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現在 NHKは放送センターの大規模建て替えを計画している 2020 年着工で まず 情報棟 ( 地上 9 階 地下 1 階 ) を建設し ラジオ放送開始 100 周年の2025 年に運用開始を目指す その後 スタジオや事務部門などを集約した 制作事務棟 ( 地上 18 階 地下 1 階 ) や 見学

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NHKと国営放送を考える! ―山田順(ジャーナリスト)― 「組織は必ず肥大化し、本来の目的とは違ったものになっていく」。今のNHKを見てい ると、そう思わざるをえない。 先月、総務省の有識者検討会が、NHKが2019年度に開始を計画しているテレビ放送 のインターネット常時同時配信を容認するとしたことで今、ネットを中心に騒ぎが広がっ ている。 これはPCやスマートフォンを持っているだけで受信料を取られるということだから、 「おかしいじゃないか」という声が上がるのもうなずける。「もうこうなったらいい加減に 民営化しろ」「スクランブルを導入したらどうだ」などという声も拡散している。 そもそもNHKができた当時は、ラジオしかなかった。その後テレビができたが、そこま では「放送」だったから、テレビ受信機があれば契約によって受信料を徴収するというのは、 ルールとしては理にかなっていた。 なにしろ、たった一つの「公共放送」であり、国民のために全国あまねく必要なニュース や情報、知識、教養、娯楽を届けるのがNHKの使命だったからだ。それに対して、国民が コストを負担するのはやむを得なかった。 しかし、時代は変わった。ネットができて、それが進展して放送と通信は融合した。情報 は誰でも発信できるようになり、双方向となってソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)が登場し、メディアは多様化した。 となるとNHKは、テレビ放送だけやっていては、メディアとして遅れた存在になる。ネ ット進出は、新聞も民放もやっているのだから、NHKも当然の行動として進出した。しか し、問題は受信料である。これをテレビ受像機以外に拡大して徴収できるのか。 なんとできると、6月に裁判所は判断したのである。ワンセグ機能付きの携帯電話を持っ ている場合も受信料を払う義務があるのかどうか争われた裁判で、東京高裁は「受信契約を 結ぶ必要がある」と判決を下した。よって、今回のネット同時配信解禁による受信料徴収は、 当然の帰結と言えるだろう。 今や日本人のほとんどが、ネット接続端末を持っている。博報堂DYメディアパートナー ズの「メディア定点調査2018」によれば、スマホの普及率は全世代で79・4%である。 となれば、どう見ても、これによってNHKの受信料収入はアップするだろう。 NHKは受信料収入で成り立っている。その額、2017年度決算によれば6914億円で ある。

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現在、NHKは放送センターの大規模建て替えを計画している。2020年着工で、まず 「情報棟」(地上9階、地下1階)を建設し、ラジオ放送開始100周年の2025年に運 用開始を目指す。その後、スタジオや事務部門などを集約した「制作事務棟」(地上18階、 地下1階)や、見学スペースが入る「公開棟」(地上4階)を建設する。 その費用、約1700億円といわれているが、受信料収入のアップが見込めれば、難なく 賄えるだろう。それでは、アップする受信料収入は誰が負担するのだろうか。 今回のネット同時配信が実現しても、現在、受信料を支払っている世帯は関係ない。すで に負担しているのだから、新しい負担はない。問題は払っていない世帯だ。「テレビがない こと」(たとえ嘘だとしても)を理由に、これまで受信料の支払いを拒否していた人たちは、 携帯電話の契約があれば、NHK受信料を払わなければならなくなる。 現在、全国には900万世帯を超える「未払い世帯」があるとされる。すでに、昨年12 月、最高裁は「テレビ設置時にさかのぼって受信料の支払い義務が生じる」との判断を示し ている。もう、受信料拒否は「見られない」「見ない」では成り立たないのだ。

結局、こうなってみると、今後、NHKに問われるのは、NHKが受信

料を払うに値する公共放送かどうかということになろう。

ネットによりメディアは多様化し、米国ではトランプ大統領がほぼすべての既存メディ アを「フェイクニュース」呼ばわりしているこの時代、果たして国民からの受信料を徴収し て経営する巨大メディアが必要かどうかである。 そもそも「公共とは何か?」と言われても、一つの概念でしかない。どの番組が公共で、 どの番組が公共でないなどという具体的なことを、いったい誰が示せるだろうか。ただ、N HK自身は、ホームページでこう言っている。 《電波は国民の共有財産であるということからすると、広い意味では民放も公共性がある ということになりますが、一般的には営利を目的として行う放送を民間放送、国家の強い管 理下で行う放送を国営放送ということができます。これらに対して、公共放送とは営利を目 的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送といえるでしょう》 要するに、放送には「民間放送」と「国営放送」があり、さらにどちらからも独立し、営 利を目的としない「公共放送」があるということらしい。 しかし、すでにNHKはオンデマンドサービスでコンテンツを売っているし、民間企業と同 じように子会社を30以上も持っている。NHK本体の予算は国会でチェックされるが、子 会社は民間企業扱いなのでチェックされない。これのどこが公共放送だろうか。

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「ネット同時配信を始めて、受信料を取るなら、それこそ民営化してしまい、見たい人間 からだけ受信料を取ればいい」という意見がある。 しかし、この考えは、公共放送という観点から言うと、見当外れである。なぜなら、そう すると、スカパーやWOWOW、あるいはネットでの定額動画配信サービスのネットフリッ クスやフールーと同じになってしまう。これでは公共放送とは呼べない。 もちろん、それでいいという意見なら問題ないが、「やはり公共放送は必要」となると、 「見たい人間からだけ受信料を取ればいい」というモデルは成り立たない。つまり、見てい ない人から料金を徴収してこそNHKの存在意義があるのであって、公共放送という以上、 見ようと見まいと、見られる環境にある人間全員から受信料を取る。この原則は貫くべきだ ろう。 個人的には、この多様化時代に「公平中立」とか「不偏不党」というのは、もはや無理だ と思っているので、どちらかと言えばNHKの民営化もあっていいと思っている。ただ、後 述するが、いまのNHKを全部民営化しても、巨大な民放局がもう一つできるだけで、日本 社会全体にとってはマイナスだろう。 収益を目指さないで、報道・番組づくりをする局は、それが公共かどうかは別にして、や はり、あった方がいいと思う。 NHKは、同じ公共放送ということで、よく英国放送協会(BBC)と比較される。 しかし、

NHKとBBCはまったく違う。

BBCは視聴者に真実を伝えることを第一としているので、政権批判も平気で行う。最近で は、トランプ大統領を訪英に際して徹底批判したし、かつてはイラク戦争に加担したブレア 英首相を退陣に追い込んでいる。しかし、NHKはトランプ大統領をほとんど批判せず、モ リカケ問題で安倍晋三首相を批判したこともほとんどない。 BBCはNHKと同じように、受信料を徴収している。2017年12月現在で、受信料 は年間、カラーテレビで147ポンド(約2万700円)、白黒テレビは49・50ポンド (約7000円)で、NHKより高い。 そのため、組織運営や番組制作の最終責任はBBC理事会が持つが、オフコム(放送通信 庁)という放送・通信業界を規制する第三者機関の監督下にある。しかし、NHKは総務省 が電波免許を与え、予算、人事は国会で審議される。つまり、国会はNHKの株主総会に当

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たり、その大株主は与党になる。国会は国民の代表機関であるが、これまでNHKの存続に 関して審議したことは一度もない。 BBCに限らず、世界のほとんどの国に公共放送がある。その中で、NHKと同じような受 信料の全世帯徴収のモデルは、ドイツ公共放送連盟(ARD)と第2ドイツテレビ(ZDF) が先に導入している。 ドイツでは、いち早くテレビ受像機を基にした受信料をやめ、2010年から受信機の設 置の有無にかかわらず、すべての世帯と事業所から徴収する「放送負担金」というモデルが 採用されている。 米国の場合、連邦議会が設立した非営利機関の米公共放送機構(CPB:Corporation for Public Broadcasting)が、米公共放送(PBS)や米公共ラジオ(NPR)に予算を分配し て運営している。さらに全米各地に約3千ある公共放送局にも広く資金提供している。この 予算のために、個人に課される連邦税は予算の0・012%または1人あたり年間4ドル (約440円)となっている。 ただし、分配金は全米各地の公共放送局の予算の2、3割ほどで、残りは「アンダーライ ティング」と呼ばれる企業からの協賛金、地元自治体や大学からの助成金、視聴者からの直 接支援で賄われている。 ところが、自分の発言、ツイッター以外はすべて「フェイク」とするトランプ大統領は、 CPBの予算をカットすることに意欲を燃やしている。このように見てくると、果たしてN HKはどうすれば、公共性を担保し、国民のための報道、番組づくりができるだろうか。 私の考えは、少なくとも現状のままでは、NHKは国民の側にはとても立てないと思う。 そこで、報道やドキュメンタリーなどを扱う部門と、娯楽番組やドラマなどの制作部門を切 り離し、後者は完全民営化してしまう。続いて、報道関連部門を2分割し、分割した片方を 内閣の管理下において、これを「国営放送」としてしまう。こうすれば、政府の宣伝がガン ガンできる。右だ左だ、偏向報道だなどといわれなくて済む。 中国には公共放送がなく、中国中央電視台(CCTV)のような国営メディアがあるだけ だ。米国にも、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のような国営メディアがある。これと同 じである。これこそ「日本放送協会」であろう。 こうして、残ったもう一つの報道やドキュメンタリーなどを扱う部門を、一応公共放送と して議会外局の第三者機関の管理下に置き、ドイツのような「放送負担金」で運営する。

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そうして、数年に1度、国民の審査を受けるようにすればいい。 もう一方に国営放送、民間放送があれば、それを尺度に公益追求、真実追求は可能だろう。 それでも、公共が担保されない可能性があるので、この「日本公共放送」の名誉総裁には、 天皇陛下を頂くようにしたらどうだろうか。 いまや、日本の民主主義を担保しているのは「象徴天皇」である。日本人は天皇に対して は、絶対に嘘をつかない。真実のみで接する。日本赤十字社の名誉総裁は皇后陛下である。 NHKから分離された公共放送は、天皇陛下の名の下に、すべてから独立し、国民の側に立 って公益追求、真実追求を行うことができるだろう。

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