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歯学部附属病院での 器材の正しい滅菌工程と 滅菌物適性保管のための教育的介入 - 滅菌依頼等関連業務に関わる職員への意識調査を元に - 中央材料室嵯峨山順子

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Academic year: 2021

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全文

(1)

歯学部附属病院での

器材の正しい滅菌工程と

滅菌物適性保管のための教育的介入

−滅菌依頼等関連業務に関わる職員への

意識調査を元に−

中央材料室 嵯峨山順子

(2)

はじめに

 中央材料室の業務として 歯学部は  除染・乾燥・点検・包装を 各部署で実施  滅菌依頼物の中に、不備がみられる。  滅菌物は各部署で保管している  滅菌依頼等関連業務を行っている職員に対して、器材の正し い滅菌工程と、滅菌物適性保管のための教育的介入が必要

目的

滅菌依頼等関連業務に関わる職員への意識調査を元に、 教育的介入を行い、効果と職種間の違いを明らかにする 使用 包装 払出 除染 乾燥 点検 滅菌 滅菌保証の 確認と点検 回収 保管

(3)

研究方法

 対象;看護スタッフ(看護師44名・看護助手1名・歯科衛生士 10名)、外部委託職員17名 合計70名  調査期間;平成26年4月∼8月  調査方法;自記式の質問紙 手順;4月伝達講習前アンケート調査・滅菌保管状況調査 5月伝達講習実施 8月伝達講習後アンケート調査・滅菌保管状況調査  調査内容;属性と意識調査(4段階評価)  分析方法:ウィルコクソンの符号順位和検定  倫理的配慮;書面と各部署責任者より、自由意思、拒否等で 不利益な状況にならない、個人を特定しない等説明、 収集したデータは分析後シュレッター処理

(4)

結果

属性

回収率;67名(95.7%)、有効回答49名(70%)有効回答率内訳;看護師34名(69.4%)、看護助手1名 (100%)、歯科衛生士4名(510%)、外部委託職員10名 (58.8%)  職種;

配属 n;49 看護助手 n;1 歯科衛生 士n;4 外部委託 n;10 看護師 n;34 n;49 看護師 n;34 看護助 手n;1 歯科衛 生士n;4 外部委 託n;10 10 7 8 1 20 1 1 1 0 2 4 6 8 1 0 1 2 1 4 1 6 1 8 2 0 外来 手術室 病棟 他 看護ス タッフ n;39 外部委 託職員 n;10

(5)

看護スタッフ n;39 外部委託職員 n;10 平均年齢 42.3歳 42.8歳 性別 男5名(12.8%) 女34名(87.2%) 女10名(100%) 当院職歴 9.4年 1.4年 当院中材経験者 6名(15.4%) 平均年数2年 1名(10%) 平均年数1年 当院以外での 中材経験者 3名(7.7%) 0名(0%)

(6)

 現在滅菌依頼等関連業務 を行っているか  滅菌依頼等関連業務を指 導する立場か 1 0 1 5 2 0 2 2 0 % 2 0 % 4 0 % 6 0 % 8 0 % 1 0 0 % 外 部 委 託 職 員 n ;1 0 看 護 ス タ ッ フ n ;3 9 行 っ て い る 時 々 行 っ て い る ほ とん ど 行 っ て い な い 行 っ て い な い 17 22 1 0 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5 4 0 看 護 ス タッ フ n ;3 9 外 部委 託 職員 n ;1 0 いいえ は い

(7)

結果

各項目別、伝達講習前後の理解度について

看護スタッフ

 「滅菌の種類と適正」 1:わかる、2:大体わかる、3;あまりわからない、4;わからない 伝達講習 前 後 前 n;39 後 中 央 値 (2575 %) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 あまりわからな い わからない わかる 大体わかる 種類の違い 2 (1、 1) 1 (1、 1) * 8名(20.5%) 7名(87.5%) AC不適合物 2 (1、 2) 1 (1、 2) 12名(30.8%) 8名(66.7%) EOG不適合2 (2、 3) 2 (1、 2) * 19名(48.7%) 12名(63.2%) 過酸化ガス 不適合物 2 (1、 3) 2 (1、 2) 15名(38.5%) 7名(46%)

(8)

 「滅菌提出前の注意点」  「滅菌袋の取扱い」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;39 後 中 央 値 (25 % 75 %) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 出来ていない あまり出来てい ない 出来ている 大体出来ている 詰め過ぎ 2 (1、 2) 1 (2、 1) * 1名(2.6%) 1名(100%) 鋭利器具の 保護 2 (1、 3) 1 (1、 2) * 11名(28.2%) 9名(81.8%) 伝達講習 前 後 前 n;39 後 中 央 値 (25 % 75 %) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 あまり出来てい ない 出来ていない 出来ている 大体出来ている 器材不備点検 2 (1、 2) 1 (1、 2) 7名(17.9%) 3名(42.9%)

(9)

 「カストの取扱い」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;39 後 中 央 値 (25 % 75 %) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 出来ていない あまり出来てい ない 出来ている 大体出来ている フィルターの定 期交換 3 (1、 4) 2 (1、 3) * 21名(53.8%) 8名(38.1%) 故障の点検 2 (1、 3) 2 (1、 2) * 15名(38.5%) 13名(86.7%) インジケーター 挿入 1 (1、 4) 1 (1、 1) * 17名(43.6%) 14名(82.4%)

(10)

 「滅菌物適正保管について」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;39 後 中 央 値 (25 % 75 %) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 出来ていない あまり出来てい ない 出来ている 大体出来ている 期限切れの 点検 1 (1、 2) 2 (1、 2) 7名(17.9%) 5名(71.4%) 期限切れ器材 の検討 2 (1、 3) 2 (1、 1) 17名(43.6%) 10名(58.8%)

(11)

 「滅菌の種類と適正」 1:わかる、2:大体わかる、3;あまりわからない、4;わからない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;10 後 中 央 値 (25 % 75% ) 中 央 値 (25 % 75% ) 検 定 わからない あまりわからな い わかる 大体わかる 種類の違い 2 (1、 3) 1.5 (1、 2) 3名(30%) 2名(67%) AC不適合物 2 (2、 3.5) 2 (2、 2) 2名(20%) 1名(50%) EOG不適合物 2 (2、 3) 2 (2、 3) 4名(40%) 2名(50%) 過酸化ガス不 適合物 2 (2、 3) 2 (2、 2.5) 4名(40%) 2名(50%)

結果

;各項目別、伝達講習前後の理解度について

外部委託職員

(12)

 「滅菌提出前の注意点」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;10 後 中 央 値 (25 % 75% ) 中 央 値 (25 % 75% ) 検 定 出来ていない あまり出来て いない 出来ている 大体出来ている 洗浄後の 器材不備点検 2 (1、 2.5) 1 (1、 1.5) 2名(20%) 1名(50%)

(13)

 「滅菌物受け取り時の注意点」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;10 後 中 央 値 (25 % 75% ) 中 央 値 (25 % 75 %) 検 定 出来ていない あまり出来てい ない 出来ている 大体出来ている 滅菌袋の インジケーター の点検 1.5 (1、 2) 1 (1、 2) 2名(20%) 2名(100%) カストのインジ ケーター点検 1 (1、 2.5) 1.5 (1、 3) 2名(20%) 0名(0%) カスト表面の汚 れの点検 1 (1、 2.5) 2 (1、 3) 2名(20%) 1名(50%)

(14)

 「滅菌物適正保管について」 1:出来ている、2:大体出来ている、3;あまり出来ていない、4;出来ていない *p<0.05 伝達講習 前 後 前 n;10 後 中 央 値 (25 % 75% ) 中 央 値 (25 % 75% ) 検 定 出来ていない あまり出来てい ない 出来ている 大体出来ている 期限切れの 点検 2 (2、 3) 2 (2、 2.5) 4名(40%) 4名(100%) 期限切れ器材 の検討 2.5 (2、 3.5) 2.5 (2、 3.5) 5名(50%) 2名(40%)

(15)

結果

滅菌保管状況実態調査

部署 前 後 点検 A 看護スタッフ1名固定 看護スタッフ1名固定 B 外部委託職員3名 不定期 外部委託職員3名 曜日指定 収納状況 A ガラスと扉格納棚 オープンプラケース ケース内にゆとりあり ガラスと扉格納棚 オープンプラケース ケース内にゆとりあり B ガラスと扉格納棚 引き出し式プラケース 輪ゴムできつくまとめている ものがある ガラスと扉格納棚 引き出し式プラケース 輪ゴムでまとめている物があ るが、ゆとりがある 調査時間 A・B 約20分 約20分

(16)

224 11 244 47 137 17 168 27 0 % 1 0% 2 0% 30 % 4 0% 5 0% 60 % 7 0% 80 % 90 % 1 00 % 講習後 講習前 講習後 講習前 B 部 署 A 部 署 滅菌保管数 期限切れ

(17)

考察

;看護スタッフ

 「滅菌の種類と適正」について ・学生時代に教育を受けていると思われるが, 特殊な滅菌に関しては伝達講習後も十分な理解が得られな かった ・滅菌の種類と適正の知識は必然 ・時間をかけ詳細な説明が必要  「滅菌提出前の注意点」 ・器具の不備点検は重要である 業務委託しているが、看護スタッフが行うか、外部委託職員 を教育するか、各部署の特徴に合わせて検討 現場での実践指導が必要

(18)

 「滅菌袋取扱い」「カストの取扱い」「滅菌依頼提出時の注意 事項」 ・外部委託職員に移行しても、指導するために統一された正 しい知識が必要 ・講習の場を設けることは有意義  「滅菌物保管状況調査」は介入効果があったと思われる  「滅菌物適正保管」 ・再滅菌の検討については臨床現場に出向きともに検討を 行うことで効果が出るのでると思われる ・実際の現場へ赴き直接指導に取り組むことが重要

(19)

考察

;外部委託職員

 「滅菌の種類と適正」 ・知識を習得する機会が少ない ・滅菌依頼等関連業務を行う上で必要不可欠な知識であり、 伝達講習の内容を再検討する必要性がある  「滅菌提出前の注意点」「滅菌袋の取り扱い」「カストの取り 扱い」「滅菌依頼提出時の注意」「滅菌物の格納」 ・指導された通りの業務が行われている

(20)

 「滅菌物受け取り時の注意」 ・有意差をみとめなかったが、伝達講習後に概ね理解を示した ・滅菌物を受け取る際、確実な滅菌工程が終了しているか、 不備がないかを点検する作業の重要性を、伝達講習後に理 解できた ・カストのインジケーター点検とカスト表面の汚れの点検は 伝達講習後も、十分に理解出来ていない 運搬用として使用する場合と、本来の使用目的の場合があ り、理解が得にくい

(21)

 「滅菌物適正保管」 ・期限切れの点検は、滅菌物保管状況調査の結果から、介 入の効果があった ・期限切れ器材の再滅菌の判断は難しい 看護スタッフへの報告のタイミング等、を各部署に適した 方法を看護スタッフと共に検討していく必要がある タイムリーな介入や実践可能な対策のアドバイスなど実際 の現場を確認した上で共通認識し、対策を立てることが必 要である

(22)

まとめ

看護スタッフ

 伝達講習前後の教育効果について、検定の結果、一部の項目 において有意差がみられた。  業務が外部委託職員に移行しても、外部委託職員に対して指 導をする立場にある看護スタッフは正しい知識が必要である。  伝達講習の内容の検討と、講義時間にゆとりが必要である。

外部委託職員

 検定の結果、有意差はみられなかった。 伝達講習の内容の検討が必要である。  臨床現場に出向き実践指導をする必要がある。

全体的に

 伝達講習も必要であるが、臨床現場に出向き実践指導を継続 的に行う必要がある。

(23)

終わりに

 アンケート調査の実施はスタッフの意見を聞く良い気機会であ った  看護スタッフと外部委託職員すべてに、同じレベルの知識の元 に、臨床現場で、質の高い実践を今後どのような形で介入して いくべきか考える機会となった

謝辞

本研究をまとめるに当たりご指導いただきました、佛教大学保健医療技術学部 看護学科新田先生、 池副看護部長はじめ看護部教育委員会の皆様、 アンケート調査にご協力頂いた看護スタッフ並びに 外部委託職員の皆様に深く感謝いたします。

(24)

ご清聴

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