最近の接着性タンパク質研究の進歩
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(2) 近畿大学農学部記 要. 62. 第 25号 ( 1. 9. 9. 2. ). Tabl e1 . Amjoa n ci danay ls esofadhes i veps oen tisf r om s ura fc eani mal s Cone tnt ( %). Ay l ane u Sdi ae dmaL w2 ). Ser ii cn3). 44 .. 09 .. 14 .. 68 .. 48 1 .. 74 .. 51 .. 98 .. 1. 04 .. 1. 15 .. 16 .. 1. 08 .. 78 .. 1. 58 .. t r ace. 1. 45 .. 78 .. 3. 72 .. 4. 28 .. 62 .. 99 .. 1. 76 .. 3. 68 .. 58 .. 54 .. 12 .. 17 .. 47 .. 37 .. 06 .. 07 .. b u. T r- p。 L S y HS < Y. 55 .. 54 .. 13 .. 10 .. 22 .. 22 .. 39 .. 47 .. 38 .. 23 .. 05 .. 04 .. 74 .. 90 .. 05 .. 04 .. 24 .. 28 .. t r ac e. t r ac e. 34 .. 36. 06 .. 17 .. M et. 4 L 3. 7 は 33 1. 2. L 2. 0. L 2. 0. 5. 0. 76. Fi br on i一 l. 一7 5 1 6 5 8 6 2 8 0 0 4 0 4 3 ワ. lampul ・ Lar geampuL I Smal and lt aegl and lt aegl 19 . 10 .. `d 「. t 9. -. , yH. 1. L o. 44. 9 2. 2. 0. 0. 5. 0. 0. 0. 0. - 0. l L o. 2. Pi r i f or m ga lnd 1. 05 .. 比 8. 33. 8. 0. 3 1. 5. 3. 0. 0. 3. 0. 4. L 2. 0. 0. I. r 払 G1 u P 。r E 5> Al 。 v. a It e A S。 T-. Aggr e gae t ga lnd 92. Si 1 k. もの t ) 知 られている.般近注 目を鈍 め,広 く研究が. 2 - 3週間で再生が行 われ る. この事実か ら判断す. 行われ ている もの は, イガイ とフジツボである. こ. る と,接若速度 は比較的遅 い とみ られ る8 ) . しか し,. れ らの生物が潮流の中で 自己 を固定す るために分泌. これ は接着性 タンパ ク質 の合成速度が遅 い ことに起. す る接若性物質 について. とりわ け前者が詳 し く調 べ られてい る. イガイや フジツボは,水力発屯所 の 水流,漁網 の海水流通,船舶 の運行 な どに支障 を も た らす汚損生物 として, む しろマ イナスの意味 で知 られて きた生物 であ る6 ㌧ しか し.これ らの生物が示 す水中での強力 な接若 を再現で きれば,主 として医 療方面 での貢献 が期待 され る.ちなみに.現在 では, まだ水中で速 かに接着で きる合成接宕剤 は得 られ て いない. また,水生動物 の接苛性 タンパ ク質 の接宕 機構 を明 らかにす ることによ り,汚損生物 の付着 に よる被害 を減 らす新 たな手がか りを見 出す ことがで きるか もしれない.. Ⅰ Ⅰ フジツボ類. a d he s I V e p Tt Oe ) n s e ce Tt e d. フジツボは,外殻 の石灰質面 を通 して基面上 に接 Fi g, 宕性 タンパ ク質 を分泌 し,碁面全面 に接宕す る( 1)7 ) . この接宕性 タンパ ク質 を強制 的に除去す る と,. Fl g l Di nby agr am ofs ecr et i onofadhe s i vepr oe ti 7). ban TaCle..
(3) 63. 岡本 :最近 の接着性 タンパ ク質研究の進歩. Tabl e2.Ami n. oac. i danay ls esofadh e s i vepT Ot ei nsf r om 血 Lan us9I Cone tnt( %). Ami noa ci d A -。 Th r s er G・ up -。 Gl y Al a W Ⅰ・ e k u T yr pS A -g M et c y e L yS H-. nub i l w. 2 37 .. L hL 2 nu S Le pa s n r J I Ome'c e n. Dt u. S b a血no i de s / a s c 7 ' c uL 2 r i s. 78 .. 83 .. 1 18 .. 1 0】 .. 39 .. 66 .. 62 .. 65 .. 64 .. 90 .. 日. 4. 77 .. 63 .. 99 .. 85 .. 91 .. 86 .. 97 .. l l4 .. 70 .. 4 8.. 61 .. 50. 5 14. 1 64 .. 83 .. 86 .. 82. 87 ,. 74 .. 69 .. 65 .. 89 .. 99 .. 50 .. 27 .. 22 .. 65 .. 78 .. 27 .. 44 .. 53 .. 43 .. 68 .. 50 .. 88 .. 81 .. 75 .. 98 .. 13 .. 49 .. 54 .. 33 .. 01 .. 28 .. 37 .. 40 .. 35 .. . 49. 33 .. 55 .. 68 .. 60 .. 25 .. 05 .. 23. 22 .. 22 .. 05. 22 .. 59 .. 61 .. 51 .. 61 .. 07 .. 07 .. 07 .. 40 .. 06. 05 .. 68 .. 73 .. 13 .. 02 .. 因 してい る可能性 もある.欧米産 の ものについて調. アセタール樹脂,金属 な ど) に,水 中, 2- 3分 で. べ られ たフジツボの接着性 タンパ ク質組成 を Tabl e. 強国 に接若 で きることであ る1.他 3 ) の接着剤 で はつ. 2に示 す9 ㌧ 種 についてのば らつ きとともに,生息地. き難 いテフロンやポ リプロ ピレンにさえ水中で接着. や季節 による変動 も認め られているので即断 は難 し いが,Tabl 粘) 宕性物質 と比較 e lの陸生動物 の接 ( して も, イオ ン性 ア ミノ敬 の含丑が少 い以外 に頻著 な特徴 は認 め難 い. この うち, フジツボの一種 であ るL kh zz nw bL amoi de sの接着性 タ ンパ ク質 が精 製 され,分子丑1-2 8 0. 万 ダル トンで, 5-6000ダル ト. 80 00ダル トンの分子丑 を もつサ ブユニ ッ ンお よび1 トか ら成 る不均一 な組成 の複合体 であ ることが明 ら かにされた 10 ) .しか し,フジツボで は,部分的 にす ら ア ミノ酸配列が決定 され た例 はない ようである. な 浴,接若強度 につ い て は, ス レー ト上 に成 長 した. 及‡m拡 k b az hnot de sが ,2-1 8kgf /cm2の引張 り強 度 を もつ ことが報告 されてい る1 1 ) .. J l l イガ イ類 イガイ は,網糸状 の多数 の足糸で 自己 を潮流 に抗 して固定 する ( Fi g. 2)1 2 ) . この生物 の特徴 は,広範 囲の天然物 および合成物 ( 石, ガラス, スレー ト,. Fi g. 2.Adhe s i onofmus s eH MyE z L u smL l j T o mi a nu s) lorwat erbat h. 12) ontew h al.
(4) 6 4. 近親大学農学部紀要 第 25号 (. 1 9 92) で きる. Fi g. 4に接着 g.. 3に接着過程 を川, また Fi 後 の様子l S )を模式的 に示す. Fi g. 4に示す触脚 が,. g. 3に示す ように対象物 の表面 を検 索,脱水 した Fi 後 に真空化す る. その後接着性 タンパ ク質 の注入, 硬化が行われ足糸が形成 され る.一本の足糸の形成 が終了す ると, ただちに次の足糸 を作 り始める. こ の ように して,た とえば 2日間で約 1 00 本 の足糸 を形 成 す る との ことである1 2 ) .足糸 は,細 く短か い コラ ーゲ ン紙経 を接 着性 タ ンパ ク質 で固 め た もので あ り, その点で は繊維状 の フィブロイ ンがセ リシンで 固め られている網 と類似性がある. ムラサ キイガイ. ( MyE i l u s e dul L S )の足糸 の接着強度 は最高5 0kgl / cm2に達 し,接着体 は水 中で何年 も耐 える ことがで きるA ) .しか し,ム ラサキイガイはフジツボよ り接着 強度が劣 る とす る説 もある. イガイの接着性 タンパ ク質 にフェノール性物質が 含 まれ て い る こ とは既 に1 95 2年 に知 られ て い た 18) が,W A汀 E らは,ムラサキイガイの足糸分泌腺 ( Fi g. 7 Jか ら取 りだ した重合前 の タン cg一 5,pheno. l i. an. d)L パ ク質の組成 を分析 し,3 , 4-ジ ヒ ドロキシフェニル アラニ ン ( DOPA) が11 %, ヒ ドロキシプロ リンが 1% 3 含 まれ るユニー クな単純 タンパ ク質 であること を明 らか にした】 8 ) . この タンパ ク質 は後 に精製 され て,1 万 ダル トンの分子量 をもち,ア ミノ酸組成 は. 3. ヒ ドロキシプロ リン1 .%, 48 .%, アスパ ラギ ン酸22 ス レオニ ン1 . 02 .%,グル タ ミン酸09 13 .%,セ リン1. . 1 %,プロ )ン81 ,0 / .,アラニ ン81 %, .%,グ リシン18 FI E3.0ut Hne ofs t e psi n bys ss u f or mat i on of . いり mus s el s. .%, バ リン10 . %, イソロイ シン07 .%, ロイ シン11. DOPA 1 38 .%, チ ロシ ン40 .%, フェニルアラニ ン .%,ア/ レギニ 01 .%, ヒスチジン07 .%, リジン210 ン02 9 ) .リジン,ヒ ドロキ .%であ ることが分 かった】. p l a q u e. FI g.. 4 Di agr am ofadhe s i onofmus s el s . . S J. Fl g,. 5 Di a gr am ofphenol i cg】 andadb n ys sso u f s el.1 7) mus.
(5) 65. 岡本 二最近 の接着性 タンパ ク質研 究 の進歩. s ・ 1 1 H. s er 2. S L y 62 的 1. r V ノl T 6 r Th 60. p -。 25 お 11. p ro 36. L ys 13. Noc .on s er v e d. ys 3 L 1. Fr e que nc y i de Hexap e pt. ∫ ∫ y 3 T y 63 T 1 r r h 3 s er 41 Th 21 T 1. Sus bt i tt ui ons. S rO 3 p ro 50 L y 4P 1. Noc .ons e r v e d. S L y 63. 亡 kc ap e pt i de. Al a 61 p -0 1. Tabl3 e .Var i a. t i o. ni nai m noaci ds eque n c e sofadh e s i vepr oe ti nsf r om bl ue e) ,MyE i l we duLis13・0 2 ) ' mus s. Sbt usi tt ui ons Fre que nc y i de . 3r e pet i t l ' onsf orhexap ept e p et i t l ' on sf orde c ap ept i deand1 ●】 n6 3r y. pe hno. l i. cpr oe ti ns C4.Re lS ) e que nc e si npo] Tabl p eae tdp ept i des. Bl uemus s) e Paci f i cmus s el bbe e一 Ri dmus s Chi 一 e anmus s el. Mo】 e cua lr Repe ae tds e quen c e wei ghtof adhe s i vepr oe ti n 1 3 0 0 0 0 Thr DopaLy s Al aLys Pr o-e S 卜DopaHypI Hyp8 5 0 0 0 Thr -. Dopa. -. Hyp-HypThyDopaLys -HypLy s Thr DopaLys Ar gLys Pr oSe r Dopa-HypHyp1 3 0 0 0 0 Thr Gl yDopaYZGyDopaLys 1 0 0 0 0 0. ayDopayLys Al Gl Gl Gl yY-. Re e fbui l di n gwor m. 3 5 0 0 0. Gl yGl yDopaGl yGl Al Lys Dopaya-. Li vernuke. 31 0 0 0. G】 yG】 y. Gl yDopaGl yGl Gl yLys yDopa-. シプ ロ リン, アラニ ン, セ リン, ス レオニ ン, プ ロ. が認 め られ てい る. Tabl e3に,主百己列 で あ るデカ. リン,チ ロシ ン,お よび DOPA の 8ア ミノ酸 で全体. ペ プチ ドお よび それ に相補 的 に作用 して接着 に関与. の約 9% 0 を占めてい る.精製 タンパ ク質 を トリプ シ. して い る と考 え られ るヘ キサペ プチ ドのア ミノ酸配. -Pr oSer ンで分解 す る と,主 として H2NAl a-Lys -Hyp-Hyp-Thr Dopa-LysTyr COOH の配 列 を もつ デカペ プチ ド ( 分子丑約 1 40 0ダル トン) と, 副. 列 と,混在 す る異配列 の発現割合 を示 す20) . ム ラサ. 成 分 と して類 似構 造 の ヘ キサペ プチ ドとが 得 られ. 短 かいペ プチ ド鎖単位 の繰 り返 し構造 を もつ こ とが. た.計欝 によって, このデカペ プチ ドお よび類似体. 見 出 され た川. また, イ ガ イの他 に イ シサ ン ゴ頼. キイガイ以外 の イガイの接着性 タ ンパ ク質 の ア ミノ 酸配列 も順 次決 定 され,同様 に DOPA を含み比較的. が7 5回以上繰 り返 され て,接着性 タ ンパ ク質 が作 ら. Re efbui l di ngwom) r ち,DOPA を含 む同様 な構 (. れ てい る ことが明 らか にな り, この繰 り返 し単位 に. 造 の接 着性 タ ンパ ク質 を もつ こ とが 明 らか とな っ. 接 着性 の基 本構 造 が 含 まれ て い る と考 え られ て い. た22).イ シサ ンゴは,その分泌 す る織維状物質 に よっ. る. デカペ プチ ドの 6, 7, お よび 9位 で は, プ ロ リ ンやチロシンが完全 に水酸化 され てい るが , 3, 5 位 で もプロ リンとチ ロシンが それ ぞれ ヒ ドロキシプ. て周閏 の石 を固定 して巣 を作 る. さ らに,羊 な どの 家 畜 の肝 臓 に寄 生 し,肝 硬 変 を起 す肝 蛭 ( Li ver. f 一k u e)の卵 か ら単 離 され た タ ンパ ク質 に t )多点 の DOPA の含有 が認 め られ た23). これ らの DOPA を. ロ リンお よび DOPA に置 き換 っ た もの が 存 在 す. 含 む タ ンパ ク質 は, ポ リプェノ リックプ ロテイ ン と. ) .DOPA の遺伝 子 コー ドが存在 しない ことと合 る1 9. 総称 されて い る. ポ リフェノ リックプ ロテイ ンの基. わせ て, この結果 は,ペ プチ ドが合成 され た後 に,. 本繰 り返 し単位 の ア ミノ酸配列 を Tabl e4に示 す.. プ ロ リンお よびチ ロシ ンが水教化 酵紫 によって各 々. ポ リフェノ リックプ ロテイ ンにみ られ る接着 は,. ヒ ドロキシプロ リンお よび DOPA に変換 され て い. 通常 の縮合型合成樹脂 に認 め られ る もの と類似性 を. る ことを示唆 してい る. その他 に t ) 構 造 の不均一性. もつ こ とが指摘 され てい る 13). す なわ ち, その構成.
(6) 6 6. 近親大学農学部紀要. 第2 5号 ( 1 9 9 2 ). 単位 である硬化樹脂,繊維,充 てん剤,お よび硬化. 立証 され て いない.生物 反応 の条件 下 で この種 の. 触媒 は共通 している.ムラサキイガイを例 に とれば,. M】 cHAEL型付加 が どの よ うな速度 で進 むのか興味. 硬化樹脂 は接着性 タンパ ク質であ り,紙維分 は細 く. あ るところである. また,硬化 と接着 を同 じ機構 で. 短かい コラーゲン繊維 であ る.充 てん剤 として は,. 考 えてよいか どうか に も問題が残 る. 肝蛭 の卵殻 タ ンパ ク質 の硬化がイガイ接着 の長い. 堤,発泡剤 ( イガイはタンパ ク質の充 てんに際 して, あわ状 に して行 う)19㌧水 な どが挙 げ られ る.さらに. モデルである とす る と, ムラサキイガイや太平洋 イ. 硬化触媒 は, カテコールオキシダーゼ,ペルオキシ. ガイ ( Pa c i f i cmu s s el )に多量 に含 まれ るヒ ドロキシ. ダーゼな どの酵素であ り,DOPA残基 を O-キ ノ ン. プロ リンは,硬化 には直接関与 していない ことにな. 型 に変 えることによって, タンパ ク質 ( 樹脂)や紙. る.実際 にイガイの仲間 に もヒ ドロキシプロ リン含. 経の架橋 を行 うと推定 されている1 3 1 .足糸の形成過. 農 の少 ない接着性 タンパ ク質 を持 っているものがあ. 程 は,接着性 タンパ ク質が接着 す る基盤上 に粘著 し,. る( Ta bl2 e 参照).推定で はあるが,筆者 はヒ ドロ. 続 いて架橋硬化反応 によ り強度 に富 む接着 をもた ら. キシプロ リンが粘着性 に寄与 しているのではないか. す といえる. この架橋 についての証拠 は,肝蛭の卵. と考 えている.海水中で も,粘着 に水素結合が関与. の成 熟 に伴 って認 め られ る硬 化 反応 で あ る23・2 ).. していることは十分推定 で きる. カテコールは強力. Ta bl e4に示す ように,肝蛭 の卵殻 のタンパ ク質 を. な水素結合 とキ レー ト形成能力の双 方で接着 に寄与. 構成 す るペ プチ ド繰 り返 し単位 は, その 2 / 3が グ リ. で きる と推定 されているL 3 )が,ヒ ドロキシプロ リン. シンであ り, 比較的多 くの DOPA( 全体 の 29 / )と 1/. に も類似 した効果が期待で きるであ ろう. さらに も. 9の リジンか ら成 る単純 な組成 で あ る.卵殻 の成熟. う一 つの大切 な役割 は, この ような極性 に富 むポ リ. が進 む と, 硬化 に ともなって DOPA とリジンの含有. ペ プチ ドが分子内的 に 2次結合力 ( 水素結合 な ど). 量の減少 が認 め られ,硬化過程 に この両 ア ミノ酸が. を働 かせて生ず る結晶化 を乱 し,抑制 す ることで は. 関与 していることを示唆 している.硬化反応の横柄. ないであ ろうか. 実際,ム ラサ イキガイの接着性 タ. についての明 白な証拠 はまだない ようであるが, オ. ンパ ク質の コンホメー シ ョンは, 2 0%以下 の β-シー ㌧ ヒ ドロキ ト構造 を含 むランダム コイル塾であ り18. キ シダ-ゼに よるカテコール基 の O-キノ ン型 へ の 変換 と,その生成物 が リジンのア ミノ基 と MIH C AEL 型付加反応 を行 う機構が提案 されている ( F. i g.. 6 ) . なお, ムラサキイガイの足糸か ら抽 出 したチ ロシナ. シプロ リンが存在す る と α-ヘ リックスや β-シー ト 構造 の形成 を阻害 す る例 が知 られている2 6 ) .分子量 の小 さい肝蛭 の卵殻 タンパ ク質 と比べて約 4倍 の分. -ゼ を用 いたモデル反応 で,DOPA の O-キ ノ ンへ. 子点 を もつム ラサイ キガイの接着性 タ ンパ ク質 で. の変換 が立証 された25). この酵素で は,DOPA は酸 化 され るがチロシンは基質 にな らない との ことであ. は,β-シー ト構造 な どの分子 内結晶化の抑制 が,よ り重要 になってい る可能性 がある.. る.0-キノン型 は,さ らに α,β一 不飽和 DOPA キノ C AEL型付加 は ンにまで酸化 され る1 3 ) .しか し,MIH. サ キイガイの接苛性 タンパ ク質 は,医療用材料 とL. 水中で,短時間に, かつ強力な接着がで きるムラ. c at ec. h ol. す … t 当町 ∴O H 仰 o H ユ. gJ 顎 o J l. 草 ( s c l e r o t L n ). F r g.. 6 Pr o p o s e dme ca hni s mofs c l e r o s i sope fhn o l i cp r o t e i n. 2 3 1.
(7) 67. 岡本 :最近 の接着性 タンパ ク質研究の進歩 ての実用性 が期待 され る.丸毛 は,鶏圧 の軟骨細胞. 連す るとされている. この分野では糖 タンパ ク質で. に対するムラサキイガイ抽出物 の車性 を調べ, この. ) , その あるフィブロネクチンが よ く知 られてお り32. 物質が無毒であって,医療用接着剤 として有望であ. ドメイン構造 を部分的に合成す る手法 を用 いて,初. ) .ムラサキイガイか否か は ることを報告 している27. 胞接着活性発現のために最 も必要なア ミノ敢配列が. 明 らかにされていないが,海洋天然物 か ら精製 され. H2NAr gGl yAs pSe r COOH であることが明か にされた3 3 ) .イガイの接6性 タンパ ク質 にはこのア ミノ酸配列が含 まれてお らず, 糖鎖 も存在 しないが, 浮遊軟骨細胞 を用いて調べた結果では,ムラサキイ ガイの接着性 タンパ ク質 に細胞接着機能があるとの .本来の細胞間接着 といえるか どうか ことである271 理論的 には間愚がある として も,生物体間接若への 展望 を与 えると考 えられ る.. たポ リデ カペ プチ ドとして既 に Ce】 トTak① が米 E gで市販 され ( Bip o oy lmerI° n. ) ,角膜手術 に実用 されているとの ことである9 I .. 大量合成 を目的 とす る研究 も行われている. その. ・8). ,. -つは遺伝子工学 の手法 を用 いるものであ り272 他の一つは合成反応 を駆使 してフラスコ内で大鹿 に. 合成す る方法である29・30).前者 は GENEX社のグルー. プが行 ってお り,遺伝子組み換 えを行 ったイース ト. Ⅴ. おわ りに. ( 5 kcwo h mye cscrv eei s i a) e を一夜培糞 し,その不溶. 性 タンパ ク質 をとりだす手法によ り,DOPA をチロ. 接着性 タンパ ク質 について,現在 までの研究の発. シンに, ヒドロキシプロ リンをプロ リンにお き換 え. 展 の概 要 を紹介 した.貝類 由来 の高分 子 に関連 し. た繰 り返 し単位 を持つポ リペプチ ドを,全細胞 タン. て,- ポウキガイ科の扇状貝類 ( Et nnanb ol i s )の. パ ク質の 3- 5%の収率で得 ている. このポ リペ プ. 足糸の簸経で織 った布の話が既 に聖秒中に現れてい. 9 個 とヘキサペ プチ ド一個 と チ ドは, デカペプチ ド1. 7とい う13).ア リス トテレス もイガイについてふ る34. 4 0 0 0であってムラサキイガイ か ら成 り,分子丑 は約 2. れてお り,彼 はイガイがその足糸で植物の ように根. のt )のに類似 している. この ものをチロシナーゼで. を伸 ばす と考 えていたらしい3 5 ) .古 くか ら知 られて. 酸化 して得 られ る物質 は,湿潤状態で接着強度 をも. いたこの生体物質が,新たに入渠 に頁献 し始めてい. つ ことが認め られている2 8 )ただし, . チロシナーゼで. るとい う気がす る.. はプロ リンの水酸化 は起 こらない. なお この遺伝子. 粒初 に記 したように,本稿 は関連する文献 を網羅. の クローニ ングにより,水酸化 され る前のムラサキ. することを目的 とするものではな く,機能性 を持つ. イガイの接着性 タンパ ク質の一次構造 は,動物界 で. 生物黄源の探索および活用 を志向する筆者の興味 に. よ く現れる繰 り返 し単位 の一つであることが明 らか. 沿 って, 盃要 と思われ る分野 をやや詳 しく紹介 した.. になった.大鹿合成 を目的 とす る もう一 つ の試 み. 引用すべ き重要な文献が欠落 していた り,思い違い. は,ペ プチ ド合成 によってデカペプチ ドを合成 し,. が含 まれている可能性 は否定で きない.御意見 ・御. その縮蒐合 によ りポ リペプチ ドとす る方法である.. 批判 をお寄せいただければ幸いである.. N-Al a-Lys-Pr o山本 らは この手 法 に よって H, Ser Tyr -Hyp-Hyp-Thr -Dopa-Ly sCoon %i 0 魚体 を合成 した2 9 )また, . 固相法によ 成 し,その約 1 り,チ リ産 イガイの繰 り返 し単位 であるヘ キサペ プ 7 -2 4 丑体 を作 っている3 0 I .チ チ ドも合成 し,その1 カペプチ ド1 0盈体 は,鉄やアル ミナに対 して天然 の ムラサキイガイの接宕性 タンパ ク質に近 い接着強度 ( 引張 り強度)を示 した. しか し, この ものは接着後 1その後, . チロシナーゼを用いて 水 に可溶であった29 不溶化が検討 され,約 1 0kgf / cm2 の接着強度の向上 が認め られている川.. Ⅰ Ⅴ 細胞 間接 着 以上述べたマ クロな非特異的接若の他 に,特異的 な細胞間の接着 も生物接着の盃要な一面であ り,歴 発生,別働治癒 な どに関連する.ガ ンの転移 とも関. ⅤⅠ 要. 約. 接着性 タンパク質の椴近の進歩,特 に水生動物 の 接若性 タンパ ク質について紹介 した.. 引用文献 1 ) 手塚統夫 :" 生化学 データハ ン ドブック' ' (日本. 生化学会編) H,1 6 67 ,東京化学 同人,東京. ( 1 9 7 9 ). m少. Bi ojm cw .Pyi hso L H 2 ) S0 .. ANDRE ESN:Co 35,7 05 -71 1( 1 9 7 0) 3 ) 桐村二郎 :"綿糸の構造"( 伊藤武男編)7 4 ,千. 曲会出版部,東京 ( 1 9 5 7 ). 4 ) S. SE 】 FE T R ad n PM. . G且uO ,P:" The Po ris n d.( H.Nert uahed. )15 5,Aca t en"2dE m cPe rs s ,New Yok r (96 16) dei.
(8) 6 8. 近畿 大学農学部紀要. 5) 松 本 恒 隆 :日本 接 着 協 会 誌 ,1 6,3 2 5 -3 31. ( 1 9 8 0) .. 6) 梶 原武 ・ 平野 礼次郎 :ー海 洋生態学" ( 海 洋学講 座. 8 6 ,東京大学 出版会,東京 ( 1 9 7 3 ). 第 9巻)1. 7) G.W ALK ER:/ Ma r .Bi o l .As s o c .U.K"52,. 4 2 9-4 3 5( 1 9 7 2) 8) DJC .. RS, IPG.W ALE K RGA. , . YouNGandA.. B. l l o i. d IE ne が Sc z 1 . ,1 04,4-5 0 0. YuLE:/ Co ( 1 98 5 ). 5 ,1 8 7 -1 93. 9) 山 本 浩 之 :日本 接 着 協 会 誌 ,2 ( 1 9 8 9). 1 0) V. N.LARMAN,P. A. GABBOTT and ∫.EAST:. Co mp.Bohm,Pyi ice hso. l,72B, 39 2-3 3. 8 ( 1 9 8 2). ll ) A.. B YuLE and DIC .. RS IP:I Ma.B r i o l . .63,2 61 -2 7 2( 1 9 8 3 ) As s o c .U.K. 1 2 ) A・TAMARI N・ P・LEWI S・. and J・AsKEY‥ノ ・ Mo T Phリ149,1 9 9 -2 21( 1 9 7 6) ) ∫H. . W A打E:I n.. EIBi o lMaTm . cO O. l,1 2,3 19 1 3 -1 4 4( 1 9 9 0) 1 4) J. H.W AI TE:I nE . I.Adh e s i o na ndAdh e s i v e s , 7,9-1 4( 1 9 8 7 ) ) R.MAHEO:Ch a.B' z o lMaie . rn,ll,45 7-43 8. 1 5 ( 1 9 7 0). 1 6) CH. . BROW N : QJ Mi c TS OC . Si c. , 92, 47. 8. -5 0 2( 1 95 2). 1 7) J. A.ALLEN, M.Coo杖, DJ.JACKS ON, S. PRET SON and EM. . WoRTH:I . Mo l l ucn sa ,42.29 7-29(96. 8 17) SE u d. H.W AI TE:I .Bi o L .Ch e m, , 258, 2 91 1 -2 91 5. 1 8 ) I.. ( 1 9 8 3). 1 9) J. H.W A打E, T. J.HousLEY, and M . L. ohmi s t r y, 24, 500 1-504. 1. TAr tE ZR:Bice ( 1 9 8 5). 2 0 ) ∫. H.W AI TE."Abst r act s New Mat er i al88,. 第2 5号 ( 1 9 9 2) Japan…1 3 2( 1 9 8 8). 2 1 ). ∫H. . W AT TE:I Co mb.Py7 ks' o lB . .Boh ice m. ,. 156,4 91 -4 9 6( 1 9 8 6 ) 2 2) J. H.WA打E,LO BuRZ1 0.R. JENSEN and D. MoRSE:unpub) i s hed r esul t;ci t e di nr ef er ence1 3. 2 3) ∫H.WAT IE and A. R.FIT CI T: 'Bi ohmi ce st T, y 26,7 81 9 -7 8 2 5( 1 9 8 7) 24 ) ie dm :i b i d,28.60-61 14 10(99. 18) 2 5 ) I. H. W AT TE:I .Mar .Bi o l .As s o c .U.K. ,65.. 3 5 9 -371( 1 9 8 5). 2 6 ) GE.cmL S t Z and RH. . ScHR IMER:L A Pr icn i. pl esofPr ot ei nSt r uct ur e"Spri nger-Ver l ag,. New Yor k( 1 9 7 9). 27) 丸 毛 啓 史 :日 本 整 形 学 会 誌 ,63,8528 5 9( 1 9 8 9). ) SL 2 8 . STRAUSBERG and RL . STRAUSBER. G:. Bi o E eho cnlPo . rs. .6,11 7-1 77 ( 1 9 9) 0 2 9) H.YAMAMOTO:IC . hm e .o.PTi Sc, eカnTas rm. /,61 3 -61 8( 1 98 7 ) 3 0) 山本浩之, 山内茂 ・池 田健吾 :高分子論 文集, 4 8 ,2 5 7-2 5 9( 1 9 91 ). 3 1 ) H.YAMAMOTO, S.KuNO. A.NAGAZ ,. A. NI SHI DA,S.YAMAUCH)andK.I KEDA:I nE . I .. 35 1 0( 1 9 9). 0 Bi o lMaT . cl D mO. l.12,0-3 3 2) 林 寿郎 :日本接着協 会託 ,2 2 ,9 0 -9 7( 1 9 8 6 ). お よびその引用文献. 3 3) M.. D PIRC E SHBACHER and E.RoUsA L HT】. ・. Na E ur e ,309,3 0 -3 3( 1 9 8 4) お よび 1 5:27:Ci t edi nr ef ・ 34 ) 歴代丈,上 ,4:21 er ence1 0 3 5 ) ARI STOTLE:"Hi s t or i a Ani mal i umH,英翻訳 A. W .THOMPO S N・"W ok r s ofAr i st ot l" e 4. , s,Oxf or d( 1 91 0). 0xf or dUni ver si t yPr es ( 平成 3年 1 1月 8日受理 ).
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