニット3で「色」,構図解説文条件ではユニッ ト1に「茶色」,ユニット2で「オレンジ」「明る い」,ユニット4で「色」,ユニット5で「青」が それぞれ特徴語として挙がっていたが,いずれも色 に関するものであった.条件ごとに各時間ユニット での指さし対象と他の単語の組み合わせを見てみる と,それぞれの時間ユニットでは特定の指さし対象 に焦点を当ててそれが何かを解釈していたと考えら れる.つまり,参加者は,シスレーに対しては絵画 中のオブジェクトが何かを特定することが多かった と考えられる. 3.3.5 シスレーにおける指さし対象と発話の 関係 前述の通り,シスレーに対する発話では,絵画中 のオブジェクトを指さしながら,そのオブジェクト が何かについて発話されることが多かった.そこ で,指さし対象がどのように解釈されているかを, 「Text Mining Studio 5.2.1」の「注目語分析」を

用いて検討した.注目語には,表12に示した指さ し対象のうち,解釈のしやすさと,頻度の減少の仕 方を考慮して頻度の高いものを8個程度を選ぶこ ととし,各条件での頻度が,事前鑑賞では頻度6以 上,解説文なし条件と構図解説文条件では頻度3以 上,対象物解説文では頻度2以上のものを用いた. また,共起頻度が事前鑑賞フェーズで3以上,解説 文なし条件,対象物解説文,構図解説文条件では2 以上のものを用い,最低信頼度を60とした.また, アイデアユニットの内容と関係なく高頻度で出現し ていた動詞(「いる」「感じる」「ある」「する」「い

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表14 シスレーに対する条件別の時間ユニットごとの特徴語(補完類似度) 時間ユニット 1 2 3 4 5 事前鑑賞 夏の風景(10.257) BLc(11.992) WHc(10.608) する(14.232) 遠い(7.152) っぽい(8.63) 人(10.67) 山(7.538) Center(8.08) 無い+ない(6.787) 確か(7.787) BLl(7.243) 見る+できる(5.677) いう(7.783) なる(6.553) 見る(6.397) いる+ない(7.164) 絵(5.584) 日本(6.671) 畑(6.367) オレンジ(6.324) 確か(5.842) 人(5.305) いる(5.93) 柵(5.121) タイトル(5.784) 感じる+ない(5.762) ている+ない(5.165) 無い+ない(4.447) 木(4.984) MTrl(5.244) 本当(5.762) 淋しい(4.327) イメージ(4.225) BLl(4.846) ある(4.77) HMld(5.101) いる(4.237) 街(4.225) 家(4.846) 空(4.704) BRrd(5.022) HMld(3.63) 見る+できない(3.706) 絵(4.846) わかる(4.163) 家(4.634) っぽい(3.584) 多分(3.706) 気(4.385) 解説文なし 夏の風景(8.342) GRr(4.731) 日本(8.661) 良い(5.88) 空(4.472) いる(6.285) 草(4.731) 汚い(5.947) 人(5.475) 山(4.472) シスレー(5.475) 色(4.164) 描く(5.947) っぽい(5.07) 麦(4.472) 知る+ない(4.406) SKYc(3.531) する(5.145) わかる+ない(4.993) Center(4.025) 違う(3.807) 近づく(3.531) ポジション(4.55) 遺跡(4.511) YLcd(4.025) HMld(3.677) WHc(2.965) 絵(4.111) 街(4.511) ひまわり(4.025) 無い+ない(3.677) 湖(2.965) 無い(4.111) 向こう(4.511) 名前(4.025) 感じる(3.548) 終わる(2.965) 緑(4.111) 住居(4.511) いる(3.578) 廃墟(3.337) 茶色(2.965) すごい(3.671) 竪穴(4.511) ある(3.13) 無い+ない?(3.337) 風景(2.965) ある(3.309) 被る+してほしい(4.511) なる(3.13) 難しい(3.13) 来る(3.13) 対象物解説文 いる(8.205) BLc(8.476) 無い+ない(6.095) 良い(4.87) 懐かしさ(4.585) 夏の風景(7.798) 家(6.191) 山(5.555) YLcd(3.953) 外(4.184) いう(5.657) 橋(5.086) おかしい(4.14) ある(3.811) 木(4.184) 草(4.791) 見る+できない(5.011) 海(3.703) いく(3.447) 夏の風景(2.981) ある(4.536) っぽい(3.831) いる(3.577) ている+ない(3.447) 思う(2.666) シスレー(4.23) 火事(3.39) MTrl(1.852) ひまわり(3.447) 確か(2.179) うそ(3.007) 明らか(3.39) いう+?(1.852) いる(3.258) 人(2.179) 子供(3.007) BLl(3.316) やる(1.852) イメージ(2.435) MTrl(2.092) 本当(3.007) カス(2.8) ガレキ(1.852) 気(2.435) ている(2.092) HMld(2.446) 小屋(2.8) 花(1.852) 高い(2.435) 懐かしい(2.092) 燃える(2.8) 光景(1.852) 形(2.092) 自然(1.852) 長い(2.092) 色(1.852) 無い(2.092) 川(1.852) 来る(2.092) 無い(1.852) 構図解説文 夏の風景(8.594) 高い(5.527) 違う(7.024) する(6.748) 家(6.072) ある(3.94) 夕焼け(4.984) 家(7.024) 色(6.671) ている+ない(5.051) 海(3.438) 感じる(4.54) わかる+ない(5.213) 木(3.883) 無い+ない(4.116) 茶色(3.438) SKY(4.441) 人(5.213) 感じる(3.537) 森(4.029) いう(3.411) 後ろ(3.685) 大きさ(4.417) いる+?(3.46) SKYc(3.533) 感じる(3.332) 状態(3.685) 養豚(4.417) いる(3.114) 建物(3.533) きれい(2.856) 保存(3.685) BLl(3.91) ある(2.864) 混ざる(3.533) 廃れる(2.856) オレンジ(3.142) 柵(3.512) 知る+ない(2.614) 青(3.533) 淋しい(2.856) 田舎(2.599) 知る+ない(2.154) GR(1.942) BLc(3.065) WHc(2.83) 描く(2.599) ある(2.099) 稲刈り(1.942) 雲(3.036) 明るい(2.599) 感じる+ない(1.942) 床(1.942) 塗る(1.942) 日本(1.942) 描く+?(1.942) 平和(1.942) 変える(1.942) 油絵(1.942)

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図4 シスレーにおける条件ごとの指さし対象と発話の関係 う」「思う」「わかる+ない(わからない)」)と,会 話で頻出する「無い+ない(無くない?)」という 同意を求める表現は除外した. 各条件で指さし対象がどのような単語や他の指さ し対象と共起しているかをネットワークによって表 現した(図4).指さし対象とリンクされた名詞か ら,HMldは「人」,WHcは「湖」,BLlは「屋 根」,BLcは「廃墟」や「橋」,SKYは「空」,MTrl は「山」,BRrdは「柵」など,その指さし対象が どのように解釈されていたかが分かる.また,全体 に色や大きさなどの形式的要素に関する単語はほ とんど見られず,ほとんど名詞と動詞のみでネット ワークが形成されていた.HMld(人)に関しては, 事前鑑賞,解説文なし,対象物解説文の3条件では 「(帽子を)被っている」という属性の推定が見られ, また構図解説文条件では「淋しい」「畑仕事をして いる」といった,人物が何をしているのかというこ とについてまで推測されていることが示唆された. 構図解説文条件では,WHcと連結された単語や指 さし対象が他の条件よりも多く,WHcが他の条件 よりも様々に解釈されていることが示唆される.ま た,どの条件でも,WHc,「山」やMTrl,Center などと一つのネットワークを形成していることか ら,風景の中でも遠景にあるもの同士は互いに関連 づけて言及される傾向があることが読み取れる.近 景にあるもののうち,YLcd(「ひまわり」),BRrd (「柵」)はほぼ他の対象物とは独立して言及されて いる傾向があった.一方,事前鑑賞フェーズと解説 文なし条件においては,BLlとBLcが他の対象物 (事前鑑賞フェーズでは人(HMld),解説文なし条 件では遠景)と関連づけられていた.構図解説文 条件ではBLl,BLcの出現頻度は高かったものの, 特定の単語との共起頻度が低かったため図4 (d)に は現れていない.さらに,対象物解説文条件では, 他の条件と比べて,近景にあるBLl,BLc,HMld, YLcdが孤立しており,互いに関連づけがされてい ない傾向が示唆された. これらのことから,シスレーにおいては,形式的 要素に着目するのではなく,対象物が何かを特定し たり,対象物同士を関連づけたりするような発話が 多かったことが分かった.

表 1 実験手続き:鑑賞フェーズ,解説文条件と 絵画の組み合わせ 事前鑑賞フェーズ 解説文フェーズ 事後鑑賞フェーズ ゴッホ, ルノワール, シスレー, カンディンスキー マティス モンドリアン ・解説文なし ・対象物解説文 ・構図解説文 シスレー, ルノワール, ゴッホ, モンドリアン マティス カンディンスキー ・解説文なし ・対象物解説文 ・構図解説文 3
表 2 ゴッホに対する発話に含まれる品詞の頻度 品詞 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 名詞 1578 657 565 565 3365 動詞 409 173 148 148 878 形容詞 126 67 78 78 349 副詞 351 126 106 106 689 連体詞 111 44 39 39 233 接続詞 57 25 11 11 104 格助詞 2 0 1 1 4 引用助詞 3 8 0 0 11 副助詞 1 0 0 0 1 助動詞 8 0 0 0 8 感動詞 204 38
表 4 ゴッホに対する発話において高頻度で見られた指さし対象とその頻度 指さし対象 説 明 事前鑑賞 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 TRC テラス 14 7 10 2 33 ROOF テラスの屋根・天井 9 0 6 3 18 PSN-Sitting テラスの席に座る人々 5 4 4 4 17 PSN-Str-pair 通りにいる 2 人組の人物 6 5 3 3 17 LMP ランプ 7 0 2 7 16 PSN-Ent テラスの入口にある人影 7 1 4 3 15 DOOR 画面左手前のドアの
表 5 ゴッホに対する発話において高頻度で出現していた名詞,動詞,形容詞(上位 30 位) 単語 品詞 事前鑑賞条件 解説文なし 対象物解説文 構図解説文 合計 人 名詞 31 12 8 11 62 思う 動詞 22 11 2 13 48 ゴッホ 名詞 27 5 8 3 43 確か 名詞 31 6 3 2 42 わかる+ない 動詞 24 5 5 6 40 見る 動詞 17 6 7 10 40 ある 動詞 17 6 7 7 37 絵 名詞 20 6 7 2 35 描く 動詞 15 5 11 4 35 TRC
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