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気候変動による洪水被害額の推定におけるGCMと空間解像度の影響

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Academic year: 2021

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(1)

気候変動による洪水被害額の推定におけるGCMと空

間解像度の影響

著者

山本 道, 風間 聡, 峠 嘉哉, 田中 裕夏子, 多田

毅, 山下 毅

雑誌名

水工学論文集 = Annual journal of hydraulic

engineering, JSCE

75

2

ページ

I_1087-I_1092

発行年

2019-11

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130921

doi: 10.2208/jscejhe.75.2_I_1087

(2)

気候変動による洪水被害額の推定における

GCM と空間解像度の影響

山本 道

1

・風間 聡

2

・峠 嘉哉

2

・田中 裕夏子

3

・多田 毅

4

・山下 毅

5 1学生会員 東北大学大学院工学研究科土木工学専攻(〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-06) E-mail: [email protected] 2正会員 東北大学大学院工学研究科土木工学専攻 3正会員 日本工営株式会社 4正会員 防衛大学校建設環境工学科 5非会員 東北大学情報部情報基盤課 二次元不定流モデルを用いた日本全土の洪水被害額推定において,複数の GCM を用いた場合の被害額 のばらつきと異なる空間解像度を用いた被害額の差額を比較した.6 種類の GCM を使用した場合,その被 害額の標準偏差は 2050 年期 RCP2.6 シナリオにおいて 507 億円,2050 年期 RCP8.5 シナリオにおいて 680 億円と推定された.この標準偏差の年期待被害額に占める割合はそれぞれ 3.56%と 4.70%である.一方, 空間解像度を 1 ㎞から 250m に引き上げた場合,年期待被害額は 2239 億円減少した.この差額の年期待被 害額に占める割合は 1km 解像度において 13.9%,250m 解像度において 16.1%である.GCM の不確実性は 無視できないものの,空間解像度の及ぼす影響を考慮する必要性が示された.

Key Words: climate change, precipitation distribution, variation, GEV

1. 序論

近年,日本各地において甚大な洪水災害が頻発してい る.気候変動に関する政府間パネルの第 5 次評価報告書 (IPCC AR5)によると,世界平均地上気温が上昇する につれて,中緯度の陸域のほとんどと湿潤な熱帯地域に おいて,今世紀末までに極端な降水がより強く,より頻 繁となる可能性が非常に高い 1).これは豪雨の頻度や熱 帯低気圧の活動度の増加を示唆しており,気候変動によ り今後増加するとされる水災害の影響や対策の正確な評 価が求められている. この状況を受けて気候変動による影響評価や水災害に 対する様々な適応策の検討及び評価がなされている.気 候変動影響評価の一例としてTezukaらは日本全国を対象 に任意地点における再現期間の最大確率流量を生じさせ る降雨である確率洪水寄与降雨を用いた氾濫計算を行い, 洪水被害額を定量的に示した2).Tezukaらは将来の影響 評価について,2種類のGCMを用いて将来気候を作成し, 21世紀末の洪水被害額を推定した.秋間らは海面気圧の GCM出力値を用いて将来気候における洪水・高潮複合 災害の被害額を推定した3).田中らは潮位の時系列変化 を考慮した洪水・高潮複合災害の被害額を算出した4) これらの洪水・高潮複合災害の被害額推定における空間 解像度は1km(3次メッシュ)の空間解像度である. 近年こうした解析に使用されうる気象予測データの整 備が進められ,それを用いて様々な研究が行われている. 例えば,将来の地球全体の気候を推定するGCMが世界 各国で開発され,これを用いて予測した将来の気象デー タに基づいて気候変動の影響評価が行われている5) GCMには多くの不確実性があり,温暖化影響・適応評 価において,利用するGCMにより気候予測結果が異 なることがIPCCの作業部会においても指摘されてい る6).その不確実性を定量化する試みもなされてい る7).他方データの空間解像度は数十kmから数mま で整備され,様々な空間スケールの解析に利用され ている8),9).しかし,空間解像度の違いがGCMによる 予測結果に及ぼす影響にについては,十分に議論されて いるとは言い難い.そこで本研究はGCMの不確実性 と空間解像度が解析に及ぼす影響を考察する.現在, 将来推定において様々な不確実性が議論されており, その中において特に洪水被害額推定に及ぼすGCMと空 間解像度の影響を評価することを本研究の目的とする.

(3)

2. データセット

(1) 現在気候の日降水量データ 降水量データとして Tezuka et al.によって作成された極 値降雨データを用いた2).このデータは AMeDAS観測所 における 1971 年から 2000 年の年最大日降雨量を頻度分 析し得られた各再現期間における日降雨量と,任意の点 における集水面積と地点流出係数の関係から作成されて おり,任意地点において確率洪水流量を発生させる降雨 の分布データである.また,空間解像度は 1 ㎞である. (2) GCM 及びシナリオデータ 気候予測情報として,日本全国 1km地域気候シナリオ 10)による 6つの気候モデルと 2つの RCPシナリオを利用 した. 温暖化影響・適応評価において,利用する GCM により気候予測結果が異なることが知られてい る.これは気候システムをモデル化する際の不確実 性によるものである.本研究においては,GCM の不 確実性をより深く考察するため,以下に示す 6 種類の GCM を用いた.GFDL-CM23,HadGEM2-ES,MIROC5, MRI-CGCM3,CISRO-Mk3-6-0,IPSL-CM5A-LRの6つであ る.使用した期間は 1981 年~2005 年(現在),2031~ 2055 年(近未来)である. RCP シナリオは RCP2.6,RCP8.5 の 2 つを対象にし た.RCP8.5 は 2100 年以降も放射強制力の上昇が続く 「高位参照シナリオ」であり,RCP2.6 は将来の気温 上昇を 2℃以下に抑えるという目標のもとに将来排 出量を最も低く設定したシナリオである. (3) 土地利用データ 洪水氾濫計算および浸水深から被害額を算出する過程 において利用する土地利用データとして,秋間らに作成 された 1 ㎞解像度の土地利用データ及び田中らにより作 成された250m解像度(5次メッシュ)の土地利用データ を使用した 11).250m 解像度データは,国土数値情報, 土地利用細分メッシュデータに格納された 1 ㎞解像度 1/10 細分区画(100m 解像度)の土地利用情報(平成 26 年度版)から,250m のメッシュ内において最も占める 割合が多い土地利用を,そのメッシュにおける土地利用 として抽出し作成されたものである.土地利用の内訳は, (1)田(2)畑地(3)森林(4)荒地(5)建物用地(6) 幹線交通用地(7)その他の用地(8)河川地および湖沼 (9)海浜(10)海水域(11)ゴルフ場 である.なお, 土地利用の将来変化については考慮しないこととする. (4) 標高データ 洪水氾濫計算に用いた標高データは国土数値情報の標 高・傾斜度 3 次メッシュ及び 5 次メッシュデータを使用 した.なお,5 次メッシュデータについては河川上に窪 地地形が多く生じたため,国土数値情報の河川データの 形状データに重なる窪地については標高を隣接するメッ シュ中の最低標高まで埋める処理を施した.

3. 解析手法

洪水による被害額推定の手法は既往研究に倣う.大ま かな流れとして,洪水モデルである二次元不定流モデル により,洪水時の最大浸水深を求め,治水経済調査マニ ュアル(案)12)に則り被害額を推定する.洪水モデルと 被害額算出法の詳細については田中ら4)に譲る. (1) 将来気候の推定方法 始めに 6 つの GCM および 2 つの RCP シナリオ(現 在:1980年~2005年,近未来:2030年~2055年)から得 られる毎日の降水量データから県庁所在地に稚内,釧路, 帯広,函館を加えた全国 50 地点ごとに各年の最大日降 水量を抜き出し,頻度分析を行う.この頻度分析におい て,確率分布型として一般化極値分布(Generalized Ex-treme Value, GEV)分 布,母 数推定 法と し て PWM (Probability Weight Moment)法を用いる.この方法を用 いて Tezuka らも頻度分析を行っている2)

頻度分析により各地点における各再現期間の確率日降 水量を現在気候と将来気候のそれぞれに対し求め,得ら れる日降水量の比を降水量の増加率とした.これを ArcGIS の Spatial Analyst ツールにより,逆距離荷重法を用 いて補完することにより日本全土の降水量の増加率分布 求めた.これにTezukaらによって作成された極値降雨分 布を掛け合わせて得られる降雨分布を将来気候における 極値降雨分布とした.以上をまとめた,各セルの降雨デ ータ作成手法を式(2)に示した. (将来の再現期間𝑥年降水量) = (現在の再現期間𝑥年の確率洪水寄与降水量)

×

(GCM の再現期間𝑥年の将来降水量) (GCM の再現期間𝑥年の現在降水量)

(2) (2) 年期待被害額 国土交通省の河川砂防技術基準計画編13)を参考に,日 本における河川の治水設備の計画規模を概ね1/50年とし て設定した.さらに,発生確率の低い再現期間100年以 上の災害は年期待被害額に大きな影響を及ぼさないと仮 定した.以上より,年期待被害額を以下の式 (3) により 算出することとした.

𝐴𝐸𝐷 =

𝑃𝐷(50)+𝑃𝐷(100) 2

× (

1 50

1 100

)

(3) ここで,𝐴𝐸𝐷:年平均期待被害額,𝑃𝐷(𝑥):再現期間 𝑥 年における潜在被害額である.

(4)

4. GCM による被害額の違い

GCM による被害額の違いを考慮するため 250m解像度 における解析結果を比較した. (1) 降水量分布の違い 図-1 に RCP2.6 シナリオと RCP8.5 シナリオにおける各 GCM による将来確率洪水寄与降雨量の分布を示した. 九州地方や四国地方において GCM 間の降水量の差異が 大きいことが見受けられる. (2) 被害額の違い 図-2 に各 GCM 各シナリオにおいて推定された年期待 被害額をグラフに示した.また,表-1 に各 GCM 各シナ リオにおいて推定された年期待被害額の平均値及び標準 偏差と標準偏差の平均値に対する割合を示した.これら はいずれも 250m 解像度による推定結果である.標準偏 差は 600 億円前後であり,シナリオ間の平均年期待被害 額の差額は 192 億円である.シナリオ間の差額を考える 際には GCM による推定被害額のばらつきがシナリオ間 の差額を包含する可能性があり,GCM の不確実性に十 分留意する必要がある.例えば,図-2 から GFDL-CM23 と MIROC5 においては RCP8.5 シナリオにおける年期待 被害額の方が小さくなる.使用する GCM によっては, 温室効果ガスの緩和策が進むほど洪水被害が拡大すると 解釈できる場合もある.

5. 空間解像度による被害額の違い

空間解像度による影響を考察するため現在気候におい て,二つの空間解像度を用いて解析を行い比較した. (1) 浸水状況の違い 図-3 は長野県において再現期間 100 年の洪水が発生 した場合の最大浸水深分布を 1km 解像度と 250m 解像度 において示した図である.浸水深が大きくなりやすい地 域はどちらの解像度を用いても推定できる.しかし,図 -3 中央部にあたる松本市や安曇野市の近郊において特 に顕著に見られるように 250m 解像度の浸水範囲をぼか したように拡大した 1km解像度の浸水範囲が確認できる. すなわち,高解像度化すると浸水は浅く広い状態から深 く局所的な状態に変化すると考えられる. (2) 被害額の違い 表-2 に解像度ごとに推定した年期待被害額を都道府 県ごとにまとめたものを示した.高解像度化により年期 待被害額の全都道府県合計は 2239 億円減少した.その 一方,都道府県により高解像度化に伴う年期待被害額の 増減の傾向は大きく異なる事が示された.図-4 に年期 待被害額が最も減少した香川県の被害額分布を示した. 図-5 には年期待被害額が最も増加した茨城県の年期待 被害額の分布を示した.なお,図-4 及び図-5 の被害額 は全て 250m×250m の 1 メッシュ当たりの年期待被害額 であり,年期待被害額の図の階級は 1km解像度の階級を 250m 解像度の 16 分の 1 にしてある.図-4 の北側に位置 する讃岐平野において高解像度化に伴い,赤いメッシュ が黄緑色のメッシュに遷移している.すなわち1km解像 表-1 GCM による推定年期待被害額のばらつき シナリオ 平均年期待被害額 (億円) 年期待被害額の 標準偏差 標準偏差の平均 値に対する割合 (%) RCP2.6 14266 507 3.56 RCP8.5 14458 680 4.70 図-2 各 GCMによる推定年期待被害額 12500 13000 13500 14000 14500 15000 15500 年期待被害額(億円) 図-1 RCP2.6シナリオ(右)と RCP8.5 シナリオ (左)における再現期間 100 年確率洪 水寄与降雨分布(上から CISRO-Mk3-6-0, GFDL-CM23,HadGEM2-ES,IPSL-CM5A-LR, MIROC5,MRI-CGCM3)

(5)

度においては大きい被害額を算出していたメッシュが被 害額の小さいメッシュへ変化した.図-5 においては高 解像度化に伴い赤いメッシュは減少した.しかし赤のメ ッシュが全て黒や黄緑色のメッシュに遷移したのではな く,茨城県南西部の鬼怒川周辺に依然赤いメッシュが残 されている.また,特に茨城県北部に新しく赤いメッシ ュが出現したことから,1km 解像度においては被害額の 生じなかった地域に 250m 解像度の場合被害額が生じて いた.このように被害額が大きいメッシュが高解像度化 しても残されるケースや,高解像度化により新しく被害 額の生じるメッシュが出現するケースが他の被害額が増 加した県においても見られた. これらの原因について, 土地利用の面から考察する. 高解像度化に伴う土地利用の変化を見るために図-6 を示した.高解像度化により被害額が減少した香川県に おいては土地利用を高解像度化すると河川・湖沼の土地 利用が多くなる.小さい河川やため池が多いことからも この変化は想像できる.河川・湖沼は被害額を計上しな いため被害額が減少したと考えられる.一方茨城県にお いては居住地が事業所のメッシュへと数多く変化してい る.被害額計算において居住地よりも事業所の方が 1 メ ッシュあたりの被害額が大きいことが多いと考えられる 表-2 解像度による年期待被害額の違い 北海道 769 614 -20.1 富山県 73 61 -16.4 鳥取県 74 82 10.4 青森県 139 130 -6.5 石川県 148 117 -20.9 島根県 146 159 9.4 岩手県 90 80 -11.7 福井県 199 194 -2.3 岡山県 457 353 -22.8 宮城県 285 257 -9.9 山梨県 128 161 25.7 広島県 809 574 -29.1 秋田県 83 98 17.7 長野県 197 206 4.7 山口県 605 353 -41.6 山形県 26 25 -4.4 岐阜県 481 484 0.6 徳島県 90 85 -5.7 福島県 464 289 -37.8 静岡県 773 656 -15.2 香川県 152 81 -46.7 茨城県 311 399 28.2 愛知県 1095 908 -17.1 愛媛県 291 211 -27.7 栃木県 81 94 16.1 三重県 325 296 -9.0 高知県 193 125 -35.2 群馬県 120 109 -8.7 滋賀県 28 24 -12.4 福岡県 868 751 -13.4 埼玉県 807 786 -2.6 京都府 290 223 -23.2 佐賀県 125 140 12.0 千葉県 390 334 -14.4 大阪府 1016 883 -13.0 長崎県 209 126 -39.5 東京都 1055 897 -15.0 兵庫県 500 489 -2.4 熊本県 300 374 24.5 神奈川 762 592 -22.3 奈良県 94 106 12.0 大分県 200 176 -12.3 新潟県 186 214 15.5 和歌山県 166 104 -37.4 宮崎県 164 145 -12.0 鹿児島県 368 331 -10.3 合計 16134 13895 -13.9 1km解像 250m解 像度 高解像度化に 伴う被害額の 変化率(%) 年期待被害額(億円) 1km解像 250m解 像度 高解像度化に 伴う被害額の 変化率(%) 1km解像 250m解 像度 高解像度化に 伴う被害額の 変化率(%) 年期待被害額(億円) 年期待被害額(億円) 図-3 異なる空間解像度による長野県における再現期間 100年の最大浸水深の違い

(6)

ため,被害額の増加につながったと考えられる.

6. GCM による影響と解像度による影響の比較

4.に示したように,GCM 間の年期待被害額のばらつ きの大きさは標準偏差を見ると RCP2.6 シナリオにおい て 507 億円,RCP8.5 シナリオにおいて 680 億円である. 各シナリオの平均年期待被害額に対するこの標準偏差の 割合はそれぞれ 3.56%と 4.70%である.一方,5.より異 なる解像度による年期待被害額の差額は 2239 億円であ る.1km 解像度と 250m 解像度の年期待被害額に占める この差額の割合はそれぞれ 13.9%と 16.1%である.先に も述べたように GCM による不確実性が及ぼす影響が議 論されている.本研究においても,使用 GCM によりシ ナリオ間の洪水被害の傾向の逆転が見られ,この不確実 性を無視できない.しかしながら解像度の違いによる被 害額の差額はさらに大きいオーダーとなる.故に空間解 像度の方が GCM よりも大きな影響を及ぼすと言える.

7. 結論

本研究より以下の結論が得られた. 1) 6 つの異なる GCM を用いて推定された日本全土に おける洪水による年期待被害額の標準偏差は,2050 年期 RCP2.6 シナリオにおいて 507 億円,2050 年期 RCP8.5 シナリオにおいて 680 億円と推定された.こ れらが年期待被害額に占める割合はそれぞれ 3.56% と 4.70%である. 2) 空間解像度を 1km から 250m に高解像度化する場合 2239 億円の差額が生じる.この差額が年期待被害額 に占める割合は 1km解像度において 13.9%,250m解 像度において 16.1%である. GCM を用いて洪水被害を推定する際には,GCM の不 確実性に十分留意する必要がある.しかしそれ以上に解 析の空間解像度に留意する必要が本研究により示された. 図-4 香川県における年期待被害額の分布 図-5 茨城県における年期待被害額の分布 図-6 土地利用分布 (左)香川県 (右)茨城県

(7)

謝辞:本研究は,気候変動適応技術社会実装プログラム (SI-CAT)と(独)環境再生保全機構の環境研究総合 推進費(S-14),学際大規模情報基盤共同利用・共同研 究拠点,および,革新的ハイパフォーマンス・コンピュ ーティング・インフラ(課題番号:jh190014)の支援に より実施された.本研究の公表について澤本正樹研究発 表奨励金の援助を受けた.また,本研究の計算結果の一 部は,東北大学サイバーサイエンスセンター大規模科学 計算システムを利用して得られた.加えてプログラムの 高速化および並列化にあたり,同センター関係各位に有 益なご指導とご協力をいただいた.ここに記して,感謝 の意を示す. 参考文献 1) 環境省:IPCC 第 5 次評価報告書の概要-第 1 作業部 会(自然科学的根拠),p.40,2014.

2) S. Tezuka, H. Takiguchi, S. Kazama, A. Sato, S. Kawagoe, R. Sarukkaliged : Estimation of the effects of climate change on flood-triggered economic losses in Japan, Inter-national Journal of Disaster Risk Reduction, Vol.9, pp.58-67, 2014. 3) 秋間将宏,風間聡,小森大輔:再現確率にもとづく 洪水氾濫・高潮複合災害潜在被害額推定,水工学論 文集 B1(水工学),Vol.72,No.4,pp.I_1267-I_1272, 2016. 4) 田中裕夏子,風間聡,小森大輔: 洪水・高潮複合災 害リスク評価, 土木学会論文集 G(環境), Vol.74, No.5, pp. I_257-I_264, 2018.

5) Andimuthu Ramachandran, Kandasamy Palanivelu, B. V. Mudgal, Anushiya Jeganathan, Sankar Guganesh, Balu Abinaya, Arunbabu Elangovan : Climate change impact on fluvial flooding in the Indian sub-basin: A case study on the Adyar sub-basin, PloS one, 2019

6) Knutti, R., G. Abramowitz, M. Collins, V. Eyring, P.J. Gleckler, B. Hewitson and L. Mearns (2010) Good Practice Guidance Paper on Assessing and Combining Multi Model

Climate Projections. Meeting Report of the Intergovern-mental Panel on Climate Change Expert Meeting on As-sessing and Combining Multi Model Climate Projec-tions.IPCC Working Group I Technical Support Unit, Uni-versity of Bern, Bern, Switzerland. 13pp.

7) Uttam Ghimire & Mukand S. Babel & Sangam Shrestha & Govindarajalu Srinivasan:A multi-temporal analysis of streamflow using multiple CMIP5 GCMs in the Upper Ayerawaddy Basin, Myanmar, Climatic Change, Springer Nature, Jan 1, 2019

8) Ranjan Rajeev, Thakur Praveen K, Aggarwal S. P., Nikam Bhaskar R., Garg Vaibhav, Chouksey Arpit, Dhote Pankaj: Flood Simulation and Inundation Modelling Using Hydro-logical Model and HAND Tool for Jhelum River Basin, 42nd COSPAR Scientific Assembly. Held 14-22 July 2018, in Pasadena, California, USA, Abstract id. A3.1-49-18. 9) 谷口健司:アンサンブルシミュレーションと擬似温 暖化手法による特定の気象イベントの将来変化の推 定,土木学会論文集 B1(水工学)Vol.72, No.4, p. I_43-I_48, 2016. 10) 西森基貴・石郷岡康史・桑形恒男・遠藤伸彦・飯泉 仁之直・雨貝裕介(2017):日本における影響評 価・適応研究のためのメッシュ気候シナリオデータ セット群について,日本農業気象学会 2018 年全国大 会. 11) 田中裕夏子・風間聡,多田毅,山下毅・小森大輔: 二次元不定流モデルの高分解能化による日本全国水 災害リスク評価,土木学会東北支部技術発表会, II-40,2019. 12) 国土交通省河川局:治水経済調査マニュアル(案), 106pp,2005. 13) 国土交通省:河川砂防技術基準計画編,基本計画 編第 2 章, https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/gijutsu/gijutsu kijunn/keikaku/pdf/2-2_g.pdf

THE EFFECTS OF GCMs AND SPATIAL RESOLUTION

IN THE ESTIMATION OF THE FLOOD DAMAGE

CAUSED BY CLIMATE CHANGE

Tao YAMAMOTO, So KAZAMA, Yoshiya TOUGE, Yukako TANAKA,

Tsuyoshi TADA and Takeshi YAMASHITA

In the estimation of flood damage over the whole of Japan using a two-dimensional unsteady flow model, we compared the difference between the fluctuation of the damage cost when using multiple GCMs and the using different spatial resolutions. The standard deviation of the damage amount was estimated to be 50.7 billion yen in the 2050 RCP 2.6 scenario and 68.0 billion yen in the 2050 RCP 8.5 scenario for 6 different GCMs. The ratio of this standard deviation to the annual expected damage is 3.56% and 4.70%, respectively. On the other hand, when the spatial resolution was changed from 1 km to 250 m, the annual expected damage decreased by 223.9 billion yen. The ratio of this difference to the annual expected damage is 13.9% at 1km resolution and 16.1% at 250m resolution. It was suggested that the effect of spatial reso-lution should be more important than the uncertainty of GCM for the estimation of damage cost.

(Received May 31, 2019) (Accepted August 7, 2019)

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