男性養護教諭に対する意識調査 : 男性養護教諭勤務校の生徒の意識
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第61巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.61,No.2. 平成23年2 月 February,2011. 男性養護教諭に対する意識調査 一男性養護教諭勤務校の生徒の意識−. 津村 直子・富野由紀子*・安西 幸恵**・川内あかり***・横堀 良男****・山田 玲子. 北海道教育大学札幌枚 医科学・看護学教室 *札幌市立あいの里東小学校. 由遠軽町役場 ***登別市立若草小学校 ****美深町立仁宇布小中学枚. ASurveyoftheCognitionaboutMaleYogoTeacher amongHighSchooIStudents inacaseofHighSchooIwithMaleYogoTeacher. TSUMURANaoko,TOMINOYukiko*,ANZAIYukie**,KAWAUCHIAkari***, YOKOBORIYoshio****andYAMADAReiko DepartmentofClinicalScienceandNursing,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. *AinosatohigasiElementarySehool,Sapporo **. EngaruTownOffice. ***. wakakusaElementarySchool,Noboribetu. ***. *NiupuElementaryandJuniorHighSchool. 概 要 養護教諭という職業は女性のイメージが強く,現職の養護教諭,養護教諭を志望する学生も女性が非常に 多いのが現状である。本研究は男性養護教諭勤務校の高校生と女性養護教諭勤務校の高校生に対して男性養 護教諭に対する意識調査を行ったものである。 その結果,養護教諭に望む性別は,男性養護教諭勤務校では「男性」「どちらでもよい」,女性養護教諭勤 務校では「女性」が多く,どちらでもよい理由は「人柄,対応がよければ性別は関係ない」であった。. 男性養護教諭では困ることについて,困ることが「ある」は女性養護教諭勤務校に,困ることが「ない」 は男性養護教諭勤務校に多くみられた。. 男性養護教諭について,男性養護教諭勤務校では「増えてほしい」が多いが,女性養護教諭勤務校では男 性養護教諭に対して消極的な評価であり,養護教諭の複数配置についても「女性養護教諭2人」の希望がみ. 145.
(3) 津村 直子・富野由紀子・安西 幸恵・川内あかり・横堀 良男・山田 玲子. られた。また,女性養護教諭勤務校の生徒は女性養護教諭の対応を希望する項目が多くみられた。. 【はじめに】. 養護教諭という職業は女性のイメージが強く,. 【研究対象および方法】. 2004年11月に,男性養護教諭勤務校(定時制課. 女性のみの職業と思っている人が多いと思われる. 程)の高校生60人と,コントロール群として女性. が,学校教育法には「養護教諭は児童の養護を司. 養護教諭勤務校(定時制課程)の高校生103人に. る」と謳われており,∼を業とする女子をいうと. 対して留置法による質問紙調査を行った。調査内. いう記述は見当たらない。. 容は望ましい養護教諭像,養護教諭に望む性別,. 男性養護教諭は,1961年高知県の公立小学校に. 男性養護教諭では困ること,男性養護教諭(女性. 初めて登場しており,伝染病・寄生虫予防などの. 養護教諭)でよかったこと,望ましい養護教諭の. 実務的な役割に加えて,女性が勤務を希望しない. 配置,男性養護教諭の将来についてなどである。. 僻地校への配属等の悪条件を担っていた1)。文部. 対象者は欠席者を除いた男性養護教諭勤務校の. 科学省の学校基本調査(2004年度)2)によると,. 生徒56人,女性養護教諭勤務校の生徒88人であり,. 男性養護教諭は全国の学校に25人(全体の. 両校とも回収率100.0%,有効回答率100.0%で. 0.057%)であり,養護教諭は圧倒的に女性が多. あった。. いことが理解される。船木3)はそもそも養護教諭. 統計的分析は各質問項目に対して男性養護教諭. を目指そうとする男子学生が少ないこともある. 勤務校,女性養護教諭勤務校別に集計を行った。. が,男性養護教諭は社会的に認知されていないこ. 分析結果の検定は2つの集団の百分率の差の検定. とや,男性であることに抵抗感があるように思わ. を用いて行い,危険率5%以下を有意とした。. れると述べている。しかし,一般教諭の男性養護 教諭に対する肯定的な評価が高くみられた4)とい. 以下,男性養護教諭勤務校をA校,女性養護教 諭勤務校をB校と称する。. う結果も報告されている。また,現職の男性養護 教諭の立場からも保健室にも男女の先生がいた方. 【結 果】. がいい5),性別は関係ない10)という意見もみら. (1)養護教諭像について. れ,多様化する子どものニーズに対しては,男性・. 望ましい養護教諭像について表1に示した。全. 女性両方の視点を活かして対応することが必要と. 体では「話しやすい」75人(52.1%),「正確な判. 考える。. 断・早い処置」53人(36.8%),「やさしい」52人. 男性養護教諭に対する研究は,現職の女性養護. (36.1%),「明るい」47人(3Z.6%),「知識が豊. 教諭6)7)に対して,児童生徒8)9)に対して,一般. 富」45人(31.3%)であった。また,男子では「話. 教師4)に対して,男性養護教諭1)7)8)10)に対して,. しやすい」37人(47.4%),「正確な判断・早い処. また,教育委員会7)に対して等の意識調査が報告. 置」34人(43.6%),「知識が豊富」30人(38.5%),. されているが,男性養護教諭勤務校の児童生徒に. 「明るい」29人(37.2%),「やさしい」28人(35.9%),. 対する先行研究は少ない。. 女子では「話しやすい」38人(57.6%),「やさし. 本研究は男性養護教諭勤務校と女性養護教諭勤. い」「平等に接してくれる」ともに24人(36.4%). 務校の生徒に対して,男性養護教諭の必要性や困. であった。「知識が豊富」(p<0.05),「若い」(p. 難点等について意識調査を行ったものであり,今. <0.01)は男子のほうが,また,「平等に接してく. 後の養護教諭のありかたについて示唆を得ること. れる」(p<0.01)は女子のほうが有意に多かった。. を目的としている。. 146. A校では「話しやすい」35人(62.5%),「明る.
(4) 野性養護教諭に対する意識調査. 校のほうが有意に多く(p<0.01),また,「男性」. 表1 望ましい養護教諭像 人(%). 翻象 粁芸警計粁芸警計粁岩音【備考 疎な判断早い処置10(汎0)8(2細18(32.1)叫47.1)11(29.7)35胤8)叫4摘19(錮53㈲8). 「どちらでもよい」と回答した生徒はA校のほう. が有意に多かった(p<0.05)。. 鮎哉が豊富 12肌4)5甘2)17(30.4)18(軋3)10(27.0)勘3川30(錮15(22.7)45(31.3)男子〉女ヂ 話しやすい 16馳3)19(65.5)35阻5)21(41.2)19(51.4)40阻5)37帆4)勘57.6)75胤1). 表2 養護教諭に望む性別. やさしい 9(33.3)10(34.5)19(33.9)19阻3)14阻8)33甘5)勘35.9)別㈲4)52㈲1). 人(%). 明るい 11(40.7)11(汎9)22(弧3)18(軋3)7甘9)25㈲4)29甘2)18(27.3)47㈲6) 削になる 5(1拍6(20.7)11脾6)10甘6)12阻4)22阻0)15甘2)18(27.3)33(22.9) いつは顔 3(111)4(138)7(125)7(137)8(216)15(170)10(128)12(182)22(153). 若い. 川川0…1川25.5)…畔2)14(17…4.5)17(11.8)芳子〉女子. 温かみがある 6(22.2)3(10.3)9肺1)6(1川6甘2)12(13.6)12(15.4)9(13.6)21肌6) いつも保健室にいる 0(0.0)4(13湖 畔1)7(13.7)6甘2)13甘8)7け0)10(15.2)17(11.8). 性別. 男子 計 男子. 備考. 言†. A枚男子くB枚男子榊. 男性 4(14.8)0(仇0)4(7.1)0(仇0)8(0.8)0(0.0). A佼〉B紆. どちらでもよい 21(77.8)24(82.8)45(80.4)31(弧8)叫64.9)55(62.5) A佼〉B好. 何でも話を訃、てくれる 0(0.0)6(20.7)6(10.7)6(1川10(27.0)16甘2)6け7)16(札2)22(15.3). 無回答 8(0.0)0(仇0)8(0.8)1(2.0)8(0.8)1(1.1). 平等に凱て〈れる 5肺5)冊細則錮H13.7)畔1)畔7)12(15州36侶6㈲0)芳子く女子. 言† 27(100.0)29(1(H川 56(100.8)51(1肌研37(100.8)88(1(将.0). ぐp<0.05 −−p<0.01). 自分のことをわかって〈れる 2け4)6(20.7)8(1相 2即)4(10.8)6(6.8)4(5.1)10(15.2)14(9.7). 対象者. A聴くB紆. 女性 2(7.4)5(17.2)7(12.5)19(37.2)13(35.1)32(36.4). 27 29 56 51 37 朗 78 66 144 ぐp<0.05 −−p<0.01)複数回答. 性別にみると,A校の男子では「どちらでもよ い」22人(39.3%),「やさしい」19人(33.9%), 「正確な判断・早い処置」18人(32.1%),「知識. い」21人(77.8%),「男性」4人(14.8%),「女 性」2人(7.4%),女子では「どちらでもよい」. が豊富」17人(30.4%)であった。また,男子で. 24人(82.8%),「女性」5人(17.2%)であった。. は「話しやすい」16人(59.3%),「知識が豊富」. B校の男子では「どちらでもよい」31人(60.8%),. 12人(44.4%),「明るい」11人(40.7%),「正確. 「女性」19人(37.2%),女子では「どちらでも. な判断・早い処置」10人(37.0%),女子では「話. よい」24人(64.9%),「女性」13人(35.1%)であっ. しやすい」19人(65.5%),「明るい」「平等に接. た。「女性」と回答した人はA校の男子よりB校. してくれる」ともに11人(37.9%),「やさしい」. の男子のほうが有意に多かった(p<0.01)。. 10人(34.5%)であった。 B校では「話しやすい」40人(45.5%),「正確. 養護教諭の性別をどちらでもよいと回答した理 由を表3に示した。A校では「性別は関係ない」. な判断・早い処置」35人(39.8%),「やさしい」. 19人(42.2%),「きちんと対応してくれるなら性. 33人(37.5%),「知識が豊富」28人(31.8%),「明. 別は関係ない」「人柄がよければ性別は関係ない」. るい」25人(28.4%)であった。また,男子では「正. ともに5人(11.1%),B校では「性別は関係ない」. 確な判断・早い処置」24人(47.1%),「話しやす. 13人(23.6%),「人柄がよければ性別は関係ない」. い」21人(41.2%),「やさしい」19人(37.3%),. 7人(12.7%)であり,「性別は関係ない」はA校. 「明るい」18人(35.3%),女子では「話しやすい」. のほうが有意に多かった(p<0.05%)。. 19人(51.4%),「やさしい」14人(37.8%),「平. A校において男性養護教諭でよかった経験につ. 等に接してくれる」13人(35.1%),「頼りになる」. いて,男子では男性養護教諭でよかった経験が「あ. 12人(32.4%),「知識が豊富」「何でも話を聞い. る」8人(29.6%),「ない」19人(70.4%),女. てくれる」ともに10人(27.0%)であった。 表3 どちらでもよい理由 人(%). (2)養護教諭の性別について. 養護教諭に望む性別について表2に示した。A 校では「どちらでもよい」45人(80.4%),「女性」. 7人(12.5%),「男性」4人(7.1%),B佼では 「どちらでもよい」55人(62.5%),「女性」32人 (36.4%)であった。「女性」と回答した生徒はB. 理 由. A 校. B 校. 計. 備考. きちんと対応してくれるなら性別は関係ない 5(11.1) 3(5.5) 8(8.0). 人柄が良けれぼ性別は関係ない 5(11.1) 7(12.7)12(12.0) 性別は関係ない. 19(42.2)13(23.6)32(32.0)A校>B校●. どちらにも良いところ・悪いところがある 0(0.0)1(1.8)1(1.0). その他. 対象者. 4(8.8) 4(7.3) 8(8.0) 45. 55 100. ぐp<0.05)(複数回答). 147.
(5) 津村 直子・富野由紀子・安西 幸恵・川内あかり・横堀 良男・山田 玲子. 子では男性養護教諭でよかった経験が「ある」3. 護教諭に望む性別を表6に示した。よい経験があ. 人(10.3%),「ない」21人(72.4%)であり,よかっ. る生徒では「女性養護教諭を望む」23人(62.2%),. た経験がある生徒は男子に多い傾向がみられた. 「どちらでもよい」14人(37.8%),よい経験が. (表4参照)。男性養護教諭でよかった理由は,. ない生徒では「女性養護教諭を望む」9人. 男子では「話しやすい」3人(37.5%),「新鮮」「や. (17.6%),「どちらでもよい」41人(80.4%)で. さしい」ともに1人(12.5%),女子では「話し. あり,女性養護教諭を望むはよい経験がある生徒. やすい」2人(66.6%),「新鮮」1人(33.3%). に,また,どちらでもよいはよい経験のない生徒. であった。. に有意に多かった(p<0.01)。. 表4 男性養護教諭でよかった経験(A校) 人(%). 経験. 8(29.6). ない. 19(70.4). 無回答. 計. 女子. 男子. ある. 40(71.4). 0(0.0) 5(17.3) 27(100.0) 29(100.0). 計. 人(%). 3(10.3) 11(19.7) 21(72.4). 表6 女性養護教諭でよかった経験則にみた 養護教諭に望む性別(B校). 5(8.9) 56(100.0). 望む性別 女性. 経験ある. 計. 経験ない. 備考. 23(62.2) 9(17.6) 32(36.4)ある>ない−−. 男性. 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0). どちらでもよい 14(37.8) 41(80.4) 55(62.5)ある<ない−− 無回答. 0(0.0) 1(2.0) 1(1.1) 37(100.0)51(100.0)88(100.0). 計. ぐ−p<0.01). A佼において,女性養護教諭のほうがよいと 思った経験について,男子では女性養護教諭のほ うがよいと思った経験が「ある」0人,「ない」26. 男性養護教諭では困ることの有無について表7. 人(96.3%),女子では女性養護教諭のほうがよ. に示した。A校では困ることが「ある」4人 (7.1%),「ない」52人(92.9%),B校では困る. いと思ったこ経験が「ある」6人(20.7%),「な. い」21人(72.4%)であり,思った経験がある生. ことが「ある」17人(19.3%),「ない」69人(78.4%). 徒は女子に,ない生徒は男子に有意に多かった(p. であり,困ることがあるはB校に,困ることがな. <0.01)(表5参照)。女子生徒の女性養護教諭が. いはA校に有意に多かった(p<0.05)。性別に. よいと思った理由は,「生理の時」2人(33.3%),. みるとA校の男子では困ることが「ある」0人,「な い」27人(100.0%),女子では困ることが「ある」. 「女性特有の問題の相談」「男性だと話しにくい」 「女性だと安心する」いずれも1人(16.7%)であっ. 4人(13.8%),「ない」25人(86.2%)であった。. た。. B枚の男子では困ることが「ある」7人(13.7%),. B校において,女性養護教諭でよかった経験に. 「ない」42人(82.4%),女子では困ることが「あ. ついて,男子ではよかった経験が「ある」14人. る」10人(27.0%),「ない」27人(73.0%)であり,. 困ることがあるはA校の男子よりB校の男子に,. (27.5%),「ない」37人(72.5%),女子ではよかっ. 困ることがないはB校の男子よりA校の男子に有. た経験が「ある」23人(62.2%),「ない」14人. 意に多かった(p<0.01)。. (37.8%)であり,よかった経験がある生徒は女. 子に,ない生徒は男子に有意に多かった(p< 表7 男性養護教諭では困ること. 0.01)。女性養護教諭でよかった経験別にみた養. 人(%). 関ること 男子. 表5 女性養護教諭の方がよいと思った経験(A校) 人(%). 経験 ある. 男子. 女子. 計. 備考. 0(0.0) 6(20.7) 6(10.7) 男子<女子−−. ない 26(96.3) 21(72.4) 47(83.9) 男子>女子−− 27(100.0) 29(100.0) 56(100.0). (−−p<0.01). 148. 女子. B枚 舌【 男子. 備考. 女子. ある 0(0.0)4(朋)4け1)7(13.7)10甘0)17(19.3)A放く賭場子く硝ヂ ない 27(100.0)25(阻2)52(92.9)42(82.4)27(73.0)69(78.4)A枚〉賭場子〉硝ヂ わからない 0(0.0)0(0.0)0(0.0)2(3.9)0(0.0)2(2.3) 舌【 27(100.0)29(100.0)56(100.0)51(100.0)37(100.0)88(100.0). ぐp<0.05 −−p<0.01). 無回答 1(3.7) 2(6.9) 3(5.4) 計. A枚.
(6) 野性養護教諭に対する意識調査. (3)対応と養護教諭の性別について. 「性の悩みの相談」いずれも11人(29.7%)であっ. 対応を希望する養護教諭の性別は,男子では男. た(表9参照)。. 性養護教諭を希望する項目は,A校では「けがの 手当て」が最も多く6人(22.2%)であった。B. 表9 対応を希望する養護教諭の性別(女子」(%). 枚では「けがの手当て」12人(23.5%),「体重測. 項. 定」10人(19.6%),「身長測定」8人(15.7%),. B枚. A枚. B枚. 触診. 2(6.9) 2(5.4) 7(24.1)11(29.7). 腹痛. 3(10.3) 4(10.8) 5(17.2) 9(24.3). 頭痛. 4(13.8) 5(13.5) 4(13.8) 8(21.6). 気持ちが悪い時. 3(10.3) 6(16.2) 5(17.2)10(27.0). 身長測定. 3(10.3) 6(16.2) 2(6.9)12(32.4). 体重測定. 2(6.9) 4(10.8) 5(17.2)16(43.2). の悩みの相談」いずれも7人(13.7%)であった。. 「異性の友人の悩みの相談」ともに4人(14.8%). A枚. 3(10.3) 9(24.3) 3(10.3)11(29.7). けがの手当て. 「頭痛」「自分の身体の悩みの相談」「同性の友人. 女性養護教諭を希望する項目は,A校では「触診」. 男性養護教諭を希望女性養護教諭を希望. 目. 自分の身体の悩みの相談 2(6.9) 2(5.4) 8(27.6)11(29.7). であった。B校では「けがの手当て」18人(35.3%),. 勉強の悩みの相談 1(3.4)11(29.7)1(3.4) 9(24.3). 「気持ちが悪い時」15人(29.4%),「頭痛」12人. 心の悩みの相談. (23.5%),「触診」「腹痛」ともに11人(21.6%) であった(表8参照)。. 3(10.3) 4(10.8) 4(13.8)11(29.7). 同性の友人の悩みの相談 2(6.9) 8(21.6) 4(13.8) 8(21.6) 異性の友人の悩みの相談 5(17.2)10(27.0) 3(10.3) 9(24.3) 性の悩みの相談 対象者. 女子では男性養護教諭を希望する項目は,A校. 1(3.4) 2(5.4) 4(13.8)11(29.7) 37. 29. 29. 37 (複数回答). では「異性の友人の悩みの相談」5人(17.2%),. 「頭痛」4人(13.8%)であった。B校では「勉. 対応を希望しない養護教諭の性別は,男子では. 強の悩みの相談」11人(29.7%),「異性の友人の. 男性養護教諭を希望しない項目は,A校では「け. 悩みの相談」10人(27.0%),「けがの手当て」9. がの手当て」「触診」「腹痛」「自分の身体の悩み. 人(24.3%),「同性の友人の悩みの相談」8人. の相談」「異性の友人の悩みの相談」いずれも1. (21.6%)であった。女性養護教諭を希望する項. 人(3.7%)であった。B校では「頭痛」「心の悩. 目は,A校では「自分の身体の悩みの相談」8人. みの相談」ともに3人(11.1%),「気持ちが悪い. (27.6%),「触診」7人(24.1%),「腹痛」「気. 時」「自分の身体の悩みの相談」「勉強の悩みの相. 談」「同性の友人の悩みの相談」いずれも2人. 持ちが悪い時」「体重測定」いずれも5人(17.2%) であった。B校では「体重測定」16人(43.2%),. (7.4%)であった。女性養護教諭を希望しない項. 「身長測定」12人(32.4%),「けがの手当て」「触. 目は,A校では「触診」8人(15.7%),「勉強の. 診」「自分の身体の悩みの相談」「心の悩みの相談」. 表10 対応を希望しない養護教諭の性別(男子) 人(%). 表8 対応を希望する養護教諭の性別(男子」(%) 項. 目. 項. 男性養護教諭を希望女性養護教諭を希望. A枚. B枚. A枚. B枚. 6(22.2)12(23.5). 1(3.7)18(35.3). 2(7.4) 5(9.8). 4(14.8)11(21.6). 腹痛. 3(11.1) 4(7.8). 0(0.0)11(21.6). 頭痛. 3(11.1) 7(13.7). 0(0.0)12(23.5). 気持ちが悪い時. 2(7.4) 6(11.8). 0(0.0)15(29.4). 身長測定. 2(7.4) 8(15.7). 2(7.4) 9(17.6). 体重測定. 3(11.1)10(19.6). 1(3.7) 7(13.7). けがの手当て 触診. 自分の身体の悩みの相談 3(11.1) 7(13.7) 0(0.0) 6(11.8) 勉強の悩の相談. 3(11.1) 3(5.9) 0(0.0) 5(9.8). 心の悩みの相談. 3(11.1) 5(9.8)1(3.7) 8(15.7). 同性の友人の悩みの相談 3(11.1) 7(13.7)1(3.7) 6(11.8) 異性の友人の悩みの相談 1(3.7) 4(7.8) 4(14.8) 8(15.7) 性の悩みの相談 対象者. 2(7.4) 5(9.8)1(3.7) 8(15.7) 27. 51. 27. 51. 目. けがの手当て 触診. 男性養護教諭を希望しない 女性養護教諭を希望しない. A枚. B枚. A枚. B枚. 1(3.7)1(3.7)1(2.0)1(2.0) 1(3.7) 0(0.0) 8(15.7) 3(5.9). 腹痛. 1(3.7)1(3.7)1(2.0)1(2.0). 頭痛. 0(0.0) 3(11.1) 0(0.0)1(2.0). 気持ちが悪い時. 0(0.0) 2(7.4)1(2.0) 0(0.0). 身長測定. 0(0.0)1(3.7) 4(7.8)1(2.0). 体重測定. 0(0.0)1(3.7) 3(5.9)1(2.0). 自分の身体の悩みの相談 1(3.7) 2(7.4) 4(7.8) 4(7.8) 勉強の悩みの相談 心の悩みの相談. 0(0.0) 2(7.4) 6(11.8) 3(5.9) 0(0.0) 3(11.1)1(2.0)1(2.0). 同性の友人の悩みの相談 0(0.0) 2(7.4) 3(5.9) 0(0.0) 異性の友人の悩みの相談 1(3.7)1(3.7) 4(7.8)1(2.0) 性の悩みについての相談 0(0.0)1(3.7) 2(3.9) 5(9.8) その他 対象者. 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 3(5.9) 27. 27. 51. 51 (複数回答). (複数回答). 149.
(7) 津村 直子・富野由紀子・安西 幸恵・川内あかり・横堀 良男・山田 玲子. 悩みの相談」6人(11.8%),「身長測定」「自分. 表12 望ましい養護教諭の配置 人(%). の身体の悩みの相談」「異性の友人の悩みの相談」. 養護教諭の配置. いずれも4人(7.8%)であった。B校では「性の 悩みの相談」5人(9.8%),「自分の身体の悩み. A校. B校. 計. 女性養護教諭が一人. 備考 2(3.6)13(14.8)15(10.4)A校<B材. 男性養護教諭が一人. 6(10.7)2(2.3)8(5.6). 男女の養護教諭の複数配置 40(71.4)54(61.4)94(65.2) 性別は問わず一人の養護教諭 1(1.8) 0(0.0)1(0.7) 女性養護教諭が二人 0(0.0)8(9.1)8(5.6). の相談」4人(7.8%),「触診」「勉強の悩みの相. 女性養護教諭であれば人数は問わない 0(0.0)1(1.1)1(0.7). 談」ともに3人(5.9%)であった(表10参照)。. 男女二人ずつ. 女子では男性養護教諭を希望しない項目は,A. 無回答. 計. 校では「触診」6人(20.7%),「体重測定」5人. 0(0.0)1(1.1)1(0.7) 7(12.5) 9(10.2)16(11.1) 56(100.0)88(100.0)144(100.0). ぐp<0.05). (17.2%)であった。B校では「体重測定」15人 (40.5%),「触診」13人(35.1%),「自分の身体. 表13 男女の養護教諭の複数配置を望む理由 人(%). の悩みの相談」8人(21.6%)であった。女性養. 理 由 人数が多いほうがいい. 護教諭を希望しない項目は,A校では「勉強の悩. 男性もいると話しヤすい. みの相談」「心の悩みの相談」「異性の友人の悩み. A校. 計. B校. 1(2.5) 2(3.7) 3(3.2) 2(5.0) 3(5.6) 5(5.3). 対応が早くなる・常に保健室に先生がいる 1(2.5)1(1.9) 2(2.1) 0(0.0) 5(9.3) 5(5.3) 仕事が分担でき、様々な状況に対応できる. の相談」いずれも2人(6.9%)であった。B校で. 1(2.5) 4(7.4) 5(5.3) 生徒の気持ちを広く理解できる・違う意見が聞ける 場合によって先生を選べる. は「性の悩みの相談」1人(2.7%)であった(表. 9(22.5) 7(13.0)16(17.0). 男性だと話しづらい・相談しづらい1(2.5) 0(0.0)1(1.1). 11参照)。. 3(7.5) 6(11.1) 9(9.6) 女子は女性に、男子は男性に対応してもらえる 様々な生徒に対応できる㌧バランスがよい 5(12.5) 7(13.0)12(12.8) 男女いたほうがいい. 表‖ 対応を希望しない養護教諭の性別(女子). 男子にも女子にもよいと思う 人(%). 項. 目. けがの手当て 触診. 男性養護教諭を希望しない 女性養護教諭を希望しない. A枚. B枚. A枚. B枚. 0(0.0) 3(8.1) 0(0.0) 0(0.0) 6(20.7)13(35.1)1(3.4) 0(0.0). 腹痛. 0(0.0) 4(10.8) 0(0.0) 0(0.0). 頭痛. 0(0.0)1(2.7) 0(0.0) 0(0.0). 気持ちが悪い時. 0(0.0)1(2.7) 0(0.0) 0(0.0). 身長測定. 2(6.9) 4(10.8) 0(0.0) 0(0.0). 体重測定. 5(17.2)15(40.5)1(3.4) 0(0.0). 自分の身体の悩みの相談 0(0.0) 8(21.6)1(3.4) 0(0.0) 勉強の悩みの相談. 0(0.0)1(2.7) 2(6.9) 0(0.0). 心の悩みの相談. 0(0.0) 5(13.5) 2(6.9) 0(0.0). 同性の友人の悩みの相談 0(0.0) 2(5.4) 0(0.0) 0(0.0) 異性の友人の悩みの相談 2(6.9) 2(5.4) 2(6.9) 0(0.0) 性の悩みの相談 対象者. 2(6.9) 9(24.3)1(3.4)1(2.7) 29. 37. 29. 37 (複数回答). なんとなく. 2(5.0) 4(7.4) 6(6.4) 0(0.0) 3(5.6) 3(3.2) 3(7.5) 3(5.6) 6(6.4). 利用しやすい・便利・都合がよい 1(2.5) 0(0.0)1(1.1) その他. 対象者. 5(12.5) 5(9.3)10(10.6) 40. 54. 94 (複数回答). 示した。A校では「場合によって先生を選べる」 9人(22.5%),「様々な生徒に対応できる・バラ ンスがよい」5人(12.5%),「女子は女性に,男 子は男性に対応してもらえる」「なんとなく」と もに3人(7.5%)であった。B枚では「場合によっ. て先生を選べる」「様々な生徒に対応できる・バ ランスがよい」ともに7人(13.0%),「女子は女. 性に,男子は男性に対応してもらえる」6人 (4)養護教諭の配置について. 望ましい養護教諭の配置について表12に示し. (11.1%),「仕事が分担でき様々な状況に対応で きる」5人(9.3%)であった。. た。A校では「男女の養護教諭の複数配置」40人 (71.4%),「男性養護教諭1人」6人(10.7%),. B校では「男女の養護教諭の複数配置」54人 (61.4%),「女性養護教諭1人」13人(14.8%),. (5)男性養護教諭の将来性について 男性養護教諭についてA校では「増えてほしい」 10人(17.9%),「増えてほしくない」1人(1.8%),. 「女性養護教諭2人」8人(9.1%)であった。「女. 「どちらでもよい」45人(80.3%),B校では「増. 性養護教諭1人」が望ましいと回答した生徒はB. えてほしい」11人(12.5%),「増えてほしくない」. 校のほうが有意に多かった(p<0.05)。. 11人(12.5%),「どちらでもよい」64人(72.7%). 男女の養護教諭の複数配置を望む理由を表13に. 150. であり,増えてほしくないはB校が有意に多かっ.
(8) 男性養護教諭に対する意識調査. た(p<0.01)。また,性別にみるとA校の男子. 断・早い処置」「知識が豊富」が多く,養護教諭. では「増えてほしい」6人(22.2%),「増えてほ. として基本的な救急処置や医学的知識を重要視し. しくない」1人(3.7%),「どちらでもよい」20. ており,女子は「話しやすい」「やさしい」「平等. 人(74.1%),女子では「増えてほしい」4人. に接してくれる」「何でも話しを聞いてくれる」. (13.8%),「どちらでもよい」25人(86.2%)であっ. が多く,養護教諭に受容的態度を求めていること. た。B校の男子は「増えてほしい」2人(3.9%),. がうかがわれる。梶原13)は定時制課程の生徒は. 「増えてほしくない」8人(15.7%),「どちらで. 保健室来室理由は傷病等の特定した主訴は少な. もよい」39人(76.5%),女子では「増えてほしい」. く,「居場所としたい」27.7%,「おしゃべりした. 9人(24.3%),「増えてほしくない」3人(8.1%). い」25.0%,「話を聞いて」18.6%ということで. 「どちらでもよい」25人(67.6%)であり,増え. 多く利用していたと報告しているが,この傾向は. てほしいはB校の男子よりA校の男子のほうが. 本調査では女子に多くみられた。これらのことか. (p<0.05),また,B校の男子よりB校の女子. ら,養護教諭には性別にかかわらず専門的知識や. のほうが(p<0.01)有意に多かった(表14参照)。. 技術に加えて,受容的な対応で精神的側面を支え る役割も大きいことが理解された。. 表14 男性養護教諭の将来性 人(%). 男性養護教諭. A校 男子. 女子. B校 計. 男子. 女子. 計. 増えてほしい 6(22.2)4(13.8)10(17.9)2(3.9)9(24.3)11(12.5). +淋+. 増えてほしくない 1(3.7)0(0.0)1(1.8)8(15.7)3(8.1)11(12.5) どちらでもよい 20(74.1)25(86.2)45(80.3)39(76.5)25(67.6)餌(72.7) 無回答. 計. 0(0.0)0(0.0). 2(3.9)0(0.0)2(2.3). 27(100.0)29(100.0)56(100.0)51(100.0)37(100.0)88(100.0) ぐp<0.05 −−p<0.01). (2)養護教諭の性別について. 養護教諭に望む性別は「どちらでもよい」が高 率であり,A校では8割,B校では6割であり(表 2参照),養護教諭の性別にはこだわらないとい う傾向がうかがわれた。養護教諭の性別は「どち らでもよい」理由は,「性別は関係ない」,「きち んと対応してくれるなら性別は関係ない」,「人柄 がよい先生なら性別は関係ない」が,A校では7. 【考 察】. 割,B校では5割を占めており,両校ともに高率. (1)養護教諭像について. であった(表3参照)。服部8),村上10)の調査で. 望ましい養護教諭像は「話しやすい」が最も多. も,「性別ではなく,いいかどうかは人柄による」,. く半数以上であった。次いで「正確な知識・早い. 「性別は関係ない」,「信頼できる人ならどちらで. 処置」「やさしい」「明るい」「知識が豊富」が3. もよい」という意見が報告されている。これらの. 割以上であり,A,B校において差はみられなかっ. ことから児童生徒は性別をこえて自分を理解して. た(表1参照)。佐々木11)は,児童は養護教諭に. くれる,ありのままの自分をまるごと受けとめて. 対して「正確・迅速な処置」「明るく親しみやす. くれる養護教諭の存在を求めている8)のではない. い雰囲気」「受容的態度・共感的理解」を求めて. かと推察される。. いると述べているが,. 高校生においても同様の傾. また,養護教諭の性別は「どちらでもよい」と. 向がみられた。また,斉藤12)は大学生の養護教. 回答した人(表2参照),「どちらでもよい」理由. 諭のイメージは. 「他の先生とは違う魅力をもち,. の「性別は関係ない」人(表3参照)はともにB. 専門的な職務を行い,いつでも受容的に受け入れ. 校よりA校のほうが有意に多く(p<0.05),A. てくれるような存在である」と好意的にとらえて. 校のほうが養護教諭の性別は関係ないと感じてい. おり,児童,生徒,学生というどの年齢層におい. る生徒が多いことが把握された。A佼の生徒は,. ても養護教諭像は変わらないことが確認された。. 男性,女性両方の養護教諭と関わっている経験か. 性別にみると男子は「話しやすい」「正確な判. ら,性別は関係なく信頼できる養護教諭を求めて. 151.
(9) 津村 直子・富野由紀子・安西 幸恵・川内あかり・横堀 良男・山田 玲子. ,触診を同性の児童生徒にさせる14),検診. いるのではないかと推測される。大事なことは,. う8). 経験や技能そして職務を遂行していこうとする意. では女性の先生が記録にあたり養護教諭は進行係. 志であり,単純に性差のみで職務遂行能力は比較. になる15)など様々な工夫がなされており,これ. できない1)ため,性別をこえて児童生徒の信頼を. らの工夫により徐々に困難点が解消されていると. 得る辛ができるような経験と技能を持った,人間. 思われる。「話しづらい」という理由についても. 性豊かな養護教諭が求められるのではないかと考. 月経や身体についての相談と考えられるが,身体. える。. に関する相談や救急処置では医者は性を問わず. B校の女性養護教諭でよかった経験別にみた養. 行っているのだからそれと同様に考えればよい. 護教諭に望む性別では,よかった経験が「ある」. 15)という考えや,相談相手に性差は問題でない. 生徒は「女性」を望む62.2%,よかった経験が「な. という結果8)も報告されている。実際に男性養護. い」生徒は「女性」を望む17.6%であり,女性養. 教諭と接しているA校の女子では,困ると回答し. 護教諭を望む生徒は,養護教諭が女性でよかった. た生徒は13.8%であった。男性養護教諭と出会い. 経験が「ある」生徒のほうが有意に多く認められ. 関わりをもつことで,性別ではなく養護教諭の人. た(p<0.01)(表6参照)。佐々木11)の研究では,. 間性であることが理解され,不安が解消されるの. 良い体験ありの群といやな体験ありの群の養護教. ではないかと推察される。. 諭観の比較では,良い体験ありの群の方が養護教. A佼において,男性養護教諭でよかったことが. 諭に対するイメージが有意に高かったと報告して. 「ある」生徒は,男子では3割,女子では1割で. いる。このことから養護教諭のイメージは今まで. あり,女子よりも男子に高率であった(表4参照)。. の経験が大きく影響しており,よい経験がある生. 男性養護教諭でよかった理由は,男子生徒では「話. 徒ほど女性養護教諭にプラスイメージを持ってお. しやすい」が最も多かった。先行研究9)でも,男. り,経験したことのない性別の異なる男性養護教. 子生徒から「男性特有の体のことが聞ける」,「話. 諭よりも,よい経験がある女性養護教諭を望む傾. しやすくなる」,「女性養護教諭には聞けないこと. 向が強いのではないかと推測される。. を聞ける」などの意見がみられ,これらのことか. 男性養護教諭では困ることが「ある」生徒はA 校よりもB校のほうに,困ることが「ない」生徒 は,B校よりもA校のほうに有意に多く認められ. ら男子生徒が女性養護教諭には話しにくい相談や. 悩みを抱えていることが理解される。 A校において,女性養護教諭の方がよいと思っ. た(p<0.05)(表7参照)。性別でみると,男子. たことが「ある」生徒は,男子では0,女子では. は困ることが「ある」生徒はA校よりもB校のほ. 20.7%,「ない」生徒は男子では96.3%,女子で. うが,困ることが「ない」生徒は,B校よりもA. は72.4%であり,女性養護教諭のほうがよいと. 校のほうが有意に多く認められた(p<0.01)。. 思ったことが「ある」生徒は女子に,「ない」生. 女子も男子と同様の傾向がみられたが有意差は認. 徒は男子に有意に多く認められた(p<0.01)(表. められなかった。また,男子と女子を比較すると. 5参照)。A校の女子生徒の女性養護教諭がよい. A,B校とも困ることが「ある」生徒は女子のほ. 理由をみると,「生理の時」,「女性特有の問題の. うが多くみられた。両校とも,女子生徒が男性養. 相談」「女性だと安心する」などであり,女性特. 護教諭では困る理由については,「生理について」,. 有の月経や身体や性の悩みなどについては,女性. 「話しづらいことがある」などであった。先行研. の方が話しやすいと感じていることが理解され. 究7)において,男性養護教諭が子どもとのかかわ. る。これらのことから,男性養護教諭自身が人体. りで工夫している点として,女子児童生徒への対. の構造や生理学を学んで月経に対して医学的知識. 応が挙げられており,発育測定は着衣で行う,触. を持っていても,思春期以降の生徒には性に関す. るときは女性養護教諭や女性教師に代わってもら. る悩みは複雑であり,個々のケースに対しで慎重. 152.
(10) 野性養護教諭に対する意識調査. に対応することが大切と考える。. 価できる点として「男子生徒への対応」3)8)があ. げられているが,さらに,本調査では,「異性の (3)対応を希望する養護教諭の性別. 友人の悩みの相談」は異性の養護教諭を望む傾向. 対応を希望する項目は,すべての項目において,. がみられ,女子生徒にとって男性養護教諭は異性. A枚よりもB枚のほうが女性養護教諭の対応を希. の気持ちや異性に関する知識をもっている存在と. 望する生徒が多く,男性養護教諭の対応を希望し. して期待されていることも理解された。また,男. ない生徒が多かった(表8,9,10,11参照)。. 性養護教諭に「勉強の悩みの相談」などを望む女. B校の生徒は女性養護教諭の対応の経験のみであ. 子生徒の声もあり,男性養護教諭は女子生徒に. るため,経験のない男性養護教諭の対応よりも,. とっても利点があると思われる。しかし,多くの. いままで通りの女性養護教諭の対応を希望する生. 項目について女性養護教諭を望む生徒が多く,先. 徒が多いのではないかと推測される。. 行研究8)9)15)において示唆されているように,男. 男性養護教諭の対応を希望する項目,女性養護. 性養護教諭と女性養護教諭の複数配置によって,. 教諭の対応を希望する項目を比較すると,「触診」. 男性で不十分な部分は女性養護教諭が,女性で不. は男女とも男性養護教諭よりも女性養護教諭を望. 十分な部分は男性養護教諭が補うことにより,よ. む傾向がみられた。また,「体重測定」「自分の身. り幅広い対応ができると期待される。. 体の悩みの相談」「同性の友人の悩みについての 相談」は同性の養護教諭を,「異性の友人の悩み. (4)望ましい養護教諭の配置について. の相談」は異性の養護教諭を望む傾向がみられた。. 望ましい養護教諭の配置について,「男性養護. 「けがの手当て」「頭痛」「身長測定」はA校,B. 教諭と女性養護教諭の複数配置」と回答した生徒. 校ともに現在の養護教諭の性別を希望している生. が最も多く,A校では7割,B校では6割であっ. 徒が多く,対応してもらいたい性別にこだわりは. た(表12参照)。男性養護教諭と女性養護教諭の. ないものと推察される。「腹痛」「気持ちが悪い時」. 複数配置を望む理由は,「場合によって先生を選. 「心の悩みの相談」「性の悩みの相談」は,女子. べる」,男女両方の養護教諭がいることで「様々. では女性養護教諭の対応を望む傾向がみられた. な生徒に対応できる・バランスがよい」などがあ. が,男子では現在の養護教諭の性別を希望してい. げられており(表13参照),処置や相談の内容に. る。「勉強の悩みの相談」は,女子では男性養護. より生徒が養護教諭を選択できるところに利点を. 教諭の対応を望む傾向がみられたが,男子では現. 感じていることが理解された。B枚では「女性養. 在の養護教諭の性別を希望しており,男女で違い. 護教諭2人」の同性の複数配置の希望が1割近く. が見られた(表8,9参照)。. みられたが,性別の異なる女性養護教諭と男性養. 男性養護教諭の対応を希望しない項目と,女性 養護教諭の対応を希望しない項目を比較すると, 「触診」「性の悩みについての相談」では,両校. 護教諭を配置することは,2人配置の利点を活か した保健室経営が行えるだけでなく,保健室に男 性的・女性的な視点が備わり多角的な視点から子. ともに異性の養護教諭の対応を希望しない傾向が. どもを支援し,子どもの成長に大きな成果を挙げ. みられた。「体重測定」では,女子は男性養護教. ることが期待できるのではないか8)と考える。. 諭の対応を希望しない,また,「自分の身体の悩. みの相談」では,男子は女性養護教諭の対応を希. (5)男性養護教諭の将来性について. 望しない傾向がみられた(表10,11参照)。. 男性養護教諭について,A校では「増えてほし. これらの結果から,対応する内容によって生徒. い」17.9%,「増えてほしくない」1.8%,「どち. が望む養護教諭の性別は異なる傾向にあることが. らでもよい」80.3%,B校では「増えてほしい」,. 理解された。先行研究において男性養護教諭の評. 「増えてほしくない」がともに12.5%,「どちら. 153.
(11) 津村 直子・富野由紀子・安西 幸恵・川内あかり・横堀 良男・山田 玲子. でもよい」72.7%であった。男性養護教諭が「増. 護教諭1人」は男性養護教諭勤務校よりも女性. えてほしくない」生徒は,A校よりB校のほうが. 養護教諭勤務校に有意に多く認められた(p<. 有意に多く(p<0.01)(表14参照),B校の生徒. 0.05)。. のほうが男性養護教諭に対して消極的な評価を示. ⑤男性養護教諭について,男性養護教諭勤務校で. していた。B枚の生徒は男性養護教諭と接した経. は「増えてほしい」17.9%,「増えてほしくない」. 験がなく,養護教諭は女性というイメージが強い. 1.8%,女性養護教諭勤務校では「増えてほしい」. ため,男性養護教諭に対して不安や抵抗感を持っ. 「増えてほしくない」ともに12.5%であった。. ているのではないかと推測される。. 満を終えるにあたり,お忙しい中調査にご協力 いただきました,A校,B校の学校長および養護 教諭の先生に厚くお礼を申し上げます。. 【結 語】. 男性養護教諭勤務校の生徒54人,女性養護教諭. また,調査に協力していただいた生徒の皆さん に心よりお礼を申し上げます。. 勤務校の生徒88人に対して男性養護教諭に対する. 意識調査を行った。いくつかの知見を得たので以 下に結果を報告する。 ①望ましい養護教諭像は「話しやすい」52.1%,「正 確な判断・早い処置」36.8%,「やさしい」36.1% 等であり,男性養護教諭勤務校,女性養護教諭 勤務校において差はみられなかった。 (郭養護教諭に望む性別は,男性養護教諭勤務校で は「女性」12.5%,「男性」7.1%,「どちらで もよい」78.6%,女性養護教諭勤務校では「女 性」36.4%,「どちらでもよい」62.5%であり, 「女性」は女性養護教諭勤務校に,「男性」「ど ちらでもよい」は男性養護教諭勤務校に有意に 多く認められた(p<0.05)。. ③男性養護教諭では困ることは,男性養護教諭勤 務校では「ある」7.1%,「ない」92.9%,女性 養護教諭勤務校では「ある」19.3%,「ない」 78.4%であり,困ることが「ある」は女性養護. 教諭勤務校に,困ることが「ない」は男性養護. 【引用文献】 1)佐藤聡彦:男性の養護教諭に関する研究,愛知教育 大学卒業研究,34−35,1992 2)文部科学省:平成16年学校基本調査報告書 初等中 等教育機関・専修学校・各種学校編,44−565,文部科 学省,2004 3)船木雄太郎:男性養護教諭についての意識調査,平 成13年慶大阪教育大学教育学部養護教育学研究No.1, 1−6,2002. 4)生田陽子:男性養護教諭に関する研究∼職場教師の 受けとめ方を中心に∼,1996年茨城大学卒業論文集, 83−86,1997 5)朝日新聞:はたらく現場で 少数派の男たち2 「保 健室の先生『心の支え』に男性も必要」,朝日新聞社, 1995.8.29. 6)片岡繁雄:養護教諭の複数配置と男子養護教諭の採 用についての現職養護教諭の意識について,学校保健. 研究,24(1),37−43,1982 7)津村直子ほか:男性養護教諭に対する意識調査 一 現職養護教諭,教育委員会の意識−,北海道教育大学 紀要(教育科学編),60(2),47−60,2010. 8)服部哲子:男性養護教諭の配置についての研究息. 教諭勤務校に有意に多く認められた(p<. 春期生徒の相談活動に着目して−,平成16年度茨城大. 0.05)。. 学養護教諭養成課程第26回生 卒業研究抄録集,第26. ④望ましい養護教諭の配置について,男性養護教 諭勤務校では「女性養護教諭1人」3.6%,「男 性養護教諭1人」10.7%,「女性養護教諭・男 性養護教諭の複数配置」71.4%,女性養護教諭 勤務校では「女性養護教諭1人」14.8%,「女. 巻,29−32,2004 9)阿部さやか:児童生徒の養護教諭観,平成11年度弘. 前学校保健科学,18,145−148,1999 10)村上智明ほか:男性養護教諭の実態および意識に関. する調査,学校保健研究,46,452−453,2004 11)佐々木美樹子:児童の養護教諭観,弘前大学教育学. 部養護教諭養成課程卒業研究収録,7,168−172,1988. 性養護教諭2人」9.1%,「女性養護教諭・男性. 12)斉藤留美:大学生からみた保健室の先生のイメージ. 養護教諭の複数配置」61.4%であり,「女性養. に関する研究,平成21年度弘前学校保健科学,28,73−76,. 154.
(12) 野性養護教諭に対する意識調査 2009 13)梶原京子ほか:公立高等学校定時制課程生徒の保健 室来室及び養護教諭の対応の実態 一全日制課程との 比較−,小児保健研究,64(1),94−99,2005 14)横堀良男:養護教諭の職務は魅力いっぱい ∼保健 室は宝の山∼,第33回北海道養護教員研究大会報告集, 4252,北海道養護教員会,2003 15)山本京世:養護実習に男子学生を受け入れて,全国 国立大学附属学校連盟養護教諭部会編,研究収録,36, 24−27,2001. 津村 直子. (札幌校 教授). 富野由紀子. (あいの里東小学校 養護教諭). 安西 幸恵. (遠軽町役場 民生部保健福祉課). 川内あかり. (若草小学校 教諭). 横堀 良男. (前仁宇布小中学校 養護教諭). 山田 玲子. (札幌佼 准教授). 155.
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