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2章 学習スキル

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Academic year: 2021

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3章 学習スキル TFU リエゾンゼミ・ナビ『学びとの出会い』

1 ロールプレイとは

ロールプレイという言葉に耳慣れない方もたくさんいると思いますの で、まずロールプレイとは何なのかについて、説明をしていきたいと思 います。一言で言うならば、ロールプレイとは、人間関係において相互 理解を深めるため、相手の役割を演ずることにより最終的には自分を知 り、相手を知ることです。役割という言葉は、一般的には「らしくふる まうこと」を意味していますが、ロールプレイを行うにあたっては、さ らに深い人間理解の考え方が必要になります。施設実習、教育実習など は、まさしく学生が社会福祉士や介護福祉士、教師などの役割を引き受 け、ロールプレイを行っていると考えることができます。教育実習を例 にとれば、学生は実習を通して教師の役割を演ずるという、ロールプレ イを行うことになります。このとき、学生は教師を演ずることで、教師 の取るべき態度や理想的教師像について考えを持つことになると考えら れます。実習を通しての経験がどのようなものであれ、多くの実習生は、 教師の役割を演ずることにより多くのことを学び、非常に貴重な体験を することになります。その点で、教育実習というロールプレイはそれな りの成果を上げていることになります。ただ一人一人の体験の内容は 様々です。ある実習生は生徒との関係が取れて楽しかったというかもし れません。また、別の実習生は自分が話したかったことの半分も話せな かったので、人に話すことの難しさを経験したというかも知れません。 このように、ロールプレイから学ぶことは、いかにして役割をこなすか という独りよがりの世界に浸ることではなく、相手が何を考え、何を感 じているか、その為にはどのような関わりが求められるかについて、深 く知ることだと考えられます。しかも、その経験は他人から教えられた 知識ではなく、自分が直接的・間接的に体験できるところに意味があり ます。ロールプレイをとおして、相手との相互理解や人間的存在価値を 考えながら、信頼や愛情を育んでいくことになります。

12.ロールプレイをやってみよう

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2 実際の過程

〔1〕構成

ゼミなどを通して、気づきのためのロールプレイを行うにあたって、 まず参加者の中から流れを取り仕切る人(ファシリテーター)を選んで ください。毎回ファシリテーターを交替しながら行うのも方法だと思い ます。ファシリテーターのもと、役割を演ずるためのテーマを決めても いいですし、テーマを設けずに日常生活に根ざした自然な状況のもと、 劇的なやり取りを期待せず、自発的な役割表現を目指していくことも行 うことができます。構造としては、1対1で行う場合や、集団で行う場 合があります。それぞれの目的や状況に配慮して決めていけばよいと思 います。

〔2〕主題について

ロールプレイのファシリテーターの主要な役割は、参加者の問題を明 らかにし、その問題を洞察しながら、深めていく流れを方向付けするこ とにあります。全体の流れや雰囲気に配慮しながら、上手に導いていく ことが求められます。主題には、個人的主題と集団的主題に大きく色分 けされると思います。個人的なものは、治療的意味合いが強くなります し、集団的なものは、学習や訓練的意味合いの方が強まります。求める ものが何なのかにによって決めていくとよいと思います。 ロールプレイの主題の要件としては、①参加者の関心が高いこと②参 加者の共通の体験があること③表現が容易であること④参加者の発達段 階にふさわしい内容であること ⑤演じることにより、新しい発見があり、日常生活を改めて見直すこと が出来るような内容の5つがあげられます。主題を的確に選ぶことで、 主題にふさわしい役割関係を考え、創造的に演じていく過程で、新しい 発見や教官が生まれてくるものと考えることができます。

〔3〕実態の把握

ある程度把握しておくことが重要になります。どの水準の主題を考え ればよいか、演じるにおいて、参加者にプレッシャーや問題が生じて混 乱することはないか、全体の雰囲気から特にこの辺に焦点を当てようか、 ここは注意しながら進めた方がよいかなど、細心の配慮を払いながら進 める意味でも、参加者のある程度の把握が求められます。 ファシリテーター テキスト6章10節「ファ シリテーターの役割を知 ろう」参照

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3 ウォーミング・アップについて

教育やカウンセリングなどで、個人や集団の緊張を取り除き、参加者 が活動に積極的に参加できるように、準備運動が必要になります。これ が、ウォーミング・アップです。 ロールプレイで、即興的に役割を演ずることに対して、誰もが抵抗感 を持つことになります。役割を演ずることで、自分の全てが相手や人前 にさらけ出されるのではないかと考えた場合、緊張感は高まり、恐怖心 すら持つことになります。対応としては、発達段階などを考慮したウォ ーミング・アップが求められます。

〔1〕ファシリテーターの指示による方法

ファシリテーターが直接指示することにより、状況や役割を決めてい く方法で、姿勢を見て話し合う方法(ファシリテーターが単純なポーズ を取り、「何に見えるか」を聞き、そこから役割関係を上げていくことが 出来ます)。そのほか、出会いを作る方法(それぞれが、自分の好きな場 所を選んで、状況設定のもと、出会いの場面を演ずる)。無意味な表現に よる方法や言葉を使わない方法など、ファシリテーターの裁量によりウ ォーミング・アップが行われることになります。

〔2〕自由な話し合いによる方法

あらかじめ話題を決めることなく、自由な話し合いを進めていく方法 です。ファシリテーターは、特に話し合いの内容をまとめることをせず、 さまざまな話題が提示されるように動きます。そして、話し合いの焦点 が対人関係に向けられた時は、出来るだけ状況を詳しく聴くようにしま す。

〔3〕グループによる方法

4~6人のグループを構成し、グループごとに話し合い、主題を決め ていきます。各グループは司会を決め、主題をあげて話し合い、主題に 即して状況と役割を明確にしてグループごとに演じていきます。ファシ リテーターは、各グループごとの話し合いの内容を確認し、演じやすい 役割関係を取り上げるように指示します。他のグループと競争したり、 劇的あることを期待したりすることがないように、自然に日常生活を表 現するよう注意を払います。グループによる方法では、ファシリテータ

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4 ーから共通の主題を提示する場合と、グループごとに主題を設定する場 合が考えられます。

〔4〕録音・録画について

ロールプレイを行うとき、記録を取ることは大切なことです。演じら れた役割や、演者の相互関係について細かく検討する場合に、録音や録 画が役立ちます。録画視聴の効果は3点ほどあります。 ・録画視聴によって演者は、自己の役割行動を客観的に捉える事が出来 る。 ・演者の感想があいまいで話し合いが混乱したり、多様な解釈による意 見の対立が起こった時など、話し合いの焦点化を図ることが出来る。 ・演技は瞬間的・一回的であるため、演者の役割行動は捉えにくい。参 加者は録画視聴により、役割関係について適切な解釈を加えることが出 来る。

4 ロールプレイの効用

ロールプレイは、自発的・創造的に役割を演ずることを通して、生活 の課題解決行動を試行し、役割行動の変容を目的にしています。そのこ とから考えて、効果としては4点を挙げることが出来ます。 1)内面的世界を明らかにしていける。 2)自発性・創造性を高めることが出来る。 3)日常生活では演じることのない新たな役割を身につけることが出 来る。 4)主題に取り組み、ロールプレイをすることで、創造的な集団が形 成される。

5 ロールプレイの技法

(1)再現法

日常生活で演じている役割を、再現してみる。出来るだけ自然な気持 ちで役割を演ずることが大切になります。

(2)加入法

一定の状況を構成し、そこに次々に演者を引き入れていく。自発性の

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5 高い演者に補助的自我の役割を与え、自発性の乏しい演者を誘導するよ うにすると、消極的な演者も演じやすくなる。

(3)移動法

状況を変えることにより、役割を移動していく。演者は役割の変化を 意識することなく、単純な役割から複雑な役割へと移行することが出来 る。

(4)独白法

自己の内面的世界を独白によって表現する。たとえば、「ここはあなた の部屋です。今、あなたは部屋で一人でいます。心の中で思いつくこと を自由に話してください」などの指示のもと、演者は独白により内面の 感情を表出していきます。

(5)非言語法

日常の言語による関係を禁止し、意味のない音節や身振りなどで対人 関係を作り出していく方法です。「ワ―」「ムー」「リー」などと、それぞ れの演者が、思いのままに考えた無意味な音節に、身振りや表情を加え て、各自の意図を相手に伝えようとします。

(6)代理法

演者が役割を拒否したり、中途で役割を放棄したりした場合に、その 演者の代理者が役割を進行します。

(7)鏡映法

鏡のように映し出された自分自身の姿を、演じている他者の中に見る ようにする方法です。補助自我の役割を演ずる演者が、対象の人物をそ っくりにまねていきます。

(8)交換法

二人が演じている役割を互いに交換し、互いに相手の役割を演ずるこ とをします。

(8)分割法

心的葛藤を持つ演者について、演者の内面的世界を相反する2つの側 面に分割し、それぞれを表現していく方法です。葛藤に気づくことで、 自己の新しい側面を発見することになります。 学びを深める参考文献 ●千葉ロール・プレイング 研究会(外村大作監修)『教 育 の 現 場 に お け る ロ ー ル・プレイングの手引き』 誠信書房、1981 ●外村大作『賞罰を超えて ロール・プレイングのテク ニック』プレーン出版、 1984 ●台利夫『ロールプレイン グ』(新訂版)日本文化科 学社、2003 (先生役)先生っ て 結 構 大 変 だ っ たんだなー (生徒役)生徒 の 気 持 ち も よ くわかるわね

参照

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