• 検索結果がありません。

清掃活動におけるコーチングが子どもの主体性を高める可能性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "清掃活動におけるコーチングが子どもの主体性を高める可能性"

Copied!
52
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成

27年

学位論文

清掃活動 にお けるコーチ ングが子 どもの主体性 を高 める可能性

兵庫教育大学院 学校教 育研 究科 人 間発 達教 育専攻 学校 心理・ 発 達健康教 育 コー ス

M14044A

中野 淳

(2)

目次

1

問題 と目的・・・・

0000・

・ 。・・・

00000・

01

2

方 法

000・

・ ・ 。・ ・

000・

00。

・ ・

00・

・ ・

010

(1)実

践・調査対象者 0。 010

(2)実

践期間・

0010

(3)実

践計画・ 。・ 10

(4)介

入群に対す る実践内容・・ 011

(5)質

問紙の構成・・・12 ①清掃活動 に対す る動機づけ尺度 ②主体性尺度

3

結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ ・

0014

(1)清

掃活動 に対す る動機づけ尺度の因子分析

(2)主

体性尺度の因子分析

00015

(3)清

掃活動に対す る動機づけ尺度の分散分析・・・16

(4)主

体性尺度の分散分析・・ 018

(5)介

入効果が顕著に認 められた子 どもと認 められなかつた子 どもの振 り返 り ノー トの比較検討・・・19

(6)ビ

デオ観察による実際の子 どもの活動変化

00025

4

考 察

0000・

・ ・ ・ ・ 。・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

000。

・ ・

27

(1)清

掃活動に対す る動機づけえ度の分散分析 に関す る考察

00027

(2)主

体性尺度の分析結果 に関す る考察・

0028

(3)質

的な研究か らの考察

00029

5

ま とめ・ ・ ・ ・ ・ ●0● ●0・ ・ ・ ・ ・ ● ●

00●

00●

31

引用文献 00・ 34 資料 謝辞

(3)

1。 問題 と 目的 文部科学省 (2008a)は,「改正教育基本法及び学校教育法の一部改正によつて明 確 に示 された教育の基本理念は

,現

行学習指導要領が重視 している『 生きる力』の 育成 にほかな らない」と言い切 り

,子

どもたちに

,変

化の激 しいこれか らの社会に 生きる力が重要であることを強調 している。また,教育課程編成の一般方針 として, 「学校の教育活動を進めるに当たつては

,各

学校 において

,児

童 に生きる力をはぐ くむ ことを 目指 し

,創

意工夫 を生か した特色ある教育活動を展開す る」とも明記 し ている (文部科学省,2008a)。 では

,生

きる力 とはどうい うものなのか。文部科学 省

(2008b)は

,「生きる力 とは

,知

・徳・体のバ ランスの とれた力のこと」 と定 義 し,「知

=確

かな学力」「徳

=豊

かな人間性」「体

=健

康・体力」 と表 している。 そのよ うな生きる力を育むために

,深

く関わる教育活動の一つが特別活動である。 学習指導要領の解説 と展開特別活動編 (安彦

,2008)の

中で も「生きる力 と深 く関 わ り

,改

訂がすすめられた」 と明記 されている。そ して

,こ

れまでの特別活動には 明記 されていなかったが,2008年よ り特別活動の全体計画に位置づけるよう初めて 示 された活動が

,中

学校学習指導要領解説特別活動編 (文部科学省

,2008c)の

中 にある。それは

,「

清掃」である。小学校学習指導要領 (文部科学省

,2008d)の

特別活動編学級活動の 目的 として「清掃などの当番活動等の役割 と働 くことの意義 の理解」が各学年の共通事項 として明記 され

,小

学校学習指導要領解説特別活動編 の総説 (文部科学省

,2008e)で

は,「集団の一員 としての自党や責任感 を高め

,勤

労を重視す る観点か ら係活動 とともに,日 常の清掃などの当番活動 も計画的に指導 できるようにする。」 と記 されている。 このように清掃活動が学習指導要領に明記 されたことは

,清

掃活動を生きる力を育むための特別活動 として計画的・積極的に 取 り入れ ることが国の施策 として推奨 されていることを意味 していよ う。このこと について平 田 (2012)は

,「

わが国の政府がかつて一度 も学校掃除に積極的な教育 的意義を見出そ うとしなかった とすれば

,学

指要領 (2008)等 に学校掃除が明記 さ

(4)

れたことは

,画

期的なことである」 と評価 している。 今 日まで,日本では

,学

習指導要領 に関係 なく

,ほ

とん どの学校で清掃活動の時 間が設 けられてきた。1日 の活動時間は 10分 か ら20分間 と短い。 しか し

,毎

日決 まつた時間に行われ る清掃活動は

,1日

平均 15分 としても

,年

間約200日 の登校 日 があることを考えると

,1年

間で約 3000分 (50時 間

)の

活動 とな り

,決

してわず かな時間 とは言 えないであろ う。 しかも

,清

掃活動は,少人数のグループ とな り, 担当場所を決め

,役

割をもち

,子

どもが中心になって行 う活動であるとい うことか ら

,子

どもの成長 を促進するさまざまな要因を含んでいるのではないだろ うか。例 えば

,楢

原 (2008)は 掃除 も大事な体験学習 として捉え

,「

学校掃除は,自 尊感情 を培い

,共

感能力や想像力

,人

間関係調整力を育む ことができる」 と清掃活動の教 育的意義を論 じている。また

,実

際に

,清

掃活動を通 して子 どもたちの内面の成長 をね らいに した 「自問清掃」 とい う実践 もある。 自問清掃 とは

,学

校 をきれいにす ることだけが 目的ではなく

,清

掃活動 を通 して子 どもか ら自発性 を引き出す ことに よつて

,教

科学習はもちろん生活全般における自主的 自律的な態度形成 を 目指 し, 自分を成長 させ ることを 目的 としている (平田・土井,2008)。 平 田 (2005)は, 「自問清掃を行 うことで

,教

師か らの指示・命令・注意によって

,効

果的に動かさ れてきた子 どもたちか らは決 して生み出されなかった尊い行為が

,次

々と展開 して いき,自発性が引き出された。」 と子 どもたちの変化 を紹介 している。 さらに

,古

川・鎌倉・川根・土井 (2000)は

,子

どもたちの感想や記録か ら「子 どもたちの自 治活動が芽生えたことや

,学

業成績の向上

,仲

間意識や感謝の気持ちの高ま りがあ った。」 と述べている。学習指導要領 (文部科学省

,2008d)は

,特

別活動の 目標 として

,「

望ま しい集団活動を通 して

,心

身の調和のとれた発達 と個性の伸長を図 り

,集

団の一員 としてよりよい生活や人間関係 を築 こうとす る自主的

,実

践的な態 度を育てるとともに

,自

己の生き方についての考えを深め,自 己を生かす能力を養 う」ことを示 しているが

,上

記のよ うな実践報告か ら

,清

掃活動は

,子

ども達の生

(5)

きる力 を育むことが期待できる教育活動の 1つ として捉えていいであろ う。 ところで

,生

きる力の育成を掲げた文部科学省は

,「

幼稚園

,小

学校

,中

学校, 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(文部科学省,2008a) の中で,「思考力

,判

断力

,表

現力その他の能力をは ぐくむ とともに

,主

体的に学 習に取 り組む態度 を養 うこと」,「主体性のある日本人を育成す るため

,そ

の基盤 と しての道徳性 を養 うこと」,「生きる力の支えの 1つ である『確かな学力』を身につ けるために

,知

識や技能に加 え

,自

分で課題 を見つけ

,自

ら学び

,自

ら考え

,主

体 的に判断 し

,行

動 し

,よ

りよく問題 を解決す ること」等,『主体』 とい う言葉を随 所 に使用 してい る。また

,井

上 0林 (2003)は,「学校教育の 目標 は

,子

どもたち の生きる力の育成にあ り

,生

きる力 とは社会に主体的に対応できる力

,す

なわち主 体性であるととらえられた」と

,生

きる力に主体性が必要不可欠であることを指摘 している。これ らのことか ら

,生

きる力を育むための重要な要素の1つに

,子

ども たちの 「主体性 を高めること」があると考える。 では

,こ

れ までに主体性 は

,ど

のよ うに定義づけられているのだろ うか。浅海 (1999)は

,一

般的な定義・語源

,心

理学・臨床心理学の提 え方や 自身の研究を通 した捉え方を概観 して,「主体性 とは

,周

囲の人の言動や 自己の中の義務感 にとら われず,行為の主体である我 として 自己の純粋な自由な立場において 自分で選択 し た方向へ動き,自 己の立場において選択 し

,考

,感

,経

験すること」と定義 し ている。井上・沖・林 (2005)は

,学

校 とい う限定 した場所をふまえた うえで,「主 体性 とは,周囲の大方の意見や 自己の義務感にとらわれることなく能動的な行為の 主体 として問題意識をもち,自 分で選択 した課題にそつて考え

,判

断 し

,行

動 しよ うとすること

,ま

,こ

れ らの構 えがある状態」 と定義 している。 しか しなが ら, 子 どもたちへ変化の激 しい社会に対応す る力 として生きる力を育成するのならば, 学校 とい う場だけに限定する必要はないであろ う。そこで

,浅

海 (1999)の 定義に 重 きを置きつつ

,学

校での教育 とい うことか ら丼上 0沖 0林 (2005)の 定義をふま

(6)

えると

,判

断に しても

,行

動に しても,「目的をもつ こと」

,ま

た,「 自己決定」 と い う要素が重要であると考える。つま り

,本

研究では

,子

どもたちが社会に出るた めに教育において育むべき 「主体性」 とは,「どのよ うな状況下においても, 目的 は何かを明確に し,自 分の意志や判断のもと責任 をもつて行動す ること」であると 考えることとす る。 さて,学校の清掃活動に着 目した学術的研究をみると,古川 ら(2000)や平 田(2005) による自問清掃の実践報告には

,「

自発性が高まった」等が述べ られてはいるが, どち らも数量化 された客観的なデータ等では表 されてはいない。 さらに

,小

学校で 取 り組 まれた実践報告はな く

,自

分で 自問す ることが

,低

,中

学年の子 どもでは, 難 しいのではないか とも考 えられ る。 しか し,自 問清掃以外に子 どもの生きる力や 主体性 につながるよ うな内面的な成長に関す る報告 はほ とん どない。例 えば

,石

澤・石黒・ 島宗 (2009)は

,清

掃活動キャンペーンとして学校規模で取 り組んだ実 践を報告 しているが,そ の効果は「清掃行動が改善 されたこと」としている。また, 大久保 0五 味 0野 口・高橋・竹井・高橋・野呂 (2008)は

,グ

ループごとに評価を 行 うことで,メ ンバーが協力 し目的を達成 しなが ら互いに強化を受け合い

,清

掃行 動の従事率が上が り

,集

合時間も短縮 され

,残

されたゴミの量が減つたとい う実践 を紹介 している。 これ らの実践報告は

,清

掃活動を工夫す ることで子 どもの 「清掃 行動」が変化 したことは示 してはいるが

,子

どもたちの内面的な成長があつたこと までは言い切れないであろ う。それを裏付ける報告 として

,学

校清掃に対 して

,活

動に積極的だった 0消極的だつたに関わらず “や らされている

"と

い う好ま しくな いイメージをもつている大学生が多かつた (平田・土井

,2008)と

ある。 このこと は

,清

掃行動が活発であることと内面的な成長は必ず しも一致 しないこと

,ま

た, 主体的に清掃活動が行われていないことを表 していよ う。 清掃活動が主体的ではな く

,

“や らされている

"活

動になっている原因は何なの か。それは

,学

校現場 自体が

,清

掃を子 どもたちに “させ ること

"を

目的 としてい

(7)

る現状があるか らではないだろ うか。確かに

,ど

の学校でも

,年

度始 めには清掃活 動 を教育活動 として取 り組むための 目標や取 り組み方 を示 した教育計画 を作成 し ている。また

,一

般教師を主要な購買者 とする教育雑誌には

,毎

月のように清掃に ついて取 り上げた記事が掲載 されている。これ らは

,清

掃活動が学校現場における 重要な課題 として位置づけられていることを示 しているであろ う。 しか し

,そ

れ ら の教育雑誌で取 り上げられている内容は

,「

掃除のルール をユニバーサルデザイン 化」 (『授業力

&学

級統率力』2014年 5月号

),「

子 どもの行動か らシステムを見 直す」 (『授業力

&学

級統率力』2014年 6月 号

),「

さぼる子への対応で示す規範 意識のポイン ト」 (『授業力

&学

級統率力』2014年 8月 号

)等

の “スムーズに掃除 をさせ る

"た

めの規律やルール作 りに関す ることが中心であ り

,掃

除の教育的意義 や子 どもの成長 を育む視点で書かれた記事はほとん どない。このことは

,清

掃活動 に対する学校現場の関心が

,

トラブルの指導や子 どもの当番化

,効

率 よく掃除をさ せ るにはどうすれば良いかにあるとい うこと

,ま

,そ

れ らの問題 に現場の教師が 苦慮 してお り

,そ

の苦悩への具体的な対処が情報 として即必要 とされているとい う 実態を示 していると言えよ う。清掃活動を通 して子 どもの主体性を高め

,さ

らには 生きる力を育むためには

,ま

ずは清掃活動に対す る教師の意識 と指導方法を見直す ことが必要ではないだろ うか。 生きる力を育成す るために主体性 を高めることを目的 とし

,そ

の手段 として清掃 活動を活用するのであれば

,ま

ず清掃活動に主体性 をもたせ ることが必要であろ う。 先述 した 「どのような状況下においても,目 的は何かを明確 に し,自分の意志や判 断のもと責任をもつて行動す ること」とい う本研究における主体性の定義か ら考え ると

,子

ども自身が清掃活動に 目的をもち

,そ

のために何をするべきかを自己決定 して行動できる場 として機能 させ る必要がある。つま り,教師は清掃活動において, 「目的は何か」を子 どもに考えさせ

,「

自己決定」を促す ような支援を行わなけれ ばならない と考える。 しか しなが ら

,小

学校において

,1年

生か ら

6年

生までの発

(8)

達には

,大

きな違いがあ り

,そ

の指導段階も同 じではない。そこで

,学

習指導要領 特別活動編 (2008)に 示 されている「学校生活における集団活動の発達的な特質を 踏まえた指導」に準 じて

,清

掃 を主体的な活動にするための段階を明確 にす る必要 がある。まず

,低

学年では 「学習や給食

,清

掃な ど学校における基本的な生活の仕 方 を身につけるとともに

,集

団活動を通 して友達に対 して してよいことや悪いこと を しつか りと自覚できるよ うにす ることが大切」 とされている。 中学年では

,「

低 学年の経験を生か しつつ

,児

童の集団生活に対する強い興味 0関 心の出現,自 発的 な活動の要求の高ま りなどを積極的に生か し,自 分の行動や集団 としての活動の成 果や反省 を踏まえて」や 「集団活動の方法などを自分たちでつ くり上げた り

,そ

の ための方法を身につけた りす ることができるように指導す ることも大切」 とされ, 高学年では

,「

より高い 目標 をもつて様々な役割を担 う体験を通す こと」や 「困難 を超 えて 目標を達成できるように (中略)自 分への 自信がもてるよ うにす ることが 大切」

,「

将来の自己の生 き方 を取 り上げ (中略

)社

会的な自立を高める」 とされ ている。 このことか ら

,低

学年では

,ど

うして掃除が必要なのかを

,「

整理整頓の 意識」 「衛生的な側面」 「学校 は公共の場であること」等の視点を大切に指導する とともに

,「

清掃道具の使い方」や 「清掃にふ さわ しい姿」を教えることが重要で ある。中学年では

,低

学年で学んだ 「清掃の意味」や 「清掃の姿」を基に, 日々の 清掃活動の 目標 を共通認識 し

,毎

日の活動を振 り返 る。そ して,自 分たちの清掃活 動 をよ り高いものへ と求める心を育てることが重要である。最後に

,高

学年では, 中学年で行つていた共通の 目標ではなく

,高

学年 としての責任や役割を基に

,個

々 に課題 目標を設定 し

,自

分の生 き方 を考えなが ら清掃活動に取 り組み

,振

り返 りを 記述式に行 う。つま り

,低

学年で

,清

掃活動の意義を学び

,中

学年で

,清

掃活動の 振 り返 りを経験 し

,高

学年で,自 己決定による目標設定 と振 り返 りを通 して 自分作 りを進めてい く。その支援 を行 うために

,本

研究では

,清

掃活動の振 り返 る場にお いて子 どもとの関わ りにコーチングの手法を用いることが有効的な手段の1つで

(9)

はないか と考える。 コーチングとは,「相手が望んでい る目標 を自ら達成できるように

,相

手のもつ ている個人的な特性や強みを活か して

,相

手がその能力を最大限に発揮す ることを 目的 として,自 ら考えさせ行動を促すために

,相

手の取 るべき手段や考えを引き出 すためのコミュニケーシ ョンサポー ト」である (日本実務能力開発協会,20H)。 コーチングはスポーツ界で生まれたものであるが

,人

材育成 の方法の1つ として, ビジネス界でも取 り入れ られるようにな り

,近

年では医療・福祉

,教

育分野でも広 がつてきている。 ビジネスや医療 と比べると

,教

育分野でのコーチングの有効性を 示 した研究論文は多 くはないものの

,コ

ーチングを生徒 との面談に活用 し

,学

生の 成績向上やモチベーシ ョン等の向上につながった とい う報告 もある(大石,2010)。 また, 日本 コーチ協会(2011)に よると

,コ

ーチングの効果 として 「新 しい視点や今 まで とは違った考え方を得 ることができ,日 常生活における意思決定や対人能力を 促進す ることができる」 としている。また

,神

谷 (2006)は ,「生 きる力の育成に コーチングが有効である」 と明言 している。 では

,コ

ーチングを行 う上で大切なことは何か。神谷 (2006)に よると

,コ

ーチ ングを考える上で

,3原

則 と3つのスキルを理解する必要がある。まず

,3原

則の1 つ 目が

,コ

ミュニケーシ ョンが一方向的な教える・与えるではなく

,双

方向的な考 える・話 し合 うであるとい うこと (イ ンタラクティブ)。 2つ 目が

,す

ぐに変わるの ではなく

,必

ず変わってい くと信 じ

,プ

ロセスを重視 し未来に向かつて現在の相手 に関わるとい うこと(オンゴーイング)。3つ 目が,一人一人は違 うものなのだか ら, 個別に振 り返 りを行い

,関

わ り方や受け止め方は個人に合わせて行 うとい うこと (テーラーメイ ド

)と

している。 この3原則 を理解 した上で

,3つ

のスキルである 「傾聴」「承認」「質問」を行使する。傾聴 とは

,ま

さしく聴 くことであるが, 日本 実務能力開発協会 (2011)に よると「積極的に耳を傾 けて,話のすべてを聴 くこと。 そ うすることで

,話

し手は,自 分の気持ちをできる限 り正確 に掴み

,表

現 しよ うと

(10)

努力す るよ うになる。聴 くとは,心の内面を捉 えようとす ることである。」とある。 また

,佐

藤 (2010)に よると,「傾聴 なしにコーチングが機能す ることはあ りえな い」 としている。稲垣 (2010)に よると

,承

認 とは,「私はあなたの存在を認 めて いるとい うことを伝 えるすべての行為や言葉」 とある。 さらに

,結

果 を承認するこ とよ りも

,存

在 を承認 し

,行

為 を承認す ることの重視 を指摘 している。質問に関し ては

,川

本 (2010)の 中で,「相手が 自分の中にある答 えに気づいて 自発的行動が できるようサポー トす ることが 目的」 とし,「相手に考えさせ

,具

体的な答えを引 き出すために

,的

確で効果的な質問を作 り出 し

,た

くさん話をさせ る環境 を作るこ とが重要」 としている。そ うすることで

,答

えを自己決定でき

,自

分の頭の中で本 質を理解するのである。そ して

,コ

ーチングを行 う手順 として,「相手の 目標 を明 確 に し

,現

実を把握 させ

,行

動計画を立たせ

,ビ

ジ ョンを創 りあげる」 とある (神 谷, 2006)。 これ らのことか ら

,清

掃活動における「目標」「現実把握」「行動計画」を授業の 中で子 どもたちに考えさせ る。そ して

,子

どもに毎 日の振 り返 りをノー トに記録 さ せ

,そ

こにコーチングの要素である「傾聴」「承認」「質問」の技法を活用 したコメ ン トをしてい く。 さらに効果を高められ るよ う

,掃

除場所 グループ毎に話 し合いの 場を設け

,直

接 コーチングを使 って

,子

どもの考えを引き出 し

,子

ども自身が決定 できる場を必然的に与える。 このように

,子

どもたち自身が,自 分を振 り返 り,自 分はどうす るのかを自分で決めることを繰 り返す ことで

,主

体的な活動になってい く。このような活動を続ければ,子 どもたちの主体性が高まるのではないだろ うか。 さらに,コーチングの手法を用いた清掃活動によって主体性が育まれるプロセス においては

,清

掃活動に対す る明確な 目的に沿つた自己決定ができるようになると 考えられる。そこで本研究では

,清

掃活動における自己決定の変化についても検討 す るものとす る。桜井 (2009)は

,Deci&Ryan(1985)の

自己決定理論 を基に

,行

動に対す る動機づけを自律性の高 さか ら説明 している。それは

,従

来は対立するも

(11)

の として考えられ ることの多かった外発的動機づけと内発的動機づけを,自 律性の 低い動機づけと自律性の高い動機づけとして統合的に捉 える理論である。 さらに, 桜井 (2009)は

,主

に社会的な価値を自分のものに してい く内在化に注 目して,自 立性の高低の視点で外発的動機づけを

4つ

の段階に分けた。

4つ

の段階 とは

,そ

の 行動を行 う理由が「仕方なく」や「しか られ るか ら」等の最 も他律的な「外的調整」, 「しなくてはいけない」や 「恥をかきたくない」等のやや他律的な 「取 り入れ的調 整」,「 自分にとつて重要だか ら」や 「将来のために必要だか ら」等のやや 自律的 と いえる「同一化的調整」,「や りたい と思 うか ら」や 「自分の価値観 と一致 している か ら」等の比較的 自律性の高い 「統合的調整」である。 これ ら4つの外発的動機づ けよりも自律性の高い段階 として 「内的調整」が位置づけられてお り

,こ

れが従来 の内発的動機づけに該当す るものである。つま り

,清

掃活動に 目的をもち,自 己決 定することで主体性が育まれ るならば

,清

掃活動に対す る動機づけも自律性の高い 水準へ と移行 しているのではないだろ うか。 以上のように本研究では

,子

どもたちが主体的な清掃が行えるよ う授業の中で 日 標 をもたせ,自 己決定を促す コーチングの手法を使つて,振 り返 りを支援 していく。 この清掃活動による変化を客観的なデータで表すために

,子

どもの主体性尺度 (浅 海

,1999)と

清掃活動に対する動機づけを測定する尺度を実践前後で比較 し

,そ

の 変化 を実証的に検討することを目的 とする。 さらに

,子

どもの主体性や動機づけの変化の中で

,大

きく変化 した児童 と変わら なかった児童の振 り返 りの記述や 日標設定に どのよ うな違いがあるのかについて も

,質

的な検討 を行 うものとする。

(12)

2。 方 法

(1)実

践・調査対象者 兵庫県下の同 じ

K町

内にある3つの小学校の

5,6年

生児童 (計 275名

)を

対象 に 2回 の質問紙調査を実施 した。そこか ら

,2回

分の回答でマ ッチングができなか つた児童や

,回

答に著 しい不備のある児童を除外 した結果

,有

効回答数は

,251名

(男子 132名

,女

H9名

)と

なった。

(2)実

践期間 2015年 4月 ∼7月

(3)実

践計画 (Figurel) 4月 中旬お よび7月 中旬に,K町 内にある 3つ の小学校の 5,6年 生を対象に して, 事前 0事後の質問紙調査を実施 した。その うち

,実

践介入を行つた

A小

学校 (6年 2学級 と5年

2学

)で

,事

前の質問紙調査を実施後

,4月

下旬か ら3回の授業 を行い

,清

掃活動の 目標 をもたせた後

,毎

日の清掃活動についての振 り返 りをノー トに記述するよ うに した。 さらに

,5,6年

2学

級の うちの各

1学

級には

,掃

除場 所 ごとに2週間に 1度 (計 3回

),実

践者 も入つた話 し合いによる振 り返 りの時間 をもつた。そ して

,話

し合いによる振 り返 りを行つている学級の中でも

,清

掃活動 に ビデオを設置 していても邪魔にな らない と考えられた教室掃除のみ,掃除箱の上 にビデオを設置 し

,2週

間に 1回 (計 3回

)録

画 した。7月 には

,ま

とめの授業を 行つた後に

,事

後の質問紙調査 を実施 した。また

,A小

学校以外の2校は

,こ

れま で通 りの掃除を行つている統制群 として質問紙調査のみを実施 した。 なお

,実

践に先立つ 2015年 3月 に

,質

問紙調査を実施す る3つの小学校の各学 校長に説明 と依頼をおこない,協 力を得た。実践介入を行 う

A小

学校 においては, その依頼 も同時に行つた。

(13)

5月中旬∼7月中旬

(4)介

入群に対す る実践内容 コーチングの手法を用いた振 り返 りを行 う清掃を実践 した

A小

学校では

,4月

中 旬に実践者が各教室で授業時間に質問紙調査を行つた後,導入 として3回の授業を 実施 した (資料

3参

照)。 各授業のね らいは

,1回

目が 「目標 をもつ ことの大切 さ を考えよう」

,2回

目は 「どんな〇年生 (自分

)に

な りたいか 目標 をもとう」

,3回

目は 「清掃活動で 自分作 りをしよ う (掃除の 目標 をもつ)」 であった。 この授業構 成は

,日

標設定の効果 を知った うえで, 日標 をもち

,現

状を把握 し

,計

画を立て, 工夫 し

,振

り返 りを行 うとい うコーチングのプロセスを参考に した。

5月

中旬

,3

回 目の授業後か ら

,子

どもたちは,「どんな〇年生 (1年後の自分

)に

な りたいか」 「そのために目指す掃除の姿」について考えた各個人 目標に照 らし合わせながら, 掃除の振 り返 りをノー トに記録 した。振 り返 りのポイン トは,「今 日の自分の姿は どうだつたか (その 日の掃除に取 り組んだ 自分に対す る評価)」 と「明 日は何を目 標にするのか (次の計画)」 を考えるよ う指導 した。実践者は

,ほ

ぼ毎 日子 どもた ちの振 り返 リノー トを確認 し

,コ

ーチングの手法である「傾聴」「承認」「質問」を 元に してコメン トを記入 した。例 えば

,振

り返 りの内容が,日 標達成に向けてがん ばつている場合は,「〇〇ができたんだね。」のように

,繰

り返 しの手法などを用い た傾聴のコメン トと,「○○の 目標は

,大

切だね。」のように承認のコメン トを記入 11

(14)

した。逆に

,振

り返 りの記述が単純に 「がんばった」「できなかった」のような表 面的なものであった り,日 標 を意識できていない内容であつた りした場合は,傾聴 と承認のコメン トにカロえて,「何をどの くらいがんばろ うか。」や 「今

,で

きない原 因は何かな。」などのように質問のコメン トを加 え

,子

ども自身の振 り返 りを促 し た。 さらに

,lヶ

月が経過 してか らは

,振

り返 リノー トの用紙に

,あ

らか じめ 「今 日の 自分の姿は何点ですか。」や 「今 日1番がんばれたことは何ですか。」「目標の 意識はいつか らしていま したか。」等の質問を記入す るなど

,毎

,違

う角度から 振 り返 りができるように し

,マ

ンネ リ化せず振 り返 りが深まるように工夫 した。 介入群 においては,こ のような振 り返 リノー トだけを行つたグループ (以降 「振 り返 リノー トのみ介入群」

)に

カロえて

,各

学年 1学級 には

,実

践者 とともに話 し合 いを行い,コーチングのスキルである「傾聴」「承認」「質問」の言葉かけ直接行い, ふ り返 りを行わせ るグループも設定 した (各グループ

3回

,以

降 「フル介入群」)。 さらに,フ ル介入群においては

,ビ

デオ設置をしても清掃活動に邪魔にな らないと 考えられた教室の掃除箱の上に ビデオを固定設置 し

,教

室掃除のみを

2週

間に 1 回 (計 3回

)録

画記録 した。 7月 中旬に,「この 2ヶ月の清掃活動のまとめ」 と再度 「目標 をもつ ことの大切 さ」を考える授業を行つた。さらに同時期に

,振

り返 リノー トのみ介入群,フル介 入群

,統

制群に対 して事後の質問紙調査を実施 した。

(5)質

問紙の構成 2015年 4月 の7月 に

,A小

学校では実践者が,ま た統制群の小学校では事前に実 践者か ら調査の仕方の説明を受けた各学級担任が,授業時間を用いてそれぞれの教 室で質問紙調査を実施 した。紙面には,こ のアンケー トは学校生活をより良いもの にするための資料にす ること

,正

解がある質問ではないこと

,学

校の成績には関係 がないこと

,内

容 を友だちや教師

,家

族に知 らせ るようなことは しないこと

,深

(15)

考えすぎる必要はないこと

,答

えに くい ところは答えな くて良いことを明記 した。 また,事前調査 と事後調査のデータをマ ッチングさせ るために,質問紙には,学年, 学級,出席番号

,性

別 を記入す るよ う求めた。回答後は個別 に配 られた封筒に児童 自身がアンケー ト用紙 を入れ

,封

を して提出す るように した。 ① 清掃活動に対す る動機づけ尺度 清掃活動に対す る動機づ けを測定す る尺度は速水 (1997)と 安藤・布施・小平 (2008)が 作成 した 「小学生用の授業に対す る動機づけ尺度」を参考に して作成 した。元の尺度は「授業」に対する動機づけを「外的調整」「取 り入れ的調整」「同 一化的調整」「統合的調整」「内発的調整」の5側面 15項 目か ら測定す るものであ ったが

,こ

こでは 「掃除」に対す る動機づけに適切 となるよ う

,大

学院で学校心 理学を学ぶ現職教師 4名,心理学を専門とする大学教員 1名 によって検討 を加 え, 文言を変更 した。教示は 「あなたが学校でそ うじをす るのはどうしてですか。」で あ り

,各

項 目に対 しては 「1。 ちが う」か ら「4。 そ うだ」までの

4件

法で回答を 求めた。 ② 主体性尺度 主体性の測定には浅海 (1999)の 主体性尺度 を用いることとした。質問項 目は 「好奇心」「表現力」「自己を方向付けるもの」「積極的行動」「自己決定力」 とい う主体性の5つの側面を測定す る20項目である。 しか し

,こ

の尺度は中学生を対 象 に作 られていたため

,小

学生には難 しい言葉やわか りに くい言葉があった。そ こで

,大

学院で学校心理学を学ぶ現職教師

4名

と心理学を専門 とす る大学教員 1 名 によつて

,元

の項 目の意味が変わ らないよう留意 しなが ら平易な表現になるよ う

,項

目の一部 を修正 した。各項 目に対 しては 「質問をよく読んで

,自

分が当て はまるとお もう数字に○をつけて くだ さい。」 とい う教示のもと,「1。 そ う思わな い」か ら「4。 そ う思 う」までの

4件

法で回答を求めた。

(16)

3。 結 果

(1)清

掃活動に対す る動機づけ尺度の因子分析 清掃活動 に対す る動機づけ尺度に対 して因子分析 (主因子法

,プ

ロマ ックス回 転

)を

実施 した。 この尺度は

5種

類の動機づけを測定す るものであったため 5因 子が抽出され ることを想定 して因子分析 を実施 したが

,想

定通 りの因子構造には な らなかった。そこで

,初

期の固有値 1.0を基準 とし再検討 した ところ

,因

子の 解釈可能性か ら4因子構造が妥当であると判断 した (Tablel)。 第 1因 子には,「み んなもしているか ら」や 「しか られた くないか ら」など, 自律性 の低い動機づけ をあらわす項 目に高い負荷を示 していた。第2因子には,「自分の成長になる」や 「将来の役に立つ」な ど

,自

律性の高い動機づ け項 目に高い負荷 を示 していた。 第 3因 子には

,掃

除に対 して,「楽 しい」や 「好き」など「内的調整」にあたる項 目に高い負荷を示 していた。第4因子には,「ほめてもらえる」や 「がんばってい ると思われたい」など

,第

1因

子同様に

,自

律性の低い動機づけ項 目に高い負荷 を示 していた。第 1因子 と第

4因

子 を比較 してみると

,第

1因子は

,欲

求はなく 義務感 を感 じているところに特徴が見 られ

,第

4因

子には

,賞

賛を受けたいとい う気持 ちが強い とい う特徴が見 られた。 これ らのことか ら

,第

1因 子を,『義務型 低 自律外発的動機づけ』因子

,第

2因

子を,『高 自律外発的動機づけ』因子

,第

3 因子を,『内発的動機づけ』因子

,第 4因

子 を,『賞賛型低 自律外発的動機づけ』 因子 と命名 した。いずれの因子にも高い負荷量を示 さなかった 「満足感があるか ら」 と「汚いのが嫌だか ら」の

2つ

を除いた各因子を構成す る項 目を用いてクロ ンバ ックの信頼性係数 を算出 したところ

,第

1因 子か ら順 に,α =。 78,α =.79, α=。 82, α=。 69と なった。第

4因

子の信頼性 を認 めるには

,若

干低い値に留ま ったたが

,項

目数が

2つ

と少ないことが原因 と考えられ るため

,以

下の分析でも 用いることとした。

(17)

Table l 清 掃 活 動 に対 す る動機 づ けの 因子 分析 結 果

I

Ⅲ Ⅳ 平 均

SD

207

みんなもしてる 外

208

しか られた くない 外

203

しな さい と言われ る 取 205 1ノかければいけない ,80 -.03 。10 .03 2.00 1.02 .75 -。 02 .01 .08 1.73 .99 α=.78 .64 -.08 -.05 -。 06 1.79 。97 .58 。11 -.06 -.02 2.49 1.17 同

212

成長 になる 同

209

役 に立つ 同

204

目標 を持 つて 。11 .94 -.07 -。 07 3.18 。90 -.00 .68 -.01 .05 3.33 .86 α=.79 -.04 .57 .11 -.01 2,94 .95 統

210

気持 ちがいい

.18 .48 .08 ,08 3.46 .85

206

楽 しい

.01 .07 .80-.04 2.68 1.07

201

好 き ―。01 -。 00 。77 -.01 2.67 1.02 α=.82 内

213お

も しろい

―。00-。 05。

75,032.21 1.08

2H

ほめて もらえる

一。03-。

04-.00 ,79 1.92 .99

α=.69 取

215

がんばって る と思われたい 。

05 .05-.02 .67 1。 93 1.03

因子 間相関

I

Ⅱ Ⅲ .22 ※内(内的調整) 統 (統合的調整) 同 (同一化的調整) 取 (取り入れ的調整) 外 (外的調整)

(2)主

体性尺度の因子分析 次に

,主

体性尺度 に対 して因子分析 (主因子法

,プ

ロマ ックス回転

)を

行つた。 この尺度は

,5つ

の因子構造で測定す るものであったため

,5因

子 を想定 して因子 分析 を実施 したが

,こ

ちらも想定通 りの因子構造にはな らなかった。そこで

,初

期の固有値 1,0を 基準 とした ところ4因子が抽出され,因 子の解釈の可能性か ら3 因子構造が妥当であると判断 した (Table2)。 第

1因

子は,「正 しい と思った らや りぬ く」や 「言われなくてもや る」な ど

,浅

海 (1999)の 尺度における「好奇心」 の項 目4つ と「積極性」の項 目3つ,「 自分を方向付けるもの」の項 目 1つ か ら構 成 された。第2因子は,「自分の言葉で考えを言 う」 と「自分か ら進んで意見を言 える」などの 「表現力」の項 目で構成 された。第 3因 子は,「だめだ と言われたら 自信がな くなる」や 「反対 され るとす ぐ自分の意見を取 り消す」な ど,「自己決定 力」の項 目で構成 された。これ らのことか ら

,第

1因 子 を『好奇心積極性』因子, 第

2因

子を『 表現力』因子 と命名 した。第

3因

子は

,主

体性 の下位尺度 としての 意味を表す よ うに『 自己決定力』因子 と命名 し

,後

で逆転処理を行つた。いずれ の因子にも高い負荷量を示 さなかった

6項

目を除き

,各

因子 を構成する項 目を用 いてクロンバ ックの信頼性係数を算出 したところ

,第

1因

子か ら順に, α=。 79, ….55 -。 29 。32 .55 。20 15

(18)

α=。 79, α

=.54と

なつた。第

3因

子の信頼性を認 めるには

,や

や低い値に留ま つたが

,浅

海 (1999)の 構成す る因子項 目と一致 してお り

,主

体性の構成因子 と して重要なものであることか ら

,今

回の研究では

,扱

うこととした。 Table2 主体性尺度の因子分析結果 平 均 SD 好 HOわからないことは調べる 方 l13日標をもちこつこつ取り組む 好 l15正しいと思つたらやりぬく 積 Hl失敗 したとき自分で乗 り越えようとす 。55 ,04 .66 -.10 -.02 2.76 .89 .58 .05 .05 3。 14 .78 .58 -,001 .07 3.09 .84 α=.79 ―.07 3.01 ,76 -.07 2.92 .67 積 101言われなくてもやる 好 105新しいことをやる気持ち 好 鯰0こ れからについて一人で考える 決 H7友達の言葉をすぐ信 じる 決 102反対されると取 り消す .54 -.07 .53 .49 .16 .07 3,33 .77 .00 .02 2.99 .93 積 106結果を気にせずやる

。48 .05 -.07 3.05 。80 表 104考えを言う

.08 .85

07 3.01 .90

表 109自 分お言葉で考えを言う 。06 .75 ,03 2,94 .87 α=.79 表 H9自分か ら進んで言える 。17 .58 -.07 2.85 .88 決 107ダメだ と言われ ると自信なくなる ―.04 .01 .67 2.50 1.03.01 .14 .46 2.49 99 α=.54 .09 -。 26 .44 2.42 .96 因子間相関 I .58 -。 33 -,32 ※好 (好奇心) 積 (積極性) 方 (自己を方向づける力) 表 (表現力) 決 (自己決定力)

(3)動

機づけ尺度の分散分析 清掃活動に対する動機づけ尺度における各因子の尺度得点を従属変数

,介

入 レ ベル (振り返 リノー トのみ介入群

,フ

ル介入群

,統

制群

)及

び時期 (4月

,7月

) を独立変数 とする2要因分散分析を行つた (Table3)。 その結果,『義務型低 自律的外発動機づけ』因子において

,時

期の主効果 と介入 レベルの主効果が有意であつた。 しかし

,時

期 と介入 レベルの交互作用が認めら れたため

,交

互作用の下位検定を行つたところ

,フ

ル介入群のみに 4月 と 7月 で 有意に得点が低 くなっていた。 さらに 4月 は

,介

入 レベルの

3群

の得′点差は有意 ではなかったが

,7月

には

,振

り返 リノー トのみ介入群 とフル介入群は

,統

制群よ りも有意に得点が低い結果 となった (Figure2)。 また,『高自律外発的動機づけ』 因子においても

,時

期の主効果

,介

入 レベルの主効果

,交

互作用がすべて有意で あつた。そこで

,交

互作用の下位検定を行つたところ,『義務型低 自律的外発動機 づけ』因子と同様にフル介入群のみで 4月 よりも 7月 で有意に得点が高くなって

(19)

お り

,ま

,4月

には有 意 で は なか った3群の得 点差 が

,7月

には

,振

り返 リノー トの み 介 入 群 と フル 介 入 群 は 統 制 群 よ り も有 意 に 得 点 が 高 い 結 果 と な つ た (Figure3)。 時期 交互作用 義務型低自律外発的動機づけ 高自律的外発動機づけ 内発的動機づけ 賞賛型低自律外発的動機づけ 1.89 1,75 〔

7"〔

譴) 3.33 3.43 〔7つ ←60 2.68 2,60 〔

80 0,00

1,"

上73 〔

80〔

8つ 2.15 2,23 ←

70〔

8鋤 3.И 3.Ю 〔

60〔

70 2.35 2.43

(80〔

931

L" 173

90〔

90 4.66* 4.66絆 11,32絆 8.43料* 1.96 C80 3,07 160 2.55 〔8つ 1,73 〔70 1,70 〔60 3.43 (5D 2,71 (8' L73 〔7" ぽ   ぽ 8       3 . 6.49彗 3.62 0。 98 *<.05 縛 <,01 粋<,001 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 1 0 9 8 7 6 5 2 2 2 2 1 1 1 1 1 4月 7月 ―‐‐ 統制群

0"・

(晰見り返リノートのみ介入群

0--0フ

ル介入群 Figure2 義務型低 自律外発的動機づけにおける

3群

別の得点変化 Figure3 高 自律外発的動機づけにおける

3群

別の得点変化 50 45 40 ・ 35 30 25 20 15 ・0 05 ∞ 3   3   3   3   3   3   3   3   3   3   3 4月 ‐‐‐ 統制群

0"o(晰

1り返リノートのみ介入群 7月 ― フル介入群 17

(20)

(4)主

体性尺度の分散分析 主体性尺度における各因子の尺度得点を従属変数

,介

入 レベル (振り返 リノー トのみ介入群

,フ

ル介入群

,統

制群

)及

び時期 (4月

,7月

)を

独立変数 とす る2 要因分散分析を行つた (Table4)。 その結果,『好奇心積極性』 と『 表現力』では時期の主効果が有意であ り

,ど

ち らも4月 よ りも7月 の方が有意に高得点 となつていた。また,『自己決定力』因子 では交互作用が有意であつたため下位検定を行つた ところ

,4月

,3群

の得点に 有意差がなかつたのに対 し

,7月

には

,統

制群 よ りも

,振

り返 リノー トのみ介入群 とフル介入群は

,有

意に得点が高い結果 となった (Figure4)。 Table4

L

における

ル介入群

‐卜のみ介入群

統制群

時期

交互作用

4月 7月 4月 7月 4月 7月 群

好奇心積極性

表現力

己決定力

2.98 3,07 30m 3・

R 2.99 3,05 0.B

Ю。27‖

40〔

5"〔

50 15つ

150〔

5"

2,78 2.93 3003 3010 2,86 2093 17 5,2ご

7"(7め

6つ

160〔

7つ [7つ

2`58 2`65 2," 2,68 248 2,37 2.4 0,‖

60〔

70〔

7つ

160 1η

170

中 〈.05 林く,01 ‖〈.001 :。・ ・・ 。 ・・・ 2.70 2.65 2.60 2.55 2.50 2.45 2.40 2,35 2.30 7月 ― フル介入群 ― ― 統制群 0"・G版り返リノートのみ介入群 Figure4自 己決定力における3群別の得点変化

(21)

(5)介

入効果が顕著に認 められた子 どもと認 め られなつた子 どもの振 り返 リノー トの比較検討 ところで

,同

じよ うに掃除を行い

,振

り返 りに取 り組んできた子 どもたちの中 で も

,介

入の効果は同 じようにあらわれたわけではない。教師は

,介

入効果が低 い子 どもに早期に気づ き

,個

別 にサポー トす ることも必要であろ う。そこで

,介

入効果が高かつた子 どもと低かった子 どもの違いを明 らかにす るために

,両

者の 振 り返 リノー トに注 目し

,そ

の違いを検討す ることとした。振 り返 リノー トに記 述 された内容や様子 を見 ることで介入の効果があらわれていない子 どもに早期に 気づ く可能性があれ ば

,教

師側が

,取

り組み効果 を上げるために

,介

入の仕方や 子 どもとの関わ りを工夫 した りす ることができるはずである。 ここでは

,介

入効果が高かった子 どもと低かった子 どもを抽 出す るために

,量

的な分析において交互作用が認 められた

,す

なわち介入の効果があつた

3つ

の因 子の4月 と7月 の得点に注 目した。その結果

,3因

子すべてで4月 よりも7月 の得 点が高まった子 どもと

,3因

子すべてが下がつた子 どもがいることが分かつた。3 因子すべてが高まった子 どもは 17名

,3因

子すべてが下がつた子 どもは 4名 であ り

,3因

子すべてが高まった子 どもは各学級に必ず 2名 以上いたが

,3因

子すべて が下がつた子 どもは

,各

学級に

1名

ずつだつた。そこで

,比

較す る人数を揃 える ため

,介

入効果の高かつた子 どもについては

,交

互作用のあった

3因

子の得点が 大きく高まってお り

,さ

らに

,清

掃活動に対す る動機づけ尺度 と主体性尺度のす べての下位尺度の得点が下がつていなかった子 どもを各学級

1名

ずつ選出 した。 これにより

,3因

子すべての得点が高まった子 ども (以降 「向上群」

)と

下がつた 子 ども (以降 「非向上群」

)を

各 クラスか ら 1名 ずつ計 4名 を対象 として

,振

り返 リノー トの記述内容の比較分析を行 うもの とした。なお

,こ

の分析 においては, 選 出した人数が少ないこと,ま た

,分

散分析の結果、2因 子に関 してフル介入群の みにプ レ・ ポス トでの変化の差はあつたものの、フル介入群 と振 り返 リノー トの 19

(22)

み介入群 との間には、プ レ・ ポス ト共に差がなかったことか ら

;両

群の違いにつ いては検討 しないもの とした。 今回の介入では

,あ

らか じめ振 り返 りの仕方のポイン トとして,「今 日の 自分の 姿はどうだったか」「明 日は何 を目標 にす るのか」の

2点

を指導 していた。そのた め

,振

り返 リノー トにも「できたこと (がんばれたこと)」 「できなかったこと (も う少 しがんば りたかつた こと)」 の

2点

が中心に書かれていた。そこで

,振

り返 り ノー トの記述内容の分析では

,ま

ず,「しっか り掃除ができた」 と振 り返つている 日と「できなかった」と振 り返っている日をカ ウン トし

,そ

の割合を第一の観点と す ることとした (Table5及 び Tabale6の 「反省結果」)。 神谷 (2006)は 学校にコ ーチングを導入するにあた り,「成功体験が うれ しさを生みまたやってみ ようとい う気持ちを生む」とい うことを “成功のスパイラル"と 称 して説明 している。この ことか ら,「今 日の 自分の姿はどうだったか」 と振 り返つた際に 「できた」 と思え た 日が多いほど,満足感や達成感 (成功体験)を多 く味わい,“成功のスパイラル" によって介入の効果が高め られた可能性が考えられ よう。 さらに,「できなかった 日 (×)」 が連続 してあるか どうかについても検討す ることとした (第二の観点, Table5及 び Tabale6の 「×連続回数」)。 これは,「今 日できなかったか ら

,明

日は ○○をがんばる」 と決めたことに対 して,「できた」 と思えれば

,失

敗経験を乗 り 越 えることができ満足感や達成感につながるのではないか と考えたか らである。ま た

,介

入 を開始 してか ら lヶ 月 日以降には

,実

践者が「今 日の自分の姿は何点です か。」 と質問を書き加 え

,そ

れに子 どもが回答 した 日が 5日 以上あった。 この回答 は満足 した気持ちや達成感に対す る子 ども自身の自己評価であると考え,第二の観 点 とした (Table5及 び Tabale6の 「自己評価得点の平均値」)。 さらに

,こ

の回答 において

100点

(満点

)を

付 けた回数にも着 目し

,第

四の観点 とすることに した (Table5及 び Tabale6の 「満点回数」)。 最後に,「明 日は何 を目標にす るのか」に 関 しては

,lヶ

月 日か らの振 り返 リノー トに実践者が書きカロえた「目標は

,意

識で

(23)

きま したか。」や 「いつか ら目標 を意識 しま したか。」の質問の答 えに注 目し,「目 標 を意識 できた 日数 の割合」 を比較す ることとした (第五の観点

,Table5及

び Tabale6の 「目標の意識率」)。 この実践で重要である「目標 を意識できたか どうか」 は,清掃活動中に自分の理想 とす る姿を想像 していることであ り

,前

日の振 り返 り を生か していることにもつながるか らである。なお,こ の振 り返 リノー トの記述は 帰 りの会の時間を用いて担任の裁量で行われていたが,介入実践を行つていた期間 には体育大会等の様々な学校行事があ り,その練習や各学級のその 日の状況により, 記述回数 に違いがあった (最多学級45回

,最

少学級 38回)。 また

,子

どもごとに も体調が悪 く休んだ 日や トラブル,用事などで振 り返 りができていないケースもあ つた。そのため,「 目標 を意識できま したか」や 「今 日の 自分の姿 (活動

)に

何点 をつけますか」等の質問に答 えている回数にも違いがある。 Table5及 び Table6に 示 したよ うに

,向

上群の 「反省結果」では 「できた」 と振 り返った 日は

66%∼

85%と幅はあるものの

,非

向上群の

42%∼

51%よ

りも高い割 合 となつた。逆に,「できなかつた」 と振 り返つた 日は

,非

向上群は

10%∼

49%と 高い割合に対 して

,向

上群は

2%∼

18%と 低い割合だつた。 さらに

,向

上群の 4名 は全員の「×連続回数」は0回であつたのに対 して

,非

向上群では

F児

を除いては ×が続 く日が複数回あつた。つま り

,向

上群の子 どもはできなかつた 日があれば, 次の 日は必ずがんばれているが

,非

向上群の子 どもは

,連

続 して「今 日もできなか つた」 と振 り返る日が見 られ る結果 となつた。 次に,「 自己評価得点」では,向上群の平均得点は86点∼93点であるのに対 し, 非向上群の平均得点は60点∼88点と,向 上群の方が高い結果であつた。また,「満 点回数」では向上群 と非向上群で興味深い特徴が見出された。

A児

を除 く向上群で は 「反省結果」で 「できた」 と記述 している日は,「 自己評価得点」でも 100点 を つけることができていた (A児 は点数 を質問された 日の「反省結果」ができていな いことがあ り100点 をつけた 日がなかった)。 しか し非向上群では,「反省結果」が 21

(24)

「で きた」だ つた 日で も

H児

以外 は 100点をつ けてい なか った。 この こ とは,向上 群 の子 どもは 自身 の活 動 を的確 に振 り返 る こ とが で きて い る こ とを示 して い る と 考 え られ よ う。 そ して,「目標 の意識 率」で も

,向

上群 で は全員 が ほぼ

90%以

上で あ ったのに対 し

,非

向上群 で は

,E児

90%で

あつた もの の

,他

の 3名 は

71%以

下 と低 い結 果 となった。 上群 析結 次に

,記

述内容の分析を行 うため,「満足感に繋がる振 り返 り」「質問に対する返 答」に注 目し

,整

理 した (Table7)。 向上群では

,で

きていないことがあった とし て も,気づいてか らは精一杯がんばれたことや,委員会や学級の用事があ り遅れた 日でも,日標は達成できなかったが一生懸命がんばれたことに満足 している等の満 足感に繋がる記述が確認 された。一方

,非

向上群では,自 分 自身が頑張れなかった 日でも

,自

分に落ち度はな く用事があつて遅れた 日でも

,一

様 に 「できなかった」 「満足できない」と振 り返る記述のみ となつていた。さらに

,今

日の 目標は達成 し ていても, 日標以外の ところに反省の視点をもち,「できなかった」 と満足感に繋 が りにくい記述を していることが確認 された。これ らのことか ら

,非

向上群は,日 Table5 の子どもの分 反省 i果 (%) X連続回数 (X連続回数/X回数) 自己評価得点の平均促 満点回数 (満点回数/質問回数) 目標の意識率 (意識回数/質問回数) ⑥ △ X A   B   C   D 5   5   6   3 8   8   6   7 2 13 20 9 ︲3 2 14 ︲8 0/5回 0/1回中 0/5回中 0/6回中 点 点 点 点 6   3   7   2 8   9   8   9 0/6回 2/5回中 2/6回中 3/5回中 100%(12/12回) 89%(8/9回) 90%(9/10回) 100%(7/7回) ◎できた日△できたこととできなかつたことがある日 Xで きなかった日 Table6

非向上群の子どもの

反省結果(%) X連

続回数

(X連続回数/X回数) 自己評価得点の平均催

満点回数

(満点回数/質問回数)

目標の意識率

(意識回数/質問回数) ⑥ △ X E   F   G   H 2   5   1   9 4   4   5   4 29 45 20 2 9   0   9   9 2   1   2   4 2/H回

0/4回

3/12[ヨ

F 6/18回

点 点 点 点 8   5   8   0 8   6   7   6 0/6回中 0/5回中 0/6回 1/5回中 90%(9/10回

) 71%(5/7回

) 67%(8/12回

) 67%(4/6回

) ◎できた日△できたこととできなかったことがある日 Xできなかった日

(25)

標 を決めても自分の頑張 りを認 めることができず,満足感や達成感 を味わえていな い ことが推測 され る。また,実践者が子 どもの考えを促すための質問コメン トをし た翌 日の反応 も,向上群は質問に対す る自分の考えを記述 していたが,非向上群は, 自分の考えや意見の記述がなかった。このことか らは,非向上群の子 どもは前 日ま での振 り返 リノー トを見返 した りしていないことが推測 され る。

I Table7

子 ど も の振 り返 りの 濡 晶 感 に 繋 が る 桶 り 板 り 質 問 に 対 す る返 答 【満足を感 じる記述】 目標を達成 しなかつたらモヤモヤするけど

,モ

ヤモヤ していないから達成できた (A) きれいにできたので

,(目

標の自分

)に

とても近づけ た (C) 【がんばれたことに満足】 委員会の話 し合いで遅れたけど, しゃべ らずできまし た (A) ほ うきをやつて

,で

も足が痛 くていつものようにでき ませんでした。だけど

,が

んば りました (B) 今 日は

,早

く掃除を終わらせないといけなかったので ちょっとしかできなかったけど

,精

一杯がんばれたと 思います (C) 今 日は

,組

体操の練習があって少 し遅れたけど

,ほ

う きできれいにはけま した。今 日できなかつたぞ うきん は,月 曜 日にしたいと思います (D) (先生) 明 日は, どんな姿でいたいで す か。 (反応) いつ もあ りが とうございま す。先生 か ら夜遅 くまでや っ て くだ さつてい る と聞 きま し た。 明 日は, ご りご りに拭い て汚れ を取 ります。 あ りが と うございます。 (先生) それ は

,担

任 の先生 に言 えて ます か。 (反応) はい

,い

いま した。 「さわる な」だそ うです。 (先生) ○○ くんは

,何

をがんば りた いですか。 その 自分 の姿は ど んな姿です か。 (反応) 早 く終 わつてや ることがな く て も,自分 でや るべ きことを 見つ けてがんば る。 満足感 に繋 が りに くい振 り返 り 【他者評価に影響を受けた記述】 しつか りできたけど、先生にごみが残つているといわ れたから

70点

(E) 【目標 とは違 う視′点での自己評価】 (しつかりみがくの目標に対 して

)一

生懸命できた。 でも少 しごみが残つていたから

96点

(F) 【評価の低 さ】 今 日は、日標通 りしゃべ らず掃除ができました。

90

点 (G) 【思考を感 じない振 り返 り】 よかつた。できた。 しゃべつた。 (H) さらに詳細に記述内容の分析を行 うため,体育大会 も終わ り比較的余裕 をもつて 振 り返 りに取 り組める 日が多 く

,全

員が取 り組みに慣れてきていた最後の 10日 だけを取 り上げて「具体的な 目標」と書いている文章量や文字の良 し悪 しを検討す

(26)

ることに した。しつか りと書けていない 日は

,慌

てていた り

,集

中できていなかっ た りするなど,充分振 り返 りに思考できていないことが考 えられ るか らである。検 討 に関 しては,実践者 を含めた

A小

学校で子 ども達 と関わつている担任ではない現 役教員 4名 で検討 を試みた。「具体的な 目標」については 「数値 目標」や 「誰が見 ても達成できたか どうかわかる行動 目標」が書かれているか どうかを指標 とし,一 致率は

,す

べて

90%以

上であった。なお

,子

どもの 日標例を Table8に ま とめた。 文章量や文字の良 し悪 しについては,介入が開始時の新鮮でやる気のある取 り組み 始 めた頃と比べ,「文章量が少ない」「筆圧がない」「行か らはみ出す」の3点 とし, 1つでも特徴が見 られれば 「しつか りと書けていない (× )」 と判断 した ところ, 最終的な一致率は,すべて

80%以

上であった。それ らの結果 をTable9に 整理 した。 向上群では具体的な 目標が記述 されていたのは10日 間の うちで平均 日6。

8回

であ ったのに対 し

,非

向上群では3.8日 と

,具

体的な 目標 を立て られていない 日が多か つた。これは

,具

体的な 目標が立て られた向上群の方が,自 分の行動を評価 しやす く

,達

成す る自分の姿も想像 しやすいことを意味いる。さらに

,文

章量や文字の良 し悪 しに関 しては,非 向上群の しっか りと書いている日数の平均は 4.0日 間だけで あつた。これに対 して向上群は,しつか りと書いている日の平均は 8.0日 であつた。 これは,非向上群の子 どもよ りも向上群の子 どもの方が,振 り返 りの時に集 中して 十分思考 しているとい うことが推測 される。 Table8 5分前 に 行 動 す る (A) 3分前 に 前 に 始 め る (B) 2回、 す べ て の 床 を ふ く (D) 【具 体 的 な 行 動 】 だ ま っ て 掃 除 を す る 。 話 し か け ら れ て も 関 係 な い 話 は 無 視 す る (A) 時 計 を 見 な が ら,次 の こ と を 計 算 し て 動 く (B) 明 日│ま, 床 や 壁 が 輝 く よ う│こ力 強 く磨 く (C) 気 づ い た らす ぐ に は う き で は い た り

,ぞ

う き ん で ふ い た り し て ご み を な くす (D) 立 っ て や る ん じ ゃ な く て

,(ご

み が 見 え る よ うに

)少

し し ゃ が ん で 掃 除 を す る (D) 象 的 な 目標 】 し つ か りそ う じ を す る (E) 一 生 懸 命 が ん ば る (E) な っ と くす る ま で み が く (F) き ち ん と そ う じ を す る (G) き れ い に す る

(G)

00点

の 姿 で が ん ば る (H) 【気 持 ち を 感 じ な い 目標 】 今 日 と 同 じ (H)

(27)

し悪し 0できている Xできていない

(6)ビ

デオ観察による実際の子 どもの活動変化 清掃活動への動機づ けや主体性が高ま りは

,実

際の活動にも変化 をもた らして い るはずである。それ を確認す るために

,今

回は ビデオをフル介入群の教室掃除 のみに設置 し

,隔

週の月曜 日のみ (計

3回

ずつ

)記

録 したものを比較検討するこ とに した。大きく変化 したことは

,5年

生では

,5月

の記録には

,学

級担任がいな い ときにふ ざけなが ら掃除に取 り組み

,学

級担任が来た とたんま じめに掃除をす るとい う場面が2回 とも見 られたが

,6月

中旬の記録には

,学

級担任がいな くても ふ ざける場面は見 られなかった。また

,い

つ も特定の児童だけが早 く掃除に取 り かかつてお り

,時

間内ではあるが遅 く来た児童の掃除に取 りかかるまでが遅かつ たのに対 して

,6月

中旬には

,遅

く来た児童の掃除の取 りかか りも早かつた。これ は

,清

掃活動に対 して全体の雰囲気が高まつていることを意味 しているのであろ う。高まった子 どもの雰囲気やがんば りを感 じ

,実

際に

3因

子が高まっていない 子 ども動けている実態があることも推測 され る。6年生では

,5月

と6月 中旬の記 25

(28)

録で

,黒

板 当番が

,黒

板消 しをきれいに した後

,机

を送っている同 じ児童の横を 通 るとい う同一場面があつた。5月 の1回 目の記録には

,し

ゃべ りかけた りちょつ かいをかけた りして通つていたが

,6月

中旬の記録では,ち ょっかいをかけること なく

,真

つす ぐ黒板に戻つて掃除をしていた。また

,5月

の記録では

,机

を引きず つて送る児童 と持ち上げて送 る児童が混在 してお り

,5月

下旬の記録では

,全

員が 机 を引きずつて送つていた。

6月

の話 し合いの中で

,2人

の児童が,「机 を持ち上 げて送 ることをがんば りたい」 とい う目標 を発言 し

,コ

ーチングの方式に基づい て取 り上げた時に

,み

んなでその 目標が達成できるよ うに応援 しよ うとい う答え になつてか ら

,全

員が机 を送ってい る姿が見 られ るよ うになった。 ある児童は, 学級担任の机の下やみんなが気づかない所 を掃除す るとい う目標 をもち活動 して いたが

,5月

の録画記録の中では

,そ

うした所だけをゆっくりやって本来や るべき ところをさぼっている印象を受けたが

,6月

中旬の記録では

,そ

こだけをす るので はなく

,す

ばや く済ませてみんなと一緒にがんばる姿が見 られた。 このように掃 除をする姿も

,真

会1に取 り組んでいる姿に変化 していると感 じることができた。

(29)

4。 考 察 本研究の 目的は

,清

掃活動にコーチングを取 り入れることで, 日常生活におけ る主体性を高められるのではないか とい うこと。その過程で

,子

どもの清掃に対 する動機づけが

,自

律性が高い水準へ と移行するのではないかとい うことの

2点

であつた。

(1)清

掃活動に対す る動機づけ尺度の分析結果に関す る考察 まず

,清

掃活動に対す る動機づけとしては

,介

入を開始す る前の

4月

には差が なかつた 「しなければいけない」や 「みんなが しているか ら」な どの 自律性の低 い外発的動機づけ因子 と「自分のためになる」「将来の役に立つ」などの 自律性の 高い外発的動機づけ因子の得点が

,介

入後の 7月 では統制群 と比較 して前者は有 意 に低下 し

,逆

に後者は有意に高まるとい う結果 となった。 このことか ら

,コ

ー チングを取 り入れた清掃活動に取 り組んだ子 どもの 自律性 は

,高

い水準へ と移行 した といえる。 この介入で取 り入れたコーチングで実行 され る傾聴や承認 は

,子

どもに とつて肯定的な反応であ り

,子

どもは実践者か ら受容 されていた実感 を得 ていた と考えられる。 したがつて

,前

述の結果は,「子 どもの意欲は評価や指導 さ れ るだけでは育たず

,受

容 され ることで育まれ る」 とい う宮崎・米澤 (2013)の 指摘にも一致 していると言えよ う。 しか し

,今

回の介入は

,普

段は子 どもたちと 関係 をもつていなかつた実践者がコーチングコメン トを行つている。「コミュニケ 三シ ョンは

,言

葉を交 わすだ けで成 り立つも_のではな く

,信

頼 がなけれ1議戸ただ の言葉のや りとりである」(伊藤

,2010)こ

とか ら考えると

,清

掃活動への介入前 に

3回

の授業を実践者が授業者 として実施 しただけでは

,実

践者 と子 どもたちの 関係作 りはできていた として も

,す

べての子 どもと信頼関係が しつか り築けた状 態 とまでは言えないであろ う。そのような状況でも

,2週

間に 1度

,個

々の子 ども と直接的にコメン トを行つたフル介入群では,4月 か ら7月 にかけて自律性の高い

Table l 清 掃 活 動 に対 す る動機 づ けの 因子 分析 結 果 I   Ⅱ    Ⅲ   Ⅳ   平 均   SD 取  207  みんなもしてる 外  208  しか られた くない 外  203  しな さい と言われ る 取  205 1ノ かければいけない ,80 ‑.03   。 10  .03  2.00   1.02.75 ‑。 02  .01  .08  1.73    .99    α =.78.64 ‑.08 ‑.05 ‑。 06  1.79    。97.58  。11

参照

関連したドキュメント

を高値で売り抜けたいというAの思惑に合致するものであり、B社にとって

であり、 今日 までの日 本の 民族精神 の形 成におい て大

1 単元について 【単元観】 本単元では,積極的に「好きなもの」につ

ためのものであり、単に 2030 年に温室効果ガスの排出量が半分になっているという目標に留

としても極少数である︒そしてこのような区分は困難で相対的かつ不明確な区分となりがちである︒したがってその

単に,南北を指す磁石くらいはあったのではないかと思

LUNA 上に図、表、数式などを含んだ問題と回答を LUNA の画面上に同一で表示する機能の必要性 などについての意見があった。そのため、 LUNA

下山にはいり、ABさんの名案でロープでつ ながれた子供たちには笑ってしまいました。つ