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[原著]扁桃の酸化還元系物質 : Vitamin C と鉄との関連性について: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Title

について

Author(s)

野田, 寛; 栗田, 建一; 古謝, 将宏; 新垣, 義孝; 又吉, 重光; 喜

友名, 千佳子; 赤松, 隆; 松村, 美枝子; 松永, 喜久

Citation

琉球大学保健学医学雑誌=Ryukyu University Journal of

Health Sciences and Medicine, 1(2): 117-128

Issue Date

1978

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/2247

(2)

117 琉大保医誌1 (2) :117-128, 1978

扁桃の酸化還元系物質

Vitamin Cと鉄との関連性について

琉球大学保健学部附属病院耳鼻咽喉科

野田 寛 栗田建一 古謝将宏 新垣義孝 又吉重光 喜友名千佳子

琉球大学保健学部成人保健学教室

赤 松   隆 松 村 美枝子

日本大学医学部耳鼻咽喉科学教塞 松 永 喜 久 は じ め に 扁桃の機能を解明する一助として,扁桃組織中の 酸化還元系物質に注目して,すでに著者らは. (1) glutathioneおよびその他のSH化合物について1), (2) Vitamin Cについて2), (3)稔鉄量,. -ム鉄量お よび非-ム鉄量について3),定量的に検索し,個々の 検討を行い,さらに, (4) SH化合物とVitamin I C との関連性について4), (5) SH化合物と鉄との 関連性について5),検討し,いくつかの興味深い成 績を報告して来たが,これらglutathione, Vita-min C,鉄は一体となって酸化還元系を形成して おり,それらの存在は細胞内エネルギー代謝を知る 上で重要である。 こ,では,そのうち Vitamin C と鉄とをとり あげ,同一扁桃組織について, Vitamin C につ いてはその総量,還元型量,酸化型量を,鉄につい ては稔鉄量, -ム鉄量,非-ム鉄量を測定算出し, それぞれの関連性について検討を行った。 文献的に, Vitmin C については, 1936年以来 後藤6)7)古川8)9)海老原ら10)ll), Melkai2), Zimmet らis), Meyer'*, Ventura-Gregorini15),渡辺l脚, Velickijサ,松山19>, Cancicullo ら-), Loscalgo らll)の報告を,鉄については橋本ら22)-24),島田ら25), Solisch ら2827)の報告をみるが,同一扁桃組織に ついてVitamin C と鉄とのそれぞれの成分を 定量的に検索し,それらの関連性に言及し,その検 討を行った報告は未び見当らない。 実 験材 料 実験材料としては,口蓋扁桃肥大症,急性扁桃炎, 扁桃周囲膿場,慢性扁桃炎,病巣扁桃,腺様増殖症, 舌扁桃肥大症などの患者で,手術的療法により摘出 された口蓋扁桃38例,咽鏡扁桃13例,舌扁桃11例の 計62例を用いた。 実 験 方 法 (軸 Vitamin C の測定 摘出された扁桃組織を摘出後ただちに秤量・細断 し,メタ輝酸で除蛋白しながら teflon homo-genizer にてhomogenate L, 60,000xGにて 60分間遠沈,その上清について,以下の測定を行っ た. なお,ただちに測定し得ない時には,その上清液を 凍結保存し,可及的速かに測定を行った。 1.稔Vitamin C (以下 sTVC〃 と略す)と酸化 型Vitamin C (以下"OVC〝 と略す)の測定 TVC と OVC の測定は, 2,4-dinitrophenyl hydrazine (DNP)法2)28)を用いて行った。 2.還元型Vitamin C (以下"RVC〝 と略す) の算出 RVC- TVC- OVC 03)鉄の測定 摘出された扁桃姐鰍ま,まず血液の混入をできる だけ少なくするため,細断して0.25M蕉糖液にて充 分洗擬した後,実験に供した。 1.稔鉄量(以下"Total Fe〝 と略す)の測定 Total Fe は, bathophenanthroline 法3)29) にて測定した。

2.非ヘム鉄量(以下"Non-heme Fe〝 と略す) の測定。

Non-heme Feは, 0-phenanthroline 法3)30)に て測定した。

(3)

Heme Fe -Total Fe⊥Non-heme Fe (C)相関係数の算出 相関係数は下記の公式31)にしたがい算出し,下記 の検定を行った。32) 重回帰 y-β。+β¥xi+β2X2 xi, xz,yの3個の組よりはるデ」タ-をインプッ トし,係数を求め,さらに(早)相関係数,偏相関係 数,重相関係数を求める. 解法 算出された相関係数は(早)相関およひ偏相関は10 %,重相関は5 %の有意水準でその相関係数を検定 した。 実験成績ならびに考擦 同一扁桃組織について,前記の実験方法にしたが い Vitamin C と鉄の各成分の含有量を測定算 出し,各症例の臨床データ-を加えてまとめたのが 別表で,これをもとに前記の方法により,種々の統 計的処理を加えVitamin C と鉄との関連性を検 討した。 I 各毒蛾組織における Vitamin C と 鉄との関連性について まず同一患者の各扁桃組織について Vitamin C についてはTVC, RVC, OVC の各含有量 を,鉄については Total Fe, Heme Fe, Non-heme Fe の各含有量をそれぞれ集計し,その平均 値で表わしたのがTable lで,このデータ-を前 報告2)3)を参照しながら検討してみると, Vitamin C については, TVC と RVC の含有量は口蓋 扁桃を中心に,咽頭扁桃にや、多く,舌扁桃にや、 少なく, ovc の含有量は舌扁桃にや、少なく, 前報告2)と同じ傾向を示し,鉄については,前報告 3)と同じく, Total Fe と Heme Fe の含有量は 口蓋扁桃を中心に,咽頭扁桃にや、少なく,舌扁桃 でや,増加していたが Non-heme Fe の含有量 Table 1. The levels of vitamin C and iron in tonsils

V itam in C (mg ) Iron (m % )

T V C R Ⅴ C 0 Ⅴ C T otal Fe H em e Fe Non-hem e Fe P alatin e T on sil(38 cases) ,,- Q35 9 ± 11 .2

3 1 .4 ± 9 .8 4 .5 ±2 .4 5 .14 ±2 .19 2 .95 ± 1 .97 2 .19 ± 1 .19 P ha ry ng ea l T o n sil oQ r ± 11 .3

(13 cases) 34 .8 ± 11 .5 4 .8 ± 2 .1 4 .9 9 ±2 .20 2 .53 ± 1 .4 6 2 .45 ± 1 .33 L ing ua l T o n sil(ll ca ses) 29 .5 ± 7 .5

(4)

119 野 田   寛 ほか は舌扁桃においてのみ低下した前報告3)とや,異なり, 口蓋扁桃を中心に,咽頭扁桃にや、多く,舌扁桃で や,少なくなっていた。 つぎにVitamin C と鉄との関連性についての 検討であるが. Fig. 1にみるごとく,酸化還元系 でVitamin C に対応する鉄の成分はNon-heme Fe で,これがさらにFe++と Fe十十十とに分割して定 量的に測定出来ればRVC, OVC との対応を検討 することができるわけやあるが,現在 Non-heme Fe をさらに定量的に分析する方法はないので,以 下Vitamin C と鉄との関連性はTVC と組織 鉄である Non-heme Fe とを対応させて検討した。 すなわち,各扁桃組鰍こおけるTVC と Non-heme Feとの関連性を検討してみると, 1.口蓋扁桃における(早)相関係数γ-0.04751 2.咽喪扁桃における(早)相関係数r--0.19801 と,口蓋,咽頭の両扁桃における(早)相関は有意で はなかったが 3.舌扁桃における(早)相関係数はγ±0.53081と, 正の相関にあることが証明された。 II 扁桃組織における Vitamin C と鉄 とその患者年令の推移との関連性について 全症例を年令により15歳以下の幼年期群, 16-30 歳の青年期群, 31歳以上の壮年期群の三群に大別し, Vitamin C と鉄の各成分の含有量をそれぞれ集計 して,その平均値で示したのがTable 2で,まず これを前報告2)3)と比較しながら検討してみると, Vitamin C についてはTVC と RVCの含有量 は前報告2)では三群間に殆んど差を認めなかったが, こ,では幼年期群でや、低下し, ovcの含有量は 前報告2)と同様,年令とともに低下する傾向を示し,

鉄についてはTotal Fe と Heme Feの含有量は 青年期群のみ低下するとLiう前報告31とは異なり, 幼年期群のみ増加し, Non-heme Feの含有量は前 報告3)と同様,青年期群でや,低下していた。 そこでTVC と Non-heme Fe との関連性を検 討してみた。 1.年令を考慮に入れたTVCと Non-heme Fe との偏相関係数は a.口蓋扁桃では, γ-0.04853 b.咽頭扁桃では, γ--0.14735 C.舌扁桃では, γ-0.53399 と,各扁桃組鰍こおいてその相関は,全て有意では なかったが,舌扁桃における年令を考慮に入れた TVCと Non-heme Fe との偏相関係数γは表10 %の値に可成り近いものであった。 2.年令と TVC と Non-heme Fe との重相関 1&&'・*, a.口蓋扁桃では, R-0.04905 b.咽頭扁桃では R-0.43243 C.舌扁桃では, R-0.14475 と,各扁桃組織において,全てその相関は有意では なかった。 lIl 口蓋届桃疾患におけるVitamin C と 鉄との関連性について 口蓋扁桃疾患を急性扁桃炎群,慢性扁桃炎群,病 巣扁桃群,口蓋扁桃肥大症群の四群に大別して, Vitamin C と鉄の各成分の含有量をそれぞれ集計 して,その平均値をTable 3に示した。 まずVitamin Cについてみると,口蓋扁桃肥 大症群においてTVC と RVC の含有量がや, 低下し, ovc の含有量がや,増加し,他三群間では

(5)

TVC, RVCともに大差を示さず,前報告2)での TVCとRVCとが急性扁桃炎群,慢性扁桃炎群, 病巣扁桃群,口蓋扁桃肥大症群の順で漸次減少し, ovc がこの逆の順に漸次増加するという傾向とは 多少趣を異にするようにみえるが,無炎症状態の口 蓋扁桃肥大症群と,炎症状態又は間歓期にある急性 扁桃炎群,慢性扁桃炎群,病巣扁桃群の三群とを対 比させて考えれば,無炎症状態ではTVCとRVC とが低下し, ovcが上昇するという基本的な傾向 に変りないと云えよう。 つぎに鉄については, Total Fe と Heme Fe の含有量が急性扁桃炎群q)みにて低下し,他三群間 に大差を認めず, Non-heme Feの含有量は全群大 きな変動を示さず,前報告3)のTotal Feと Heme Fe とが急性扁桃炎群,慢性扁桃炎群,病巣扁桃群, 口蓋扁桃肥大症群の順に増加し, Non-heme Feが 急性扁桃炎群,慢性扁桃炎群,痛巣扁桃群と順次増 加し,口蓋扁桃肥大症群でもっとも少なかったという 傾向とは,急性扁桃炎群の傾向のみ一致するが,他 は異なる傾向を示した。 そこで, TVCと Non-heme Feとの関連性であ るが,急性扁桃炎群については僅か2例であり,相 関数算出不能のため除外し,その他の各疾患群の TVC と Non-heme Feとの(早)相関係数を算出す ると, a.慢性扁桃炎群 γ-0.05301 b.病巣扁桃群 γ-0.45420 C.口蓋扁桃肥大症群 γ--0.35138

Table 2. Chronological differentiation of the levels of vitamin C and iron in palatine

tonsils V ita m in C (m g% ) Iro n (m g% ) T Ⅴ C R Ⅴ C 0 Ⅴ C - T o ta F e H em e F e N on-hem e Fe 0 - 15 y s (19 ca ses) 34 .0 ± 8 .4 2 8 .1 ± 7 .6 5 .9 ±2 .4 5 .76 ±2 .60 3 .43 ±2 .19 2 .33 ±1 .38 16 - 30 y s (ll ca ses) 38 .6 ±13 .0 3 .53 ±13 .7 3 .3 ±1 .6 4 .46 ±1 .49 2 .56 ±1 .62 1 .9 0 ±0 .9 5 O ve r 31 y s ( 8 c ases) 3 6 .6 ±10 .7 3 3 .7 ±10 .7 2 .9 ±0 .8 4 .59 ±1 .3 8 2 .3 3 ±1 .48 2 .26 ±0 .94 T otal (38 ca ses) 35 .9 ±1 1.2 31 .4 ± 9 .8 4 .5 ±2 .4 5 .14 ±2 .19 2 .9 5 ±1 .97 2 .19 ±1 .19

Table 3. The levels of vitamin C and iron in palatine tonsils according to the classification of tonsilar diseses

V ita m in C (nササ Iron (m g% ) T Ⅴ C R Ⅴ C 0 Ⅴ C T o ta l F e H e m e F e N on-hem e Fe A cu te T onsillitis 2 ca ses) C h ro n ic T on sillitis (24 cases) F o ca l T o nsil (4 cases) H y pertro ph ied T on si (8 ca ses 37 .6 + 1 .4 3 6 .1 ± 12 .5 38 .1± 14 .1 33 .8 ±: 4 .2 35 .4 ± 1 .7 3 1 .8 ± 11 .7 3 5 .8± 14 .3 27 .0 ± 4 .2 2 .3 ±0 .3 4 .3 ± 2 .1 2 .4 ± 0 .5 6 .9 ±2 .3 3 .2 5± 0 .35 5 .15 ± 1 .68 5 .24 ± 1 .94 5 .52 ± 3 .38 ー 1 .22 ±0 .66 0 .87 士 1 .7 9 3 .42 ± 1 .4 5 3 .39 ±2 .58 2 .03 ± 0 .31 2 .29 ± 1 .36 1 .8 2 ±0 .67 2 .13 ±0 一9 5 T otal (38 ca ses 35 .9 ± 11 .2 31 .4 ± 9 .8 4 .5 ±2 .4 5 .14 ± 2 .19 2 .9 5 ±1 .97 2 .19 ± 1 .19

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121 野 田  寛 ほか と全群において,その相関は有意ではなかった。 Ⅳ 炎症状態別にみた口蓋扁桃組織中の Vitamin C と鉄との関連性について 前項における口蓋扁桃疾患による分類でのVita-min C ならびに鉄の各成分の個々の変動分折で, Vitamin C各成分は無炎症状態の口蓋扁桃肥大症 にて, Total Fe とHeme Fe とは急性扁伊炎に おいてのみ,それぞれ他と異なる変動を示したので, この項では扁桃摘出時の扁桃の炎症状態に注目して, 炎症期,間歓期,無炎症期の三群に分類しなおして 検討しなおしてみた。 すなわち,炎症の各期におけるVitamin Cと鉄 の各成分をそれぞれ集計し,その平均値で示したの がTable 4である。 これら各期における個々の変動を前報告2)3)を参 考にしながら検討してみると,まずVitamin Cに ついては, TVCの含有量は無炎症期のみや,低下 しており,前報告2)では三群間に一定の傾向を示し ていない RVC の含有量は炎症期,間歓期,無 炎症期の順に漸次低下し, ovc の含有量は炎症期 のみ低下し,前報告2)と同じ傾向を示している。鉄 については, Total Fe の含有量は炎症期,間歓期, 無炎症期と順次僅かに増加し, Heme Feの含有量 は無炎症期にや,多く,間歓期にや、少なく,一定 の傾向を示さず, Non-heme Feの含有量は間歓期 に増加しており,前報告3)でのTotal Feとheme Feとは無炎症期に多く, Non-heme Fe は逆に無 炎症期に少ないと云う傾向に似ているが,数値に可 成りの開きを認め,前報告3)にて数値の変動が大き い。 さてそこで,この炎症状態各期におけるTVCと Non-heme Feとの関連性を検討してみると,その (早)相関係数は, a.炎症期  γ-0.26325 b.間歓期  γ--0.19935 C.無炎症期 γ--0.35138 と,全期においてその相関は有意ではなかった。 V 口蓋届桃の肥大度と点桃組織中の Vitamin Cと鉄との関連性について 口蓋扁桃の肥大度をMackenzieの分類にしたが い,第1-m度肥大の三群に大別し, Vitamin C と鉄の各成分をそれぞれ集計し,その平均値で示し, 検討してみた(Table 5. Vitamin Cについては, TVCとRVC の含有 量は口蓋扁桃が肥大度を増すほどその単位重量当り の含有量は漸次減少し, ovc の含有量はその逆に 増加する傾向を示し,前報告2)とほぼ同じ傾向を示 mm

また鉄については, Total Fe と Heme Fe の 含有量は第III度肥大群のみ低下し, Non-heme Fe

の含有量は第I度肥大群のみ低下し,前報告3)での Total Fe と Heme Fe は第11度肥大群のみ上昇 し, Non-heme Feは三群ともにほぼ一定の値を示 すと云う傾向とはや.異なる. こ、で,口蓋扁桃の肥大度と Vitamin C と 鉄との関連性を検討してみると,まず口蓋扁桃の肥 大度を考慮に入れた時のTVCと Non-heme Fe との偏相関係数は, γ-0.09011と,その相関は有

Table 4. The levels of vitamin C and iron in palatine tonsils according to the classification of inflammatory stages of tonsils

V itam in C (m g% ) Iro n (mg% ) T V C R .V C 0 Ⅴ C T ota l F e H em e F e N on-hem e Fe In fla m m a to ry S ta g e (21 c a ses ) In term itte nt S ta g e ( 9 ca ses ) N o n -in fla m m a to ry S tag e ( 8 ca se s) I 36 .6 ± 13 .1 36 .2 ± 10 .5 33 .8 ± 4 -2 33 .5 ± 12 .5 30 .3 ± 9 .6 2 7 .0 ± 4 .2 3 .0 ±1 .3 5 .9 ± 2 .0 6 .9 ± 2 .3 4 .9 2 ± 1 .75 5 .3 1 ± 1 .66 5 .5 2 ± 3 .38 2 .92 ± 1 .89 2 .63 ± 1 .38 3 .39 ± 2 .58 2 .00 ± 0 .9 5 2 .67 ± 1 .6 8 2 .13 ± 0 .95 T o ta l (38 ca se s) 3 5 .9 ± 11 .2 3 1 .4 ± 9 .8 4 .5 ±2 .4 5 .14 ±2 .19 2 .95 ± 1 .9 7 2 .19 ±1 .19

(7)

意ではなく,口蓋扁桃の肥大度と TVC と Non-heme Fe との重相関係数も, R-0.29088と,その 相関は有意ではなかった。 Ⅵ 血中ASO 価と届椀組鼓中の Vitamin Cと鉄との関連性について 術前血中ASO価を,正常値群(250単位以下),高 値群(251-2500単位),著明な高値群(2501単位以 上)の三群に大別し,扁桃組織中のVitamin C と 鉄の各成分をそれぞれ集計し,その平均値で示した のがTable 6である。 まずVitmin Cについてみると, TVCと RVC の含有量は血中ASO価の上昇とともに漸次増加し, 前報告2)と同じ傾向を示し, ovcの含有量は正常 値群のみ低下し,他二群に差を認めず,前報告2) の血中ASO価の上昇とともに僅かながら漸次上昇 する傾向に近かった。 鉄については Total Feの含有量は著明な高

Table 5. The levels of vitamin C and iron in palatine tonsils according to the classification of hypertrophied grades of tonsils

値群のみ増加し,前報告31の高値群のみ低下する傾 向とや,異なり, Heme Feの含有量は高値群のみ 低下し,前報告3)とほぼ同じ傾向を示し, Non-heme Fe の含有量は血中ASO価の上昇とともに漸次増 加し,前報告3)の著明な高値群のみ増加したとや、 異なる傾向を示しているようにみえるが, Total Fe と Non-heme Feの変動も,著明な高値群で上 昇しているという点で前報告3)に近い傾向を示して sxa そこで血中ASO価と口蓋扁桃組織中のVitamin Cと鉄との関連性であるが,まず血中ASO価を考 慮に入れた時の口蓋扁桃組織中のTVC と Non-heme Feとの偏相関係数は, γニー0.00153と,そ の相関は有意ではなく,血中ASO価と扁桃組織中 のTVCと Non-heme Fe との重相関係数も, R -0.30893と,その相関は有意ではなかった。 以上,同一患者の扁桃組織中の酸化還元系物質に ついて Vitamin C については TVC, RVC, V ita m in C (m g % ) Iro n <m g % ) T Ⅴ C R Ⅴ C 0 Ⅴ C T o t a l F e H e m e F e N 0 n h tl e F e G ra d e I ( 8 c a s es ) 4 0 .4 ± 17 .4 3 6 .8 ± 16 .6 3 .6 ± 1 .6 5 .2 1 ± 1 .6 7 3 .5 8 ± 1 .4 4 1 .6 3 ± 0 .7 4 G ra d e II (2 2 c a se s ) 3 5 .4 ± 8 .1 3 0 .8 ± 7 .6 4 .6 ± 2 .6 5 .4 4 ± 2 .5 1 3 . 1 2 ± 2 .1 7 2 .3 2 ± 1 .1 8 G ra d e M ( 8 c a s e s ) 3 2 . 6 ± 8 .9 2 7 .5 ± 9 - 1 5 .1 ± 2 .2 4 .2 4 ± 1 .2 9 1 .8 5 ± 1 .3 3 2 .3 9 ± 1 .4 3 T o t a l (38 c a s e s 3 5 .9 ± 1 1 .2 3 1 .4 ± 9 .8 4 .5 ± 2 .4 5 .1 4 ± 2 .1 9 2 .9 5 ± 1 .9 7 2 .19 ± 1 .1 9

Table 6. The levels of vitamin C and iron in palatine tonsils according to the classification of ASO-levels in serum

V i t a m i n C <蝣サォ % > I r o n (m g % ) T Ⅴ C R Ⅴ C 0 Ⅴ C T o t a l F e H e m e F e N o n -h a n e F e U n d e r 2 5 0 u . ( 2 9 c a s e s ) 3 3 . 9 ± 9 . 9 2 9 . 9 ± 9 . 7 4 . 0 ± 2 . 1 5 .0 5 ± 2 . 2 4 3 . 0 0 ± 2 . 1 0 2 .0 5 ± 1 . 1 9 2 5 1 - 2 5 0 0 u . ( 6 c a s e s ) 4 0 . 8 ± 1 3 . 5 3 4 . 4 ± 1 2 . 8 6 . 4 ± 2 . 6 5 .0 5 ± 2 . 3 3 2 .6 2 ± 1 . 5 8 2 .4 3 ± 1 . 0 8 O v e r 2 5 0 1 u . ( 3 c a s e s ) 4 5 . 2 ± 1 0 . 5 3 9 . 4 ± 1 3 . 0 5 . 8 ± 2 . 6 6 . 2 2 ± 0 . 5 6 3 . 1 2 ± 1 . 2 9 3 . 1 0 ± 0 . 9 7 T o t a l (3 8 c a s e s ) 3 5 . 9 ± 1 1 . 2 3 1 . 4 ± 9 . 8 -4 .5 ± 2 . -4 5 . 1 4 ± 2 . 1 9 2 . 9 5 ± 1 . 9 7 2 . 1 9 ± 1 . 1 9

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123 野 田   寛 ほか

OVCを,鉄については, Total Fe, Heme Fe, Non-heme Feをそれぞれ測定算出し, ・まず個々の 測定値,算出値を各項目別にそれぞれ集計して検討 し,前報告2)3)のそれらと比較してみると, Vitamin Cについては二,三の僅かな相異を認めるもの,, その基本的な傾向に変化は認められなかった。 鉄については,前報告3)の傾向を( )内に対比 させて比較してみると, (1) Non-heme Feの含有量は口蓋扁桃を中心に, 咽頭扁桃に多く,舌扁桃に少ない(口蓋扁桃と咽 頭扁桃はほぼ同じ水準)0

(2) Total Fe と Heme Fe の含有量は幼年期群 にのみ増加(青年期群のみ低下)

(3) Total Fe と Heme Feの含有量は急性扁桃炎 群のみ低下し, Non-heme Feの含有量は全群間

に大差なし(Total Fe と Heme Fe は急性 扁桃炎群,慢性扁桃炎群,病巣扁桃等,口蓋扁桃 肥大症群の順に増加し, Non-heme Feも同じ順 に増加し,口蓋扁桃肥大症群のみ埠下する) (4) Total Fe と Heme Feの含有量は第III度肥大

群のみ低下し, Non-heme Feの含有量は第I度 肥大群のみ低下する(Total Fe と Heme Feは 第II度肥大群のみ上昇し, Non-heme Feは三群 間に大差なし) など,いくつかの異なる傾向を示しているが,これ は組織内の各鉄成分の測定方法と関連ているとも考 えられる。 すなわち,実験材料が手術により摘出されたもの であり,しかも扁桃のように脱血の田難な組織では 血液混入による Total FeおよびHeme Fe の測 定・算出値の動揺はある程度止むを得ない面もあ.る と考えられる。そこでNon-heme Feの測定が重要と なるわけであるが,現在組織内Non-heme Fe の 測定法には確固たるものがなく,測定操作中に-モ グロビン分解による Heme FeのNon-heme Fe ヘの混入が可成りあり得ると云われている。したが って,鉄の全ての成分の測定・算出値に可成りの動 揺が生じたとも考えられる。 つぎに, Vitamin C と鉄との関連性についてヾ あるが,前にも述べたごとく,扁桃組織内の酸化還 元系に関与する鉄の成分はNon-heme Fe で,現 在これをさらにFe++と Fe十十+に分けて測定し得ない ため,このNon-heme Fe に対応させられるVi・ tamin Cの成分はTVCであるので,このTVC と Non-heme Feとの関連性について検討したわ けであるが,舌扇桃においてのみ正の相関が証明さ れ,また年令を考慮に入れたその偏相関係数も,舌 扁桃において10%の有意水準に可成り近いものであ ったが,その他の関連性,すなわち,各扁桃組織に おける(早)相関,各扁桃組織における年令との偏相 関ならびに重相関,口蓋扁桃における(早)相関,炎症 状態各期における(早)相関,口蓋扁桃肥大度との偏 相関ならびに重相関,血中ASO価との偏相関なら びに重相関は,全て有意ではなかった。 理論上,もっとも近い関係にあり,その関連性が 充分現像され得るこの二種の酸化還元系物質の関連 性が,実際には舌扁桃組軌こおける以外には充分証 明され得なかった原因として,やはり先に述べたご とく扁桃組織内の各鉄成分の分析方法,すなわち組 織内の循環血液の除去の問題と Non-heme Fe の 測定法の現状とが関与していると考えられた。 ま+とめ 扁桃の機能を解明する一助として,扁桃組織内の 酸化還元系物質のうち, Vitamin C と鉄とをとり あげ,同一扁桃組織について, Vitamin C として は dinitrophenyl hydrazine (DNP)法にて総 Vitamin C量,還元型 Vitamin C 量,酸化型 Vitamin C量を,鉄としては bathophenanthr-oline法および0-phenanthroline 法にて総鉄量, ヘム鉄量,非ヘム鉄量をそれぞれ測定算出し,個々 の変動を前報告と比較検討するとともに,総Vita一 min C量と非-ム鉄量との関連性を,諸臨床所見 との関連性を含めて検討した。 まず,個々の変動について, Vitamin C 各成分 は前報告の傾向と基本的に大差なく,鉄各成分はい くつかの異なる傾向を示し,これは組織内鉄各成分 の分析測定法との関連性が検討された。 総Vitamin C量と非-ム鉄量との関連性につい ては,舌扁桃においてのみ正の相関が証明され,ま た年令を考慮に入れた偏相関検討でも,可成りの関 連性を認めたが,その他の相関,すなわち各扁桃組 織における(早)相関と年令との偏相関と重相関,口 蓋扁桃疾患における(早)相関,炎症状態各期における (早)相関,口蓋扁桃肥大度との偏相関と重相関,血 中ASO価との偏相関と重相関は,全て有意ではな かったo

(9)
(10)

125 野 田   寛 ほか

The levels of vitamin C and iron in pharyngeal and lingual tonsils

N a C a s eN o. P a t . A ge S ex V ita m in C (m g % ) Ir o n (m g% ) T V C R V C O V C O V C .R V C T o ta l-F e H e m e F e ^ 0 ^r e P h a r y n g e a l 1 . 1 .T o n sil T . I . 2 S 3 7 .5 3 3 .0 4 .5 0 .1 3 6 3 .3 4 1 .8 1 1 .5 3 2 . 3 . A . N . 3 」 5 5 .4 5 0 .6 4 .8 0 .0 9 5 3 .9 4 2 .2 2 1 .7 2 3 . 1 0 9 . T . S . 3 $ 4 0 .5 3 8 . 5 2 .0 0 .0 5 2 3 .5 4 1 .9 5 1 .5 9 4 . .8 . H . N . 4 $ 3 3 . 1 2 6 . 1 7 .0 0 .2 6 8 3 .9 5 2 . 18 1 .7 7 5 . 14 . Y . N . 5 $ 4 7 .2 4 1 .0 6 .2 0 .1 5 1 5 .7 0 1 .5 0 4 .2 0 6 . 1 5 . I . Y . 5 蝣? ・ 3 5 .4 3 2 . 5 2 .9 0 .0 8 9 3 .8 3 1 .8 1 2 .2 0 7 . 1 1 2 . H . T . 5 1 .7 4 9 . 0 2 .7 0 .0 5 5 3 .0 7 1 .9 0 1 . 17 4 1 .. K . S . 7 $ 1 3 . 2 10 .4 2 .8 0 .2 6 9 3 .3 3 1 .9 2 1 .4 1 9 . 4 2 . A . N . 7 $ 4 3 .0 3 8 .4 4 .6 0 . 12 0 5 .19 3 .4 7 1 .7 2 10 . 4 7 . Y . M . 2 5 . 3 19 .9 5 .4 0 .2 7 1 6 . 60 1 .1 0 5 .5 0 l l . 4 8 . H . H . 4 9 . 3 4 6 .4 2 .9 0 .0 6 3 9 .0 0 6 .l l 2 .8 9 1 2 . 4 9 . M . T . 3 3 . 3 2 3 .8 9 .5 0 .3 9 9 9 .80 5 .3 0 4 .5 0 1 3 . 1 1 4 . K . H . 9 $ L in g u a l T o n sil 5 8 . T . Y . 1 2 $ 4 8 .7 4 2 .2 6 .5 0 . 1 5 4 2 8 .0 2 4 . 1 3 .9 0 .1 6 2 3 .5 2 1 .6 2 1 .9 0 5 .8 0 3 .9 0 1 .9 0 2 . 6 3 . Y . N . 1 9 $ 4 2 .7 3 8 .9 3 .8 0 .0 9 8 10 .9 1 8 .5 1 2 .4 0 3 . 7 0 . H . M . 2 2 」 2 1 .8 2 0 .5 1 .3 0 .0 6 3 l .i 1 .5 0 0 .3 0 4 , 7 3 :. T . H . 2 3 3 0 .9 2 7 .6 3 .3 0 .1 2 0 14 .8 0 l l .8 1 2 .9 7 5 . 8 3 . H . H . 2 7 」 19 .4 1 5 .0 4 .4 0 .2 9 3 4 .1 3 3 .5 3 0 .6 0 6 . 1 1 7 . M . Y . 2 8 3 5 .8 3 0 .8 5 .0 0 .1 6 2 4 .8 1 3 .0 0 1 .8 1 7 . 5 , T . M . 3 0 」 19 . 1 1 5 .7 3 .4 0 .2 1 7 3 .6 0 1 .9 0 1 .7 0 1 2 1 . W . N . 3 1 $ 2 9 .9 2 5 .4 4 .5 0 .1 7 7 2 .9 9 0 .4 1 2 .5 8 9 . 9 1 . E . I . 3 2 $ 4 0 .4 3 7 .1 3 .3 0 .0 8 9 4 .0 5 2 .4 5 1 .6 0 .一蝣10 . 1 2 5 . B . H . 3 9 $ 3 0 .4 2 7 .2 3 .2 0 .1 18 8 . 15 5 .9 6 2 . 19 l l . 1 2 9 . H . K . 7 0 $ 2 6 .2 2 1 .2 5 .0 0 .2 3 6 1 0 .0 0 8 .3 0 1 .7 0

(11)

1)野田 寛:扁桃の酸化還元系物質- とくに glutathione およびその他のSH化合物につい て-.日扁桃誌7, 116-133, 1967. 2)松永喜久:扁桃の酸化還元系物質-とくに Vitamin Cについて-.日扁桃誌14, 107-124, 1975. 3)野田 寛,大木 剛,栗EEl建一三・扁桃の酸化還 元系物質一級鉄量,ヘム鉄量および非ヘム鉄量 について-. EI扁桃誌13, 199-207, 1974. 4)野田 寛,都川紀正,栗田建一,松村美枝子, 喜友名千佳子,赤松 隆,松永喜久:扁桃の酸 化還元系物質-SH化合物と Vitamin Cとの 関連性について-.日耳鼻80, 315-325, 1977. 5)野田 寛,栗田建一,古謝将宏,新垣義孝,又 吉重光,喜友名千佳子,赤松 隆,松村美枝子 大城 修:扁桃の酸化還元系物質-SH化合物 と鉄との関連性について-.琉大保医誌1 : 107 -116, 1978. 6)後藤修二:口蓋扁桃腺の「ヴィタミンC」含有 量.耳鼻咽喉科9, 663, 1936. 7)後藤修二:口蓋扁桃腺のビタミンC含有量に就 いて.日耳鼻42, 1848-1849, 1936. 8)古川隆俊:上顎賓粘膜,咽頭並に口蓋扁桃腺の ビタミンC含有量.日耳鼻42, 879-880, 1936. 9)古川隆俊:口蓋及び咽頭扁桃腺並に上顎洞内粘 膜のビタミンC含有量に就いて.日耳鼻42, 1894, 1936. 10)海老原勉,児玉 晃:摘出口蓋咽頭扁桃腺の還 元型及び酸化型「ヴィタミンC」量並にその臨 床的及び病理細菌学的検素との関係に就て.日 耳鼻43, 1995-1996, 1937. ll)海老原勉,児玉 晃:摘出口蓋咽頭扁桃腺の還 元型及び酸化型ヴィタミンC量並に其臨床的及 び病理細菌学的検索との関係.東京,医事新誌, 3043, 13-15, 1937.

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(13)

Abstr act

Studies

on Redox Substances

in Tonsils

Relation

Between

Vitamin

C and

Iron

in Tonsils

Yutaka

NODA,

Ken-ichi

KURITA,

Masahiro

KOJA,

Yoshitaka

ARAKAKI,

Shigemitsu

MATAYOSHI,

and

Chikako

KIYUNA

Department

of Otorhinolaryngology,

University

of the

Ryukyus,

College

of Health

Sciences.

Takashi

AKAMATSU

and

Mieko

MATSUMURA

Department of Adult Health, University of the Ryukyus, College of Health Sciences. YosfflHiSA MATSUNAGA

Department of Otorhinolaryngology, Nihon University, School of Medicine

In order to evaluate the functions of tonsils, for vitamin C and iron which are of redox substances in tonsilar tissue, the following simultaneous quantitative determinations are performed in the tonsilar tissues those including total vitamin C, reduced vitamin C and oxidized vitamin C by the dinitrophenyl hydrazine (DNP) method, total iron, heme iron and non-heme iron by the batho-phenanthroline and O-phenanthroline methods, and, the comparative evaluations of those fluctuations with those in the previous report are proceeded in accordance with the relationship between total vitamin C and non-heme iron in view of the various clinical findings.

In the individual fluctuations, the data of each component of vitamin C was basically not differed from those tendencies in the previous report, however, the data of irons tended to differ from those previously reported, of which the sequences of analysed method have been discussed. The relationship between total vitamin C and non-heme iron is only proved to maintain the correlation at 10% significant level in the lingual tonsils, and, furthermore the fairly positive relation is found in the evaluation for the partial correlations with ages in the lingual tonsils, however, the other correlations are entirely denied such as the 10% significant levels of single

correlation and partial correlation, and 5% significant level of multiple correlation, which are including the single and partial correlation with ages of each tonsilar tissue, the single correlation in each disease of palatine tonsils, the single correlation in various stages of inflammatory conditions in palatine tonsils, the partial and multiple correlation in the hypertro-phied degree of palatine tonsils, the partial and multiple correlation with blood ASO-titers.

Table 6. The levels of vitamin C and iron in palatine tonsils according to the classification of ASO-levels in serum

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