• 検索結果がありません。

〈判例研究〉一、民法第七八五條と詐欺による認知の意思表示の取消の可否 民法第七八六條の「その他の利害關係人」の範圍 二、賃貸人の承諾のない轉貸借と賃貸人の所有權に基く返還請求

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "〈判例研究〉一、民法第七八五條と詐欺による認知の意思表示の取消の可否 民法第七八六條の「その他の利害關係人」の範圍 二、賃貸人の承諾のない轉貸借と賃貸人の所有權に基く返還請求"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

鋼例 研 究

六四 / ’

穿

西

民法第七八五條と詐欺による認知の意思表示の取留の可否

民法第七八六條の﹁その他の利害關係人﹂の範圃

 昭和二六年一月三一日十号︵金澤地方裁到所昭和ご四年目タ︶第 五号、嫡出子否認事件︶下級裁判所民事裁判例集第二谷第一号一 〇五頁以下 棄却 ︹事實︺ 原告は被告A子が原告の子でないことを確定する判決 を求めその請求原因として、昭和二三年五月上句頃被告B子︵A 子の母︶と肉丁寧係をしたところが同年一〇月二〇型破告B子は 原告の子を懐妊して既に六ケ月Hの身重であることを訴えた。 原告は被告B子に他に肉体關係なきやを問い翻したが被告は否定 し、原告は信用することが出麗なかったが一景その場を繕うため に同年一一月三日結婚式をあげて伺被告と婚姻の予約を嘉し、爾 來原告宅で同棲した。ところが同被菖は同縷十数日にすざないニ ニ日護育良好な被告A子を分娩した。原由は事の意外に驚いた が、.被告B子の父母も亦被告A子が原告の子であることを強調し てやまないので原告は被告A子が月足らすで生れた原告の子であ ると誤信し、同年一二月二日被告B子との婚姻屈をすると共に被 告A子を原告の子として屈出たものである。しかし被告B子が昭 和二三年五月上句原告と肉体關係をした際直ちに受胎したとして も同日より被告A子潟生迄に二百日も純過していないのに被告A 子は意外にも成熟見として生れたこと、および其の後の調査によ b被㌫B子は他の男とも情交關係あり被告A子は原倍の子ではあ b得ない。然るに原告は被酋B子およびその父母の虚言により被 告A子を原告の子であると誤信したため認知したものであって、 すなわち右認知は被告B子等の詐欺によりなされたものであるか ら本訴において之を取擁す、從って右認知は効力を失なったもの で、原告は被告A子が原告の子でないことの確認を求めるた珍に

(2)

本訴に及61だと陳漏し、被告の抗弊に聾し民法第七八五條の規定 は環疵あ都意思表示には適用されないから被4,口番の詐欺によも錯 誤に陪2.原㌫のした認知は民法第九六修により坂濡しうべきも のであると主張した。之に蓋し吉言の愚筆は原告は被告A子が昭 和二三年一一月二ご日出生したのに⋮騙し、同年一二月二日その出 生屈をしたのだから、民法第七七六條によりその否認灌を喪失し ている。從って本訴請求は不適法として却下せらるべきものであ ると述べ、本案について、被告A子は早生児としτ分娩したもの で、比較的榮養良好であっカため、原告は被告八子が自分の子で ないと疑ったのだが面相判明し、自己の子であることを了解した ので婚姻屈並びに出生属を了したものであって、要するに被47口A 子は原告の子であり、假りに原告の子でないとしても、原信の取 潰の意思表示は民法第七八五條に抵解するから、坂清の意思表示 はできないものである。原告の本訴請求は失當呑あると云うにあ る。  唱 ︹判決理由︺ 判示事項一、 ﹁原告は昭和二三年=一月二日被告 A子を自己の子として認知したが、被菖A子は原告の子でないこ と洵に明白である﹂とし﹁しかしながら、詐欺による意思表示は 民法第七八五條の規定に拘らす民法第九六條により坂り漕し得べ きものと解するを相當とするが.原告のなした前記認知は原告が 被告B子等の詐欺により錯誤に階り、被告A子を自分の子である と誤信したためなされたものであるとの原告主張事實について

到例’研究

’ は﹂証人、原告本人尋問の結果﹁これを確信しがたく、他に該主 張事實“∼認めるに足る何等の証擦もない﹂。却って原品ロは被甘口A 子が﹁自分の子たることに’ン大の疑惑をいだきつ、敢えてこれを       ’ 自分の子として出生届をしたも02で、何等錯誤により自己の子で あると誤信したために認知するに至ったものでないことが認めら れる。鞭って原告の認知取消の意思表示はその効力なく、右取潜 を前提とする本訴請求は理由がない。到示事項二、尤も認知され た子たる被告A子又は認知した原告の父母兄弟等の近親者は、利 害關係人として認知に反濁の悪馬、すなわち被菖A子が原告の子 一.、ないことを主張しその旨の確認を求めうることは、民法第七八 六條の規定より明らかなところであるが、認知をした父たる原告 ば同門にいわゆる利害關係人に該零しないことは、同法第七八五 條の規定の趣旨に徴して疑ないところである。從って、原告の請 求が、古品が虞實に反することのみを理由として民法第七八六條 により被4.口A子が原告の子でないことの確認する趣旨であるとし ても、認知者たる原告自らがその旨の確認を求めることは失當で ある﹂として原告の本訴請求を棄却した。 ︹参照言文︺ 民法第七八五條、第七八六條。 ︹研究︺ 一、民法第七八五條︵藤八三三條︶の﹁認知をした父又 は母は、その認知を取り消すことが出來ない﹂との規定について 從來ニツの説がある。一ツは穂積博士によって代表される。博士 六五

(3)

判例研究

は﹁尤も認知が詐欺又は強迫によってさせられた場合には、第九 六條の坂消が行われ得る﹂とされ、つ冒いて﹁認知が間違って・居 た、即ちそれがやはり自分の子ではなかった、という理由で取滑 すことは田來ないのである。其場合は第九五條の﹃要申系ノ錯誤﹄ だと言う論も立ち得るが、其人を認知しようと思ったことに間違 があっても、第九五條の通説的解羅によればそれは錯誤にはなら ないと云うことになる。しかし認知が事實に反したことが明白で あっても認知者は如何ともなし難いと云うのは甚だ不條理なこと であって、却って認知制度の根本精⋮紳に反する故、立法論として は再考を要する﹂と説かれる︵穗積電畜親族法四五八頁︶ ︵親族法改正要綱第二〇には、H、子ノ認知ヲ爲シタル父又ハ母 型反封ノ野口ヲ知りタル時又ハ認知ノ畔ヨリ加畑箕シ一︷疋ノ期㎜圓内 二其認知ヲ︸取上網スコトヲ得ルモノトスルコト○口、子茸ハ他ノ利索n 閾… W⋮入ノ認知ノ虹⋮効又ハ胴取潰ノ宝張二付テハ革剛敵二準スルモノト スルコトとしていた︶ ︵大審院も亦、民法第八三三條ハ認知ヲ爲 シタル二叉ハ母ハ其認知ヲ一双消スコトヲ得スト規定シ又認知ンタ ル父三岡母ハ任幽思二黒パ認知ヲ坂溝スコトヲ得スト爲スト同時二﹄誌 知力僑隅實畠反スルノ細軌ヲ以テモ瓦之レヲ︸取沿網スコトヲ得サルモノ トナシタリ從ッテ同日⋮ハ認知ヲ鴬シタル父羽Xハ母二虻ハ認知力帯實 二反スル理由ヲN︹テ甘 へ笹⋮効ナルコトヲ劇烈張スルコトヲ許ササル趣 旨ナリト解スルヲ嬉ヘシー大正一一年三月二七日一と解して        あ  む  む  も  し  セ  ね 從テ同工ハ鞠認知ヲナシタルハ叉重斬母︸二茸ハノ認知ヵ重工嗅二反スル事 や  し  も  も  あ  し  し  ゐ  も  も  へ  し  も  も  も  へ  も  を  セ  も  も 由ヲ以テ虻ハノ鉦⋮効ナルコトヲ主張スルコトヲモ許ササル趣旨日ナリ 六六 ト解スルヲ得ヘシ。五罪レー・モ子且ハノ’・他ノ利害關係粗削認知二饗シ テ反封ノ宙亨實ヲ主張ン得ヘキコト同法第八 二四條ノ定ムルトコロ ナリ、而シテ認知ハ或私生子ノ事面上ノ父タル者又ハ母タル者ヵ 之ヲ承認ンテ法律上ノ網親子閾剛係ヲ護生田シムル行爲ナレハ、認知 ニヨリ法律上ノ親子關係ヲ獲生スルニ臨画甲實上江タル者嚇Xハ母タ ル者二於テ之ヲ爲スコトヲ要シ、然うサル場合=於テハ認知ハ其 ノ効力ナキモノナルヲ以テ、子其ノ他ノ利害關係人ハ認知力眞實 二反スルノ事由ヲ以テ共ノ無効ナルコトヲ主張スルコトヲ得ルモ ノト爲ササルヘカラスとする1民集一巻一五三頁︶ ︵梅博士は ﹁認知ハ人ノ身分ヲ定ムルモノニシテ最モ雷肌大ナル行旙卜瑚嗣ハサ ルコトヲ⋮得ス、鍛醐ル昌父又ハ母甲一算々シク認知ヲ爲ン復無二之ヲ 一蹴漕ス事ヲ得ルモノトセハ梵ハ認知セラレタル者ハ勿論且ハ他ノ利宋口 關係入二士ルマテ少ヵラサル損害ヲ受クルコトナシトセス故二一 旦一認知ヲ鴬シタル 以上ハ後日ナ︷ヲ一取消スコトヲ一得サルモノトシ之 二因リテ⊥31法者ハ輕輕認知ヲナス者ナヵランコトヲ期せリ而ンテ 實際引墨テハ私生子ノ認知一翼クハ之ヲ爲ス者ノ爲メニ恥辱タル ヘキモノナルヵ故二眞二親子ノ關係ナキ者ヵ渦⋮チテ認知ヲ爲スカ 如キコト口吻メテ稀⋮ナルヘク蛙ハ之ヲ取急サント欲スルハ多クハ一 時良心二騙ラレテ認知ヲ爲ンタルモ後日自国ノ檀利ノ爲メニ其認 知ノ不利釜ナルコトヲ轡調リテナーヲ一取冶燭サント欲スル者ノミ法律ハ 豊山二此ノ加四キ不徳曲我ヲ許スヘケンヤ、叉假棒裁∼チテ認知ヲ爲ンタ リトスルモ日疋レ白蝦︹ノ疎漏ノ結印不ニンテ復何人ヲモ答ムルコト能  ハス而ソテー十茸ハ他ノ利隼口閲⋮係入ハ認知ヵ已一一利アラスト伽認ムルト し

(4)

‘ キハ次條ノ規定二依リ反封ノ事實ヲ宅張スルコトヲ得ルカ故=比 等ノ温帯ヲ鴬ロスルノ鷹ナキナリ﹂一民法要紫黒親目凹侑欄一一六七百執1 とせられ﹁其之ヲ個取冶旧サント欲スルハ多クハ一時白κ・心入駆ラレテ 認知ヲ爲シタルモ後日自已ノ描惟利ノ爲上口註ひ認知ノ♂小利釜ナルコ トヲ醐覚リテ之ヲ胴取清サント欲スル々着ノミ法律ハ豊見二此ノ期キ不徳 義ヲ許スヘケンヤ﹂との点は後説中川説に似たるも﹁十二過チテ 認知ヲ爲シタリトスルモ日疋レ自己ノ疎幌欄ノ結旧木口シテ復何人ヲモ 替ムルコト能ハス﹂と説かれる点において穂積説と軌を一にす る︶︵菅原博士は、﹁吾人ノ潮ル無二依レハ、第八=讐二條二所謂       も  も 坂潰ハ固有ノ意義甘辛ヶル取登口非スシテ撤回ヲ意味シ同條ハ認 知者ハ認知ヲ撤胤凹スルコトヲ但吋スト定メ、助鱒知者力一亘認知ヲ爲 シタルトキハ後日之ヲ撤回シ認知ノ効力ヲ純幼ヶルコトヲ得サル旨日 ヲ一号ンタル画図キス。認知ハ認知者ノ開軍掴掬ナレハ﹂任出息二撤回ス ルヲ一得スヤトノ疑ヲ生スルコトナキヲ保ン凱難キカ故昌此ノ規定ヲ 軸醸 Pタルモノトス。黒戸同筆ハ、認知船着ハ佃取疵アル鳩凋ムロニテモ絶 ⋮封二認知ヲ坂越スコトヲ但阿サルモノニアラス。認知ハ⋮槻A忍表一ホニ、 シテ咄野田心電藝ホニアラサレハ、邪附田心衷一爪二關スル総則編⋮ノ姐W定ハ認 知ニハ直接規由疋ナキモ、認知ハ↓内心的乱撃ノ士蒸規ナル占⋮二於テ墨 田心事各爪ト丑ハ涌淵ノ性質ヲ有スルヵ故二、出息出心ψ衣一院一樹スル総則編ノ 規宗︷ハ牲質﹁ノ許ス限り動㎜㎞甜廿モ准㍗用芸矧クハ類椎吊滴二上ヲ生ス。⋮從テ 例ヘハ、若シ認知力他人ノ詐欺二丈リ爲サレタルトキハ、第九 六條ノ進・贈号クハ類椎︸滴帽用二依リ認㎞川直門認知ヲ一取消スコトヲ 得﹂。f民事判例身動一雀三五〇頁1とし民法絡則の規定を

判例研究

準用又は類推適用して取清を宅体し得るものと解している︶ ︵取 潰を撤同の意とする結果、仁ヰ田博士も亦、 ﹁私生子ノ認知ヲナ ンタル父又ハ母語茸ハ認㎞用ヲ一取滑スコトヲ得サルモノト定ムルトキ ハ輕忽口置へ認知ヲ爲スコトナキ日日ラン且疋レ認知ノ取清即チ認知 ノ一息田心蓑一爪ノ撤一三ヲ爲スコトヲ一得サルモノト定メル所以ナリ﹂

一f親族相糟論二二九頁一とされる︶爾、野上教授親族法

三〇四頁。  他は中川善之助教授に依って代表される。教授は身分法學︵一 七五頁︶、日本親族法︵一︻二一頁以下︶手隙一貫して反勤の見解 を主張される。 ﹁認知は取摂すことが出塁るか。民法は認知は坂 潰しえないものと毒針しているが、これは詐欺強迫の如き、 一般 に坂戸原因と見られるような事實がある場合でも、認知は取潜し えないという意味か、それとも、取漕原因のある外合の取漕を禁       ミ する趣旨ではなく、たゴ恣に撤回するをえないという意昧に止ま るものか。學読の多くは後者をとるσしかし、私はそうでないと 思う。たとえ詐欺強迫によってなした認知でも︾筍くも認知して         も  セ  も  セ  も  も  し  し  ね 親子となった以上、絶樹に取回しえないという意味だと解すべき である。かく解してこそ本條の倫理的意義は高められるのであ る。撤同を許さないと云うだけの意味ならば、殆んど不要に近い 規定となってしまう。  私の見解に聡して疑濯を抱く人は、詐欺または強迫によって、 他入の子を己れの子として認知させられた者の場合を想像し、か ∼る認知が坂消しえないのは不都合ではないかという。しかしこ       六七

(5)

判例研究

れは私の説を誤解するものであるQ      ・  子でない者を、子として認知した場合は、詐欺とか張迫とかの 事實がなくとも、まの認知は質實に反するものであるから無効で ある。か、る認知に蒸しては無効の主張をなすべきであって、取 滑をすることは不要であり、不能である。從って私の説によって も、強迫されて、他人の子と知りつ、認知の屈出がなされたよう な場合、その認知者は七八五條の認知三王禁止の規定によって何       も  も  も  り  も  も の痛痒をも感じないことになる。これとは蓮って、自分の子であ り  カ  セ  も  し  わ  も  し  へ ることを知りながら、認・知を免れようとする卑劣な父に封し、誰 かゴ詐欺または強迫によって認知をなさしめたような場合、即ち       も  も 詐欺強迫によってなされた認知であることは事實であるが、認知 た  ね ね し  コ む  も も も  し も も ヘ へ も も も も へ も  も も も も も  も 者は再認知者の父であることも事實であるという場合には、父は もはやその認知を取治しえないのである。これが七八五條の唯一 の正しい解繹だと私は確信している。  從って私は、民法上に認知の坂澄なるものは絶⋮封になく、人事 訴訟手績法が認知取清の訴なるものがあるかの如き口吻をもらし ていることは︵人訴二七條、三二條三項︶不注意による過誤だと 思う﹂とされ︵民法大意一〇一頁以下︶、﹁もし強いて、何庭がに 認知に汚する二言の訴を見出さなければならぬとしたら、それは 任意の認知にはなく、裁勃認知の再審に於ける取溜の訴としての み可能なりというの外はない﹂ ︵日本親族法 三一二頁︶と室張 される。糠⋮積説が多籔であったようであるが現在では多くの學者 がこの設を採る︵柚木馨親族法、一七九頁一、﹁筍もその認知が       六八       ゐ  セ  セ  カ  の  も  の  セ  の  も  も  り  わ  カ 事實に合し、暖實親子閣係が存する場合には、たとえその他の点 で認知に錯誤がありも或は詐欺・張迫に基いても、民法総期の規 定によってこれを無効とし、または取浴し得べきものではあるま い︶ ︵中川善之助監修 解註 親族法がこの読を探るのは言わす もがなである。 ﹁事實上の親子開毛が存在すれば、その認知がそ の点以外に於て錯誤があろうが、詐欺・強迫に基こうが、全て取 り浴すことができない﹂ ﹁詐欺・強迫によって己れの子でないも のを認知した場合も、その父母は之を取り潰すことが出來ない か。これは坂消の胸題でなく、認知無効の問題である﹂同書一八 五頁一六頁︶ ︵青山道夫身分法概論 一五七頁︶ ︵谷口知雫親          族法 八五頁つ認知をした父又は母はその認知を坂清しえない。 これは一度量子であると認めて屈出られて後、やはりそうは思わ       し  し ぬからやめにするというようなことはいえぬという意味で、眞實 セ  も  も  ね  も  し  も  も  も  む       む  も  も  へ 子でなかった場台は當然に無効として認知無効の訴を宿し得るも のと解すべく、なお心神喪失申の認知差口は詐欺強迫による認知 届の効力については無効取溝を認める読もあるが、親子たる事實 の存する限り一度は取潰をしても認知の訴が認められるのだから 取潰無効を主張しえすと解するのが簡軍ではないかと思う﹂︶︵川 島・下々・磯田 家族法講和 一四八頁﹁のみならす實の親子で ある”上は、そうであっても認知したくないところだったのに、 詐欺にか、つてまたは強迫されて、つい認知してしまったのだか       し  も ら取消にしてほしい、というようなこともだめである。たy實の セ  も  も  も  う  も  セ 親子でなかったという反勤の事賓がめれば、いくら認知しても認

(6)

  知は無効だから、そのことの宅張は認知者自身にも許される﹂︶   ︵角田幸吉 日本親子法論 三〇四頁以下 ﹁民法埋由書をみれ   ば﹃認知ハ父又ハ母力私生子ヲ自己ノ子タル事實ヲ承認スルモノ   ナルカ故二一旦認知ヲ爲シタル以上ハ其販潰ヲ鶯スコト能ハサル   モノトス然レトモ認知ハ箪濁音爲ナルカ三二自由国籍取滑ヲ鱈ス   コトヲ得ルモノニ非サルヵノ疑ヲ生スルヘク是レ本條ノ規定ヲ設   ケタル所以ナリ﹄としている。この点からのみ観察するならば、   菅原博士が論ずる如く﹃⋮⋮柚臥二乗條ハ、認知者ハ蝦疵アル場合   ニチモ絶土層飴認知ヲ甲取滑スコトヲ得サルコトヲ定ムルモノニアラ   ス﹄としたのは正當であるが如くにも考えられる。だが静かに考   えれば⋮⋮⋮民法総則の規定を適用し、認知の無効取澗を認むべ   きではないと考えられる。例えば詐欺強迫を原因として認知の取   滑を鴬すも、その子は賓二上、その戸長は母の子なるときは、倫  ・認知の義務を負担すべく、﹃子、其直系卑隔又ハ此等ノ者ノ法定 、 代理人﹄は父又ば母に補して認知の請求を爲すことが趨來る。さ   ればその認知の坂漕は結局無意義となるべく、徒に子の身分關係   攣動をせしめ複雑ならしむるにとゴまるからである。﹂﹁しから   ば、自分の子にあらざる子を認知したるときは−如何。この点は多   くの反勤論の存するところであるが、私は認知は已の子を己の子   なりと承認する行爲であると考えるから、その牲質上、事實に反   する認知は無効であると解せねばならぬと信ずる。そのことは封   側四も﹃︷畢一口上父二九非サル者ヵ石台私生子トシテ認知スルコトハ漉仏律⋮   ノ許容セサル所ナルヲ以テ事實上ノ父二非サル者ヵ其私生子トシ

到例 研究

テ爲シタル認知ハ常温無効ナリトス﹄として肯定しているところ 丁﹂ある﹂︶O  以上爾読の何れを探るかに依って常判決への見解も自ら異なる であろう。照隠決は前説においてあげた大正一一年三月二七日の 大審院用向をそのま、撮れる62.、ある。﹁すなわち原銭は昭和二.       も  も  し  セ 三年=一月二日被告A子を自分の子として認知したが、被告A子 り  む  し  セ  も  も  も  も  む  も  も  も  の  し  も  も  も は原告の子でないこと洵に明白である。しかしながら、詐欺によ る意思表示は民法第七八五條の規定に拘らす民法第九六條により 取り摩し得べきものと解するを相常と﹂し﹁尤も認知された子た る被告A子文は認知した原告の父母夏帯等の近親者は、利害關係 人として認知に反封の事實、すなわち被告A子が原告の子でない ことを目張しその旨の確認を求めることは、民法第七八八條の規 定より明學かなところである﹂とする。私は後立を以て正贈とす るから、判決が言う如く﹁波告A子は原告の子でないこと洵に明 白であって﹂認知者と被認知者の聞に親子の血縁が存在せない場 合は認知無効の周題であって取滑の問題ではないと思う。認知と 云うのは﹁事聖上の親子懸濁がある者が、法律上の親子關係斉稜 生せしめようとする手段であつく、事實の承認にすざないからで ある﹂。即ち中川教授も云われる如く詐欺とか張迫とかの事實 がなくても、その認知は暴君に反するものであるから無効なので       も  も  う  も  し  し  セ  セ  し  も  も  も ある。認知者は雪嵐知者の父である.﹂とも事實アあるという場 合にぱ、父はもはやその認知を鍍消しえないのである。判決は 又﹁被4.口B子及びその父が⋮⋮⋮被告A子が自分の子たることに 六九

(7)

到例研究

多大の疑惑をいだきつ、敢えてこれを自己の子として出生届をし たもので、何等錯誤に依り自己の子であると誤信したために認知 するに至ったものでないことが認められる。從って原告の認知坂 滑の意思表示はその効力なく、右三具を前提とする本訴請求は理 由がない﹂と云う。角田教授は﹁己の子にあらざることを知りなが ら、敢てこれを認知したる場合に於ても、なおその無効をt張し 得るであろうか。私はこの間に呈して認りと答えるのである。か く言わば或は﹃嘘言を吐くな、われわれはわれわれの.習動に信ある ものたらしめねばならぬ﹄とする禁反言則募8﹂さ9に反するでは ないかと非難するものがあるかも知れない。もとより、疇言はこ れを許すべきではない。そのことは身分上の歌聖たると財産上の 行爲たるとによりて異にすべきではない。だが、禁反言則け取引 の迅⋮速と男爵とを保護せ61がために認めたものであるから、親族 法の領域に嘗てはこれを適用すべきではないと考えられる。蓋 し、親族法上の法律行爲は事忌を事實として取扱うところに、よ くその間の圓重なる生活秩序の維持が行なわれるからである﹂ ︵日本親子法論 三〇七頁︶と云われる。教授ぱ開謡8℃℃気の理論 を持ち出されているが、敢えて持ち冒す必要もなく、身分法の特 殊性から遇失、無過失や善意、聞賭を問わす﹁事實が事實として 最扱われる﹂のである。從って工芸が﹁敢えてこれを自己の子と して﹂認知をしたからと云つで判決の如く解すべきではない。 昌、次に判決は﹁認知をした父たる原告は同條一1民法七八六條 一にいわゆる利害關係人に該冠しないことは、同法第七八五磯 目〇 の規定の趣旨に旨して疑ないところである。從って、原告の請求 が、認知が眞實に反することのみを理由として罠法第七八六條に より被告A子が原告の子でないことの確認する趣旨であるとして        も  カ  も  も  も も、認学者たる原黒鴨らがその旨の確を求めることは失常であ る﹂とした。果して判決の云う如く、事實に反する認知の無効を 認知者みすからは宅虚し徳ないであろうか。判例は從爽本條の利 害關係人中には認知者を含ますとした︵﹁民法第八三四條ノ利害 關⋮係人孟甲ニハ認知者ヲ餉]含セサルモノトスi明漕四二年︵タ︶一 五号、大阪地方裁判所﹂。﹁筍モ一旦私生子ノ認知ヲナシタル父又 ハ母ハ後日︸反⋮封ノ宙Ψ毎貝二基キ晶騨キニ鴬ンタル認知ノ証⋮効ハ自ラぬ王 張スルヲ得サルモノナルコトハh民法力其笛即八ご質上訴二漏於テ認知ヲ 鵜ンタル父又ハ母ハ其認知最婆・トヲ得サル旨・規定ン次條 二二テ子其他ノ利害關係人ハ認知二封ン反封ノ弾器ヲ須田ン得ヘ キ旨ヲ特二規定セル法意二黒シ疑ヲ入レサル所ナリトスー−大正 八年五月六日、長崎控訴院﹂。﹁民法第八三四條一一所謂認知二封シ 宅張スヘキ反封事實トハ認知其レ自体力本間實親子關係ヲ認ムト 言フ黄漆二湯スル反証即チ實親子二非スト言フ事實ヲ指スモノト 解スルヲ相當トス右同條ノ利害關係人申ニ一著知者ヲ包含セ号ル モノトス﹂ 1法律新聞⋮ 五九六聞万一四[︶ ︵仁井田川繍酎士  親晶族相 縛…@ 二三〇百ハ﹁私生子ノ認知ヲ鴬シタル父叉ハ母田無⋮封ノ山畢⋮貫 二基キテ白Hラ認知ノ鉦恥効ナルコトヲホ土張スルコトヲ復胃ス具凡レ第八 三四條二於テ子其他ノ利害關係長ヵ認知一一覇ンテ反町ノ事實ヲ主 張スルコトヲ得ヘキ旨ヲ特ユ規定セルニ依リテ自ラ明ナル所トス

(8)

A’超右シ私生﹁十ノ認知ヲ爲シタル父又ハ母カ一反⋮封ノ竃丁實二其鮒キテ︷日 ラ認知ノ鯉⋮効ナルコトヲ山鈴張スルヲ川得ルモノトセハ輕勿?二私生子 ノ認知ヲ鶯ス者アルニ至ラン是レ私生子ノ認知ヲ鴬シタル父叉ハ 潮力H反⋮封ノ由畢耐二二其蝉キテ白Hラ認知ノ鉦⋮効ナルコトヲ裂毛スルヲ得 サルモノト定メタル所以ナリ︶。これに封し一の後説を探る三者 は殆んど皆認知者自身も利害關係入の中に加えてよいとする。 ﹁蓋し詐欺・強迫により直實に非ざる認知をなした者も、その認 知の無効を主張し得ないとすることは、余りにも人情に反する許 りでなく、認知の無効と、父母に坂消灌がないこととの概念の混 乱といわなければならないからである﹂ ︵中川善之助監修 註解 親族法 一八八頁︶文﹁第八三.二條は認知者はその無効をも主張 することを得すと規定していないからである﹂︵角田勲授前掲書 三〇七頁︶。現今の通説に從い認知者も認知の無効を宝張できる ものと解すべきである︵前述の如く親族法改正要綱第二〇はこの ことを明言する︶〇 三、被告訴訟代理入は﹁民法第七七六條によりその否認膣㍗.喪失 したものである﹂乏抗書しているが、七七六條は嫡出子否認︵七 七二條︶に關することでこ∼での問題ではない。認知が事實に反 するときは、入事訴訟手適法第ご七條に從って認知無効の訴によ ってのみなすべきであるが、家庭裁判所が合意に相常する審到を なすことは妨げない︵家審法 二三條︶。又新戸籍送辞六二條に ついて新戸籍法は手口戸籍法の後段のみを承寵したから、父が出生 と共にこれを認知せんとするときも、ます母が非嫡措子出生屈を なし︵戸籍法五二條二項︶、然る後に父が認知届を熟す︵戸籍法 六〇條︶の他に途がないが、次の腺に解されている﹁周知のよう に、夫が妻以外の女との聞の子を妻との間の子として嫡出子生の 届出をしたときには、その届出は認知製出の効力をもつものと解 義されていた。これは、奮戸籍法八三條前段の規定の類推解輝で あった。この前段を削った新戸籍法の解繹としてはどうであろう か。同一の結果を認めてよいと思う。何故なら、右の類推解緯 は、嫡出子蘇生の屈出をする者は、少くとも自分の子であること を認める意思のあることは翼然であり、また嫡禺子娼生の届出を 認知屈出に流用しても格別不都合はないという實貿的理由による ものであって、奮戸籍法八三條前段の規定がなくとも、この解繹 は成立するものだからである﹂ ︵我妻榮 改正親族相績法解説 八二頁︶。 ︵傍点は凡て筆者︶。

二 賃貸人の承諾のない韓貸借と賃貸人の所有槽に基く返還古昔

 昭和二六年四月二七日最高裁判所第二小法廷到決︵建物牧去土 地明渡請求事件 昭和二五年︵オ︶第八七号 棄却︶最高裁渕所判 例集第五雀第五号 一四九頁以下。

剣例研究

︹判決要旨︺ 土地所有者である賃貸人がその承諾のない韓貸借 によってこれを占有する韓借入に饗して直接土地の返潔を請求す るについては、賃貸借契約を解除しまたは賃貸借入の承諾を要し 七一

(9)

ない。

判例研究

︹事實︺ 岐阜甫吉野町五丁口二八七六番地の四宅地六〇埣はも と貯砂肚の所有であったが、昭和二二年一月一七日原告等が共同 で甲糠南より買受け翌一八日所有権移韓登記を完了した。被告は 右土地の中一五坪五合一管の上に木造雫屋建一棟建坪一二埣六合 九勺の家屋を建設して不法に同土地を出嫁しているから所有権に 基すいてその土地の明渡を求める。その理由は前記土地はAが甲 會祉から借受けていたが︵大正八・九年頃︶同入が大正=一年八 月一四日死亡しその子Bがその家督箱綾をして右の賃借権を承纒 したが昭和二〇年七月九日室襲に依り焼失した。然るに被告は伺 年八月上旬前記土地の賃借権をBの代理人Cより譲受けたとして 前記建物を建設し占腐しているが、その賃借権の譲受は織田紅の 承認を得ていないから被菖は同任貝鉦嗣権一南受の事實を以て甲介口凱肌に 封抗出來ない。又右賃借灌自体につき登記のないのは勿論、右土 地の上に建在する前記家屋についても登記がないから、被告の賃 借漣を以て第三者である原告に凋抗出來ない。叉若しCから罹災 後賃借灌を輔譲受けたと言うのならば、罹災土地借地借家臨時威理 法第一〇條の墨縄上被告は同法第三條の規定で譲受けたものでな いから、假令前會肚の承諾を得たとしても原告に麹抗出語ないと 言うにある。被告は之に籍し建物を建設した頃数歯就に些し借地 灌承縫の事實を通知したが會肚は賃料を受領しないのみならす、 明渡を要求するに至ったのでその救演方を警察署に求めたところ 七二 その職旋によって甲會冠も本件土地の使用を承認した。すなわち Bは罹災都市借地借家臨⋮時庭理法第一〇條第一一條によって、 一 〇年豆の借地灌を以て原告に封抗し得るのであり、被告はBのた めに之を代理占有しているに過ぎないから明渡を求められる理由 はない。上職時罹災土地物件令第四條、罹災都市借地借家臨時庭 理法第二九條からいっても借地漣は昭和二三年九月一四日まで存 績するから昭和二二年一月一八日所有確を取得した被擦口入に登 記なくして饗抗出捕ると主張した。第一審は原告のネ張を認容し 第二審被告の控訴は棄却。その理山は翰鉢訴人は自己において土 地に借地漣あるものとして、自己のためにする意思を以て占有し ていること回Bの代理人Cから韓借を受けたとしてもその韓借に つき賃二番人たる甲會肚の承諾が必要である。このことは物件令第 四條第一項の使用罐者である罹災建物居住者から韓借を受けたと きも同様であるから甲會肚に勤抗黒煙ない。文それが賃借樫の譲 渡であるとしても同慷である、と云うによる。 ︹上告理由︺ H罹災都市借地借家臨時進塁法第一〇條第一一條 によって同法施行のときから一〇年闇第三取得者に甥抗し得る借 地灌を有する事實を認定せる以上は﹁借地漁者二⋮封シテ土地明渡 ヲ要求スル確利ヲ有セサルハ勿論ニシテ、從ッテ此ノ借地占者ノ 承諾ヲ 得スンハ被上告人ハ細入一一勤シテモ此ノ借地陣麗ヲ鉦⋮硯シテ 註ハ m土地ノ明渡ヲ旭独ユル㎜確限ヲ右Pセサルハ白Hラ明ラヵナルヘシ。 斯ノ如ク此ノ土地二型テハ借地記者タルBノ了解ヲ経サレハ何入

(10)

モ使用牧釜スルコトヲ得サルニ拘ワラス、被上告入標目ノ根本原 理ヲ顧ミス直接上告人ノミニ封シ建物牧去土地明渡ヲ求ムルハ違 法ニシテ、此ノ蓮法ノ譜求フ是認シタル原判決ハ當然破墨ヲ免レ サルヘシ﹂。周民法第六=一條第二項に依り賃貸人が賃貸人の承 諾を得ないで賃借物たる土地の使用軽羅を爲さしめたときは、賃 貸入は之を理由として賃借人に翻し契約の解除を浸すことが出來 ろが﹁本件二付テハ薬量甲會杜ヨリB二二スル借地壊二關スル契 .約解肝除ヲ爲シタル削蹄跡ム七ク+仔セサルヲ以テ、閏㍗二一貝貸人タル右命目 肚力上告人ヘノ倉主ヲ承諾シタル証櫨ナシトノ一事二依リ上告人 ノ韓借穂ヲ排斥セルハ蓮法ナリ﹂。日罹災都市借地借家臨時庭理 法第一〇條第一 條の規定は食時罹災のため本件の如き泉崎にあ った借地罐叉は賃借権を特に保護するため﹁制定サレタルモノナ レハ原審判決ハ此ノ法砒思ヲ解⋮セス、並日通堂田螺ノ法律二期囲從シ﹂た るは蓮法である。四﹁被上告人ハ甲曾肚ヨリ買得ノ常時斯ヵル罹 災地二甥スル臨時塵理法ノ存在ヲ了知シ、亦現在上告人ハ建築シ 臨使用・甲ナル事實ヲ充分認識シナカラ強テ之ヲ取得スルカ如キハ、 釜髭恩ノ︸取 得者二非サル竃忍貰ヲ認ムルニ足ルヘク、斯ヵル行動ヲ敢 テスル故意ノ坂得者ヲ擁護スルカ如キ原判決ハ﹂庭理法の本旨に 反する。 ︹判決理由︺ H上告入は罹災當時の借地権者であるBの占有機 關として占有している者ではなく、上告入に借地権あるものとし て即ち上告入唐己のたあにする意思をもつて占有している者であ

到例 研究

る。国賃貸人である甲昏昏より轄貸借に幸し承諾を得た証跡がな いから、曹貸借による上告人主張の借地確は甲軍国並びにそれか ら所有権を取得した即ち第三取得者である被上告入にも封抗し得 ない。国Bから借地権の譲渡を受けたとの上告人の主張も甲會祉 の承諾を得たとす.o証撮がないから被上告人に署抗し得ない。即 ち結局上告人は被上告人に封抗し得べき借地権も使用権も一切有 しないとした。 ﹁この場合土地の所有者たる被上告人は民法六一 二條二項に基いて、Bに封ずる賃貸借を解除すると否とにか、わ らす、又賃借人たるBの承諾を要せす、右Bの賃借権が罹災都市 借地借家臨時慮理法一〇條、=條によって被上告人に野抗し得 べきものであると否とに關係な一、上告人に封して直接本件土地 の明渡を請求し得るものと解すべきである﹂。四不法占有者の占 有を知って所有旛を楠譲受けたからといって、當該不法占有が適法 の占有に攣するものではない。 ︹参昭添文︺ 巳︷法第六〇一條同伸弟山岡一二條。 ︹研究︺ 民法笙六ご一條の立法理由につき判例は﹁賃借人ノ何 人ナルヵハ賃貸人ノ利釜二關シ至大ノ關係ヲ有スル事項ニシテ、 賃借人ノ資力姓行職業等異ナルトキハ自ラ物ノ使用牧釜ノ程度方 法等ニモ差異ヲ生ズペク、監賃料ノ支梯二付テモ月別異.ノ結果ヲ 生スヘシ、是レ民吐仏壷皿ハ一ご焼石一項二蔀戸テ踊管週世旧人ハ一二只貸人ノ承 諾アルニ韮πサレハ甘六型惟利ヲ譲渡シ又一事借物ヲ韓貸スルコトヲ佃柵       七三

(11)

判例研究

㌃ スト規定シタル駈窪田シテ、即チ賃借面一賃貸人ノ承諾アリテ仏畑 メテ賃借⋮物ヲ麓国貸スルコトヲ⋮得ルモノナリ﹂ ︵大雨、大正八年一 一月二四日︶と云い、法曹會決議も亦﹁賃貸契約ハ賃借人其入ノ 資力信用二蒼瞑シ契約ヲナスヲ常トスルモノ﹂ ︵法曹會決議大正 八年二九拳二号三〇頁︶としている。 ︵横田博士も亦﹁賃貸借契 約ハ賃借入ノ︸身二着眼シテ締結セラル・ヲ常トシ⋮⋮﹂1一回 目各論 五一五頁iと云われている︶。一方わが民法がロ﹂マ 法の流れを汲むものなることは既に解明せられた所である ︵筒 拙著 民法r 序論参照︶。ローマ法においては訴権は⋮曲人訴権 ︵﹀。鉱。甘審謎。舞葺︶と封物訴権︵﹀。評一〇ぱ§凶戸︶とに峻別せ られ、前者に依つで保護される権利を債権とし、後者に依って保 護される権利を物権とした。賃借機は満人訴罐に服したから債罐 としたのである。ロ盲マ法では財琵罐は債禮でなければ物機であ り﹂物漣でなければ淫雨であった。然るにゲルマン法においては 物の事實上の支配のある所に物忌が表現すると考えられたからb 賃借罐は物擁となっていた。 ﹁ゲルマン法に﹄於ては追及し得るこ とは物尽の象徴ではなく、專らゲルマン特有の傘。∼く。おの著装あ りゃ否やが匠別の標準なのである。それ故に、物に封ずる麦配を 目的とする封人的鷹利でも、荷もそれに相心する︵ざ託Oおを具う、 る以上、聖霊的効力を得たのである。故にか∼る必罰は物に封ず る灌利︵貯﹄鑑お崔︶にして、物に博する権利︵凶事読ぎきb胃p︶ ではないけれども、¢㊥堵霞。を上るに於ては、直ちに物権となり 得るから、﹃物権の前階段﹄謂はば﹃生成し行く物権﹄とも構せ 七四  られ得べきものである。物断に不動塵用釜を目的とする賃借権は  實にこの種の権利であって、ゲルマン法賃借権の物権性は此の理  論の上に築かれているのである﹂ ︵二野 民法に於けるローマ思  想とゲルマン思想︶ ︵ゲルマン法のQ¢’く霞。は物権の具体性、所 有権者と相並んだ用釜権者の保護、物権の事単性がその特徴であ  つたに訳し、ロー−マ法の℃。湊。湊ぎは、事實の権利性特に所有権  ︵ざ=︸を一三を中心として獲展したのである︶。わが民法はローマ  法の流れに從って、物権ど債権とを通雨し、直接にはドイツ民法  第一草案の規定をそのま\b賃借雄を以て債権とした。祉會纒濟  の進展につれ賃借権の物権化が企圖されたが﹁頑固なロマニスム  ス﹂を探勝する民法の下では全般的なそれを期待することは出來  ない。民法第六=一條の賃貸人の承諾なき場合については何ら特  別法は存しない。 ﹁而シテ建物保護法ハ登記シタル建物ヲ有スル  トキハ、賃貸借ノ円堂記ナキモ之ヲ以テ第一二者二掛判抗シ加判ヘキロ日ヲ 規定スルモ、賃借樫ノ譲渡ユ付キ賃貸人ノ承諾ヲ白亜サルノ特別  規定ナシ﹂ ︵大判、大正七年一〇月.三日︶、﹁建物保護法ハ民法第 ,六〇五條ノ規定二⋮封スル例外ヲ規定シ桃遅物ノ所有ヲ目的トスル土  地ノ賃借猛揺二戸リ土地ノ賃借人力赴ハノ土地ノ上園芸出口シタル狸伸物  ヲ有スルトキハ土地ノ賃借機ハ其ノ登記ナキモ之ヲ以テ第三者二 …封 Rシ創侍ルモノトナシ、以テ土地所有者ノ鯉炎産繭⋮封シテ借地膣憧者  ヲ保静護セントシタルモノナリ。從テ縫伴物.俣叩護法ノ規定ハ民法第六  一二條ノ法出思ヲ麗撹シー建物ノ登記アラバ賃貸人ノ承諾ナキモ土地  ノ賃岱唾罵ノ曲譲渡ヲ以テ賃岱凪人二野植園シ得ヘキ巳日ヲ規定シタル趣目日 曽 畠 甲

(12)

二非サルコト極メテ明ラヵ﹂︵大濠、昭和七年一一月︷一日︶なり       を としている。借家法第四條は韓借人保護の規定を設けたが、これ は賃貸人の承諾ある場合に限り適用されるものに過ぎない。尤も 罹災都市借地借家臨時庭理法第三條は戦災で建物が滅失した當時 のその建物の借主は、賃貸入がその建物の敷地に賃借灌を有する 場合には、臨時庵理法施行後壁年内に一定の手績で賃借灌を譲受 けることができ、賃借構が譲渡された場合にはその譲渡について 賃借人の承諾があったものと見倣され本條の適用は完全に排除さ れた︵慮理法は今後も大規模な火災があったような場合にはその 都度立法によりその地上に適用され得ることになっている︶。三 って解劇論としては判決が賃貸人の承諾のない限り轄借入は賃貸 人に封抗戦聾す、所有者たる賃貸人が承諾のない韓貸借によって これを占有する者に⋮熟し直接に土地の返還を講呈するについて、 賃貸借契約を解除しまたは賃借人の承諾を要しないとしたのは何 ら異とするに足りない。このことは︵大判、昭和一五年二月二三 日︶にも判定せられたところである。         ρ  叉大審院刑事部判決の中にも次の如き判決をみる﹁賃貸ノ承諾 ヲ一得スシテ賃貸物件ヲ繭一躍シタル鳩引Aロ一丁テハ、甘遇ノ較骨岱夙借ヲ以 テ賃貸人二⋮封抗スルコトヲ得サルモノナルヵ故二、賃貸借契約ヵ 其ノ當事望遠二子テ有効ナルト或ハ又賃貸人未タ賃貸借契約ヲ解     濃厚サル場合ナルトヲ問ワス、韓借入ハ賃貸人トノ關係二於テ韓 借物ヲ占門右ロスヘキ陣磯原ヲ有スルモノニ非ス。從ツテ家・王タル賃貸 入/承諾ヲ円田スシテ賃借人一階ヨリ到一不家屋ヲ韓借⋮シタル被茸口人 到 例 研 究 カ、該家屋ヲ占有セルハ賃貸人二封スル重恩江南テ不法占擦タルー 引外ナラス﹂ ︵大判、大正一一年三月五日︶。  以上からわが民法のとる立場が﹁轄貸借不自由﹂の原則をとれ ることは明らかである。然しこの原則が余bにも現代生活の實相 と予擬することも亦明らかである。本條制定に付いて,理由書は ﹁我國現在ノ慣習ヲ見ルニ其多クハ之ヲ許ササルニァルヲ以テ本 案ハ賃借構ノ譲渡抵當及ヒ賃借物ノ韓貸ハ之ヲ目由ニセサルヲ原 則トシ唯賃貸人ノ承諾アルヵ一目クハ別段ノ潰訓釈アル場ムロ扇屋テノ ミ之ヲ認ムルコトトシタリ﹂と云い、梅博士は﹁物ノ使用量釜ヲ 爲ス一一ハ自ラ巧拙アリ又注意二精粗ノ別﹂アルヲ以テ甲ヲシテ使用 牧釜爲サシムル爲配物ヲ賃借シタル場合二於テ其罐利ヲ乙二譲與 シ又ハ乙ヲシテ其物ノ使用暮暮ラナサシムル海氷邦ノ慣習二於テ 當事者ノ意志二反スルコト多シト認メタルナリ﹂︵民法要義債罐 編ノハ五三頁︶と説かれてレる。﹁而して我國現圧の慣習をみる に﹂從來は一般に、賃貸借は賃貸人と賃借人との間の信任關係に 基いて成立するから、賃借人が賃貸人の承詰なくして賃借物を韓 貸することは背信行爲であると言うことを以て基礎すけられてい たのであるが、然し﹁現代の纏濟關係に於ては、賃貸借は物殊に 不動藍の通常の利用方法であって、賃貸人は賃貸借契約の締結の 際に敷金を取り、罐利金を支梯わしあ、又一回でも賃料の延滞を 爲すときは直ちに契約を解除する旨を特約せしめb全く賃借人に …封 クる信頼などを基礎としていない﹂︵石田、債擢各論講義  一〇 四以F︶.、佛民法第一七一七條は當事者が特約を以て禁止せない ,七五 P

(13)

判 例 研 究 限り、韓貸借には賃貸人の同意を必要とせないとしている。現行 法上﹁韓貸借の自由﹂を認めることは出撃なかろうが場合によつで 解除灌の濫用が彌生下上の矛盾を解いてくれないものだろうか。 ﹁問題は家屋の賃借人であった者が、其の焼跡ヘバラツクを建て二 者は其のバラックで從來の螢業を猿手せ61とさえした。これに、麹 し形式的な法律家は弐の如く導いた。賃貸借の目的物たる家屋が 焼失すれば賃貸借も、またおのずから滑滅し、借家入だつた者は、 從って何等の灌利をもたないことにいたるから、右の如き假小屋 の築造は違法な行爲であると。しかしかような見解はいうまでも なく継績的債権契約の特質たる契約關係が賃借人の生活面係に喰 い入っている富士を無親し、かの震災の急激に且つ廣い節園に超 つた事態を考慮して、契約終了後の縫績關係を適當に解決するこ とを怠ったものであって、果して然らば、むしろ此の見地から、 相當な期聞、相當な範囲に於て蝦小屋を建設することは正常とせ られねばならぬ。牧野博士はこれを生存灌の根櫨の上に論じ、賃 貸借の生存罐本位化を力説されて假小屋築造を蓮法ならすとせら れた︵﹃災後の法律問題﹄ 一頁以下二七頁以下︶Q傳承的な賃貸借 観念を改造せんとする此の思想が災後の共同生活の秩序を却って いがに確實にせしめたか? これこそ形式法律家、從ってローマ 法患想に費する雄辮な反駿である﹂とは雫野氏がつとに論ぜられ た所である。  本判決の要旨の如く承諾のない韓貸借によってこれを占有する 韓借入に樹して直接土地の返還を講求するについては、賃貸借契 七六 約を解除しまたは賃借入の承諾を得るを要せす、韓貸借であろう と賃借穗の譲渡であろうと、賃貸入の承諾を要すと云うは現行法 上の當然の帰結であるから上告人の上告理由は當を得ないけれど も﹁罹災都市借地借家臨時塵理法第一〇條第一一條ノ規定ハ職時 罹申ミノ欝メ亀甲件ノ如キ加連命二欄岨浬帽シタル借地髄糖若クハ賃相承鱒構ヲ特 二保護スル目的ヲ以テ制定セラレタルモノナレハ﹂との点に於い て問題を﹁轄貸借不自由﹂の原則の探究に向けねばならないので ある。蓋し法はよかれあしかれ一定段階に於ける一定の秩序と共 にその秩序を通じて又新らしい事態に即雁⋮せねばならないからで ある。欝か敷動へは常に法の課題であるからである。        ︵二六・ 一 一・・七︶

参照

関連したドキュメント

 一六 三四〇 一九三 七五一九八一六九 六三

七圭四㍗四四七・犬 八・三 ︒        O        O        O 八〇七〇凸八四 九六︒︒﹇二六〇〇δ80叫〇六〇〇

第一章 ブッダの涅槃と葬儀 第二章 舎利八分伝説の検証 第三章 仏塔の原語 第四章 仏塔の起源 第五章 仏塔の構造と供養法 第六章 仏舎利塔以前の仏塔 第二部

一一 Z吾 垂五 七七〇 舞〇 七七〇 八OO 六八O 八六血

経済学の祖アダム ・ スミス (一七二三〜一七九〇年) の学問体系は、 人間の本質 (良心 ・ 幸福 ・ 倫理など)

〔追記〕  校正の段階で、山﨑俊恵「刑事訴訟法判例研究」

[r]

2 学校法人は、前項の書類及び第三十七条第三項第三号の監査報告書(第六十六条第四号において「財