理学 療法学 第
17
巻 第5
号447 〜452
頁 （1990
年）報
告
陳
旧
性前十字 靱帯損 傷
患
者
の
膝屈
・伸筋力
＊市
橋
則
明
L）伊 藤
浩
充
2） 要 旨 本 研 究の 目的は，
陳旧性の ACL 損傷 患 者の膝 屈・
伸 筋力 を 測 定し， 検討 することで あ る。 対象は，
これまで筋 力 トレー
ニ ングを受 けたことのない陳 旧 性の ACL 損 傷 患 者 男 性 30名，
女 性36名，
計 66 名と し た。
筋力評 価は，
CybexH を使 用し，
60°
／sと 180°
／s に おける ピー
ク トル クを測 定し た。
そ の 結果，
男女共に患 側の 大腿四頭 筋の体重 比 は，
両 速 度において有 意に低．
ドして いた が，
ハ ム ス トリング ス の体重 比は女 性に おいてのみ有意に低下して い た。 ま た，
男女 共に60
° ／s に お い て の み大 腿四頭筋 の筋 力はハ ム ス トリングスよ りも有 意に低 下 して いた。
さらに患 側の H〆Q
比は男 女 共に60D
／sにおい て の み，
健 側よ りも有 意に大 きな値を示した。
キー
ワー
ド 前十字靱帯，
膝関 節 屈。
伸筋 力，Cybexll
は じめ に 前十字靱帯 （ACL ） 損 傷は，
ス ポー
ツ活 動 時に多 発 し，
スポー
ッ選 手にとっ て重篤な障 害を残 すことで よく 知 られて い る。一
般にACL
は，
脛 骨の前 方 移動の 防 止1）2｝ と回 旋の制 限3M） とい う機 能を有して い る が，
ACL
が損 傷さ れ るこ とによ り膝の 前方回 旋不 安 定 性が 生 じ る と さ れ てい る。 ACL 損傷の診断は難し く，
見 逃さ れ ること も多かっ た が，
ACL の機 能に関する数 多 くの基 礎 的な研究に よ り，
診断技術は進 歩し的確な診断が な さ れ る ようになっ
て き た。一
方，
治療に関しては，
保 存 的 治 療にすべ き か 手 術 的 治療にすべ き かの選 択は受傷 時 期や患者の活 動 意 欲に よ り左右さ れ る が，
いず れの治療方 針におい て も，
膝 屈・
紳筋の筋 力トレー
ニ ングの必 要 性につ いて は重 要 視さ れて い る。ACL
損傷患者の膝 屈・
伸 筋力にっ いて は多 くの ＊ Thigh muscle strengths in the chronic anterior cruci−
ate 】igarnent insuracient knee
1］
神戸大学 医療技術短期大 学部
Noriaki Ichihashi
，
RPT ：SchooL of Allied Medical Sci−
enCeS
，
KObe UniVerSity：，神戸大学 医 学 部付属病院
Hiromitsu Itoh
，
RPT ：Kobe University Hospital（受付日 1990年1月16日／受理 日 璽990年4月7 日） 報告が あるs2°） 。 しか し
，
従来の報 告は，
保存 的 治療後 の リハ ビリテー
ショ ンあ るい は靱帯の修 復術や再 建術に よ る手 術的治 療 後の リハ ビ リテー
ショ ンを受け た患 者の 膝儻・
伸筋 力で あ り，
リハ ビリテー
ショ ン前あ るいは術 前の訓練 をして いな い患 者の膝 屈 e 伸筋力につ い ての 報 告は少ない。 こ の研 究の 目的は， これ まで筋力トレー
ニ ン グ を主体 と した「丿ハ ビリテー
シ ョ ンを受 けたことのない陳旧性の ACL 損傷 患者の膝屈・
伸 筋力 を 測 定 し， 検討すること で ある。
対 象と方 法 陳旧性のACL
損傷 患者 男性30
名，
女性36
名，
計66
名を対 象と し た。
平 均年齢は，
男 性23．
9
± 7．
9 歳，
女 性 22．
4士 7，
4 歳で あ り，
平均体重は，
男性68．
6
±11．
0
kg，
女 性54．
5±6．
9kg で あっ た。
受 傷 原 因は，
スポー
ッが 56名 （男 性24名，
女 性32名 ）と最 も多 く，
交 通 事 故 は 4名 （男 性 4名，
女性 0名 ），
そ の他6名 （男牲 2名，
女 性4
名 ）であっ た。 受 傷か ら検 査まで の平 均 期 間は，
男性39．
1± 39．
4ケ月，
女 性33．
0
± 45．
9ケ月であっ た。 全て の対 象 者は，
こ の検査まで特別な訓練は して いな かっ た。 診 断は，
Lachman テス ト，
前方 引 き出 しテス ト，
Eateral pivot shift テス ト，
KT−
1000zDnmに よ っ てJapanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
448
理学療 法学 第17
巻第 5 号 確 定さ れた。 ま た、66
名ig
44 名は，
筋 力 評 価 後，
半 月 板ある い は ACL に対す る手術的 治 療の 際にACL
の損 傷が 確 認さ れ た。 な お，
半月板捐 傷の合併は 40例で あ り， 内側側副 靱帯， 外側 側副 靱帯，
後 十字 靱 帯の合 併 損 傷は な か っ た。 筋 力 評 価は，Cybex
Hお よ びCybex
Hデー
タ解 析コ ンピュー
ター
CDRC
を使 用し，
60e／s と180°
／s の速度 条 件で行っ た。
測 定 肢 位は椅 坐 位 と し，
骨盤 と大腿部を 固 定し た。 各速 度 条 件で の筋 力 評 価の前に患 者は機 器に慣れ る た め，
数 回の練 習 を 行っ た。
測 定は，
各 速度条件で最大努 力に て 6回 行い，
テ ス ト間の休 息は，
1分と し た。
ま た，
測 定 時に は デュ ア ル チ ャ ン ネル レ コー
ダー
に トル ク曲線 を記 録 する と共に CDRC よ りピー
クトル ク とピー
ク ト ル ク発揮 角 度 （ピー
ク角 度 ） を 求めた。 な お，
下腿の重 さを考 慮に い れ る た め， 測定前に予め重 力 補正 を行っ
た。 デー
タ分 析 ピー
ク トル クを体重で除す ことにより体重比 （Nm
／kg
） を求め た。 ま た， 患側の ピー
ク トル ク を健側の ピー
ク トル ク で除すことに よ り健 側を100％ と し た患 側 の値 （健 側比）を求め た。 さ らに，
大 腿 四 頭 筋とハ ム ス ト リングス の関 係を検 討す る た めにハ ム ス トリングス の ピー
ク トル クを大 腿 四 頭 筋の ピー
ク トル ク で除 すことに よりH／Q
比 を求め た。 各 速 度 条 件におい て求め られた デー
タ はすべ て男 性と 女 性に分 けて それ ぞ れの平均値 と標 準偏 差 を算出し た。 平 均 値の差の統 計 的な検 定に は，
ス チ ＝一
デ ン ト の T 検 定 を 用いた。 危 険 率 5％ 以 下 （p〈 0．
05
） を有意 差 と し た。 結 果 大 腿四頭 筋 とハ ム ス トリングス の ピー
ク角度は表 1と 表1
男性の ピー
ク角 度 （度 ） 健 側 60°
／sec 患 側 健 ｛則 1800〆sec 患 側 大 腿 四 頭 筋 64．
2±10．
4 64．
7±10，
0 50．
8±10，
7 50．
7±10．
5ハ
ム ス トリン グス 4L6 ±20．
6
39．6
±20．
9
58，3
±21．6
52．
9
±2L9
表 2 女 性の ピー
ク角 度 （度 ） 健 側60
° ／sec 患 側 健 側180
° ／sec 患 側 大 腿四頭 筋61．7
±11，
6
58．8
±ll．
2
47．9
±11．6
45，
8
±11．
9
ハ ム ス トリン グス52，7
±25．
0
58．9
±21．
0
65，6
±20．3
67．
5
±2L2
表3
男 性の体重 比 （Nm ／kg） 健 側60
° ／sec 患 側 健 側180
° ／sec 患 側 大 腿四頭筋2．
41
±O．
54
2．
07
±0．
51＊＊ 1．
69
±0，
43
L55
±0．
42＊ ハ ム ス トリン グス 1．
18±0．36
1。11
±0．25
0、
89
±0．
32
0．85
±0．27
＊ p＜0．
05
＊＊ pく0．
Ol
表4
女 性の体 重 比 （Nm ／kg） 健 側60
° ／sec 患 側 健 側 180° ／sec 患 側 大 腿四頭 筋 1．
91土0，
52 1．
35
±0．50
＊，
＊ 1，
37
±O．
45 1．
01
±0．42
＊ ＊ ハ ム ス ト リン グス 0．
89±0．
27 0，
73±0．
26＊＊ 0．
65±0，
26 0，
52±0．
23＊ ＊ ＊ ＊ P＜0，
01 N工 工一
Eleotronio Library陳 旧 性 前 十字靱帯損傷 患者の膝屈
・
伸 筋 力449
表5 男性の健 側比 （％） 60°
／sec 180° ／sec 大 腿四頭 筋 ハ ム ス トリングス 86．
9±17，
1＊ 92．
7±17，
0
97．
5±22．
899．7
±25．
3
／s にお ける健 側と患 側の 比較で は，
男 女 共に患 側が有 意に大き な値を 示 し た。
しか し
，
180°
〆s にお け る健 ｛則 と患 側の比較では，
男 女 共に健 側と患 側の間に有意な差 はな かっ
た。 表6 女 性の健 側比 （％ ） ＊pくO，
05 考察
60° ／sec 180°
〆sec 大腿四頭 筋 ハ ムス ト リングス72．5
±25，1
＊ 75．
1±23．
882．6
±20，0
82．2
±29．7
表 7 男 性のH
／Q
比 （％） ＊ p〈O．
05
60° ／sec180
°／sec 健 側 患 側49．4
±IL8
54．
7±11．
2＊ 51．
8
±12．8
54．
6
±1
夏．
8
表8
女 性の H／Q
比 （％） ＊ pく0．
05
60°
／sec 180e／sec 健 側 患 側 47．
3±11．
1 55．
8
±14．
7
＊47．2
±lL6
51．
2±13，
4 ＊ pく0．
052
に示し た。
男 女 共に60°
／s と 180“
／s に おいて， 健側 と患 側の ピー
ク角度に有 意な違い はなく，
ほ ぼ同じ角度 を示し た。大腿四頭筋とハ ム ス ト リン グス にお け る体重比の 平 均 値と標準 偏差 を
，
表3
と4に示 した。 男性では，
大腿四 頭 筋の体 重比は60
° ／s と180°
／s におい て患 側が健 側に 比べ有意に低下して いた。 しか し，
ハ ムス ト 「丿ングス の 体 重 比は，
60° ／s と180°
／s共に有意な患 側の低 下は な かっ た。一
方 女 性で は，
大腿 四頭 筋，
ハ ム ス ト リン グス 共に，60
°
〆s と180
° ／sに おいて有 意に患 側の体 重比が 低 下して いた。健 側比の平均値と標準偏 差 を
，
表5 と6に示し た。 大 腿四頭 筋とハ ム ス ト リン グスの筋力 低 下を比 較 する と，
男女 共に 60°／sにおいて大 腿四頭 筋の筋 力はハ ム ス ト リ ン グスよりも有意に低下 して いた が，
180°
／s で は有意 な差は な かっ た。 さ らに， 60
° ／s と180°
／s にお ける筋 力 低 下 を比 較 する と，
大腿四頭筋とハ ム ス ト リングス共 に速 度間の有 意な差はな かっ た。 H／Q
比の平 均 値と標準偏 差 を表7
と8
に示 した。60°
等 速 性 訓 練の概念が 1967年に His］op らzz） に よっ て紹 介されて以 来
，
膝 関 節の定量的な筋力の研 究は増 加して き ている。等速性筋 力評価において
，
角 速 度60°
／s は低速度の ト ル ク，
180°
／s は高速度の ト ル ク の評 価と して よ く使わ れて い る24−
2s｝ た め，
我々 もこ の 2っ の角速度に よ り評 価 し た。 本研究も含め多 くの筋 力 評 価に関す る研究報告で は，Moffroid
ら29）の 研 究に基づい て ピー
ク トル クを 調 べて い る。ACL
損 傷患者の膝 屈・
伸 筋の筋 力に関する報告は多 いs−
20》 。Kannus
ら s−
10）17） は，
リハ ビ リ テ
ー
シ ョ ン後の陳 旧性ACL
損傷患 者を対 象に受 傷 後 平 均 8年 経過時に膝 屈・
伸 筋力を測定 し，
その結 果，
患 側の大 腿 四 頭筋の筋 力 は健 側に比べ有意に低下して い た がハ ム ス ト リン グス の筋 力は有 意な低 下を示さ な か っ たと報告して い る。
LoPresti ら1s ，はACL
修 復術後 1年 経 過の患 者を，
Arvidsson
ら19）はACL 再建 術 後5〜
10年 経 過の患者 を 対 象に筋 力を測 定し， 大腿四頭筋のみ有 意な筋 力 低 下 がみ られ た と報 告 して い る。 我々 は，
未 訓 練の陳 旧性 ACL 損傷 患 者の膝 屈 伸 筋力を測 定し た。 その結 果，
大 腿四頭 筋の筋 力 低 下はハ ム ス トリン グス より も大き く，
従 来の報 告と一
致 して いた。 対 象症 例の違いや訓 練の有 無の影響に もか かわ らず，
ACL 損傷に よ りハ ム ス ト リ ングスよ りも大 腿四頭 筋の筋 力は強く影響を受 けて い る と考え られる。 膝 屈 筋と伸筋の筋力につ い て の こ の よ う な 違 い の原 因 を考えて み る。 第一
に大 腿 四 頭 筋はハ ム ス ト リングスよ り も膝の解剖学的構造におい てよ り関 連が 深い の で，
膝 関節の痛み や不 安 定 性は直 接 大 腿 四 頭筋に影響を与え る。
第二 に半膜様筋や 半 腱 様 筋は膝 関 節の後方の関節包に付 き，
大腿二頭 筋は外 側 側 副 靱帯に付着して いる が，
大 腿 四頭筋ほど膝の関 節 機 構には近 接して い な い た め， 受 傷 による直接 的な影 響は比較 的少ない と考えられる。
多くの研 究 者はACL 損 傷 後にハ ムス ト リングスの筋 力低下を認め て いないが
，
これ らの報 告で は，
訓練す る 以 前あ るい は術前の筋力につ い ては述べ ら れて いな い。 Tegner らm〕は，
ACL 9 名を含む靱 帯 損 傷患 者 16名のJapanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation
450 理学療法学 第 17巻 第 5号 訓 練 前と 訓練後の筋 力を測 定 し
，
訓練前で は，
大 腿 四 頭 筋とハ
ム ス ト リン グス両 筋 共に有 意に筋力低下が見ら れ，
訓練3
ケ月 後で は，
大 腿四頭筋の筋力は有意に低 下 して いた が，
ハ ム ス トリン グス は，
有意 な低．
下を示さ な か っ た と報 告 して いる。 我々 は，
未訓練の陳旧性ACL
損 傷 患者の膝 屈。
伸 筋 力 を 男女 別に測 定 し た。 そ の結 果， 健 側 と患 側の膝屈・
伸筋力を 比較 すると大 腿四頭筋は男女 共に低下 して いた が，
ハ ム ス ト リングスは男性は有 意な 低 下 を示さ ず，
女 性で有意な低下が認め られ た。 特 別な 訓 練 をして いない女性の陳1
日性ACL
損 傷 患 者に おい て ハ ム ス ト リングス の筋力低 下が見ら れた の は興味深い 。Johnsons
°｝ やButler
ら31 〕は，
大 腿四頭 筋の 機 能は ACL の機能に拮 抗す る が，
ハ ム ス ト リングス は ， ACL の機能を代償で き ること を証 明 して いる。 この こ とか ら，
ACL 損傷によ り大 腿 四 頭 筋の筋 力は低 下して も， ハ ム ス ト リングスは，
膝の前 方 不 安 定 性 を 代償する よ うに作 用 す る ため筋 力は維 持さ れて い た ので は ない か と考え ら れ る。 しか し，
我々 の対 象 症 例の う ち 女性に認め られ た ハ ム ス トリン グスの低 下にっ いて は，
女 性で は男 性に比 べ 活 動性が低いた め，
ハ ム ス トリン グス の 筋 力による代 償が う ま ぐ行わ れ な かっ たのかも しれ ない。 ま た，
こ の よ う な症 例は，
ハ ム ス トリングスでACL
の機 能 を代 償 し よ う とする ような神 経 筋 活動の敏速な反 応に劣っ て い るのか も しれ ない。 我々 は，
2っ の 角 速 度 60° ／s と 180°
／s に お い て筋 力 を測定し た。 大 腿四頭 筋の筋力低下は，60D
／s の ほ うが 180D／s よ りも大きい傾 向にあっ た が有 意な差はなか っ た （表 3，
4）。Arvidsson
ら 19） は，30
°
〆s と120° ／s で の大腿 四 頭筋の筋力 低 下を 比較 し， 30 ° ／s の筋 力低 下が 有 意に大 きかっ た と して い る。 し か し，
Kannus ら8 ）は，
60°
／s と 180°
／s にお け る筋 力 低 下を比 較 し180°
／s の ほ うが大 きかっ たとしてい る。 彼らは，
こ れ らの角 速 度の 違い に よ る筋力低下の違いは筋の選 択 的な萎 縮によ るも の と して いる が，
膝の 靱 帯 損 傷 後の 筋の 萎 縮に は，
type Iのeweesu
）ss〕 とtype 且sc）35］ の萎 縮とい う2っ の報告 が あ り結 論は出て い な い。
ま た，
角速度の違い に よ る筋 力と筋 線 維 type との関係にっい て も， 一
致 した見 解 が 得ら れて いないee ）3n。
H／
Q
比につ い ては，Kannus
ら匙゜）は，
角 速 度09
／s と 60° ／s におい て は，
健 側と患 側の間に有意な差は ないが， 180° ／sに おい て 患側が有意に大きい と報 告 し て い る。
我々 の結 果で は，
60° ／s に おい て患側が健 側に比べ大き な値を示 した が 180D／s におい て は，
有 意な差は な かっ た。
Kannus らの対 象は， 訓練後の患 者であり，
訓 練 前 の我々 の対象において は，
異なっ
た結 果と なっ た。 こ の よ うに，
訓 練 後や，
術 後の患 者の筋 力 特 性 と訓練 前の患者の筋 力 特 性が若 干 異なっ て いること，
さ ら に 男 女におい て も違いが あ ること が分かっ た。
筋 力 強化訓 練 を行 う場 合は筋 力 特 性を調べ，
その時期に応じ た訓練を す る必 要が あると考え られ る。
ま と め これ まで筋 力トレー
ニ ン グを 受け たことの ない陳 旧性 の ACL 損 傷患者 男 性30名， 女性 36 名， 計66名を対 象に膝 屈・
伸 筋 力を測 定 し，
以 下の知 見 を得た。 1．
60°
／s と180° ／s に お け る大腿 四 頭筋の体 重 比は 男 女共に患 側に お い て有意に低 下して い た が，
ハ ム ス ト リン グス の体 重 比は女 性に おいてのみ有意に低 下 して い た。
2．
男 女 共に 60° ／s に おい て の み大腿 四 頭 筋の筋 力は ハ ム ス ト 1丿ングス より も有 意に低 下 して いた。3 ．
男女 共に患側の H／Q
比は 6G°
／s に お いて のみ，
健 側よ りも有意に大きな値を示し た。 文 献1）Giove
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JapanesePhysicalTherapy Association
452
ve\tath{#
ag
17tsng5-lj
<Abstract>
Thigh Muscle
Strengths
intheChronic
Anterior Cruciate Ligament InsufficientKneeNoriaki Ichihashi,RPT
School
ofAtlied
Medical Sciences,Kbbe Udeiversity Hiromitsu Itoh,RPTKobe
U)iiversity
Ifospitat
The purpose of thisstudy was to investigatethe infiuenceof sustained chronic anterio'r
cruciate
ligament
(ACL)
insufficiencyon the strengths of quadriceps and hamstrings muscles.The subjects of thisinvestigationconsisted of sixty-six patients,who had never trained for strengthening
their
thigh
muscles, anddivided
intotwo
groups as male group<n=
30)andfemaie group
(nL'
36).
The maximal strengths of quadriceps and harnstringsmuscles weremeasured
isokinetically
atboth
60"/sec
and1800/sec
by
using aCybex
IIisokineticdynamo-meter. A weight adjusted peak torque was calculated
by
dividing
body weight intothe peak torque produced by quadriceps and hamstrings,'
'
'
The weight adjusted peak torquefor the quadriceps of the involved leg was significantly
decreased inboth male and female groups at both testspeeds. On theother hand, thisvalue
for
the
hamstrings
ofthe
invelved
teg
was significantlydecreased
inthefemale greup butin-significantly inthe rnale group. The quadriceps deficitSwere significantly greater than ham-strings at
60e/sec
but
not significantLy at180
O/sec.Hamstrings/quadriceps
ratiefer
the
in-volved leg was significantly
higher
than theuninvolved legat6001sec,
but
not significantly atlsoe/sec,
Sustained
ACL
insufficientkneejoint
has
affected the quadriceps rnuscle atboth
speedsand
