ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について
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(2) . 第修巻 第2号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和43年3月. ソ連邦の学校図書館にお ける生徒の活動について 加. i KAGA, Ei j. 賀. 栄 治 ・ 佐 藤 一 函館分校国語研究室. 成. Kazushige SATO: The Ac ivi i t t es by the. Pupi l s at the SchooI Library in U.S .S.R. ,. 目 っ はじめに , ( 1 ) わが国学校図書館の直面せる 問題 ) わが国学校図書館と生徒の活 ( 2 動 2 , ソ連邦の学校図書館と生徒の活. 次 ( 1 ) 生徒の活動について 関 しニングラード第24 5小学校 図書館における生徒の活動 ( 3 ) 若干の考察 3 , おわりに. 動. 1, は. じ. め. に. 1 ) わが国学校図書館の直面せる問題 (. 学校図書館がわ が国で今日のように盛んな活動を示すようになっ たのは, 終戦後の アメリカ教 育 使節団の勧告にその端を発 したようであるが, 正式には, 昭和22年5月 公布の学校教育施行規則の 中で, 国の法規によっ て各学校に図書館を設営すべきことを示 し , 学校図書 館はそれによっ て, 明 瞭な法的基礎を得るに至っ た. 同24年8月 には文部省に設置された学校図書 館協議会によっ て 文 , 部大臣の諮問にこたえて学校図書館基準 が決定, 公表された. 同28年7月 には独立法と しての学校 図書 館法が公 布を見, 全国のすべての小・中・高等学校 が図書 館を義務 的に設けなければならない. ことになっ た. その後学校図書館は今日のように盛んな活動を 見, 学校教育のセンターと して, 学 校 教 育 への サ ー ビ ス セ ンタ ー と して, ま た 資 料 セ ンタ ー と して の 役割 を 果 し, 特 に 児 童 ・ 生 徒 に 対. して, 資料選択能力を与える役割と読書を通じての人間形成という面に重点がおかれて 今日に至 , っ て いる. ところで学校図書 館法は, 学校図書館の形を整えた が, 運営にあたる人の面 につ いては,. 学校図書館法施行時点における資格を有する人材難により, 一 時充当を保留 し, その後の養成を待. っ て充当実施することと し, 今日に至っ ている. そのた め今 日度々学校図書館界において司書教諭 及び学校司書 (仮称) を配置する運動 が全国的に行われている が, 法制の段階でまとまりきらない. でいる現状である. 冒頭に何故このようなことを書か なければな らなかっ たかというと, この学校 図書館運営に専門の人を得られないということが, わ が国の児童・生徒に対する図書館教育の徹底 を欠き, また児童生徒の学校図書館における活動を して 創造的な 形態となりえず, また甚だ非教育 的な 情況にお しやる結果をもたら していると考えるからである。 2 ) わ が国学校図書館と生徒の活動 (. わ が国では, 大部分の学校図書館が児童生徒の活動する場を作っ ている. それは児童・生徒委員 と して 活動 している場合が多いのである が, 前述の学校図書館運営に専任の人 が得 られな いという -「48-.
(3) . 加 賀 栄 治・佐 藤 一 成 嘘路から, 人手不足をおぎなうという点に児童・生徒図書委員の役割の重点がおかれているか に思 1 ) 特別教育活動の一分野と してとらえること が好ま しいように思われる われるような場合 が多い. 2 の だ が, J 果 してどれ程その趣旨が生かされて いるであろうか. このことはア メリカにおいても明確に 『生徒 が班や部を組織 して学校図書館の運営に参加するこ とは, その生徒達にとっ ていくつかの教育的効果をもたらす. それは, 全体の一員であるという意. 識をたか め, 統率 したり協力 したりする機会を与え, 責任をもち, 他人と協調する能力を養い, 図 書 館とその資料に対す る評価力を高 め, また或る生徒に対 して は, 一つの職業 と しての司書という ものに関心をもたせることになる, 』 ……というように指導 し, 更に 『図書館における生徒の自発 的な協力を決 して安易に利用 して はな らない し, どんな 状況下に あっ ても有給事務助手や小使いの 3 ) 私どもは日本の学校図書 館の現況を見て, もう少 しこの 代用と してはならな い.』 と している.. 点につ いて考えて見たいと思い, 特にその社会体制 上から, 早くから児童・生徒を積極的に社会的 諸事業に参加させているソ ビエ ト連邦の学校図書館にお ける児童・生徒の活動を見ることによっ て, 若干の考察をこ の問題に試みることと したのである. 註 1) 学校図書館研究大会 (各都道府県或は全国大会) にこのような傾向による失敗の例が多く持ち出されて いる.. 2 ) 文部省:学校図書館運営の手引 同. 上: 小中学校における学校図書館利用 の手引, P,96 7 ″ : 高等学校における学校図書館運営の手引, P.18. 〃 : 小学校における学校図書館運営の事例と研究, P.30 62 第一法規: 学校図書館事典, P.2 3 ) 全国学校図書館協議会: アメリカの学校図書館基準, P,56. 2. ソビエ ト連邦の学校図書館と生徒の活動 1 ) 生徒の活動につ いて ( ソ ビエト連 邦にお ける学校図書館の歴史につ いては詳かではな いが, しか しソ ビエト連邦におい て大々的に学校図書館の拡大を決定 したのは, 1936年「1月16日ソ連邦ソ ビエト人民委員会の 『学校 図書館に関する決定』, 即 ち 『学校図書館網と学校図書館用の文学書の出版の拡大』 に よるもの で 1 ) しか し, 学校図書館 (児童図書館をも含 めて) の中で, ピオネ ÷ル が積極的に あると思われる.. 3年に 図書館活動に参加 して活躍する よう, クル プスカ ヤは特に力説 している し, またすでに, 193 は, 4 度 に わ た っ て こ の こ と につ いて, ピオ ネ 【 ル に 対 して 呼 びか け の 手 紙 を ピオ ネ ー ル ス カ ヤ プ 2 ) ラ ブダ 紙 上 に 発 表 して い る。. ソ連邦においては学校生活や その他の集団生活の中で, 最も活動的な 規律正 しい分子で, 児童集 団の全生活と活動において指導的な役割を果す ようなものを アク チ ← ブと呼ぶのである が, そのア クチー ブには最も優秀なゴムソモール (共産青年同盟員) や ピオネ ール がなる. アクチ ー ブは各種 団体の長, 会議のメ ンバ ー, 生徒委員会のメ ンバ 【, 壁新聞, ス ポ←ッ 活動, 文化啓蒙運動, 保健 3 ) 活動などのた めの生徒集団の長や全権委員になるのである. .学校図書館にあっ ても読書アクチー ブが存在 して活動 して いるのである が, この アク チー ブがわ が国における生徒委員と似た活動を学校図書館でおこなっ てると思われる. しか しな がらそれがど. の よ う に 行 わ れ て いる の か に つ いて は, こ れ を 研 究す る こ と がな か な か む づか しい 現 状 で あ る, 何. 故ならば, わ が国における全国学校図書館協議会の機関誌である 『学校図書館』 のように, 或は又. I Library and Schoo I Library ア メリ カ の SchooI Library journa1 や イ ギ リ ス の Schoo 9- -14.
(4) . ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について Revi ew のように, 学校図書館の各分野における諸活動の理論や 実践例を紹介するもの が容易に入. 手出来ないからである. 幸い今この実態を知る資料と して, 現在わ が国で入手出来る 唯一のソ連邦 ” (図書館員) 図書館業務の理論と実務の研究誌であるロシア共和国文化省 機 関 誌“Bi b i l otekar j の「966年「0月 号に掲載された レニングラー ド第245 ・学 校 の 図 書 館員 の イ ー . レビイ チ ン氏 の 論 文 を読むこと が出来た。 この内容は生徒の図書館における諸活動である. 調べたところによれば こ , の よ う な 生 徒 の 活 動 は, い ろ い ろ な 分 野 に あ る よ う で, 以 下 述 べ る とこ ろの 形 式 は, ソ ビ エ ト に あ. っ ては普遍的な活動の ようである. 例えば, 第一法規の 『学校図書館事 典』 P,55にはソ連 邦の学 校図書 館の内容について記載 している がその中 で, 『…読書指導は発達段 階に応じて正 しい発音の 習得, 国土建設の英雄物語による愛国心の形成, 芸術作品の理解, 科学や歴史の論理 的文章の理解. や発表力などを目標と して行われ, また教 科書で ある作品 が扱われると課外でその作家の他の 作品. が与えられ, 授業の終りにはその作家の全体を理解するよう 指導される. また発達段 階に した がっ て課外読書リ ス ト が与えられ, 教師や図書館や クラ ブ活動の共 同的な努力によっ て組織的な図書宣. 伝 が行なわれる。 たとえば学校図書館による 文学の夕べ, 討論会, 読書会, 諸書サークルなどの活 動や, 児童図書館, 子供の宮殿, クラブの図書 館, 民衆図書館の児童部等による諸書指 導や図書館 行事 があり, 春には有名な 俳優や作家をかこんだ子供の読書会議 が行なわれる. これらの 活動には 生徒の中の読書 アクチブ (図書委員) がその推進に積極的な役割を果 している.』 とあり, 更に 又 明治図書のソ ビエト教育科学辞典中の課外活動, 課外読書などの項によっ ても, 似たような 活動の. 例が見られるので, 後述する レニングラー ド第245小学校図書館の活動内容はソビエ トにおける 普 遍的な形の活動のように考えられるので, この論文を取りあげて考察を して見たい. 「 ) V. E,VASILJCHENKO:ISTOR1jA BIBLIOTBCHNOBO D露LA V SSSR COVBTCKAIA ROSIIA MOSKVA,1958. (ヴー・イエー・ワシリチエンコ: ソ連邦図書館業務史, ソ ビエト・ロシア出版所, モスクワ 「9 58年. 2 ). P, イ49 N. K. KRUPSKAIA; O BIBLIOTBCHNOMDELB‐SBORNIK-. (エヌ・カー・クルプスカヤ: 図書館業務論-論文集-モスクワ, 「9 57 9 ) , P.654~66 3 ) ソ ビエト教育科学アカデミヤ版:ソ ビエト教育科学辞典, 明治図書, P,34 3 拙稿: 北海道学芸大学紀要第「6巻第2号第ィ部C) 昭和40年-ソ連邦児童図書館におけるピオネルスカ ヤプラグダの取扱いに関する若干の考察.. 2 ) レニングラー ド第245小学校図書館における生徒の活動 ( A. 組. 織. レニングラー ド第245小学校図書館では 『図書愛好者クラブ』 を文学の教師とピオネール及びコ ムソモ÷ルの組織 がつく っている. 最初会議を開き, 議長と2人の副議長を選 出 し, この会議でク ラブの規則 がつくられる. 即ち任務を明確に し , 部門をつくり, その活動分野を明確に して いる,. (このクラ ブの部門は○図書館業務部門, 0宣伝・講師部門, 0評論の部門, 0視聴覚関係部門, ○文芸・音楽部門, 0国際協力部門, 0楽 しい面会部門にわかれている.) この規則には会員にな. るための手続きや, 会員証の形式などが含ま れて いる. この規則は各クラスに公示される. 最初の 0名の生徒が集まり, クラ ブの骨組みが形成されている. 受持部門の仕事を開始す る 全体会議には4. に従っ て, 課外読書活動の組織の中で, その目的を明らかに して行く に従い, クラブ加入の人員は 増 加 して 行 っ て い る.. B. 図書館業務担当の部門. この部門では, まず基本的な仕事と して, 図書 館とクラス の間を結ぶということを考える, そ し 一150-. ‐ ′ ● ・ ′ ● ′ ● 〉 ● ′ 、 . ・ ● ● ′ ′ ′ ; ′ ′ ; ′ ● ● ● ; : く : ). ; ′ ′ ′.
(5) . 加 賀 栄 治・佐 藤 一二成. てこのための指導者と して アク チーブをクラスの中につくることから仕事 が進められる. 更に図書 館の日直者と して席の予約を受けつけたり, 入館の際の諸手続きの指導などにあたる. 又他の部員. は新聞を綴り 込み, 雑誌を分類 し, 更にそれらの資料から最新の子供の生活に, 或は学習に関連あ 1 ) と題 して公示する. 又カタロ グの使 い方 百科辞典の る情報を選んで, 『われら が周囲の世界』 , 使 い方, 資料の 一覧表のつくり方, そ して図書の展示や 展示台をも自分達で作る. 又重要 な記念日. 等の暦をつくる. 書評の報告をつくり, 更に小さな子供達には大きな声で読むことを教え, 文学的 な遊びや読書日記をつけることを手助け してやる. C. 宣伝・講師の部門. 長いこと図書館で講師と しての役割を担っ て仕事を して来た者は, 宣伝担当者の中核と して勤め. ることになる. この部門に入る者は, 良く講演の内容を把握出来るか, 本を読んでその批評 が出来 るかという能力の有無を調べるた めの口頭試問に合格 しなければならない。 子供達は本を研究 し,. その結果を会議によっ て検討する. 又彼等は小学校の生徒に科学や技術の新 しいこと (特に新 しい 資料によっ て) を話すた めに, 余り多くない図書を選定 し, 大 がかりな読書会を ピオネ ールの隊や 班で行うことを委任されるようになる. このような活動はあらかじめ諸準備 が完了 してから部門に 報告されることになる. 通常この仕事は6年生から8年生の生徒によっ て行われる. 学校図書館では先生方でも興味を持つ ような講義的宣伝も小学校内で実施する し, 親達にも特に. 実際的な テーマを示 して宣伝を行い, 親達 が図書 に興味を持っ て利用 しようとする際には, その資. 料の選択を援助する. 教師は図書館での講師の仕事を積極的に引き受ける. そ して又教育活動を通 じて小学生の中から図 書館の諸活動の講師を養成 している. 例えばテーマをたてて講演などが行わ. れる. 成功 した例をあげると 『注文された 世界』 化学の業績, 『星への道』 反動の技術につ いて, 『不思義な国へのとてつもな い旅行』 全ソ工業展につ いて, 『祖国の翼』 飛行機製造につ いて, など をあげることがある. 現在部門のメンバ ーは第 伍回ソ ビエト共産党の決定によるソ ビエト政権樹立 50周年の準備に関連のある資料を 普及することである。 講演のテーマは学校で教えている内容と一 致するように して いる。 そのテーマは教育者達の会議で審議を尽される.. そ して決定されるのである. この部門には犯人から35人の講師がいる。 他に議長と子供達に入室 許可証を出 してやる書記と がいる. 宣伝員 達は手に入室許可証を持っ て, 教室へ行く. そ して教室. で宣伝を行うのである が, クラスの指導者 達はこの入室許 可証に報告や, 宣伝の評価を書いてやる. 演説から演説へと若い宣伝員と しての技術 は進歩 して行く. そ して 自分の力を確実なものと して成 長 して行く. 正確に資料を選択する能力 がその過程で出来あ がる し, 話術とその内容が豊かに興味 深く 間 違 いの な い も の に な っ て 行 く.. 最近学校図書館では, 前もって宣伝者と評論者の部門の合同会議によっ て講義の聴講と研究を実 際に行っ ている. 講師の部員を補充する際, 芸術の問題につ いても十分考慮を払う. 度々芸術や音. 楽学校の関係者を利用することを考えて いる.. 彼等生徒達は, 画家や音楽家につ いての話をする時に非常に熱心にフィ ルムス トリ ッ プを利用す る. このような時, 部員はより効果を高めるた めに, 専門家と話 し合 う機会をつくり, 教師や, 特 に招かれた講師の模範的な話を聞き, また レニングラー ドの関連 した記念の場所をバスで見学する という機会をつくる.. 学校図書館では正 しく座談会 が行われるように, 又その際に実物教授用品 が用 いられるように,. 又必要な 資料を選択出来るように指導する. このことは非常に良い成果を招来する, 子供達は単に 話 し合っ たり, 講義の印刷物を読んだりするだけでなく, 画の資料と しての絵葉書や複写を アルバ ムに したり, クラブの映画や資料の蒐集室を充実する。 これらのことはすべて生徒の成長 を助ける 1- -15.
(6) . ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について. こととなる. 即ち彼等が自分の考えを正 しく述べる能力を, 又宣伝 を一目でわかる ような 方法を利 用 し, より 一 層面白い本を選ぶこと, そ して思考力を広げ, 視野を広げることを助長することにな るで あ ろう.. D. 評論の部門. 小学生達は評論の部門に大きな興味を示す. 良い本の教育的意義 を再評価することは, 難 しいこ とである。 しか しそれは子供達に人生というものを教えることになると思われる, 完全な, そ して. 深く極 める読書は熟練を必要と していることを強調 したい. 学校図書館が生徒達に本 を利用 して仕. 事を進めるということを教えるために, 又本に よっ て, 世界の知識の 複雑な過程を指導することは, その見解・趣味・興味をいかに持たせ得るか否かにかかっ ている. 読むことを熟練 させることは, 組織的に教え込むということ が大切なことだと思わ れるのである. これは普通教育の対象と して, 学 課 の 中 で 教 え る こ と の 出 来 る こ と で ある.. 更に生徒の文集 『私の愛読書』 (これは毎年4年~5年の学年で書かれる) の作成の時に読んだ 本につ いての批評 を一層よく書こうと希望 して生徒は努力する。 そんな生徒 がこの部門に入っ て来. るのである, 学校図書館は, これらの生徒達がまず 興味を持て るように, この部門の生徒 が彼等 に 働きかけるように している. 新 しく入っ た生徒達は, 資料の一覧表をつくることから始 める, その. 資料一覧表には, 本につ いての話や特に平易な断片的文章などが載っている. 図書館員はこれらの 生徒に会う前に綿密に計画をたて準備をする.. 子供は子供である。 特に最初における第一印象 が, 生徒達 が仕事をする環境 をつくるということ のためにも, また仕事をすること自体にとっ ても大切なことと考えられている, 学校図書館員の最初の任務の一つは, 彼等 が特色ある批評 が出来るように, 又注釈を明確に記述. 出来るように勉強させることである。 彼等 がテキス トの本を拾い読みするということを止めさせる た めに, 最初に情緒性ある物語を余り大きくない声で朗読させる. そ してその物語に対 して 口頭 で 注釈 が出来るように提案する。 注釈の研究が活発におこなわれたあとで, いわゆる 『雪どけ』 が始. ま り, 仕 事 は ス ム ー ズ に 行 わ れ て, 一 定 の 型 に ま と めら れ る わ け で ある. こ の 研 究 の た め に 黒 板 な. ども用意される. この部門の部員達は註釈の 『校 訂』 の過程でも積極的に参加する. 同じような仕 事を2回~5回重ねる中 で詳 しく知るようになるのである. 更に確実にこの仕事を自分のものとす るた めに好きな本の註釈を書くことを課題とする. 書いて あることの分析は, 次の二つの仕事のテ. ーマに関連する, 即ち一つは, 生徒に批評家と して活発に活動するというタイ プを見い出すことが 出来るならば, 将来彼等 が創作という分野の仕事で, 希望 が持てるということ, そのような子供の 資質の子供を見出すこ との 出来る仕事で あり, また他の一つは, 簡単な註釈を組み集 めてから, 本 を評価 し, 推せんするという仕事である. そ してその本 がどのように, 誰に利用されるべきか を示すことになる。 子供達は本の評価にとり. かかる, この指導は学校図書館員や文学の教師があたる. 更に又映画や劇の上演を集団的に見る組 織を作り, 見てから口頭で それらの評価が出来るように生徒に教えることを努力 して いる. こ の 部 門 は 毎月 『本 の 世 界 で』 と い う 書 評 の パ ンフ レッ トを 発 行 す る. こ の パ ンフ レッ トは 独 特. の参考書でもある。 この編集に当っては編集者の外に, 更に画家・無台装置家・タイ ピス トなどが 参加す る. 何故ならば, 毎号このパ ンフ レッ トに書いたもの が載せられた子供達の似顔 が画かれる からである。 作品 の評価は前もっ てその仕事にあたっている部門の生徒達 が研究 して行っている. 作 品 の 中 の 良 いも の だ け パ ン フ レ ッ ト の た め に 選 ば れ る。 そ の パ ンフ レッ ト は 図 書 館の 中 に も 出 し て 閲 覧 に 供 さ れ, そ の あ と で ロ シ ア 語 か,文 学 の キ ャ ビネ ッ トの 中 に 保 管 さ れる. 又 時 に は,ヴ ェ ・ イ ー ・ レー ニ ンに つ いて の, 或 は 英 雄 的 ピオ ネ ー ル・ ゴ ム ソ モ ール ・ 傑 出 した 文 学 家 ・ 芸 術 家 に つ -「52-.
(7) . 加 賀 栄 治・佐 藤 一 成. いて書か れた本の特集号を出す. 小学生の間では, 現在書評を書く競走 がなされている. そ してそ れ がこ の パ ンフ レッ トに 載 る よ う に 良 い作 品 を 書く こ と に 努 力 して い る. 編 集 者 が交 替 す る こ と が. あっ ても, より よく内容を充実 し, 構成を整えて出版するよう努力 している. パ ンフ レッ トの中か ら教師や子供達の仲間達のた めに アルバ ムがつくられる. B. 視聴覚関係部門. アクチーブの組織にとっ て, 『小さな映画の講義』 の部門は少く なからぬ役割を果 している. 視 聴覚的技術の助けに よっ て, より よく文芸作品や芸術 作品を子供達に理解出来るように努めている. 学校図書館では, 教師と共同 して, 既にフィルムストリ ップを組織的に利用 して いる. フィ ルム蒐 集 室 は 充 実 して 来 て いる. 物 語 り の 主 題 の フィ ル ム の 他 に ア ー ・ ペ ー ・ チ エ ホ フ エ ル ・ エ ヌ ・ , , トル ス トイ, ヴ ェ ー ・ ビ ア ソ キ, ス ク レ ビ ッ キ ー ユ ー ・ ソ トニ ッ ク エ ヌ ・ ノ シ ェ フ そ の 他 の 作 , ,. 家につ いての作品を沢山集めている. また生徒の中か らフィルムの説明者や朗読のグループ をつく. る. も し有名な 作家のフィ ルムス トリ ップ が上映されるとすれば 朗読者はこの作家の本 が特に興 , 味深く 読ま れるようにこの作家の短い伝記について語ることになる. 更にその作品の中から短かい 文章の一節を読 んでやる. 又時には, クラスの先生と話合っ てフィ ルムを見てから それにつ いて , の批評を書くように課題を出すこともある. 即ちフィルムの内容を明か にすることや 文学作品と , の比較や, フィルムストリ ップの画像や 或は色彩などの全面 的評価な どにつ いての批評である ピ . オ ネ ー ル に な る 準 備 段 階に ある オ ク チ ャ ブリ ヤ ータ (十月 の 子) と の 座 談 会 で は 若き レ ー ニ ン主 , 義 者 の 名 誉 ある 仕 事 に つ いて の フィ ル ム ス トリ ッ プ を 見 る . 即 ち 『パ ブリ ッ ク ・ モ ロ ゾ フ』 『ヴ ァ ロ ー ジ ャ ・ ドウ ビ ニ ン』 『英 雄 の 中 の 最 年 少 者』 『友 情 の 旗』 『赤 いネ ク タ イ』 な ど で あ る レー ニ . ンに つ いて の 読 書 会 を 行 う 時 は, 『10月 の レー ニ ン』 (同 名 の フィ ル ム)・『ウ リ ヤ ノ フ ス ク に お ける. ヴ エ ー ・イ ー ・ レー ニ ンの 博 物 館』 ・『ソ ビエ ト造 型 芸 術 に お け る レー ニ ン』 を 上 映 す る .. フィルムス トリ ヅプは課外読書会の資料と しても, 又授業の際にも利用されている. 部門の部員 はフィ ルムストリ ップのカー ドを利用する. 又子供達 が先生を仕事の 技術的な面の心労から 解放す るために, 各室に視聴覚機器の操作をする子供のリ ス トがつくられている. 研究室のた めに彼等は 学 科に関連するフィ ルムス トリ ップの目録を作成する. 各 クラスでは視聴覚機器の操作担当の子供. 達 が映 写の準備をほとんど行う. それで先生方は操作の面での労力から解放されて授業 が出来るこ と と な る.. F. 文芸・音楽の 部門. 各生徒達の共同の仕事の中で, 文学や芸 術 に 熱 情を示 めす子供は 少ないことではない その , . ような子供達 は文芸音楽の部門に参加する, この部門の課題 は 生徒達 が文芸や芸術作品を深く考 , え, 知覚する才 能を育てることである, 部門における仕事の内容は分化されている 例えば 8年 . , 生 の 仕 事 と して は ゴリ キ‐ ‐, オ ス トロ エ フ ス キ ー, ア ー ・ ト ルス トイ, フ ェ ア ディ エ ー フ な どの 作 家 につ いて の 話 を 聞 く. こ れ は 生 徒 達 を ソ ビ エ ト文 学 の ク ラ ス に 誘 い 込 む こ と に な る そ して よ り .. よく, 社会主義的方向へ彼等の作品を方向づける役割を果すことになる 特に大きな足跡と して特 . 記 出 来 る こ と は, オ ス ト ロ フ ス キ ー の 話 を 聞 いた こ と で あ る ソ ビ エ トの 若 者 に つ い て 語 ら れた ロ .. マンや小説は大いに利用された. 例えば 『現代の英雄につ いて』 のテ トマのた めに子供達はアー・ ク ヅネ ソ フ の 『昔 ぱ な しの つ づ き』, エヌ ・ デ メ ンチ ェ フ の 『人 生 への 出 発』 , フ の 『ラ ク ダ の 目』 ,. チ エ ・ エイ テ マ ト. ヴ ェ ・ ア ク セ ノ フ の 『同 僚』 , ペ ー ・ ポオ レエ フ の 『人 間 は 人 間 で あ る』 な ど. を読んだ. 学校図書 館では子供 達のた めに作家や芸術家たちとの会合を計 画する この部門では次 . の よ う な プ ラ ンを た て る. 『同 僚』 の 劇や 映 画 を 又 オ ペ ラ の ヂ ル ンス キ ー の 『人 間 の 運 命』 を 研 ,. 究 し, 更 に 又 各 時代 の 詩 人 の 作 品 に ふ れ ら れ る よ う に 例 え ば ア ー ・ ト ヴ ァ ル ドス キ ー カ ー ・ , , , 一155-.
(8) . ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について シモ ー ノ フ, オ ー ・ ベ ル ゴ ニ ッ ツ, エ ス ・ オ ス トロ フ ス キ ー, エ ル ・ カ ザ ァ コ バ ア な どを 読 む. す. べてこれらは, 何等かの程度に, ・学生達に文芸や芸術を学ぶ例と して示され, 利用されている. 学校図書館では, 子供達が共産主義的建設や情緒的行為にひかれるような作品を選ぶように して いる. 又子供達 が自分達の生活をより向上させるように, そ して父親の歩 いた偉大な道を歩み 続け. るように志すよう援助 してやる。 部員は特に新 しい文学に対 して注意を払っ ている. 出版物の中で 特に面白いもの があれば, 共同研究をすることに している. 7年生の段階では, その他の若干の課. 題にも手を伸ばす. 例えば文学的・美術的視野を広げるという課題 を打ちたててこれと取り 組むの で あ る. 先 ず 最 初 に, 部 門 の 生 徒 達 は 特 に どの よ う な テ ー マ につ いて 勉 強 した いか と い う こ と につ. いて 決 定 を な し, そ の プ ラ ン を 研 究 す る。 研 究 課題 を 一 般 に知 ら せ る 時 は, そ の テ ← マ に 関 連 して いる 文 学 作 品 を 選 ん で, つ け 加 え て おく。 こ の こ と に よ っ て 子 供 達 は~ 例 え ば, エリ ・ ヴオイ ニ ル. 『馬あぶ』 につ いて“ (ソビエト児童出版所「962年) という本を読むことになる, そ の作品である “ して 現在の小説の評論 が可能となり, 作家の小説につ いての多く の興味あることがらや, その他の こ と につ いて - 例 え ば ロ シヤや ポ ー ラ ン ドの 革 命 家 達 の こ と を 知 る わ け で あ る. 特 に ソ ビ エ トの 青. 年と作家との交流 が生徒の注意をひく。 好きな本を読むことによっ て何かを感じ取 るものである.. 皆 ヴ オ イ ニ ッ チ の 本 を 読 み, そ れ に 興 味 を 持 つ こ と に よ っ て 彼 の 他 の 作 品 を 知 り た い と 思 い, 更 に. 彼の 2巻選集に手 をつけるだろう。 このように して子供達は現在の芸術のすべてにつ いて関心を持 ち, それらに関 しての良書を読み書棚に垂べるようになるだろう. 子供達は作曲家についての映画を見ることがある. 然 しこれらは何時も見たい時に手軽に見ら れ. るものではな い。 そこで学校図書館では しば しば録音を利用することになる. この部門での活動は どのような結果をもたらすことになるだ ろうか. 子供達に作家や音楽家・画家そ して 俳優 の作品に. 対 して興味をもたせることになる. 小学生は しは しばクラ シック音楽に関心を持つ. 課業で子供達 は度 々 グリ ンカ や チ ヤイ コ フ ス キ ー, リ ム ス キ ← ・ コ ル サ コ フ, ル ビ ン シ ュ タイ ン, ヴ ェ ル デ, そ. してモ ーツ アル トやその他の多く の作曲家の作品にふれて行く. 又子供達の誰か が, オ ペラの作品. につ い て 関 心 を 示 さ な か っ た と す る. 部 員 た ち は, オ ペ ラや バ レー の 劇場 に グ ル ー プ と して, 又 時. に は 個 人 的 に 連 れて い っ て 鑑 賞 さ せ る. 子 供 達 の 質 問 に 答 え る た め に ク ラ ブの幹 部 は, レニ ン グ ラ. ー ド音楽院の学生達に援助を願い, 子供達 がよりよくクラシック音楽とソ ビエトの音楽 を知り, 理 解す るように している. 学生達はこの要請に応えて, 現在は多くの生徒達を聴衆と して, コンサー トの講義を続けている. 子供達は絵画に対 しての興味をも育成される. 現在は集団で 画廊や美術館を訪れる. 部員達はロ シア博物館やエルミタ ー ジェを 訪れる. そ して絵画の複写を手に入れ, 沢山のアルバ ムを 造る. そ. れに よっ てロ シアや外国 の画家の作品をよりよく知らせる. 部員の獲得 した知識と技能の大部 分は 自分の友達に伝えられ, そ して 又クラスや仲間達に報告される, G. 国際協力の部門. クラ ブの仕 事の中で特別な部門と して国際協力の部門 がある. この部門は社会主義陣営の国家の 小学校間に友好的連携を組織するという仕事を進 める. そ してこれらの国の代表の会合 を行うこと. を援助する. 学校図書館はブルガリアのエネ ア市の工芸技術中学校の生徒と固い友情を打 ち立てた. ブルガリアの小学生の大きな興味は, 学校図書館における生徒のグループ 活動の仕事にあっ た. ブ ルガリ ア工芸技術中学校図書館主任のステフカ・ポリソヴア は学校教師一同の名をもっ て次のよう に レニングラ【 ド第245小学校に手紙を書いている。 『私達のところでも生徒の講師者は, 本当に 図書の宣伝達 となり, 又課外活動の中で教師の真の援助者となりま した。 図書館の アク チーブ達は 成長 して社会的に有益な 活動 への関心を高 めま した. 講師達は自分の友達にソ ビエト共産党の計画 一154-.
(9) . 加 賀 栄 治・佐 藤 一 成. をそ して, 自分達の共和国の新 しい建 設につ いて, 又新 しい科学や技術につ いて, そ して作家や画. 家や作曲家の生活につ いて 紹介 します. 彼等の講義の成果は確実に私達の生活の中に入っ て来てい. ます. 』. レー ニ ン 記 念 日 に は, ブ ル ガ リ ア の 友 達 に 文 学 作 品 に あ ら わ れた レー ニ ンにつ いて の 図書 を 送 る. 『ヴ ィ ・ イ ー ・ レー ニ ン の 生 活 と 活 動』 , 『 レニ ン グ ラ ー ドに お け る レー ニ ンの 遺 跡』 な どの 図 書 で あ る. 第 245 小 学 校 の 例 に な ら っ て, こ の ブ ル ガ リ ア の 中 学 校 で は レー ニ ンに つ いて の 図 書 を 使 っ て 読 書 会 を 開 く よ う に な っ た. そ して ブ ル ガリ ア の 生 徒 は ウ ラ ジミ ー ル ・イ リ ッ チ ・ レー ニ ンの 偉. 大さを知るようになる. 子供達はこれらによっ て或る程度自分の可能性を発揮出来るよう努力する こ と が 出 来 る.. ブ ル ガ リ ア の 生 徒 達 も, ソ ビ エ ト作 家 の 本 が好 き に な り, こ れ を 読 む よ う に な る. 彼 等 は ソ ビ エ. トの現代文学の中にあらわれる社会と個人の生活の結 びつき が全く調和を保っ て活躍する英雄達に. 心をひかれ, 又共産主義の建 設に参加する アク チ ー ブ達の限りなき 祖国愛に感激する. ブルガリ ア の子供達は多くのソ ビエトの本を読んで研究 し, 批評を書く. 読書 しての 批評はソ ビエトの子供達. と 相 互 に 交 換 さ れる. ブ ル ガ リ ア か ら の 書 評 は ソ ビ エ トの 子 供達 の パ ンフ レッ トに 掲 載す る. そ し. て そ の 掲 載 した パ ンフ レッ ト を ブ ル ガ リ ア の 子 供 達 へ 『読 者 の 声』 と題 して 送 る. そ して ソ ビ エ ト. の子供達 はブルガリ アの作家の 作品の批評を掲載 したパ ンフ レッ トをソ ビエトで発行する. レニン グラー ド第245小学校の 生徒とブルガリ アの工業技術中学校との 間に合同の通信団体をおき会議 が 行われること が伝統となっ た.. 子供達は前もっ て毎回の通信会議のテ ーマ と期日を約束 し, 研究 し合う問題の範囲を定め, 文学 作品の目録をつくる. ステフカ・ ポリソ ーバ ァは, 通信者代表会議の 際に研究すべき 作品と して,. アー・フエ ジーエーフの 『若き親衛隊』 をとり あげることを提案する. 上級学年では直ちに熱心に その作品を研究することに した. 彼等は道徳的清純さ, 高い愛国心, そ して社 会主義的な仕事の行. 動に際 しての思想的確信, 祖国の運命に対する深い責任感, そ してフ ァ シズムとの戦いにおける若. ) の 写真を送る き 親 衛 隊 の 団 結 を 学 ぶ. ソ ビ エ トの 子 供 は 又 ブ ル ガ リ ア に 英 雄 的 都 市 ク ラ ス ノ ドン2 .. ブ ル ガ リ ア か ら は ドイ ツ フ ァ シス ト と 戦 っ た 若 き 都 市 エ レナ の ア ル バ ム が 届 け ら れる. エ ス ・ ポリ. ソ ーバ ァはブルガリ アの雑誌 『図書館員』 に 『会議は成功裡に行われた. 私達の生徒は終始自分達 の ソ ビ エ ト の 友 達 に 感 謝 して いる』 と 書 いて いる. 次 の よ◆う な こ と が, 両 方 の 学 校 や 又 他 の 会 議 な. どで討議課題となっ て, 子供達の 間に活発な 応答となっ てあらわれる. 即ち 『空想に向っ て』 (反 動技術の発達) 『人間は当然美 しくなければな らない』 , 『最近の文学における若き共産主義建設者. の姿』 などである. 図書や絵画の交換は, これらのテ ーマをより 深く解明 し, 多くの子供達が興味 を も っ て い る 問 題 に 解 答 を あ た え る こ と に な る.. 他の国との交流は何時も盛んに行われている. 文学に対する考えや判断を交換することによっ て, また自分達の周囲の生活を示 し合うことによっ て, よりよくお互いを知り合うことが出来るのであ. る. 似 か よ っ た 交 流 がイ ワ ンチ ッ ツ (チ ェ コ ス ロ バ キ ア) の 学 校 と の 間 に お こ な わ れて いる. ソ ビ エ トの 子 供 達 の 共 同 の 働 き に よ っ て ソ ビ,エ ト と チ ェ コ ス ロ バ キ ア と の 間 に 社 会 的 友 好 がつ く ら れ る.. 近年両者の結びつきは著 しく拡大された。 単に社会主義的な陣営から手紙をもらうだけでなく, ソ ビエト国内の各共和国からも, もらうようになっ ている. 毎月ソ ビエトの端々から手紙 が届く. カ ザヒ ス タ ン, 白 ロ シ ア, バ ル ト海 沿 岸, グ ル ジ ア, 極 東 開 拓 地 域 な どか ら. 又 各 地か ら 非 常 な 興 味. をもっ て, 国際協力の友好のクラブを新た に組織 しようという連 絡 がある. それはこの仕事を 通じ て, 色 々 な こ と を よ り 多く 知 り, 且つ 理 解 しよ う と して いる か ら で ある.. H. 楽 しい面会の部門 -155-.
(10) . ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について. 最後に楽 しい面会の部門につ いてふれる. この部 門はその名の示す 通り子供達にソ ビエトの英雄 達や社会主義 労働の英雄, 学者, 作家, 俳優そ して生産の先駆者達に会う機会をつくるもの である 。 この面会によっ て精神的な面や生産に対する真剣さを 学ぶようになる 然 し興味は有名な人だけに . あるのではなく, 普通の人にとって非常に重要なこと がら 即ち生きること 働くこと そ して創 , , , 造するということに努力 した 人にもあるのである. それらの人は外面的には普通の勤労者と何ら変 る と こ ろ がな い. 例 え ば 次 の よ う な 例 がある. 長 年 バ ベ ル ・ セ ル ゲイ ピ チ ・ ア ル ツ バ ソ フ は 学 ッ ィ. 校を訪問 している. 彼は家長と して自分の子供達の していることに興味を持. っ ていたのみな らず, 学校生活の多方面 にわたっ て興味を持っていた。 そ して乞われる前に学校 が必要と している分野に. 対 して自分の勤労奉仕を申 し出ている. こういうことがあっ た. 子供達 が教師に暴言をはいて授業. から逃げだ した. バベル・セルゲィ ビッ チは彼等に会っ て話をする. そ して彼等の家に行き勉強 が. 出来るまで面倒を 見てやる. 子供達はペーア・ルツィ バソフ が強力な 原子力砕氷船の建造に参加 し て いる こ と を知 っ て いる. 現 在 ペー ・ ア ル ツ ィ バ ソ フ と の 面 会 の 時に は 彼 は そ れ ら に 関 す る 沢 山 ,. の質問に答えてやること が出来る. 彼は自分の作業班と小学校4年生のクラスとの間で競争するこ. とを提案 した. 子供達はこの申 し出に熱狂的に応じた. この 申 し合せには 作業につ いて 勉強に , , つ いて, 操行につ いて, 相互扶助について, 服装につ いて 持物の整頓について記 載されている , . 申 し合せ事項は相互に確 められた. 原子力船は円滑に実験 が進んだ. バベル・セルゲイ ピッチと彼 の同志の電報や手紙は誇りをもっ て, 子供達の上級生達や友達に見せられた 子供達も精一杯努力 . した. 遂に原子力船は偉大な レーニンの名称を与 えられ 運転 し始められた , . これに対 してソ ビエト社会主義連 邦最高会議幹 部会によっ て政府最高 勲章 をも て建造グループ っ は 褒 賞 さ れ た. そ して そ の 中 で 社 会 主 義 労 働 英 雄 の 称 号 が ペ ー ・ エ ス ・ ア ルツ バ ソ フ に あた え ら ィ れた こ と を 子供 達 は知 っ た. バ ベ ル ・ セ ル ゲイ ピ ッ チ と 子供 達 と の 友 情 は未 だ 続 いて いる こ の 部 .. 門の部員達はソ ビエトの色々な 英雄達や有名作家, そ して詩人達との楽 しい面会 を開いている . また子供達は常にアー・エス・プーシキン名称市立図書館や州立十月 革命名称 ピオネ ールの家と. 連絡をとっ ている. そ してそれらと楽 しい面会を組織することを助けあっ ている 又親達との連携 , は, 彼等の中に素晴 しい人を発見出来る機会をつくることになる. 学校には しば しば先駆的生産の. 後援組織である工場-海軍の工場や製作所 『第一線中隊』- が訪問する. 図書愛好家グループのメンバ ーは図書館の本当の援助者であり, 図書館の課外活動の組織者であ. り, ク ラ ス に お け る 或 は 生 徒 間 に お け る そ して 又 ゴ ム ソ モ ー ル の グ ル ー プ に お ける 宣 伝 者 で も あ る .. 註 「 ) 壁新聞の名称と思われる, 2 ) クラスノ ドン市 (博35年までソロキノ市) ドガソスキー州 ドンバスにある町. 若き親衛隊 (ゴムソモー ルの機関) が第2次世界大戦中活躍した場所として有名である. 若き親衛隊の博物館がある, BNTSIKLOPBDICHBSKI I SLOVAP 1(ソ ビエト小百科) P.55 1 3) 若干の考察. 初めに述べた通りの理由でわ が国の学校図書館における児童生徒図書委員の活動 が一般的に低調 で ある と い う 問 題 を 抱 え て いる の で あ る が, ソ ビ エ トに あ っ て はそ の 国 家 体 制 の 違 いか ら と は 云 え ,. 生徒の図書館における活動について も注目すべき 点 があるの ではないかと思われる. 以下まとめて 見た い.. 1 ) 図書館業務の部門については, その機構などの点では日本の方がより細まかく出来ているか ( に思われる. 然 し先ず クラス と図書館を結ぶという点で, 生徒 が活動するということに重要さを認. めて いるということは, 考えさせられるもの がある. そ して 彼等 が一つの目標を持 て- 『吾等 が っ -156-.
(11) . 加 賀 栄 治・佐 藤 一 成. 周囲の世界』 にの せるた めに-新聞雑誌等から彼等に 必要な情報をえらび出す ということは, 彼等 の生活に役立つ情報を選択す るという能力, 技術 を身につけさせるということになるだろう. 又図. 書館の諸資料の使 い方に習熟 し, 子供達 が彼等の仲間や生徒達に対 して, 多くの分野で教師と して の役割を果す よう 訓育 されて いるということは注目に価 い しよう, このような能力の育成は次の分 野と も関連 している. ◎ 宣伝者と しての育成 わ が国の図書館と異り てソ連邦 の図書館の場合は国民に対する宣伝・啓蒙 という働き が重要な性 1 ) この点は吾 が国と異り た点である が このような性格 が, 生徒の活動分野の一 格 と な っ て いる. ,. つの重要目標となっ ている点興味 がある. 吾 が国にあっ て も近年マス コミの攻勢下にあって, お茶 の 間文化 と称する甚だ非態動的な文化受容態度 が一般的であっ て, この現象の良 し悪 しは別 と して も, 図書館活動自体当然変化 して行くこと が想像され, 又現にこれに対処するような方策も打 ち出. されている. 学校図書館にあっ て も同様であっ て, 図書館を開いて生徒を待っ という状態か らもっ と積極的な 姿勢で運営されるべきであろう. そのような立場に立つ 時, まず学校図書館と利用者 で ある児童生徒を結びつ けるた めに宣伝者 と しての生徒の育成・活動そ して, その組織は非常に重要. であろう. わ が国の学校図書館に あっ て も, 勿論直ちにこれを倣うというわけには行か ないのであ る が一考の余地あるのではなかろうか. ◎ 評論の部門について考えると, 本 を読むようにすることは, 或る程度熟練にすることによっ て, 効果をあげること が出来るだろう. 然 し評論する能力を養うことは難 しいと思う. わ が国では 読書会による形式或は読書感想文という形式の中で, 或る程度評論 を行う. 更に又読書感想文集等 も作成されている. しか し, 本を読み, 書評 を行い, この本を評価 し, 目録をつくり, 誰に利用さ. れるべきかを示すという一貫 しての作業は, そ して又それらの結果の集大成と しての小冊子の発行 などは学校図書館における機能の本質的な面の創造的活動の一端ではないかと考えるのである.. 視聴覚関係部門と文芸・音学の 部門につ いて, まず視聴覚機器を利用 しての活動は, ソビエ トだけが行っ ているわけではない。 わ が国の学校図書館でも行なっ ている活動の分野である. 只わ ◎. が国の場合このような活動を行うにあたって, どのような目的を活動する生徒に与え, その教育的 効果を期待 しているであろうか. 筆者の見聞すると ころによれば, 単に教師のアシスタ ントと して, 機械類を運搬 し, 設備 し, それを操作するだけに満足 している感 がしないわけではない. そ して, いわゆる見る方の教育的効果だけ が云々されている状態ではなかろうか. レニングラー ドの小学校 の例でもわか るように, これらの利用 が生徒の生長を助け, 思考 を広げ, 視野を拡大することを助 長することは勿論であるが, 使用する生徒にとっ て, 意見を正 しく 表現・伝 達する方法と してのこ れらの活動 が明確に理解出来るよう育成さ れるという点に注目 したい。 又文芸・音楽の部門に関連. して考えられることは, それらの専門家達との連携, 或いはそのような施設が利用出来るという点 やはり社会的な背景の違いとはいえ, 特異であろう。 (但 しこの例 がたまたま 大都市の学校である ) ということは考慮に入れなければならないことで はある が.. 国際協力の活動について云えば, わ が国で も国際文 通のグループ が活動 しているところは割 合と多く 見られる. それが図書館活動の一環と して位置づけられるとなると, どうであろうか. ソ ◎. 連邦という ととかく閉鎖的であるという考えにとらわれや すい. 然 しわ が国における学校教育の中 における生徒の活動の分野では, 国際的な視野という点からするとか なり 閉鎖的といえるのではな かろうか. 今日のような国際協力の時代, 国際世論の時代にあって, 特にわ が国のような立場にあ っ ては, 子供達の目を早くから海外に向 けること が必要ではなかろうか. 今回の例によれば, いわ ゆる社会主義陣営といわれると国, ソ ビエト国内の諸共和国間だけの文通であり, その他, 文集・ -157-.
(12) . ソ連邦の学校図書館における生徒の活動について. 図書などの交流である。 然 しその内容において, 文学作品の共通理解という 或は書評という作業 , を通じての 交流は, 非常に世 界の子供達の考えの共通理解という点で重要な意味を持 ている もの っ と思われ る. それは国家や, 民族意識の共通理解にも連らなり 世界の平和への絶大な貢献ともな , るであろう. 知は力であり, 知は共通理 解への第 一歩 であるとするならば このこと は最 も図書館 , 的活動の一つではなかろうか。 そのような意味で, 学校図書館の生徒の活動と して は重要な位置を 占 めるもの ではないだろうかと考えるのである.. 6 ) 楽 しい面会については, 吾 が国にあっ て も 著名な作家等を招いて 話を聞くことはあ て も ( , っ , それは稀なことである. わ が国でも もう少 し社会的に貢献 した 人々と学校との結びつき-生徒と ,. の結びつき があっ て然かるべきではなかろうか. 但 しわ が国の現状では 著名人といわれる人の大 , 部分は東京並びにその周辺に居を構えている場合 が多く 無理であろう 然 し地方には地方と して , . 誇るべき人々 が居 る. そのような人々と次の世代 を担う若い人々との接触 が もう少 し熱意を込め , て 考 え ら れ て もよ い の で は な か ろうか。. 註 ) 拙稿: ソ連邦児童図書館におけるピオネルカヤプラブダの取扱いに関する若干の考察 北海道学芸大学 , 紀要第16巻第2号 (第ィ部C) 昭和4 0年, 3, お. わ. り. に. 今 若干の考察を終り て考えられることは 図書館における生徒の活動が生徒個人の資質の向上と , いうことに重点 がおかれていることと共に常に他の個人又は集団に対 して積極的に働きかけるとい. う立場にあるということである, このことは, 生徒の活動は決 して図書館の人手不足を補うた めに おこなわれる ものでなく, あくま でも教育という立場にたっ ておこなわれなけれ ば ならな いと思 , うのである. これらの生徒の活動 が学校 図書館側の周 到な計画 用意そ して教育に対する正 しい姿 , 勢 の 中 に あ っ て こ そ, 初 め て そ の 効 果 を あ げ る もの で あ る こ と を 感 じ さ せ る の で あ る .. わ が国の学校図書館にあっ ても今や形態 は整いつつある 待たれるものは これに魂を吹きこむ . , 人と教育の立場に立った正 しい姿勢であろう. このような意味でこの拙文が何らかの意味を持てば 幸 い で あ る.. 本稿は, 前稿 (昭和40年, 北海道学芸大学紀要 第「6巻第2号掲載) と同様 資料の収集とその翻 , 訳には, 主と して佐藤 が当たり, 整理, 構成について は二人 が話 し合っ た上で 佐藤 が執 筆 し そ , , の後, 二人 で検討 した. しか し,充分な時間が得られず 特に アメリカの学校図書館における児童・ , 生徒の活動との比 較を しようと してな し得なかっ たことが 遺 憾にたえない点である 一言付記 し , , て後日の修正を期 した い,. 一158雌.
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