下喉頭神経 の機能 に関する電気生理学的研究
鈴
木
(鳥取大学農学部獣医生理学教室) 貝
Elcctrophysiolosical Studics on the Function of thc lnfcrior
Laryngcal Nerve in the Cat and Rabbit
ヽ
linoru SuzuKI
ωψ″チ″クチげ レルガ″,つ Bりsゲο′9♂プ,Яπ夕秒 げ4g″ゲθ″紘々
,拘
チチο″ゲL/zぢυ″sゲ炒)Discharge patterns of e£ ferent impulses of individual nerve fibers in the infe―
riOr laryngeal nerve were investigated mainly in association with the phase of resPiration and the impulses being picked up from £ilaments in the prOximal cut
end of the nerve,
In another series oF cxperiments, mass teflex resPonseS in the inferior laryn―
geal and Phrenic nerves on single shock stimulations to the iPsilateral or contra― lateral superior laryngeal nerve Or ipsilateral deep perOneal nerve Mrere studied.
And then the efttect of artificial resPiration and cessation o£ spOntaneous resPi一 ratiOn with succinylcholine ch10ride administration on the e£ ferent impulse were
studied.
For these experiments, 107 adult cats and 12 rabbits Ⅵ「ere used.
1)It Was found that most nerve fibers exanined showed PhasiC diSChArges coin―
cident 、vith the insPiratOry Phase 01 respiration, Ho、 vever, a ttew nerve fibers
discharged in the exPiratOry phase and some others shoIATed tonic discharges, ie.,
they discharged during insPiratory as well as during expiratOry phases
As to details Of the discharge patterns o£ these nerve fibers, they showed, to a
certain extent, individual di££erences in respect to the frequency, duratiOn, ini‐ tiatiOn and terminatiOn tO the respiratOry phase of the impulses.
り In a iew cases,mass rellex resPonseS With abOut 20 msec latencies and occa―
siOnally additiona1 0nes of smaller amplitudes、 vith abOut 40 msec latencies 、vere
observed in the inferior laryngeal nerve when single pulse stimulatiOns were given tO the ipsilateral deep perOneal nerve, although in most cases such rellex reSPOnses were not clearly distinguished irOm randOn discharges in the nerve. 3)Distinct mass reflex responses in the inferior laryngeal nerve with 6 0-12.0
msec latencies 珀′ere recognized usually 、Then single pulse stimulatiOnも 、vere given
tO either the ipsilateral or contralateral superiOr laryngeal ncrve,being accompa― nied by less distinct respOnses 、vith 10ng latencies O£ abOut 30-40 msec in some 4)ⅢIasS rellex resPonseS in the phrenic nerve with varied latencise ranging £
rom
abOut 16 to 70 msec were Observed Ⅵ/hen single pulse stimulations were given to either the iPsilateral or contralateral superiOr laryngeal nerve, although these responses irequently could not be distinguished frOm random discharges in the5)Even aCter cessation of sPontaneOus respiration fol10wing succinylch。 line chlo―
ride administration, rhythmic bursts o£ discharges were still observed in the
下 喉頭 神経 の機 能 に 関す る電気 生 理学 的研 究
nerve fibers, showing sOme augmentation fOr a short periOd.
ヽげhen artiticial resipration was applied tO these animals with arrested respir―
atiOn, two typeS of grOuping discharges were di£ferentiated£ rOni the vie、T Point of their Thythmic dischargesi one of them cOrresPonded tO the respiratOry
rhythttl and the other did not.
6)To sunlmerize abOve noted results, it cOuld be suggested that the ef£erent
discharges in the inferior laryngeal nerve shows the activity Of the resPiratOry
center as a sensltive lndicator.
I緒
論 下喉頭神経 (反回神経の喉頭枝)な
らびに上IIk頭神経 は,比
較解剖学的あるいは生理学的にも特徴 のある神経 であ り,臨
床的にも重要な神経であるため, これ らの神 経の形態学的,機
能学的研究が多 くなされてい る。 Murray3つ は,ネコの反回神経を組織学的に調べ,そ
の神経線 維 の 分 布 曲 線 は 10∼12μ にPCakを
も つ Sharpな 単峯を形成 し, 自己受容器か らの求心性線維が 合 まれていないか,あるいはきわめて少数であろうと推 定 した。Fernandらと2)も, ウサギの反回神経は約10μ に峯を有す る単峯性の分布曲線を示す ことを報告 した。 これに対 して,阿
部1)は,イ スの反回神経を調べ,大
部 分の線維がFukuy2ma16)の分類による最大径有髄線維 (7μ以上)で
あり,小
径有髄線維 (2∼3μ)の
約9 倍を占める双峯性の分布曲線を示す ことを報告 した。ま た,反
回神経では最大径線維が圧倒的に大多数を占める のに対 して,吻
合枝では中径線維が最 も多い と述べてい る。TOmaschら
46)もヒ トの反 回 神経線維の分布曲線 は双峯性であると報告 した。 Lemere30)は 喉頭筋の神経支配について報告 し,反
回 神経中に合 まれている神経の一部が深部知覚に関与する との見解をとってお り,阿部つも,2∼3μ の線維は深部知 覚線維であるとみな している。しか し,SherringtOn38), Cilimbaris9)は , 喉頭筋には筋紡錘を証明できなか っ た と報告 した。PaulSen36)は,連
続切片によって筋紡錘 を証明して,一
般に運動神経の中で筋紡錘がないか,あ
るいは非常に少ない筋を支配す る神経線維の分布曲線は 単峯性であるが,筋
紡錘に富む筋を支配す るものは双峯 性であると述べている。 一方, Greenら
20)は,
ネコを用いて 反 回 神 経の single unitの 遠心衝撃を記録 し,反
回神経には呼吸周 期に同調 して活動する線維が合まれてお り,そ
の大部分 が吸′息性線維であることを報告 した。 反回神経の求心性線維に関しては,Andrew4)が
ラッ トの反回神経の吻合枝に,aOrtic baroceptorか らの求 心性線維がわずかなが ら含まれてお り,心
博に同期 した 衝撃を得たことを報告 している。 また WiddiCOmbe47) は,
ネコの気管の受容器に つ い て 検 索 し,
一 部 の broncheal endingか らの求心性線維が反回神経の中を 通 ると述べてヤヽる。 以上述べた ように,下
喉頭神経に関 しては多 くの報告 があるが,そ
の実験成績は必ず しも一致せず,この相違 は実験動物,実
験方法の違いに よるばか りでな く,形
態 的にも機能的にも,い
まだ解明されない問題が多い。 ま た,中
村33)34)は筋電図学的研究に よって,
上及び下喉 頭神経によって支配されてい る内喉頭筋は,安
静時にお いては固有呼吸筋 と同様の運動を行なってお り,広
義の 呼吸筋であろうと考えてい る。 これ らのことから,下
喉頭神経は内喉頭筋を支配す る 運動神経線維が大部分であ り,ご
く少数の求心性線維が 合 まれているにすざないものと推定 され る。さらに,研
究者によって成績に若千の相違があるとしても,線
維の 分布曲線か ら,″ 系がきわめて少ないものと推 測 さ れ る。そ浄ゆえ,末
梢か ら呼吸中枢の活動状態を調べ る方 法 として,下
喉頭神経の遠心衝撃を検索す ることには, 次のような利点があるものと思われ る。すなわち, 但)固
有呼吸筋系の求心路及び遠心路をほとんど障害 す ることなしに,呼
H/x中枢の活動 の指標 とな しうる。 ② 下喉頭神経には求心性線維,な
らびに,固
有受容 器か らの求心性線維がきわめて少ない と推定されること か ら,片
側切断による下喉頭神経 自身の衝撃発射の変化 が少ない。 13)下喉頭神経の運動神経細胞は延髄疑核の尾側部に あるため,脊
能に運動神経細胞がある固有呼吸筋系より も,
呼吸中枢か らの介在neuron数
が少ない と推定さ れ るので,呼
吸中枢の活動状態をより忠実に反映す る。 このような観点か ら,下
喉頭神経の活動状態を調べ る ことによって,呼
吸調節機構の一端を知 る手がか りを得 ようと考え,下
喉頭神経の単一神経標本の発射様式なら びに上・ 下喉頭神経の中枢における連絡について検討 した。 工 実 験 方 法
A
実験動物 実験動物は,1.0∼4.8形のネコ107匹,1・9∼30形
の ゥサギ12羽を用いた。 ネコは,麻
酔す るか または除脳動物 として実験に供 し た。麻 酔は25%(w/v)urethane溶
液を体重 1彰 当た り42ι,または, 25%(w/v)thiOpental sOdium溶
液を体重 1彰 当た り1″とを腹腔 内に投与 して行な った。 また,麻
酔剤は実験途上において,必
要に応 じ若千の追 加投与を行な った。ネ コの除脳は,Ctherに
て導入麻酔 を施 し,両
側 の頸動隊 を結繁 したのち,頭
頂部の骨を除 去 して大脳を露 出させ,金
属ヘ ラを用いて前丘前で切断 した。 ウサギは,無
処置のままか,あ
るいは除脳動物 として 実験に供 した。除脳方法は,ネコの場合 と同様に行なっ た。 ネコまたはウサギの気管は,下
喉頭神経を気管及び食 道壁か ら分離 した後に,甲状軟骨部の下方を正中線に沿 って約l Cmの切開を行ない,ガ
ラス製の y字 型カニ ュー レを挿入 した。 この気管カニュー レを介 して,分
泌物な らびに圧迫に よる気管閉塞の防止,人
工呼吸負荷実験, あるいは気流曲線の記録を行な った。B
神経標本の作成方法 実験動物の項で述べたごとき前処置を施 した動物を背 位に固定 し,下
喉頭ネ申経を喉頭にはいる直 前 で 切 断 し て,神
経束の中枢端部に附着 している結合組織を充分に 除去 した後に実験に供 した。以下,神経束標本 とは周囲 の結合組織を充分に除去 した神経束をいう。 上喉頭神経は,喉
頭 にはい る直前で切断 し,そ
の内枝 の切断中枢端を神経束標本 として用いた。 横隔神経は,第
5顕椎か ら出る神経をできるだけ下方 まで分離切断 して,そ
の中枢端を神経束標本とした。 総勝骨神経は,長
絣骨筋にはいる直前で切断 し,そ
の 中枢端を神経束標本 として実験に供 した。 分害1神経標本及び単一神経標本は,神
経束標本の切断 中枢端を黒色ガラス板上に載せ,針
を用いて分割操作を 行な って作成 した。 この分割操作の途中でその遠心衝撃 の発現を確認 しながら,分
割神経標本あるいは単一神経 標本 となるまで分割操作を繰返 した。単一神経標本は, 筋電図におけるNMU放
電の場合 と同様に, ブラウン 管上に現われ る活動電位によって確認 したもので,い
わゆるact e single fiberで ぁるか ら
,単
一の神経線維賞 とは限 らない。以下
,単
一神経標本 とは,act e single fiberを さす。 これ らの神経標本は,そ
れぞれの実験に必要な神経の みを,以
上に述べた方法で作成 し,神
経の乾燥を防 ぐた めに,必
要に応 じて少量のTyrOde液
を滴下 した。C
記録方法及び測定方法a
電極及び活動電位の記録法 導 出電極な らびに刺激電極には直径約0・5mmの Ag一AgCl電
極を使用 した。活動電位の記録には,電
磁オツ シログラフまたは陰極線オツシロスコープを用いた。 電磁オツシログラフによる導出記録は,電
極か らCR
結合増 巾器 を介 して 横河製電磁 オツシログラフ に連結 し,神
経活動電位,心
電図及び呼吸気流曲線を88mmォッ シロペーパーに撮影 した。心電図は注射針電極を用いて 標準第Ⅲ肢誘導を行な った。呼吸気流曲線は,Y字
型カ ニ ュー レか らMareyの
描記盃に連結 し,そ
のゴム膜面 に約 1× 2 mmのカガ ミを,吸
息期に上向きの曲線 となる ようにはりつけ,反
射す る光点の動 きを記録 した。 陰極線オツシロスコープによる記録は,電
極か らR―
C結合増巾器を介 して,日 本光電製VC-6型
2現象オ ツシロスコープ及び 10ud Speakerに 連結 し,神
経活動 電位な らびに呼吸運動曲線を,X線
フイルムまたはオツ シロペーパーに単掃引撮影あるいは連続掃引撮影を行な った。呼吸曲線は,胸
囲型 ピックア ップを用いて,胸
廓 の運動を吸息期に上向きとなるように撮影記録 した。b
反射応答及び伝導時間測定法 下喉頭神経の反射応答は,同側 または反対側 の上喉頭 神経束標本,あ
るいは同側総勝骨神経束標本に求心性単 一電気刺激を与え, これによって下喉頭神経束標本に生 ず る反射応答を 自発性衝撃 と同様の方法で導 出記録 し, その潜時を測定 した。 横隔神経の反射応答 は,同
側または反対側の上喉頭神 経束標本に,下
喉頭神経の場合 と同様の方法で刺激お よ び導 出記録を行ない,そ
の潜時を測定 した。 下喉頭神経 の伝導時間の測定は,節
状神経節の尾側で 迷走神幹を切断 し,そ
の切断末梢端の神経束標木に単一 電気刺激を与え,同
側の下喉頭神経切断中枢端に現われ る活動電位の潜時を測定 し,さ らにおおよその伝導速度 に換算 した。 これ らの実験における電気刺激は, 日本光電製MSE
-2型
電子管刺 激 装 置 を用いて,電
圧 5∼20V,持
続 0,01∼0,lmsecの矩型波で行なった。D
人工呼吸及び succinylchol二ne適
用法 succinylcholine ch10ridの 投与は,神
経衝撃の発現 を確かめた後に行ない,そ
れによって起 こる衝撃の変化 を,自発性衝撃の場合 と同様の方法で導 出記録 した。 succinylcholine ch10ridは2.0%溶
液 として 休重 1彰 当た り約 0.1認を大腿静豚 内に注射 した。 人工呼吸は, y字型気管カニ ュー レの側枝を通 して, 夏 目製動物人工呼吸器を用いて行な った。 この場合の送 気量及び送気周期は,呼
吸曲線の振れがそれぞれの動物 の自発性呼吸運動の状態 とほぼ同様になるように調整を 行なった。 Ⅲ 実 験 成 績A
自発性遠心衝撃 下喉頭神経,上
喉頭神経及び横隔神経 の自発性遠心衝 撃の発射状態を調べ るために,まず,各
神経束標本か ら 正常呼吸時における遠心衝撃の導出記録を行なった。第 1図 に示 したように,横
隔神経束tAlの遠心衝撃は大多数 が吸息期に現われ,呼
息期及び呼吸間欠期には著明な減 少が認め られた。下喉頭神経束lBlの衝撃は連続的に発射 第1図 神経 東 標 本 神l.k衝撃 曲 線B
ド喉頭神経C
上喉頭神経 下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 Ⅲ 分割 神 経 標 本 してい るが,吸
息期にはやや増加の傾向がみ られた。上 喉頭神経束(C)の場合にはわずかな変動がみ られ るが,ほ
ぼ一様の連続的発射が現われた。 この ことか ら,下
喉頭神経には呼吸運動のrhythm に同調 して活動する線維の合まれていることが推定され る。 このような下喉頭神経の遠心衝撃群の構成要素につ いて調べ るために,分
割神経標本の衝撃を記録 した。そ の結果第2図に示 した ように,神
経束標本(I)に
分割 操作を行ないなが ら記録すると,(工)及
び(Ⅲ)に
示 したように,分
割操作が進むにつれて衝撃が吸息期に集 中 して現われ,吸
息性線維の多い ことが知 られた。 第2図 下喉頭神経 I 神経束標本 Ⅱ 分割 神 経 標 本A
横隔神経 神鮨 野撃 呼 吸 曲 線 時 標 50C P S urethane 麻 酔 ネ コ そ こで, このような活動を示す線維の発射様式をさら に詳細 に調べ るために,単
一神経標本か らの衝撃を導出 記録 した。 第 3図 にみ られ るように,下
喉頭神経の単一神経標本 の衝撃には,吸
息期にのみ活動する要素lAl,呼息期にの み活動す る要素lB),吸息期及び呼息期を通 して連続的に 衝撃の発射を示 してい る要素lClなどのあることが認め ら れた。 さ らに第 4図,第
5図 な らびに第 6図 に示 したよ うに,そ
れぞれの要素の中でも,種
々異なった発射様式 を示すものがみ られた。 urethane 麻 酔 ネ コ rr‐ k_― ュ ureth ane麻酔 ネ コ uretユiane 麻 画孝ネ コ ヽ ― イ ー͡ ヽヽ 一 イオh― urethane 麻 酔 ネ コ費 木 鈴
A
吸息性要素B
呼息性要素 神経衝撃 呼吸曲線 時標 50C P SC
緊張性 要素 urethane 麻 酔 ネ コ uretiiane 麻 酉│ネ コ =″_″″ ‐、 ∼_…坤中_ン″メイゝ、、___ 除 脳 ウサ ギ urethane麻酔 ネ コ 第6図 緊張 性 要 素 urethane 麻 酔 ネ コ 麻 聞│ネ コ 無 処 置 ウサ ギ urethane 麻 酔 ネ コ下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 このように
,下
喉頭神経の単一神経標本か ら導出され る遠心衝撃には,き
わめて多 くの発射様式を示す要素が 含 まれてお り,著
者が単一神経標本 として分離 した46例 のうち,43例までが,呼
吸周期に対応 して放電頻度の変 動を示す要素であった。そ こで前記の吸息性,呼
息性な らびに緊張性要素の発射様式をさ らに詳細 に調べ るため に,記
録す ることのできた単一神経標本の衝撃のうち, 主なものについて interval diagramを 作 って 検 討 し た。a
吸息要性素 第 7図 及び第 8図 に示 した例は,吸
息の初期 より, 4 ∼ 5個 のきわめて少数の impulseを発射 し,そ
の放電 間隔が約200msecか ら約 100msecと な り, 吸息相のPeakに
達す る以前に消失 した。 第7図 吸息 性 要 素 麻 酔 ネ コ 5 No放 電 番 号 第 9図 は,impulSeの
数も少 なく,吸息の初期 より衝 撃が現われ,
吸息のPeakに
達す る以前に消失す るも ので,この放電間隔は約 120msecから始 まり,徐
々に 短縮 して約80msecとな って停止 した。 この要素は, impulseの数な らびに放電間隔に若千 の 差 異 は あ る が,第
7図 及び第 8図 に示 した例 と同様の発射Pattern であると思われ る。 第10図に示 した例は,3∼
4個
の きわ め て 少 数の impulseを発射 してお り,そ
の放電間隔が約 50msec であるが,後
の方の放電間隔がわずかに伸びている。肺
靖
200
電 m 放 5 No放電 番 号 ureth図
蝶
9 性第
聴
5 No放 電番号 神経 衝 撃第 10図 吸息性要素 放電間隔 100 第 ■図 吸息性要素 放電間隔 100 5 No放電 番 号 第■図に示 した例は
,吸
息の初期 より少数の impulse を発射 し始め,約
60msecの放電間隔か ら約 130msec に間隔が拡が り,吸
息のpe2kに
達する少 し以 前 に 消 失 した。 この例は,放
電間隔にわずかな差異がみ られ る が,
第10図に示 した例 とほぼ同様の発射 patternで ぁ ると思われ る。 賞 第12図及び第13図は,12∼15個 の 比 較 的 数 の 多 い impulseを発射 し,
その放電間隔にわずかな動揺がみ られ るが,ほ
とんどが約50msecの等 しい間隔である。 これ らの呼吸曲線は,第
12図が胸廓運動,第
13図が気流 曲線であるため,両
者の衝撃発射の時期 と呼吸相 との関 係は明 らかに し得ないが,衝
撃群の発射様式のみをみ る と,お
そ らく同様のPatternで ぁろうと思われ る。 第 12図 吸息性要素 申維 衝 撃 子吸 曲 線 時 標 50C P S No放電 番 号 u r / 木 鈴 5 No放電 番 号 第13図 吸息性要素警
呼 吸 曲 線 15 No 放電番号 thane 麻 酔 ネ コ第14図に示 した例 は,15個の比較的数の多い impulSe を吸息の起 こる以前か ら発射 し始め
,呼
息の初期にまで 衝撃を持続 している。その放電間隔は約50msecのほぼ 等 しい間隔で連続 し,最
後の 2個 のimpulseが約 100mSeCの
間隔に拡が ってか ら消失 した。 第14図 吸息性要素 5 10 15 No放 電 番 号 第15図の例は,吸
息の起 こる直前 より衝撃を発射 し始 め,約
30msecのやや短い比較的一定 した放電間隔で吸 息のpeakまで連続 して後,わ
ずかな変動を示 しなが ら 呼息の初期まで衝撃を持続 し,最
後の1個
の 間 隔が約 150msecに 伸びてか ら消失 した。 第16図に示 した例では,27ィ固の比蔽 的多数の impulse が約30∼40msecのほぼ等 しい間 隔で吸息の起 こる直前 より連続 し,後
期の数個が吸息の末期か ら呼息の初期に わた って間隔が拡が りなが ら消失 した。 第17図及び第18図に示 した例においては,23∼25個の impulseヵべ吸息の直前 より約 30∼40msecのほ ぼ等 し い放電間隔で連続 し,後
期に現われる数個の放電間隔が 変動 または拡が りを示 しなが ら,呼
吸間欠期にまで持続 してか ら消失 した。これ らの例は impulSeの数におい て若子の差があるが,吸
息相における放電間隔が約30∼ 40msecで持続 し,か
つ, 後期の数個の間隔が拡がって か ら停止することなど,
第16図に示 した Patternに 類 するものであろうと考え られ る。 しか し,呼
吸間欠期 ま で衝撃を持続 し,次
の吸息相の衝撃群 との間隔が短いこ とに関 してはやや異な った発射を示 した。 下喉頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 放電間隔 100 第15図 吸息性要素 25数電番号
麻 酔 ネ コ urethane麻酔 ネ コ 神経 衝 撃木 鈴 賃 第19図に示 した例は
,吸
息の初期 より吸息の Peak まで23個の比較的多数のimpulseが連続 してお り,大
部分の放電間隔は約30∼40msecで
ぁるが,発
射の初期 及び後期に 現われる 数個のimpulseの間隔が 50msec 以上に拡が っている。 第19図 吸 息 性 要 素 2「JNo. 放電番号 神 経 衝 撃 曲 線 時標 50C,P,S 線 & 曲 P , 第18図 吸息性要素 放電 間隔 100 ・ ― ― ― ―― ―・ ―‐ ‐ k urethane 麻 酔 ネ コ urethane 麻酔 ネ No放 電番号下喉頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 第20図に示 した例においては
,吸
息の初期 より吸息の peakまで15個のimpulseを 連続 して発射 し,大
部分の 放電間隔は約20∼30msecで
比較的狭いが,初
期の 3個 のimpulseの間隔が伸びている。 この要素は impulSe の数あるいは放電間隔において若干の差異はあるが,お
そ らく第19図に示 した例に類する Patternで ぁ ろ うと 推定される。 第20図 吸 息 性 要 素 15 No放電番号 第21図は呼吸曲線に変動のみ られた例を示 したもので ある。すなわち,吸
息の初期 より約30msecのほぼ等 し い間隔で26個の比較的多数の impulseを発射 し,吸
息 のPeakの
近 くで停止 しているが,
後 期の数個の放電 間隔がやや変動 している。 この衝撃の現われてい る呼吸 相 は,前
後の呼吸曲線 と異な り,吸
息の終 りに矢印で示 したような短い吸息が加わ っている。 第22図は吸息の初期 より11個のimpulseを発射 し, 吸,まのpeakに
達す る前に消失す るもので,
その放電 間隔は約 100msecであるが, 中期以降の間隔がやや変 動 している。 第23図及び第24図に示 した例は,
全 く同 一 の 発 射 Patternと はぃえないが,い
ずれも吸息期か ら呼息期を 通 して連続 した衝撃を発射 している。すなわち,各
呼吸 相に対す る衝撃群の始めと終 りの限界が明 らかでな く, 吸息期には極度に放電頻度を増 し,呼
息期及び呼吸間欠 期には少数のimpulseを発射 しなが ら連続 してい る。 これ らの例において,最
大放電間隔が約 120msec以上 であ り,緊
張性要素 とい うよりは,む
しろ吸息性要素 と 考え られ る。 第21図 吸息性要素 ,│_●■―●_P
1時標 1100C P S轄攀攀攀警螂 緯
■
:′b電
図
ギ幹
│ゞ辞
rlⅢ看
洋
ギ∵
吸
曲
線
25No 放電番号 第22図 吸息性要素 時標 100C P S 神経衝撃 r.8心 電 図 ift浄呼吸曲線 urethane 厭酔ネコ 10No放 電 番 号鈴 賃 以上述べた第 7図 か ら第24図までに示 した例が
,明
ら かに吸息性要素 として分類されるものである。 しかし, これ らの吸息性要素のほかに,第
25図に示 したような特 異 な発射 Patternを 示す吸息性要素の存 在す ることも 認め られた。 このように,下
喉頭神経の吸息性要素の中 には,impulSeの
数,
放電 間隔及び呼吸相 と衝撃群 と の関係な どにおいて,種
々の発射様式を示すものの存在 す ることが知 られた。 第25図 吸 息 性 要 素 -放電 間隔 神経衝撃 禅 Ⅲ;持 静 静 螂 言鬱坤 心 電 図 第23図 吸息性要素 放電 間隔 時標 ,100C P S 30No 放電番号 │■f,│.工
″f∵
\ 工″― lillI―Ⅲ;.漱蕉■
=■ミ
_i,一
│ urethane 麻 酔 ネ コ 一 学 時 議 ∵藤 ″ 麟∵ 警盛 騨ゝ "が や 警 呼 吸 曲 線 urethane 麻 酔 ネ コ 5 No放 電 番 号b
呼′息性要素 第26図は呼息の初期 より17個の impulseがゎずかな 変動を示 しなが ら約30∼40msecの放電間隔で発射 し, 吸夕息の起 こる直前 まで連続 している。 第27図の例において は,
呼 息 の 初 期 か ら12個 の impulseが発射 され,
呼吸間欠 期に至 って衝撃が消失 した。 また,そ
の放電間隔は約20∼50msecの間であ っ て,や
や変動がみ られた。 第28図に示 した例は,吸
息の末期か ら呼息にわた って 6個 の比較的少ないimpulSeを発射 し, その放電間隔 は約20∼40msecでぁ り,や
や変動 していた。 第26図か ら第28図までに示 したように,下
喉頭神経の 遠心衝撃には呼息性要素も存在 してお り,吸
フ息性要素 と 同様に異な った発射様式を示す要素の合まれてい ること が知 られた。 2研o 放 電番 号下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 20 No放 電番号
C
緊張性要素5 No放
電番号 第29図及び第30図に示 した例 は,吸
息期か ら呼息期を 通 して連続 した衝撃を発射 してお り,吸
息期には約30∼ 40msecの 放電間隔であるが,呼
息期には約50∼70msec に間隔が拡が ってい る。 これ らの衝撃は緊張性要素 とし て分類 したものであるが,放
電頻度において若千の呼吸 性変動が認め られた。 第31図及び第32図に示 した例においても,吸
息期及び 呼息期を通 し連て続 した衝撃を発射 してお り,そ
の放電 間隔は約20∼40msec以
内であるが, わずかに変動が認 め られた。 しか し,第
29図及び第30図に比べ ると,き
わ めて小 さな変動 しかみ られない緊張性要素である。 これ らの ことか ら,下
喉頭神経には吸′鼠性要素な らび に呼息性要素のほかに,緊
張性要素も存在す ることが明 らか となった。 また,緊
張性要素 として分類 したものの 中には,わ
ずかなが ら呼吸性変動を示す ものと,ほ
とん ど呼吸性変動を示さないものとが存在す ることが知 られ た。d
連続放電間隔ダイヤグラム 以上に述べた放電間隔ダイヤグラムの うち,吸
息期及 び呼息期を通 して連続 した衝撃を発射 してい る吸息性要 素ならびに緊張性要素を除いては,一
つの呼吸相に対す る衝撃の放電間隔を表わ したものである。 しか し,第
33 図に示 したように,同
一の単一神経標本であ っても,各
第 28図 呼息性要素 麻 酉千ネ コ 除脳 ウサ ギ 10 No放 電番 号賞 木 第 29図 緊張性 要素 50No. 放電番号 第30図 緊張性要素 4mo. 放 電番 号 口rethane 麻酔ネコ
下喉頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 第31図 緊張性要素 第 32図 緊張性要素 45No. 放 電番 号
urehane麻
酔ネコurehane
麻 酔 ネコ呼吸相に対す る放電数あるいは放電間隔に若千の差異が 認め られた。そ こで
,同
一の単一神経標木における衝撃 の各呼吸相に対する放電 patternの 相違を 調 べ るため に, 5∼6呼 吸周期に対応する衝撃の放電間隔ダイヤグ ラムを作成 した。 第34図に示 した例では,吸
息の初期 より吸息の末期 ま で約17個のimpulseを発射 してお り, 一つの呼吸周期 第33図 単 一 神 経 標 本 賃 に対するimpulseの数及 び放電間隔がほぼ一定 してい て,各
呼吸周期ごとの変動がきわめて少なか った。第35 図に示 した例では,呼
息期を過ざてか ら吸息期に至 るま で,す
なわち,呼
吸間欠期 と思わ れ る 時 期 に 少 数 の impulseを 発射 してお り,各
呼吸周期 ごとの放電間隔の 変動が少なか った。 これ らの例においては,各
呼吸周期 に対する衝撃群が明 らかに分離 してお り,か
つ,そ
れぞ れの impulseの数及び放 電間隔はゎずかに変動がみ ら れるが,ほ
ぼ一定 してい る例である。 第36図及び第37図に示 した例は,吸
息全期を通 じて衝 撃が現われてお り,さ らに呼息期にまで わ た って持 続 し,呼
吸周期に対す る衝撃群の始めと怒 りが明 らかに分 離 してお らず,また,impulSeの
数もきわめて多い。 第38図及び第39図に示 した例においては,吸
息期か ら 呼息期を通 して連続的に衝撃を発射 してお り,吸
息期に は放電数が多 く,呼
息期には少な くな ってい る。 この要 素は最大放電間隔が100mSec以上であ り, 緊張性要素 とい うよりはむ しろ吸息性要素であると考え られる。ま た,
各呼吸相に対す るそれぞれの放電 patternは かな りの差異が認め られた。B
吸息性要素 時 標 loOC P S 神 経 衝 撃 心 電 図 呼 吸 曲 線 第 34図 吸息性要素 時標 looc.P.s, 神経衝撃 心 電 図 呼吸曲線 80No. 放電番号 urethan e 麻 酔 ネ コ 放電 間隔下喉頭神経 の機能に関する電気生理学的研究 時 標 100C,P Si 神 経 衝 撃 心 電 図 呼 吸 曲線 このように
,種
々の発射様式を示す衝撃の放電間隔を 5∼ 6呼 吸について連続的に測定す ると,呼
吸相に限局 して現われ る衝撃群では,各
呼吸周期に対 してほぼ一定 した発射様式を示 した。 これに対 して,吸
息全期か ら呼 息期にまでわた って連続的に衝撃を発射す る例では,そ
れぞれの呼吸周期に対す る発射様式にかな り大 きな相違 が認め られた。 以上述べたように,下
喉頭神経には呼吸運動 の吸息期 または呼息期に同調 して活動する相動性要素 と,連
続的 に活動す る緊張性要素があ り,そ
の うち,相
動性要素が 大部分であることが知 られた。 また, これ らの要素のう ちでも吸息性要素が最 も多い こと,さ らに,そ
れぞれの 要素の放電 patternは 多種多様にわ た っ てい ることが 明 らか とな った。B
反射応答及び伝導時間 末梢の神経衝撃か ら中枢の活動状態を うかが うために は,中
枢か らの介在要素ができるだ け少ない方が,現
わ 漁た現象を理解す るうえにも好都合であると考える。そ こで,呼
吸調節に関与す る要素の中枢における連絡の仕 第35図 吸息性要素 40 No放 電 番 号 第 36図 吸怠性要素 日寺標100C.P,S, 神経衛撃 電 図 曲 線 N。. 放電番 号質 木 , 鈴 放電 間隔 放電 間隔 No. 放 電番 号 hiOpental麻 酔ネコ 150 No. 放電番号
下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 第 39図 吸息性要素 放電 間隔 msec。 50 方 と
,末
梢効果器への支配関係を知 る一つの手がか りを 得 るために,下
喉頭神経及び横隔 神 経 に おける反射応 答,な
らびに下喉頭神経の伝導時間についての検索を行 なった。 総誹骨神経束標本の切既中枢端に単一束1激を 与 え る と,同
側の下喉頭神経に比較的明 らかな反射応答の現わ れ る例 もあるが, 自発性衝撃 との区別が困難な場合,あ るいはamplitudeが小 さく確認で きない場合が多か っ た。 しか し,第
40図に示 したように比較的明 らかな応答 の現われる例においては,潜
時が短か く,か
つ, amp―Itudeの
大きな最初の応答が出現す るが,こ れ に 続い てamplimdeの
小 さな第 2の 放電の現われ る例もあっ た。 これ らのうち,比
較的明 らかに確認できた反射応答 についての潜時を測定 し, ヒス トグラムで表わ した。す なわち,第
41図に示 したように,潜
時の短い最初の反射 応答は約15.0∼20,Omsecに現われ ることが多か った。 これに対 して,
潜時の長い第 2の 放電は約 30,0∼400
mSeCに
現われることが多 く,か
つ, 最初の応答に比べ て潜時の変動が大 きか った。 これ らのことか ら,中
枢に おける介在neuron数
を推定するためには,
より明 ら かな反射応答を誘発できる神経を刺激することが必要で あろうと考え られる。 同側 または反対側の上喉頭神経束標木の切断中枢端を 刺激す ると,ほ
とんどすべての例において,下
喉頭神経 に明 らかな反射応答が認め られた。すなわち,同
側の上 放電番号 喉頭神経を刺激す ると,比
較的一定 した潜時で ampli― tudeの大きい最初の反射応答が著明に出現 した。さ ら に, これに続いてamplitudeの小 さな第 2の 放電が現 われ る例 と,第
2の 放電の認め られない例 とがあった。 第42図に示 したように,総
LHF骨神経の刺激実験に比べて きわめて明瞭な反射応答が現われてお り, この図にみ ら れ るように 2回 以上の重複撮影す ると,ほ
とんど同様の 波型の応答であることがわか る。 また.第
42図A及
びB
はそれぞれ異な った実験例であるが,第
2の 放電が現わ れ る場合 と現われない場合 とがあ り,多
くの例において は最初の反射応答の放電後の抑制が長い場合には,第
2 の小 さな放電が認め られない ことが多か った。 この反射 応答の溶時を測定 し,そ
の ヒス トグラムを作成す ると, 第43図に示 した ように最初の反射 応 答 は 約6.5∼10,0mSeCに
集中してお り,
きわめて一定 した潜時で現われ た。 また,第
2の 放電の現われ る例においては,約
30.0 msec∼40.Omsecの溶時のものが多か ったが,この潜時 の変動は最初の amplitudeの大きな反射応答 の潜時に 比べ てきわめて大きか った。 反対側上喉頭神経刺激によって現われ る下喉頭神経の 反射応答は,第
44図に示 したように,同
側上喉頭神経刺 激の場合 とほぼ同様であったが,同
側刺激の場合に比べ てやや確認 し難い例が多か った。 これ らの反射応答の潜 時を測定すると,第
45図に示 したように,最
初の応答が 約8.5∼12.Omsecの 比較的一定 した 潜 時 で現われるこ hiopental 麻 酔 ネコ木 賃 第40図 同側総Blr骨神経刺激 一 下喉頭神経反射応答
A B
100μ V[ 時標 1000C P S, 第41図 同側総勝骨神経刺激 一一―一→ 下喉頭神経反射応答 除 脳 ネ コ下喉頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 同側上喉頭神経刺激
A
第42図 ―――一→ 下喉頭神経反射応答B
200μV E 重複 撮 影 同側上喉頭神経刺 激 第43図 ― → 下喉頭神経反射応答 urethane麻酔 ネ コ 60 msec.潜時とが明 らかにな った。また, これに続いて現われる小さ な放電は約30.0∼40.Omsecの潜時であるが
,同
側刺 激 の場合と同様に,か
な り大 きな変動がみ られた。 以上述べたように,同
側及び反対側上喉頭神経刺激に 対す る下喉頭神経の反射応答 の潜時にはわずかな差異が み られるが, この潜時のみか ら推察すると,両
者におけ る介在neuron数
にはあまり大き な 差異がないものと 推測され る。 一方,同
側の上喉頭神経に求心性刺激を与えた場合に は,横
隔神経に著明な反射応答 の現われ る例が多い。 し か し,
自発性衝撃 との区別不明 瞭 な 場 合,
あるいは amplitudeが小さ く確認 し得な い 場合が多か った。第 46図に示 したものは著明に反射応答の現われた例である が,横
隔神経に現われ るamplitudeの大きな反射応答 賞 はその潜時が一定せず,また, このほかに amPIitude 力朔ヽさく,きゎめて短い潜時の放電が現われ る例 もあっ た。 しか し, この潜時の短い放電が上喉頭神経刺激によ って起 こった反射応答であるのか,あ
るいは偶然にも刺 激直後に 自発性衝撃が合成 されたために生じた放電であ るのかは明 らかにすることができなかった。これ らの反 射応答 のうち,比
較的明瞭に現われたものの潜時を測定 し,そ
のヒス トグラムを作成 した。すなわち,第
47図に 示 したように,約
18.Omsecから約68.Omsecの 潜時に わた って反射応答が現われてお り,そ
の中でも大多数の 例が約 30.Omsecから約 40.Omsecま での港 時 であっ た。 また,上
喉頭神経刺激による反射応答であるとは確 定できないが,約
4 0msecのきわめて一定 した潜時の 放電 も現われ ることが知 られた。 第44図 反対側上喉頭神経刺 激A
下喉頭神経反射応答B
反対供1上喉頭神経に刺激を与えた場合においても,横
隔神経に著明な反射応答が現われる例が多か った。 しか し,
同側刺激の場合 と同様に amPlitudeの 小 さい場 合,あ
るいは自発性衝撃 との区別が明確でない場合など があ った。また,短
い潜時の小さな放電が現われる例も 多いが,同
側刺激の場合 と同様に, これが反射応答であ るとは確定できなか った。第48図に示 した例は,著
明に 現われた反射応答であるが,同
側刺激の場合 と同様にそ の潜時が一定せず,か
な り大 きな変動がみ られた。 これ らの潜時を測定すると,第
49図に示 したように,反
射応 答であるとは確認できないが, 約5,Omsecの短い潜時 でamplitudeの小 さい放電が現われ,そ
れに続いて起 50μ V[ 重複 撮 影 50 60 msec l誉‖寺下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 第46図 同側上喉頭神経刺激 ――――→
A
横隔神経反射応答B
100μV[ 時 標 除脳 ネ コ 第47図 同側上喉頭神経刺激 ――――→ 横隔神経反射応答 70 msec.潜時こる amplitudeの 比較的大きな反射応答が約16.Omsec か ら約71,Omsecの潜時で現われ ることが明 らかにな っ た。 以上述べた成績か ら
,同
側 または反対側 の上喉頭神経 に求′も∀l■単一刺激を与えた場合には,下
喉頭神経に著 明 な反射応答が現われ,ほ
ぼ一定の潜時であることが知 ら れた。また,同
様の刺激に対す る横隔神経の反射応答 は 自発性衝撃 との区別が明確でない例も多か ったが,明
ら かに確認できる反射応答の港時は,そ
れぞれの例によっ てかな り大きな変動が認められた。 迷走神経の切断末梢端に刺激を与え,同
側の下喉頭神 経に現わ浄る活動電位を記録す ると,第
50図に示 したよ うな波型が得 られた。 この活動電位の波型か らみると, 下1侯頭神経は大部分がほぼ類似 した太 さの線維か ら構成 されてい るものと思われるが, 2∼3の 峯分かれがみ ら れることか ら,詳
細に分類すれば,数
種類 の類似 した線 維群によって構成 されてい るものと推測され る。 また, 第50図Bに現われているように,さ らに伝導速度 の遅い 少数の線維も合 まれていることが うか が わ れ る。 しか し, この実験では神経束標本を用いてい るため,電
極 と 神経束標本 との接触のしかたによって波型 の異なる活動 電位が現われ る。それゆえ,本
実験においては第51図に 示 した a及 び bの 部分の潜時のみを測定 して伝導時間と した。 この潜時を ヒス トグラムで表わすと,第
52図に示 したように,刺
激点か ら立ち上 りまでい)は約15∼
4,0mSeCで
あ り,刺
激点か ら立ち下 りまでlb)は約5.0∼ 9.5mSeCの
潜時であった。すなわち,
この潜時か ら推察す ると,節
状神経節の直下か ら喉頭の直前 までの伝導時間 第48図 反対Ⅲl上喉頭神経刺激 ――一二→ 横隔神経反射応答A B
100μ V L 除 脳 ネ コ 除脳 ネ コ 放電数%
70 nsec 潜 時は
,最
も速い線維で約 1・5msecで
あ り,最
も遅い線維 でも約9.5msecでぁった。一方,神
経束の長 さを測定 しこの伝導時間を神経束の伝導速度で表わすと,第
53図 に示 したように, 最 も速い例では約 70m/seCであ り, 最 も遅い例でも約 1lm/seCであった。 しか し,神
経束 標本についての実験であるため,正
確な立ち下 りまでを 測定できない し,また,神
経束 の長 さの測定が不正確 と なる。それゆえ,正
確な伝導速度 とはいえないが,最
も 遅い線維でも実際の伝導速度が 1lm/SCCよ りもかな り 速い線維が大部分を占めているものと推定される。 下喉頭神経の機能に関する電気生理学的研究 放電数%
60 40 20 第 50図 同側迷走神経刺激 一――一→ 2 ド喉頭神経誘発電位 放電数%
時標 100oC P,s 第52図 伝 導 時 間 10 msec.潜時 100μVE 第51図 韻1定部 位 第r。3図 伝導速度 除脳 ネ コ 除脳 ネ コC
人工呼吸及びSuccinylcholine投与 自発性呼吸運動時の下喉頭神経の 自発性遠心衝撃は, 呼吸運動が不正の場合においても,そ
の呼吸周期の変動 に伴 って衝撃発射の動揺を示す ことが推測される。たと えば,第
54図A及
びBに示 したように, 2段呼吸型を示 す呼吸運動を行なってい る動物においては,下
喉頭神経 第「o4図 神経束標本A
自発性呼吸 時標 50C.P,SB
自発性呼吸 賃 の衝撃 も呼吸運動の変化に同調 して,各
吸息相に増加の 傾向が認め られた。 このように,呼
H/t運動 の動揺に伴 って衝撃の変化が現 われることか ら,人
工的に呼吸運動の周期を変調 した場 合の衝撃発射の様相が どのように変化す るかを調べた。 第55図に示 した例は,正
常の自発性呼吸運動に人工呼 吸を加えた場合における分割神経標本の衝撃を記録 した ものである。 この例においては,A及
びBのいずれの場 合にも,わ
ずかな衝撃の変化が認め られ るのみで,正
常 呼吸時の発射 との差異が明 らかでなか った。 第56図の例においては,正
常呼吸運動(I)を
行なっ ている動物に,そ
れよりやや大きめの人工呼吸 (工)及
びさらに大きな人工呼吸 (Ⅲ)を
負荷 したが,著
明な衝 撃の変化は認め られなか った。 しか し,第
55図及び第56 図に示 した実験例は,い
ずれも分割神経標本であ り,ま だ相当数の線維が活動 してい るため,衝
撃の変化を正確 にとらえ難いものと考え られ る。そこで,さ らに細い分 割神経標本を用いて人工呼吸負荷時の変化について調べ た結果,第
57図A及
びBに
示 したように,人
工呼吸を負 荷することによって,呼
息期及び呼吸間欠期にまで連続 して衝撃が現われた。また,第
58図A及
びBにみ られる ように,人
工呼吸を加えることによって衝撃の持続時間 が延長 され, impulseの
数が増加す る傾 向の認め られ る例もあった。 このことか ら,人
工呼吸負荷によって, 下喉頭神経の遠心衝撃に影響 が 現 われ ることが知 られ た。 そ こで,Su∝inylchOlineを 投与 して自発性呼吸運動 を停止させた場合の,下
喉頭神経の遠心衝撃について検 I 自発性 呼 吸 Ⅱ 自発 性 呼 吸 + 人 工呼 吸 Ⅲ 自発性 呼 吸 + 人 工呼 吸 I 自発性J子吸 自発性 呼 吸 + 人工 呼 吸 Ⅲ 自発性 呼 吸 + 人 工呼 吸 男55図 分割 神 経 標 本 神 経 衝 撃 呼吸 曲線 urethane麻酔 ネ コ urethane 麻 酔 ネ コ ″ `ヽ__ィ余_ノ″aや メA_ urethane 麻酔ネコ urethane 麻 酔 ネ コ 時標 50C P S下H侯頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 第57図 単一神経標本 索を行なった。 第59図に示 した例は
,分
割神経標本の衝撃 を連続記録 したものである。すなわち,SuCCinylcholine投 与によ って自発性呼吸運動を停止させ ると,同
図工に示 したよ うに, 自発性呼吸時の周期 とはやや異 な ってい るが,周
期性の衝撃群が存続 し,か
つ,増
強されてくる。さらに 時間を経過す ると,これ らの周期性衝撃群が消失 し,同
図Ⅲに示 したように単一の衝撃が連続 し,か
つ,きわめ て長い間隔を置いて散発的に群化衝撃が現われ るように なる。 このまま無呼吸の状態に してお くと,同
図Ⅳにみ られるように,連
続 した単一の衝撃 も消失 し,群
化衝撃 のみが非常に長い間隔で時々出現 した。 このような衝撃 の変化は,第
60図及び第61図に示 した ように,さ らに少 数の線維での実験においても認め られた。 このように,Succinylcholine投 与によって動物の自 発性呼吸運動を停止 させた場合にも,明
らかに周期性の 衝撃発射が存続 し,か
つ,人
工呼吸に対応 して衝撃の変 化が現われる可能性が考え られる。そ こで, Succinyl― cholineを 投与 して自発性呼吸運動を停止させた動物に 人工呼吸を行ない,この時の衝撃の発射様相について検 索 した。 第56図 分割神経標本 I 自発 性 呼 吸 Ⅱ 自発 性 呼 吸 + 人 工呼 吸 自発性 呼 吸 + 人 工呼 吸 I 自発 性 呼 吸 Ⅱ 自発性呼吸+
人工呼吸 自発性呼 吸 + 人 工 呼 吸 自発 性 呼 吸 + 人工 呼 吸 urethane麻酔 ネ コ urethane麻酔 ネコ ur ethane 麻 酔 ネ ヨ害 貝 木 鈴 第58図 単一神経標本 神経 衝 撃 吸 曲 線 I 自発 性 呼 吸 Ⅱ 自発 性 呼 吸 + 人工 呼 吸 Ⅲ 自発 性 呼 吸 + 人工 呼 吸 I 自発性 呼 吸 Ⅱ 自発性 呼吸 + 人 工呼吸 Ⅲ 自発性 呼 吸 + 人工呼 吸 弟60図 分11沖 在器不 ― II標 静霊ljJ学
:導狩 ∵1欝筆 執 鉾
:岬呻
第59図 分をⅢⅢ経標本 I 白/1t任呼 吸 H succinylchOhne投 ケ Ⅱ succinylchohne投 与迅
勝
口rcth前leホ酔ネコ :成二
旅 魏 … 工驚
tw〔 ー よ!■ , !上 l111,,, IⅢ 十 ― urethane 麻 酔 ネ コ urethane 麻 酔 ネ コ基
1搬酔
第61図 単 一 神 経 標 本 下喉頭ネ申経の機能に関する電気生理学的研究 時 標 100C P S 神 経 衝撃 心 電 図 呼 吸 曲線 第62図 sucOnylcholine投与 + 人工 呼 吸 Ⅱ 分 割 神 経 標 本 一 ― ― ― → 分 割 第62図工に示 した例においては
,人
工呼吸 の周期に同調 して活動する要素の存在が明ら かでないが, この標本をさらに分割すると, 同図工にみ られるように,きわめて少数の線 維ではあるが,人
工呼吸の吸息相に衝撃の増 加がみ られた。同図Ⅲに示 した例は,同
図工 をさ らに細か く分割 した標本による成績であ るが,
動物が SucCinylcholineの 作用か ら 回復 し始めると,人
工呼吸の周期に同調する ことな く, 自発性呼吸の吸息相に一致して衝 撃が現われてきた。一方,第
63図に示 した例 においては,人
工呼吸の周期に一致 した衝撃 群がみ られた。また,第
64図工に示 した例で は,人
工呼吸の周期に一致 して衝撃群がみ ら れるほか,人
工呼吸の間欠期に持続時間の短 い衝撃群が現われている。そこで,この標本 をさらに分割すると,同
図工のように衝撃は 減少 したが,同
図 工における衝撃 とほぼ同様 の発射様式が認め られた。次にSuccinylcho― lineを 投与 して 自発性呼吸 運動 を停止させ て人工呼吸のみを行な っている場合 (第65図I)に ,人
工呼吸をも停止すると,第
65図工 に示 したように,時
間の経過 と共に衝撃が増 加 し,遂
には連続的に発射するようになる。 以上述べたような人工呼吸の周期 と衝撃群 との関係を知るために, 自発性呼吸を停止 し た動物に対 して,人
工呼吸の周期を替えた場 合の衝撃について調べた。 Ⅲ 分 割 神経 標 本 一 ― ― ― → 分割 I 自発 性 呼 吸 Ⅱ succinylcholine投与 Ⅲ succinttcholine投与 urethane 麻酔 ネコ I 分 割 神 経 標 本 urethane麻酔 ネ コ神 経 衝 撃 呼吸 曲 線 時標 50C,PS 第64図 succinylchohne投与 十 人 工1子吸 賃 第66図Iに 示 した例は
,神
経束標本の衝撃であるが, この例では明らかに人工呼吸の周期に一致 した衝撃群が 現われている。さらにこの標本を分割 した場合にも,同
図工に示 したように,人
工呼吸の周期に同調 した衝撃が 発射 された。そこで,人
工呼吸の周期を短縮すると,同
図Ⅲに示 したような,人
工呼吸の周期 とは異 な った周期 性の衝撃群が現われた。 また, 自発性呼吸を停止 させる と同時に,極
端に長い周期 (約4.5sec/cyde)の 人工呼 吸を負荷すると,第
67図工にみ られるように,自発性呼 吸の場合 とほぼ同様の周期の衝撃群が,人
工呼吸の 1周 期に対 して 4∼ 5回 出現 して後,人
工呼吸 の吸息相に少 数の衝撃が連続 した発射を示 し, この発射様相を反復す る現象が認められた。 この人工呼吸を短い周期 (約2.5 SeC/Cyclc)に 替えると, 同図Ⅲに示 したように,
人工 呼吸の 1周 期に対 して 2∼ 3回 の周期性衝撃群が現われ た。人工呼吸の周期をさらに短縮 (約1・4sec/cy Cle)す ると,同
図Ⅳに示 したように,明
らかに人工呼吸の周期 に同調 した衝撃が発射された。 これ らのことか ら,衝
撃群 の周期性は,人
工呼吸の周 期によって,同
調す る場合 と同調 しない場合のある_こと が知 られた。 また,人
工呼吸の周期.に同調 する場合にお いても,衝
撃群の発射が入工呼吸の吸iま相に現われる例 と呼吸間欠期に現われる例 とがあった。 I succinylcholine投与 キ 人上J子吸 Ⅱ succinylcho14e投与
人工呼 吸 分 割 神 経 標 本 エ ― ― ― → 分 割 製処置 ウサ ギ 分割 神 経 標 本 無 処置 ウサ キ下喉頭神経の機能に関す る電気生理学的研究 I sucdnylcholine投与 十 第65図 人工 呼 ♂ 害」神 経 標 本 人 工浮 吸停 止 urethane麻酔 ネ コ 第66図 succinyicholine投与 + 人工呼 吸
ユ
i岳ぃ
神経 束標 本 螂 Ⅱ 分割神経標本 Ⅲ 分割神経標本第67図 神経 束 標 本 I 自発 性 呼 吸 I succinyICholine投与 十 人工呼吸 Ⅲ succinyICholine投 与
+
人工呼吸 Ⅳ suco nyICholine投与 十 人工呼吸 Ⅳ 考察
A
自発性遠心衝撃 Greenら 20)は,ネ コの反回神経の 遠心衝撃 の大多数 が吸息期に活動するものであ り,そ
のほかの若干のもの が呼息期に活動することを報告 した。さらに反回神経と横隔神経のact e single fiberか らの遠心衝撃を同時
記録 したところ
,反
回神経の衝撃が横隔神経 よ り約 0.1 ∼0.2sec先 行 して現われたと述べている。車地 ら29)鈴 木 ら41)42)は,
下喉頭神経の自発性遠心衝撃について調 べ,
大部分の線維が呼吸運動のrhythmに
同調 してお り,そ
の中でも特に吸息期に活動する線維が圧例的に多 いことを報告 した。 著者は, これ らの線維の発射様式についてさらに詳細 な検討を行な った結果,
呼吸のrhythmに
同調 して活 動する相動性要素 と,呼
吸全期を通 して活動する緊張性 要素の存在することが明らかになった。 また, これ らの 要素の中で,吸
息期にのみ衝撃を発射するもの,あ
るい は,吸
息期に放電頻度の増大するものが圧倒的大多数で あることが認め られた。 このことか ら考察すると,本
実験における機能的な線 維構成については,Greenら
20)の報告 した成績 と一致 するものと考え られる。 しか し,第
7図 か ら第32図に示 したように, 下喉頭神経の act e unitに は,
きわめ て多種多様な発射 patternを 示す要 素 が存在すること は切らかである。 また,Gessell18),福 原23)の呼吸中枢 における単一 neuronの 放電様式,あ
るいは角4の の上 喉頭神経におけるact e unitの 知覚衝 撃 などに関す る放電様式についても,
多 くの発 射 Patternを 示 す unitの 存在が認められている。木実験においては下喉 頭神経 と横隔神経 との同時記録を行なっていないが,多
種多様な発射 patternを 示す線維の中で,
下喉頭神経 と横隔神経に合 まれるact e unitの 取 り方によって, それぞたの衝撃の起 こる時期が決まるものであると考え 木 鈴下喉頭神経の機能に関す る電気生JI学的研究 られる。それゆえ
,下
喉頭神経の衝撃が常に横隔神経の 衝撃 よりも先行するとい うGreenら20)の報告は,著
者 の単一神経の発射 Patternに ついての成 績,
あ る は Gesell18), 福原2g), 角40)らの成績か ら推察すると,さ らに検討の余地が残 されているものと考えられる。 しか し,Adrianら
2)は,ゥサギの交感神経 と横隔神経の群 化放電の周期は一致 しているが,常
に交感神経の群化放 電が,や
や遅れて現われることを報告 した。それゆえ, 群化放電の場合には,呼
吸周期に同調 した衝撃を発射す る神経の中でも,神
経の種類によってその発射時期が異 なることが推察さたる。一方
,呼
吸中枢のunit act ityに関 しては,Gesell17)18)を始め,DirkenЮ
),Baumgaltenら
5)6),福原 ら 23)24)26),な ど多 くの研究者によって報告されている。福 原は,呼
吸中枢か ら衝撃が得 られるのは,中
枢内に吸息 性 neurOnと呼息性 neurOnが互いに混 在 してお り, かつ,中
枢細胞か ら得 られる衝撃 と神経線維か ら得 られ る衝撃 とは,木
質的に差異がないものと考えている。 ま た,中
枢の衝撃発生は呼吸曲線 よりわずかに先行するも のが最も多いが,中には遅れて発射するものもあ り,呼
息性neurOnで
は吸息期の怒 りか らすでに 衝撃を 発生 す るものがあることを明 らかにした。 本実験における下喉頭神経の単一神経標本の衝撃は, 放電間隔ダイヤグラムで示 したように,Gesell18),ぁ る いは福原 ら23)24)によって呼吸中枢より導 出されたSpike 放電の発射 patternと ほぼ同様の活 動を 示 しているも のと推定される。また,呼
吸中枢か らの介在neurOn数 及び下喉頭神経 自身の伝導時間などを考慮す ると,衝
撃 発生 と呼吸相 との関係においては,中
枢neurOnの衝撃 よ りも幾分遅れを生ずるものと思われる。 したが ってコ 本実験の成績において,吸
息性要素の中でも呼吸曲線の 吸息相が起 こってか ら衝撃を発射 し始める要素が比較的 多か ったことは,呼
吸曲線の取 りかたによる時間的づれ を詳細 に検討する必要があるとしても,
福原23)の報告 と同義に解 し得るものと考え られる。 阿部つ,板
橋27), らの形態学的研究によれば,反
回神 経は後輪状披裂筋,外
側輪状披裂筋,抜
裂筋,甲状披裂 筋及び声帯筋に分枝 した後,さらに上方に伸びて上喉頭 神経 のrta合枝 と連絡す るといわれて ヤヽる。申利33)34)は 筋電図学的研究によって,内
喉頭筋が広義の呼吸筋に属 することを明 らかにした。さらに,第
68図にみ られるよ うに,輪
状甲状筋 と披裂筋 とが主 として呼息期に働 き, 外側輪状筋が呼息期及び吸息期にわた って活動すること を示 した。 第68図 ( 中本す1956よ
り , このような内喉頭筋に関する形態学的あるいは筋電図 学的成績か ら推察す ると,本
実験においても,下
喉頭神 経の遠心衝撃には多 くの呼息性要素が存在 しなければな らない。 しか し,す
でに述べたよぅに,呼
息期にのみ活 動する要素は吸息性要素に比べてきわめて少な く,木
実 験において act e unitと して記録 し得た呼 息 性 要素 はわずかに 5例 に過 ざなか った。 このことに関連 して, CamPbel18,の 安静呼吸時には主 として吸息筋 の みが活 動するという報告がある。 また,福
原 ら24)は安静呼吸 時に吸息性及び呼息性の両neurOnが
常 時 活動するか どうか,あ
るいは呼息筋が能動r向に働 くか どうか という 問題は,今
後の研究が必要であろうと述ている。本実験 において下喉頭神経の遠心衝撃に呼息性要素がきわめて 少なか ったことか ら,著
者は木神経の呼息性活動が受動 的なものであろうと考 える。 また,呼
息期に活動する内 喉頭筋群が主 として上喉頭神経によって支配されている ためか,あるいは第23図及び第24図に示 したような吸息 性要素ならびに第29図か ら第32図に示 した緊張性要素な どが呼息性要素に協力 しているものと推測される。いず れにしても,下
喉頭神経には吸息性,呼
息性及び緊張性 要素があ り,か
つ,そ
れぞれの要素の中に種 々多 くの発 射Patternを 示す ものの存在することによって,
内喉 頭筋の運動が円滑に行なわれているものと推定される。反回神経の遠心衝撃について Andrew4)は