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Ptf1aおよびAtoh1遺伝子改変マウスを用いた蝸牛神経核神経細胞の発生の研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Inhibitory and excitatory subtypes of cochlear nucleus neurons are defined by distinct bHLH transcription factors, Ptf1a and Atoh1.( Abstract_要旨 ) Fujiyama, Tomoyuki. Kyoto University (京都大学). 2012-03-26. http://hdl.handle.net/2433/157456. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士( 医 学 ). 氏 名. 藤 山 知 之. Inhibitory and excitatory subtypes of cochlear nucleus neurons are defined by distinct bHLH transcription factors, Ptf1a and Atoh1. 論文題目 (Ptf1a および Atoh1 遺伝子改変マウスを用いた蝸牛神経核神経細胞の発生の研究) (論文内容の要旨) 哺乳類の蝸牛神経核は、聴覚の情報伝達を司る重要な器官であることから、これまで解剖学的、 生理学的、組織学的見地より研究が行われてきた。蝸牛神経核は背側核と腹側核により構成され、 そこには形態や性質の異なる様々な種類の神経細胞が含まれている。 背側核においては Golgi 細胞、 ML-stellate 細胞、Cartwheel 細胞、Tuberculo-ventral 細胞、Unipolar-brush 細胞、Giant 細胞、Fusiform 細胞などがあり、その一方、腹側核においては Octopus 細胞、Globular-bushy 細胞、Spherical-bushy 細胞、T-stellate 細胞、D-stellate 細胞などが位置している。それらの神経細胞は、位置的にも、形態 学的にも、電気生理学的にも、神経伝達物質的にも、違う形質を持っているという意味においては、 「様々な神経細胞種の生み分け機構」を研究する上で優れた実験系である。近年の遺伝学的手法を 用いた研究により、蝸牛神経核を構成する神経細胞は、発生期中央部後脳の背側部にある神経上皮 領域から生み出されていることが知られていたが、それぞれの神経細胞が生み出される正確な位置. (論文審査の結果の要旨) 蝸牛神経核には形態や性質の異なる様々な種類の神経細胞が含まれているため、 「様々 な神経細胞種の生み分け機構」を研究する上で優れた実験系である。 本研究において、bHLH 型転写因子 Ptf1a および Atoh1 が、発生期の中央部後脳背側の それぞれ異なる神経上皮領域で発現していることを見いだした。Ptf1a 遺伝子座への Cre ノックインマウスを用いて、Cre/loxP システムにより遺伝学的に細胞系譜を標識したとこ ろ、蝸牛神経核の各種抑制性神経細胞は全て Ptf1a を発現する神経上皮(Ptf1a ドメイン) に由来すること、加えて Atoh1-Cre トランスジェニックマウスを用いた解析より、蝸牛神 経核の全ての種類の興奮性神経細胞は Atoh1 を発現する神経上皮由来であるということが 明らかになった。さらに、Ptf1a 遺伝子のヌル変異体においては、蝸牛神経核の抑制性神 経細胞が選択的に生み出されなくなり、また、Atoh1 ヌル変異体においては蝸牛神経核の 興奮性神経細胞が生み出されないということが観察された。以上から、十数種類ある蝸牛 神経核の神経細胞においては、二種類のbHLH 転写因子によって蝸牛神経核の興奮性およ び抑制性神経細胞がそれぞれ生み分けられているという機構が明らかにされた。. と、その発生に関わる分子機構についてはほとんど何も知られていなかった。 本研究において、bHLH 型転写因子 Ptf1a (pancreatic transcription factor 1a)および Atoh1 (atonal homologue 1, Math1)が、発生期の中央部後脳背側のそれぞれ異なる神経上皮領域で発現しているこ とが見いだされた。Ptf1a 遺伝子座への Cre ノックインマウスを用いて、Cre/loxP システムにより遺 伝学的に細胞系譜を標識したところ、蝸牛神経核の各種抑制性神経細胞(GABA およびグリシン作 動性神経細胞)は全て Ptf1a を発現する神経上皮(Ptf1a ドメイン)に由来すること、加えて Atoh1-Cre トランスジェニックマウスを用いた解析より、蝸牛神経核の全ての種類の興奮性神経細胞(グルタ ミン作動性)は Atoh1 を発現する神経上皮(Atoh1 ドメイン)由来であるということが明らかにな った。さらに、Ptf1a 遺伝子のヌル変異体においては、蝸牛神経核の抑制性神経細胞が選択的に生. 以上の研究は中枢神経系における多種多様な神経細胞がいかにして生み分けられてい るのかという発生メカニズムの解明に貢献し、今後発展していくと考えられる神経領域 における再生医療に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成24年2月23日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。. み出されなくなり、また、Atoh1 ヌル変異体においては蝸牛神経核の興奮性神経細胞が生み出され ないということが観察された。以上から、十数種類ある蝸牛神経核の神経細胞においては、抑制性 の神経細胞グループと興奮性の神経細胞グループがそれぞれ異なる転写因子によって規定される 神経上皮ドメインから生み出されるということ、そしてそれぞれのグループの神経細胞の発生に bHLH 型転写因子 Ptf1a および Atoh1 が関与しているということが明らかになった。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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