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秘書教育における対人技能

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Academic year: 2021

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title 秘書教育における対人技能

Interpersonal Skill in Secretarial Education

Author(s) 中村 安治(Yasuji Nakamura)

Citation 研究紀要(SHOIN REVIEW),第三十号:17-35

Issue Date 1988

Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文

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秘 書 教 育 にお け る対 人技 能

、γ ムロ は じ め に 形 成 す る 。 こ の う ち 、Of巨ceTech・ nologyに つ い て は 、 「秘 書 情 報 論 」 と し て 、 秘 書 に 必 要 な 経 営 情 報 の 意 義 、 内 容 お よ び そ の 効 率 的 処 理 の た め のtechnologyの 両 面 に つ い て 、 別 稿 で 詳 述 し た い 。本 稿 で は 、「秘 書 人 間 関 係 論 」 と し て 、 し た い 。 「秘 書 教 育 に お け る三 つ の視 点 」 に お いて 、 筆 者 は、 秘 書 学 体 系 に基 礎 をお くユラ い た 秘 書 教 育 体 系 の 三 つ の 視 点 に つ い て 、 枠 組 み の 慨 要 を 述 べ た 。 「三 つ の 視 点 」 は 、 右 の 図 の よ う に 、 経 営 的 な 判 断 力 を 底 辺 と し、OfficeTechno1・ 図1秘 書 経 営 教 育 の 内 容 ogyとInterpersonalSkillの 三 つ よ り構 成 さ れ 、 「秘 書 経 営 教 育 論 」を OfficeInterpersona1 InterpersonalSki11の 慨 略 と対 人 技 能 教 育 に つ い て 検 討 企 業 に お け る秘 書 は、社 内外 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 中心 に い る とい わ れ る。 とす れ ば 、 人 間 的 側 面 に つ いて 、 秘 書 に最 も求 め られ る もの は 、 対 人 技 能 で あ る と思 わ れ る。 しか しな が ら、 対 人 技 能 の 内容 は きわ め て 広 範 囲 で あ る。 結論 か ら い え ば 、 対 人 技 能 は 、 よ りよ い コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を行 うた め に必 要 な 基 礎 的 な知 識 技 能 で あ ろ う。 本 稿 で は 、 対 人 心 理 学 理 論 、 カ ウ ン セ リン グ理 論 、 経 営 行 動 科 学 論 な ど を慨 観 し なが ら、 そ れ らの 理 論 の上 に立 っ て 、 対 人技 能 を ど う考 え るべ きか を述 べ た い 。

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1.人 間 関 係 の 理 解 個 人 に と って 人 間 関係 とは 何 か。 人 間 は社 会 的 存 在 で あ り、 人 間 関 係 の 中 で 人 間 形 成 が 行 わ れ、 自我(ego)や 自己(self)が 確 立 さ れ て い く とい わ れ る。 人 は も と も と他 人 を求 め 、 他 人 とか か わ り合 い 、 その か か わ り合 い の 中 で 生 きる よ うに 動 機 づ け られ て い る。 組 織 に とって 人 間 関係 とは何 か 。現 代 は 組 織 の 時 代 とい わ れ る。C.1.Barnard の組 織 論 で は 、共 通 の 目的 、協 働 へ の 意 欲 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンが 、組 織 の 三 要 素 とい わ れ て い る が 、共 通 の 目的 に 向 か って 協 働 す る の も、コ ミュ ニ ケー シ ョン を行 うの も人 で あ る こ と を忘 れ て は な らな い で あ ろ う。 通 常 職 場 とい わ れ る も の は 、共 通 目的 の達 成 の ため の業 務 遂 行 の場 で あ る と と も に、 また 多種 多様 の 人 の 集 ま りで あ る とい う二 面 性 を持 つ 。 人 間 関 係 の あ り方 は協 働 の 意 欲 を左 右 し、 ひ い て は共 通 の 目的 の 達 成 に 影響 す る要 因 と もな る もの で あ る。 と 同時 に 組 織 の 中 の 人 間 関係 の処 理 の まず さ は そ の個 人 に と って 、 職 場 に お け る人 間 的 成 長 の 面 か ら も悪 い 影響 を及 ぼ す で あ ろ う。 こ の よ うに、 わ れ わ れ は個 人 と し て も、 ま た組 織 の 中 の一 人 と して も、 人 間 と して の 成 長 を促 進 す る よ うな 、 創 造 的 で 良 好 な 人 間 関係 を形 成 す る よ う前 向 きで 積 極 的 な心 構 え を持 つ こ とが 、 ま ず 必 要 で あ ろ う。 秘 書 に とっ て 、 こ の よ うな 心構 え を持 つ こ とは 、 秘 書 の 対 人業 務 処 理 能 力 の 向上 の み な らず 、 秘 書 自 身 の 人 間 的 成 長 、 自己 啓 発 に も役 立 つ もの と考 え られ る 。 2.「 人 間 関 係 」 と 「対 人 関 係 」 「人 間 関 係(humanrelations)」 と い う 場 合 、組 織 の 中 の 人 々 の 生 産 性 や モ ラ ー ル を 左 右 す る 一 つ の 条 件 と し て、 個 人 対 個 人 の 関 係 や 集 団 に 対 す る 個 人 の 感 情 、態 度 を 重 視 す る も の で 、1927年 か ら1932年 に い た るWesternElectricCom-panyのHawthorne工 場 に お け る 実 験 に 端 を発 し 、 「人 間 関 係 論 」(Human RelationsApproach)と い う 用 語 が 用 い ら れ る に 至 っ た 。 人 間 関 係 と い う場 合 に は 個 人 対 個 人 の 関 係 の み な ら ず 、 組 織 の 中 のformalな 関 係 も含 む 人 間 の 関

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係 の 総 称 で あ る と さ れ る 。 こ れ に 対 し 、 「対 人 関 係(interpersonalrelations)」 と い う場 合 に は 、 社 会 生 活 に お い て 、 相 互 に か か わ り合 っ て 生 活 し て い る 人 と 人 と の か か わ り合 い の 中 で 、 相 互 に 相 手 を 意 識 し た 心 理 的 な 結 び つ き 、 心 理 的 関 係 を い う 。 ま た こ の 心 く ラ 理 的 な関 係 は 、一 方 の 側 か ら見 た と き、対 人 的 態 度 と言 い換 え る こ と もで き る。 上 記 の よ うに 「人 間 関 係 」 と 「対 人 関 係 」 とは 、相 互 に 関 連 が あ り、 ま た互 換 的 に使 用 さ れ る場 合 もあ る が 、両 者 の 間 に は微 妙 な差 異 が あ る と考 え られ る。 短 期 大 学 に お け る秘 書 教 育 が 短期 間 で あ る こ とを考 えれ ば 、 「人 間 関 係 論 」は少 し広 範 囲 に過 ぎる の で は な い か と思 わ れ る。 従 っ て 、 まず 先 に対 人 関 係 を取 り 上 げ た ほ うが 効 果 的 で は なか ろ うか 。 まず 対 人 技 能 を学 ん だ 上 で 、 次 に 組 織 の 中の 対 人 関 係 の 総 体 慨 念 と して の 「人 間 関係 」 を学 習 す る こ とが 必 要 と考 え ら れ る。 くヨ ラ 3.対 人 行 動 の プ ロ セ ス 1)対 人 認 知 前 述 の よ うに 、 人 は相 互 に か か わ り合 っ て生 活 し、 多 くの 時 間 を他 者 との 接 触 の 中 で 過 ご して い る。 そ の 接 触 の 中 で他 者 が どん な 人 間 で あ り、 ど の よ うな 状 態 に あ る のか 、他 者 が あ る行 動 を と る と、 なぜ そ の よ うな行 動 を とっ た か 、 そ の 原 因 や 意 図 を知 ろ う とす る。 こ の よ うに人 間 に 関 した さ ま ざ ま な 情 報 を手 掛 か り と して 、 性 格 、能 力、情 動 、 意 図 、 態 度 とい っ た 人 の 内 面 に ひ そ む 特 性 や 心 理 過 程 を推 論 す る働 きは 対 人 認 知(personperception)と い わ れ る。 人 が他 者 に対 して とる行 動 は相 手 を どの よ うに 認 知 す るか に よ っ て 大 き く変 わ る。 従 っ て対 人 関 係 の上 か ら対 人 認 知 は 非 常 に 重 要 な意 味 を持 つ で あ ろ う。対 人認 知 過 程 は 基 本 的 に は 、Schneider に よれ ば 、 注 目、 速 写 判 断 、 帰 属 、 関 連 特 性 の 推 測 、 印 象 形 成 、将 来の行動 の 予 測 の 六 段 階 に 区 別 され る とい う。 ま た 、 人 は他 者 の パ ー ソナ リテ ィ を ど の よ へ くの っな 次 元 か ら認 知 す る の で あ ろ うか 。そ の 一 例 と して 図2が あ る。 この 例 で は、 第 一 因 子 と して は 個 人 的 な 親 しみ や す さ(好 感 ・親 和)の 次 元 が あ り、 第二 因

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図2 個 人 的 な 親 しみ や す さ の 次 元 と社 会 的 な 暫 ま し さの 内 容 11書 士金的盟 ま しさ 頸O葭い.L,即 りL爬 意毒が弛い コ 義Aっlrい 頓也帥与■ 詫甜 ゴ ■ ■冴嗣 醸 的な・ 罫 くLだ て賢

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良心的でない 危馳. ・o不誠実な 不湖む ● 感情的卑 信頼できない 無気力な ● ●軽卒な 不安定塗● 知的でない 理闇 零 イ さ軌 とし忙 崩 恥弛い ・三ヒ酬 卦瑚の餌 置厚芸・マ 勲 れt'藍 撃の蜘 ・」曽 へ 舳 聞櫛 い 塾噛 隔 ・

鵡 駕 函

外輸 細,軸 雌、所 謝 ・伽 内画 胡 む ●楽 天的 な1個 人 な人 的 覗 し み や す さ つ 二 い ●神 経 質 で な い ● お しゃ べ 噂咋 ゆ った0し た ● や わ らか い   自信 の ない 子 と して は社 会 的 望 ま し さ(尊 敬 ・信 頼)の 次 元 が あ る。 親 しみ や す さ は 、 パ ー ソナ リテ ィ認 知 の ソ フ トな 評 価 を表 わ し、 社 会 的 望 ま しさ は 、 ハ ー ドな面 の 評 価 で あ る とい う。 2)対 人 魅 力 人 の 愛 憎 、 好 悪 の 感 情 は 対 人 行 動 を 規 定 す る 重 要 な 要 素 で あ る 。 一 般 的 に 、 対 人 魅 力(interpersonalattraction)と は 、 人 に 対 す る 好 意 的 ま た は 非 好 意 的 な 態 度 で あ る と 定 義 さ れ て い る 。 他 者 に 対 し 好 意 的 ま た は 非 好 意 的 に な る に は 次 の 三 つ の 条 件 が あ る と さ れ て い る 。 (1)環 境 条 件 一 物 理 的 な 環 境 、 例 え ば 距 離 に つ い て い え ば 、 近 接 性(proxim・ ity)と 好 意 の 間 に は 正 の 関 係 が あ る と い わ れ て い る 。

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② 他 者 の 特 性 一 身体 的 魅 力 は一 般 的 に好 まれ る。 特 に対 人 関 係 の 初 期 の 段 階 に お い て 顕 著 に見 られ る傾 向 で あ る。 しか し、 これ は、 相 手 の 人柄 に つ き判 断 す る 情報 量 に 乏 し く、 外 見 的 な情 報 に頼 ら ざ る を得 な い か らで あ り、 次 に述 べ る 自己 開 示 に よ っ て、 こ の 要 因 は薄 れ る こ と も考 え られ る。 ま た 、他 者 が 態 度 や 性 格 に お い て 自己 と似 て い る場 合 と似 て い な い 場 合 、 ま ず他 者 の態 度 と 自 己の 態 度 が 類 似 して い れ ば い るほ ど、 対 人 魅 力 は 高 ま る と い わ れ るが 、 ま た 、 自分 に な い もの を持 つ 他 者 に 惹 か れ る とい う見 方 も あ る 。 さ ら に、 類 似 した ほ うが 好 ま れ る とい っ て も、 自己 の ア イデ ン テ ィ テ ィが 脅 か さ れ る場合 は、 か え って 他 者 に対 す る好 意 が低 くな る とい わ れ る。 (3)自 己開 示 一 自己 と他 者 との 間 に、 親 密 な 関係 を築 き上 げ て い くに は、 相 互 に 情 報 交 換 と 働 き か け が 行 な わ れ る。 こ れ を 社 会 的 相 互 作 用(social interaction)と い う。 この 場 合 、特 定 の 他 者 に 対 し、言 語 を介 して 自分 自身 に 関 す る情 報 を伝 え る こ と を 自 己 開示(selfdisclosure)と い う。 こ れ は、 他 者 に好 意 の 感 情 を起 こ させ る 第 三 の 条 件 とな る。 好 ま しい 自己 開 示 は対 人 魅 力 を起 こ させ る の に 大 き く寄 与 す る もの で あ る。 また 、 自分 自身 に とっ て も、 自分 の 感 情 を 浄 化 し、 自己 を 明確 に す る な ど の効 果 が あ り、 「ジ ョハ リの 窓(Johari's window)」 の 開 放 領 域 を拡 大 す る もの とい わ れ る。 自 己 に 関 す る情 報 は 、 表 面 的 な もの か ら内 密 性 の もの まで さ ま ざ ま で あ る。 また 自 己開 示 は その や り方 に よ っ て違 っ た効 果 が もた らさ れ る。 例 え ば 、 内 密 性 の 開 示 は 、初 対 面 の 相 手 よ り も、親 密 な相 手 に対 して 行 な われ るほ うが好 意 が 生 じや す い。 また 、 会 話 の 初 め よ りも終 わ りご ろ で行 な わ れ る ほ うが 好 意 が 生 じや す い とい わ れ る。 しか し な が ら、 自 己顕 示 的 も し くは 自 己卑 下 的 な 開 示 は嫌 わ れ 、 自己 の長 所 と短 所 を混 ぜ て 開 示 した ほ うが よ い と され る。 3) 対 人行 動 の プ ロ セ ス と して 、 対 人 認 知 、 対 人 魅 力 の 項 目 を取 り上 げ た が 、 こ れ らの 項 目 につ い て は 、 対 人 心 理 学 の 中 心 テ ー マ として 、 数 多 くの調 査 、 研 究 が 行 な わ れ て お り、 こ こで は 、 十 分 に述 べ る こ とが で き なか った 。 しか しな が ら これ らは対 人 行 動 を業 務 とす る秘 書 の職 能 に と って 、 的 確 に し て親 密 な対 人

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関 係 を築 き上 げ て い く上 で 、 必要 不 可 欠 の項 目で あ る と思 わ れ る。 高 度 の 対 人 魅 力 を、 いか に築 き上 げ る か に つ い て 秘 書 は 十 分 に配 慮 す べ き で あ ろ う。 特 に 自己 開 示 につ い て は 、 従 来 関 心 を払 うこ とが 少 な か った 側 面 で は な い か と考 え られ る 。 対 人 関係 は 自 己 と他 者 の 相 互 作 用 に よ っ て築 き上 げ ら れ る もの で あ る 以 上 、 好 ま しい 自己 開 示 な くして 好 ま しい親 密 な対 人 関 係 の 成 立 は 困 難 で あ る と思 わ れ る。 4.対 人 関 係 を 良 好 に す るた め の 要 件 1)対 人 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンの 理 解 前 述 の よ うに 人 は相 互 作 用 に よ っ て 、対 人 関 係 を作 り上 げ て 行 くが 、 そ の相 互 作 用 は 一 般 に コ ミュ ニ ケー シ ョンの 形 態 を とる 。 (1)コ ミ ュ ニ ケ ー シ 。 ン の 定 義5' コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン は 、 一 般 的 に 人 と 人 と の 間 で 意 味 を伝 達 す る プ ロ セ ス で あ る と い わ れ て い る 。 し か し な が ら、 「コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン(communication)」 と い う 言 葉 が 、 ラ テ ン 語 の ㌔ommunis"(commonness)に 由 来 し て い る と こ ろ か ら も 考 え られ る よ う に 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 人 と 人 と の 間 の 共 通 の 部 分 、' 共 感 、 共 通 理 解 を 作 り上 げ て い くプ ロ セ ス で あ る 。 し た が っ て 、 コ ミ ュ ニ ケ ー 図3対 人 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 構 造 モ デ ル メ ッ セ ー ジ メ ツ セ ー ジ 1チャンネル1 ●-1 一一 一 一 ■脚■ 、

属転

11 ド ド ノ{ノ ぐ ▼ ツ ツ ▲ ク ク

フ門 藁 颪

受 け 手

り 手

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送 け 手 発信体 受信体 畳 け 手 受信体 発 信体 一己号鮮 誼

Ψ

、 一 一一一 騨 メ ッ セ ー ジ 卜 ・ンネルll一 噛 メ ッ セ ー ジ

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シ ョ ン は 一・方 通 行 で な く相 互 交 通 で な け れ ば な ら な い で あ ろ う 。 ② 対 人 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 構 造 モ デ ル コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 過 程 に お け る構 成 要 素 は 、 送 り手 ・メ ッ セ ー ジ ・チ ャ ン ネ ル ・受 け 手 と い わ れ る が 、 対 人 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 構 造 モ デ ル と して 、 し エ こ こ で は 図3を か か げ る 。 対 人 的 な 伝 達 過 程 は 、 相 互 に メ ッ セ ー ジ を 交 換 す る も の で あ り 、人 間 が 記 号 化 と記 号 解 読 を 行 う一 体 化 し た 単 位 と し て と ら え ら れ 、 各 相 互 作 用 の 自 己 フ ィ ー ドバ ッ ク が 示 さ れ て い る 。 (3)対 人 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 分 類' 対 人 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 分 類 に は 、 多 くの 方 法 が あ る 。 例 え ば 、 社 会 心 理 学 で は 自 己 完 結 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 道 具 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と い う分 類 方 法 も あ る が 、 伝 統 的 に は チ ャ ン ネ ル の 違 い に よ り、 言 語 記 号 を 用 い る 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(verbalcommunication;VC)と そ れ 以 外 の 記 号 を 用 い る 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(nonverbalcommunication;NVC)に 分 類 さ れ くの る 。 次 に そ の 例 を 掲 げ る 。 図4対 人 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 分 類

ぐ 糠

3.身 体 動 作(視 線,身 振 り,姿 勢,接 触 顔 面 表 情) 4.プ ロ ク セ ミッ ク ス (空 間行 動,距 離) 野.人 工 物 の 使 用 (衣 服,化 粧,ア ク セサ リー ,標 識 類) 6.物 理 的 環 境 (家具,照 明,温 度 な ど)

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○ 言 語 的 コ ミュニ ケー シ ョン ー 伝 達 さ れ る語 義 、 内容 を問 題 とす る。 0近 言 語 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン ー 言 語 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に随 伴 す る音 響 学 的 、 音 声 学 的 な 特 性 で、 言 語 行 為 を補 助 す る。 音 声 の 強 弱 、 高低 、 速 度 、 発 言 の 時 間 、 沈 黙 な どで あ る。 ○ 身体 動 作 一 視 線 、 身ぶ り、 手 足 な どの 動 作 、 顔 面 表 情 な ど で あ る。 身体 動 作 は 基 本 的 な コ ミュニ ケー シ ョン の 手 段 で あ り、 感 情 表 現 や 他 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 調 整 的 役 割 を果 たす が 、 固 定 した もの で な く、状 況 に よ っ て 柔 軟 な動 き をす る。 姿 勢 は 対 人 的 な 態 度 と関 連 が あ る とい わ れ る。 顔 の 表 情 は 、 相 手 の 感 情 、情 緒 、 意 図 、 欲 求 な ど を知 る た め の 最 も重 要 で 直 接 的 な情 報 を提 供 して くれ る もの で あ る。 Oパ ー ソナ ル ス ペ ー ス ー 人 は 相 手 との 関 係 に 応 じて 、 あ る 距 離 を お い て 相 互 作 用 を行 う もの で あ る。 他 者 との 間 に親 し さ に 応 じた 目に 見 え な い境 界 線 を作 っ て お り、 こ の 距 離 よ りも相 手 が 近 づ く と、不 快 に感 じ一 定 の 距 離 を保 と う とす る傾 向 が あ る。E.T.Hallに よ れ ば 、 こ の 距 離 は4段 階 に 分 け られ る とい う。 1密 接 距 離0-15cm15-45㎝ 2個 体 距 離45-7575-120 3社 会 距離120-210210-360 4公 衆 距離360-750750一 以 上 ○ 着 席 行 動 一 相 手 との 関 係 や 状 況 に 応 じて 、 着 席 行 動 が 変 化 す る こ とが 知 られ て い る。 (4)組 織 に お け る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 組 織 は共 通 の 目的 を達 成 す るた め 協 働 し て い る人 々の 集 ま りで あ る。 コ ミュ ニ ケー シ ョンが な け れ ば 人 が相 互 に か か わ り合 って 、 協 働 して い くこ とは で き な い。 した が っ て組 織 が 存 続 して い くた め に は 、 ま た組 織 を活 性 化 す る た め に は 、 コ ミュ ニ ケー シ ョン は不 可 欠 の 条 件 とな る。 組 織 に お け る コ ミュニ ケ ー シ ョン で 特 徴 的 な こ と を次 に述 べ る。 ① 制 度 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ー 組 織 に お け る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン と い う場

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合 に 、 基 本 的 コ ミュ ニ ケー シ ョ ン と制 度 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に分 類 され るこ とが あ る。この 場 合 、組 織 の 目 的達 成 の た め 、組 織 全 体 を統 一 的 に 動 か す た め の しの 統 制 さ れ 管 理 さ れ た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 制 度 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン と い う 。 ② 三 方 向 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ー 組 織 に お い て は 、 情 報 の 流 れ が 、 下 向 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(downwardcommunication)・ 上 向 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (upwardcommunication)・ 水 平 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン(horizontalcommuni一 くの cation)の 三 つ に 分 類 さ れ る こ とが あ る。 下 向 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン は 主 と して 命 令 ・指 示 の 形 を と り、 媒 体 と して は面 談 、 会 議 、 通 達 な どが あ る。 最 近 で は 経 営 理 念 、 方針 、 経 営 状 況 を従 業 貝 に 周知 させ る た め の 社 内 報 、 映画 な どが媒 体 と し て大 い に 利 用 さ れ て い る。 上 向 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン は 主 と して 報告 で あ り、 水 平 的 コ ミュニ ケー シ ョン は部 門 間 の 相 互 連 絡 で あ る。 2)人 間 の 欲 求 の 理 解 良好 な対 人 関 係 を築 き上 げ る た め に は 、 人 間 に行 動 を起 こ させ る内 在 的 な要 因 と して の 人 間 の 欲 求 を理 解 しな け れ ば な らな い 。 欲 求 を理 解 す る こ と に よ っ て 、 相 手 の行 動 の 意 味 が理 解 で き、 そ の 欲 求 に 応 え る対 応 が で き るで あ ろ う。 (1)人 間 関係 論 にお け る人 間 の 欲 求 Hawthorne工 場 の 実 験 に よ って 得 られ た もの は 、働 く人 に とっ て は 、物 質 的 な欲 求 よ りも、 人 間 的 な達 成 感 とい う心 理 的 な 条 件 の ほ うが よ り重 要 で あ り、 人 々 の 心 の 中 に生 じた 感 情 が 勤 労 意 欲 を高 め た とい うこ とで あ り、 人 々 が 孤 立 した人 間 で な く、 自然 に発 生 した 非 公 式 集 団 の 統 制 に も従 う社 会 的 な 存在 で あ る とい う こ とで あ っ た 。 人 間 は い わ ゆ る経 済 的 要 因 だ け に よ って 動 か され る も の で は な く、 心 理 的 存 在 で あ り、 同 時 に社 会 的 存 在 で あ る とい う人 間 関係 論 的 視 点 が こ の 実 験 に よ って確 立 され た とい わ れ る。 (2)Maslowの 欲 求 モ デ ル Hawthorne実 験 の 後 、 働 く人 々 に い か な る 欲 求 が あ る か が 追 究 さ れ た が 、 Maslowに よれ ば 、五 つ の欲 求 が 階 層 をな し て い る とい う。 下 位 の欲 求 が 満 た され る と順 次 次 の 欲 求 が 顕 在 化 す る。 そ して 最 後 に 現 わ れ るの が 、 自己 実 現 の

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欲 求 で あ り、 自 己実 現 の 欲 求 は 限 りな く向 上 し、 自己 実 現 の欲 求 に よっ て 行 動 す るの が最 も人 間 的 で あ る と い わ れ る 。 (3)M、G,eg。,のX理 論 ・Y理 論'°' 経 営 者 の 命 令 統 制 に 関 す る伝 統 的 見解 が 「X理 論 」(TheoryX)と よ ば れ て い る。X理 論 に お け る基 本 的 な 人 間 観 は 次 の通 りで あ る 。 ① 普 通 の 人 間 は 生 来 仕 事 が嫌 い で 、 で き る こ とな ら仕 事 は した くな い と思 っ て い る。 ② 仕 事 は嫌 い だ と い うこ の 人 間 の 特 性 が あ る た め に 、 大 抵 の 人 間 は、 強 制 し た り、 統 制 され 命 令 さ れ た り、 処 罰 で お ど さ れ た り しな け れ ば 、 企 業 目標 を 達 成 す る た め に十 分 な 力 を出 さ な い もの で あ る 。 ③ 普 通 の 人 間 は命 令 さ れ るほ うが 好 きで 、 責 任 を 回避 した が り、 あ ま り野 心 を持 た ず 、 何 よ り も、 まず安 全 を望 ん で い る もの で あ る。 McGregorは 、 そ の 後 、企 業 内 の 人 間 行 動 に つ い て 新 し い 人 間 観 を 総 合 し て 、 こ れ を 「Y理 論 」(TheoryY)と 称 し た 。 そ の 考 え 方 は 次 の 通 りで あ る 。 ① 仕 事 で 心 身 を使 うの は ご く当 た り前 の こ とで あ り、 遊 びや 休 憩 の 場 合 と変 わ りは な い。 ② 外 か ら統 制 した りお ど した りす る こ とだ け が企 業 目標 達 成 に 努 力 させ る手 段 で は な い。 人 は 自分 か ら進 ん で 身 を委 ね た 目標 の ため に は 、 自 ら方 向 を決 め 自 己管 理 して働 く もの で あ る。 ③ 献 身 的 に 目標 達 成 につ くす か ど うか は 、 そ れ を達 成 して得 られ る報 酬 次 第 で あ る。報 酬 の 最 も重 要 な もの は 自我 の欲 求 や 自 己実 現 の 欲 求 の 満 足 で あ る。 ④ 普 通 の 人 間 は 、 条 件 次 第 で は責 任 を引 き受 け る ば か りか 、 自 ら進 ん で責 任 を と ろ う とす る。 ⑤ 企 業 内 の 問 題 を解 決 し よ う と比 較 的 高 度 の 想 像 力 を駆 使 し、 巧 妙 に創 意 工 夫 を こ らす 能 力 は、 大 抵 の 人 に備 わ っ て い る もの で あ り、 一 部 の 人 だ け の も の で は な い 。

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⑥ 現 代 の企 業 にお い て は 、 日常 、 従 業 貝 の 知 的 能 力 は ご く一 部 しか 生 か され て い な い。 この よ うに 、 人 間 は主 体 的 存 在 と して 、 以 上 述 べ て きた よ うな欲 求 を持 っ も の とい うの が 、経 営 行 動 科 学 に お け る 人 間 関 係 論 の 人 間 観 で あ る。 人 が こ の よ うな欲 求 を持 つ 主体 的 存 在 で あ る とい う認 識 の も と に、 対 人 関 係 を結 ん で い く こ とは 、 対 人 関係 を好 ま しい もの とす る た め の 前 提 で あ る と考 え られ る。 3)好 ま しい 対 人 関 係 の ため の基 本 的 な態 度 他 人 と接 す る と き、 一 人 の 人 間 と して ど の よ うな 態 度 で 接 す れ ば よ い で あ ろ うか 。 ど の よ うな準 拠 すべ き理 論 が あ るの で あ ろ うか 。 これ は きわ め て 難 しい テ ー マ で あ ろ うが 、 筆 者 は これ を カ ウ ンセ リ ン グ の理 論 に求 め た い と考 え て い る。何 故 な ら カ ウ ン セ リグの 基 本 とな る 「カ ウ ン セ リン グ ・マ イ ン ド(counseling mind)」 と い わ れ る も の の 中 に 、 い ま まで 述 べ た よ うな 人 間 観 と共 通 す る 人 間 性 尊 重 の 人 間 観 が 見 られ る か らで あ る 。 カ ウ ンセ リン グ とは 、「言 語 的 お よ び 非 言 語 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を通 して行 ロ リ 動 の変 容 を試 み る 人 間 関 係 で あ る」 と定 義 さ れ て い る。 そ して 通 常 は 問 題 を持 つ ク ラ イ エ ン トに対 して 精 神 的 援 助 を与 え る もの と考 え られ 、治療 的 な手法 と 考 え られ るが 、 カ ウ ンセ リン グ は コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を通 して の 人 間 関 係 で あ る ため 、 治療 だ け で は な く、 創 造 性 の 開 発 、 自 己表 現 の 促 進 な ど教 育 的 、 啓 発 的 な面 に もそ の 必 要 性 が 認 め られ て い る。す な わ ち カ ウ ン セ リン グ に は 治 療 的 、 矯 正 的 カ ウ ン セ リン グ と教 育 的 、 発 達 的 カ ウ ンセ リン グの 両 面 が あ る とい わ れ る。 そ こで われ わ れ は 人 と接 す る と き、 カ ウ ンセ リン グ ・マ イ ン ドを も っ て接 す れ ば 、 好 ま しい 人 間 関 係 が 築 き上 げ られ る と考 え られ る。 で は 、 「カ ウ ンセ リン グ ・マ イ ン ド」 とは何 か 。 こ れ は学 術 用 語 で は な い と思 わ れ る が 、 図5に 見 られ る よ うに、 カ ウ ン セ ラー の 人 間観 と そ こ か ら生 まれ る   の 基 本 的 態 度 の 両 面 を 含 む もの と考 え られ る。 この 基 礎 の 上 に、 カ ウ ンセ リ ン グ の 各種 の 技 法 が 展 開 さ れ る が 、 も し、 人 間 観 も人 間 に対 す る基 本 的 態 度 を持 た

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ず 、た だ カ ウ ン セ リ ング の 技 術 だ け を用 い る とす れ ば 、効 果 も期 待 し え な い し、 ま った く無 意 味 な テ クニ ッ クに終 るで あ ろ う。 図5カ

ウ ン セ ラ ー の 人 間 観 と 基 本 的 態 度 人 間 の 自 己 実 現 傾 向 へ の 信 頼

一致

託..一____L___i 告

韓 〉

場 面構 成 をす る ひ たす ら傾 聴す る 簡単 に受容 す る 内容 を くりか えす 感情 を反射 す る 感情 を明確 化す る カウ ンセラーの 感情 を率 直 に表 明す る 情 報 を提 供す る その他 昭 ズ韻 一 カウンセラーの基本的徽 一 カウンセ リングの瀟 で は 、 この 人 間 観 とは 何 で あ ろ うか 。 一 言 で い え ぱ 、 人 間 の もつ 自 己 実 現 、 自己成 長 の 傾 向へ の信 頼 で あ ろ う。 人 間 中 心 の カ ウ ンセ リン グ の根 底 に あ る も の は 、人 間 は 信 頼 に値 す る もの で あ り、成 長 を 目指 す 根 元 的 な 力 を も って お り、 そ れ は 無 条 件 に信 頼 で き る もの で あ る とす る 人 間 信 頼 の 考 え方 で あ る 。 この 人 間 観 、 す な わ ち相 手 の 人 間性 尊 重 の 気 持 ちが 深 まれ が 深 ま るほ ど 「自己 一 致 」 「受 容 」 「共 感 」の 基 本 的 態 度 が 深 ま り、 こ れ らが 核 とな っ て 相 手 の 人格 変 化 が 起 こ る とい わ れ て い る。 こ こで 「自己一 致 」 とい う言 葉 は 、 相 手 との 関 係 の 中 で 、 真 実 で あ り、 純 粋 で あ り、 率 直 に あ りの ま まの 自分 で あ る こ と と い わ れ て い る。 「受 容 」とは 、 相 手 の 感 情 や どの よ うな態 度 も、相 手 の 一 部 と考 え、暖 か く受 容 す る こ とで あ り、 「共 感 的 理 解 」 とは 、 相 手 が い ま 感 じて い る こ と を、相 手 と と も に相 手 が 感 じ て い る よ うに 感 じ、 しか も、 相 手 の 感 情 の 中 に巻 き込 まれ な い よ うな理 解 の 仕 方 で あ る とい わ れ る。 この よ うな 人 間 観 、 基 本 的 態 度 は、C.R.Rogersの 説 を中 心 に した カ ウ ン セ リン グ の考 え方 で あ るが 、 ク ラ イ エ ン トと真 に 人 間 ら しい 人 格 成 長 を促 進 す る援 助 関係 を結 ぶ た め の この カ ウ ン セ リン グ の 考 え方 は 、対 人 関係 にお い て も、 その ま ま適 用 で き る の で は な か ろ うか 。好 ま しい 人 間 関 係 を結 ぶ た め の 技能 は 、

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相 手 を 自分 の 考 え る方 向 に操 作 す る小 手 先 の 技 法 で あ っ て は な ら な い と思 わ れ る。 それ は 、相 手 の 社 会 的 存 在 と しの 人格 的 主 体 性 を尊 重 し、 相 手 を 自 己 実 現 の 欲 求 を持 つ 一 人 の 人 間 と して 理 解 し、 しか も、 成 長 と生 育 に向 か って 自己 実 現 を な し う る生 命 力 、 潜 在 力 を持 つ もの で あ る と い う考 え を も っ て接 し て い く こ とが 基 本 で は な か ろ うか 。 対 人 関係 に お い て相 手 が変 化 す るた め に は 、 まず 自分 自身 の 人 間観 が 変 化 成 長 し な け れ ば な らな い で あ ろ う。 5.対 人 技 能 向 上 の た め の 教 育 方 法 対 人 技 能 教 育 は 人 間 教 育 と考 え られ るが 、 対 人 技 能 を 高 め るた め に 、 ど の よ うな体 系 の も とに 、 ど の よ う な内 容 を 、 どの よ う な方 法 で、 教 育 すべ き で あ ろ うか 。 以 下 こ れ に つ い て述 べ る。 1)対 人 技 能 教 育 の 体 系 対 人 技 能 教 育 の体 系 を次 の 図 の よ うに 考 え る 。 2)対 人 言 語 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン教 育 これ は 言 葉 を 中心 と し た 内容 で あ り、 二 つ の 系 列 に分 か れ る。 一 つ は 人 間 の 発 話 に 関 す る も ので あ り、 よ い 発 音 の た め の 姿 勢 、 呼 吸 法 、 発 声 法 、 発 音 、 ア クセ ン ト、 間 、 抑 揚 、速 度 な どが こ れ に属 す る 。 も う一 つ の 系 列 は 、 言 語 表 現 関 係 で あ り、 言 葉 の 選 択 、話 しの 組 み 立 て方 、

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ま とめ 方 な どが これ に含 まれ る。 敬 語 や 接 遇 用 語 な どの 教 育 もこ れ に含 まれ よ う。 ま た 、分 か りや す く、 簡 潔 な表 現 方 法 な どの 教 育 も含 まれ るで あ ろ う。 し か しなが ら、 言葉 を 中心 と し た教 育 を行 う場 合 で も、 言葉 と動 作 は相 伴 う もの で あ るか ら、 非 言 語 的 な要 素 も同 時 に織 り込 ん で 行 うべ き で あ ろ う。 3)対 人 教 育 対 人教 育 は 、 言 語 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン教 育 以外 の す べ て を含 む もの で あ り、 面 接 技 法 訓 練 と主張 訓 練 に分 けた い。 (1)面 接 技 法 訓 練 一 対 人 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン は 喝電facetoface"の 対 面 で 行 わ れ る の が 普 通 で あ る 。 従 っ て 対 人 面 接 技 法 を 学 ぷ こ と は 、 好 ま し い 対 人 関 係 を っ く る 上 で 基 本 的 に 必 要 な こ と で あ ろ う。 こ こ で は 、 面 接 技 法 の 中 で 重 要 と考 え ら れ る 傾 聴 、kinesics、proxemicsを と りあ げ る 。 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 目 的 が 、 共 通 理 解 を 作 りあ げ て い く こ と に あ る とす れ ば 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の た め の 面 接 に お い て は 、 何 よ り も ま ず 、 相 手 と正 対 す る こ と 、 そ し て 視 線 を合 わ せ る こ と が 大 切 で あ ろ う。 こ れ な く し て は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は 始 ま ら な い わ け で あ る 。 ま た 、 身 ぶ り 、姿 勢 な ど 非 言 語 的 な も の の ほ う が 、 言 葉 よ り も、 よ り正 し く人 の 気 持 ち や 感 情 を 表 わ す こ と も あ る こ と を 考 え れ ば 、 言 葉 を 中 心 と し た 教 育 と と も に 、こ の よ う な 面 接 技 法 に も重 点 を お くべ き で は な か ろ うか 。 積 極 的 傾 聴(activelistening)は 、 相 手 の 言 葉 よ り も 言 動 の 背 後 に あ る相 手 の 感 情 を 心 で 受 け と め 、 相 手 の 立 場 に 立 っ て 理 解 し よ う と す る 積 極 的 精 神 活 動 で あ る 。 傾 聴 、kinesics、proxemicsを 含 む 面 接 技 法 の 一 つ と し て マ イ ク ロ カ ウ ン セ くユ ヨラ リ ン グ の 面 接 技 法 が あ る 。 面 接 技 能 訓 練 の よ り ど こ ろ と し て ふ さ わ し い と考 え ら れ る 。 こ れ は 、AllenE.Iveyに よ り、 カ ウ ン セ リ ン グ の 各 理 論 や 療 法 を 総 合 し 、 新 し い 面 接 技 法 と し て 誕 生 し た も の で あ る 。 マ イ ク ロ カ ウ ン セ リ ン グ は 、1966年 以 来 教 師 や カ ウ ン セ ラ ー の トレ ー ニ ン グ 法 と し て だ け で な く、 す ぐれ た コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 法 と し て も 、 ま た 、 人 間 関 係 訓 練 の 方 法 と し て も、 多 くの 場 で 多 く の 人 々 を 対 象 に 、 用 い ら れ て い る よ う

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で あ り、 こ の よ うな実 生 活 にお い て 人 々 の 成 長 の 一 助 とな る心 理 面 、 訓 練 面 へ の 利 用 は ま す ます 多 くな るで あ ろ う。 マ イ ク ロ カ ウ ンセ リン グ には 、 面 接 の 時 の コ ミュ ニ ケー シ ョン 技 法 と して 、 マ イ ク ロ技 法 の 階 層 表 が あ る。 これ は大 き く四つ に分 類 さ れ る。 -り 々 9 σ 4 基 本的かか わ り技法 焦 点の あて方 積極 技法 対決技 法 「基 本 的 か か わ り技 法 」 は 次 の 通 りで あ る。 基本的傾聴 の連鎖 意味の 反映 か か わ り行 動 の 中 に は視 線 の 位 置 、言 語 選 択 、身体 言 語 、声 の 質 が 含 まれ る。 「か か わ る こ と(attending)」 は 、 「注 目す る こ と」 「観 察 す る こ と」 「傾 聴 す る こ と」 な どの 問 題 を含 み 、 ク ラ イエ ン トの 前 で(コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 場 合 に は 一 般 に 人 の 前 で)ど の よ うに ふ る ま っ た ら よい か とい うこ とで あ る 。 秘 書 の た め の 面 接 技 法 教 育 にお い て は 、 そ の 基礎 に な る 「基 本 的 か か わ り技 法 」、 その 中で も 「か か わ り行 動 」、 「基 本 的傾 聴 の 連 鎖 」を 中 心 に取 り入 れ た ら ど うで あ ろ うか 。 q4) (2)主 張 訓 練(assertiontraining) 人 間 関 係 の 中 で と ら れ る 人 の 行 動 に は ㌔on・assertivebehaviour"(非 主 張 的 行 動)、 ㌔ggressivebehaviour"(攻 撃 的 行 動)と 《唖assertivebehaviour"(主 こ   張 的 行 動)の 三 種 類 が あ る と い わ れ る。 非 主 張 的行 動 を と る と、 自分 自 身 の権 利 を否 定 した こ とに な り、 自分 自 身 の 中 に欲 求 不 満 や 怒 りを ため 込 む こ とに な

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る。 攻 撃 的 行 動 は 、 他 人 の権 利 を否 定 す る こ とに な り、対 人 関 係 に 悪 い 影 響 を 及 ぼ す 。 主 張 的行 動 は、 自分 の 権 利 と他 人 の 権 利 の両 方 を認 め る こ とに な り、 よい 人 間 関 係 が保 て る。 主 張 的 行 動 は 、 自 己 の権 利 も他 人 の 権 利 も侵 す こ との な い 自 己表 現 で あ り、 自分 の 意 見 や 考 え、 欲 求 、 感 情 な ど を率 直 に 、 正 直 に 、 適 切 な方 法 で 表 現 す る こ とで あ る。そ して 主 張 訓 練 とは 、「人 間 関 係 の さ ま ざ ま くユ ラ な 状 況 の 中 で 、assertiveな 言 動 が で き る よ う に な る た め の トレ ー ニ ン グ 」 で あ り、 具 体 的 に は 、 ロ ー ル プ レ ー イ ン グ や 話 し合 い を 中 心 に 進 め ら れ る 。 主 張 訓 練 は 、 効 果 的 な 対 人 関 係 が 学 べ る だ け で な く 、 自 己 啓 発 に も な り 、 組 織 の 中 くユの の よ り よ い メ ン バ ー に な る た め に も効 果 的 で あ る 。 主 張 訓 練 を 秘 書 教 育 の 中 に 取 り入 れ る こ と が 効 果 的 で あ る と 考 え ら れ る の は 、 一 つ に は 、日本 に お い て は 、人 前 に お い て 自 分 を 表 に だ さ な い こ とが 美 徳 と さ れ る 傾 向 が あ る か ら で あ る 。 次 に 重 要 な こ と は 、 秘 書 が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 中 心 に あ り、 社 内 外 の 人 々 との 接 触 に お い て 、 よ い 人 間 関 係 を 保 ち な が ら 、 し か も主 張 す べ き こ と を 十 分 主 張 し な け れ ば な ら な い 機 会 が 多 い と 考 え ら れ る か ら で あ る 。 さ ら に 、 ひ い て は そ れ が 秘 書 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 の 向 上 、 業 務 処 理 の 円 滑 化 に つ な が り、 秘 書 自 身 の ス トレ ス 解 消 に も有 用 で あ る と 考 え ら れ る か ら で あ る 。 ㈲ そ の 他 そ の 他 に も 対 人 教 育 に は 多 くの 方 法 が あ る と 考 え ら れ る が 、 そ の 中 で 交 流 分 析 に つ い て ふ れ た い 。 EricBerneに よ る 交 流 分 析(TransactionalAnalysis;TA)は コ ミ ュ ニ ケ ー け お シ ョン の 改 善 と人 間 理 解 の た め の シ ス テ ム で あ る と い われ る。 した が っ て 対 人 教 育 に も関 係 が あ る と考 え ら れ る。TAは 最 初 は 心 理 療 法 の形 で 発 展 し、 そ の 後 教 育 界 、 産 業 界 な どに も普 及 して い る。 こ こ で 「交 流 」 とは 「刺 激 」 とそ れ に対 す る 「反 応 」 で あ り、 反 応 は 人 と人 との 間 お よび 「自我 状 態 」 とい わ れ る 自分 の 中の 人格 の 部 分 と部 分 の 間 に も起 こ り得 る。 人 間 関係 を よ くす る意 味 で の 「ス トロ ー ク(Stroke)」 と人 生 の 基 本 的 な 心 構 えCTmOK-You'reOK"の 姿 勢)な ど極 め て 多 くと りい れ るべ き 内容 が あ る と思 わ れ る。

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本 稿 の 内容 を ま とめ る と以下 の通 りで あ る 。 1.秘 書 に とっ て大 事 な こ とは 、 まず 、 人 間 関 係 や 対 人 関 係 の 重 要 性 に対 す る 理 解 と これ に対 処 す る ため の 心 構 え で あ る。 9 倉 0 0 4. 次 に 、 人 と人 との 結 び つ きの プ ロ セ スへ の 理 解 が 必 要 で あ る。 対 人 関 係 を よ くす るた め の要 件 の 一 つ は 、 対 人 関 係 を結 ぶ た め の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン につ い て の 理 解 で あ る。 なぜ な ら対 人 関係 は コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の プ ロセ ス を通 して 形 成 され て い くか らで あ る。ま た も う一 つ の 要 件 は 、 人 間 の欲 求 、 本 質 の理 解 で あ る。 さ らに 、 この よ うな理 解 の 上 に た っ て、 人 と接 す る と きの 基 本 的 な態 度 は ど うあ るべ きか とい う考 え 方 を 身 に つ け る必 要 が あ ろ う。 対 人教 育 に つ いて は 、 上 記 の 内容 をふ ま え て 、 筆 者 な りの 体 系 と内容 の 概 略 を述 べ た 。対 人 技 能 教 育 は、 相 手 の 人 間 尊 重 を基 本 に し た 人 間 教 育 で あ り、 対 人技 能 を身 に つ け る こ とに よ っ て、 秘 書 自身 も大 き く人 間 的 成 長 を す るべ き もの と思 わ れ る。 [付 記] 本 稿 は 、 企 業 に お い て社 内 外 の コ ミュ ニ ケー シ ョ ン の 中 心 に あ る と い わ れ る秘 書 が 「人 間 」 に つ い て 、 何 を学 ぷ べ きか と い う観 点 か ら ま とめ た もの で あ り、 こ の よ うな 考 え 方 に 基 づ き、 具 体 的 に ど の よ う な 対 人 技 能 向 上 教 育 の プ ロ グ ラ ム を 組 む か に っ い て は別 稿 に お い て 説 明 し た い 。 人 間 、 特 に 社 会 的 存 在 と して の 人 間 を 理 解 す る に は 、 杜 会 心 理 学 や 産 業 心 理 学 の 助 け を か りな け れ ば な ら な い 。 筆 者 は 、 マ ネ ジ メ ン トカ ウ ンセ リン グ に も大 き な 関 心 を 持 つ もの で あ る が 、本 稿 は 内 容 が 非 常 に 広 範 囲 に わ た るた め 、 ま た 研 究 不 足 の た め 、 説 明 に は 不 十 分 な 箇 所 が 多 い と思 わ れ る。 今 後 の ご 叱 正 をお 願 い した レ㌔

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[注] (1)松 蔭 女 子 学 院 大 学 、 松 蔭 女 子 学 院 短 期 大 学 「研 究 紀 要 」 人 文 科 学 ・自 然 科 学 編 、 第29号 、1987、pp.23-35。 (2)大 橋(1984)、 長 田(1987)に よ る 。 (3)本 章1)、2)は 、 対 人 行 動 研 究 会 編(1986)に よ る 。 (4)ホ 木(1978)、p.233よ りo (5}平(1981)な ど に よ る 。 (6)竹 内(1973)、p.105よ り。 (7)大 坊(1987)、p.184よ り。 (8)三 隅(1963)に よ る 。 (91平(1981)に よ る 。 (1①McGregor(1960)(邦 訳 、 高 橋1970)に も とつ く 。 {11)国 分(1980)、p.5よ り 。 (12)西 光(1984)、p.99よ り 。 (13)Ivey(1985)。 (14)田 畑(1987)に よ る 。 (1励Langrish(1981)に よ る 。 (16)平 木(1983)。 (17)な お 、 親 業 訓 練(ParentEffectivenessTraining;PET)に お け る 自 己 主 張(「 わ た し メ ッ セ ー ジ 」)も 、 主 張 訓 練 に お け るassertionと 同 じ 考 え 方 で あ ろ う と 思 わ れ る 。AdamsandLenz(1979)参 照 。 (1鋤Wagner(1981)に よ る 。 [参 考 文 献] 大 橋 正 夫(1984)、 「対 人 関 係 の 社 会 心 理 学 」、 福 村 出 版 。 大 橋 正 夫 ・長 田 雅 喜 編(1987)、 「対 人 関 係 の 心 理 学 」、 有 斐 閣 。 長 田 雅 喜(1987)、 「対 人 関 係 研 究 の 歴 史 と課 題 」、 大 橋 ・長 田 編 、pp,1-11。 国 分 康 孝(1980)、 「カ ウ ンセ リン グ の 理 論 」、 誠 信 書 房 。 対 人 行 動 研 究 会 編(1986)、 「対 人行 動 の 心 理 学 」、 誠 信 書 房 。

(20)

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参照

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