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「一式飾り」探訪記 : 第19回 ふるさとへの愛着

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Academic year: 2021

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鳥取大学研究成果リポジトリ

Tottori University research result repository

タイトル

Title

「一式飾り」探訪記 : 第19回 ふるさとへの愛着

著者

Auther(s)

Takahashi, Kenji

掲載誌・巻号・ページ

Citation

島根日日新聞 : 5 - 5

刊行日

Issue Date

2018-10-10

資源タイプ

Resource Type

論文 / Article

版区分

Resource Version

出版社版 / Publisher

権利

Rights

注があるものを除き、この著作物は日本国著作権法によ

り保護されています。 / This work is protected under

Japanese Copyright Law unless otherwise noted.

DOI

(2)

  「 一 式 飾 り 」 の 夏 が 終 わ っ た 。 各 地 へ 調 査 に 訪 れ る た び に 、 新 た な 発 見 が あ り 、 実 り の 多 い 夏 で あ っ た 。   今 回 紹 介 す る の は 、 7 月 の 「 平 田 天 満宮 祭 」 で 飾 ら れ た 作品で あ る 。 写 真 を ご 覧 い た だ きた い 。 作 品 の タ イ トル は 「 鼓 笛 隊 」。 楽 器 を 演 奏 し な が ら 、 子 ど もた ち が 楽 しそ う に 行 進 し て い る 。 お 猪 口 ( ち ょ こ ) や 湯 呑 ( の み ) を 使 っ た 、 高 さ 30㌢ ほ ど の 可 愛 ら し い 作 品 で あ る 。   こ の 小 さ な作 品 を 作 っ た の は 、 連 載 の 第 9 回で 紹 介 し た 出 雲 市 立 平 田 小 学 校 の 4 年 生 の 子 ど も たち 。 昨 年 11月 に 平 田 小 学 校 で 行 わ れ た 「 平 田 一 式 飾 り 」

( 表 記 が 「 平 田 一 式 飾 」 か ら 変 更 さ れ た ) の 体 験 授 業 の作 品 で あ る 。 加 納 英 雄 氏 を は じ め 、 平 田 一 式 飾 り 保 存 会 の皆 さん が 指 導し た 。 私

 

も 学 生 と 一 緒に手 伝 わ せ て も ら っ た 。   平 田 小 学 校 の授 業 で は 、 班 も 「 ミ ニ 一 式 飾 り 」 を 作 っ て いる が 、 針 金 の 代 わ り に テ ー プ を 用 い 、 短 時 間 で 即 興 的 な 作 品 を 作 る の に 対 し 、 平 田 の 子 ど も た ち は 針 金 の 掛 け 方 か ら 学 び 、 数 日 か け て 作品 を 丹 念 に 仕 上 げ て い く 。   最 初 は 陶 器 に 針 金 を 掛 け る の に 苦 労 し て いた 子 ど も が 、 保 存 会 の 方 か ら 手 ほ ど き を 受 け て 針 金 の 掛 け 方 を習 得 し 、 作品 を 一 生 懸 命 に 作 る 姿 が 印 象 に 残 っ て い る 。   小さ な 作 品 で あ っ て も 制作 の 手 を 抜 か な い の は 、 平 田 の 伝 統 と言 え る か もし れ な い 。 「 平 田 一 式 飾 り 」 は 、 江 戸 時 代 に 寺 町 の 桔 梗 屋 十 兵 衛 が 、 茶 道 具 一 式 で 「 大 黒 天 」 を 作 っ た の が 始 ま り とさ れ 、 そ れ は 小 さ な作 品 で あ っ た と 考 え ら れ る 。 保 存 会 の人 たち が 再 現 し た 「 大 黒 天 」 を 見 れ ば 、 小 さ く て も 「 見 立 て 」 の 機 知 に あ ふ れ て い る の が よ く 分 か る 。   「 平 田 一 式 飾 り 」 の 中 興 の 祖 と さ れ る 千把 雲陽 氏 が 作 っ た 小 作 品 を 見て も 、 そ こ に伝 統 の エ ッ セ ン ス が 凝 縮 さ れ て い る よ う に 感じ る 。 保 存 会 の 技 術 部 長 を 務 め る 加 納 氏 も ま た 、 こ う した 小 作 品 の 伝 統 の 技 を 受 け 継 ぐ 名 手 の 一 人で あ ろ う 。   子 ど も が 作 っ た 小さ な 作 品 が 、 平 田 の 祭 り で 飾 ら れ た こ と は 以 前 に も あ っ た が 、 展 示 案 内 に 記 載 さ れ 、 単 独 の作 品 と し て 飾 ら れ た の は 今年 が 初 め て で あ る 。   そ のお かげ であろうか 、 祭 り を 訪れ た出 雲 市 長 が 「 鼓 笛 隊 」 を 見 て 感 動 し た と 話 さ れ て い た 。 よ う や く 平 田 で も 、 子 ど も の 作 品 が 注 目 さ れ る よ う に な っ た と 思 う 。   出 雲 市 長 の話 に よれ ば 、 出 雲 市 で は 18歳 に な る と 多 く の 若 者 が転 出し 、 市 内 在 住 の 若 者 の数 が 急 に 減 っ て し ま うそ う で あ る 。 一 度 は 進 学 や 就 職 で ふ る さ と を 離 れ た 若 者 が 、 再 び 戻 っ て き た い と 思 える よ う に 、「 一 式 飾 り 」 を は じ め 、 地 域 の 伝 統 の 価 値 を 見 直 す 必 要 が あ る と 伺 っ た 。   地 域 の 学 校 で 「 一 式 飾 り 」 を伝 え る 地道 な取 り 組 み は 、 す ぐ に 結 果 を 期 待 で き な い が 、 幼 い 日 に 「 一 式 飾 り 」 に 触 れ た 記 憶 は 、 大 人に な っ て も 忘 れ な いと 思 う 。 い つ の 日 か 「 一 式 飾 り 」 が 、 ふ る さ と へ の愛 着 を呼 び 起 こ し て く れ る こ と を 願 う 。 ご と に 1 体 ず つ 「 ミ ニ 一 式 飾 り 」 を 作 り 、 そ れ ら を 合 体 さ せ た の が 「 鼓 笛 隊 」 で あ る 。 直 江 の 子ど も た ち

ふるさとへの愛着

第 19 回

2018.10.10(水)

参照

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