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() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

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Academic year: 2021

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(1)

51-1 21551

水温上昇から太陽の寿命を算出する

2530 町野友哉 2636 山口裕也 要旨 私たちは,地球環境に大きな影響を与えている太陽がいつまで今のままであり続けるのかと疑問を もちました。そこで私たちは太陽の寿命を求めました。 太陽がどのように燃えているのかを調べたら水素原子がヘリウム原子に変化する核融合反応によっ てエネルギーが発生していることが分かった。そこで,この反応が終わるのを寿命と考えて算出した。 太陽定数を求めるため,水温の上昇を調べる実験を行った。その値から太陽の質量欠損量を求めた。 この結果,太陽定数は1615.21W/m²,寿命は 85.5 億年という値が出た。 1.目的 太陽の寿命を水素原子からヘリウム原子に変化が終わるまで と定義して,求める。 2.使用した器具・装置 ・太陽放射のエネルギー測定器(株式会社ナリカ) ・メスシリンダー 50ml 3.方法 (1) 実験Ⅰ.太陽放射のエネルギーを,簡易日射計を用いて計測する。 ① 太陽放射のエネルギー測定器に水を規定量である 43.2g 入れる。 ② 太陽放射のエネルギー測定器を用いて日光が受光面に垂直に当たるような仰角を計測し,地面 から約1m 離れた場所(今回の場合は 0.97m で計測)する。その後サイエンスメイトを用いて 気温,湿度を測定する。 ③ 1分ごとに水温を計測した。 ④ 計測後,太陽の高度を測定した。 ⑤ 太陽定数を求める。水の質量,タンク(銅製)の質量はそれぞれ 43.2g,38.4g であった。. 2

1m

の面が1 秒間に受け取るエネルギーを太陽定数という。 太陽定数

容器が受けたエネルギー 受光面積×計測時間

(水の比熱×水の質量×温度上昇+銅の比熱×銅の質量×温度上昇) 受光面積×計測時間 この式に計測したデータを代入し計算する。 図1 太陽放射のエネルギー測定器

(2)

51-2 (2) 実験Ⅱ.太陽の寿命を計算する。 ① 1 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める。 ② 太陽の放出エネルギーの起源は,水素の原子核4個が核融合しヘリウムになるときのエネルギ ーと仮定し,質量とエネルギーの等価性から1回の核融合で放出される全放射エネルギーを求 める。 ③ ①.②から1秒間に陽子が核融合する回数を計算し 1 秒間に核融合する陽子の個数を求める。 ④ 1秒間に核融合する陽子の質量を計算する。 ⑤ 太陽質量を 1.9884×1030kg と仮定してその質量の 1/10 が中心部に存在している水素と仮定し て,太陽の寿命が何年か計算する。 4.結果1 (1)実験Ⅰ 地表で受け取る太陽放射のエネルギー量を算出する。 計算に用いた値 水の比熱:4.2 g/(J・K) 銅の比熱:0.39 g/(J・K) 水の質量:43.2 g 銅の質量:38.4 g 実験装置の受光面積 3.6×10-3 m2 (1)実験Ⅰの⑤の式を用いて計算をする。 6月10 日の実験結果を例に日射量を求める。 表より10 分間での合計の温度上昇をもとめる。 温度上昇量=37.9℃-27.8℃=10.1℃

(4.2×43.2×10.1+0.39×38.4×10.1)

3.6×10

-3

×600

914.472

W/

2

m

他の日の測定結果についても同様に計算を行い、地表で受け取る太陽放射のエネルギー量を求めた。 計測し,計算したところこのような結果となった 日付 気温(℃) 1秒間に 太陽が放出するE (W/m²) 1 2 月 4 日 記録なし 339.54 2 5 月 13 日 31.6 1195.12 3 5 月 20 日 37.6 1412.49 4 6 月 10 日 31.2 914.47 5 7 月 15 日 23.9 905.41 6 9 月 9 日. 37.7 688.09 測定時間 (分) 水温 (℃) 温度上昇 (℃) 0 27.8 1 29.0 1.2 2 30.3 1.3 3 31.4 1.1 4 32.3 0.9 5 33.3 1.0 6 34.1 0.8 7 35.0 0.9 8 35.8 0.8 9 36.9 1.1 10 37.9 1.0 表1 6 月 10 日の測定結果 表2 実験Ⅰの測定結果

(3)

51-3 2月4日の測定時気温は測定していないが冬であったため,2回目の5月13日の実験時より,気 温が低かったことが考えられる。そのため,水温が他の実験の時より上昇しなかったことが考えられ る。よって,太陽定数の平均を出すと909.19W/m²という値になった。 (2)実験Ⅱ 太陽の寿命を算出する。 ① 太陽が放出する全エネルギーの算出 太陽から地球の距離を半径とした球の表面積 太陽地球間の距離の平均値(1天文単位):1.496×1011m したがって求める球の表面積は 4πr2=4×3.14×{(1.496×1011)}2 ≒2.8×1023 m2 よって、太陽が1秒間に放出するエネルギーは 球の表面積×Ⅰの計測結果の平均値=2.545732×1026W ② He 原子核(図3)は4つの水素原子核(図4)の核融合によって生成される。このとき水素 原子核2つが中性子となり陽子2個と中性子2個からなるヘリウム原子核が生成される。しかし もととなる陽子4個の質量とヘリウム原子核の質量には差がある(表2)。この欠損した質量が エネルギーとなり放出されていると考えられる。したがって4個の陽子の質量-ヘリウム原子核 の質量=放出エネルギーと求められる。 したがって1.6726×1027kg×4-6.6447×1027kg=0.0457×1027kg エネルギーの等価性より E=mc2 E=0.0457×1027kg×(299792458)2 E=4.10731×1012 質量(1027kg) 陽子 1.6726 中性子 1.6749 He 核 6.6447 図2 1天文単位の球の表面積 表2 粒子の質量 図3 ヘリウムの原子構造 図4 水素の原子構造

(4)

51-4 ③ 1秒間の全放射エネルギーを求める。 1回の核融合で陽子は4個使われるので1,2より 4×2.545732×1026W÷4.10731×1012joule=2.4792207×1038proton/s ④ 1秒間に反応する陽子の質量を求める。 3 より 2.4792207×1038proton/s×1.6726×1027kg/s=4.1467445×1011kg/s ⑤ 太陽の寿命を算出する。 4より 1/10×1.9884×1030kg÷4.1467445×1011kg/s=4.7950868×1017s 4.7950868×1017s=1.520512×1010year=152 億年 5.考察 太陽の寿命が100 億年といわれているが今回の結果では 152 億年と数値が大きくなってしまった。 これは地上に届いた熱量から太陽定数を求めたのが原因であると思われる。大気などに熱エネルギー が吸収されてしまったため実際より小さな値をとったと考えられる。 そこで,次のような実験に切り替えた。 6.実験Ⅲ 大気の吸収率を考える。そのために,基本的に手順1 と同様の作業を 1 日に 2 回繰りかえす。 そのときに,太陽高度を測定する。この2 つのデータを利用して透過率を求める。 太陽定数をl₀,実験時の日射量をl,太陽高度をθとしてしたものを利用して透過率(A)求める 式を表すと, A=  sin 0





l

l

この式の1回目の実験の日射量を

l

1太陽高度を

1,2回目の実験の日射量を

l

2太陽高度を

2とし てそれぞれ結果を示す式にすると, A= 1 sin 0 1 





l

l

A= 2 sin 0 2 





l

l

このとき,同日で天気は変化しないので透過率は等しいとする。そうすると,透過率が消去できる。 この結果,わからない数値が太陽定数のみになる。 1 sin 0 1 





l

l

= 2 sin 0 2 





l

l

この式を太陽定数

l

0についての式にする

l

0= 2 1 1 2 sin sin 1 sin 1 sin 2    





l

l

(5)

51-5 7.結果Ⅲ よって太陽定数の平均を出すと1615.21W/m²という値になる。 ① 太陽が1秒間に放出するエネルギー 球の表面積はⅠの計測結果より2.8×1023 m2 したがって太陽が1秒間に放出するエネルギーは 太陽定数×4πr2=1615.21W/m²×2.8×1023m²=4.52258×1026 W …7-① ② 核融合反応1回で生じるエネルギー 1 回目の計算より 4.10731×1012J …7-② ③ 1秒間の全放射エネルギーを求める。 1回の核融合で陽子は4 個使われるので7-①,7-②より 4×4.52258×1026 W÷4.10731×1012joule=4.40442×1038proton/s …7-③ ④ 1秒間に反応する陽子に質量を求める。 陽子の個数×陽子の質量 7-③より 4.40442×1038proton/s×1.6726×1027kg=7.36683×1011kg/s …7-④ ⑤ 太陽の寿命を算出する。 7-④より 1/10×1.9884×1030kg÷7.36683×1011kg/s =2.69912×1017s =8.55299×109year =85.5 億年 日付 回数 気温(℃) 太陽高度 (x°) 1秒間にタンクで 受けるE ( 2

/ m

W

) 太陽定数

)

(

m

2

s

joule

10 月 28 日 1 23.0 50 963.893 1706.877108 2 22.2 56 1000.267 11 月 16 日 1 21.9 44 818.400 1593.734378 2 20.0 48 854.773 12 月 7 日 1 20.8 54 963.894 1544.028895 2 21.2 55 977.880 表3 実験Ⅲの測定結果

(6)

51-6 8.考察2 太陽定数の平均値を用いて太陽の寿命は85.5 億年という結果になった。一般的には,大気外での 太陽定数は1.36× 3

10

W/m2,太陽の寿命は約100 億年といわれており,この値に実験Ⅰより近付け ることができた。しかし,実験Ⅲのような測定にしなければいけないことに気付くのが遅かったこと と天候の関係によって実験回数が少なくなってしまい正確さに欠けていたこともずれの原因として 考えられる。 また,太陽の水素の1/10 の質量が反応に使われているとして計算した。しかし,そこに完璧な根 拠が無く正確さに欠けていた。この数値が少し違うだけでも大きく太陽の寿命に変化がもたらされる ためその数値についてもっと調べていきたいです。 手順2の方法は,1回目の測定より2回目の測定の日射量の値が小さくなると太陽定数の値が実際 の値よりも非常に小さくなってしまいました。天気と実験日が同じという理由のみで透過率が等しい としたのが問題であると考えられる。今回の方法以外にも太陽定数を求める方法もあるので様々な方 法も考えてみたいと思いました。 今回の研究では,水素原子からヘリウム原子に変化する反応を太陽の寿命としたが,水素が無くて もヘリウムの原子の反応でも熱が発生すると考えられるため,水素の核融合反応が終わった後のこと についても考えてみたいと思いました。 9.参考文献 数研出版「フォトサイエンス物理図録」 太陽の寿命 http://rokamoto.sakura.ne.jp/education/nuclearpower/solarlife-qa090121.pdf 日射量測定による太陽の寿命の憶測 http://user.keio.ac.jp/~earth/ssh/jpn/pdf/1627.pdf 核融合反応

参照

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