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熱イオン化検出器によるアンモニアとトリメチルアミンの同時分析

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Academic year: 2021

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(1)29. 報  文 倒liiiiillll闘t目ll隙目】ll暖. 熱イオン化検出器によるアンモニアと トリメチルアミンの同時分析 The Simultaneous Measurement of Ammonia and Trime重hylamine          using Thermio薫ic Nitrogeh Detector. 花井 義道*・加藤 龍夫* Yoshim量chi HANAエand Taもsuo KATou. Sy漁opsis.   The thermionic nitrogen detector was fQund to have high sensitivity ior organic nitrogen compounds. However, inspite of inorganic gas, ammonia can be also detected by way of mixing 出eother organic gas or vapQr. In this paper, as one of supplying organics, crotonlc acid was used.. The method is as iollows;the air is introduced to detector through a tube filled with crystal o士. crotonic acid, then ammonia and trimethylamine are separated by GC column and are detected by prasuma reaction i蹟the detector. In this condition the sens1t玉vety o士almnQnia increased to about 9000times and trimethylamine also several times compared with the case of no crystal. The Qptimum. condition for environmeotal analysls was examined and applicatlon to odor samples was iUustrated.. 1. はじめに. は有機物を供給する方法として,キャリヤーガスとは 限らず,有機物蒸気であればよいことに気付き,固体.  アルカリ金属の熱イオン放射を利用した熱イオン化. 有機物を充てんした管を空気流路の途中に入れる方法. 検出器(FTD, TIDまたはNP−Fmなどの呼称があ. を試みた。この方法により,アンモニア,トリメチル. る)は,有機窒素化合物,有機リソ化合物を選択的,. アミンの簡時分析ができ,環境調査に有効であること. 高感度に検出できる特性を有するがD2},安定性のう. を明らかにしたので,分析方法の検討と適用例を報告. えで問題があり,実用化がはばまれていた。しかし最. する。. 近,アルカリ金属塩を電気的に加熱する方法が開発さ れ3即,安定性の優れた検出器として各社から市販さ れるようになった。環境分析の分野では,この検出器 が悪臭成分として測定頻度が高いアンモニアとトリメ. チルァミソ用のGC検出器として,硫黄化合物に対す るFPDと弼様,広く利用されることが期待される。 ここでアンモニアは無機化合物であるため熱イオン化. 検出器には感度をもたないが,西らはキャリヤーガス にメタンを含ませて,検出器プラズマ中でアンモニア. を反応させることによって,アンモニアが検出可能な ことを考案し,ついで,この方法にもとづいて,安居 らはpgオーダーの微量分析を報告している6’。筆者ら. 2.装置および試薬  2.1装 置  ガスクロマトグラフ:熱イオン化検出器(NP−F王D). を備えたHewlett Packard 5840を,以下のような条 件を基準として使用した。.  カラム:PEG 20M 25%十KOH 2%, Chromosorb. 103,60∼80mesh,ガラス製2mmφ×6feet  温度=カラム100。C,検出器250。C,注入口150。C.  キャリヤーガス:N230m〃minまたは15m〃min  プラズマガス:H22.8鵜Z/m三n, Air 60mZ/min.  シリンダー供給電圧:15.73V. * 環境基礎工学研究室.  2.2 有機物供給管.  Department of盆nvironmental Englneering  Science.  2mmφ×10cmのステンレスまたはテフロン管に,.  (1980年9月30日受領). クロトン酸(和光純薬工業,特級)0.2gを充てんし,.

(2) 30. 両端をガラスウールで栓をした。この管を検出器入口. 表1 アンモニアの検出器応答に対する. 近くの空気管の途中に,コネクターで接続し,プラズ.    管充てん物の影響. マ中にクロトン酸の蒸気を供給できるようにした。こ の管のとりはずしは容易である。. 管 混度. 充 て ん 物. ピーク面積.  (。C).  クロトン酸(C4H602)は分子量86.1,融点72。C,. な     し. 沸点189。Cの斜状晟で80。Cで10mmHgの蒸気圧を. ナフタ ジ ン. 30. 2,120. 有する。  ・. 30. 3,640.  供給空気中のクロトン酸の濃度は,充てん貴,管の. クロ トン酸 クロ トン酸. 40. 10,500. 温度,空気流量によって変化する。最:初は10cm充て. 試料 アンモニア1460ng,水溶液1μ♂. ん,30。C 60m〃minの条件に設定した。. 管   2mlnφ×10cm.  0,4.  2.3試 薬  まず市版のアンモニア氷(富山薬品工業)の組成を,. について,ピーク面積(インチグレータのカウント数). 天秤による比重と,GCによる含水率の測定値から求. の変化を調べた。ナフタリン管もクロトン酸管と同じ. めた。このアンモニア水を水に溶かし,14.6ppmから. 方式で使用した。この結果を表1に示す。. 1.46%の氷溶液を作った。気体試料は1Z真空びんの.  これによってわかるように,管をつけないとアンモ. 内面を飽和のKOH水で洗浄し,空気希釈で1.03ppm. ニアはほとんで感度がないが,ナフタリン管をつけた. から206ppmの標準を作った。トリメチルアミン(和. 場会には30℃でピーク面積は約5,000倍に増加し,ク. 光純薬)についても同様の操作で標準試料を作った。. ロトン酸管の場合は約9,000倍に増加する。ナフタリ. ンの蒸気圧は85.8。Cで10mm}{gとクロトン酸より. 3. アンモニア分析条件の検討. やや低く,そのための蒸気供給量の違いによって,ピ ーク面積の差が生じたものと考えられる。.  3.1有機物供給管の充てん物  供給空気中に蒸気を送る有機物として常温で固体の.  3,2 有機物供給管温度の影響. 粉末状の結贔であり,沸点があまり高くないという理.  クロトン酸を充てんした管の温度を,3。Cから40。C. 由によって,クロトン酸を選んだ。またほぼ同じ条件. まで変えてアンモニアのピーク面積を調べた。結果を. を満足するナフタリンについても調べた。. 図2に示す。試料は146ngの水溶液を1μZ用いた。.  まず,アンモニア500ngおよび5ngを含む水溶液. ここで示すようにピーク学田は管温慶の上昇に伴なっ. 1μを直接導入し,クロトン.酸管使用でえられたピ. て増加する。これはクロトン酸の蒸気圧が温度によっ. ークの状態を図1に示す。. て異なり,空気中の濃度が変化するからである。この.  アンモニアの応答は他の含窒索化合物と全くi司様に. 年度範囲の蒸気圧および空気中の濃度については実測. 正常なピークを承し,感度も良好であった。. していないが,80。Cで10mmHgであり,30。Cでは.  つぎにアンモニア1460ngを用いて,何もつけない 場合と,クロトン酸およびナフタリン管をつけた場合. area count5. 2.. 8. 800. 2 の. ゆ eり. 2. X2判. の. 工. 2. 400. X2樗. 0. 0. 10. 20. 30. 40 ℃. 図1 クロトン酸管使用によるアンモニアのピーク. 図2 クロトン酸管温度の影響.

(3) 31. !τnmHg以下と推定されることから空気中の濃度は. 試料は50ngの水溶液を用いた。ピーク流積は60∼65. !%以下と考えられる。安定した感度をうるには管湿. m〃minで最も高く,70m〃min以上で急激に減少し. 度を一定に保つことが必要である。また,管温度を上. た。空気流量は60mZ/騰inが最適である。. げることによって,より高感度の分析も可能であるこ.  3.4 水素流量の影響. とを承している。しかし,クロトン酸の融点72。C近.  水素流量を1m〃minから5mZ/minまで変え,ア. くにまで上げると,クロトン酸が流れ幽す恐れがあ. ンモニアのピーク面積を調べた結果を図4に示す。. る。室温が2G。C以上で安定していれば,加熱したり,.  水素油墨2.5m1以上で,直線的に増加した。しか. 特別に渥度調眼する必要はない。. し3.5m〃min以上ではノイズが顕著となるので,水.  3.3空気流量の影響. 素流量は3m〃min程度が適当である。.  空気流量を55m〃mlnから100m〃minまで変えて.  3.5検出器温度の影響. アンモニアのピーク面積を調べた結果を図3に示す。.  検出器温度を100。Cから300。Cまで変えて,アン モニアのピーク面積を調べた結果を図5に示す。ピー ク面積は検矯器温度に伴なって増加する。検出器潟度. 103. の上限は400。Cとなっているがあまり高温使用は好ま しくなく,250QC程度で適当である。. a『ea £◎unts.    3.  10 area count. 5・102. 5402 0. 60. 80      雪0◎. airfl・w m吟in 図3窒気流量の影響,アンモニア500ng水溶液. 0 100. 200        300    FlO temp  OC 図5 検出器温度の影響. 2・103. area counts.  3。6検量線  水溶液の試料を用いて!。46ngから14.6μgの範囲 の検量線を作成した。この結果を両対数グラフによっ. て図6に示す。検量線は1∼1000ngの面心で傾き 45。の直線である。しかし,1μ9以上ではピークの. 103. 形が変形し,直線の延長より低い面積値となった。.  つぎに定量限界を調べるために,1ng程度の低濃 度試料の分析チャートを図7に示す。低濃度の試料で は試料導入直後のベースラインの変動の影響を受ける. ので1ng以上が定量可能な二野となる。これは気体. 0. 0. 試料1m♂で約1ppmに相当する。検出器は1週間連  3     6. H・臼・wmレ循ln 図4水素流量の影響,アンモニア500ng水溶液. 続使用した範囲では,再現性も良く,また,約1年 間,アルカリチップを交換する必要もなかった。.

(4) 32.   吊04. area. COunts 103. 言. B. A. 102.    邑.   穫   夏   乞  夏ε ぐつρう β == 卜・. Z o’. 可0. 4.  1    10   102   103.  閉04.                   NH3. 轟9.  図6 アンモニアの検量線,試料:水溶液.  4. トリメチルアミンとアンモニアの    同時分析.         図7 アンモニアの定量限界 十K:OH 2%をコーティングしたChromosorb 103, 60∼80meshが優iれていた。カラム温.度120。C,窒:素. 流量15mZ/minの条件で分析したクロマトグラムを図.  4.1カラム条件の設定. 8に示す。保持時闘はアンモニア0.74分,トリメチル.  トリメチルアミンをアンモニアと同時分析するた. アミン1.77分であり,水は約5分の位置にマイナスの. め,カラム充てん剤を検討した結果,PEG 20M 25%. ピークとして現われた。Chromosorb 103のみでは水. とトリメチルアミンが重なるが,PEG 20Mを加える と水の保持晴澗が長くなり,水の影響を受けない。な. 、1. お,FID検出器で使われるChroInosorb 104は含窒. < Σ. 素化合物であるために,熱イオン化検出器には適さな. 「』. いQ.  4.2 アンモニアとトリメチルアミンの相対感度.  1.  管充てん物がトリメチルアミンの検繊応答に与える 影響を,3.1と同じ条件で実験した結果を表2に示す。. クロトン酸はトジメチルアミンの感度向上にも寄与す の. ることがわかった。この実験においては感度は約3倍. =. z. 上昇した。つぎに,アンモニアのトリメチルアミンに 対する相対感度は,クロトン酸使用の場合,30。Cで. 甑. 表2管充てん物のト夢メチルアミン    検出応答に対する影響 \.   ヤ  \深_L一. 充てん物険曙. カラム:PEG 20M 25%十KOH 2%,.      …. 羅欝鍵蕪.     Chromosorb 103,60∼80mesh,. な   し. 16,800. 2.5×10−6.     2mmφx6圭t.,120。C. ナフタジン クロトン酸. 30. 21,400. 0.0104. 30. 48,300. 0.00792. クPトン酸. 40. 45,400. 0.0243. キャリヤーガス:N215mZ/m}H.. 試料:水溶液,アンモニア2500ng,.        トリメチルアミン250ng 図8 アンモニアとトリメチルアミンの分離. 試料 トリメチルアミン153ng,水溶液ユμZ. 管  2mmφ×10cm.

(5) 33. 0. 紛5 area counts. ●rMA ! ! !. !. o . 103. o o. NH3. o. o. Q. O. 10. o. o 0.1. 1. ng. 10. 100. 霊.     壌O μ9. 100. 1. mg. 図9 トリメチルアミンとアンモニアの同時分析における検量線 約1/120,40。Cで1/40であった。アンモニアとトリ. には,1劣のKOHを塗付したTenax GC(60∼80. メチルアミンを10:1の割合で含む水溶液を用いて検. mesh)を充てんした。下水処理場大気を10Z捕集分析. 量線を作成した結果を図9に示す。この時はシリンダ. したクロマトグラムを図10に示す。クロマトグラムは. 門供給電圧19.2V,水素流量5mZ/min,窒素流量. アンモニア0.050ppm,トリメチルアミン0.00019ppm. 16m〃min,カラム温度120。cの条件で分析した。. に梱当する。なお保持時間は置接導入と比べると,追. 傾き45。の平行した直線となり,アンモニアはトリメ. い出し時間分だけ長くなっている。. チルアミンの約1/100の感度であった。しかし両者と.  つぎにし尿処理場排ガス脱臭装置前後の排ガス分析. も20μg以上で直線性からはずれ,値はやや低くな. 結果を図11に示す。Aは脱臭装置前, Bは後である。. る。ここで,アンモニアの直線領域は図6の場合にく. Aのピークはふり切れているが,数値はインチグレー. らべ若干広がっているが,これは水素流量とシリンダ. タで測定された面積値である。. ー供給電圧を高くしたためと考えられる。トリメチル.  濃度は未処理ガスについては,アンモニアが23ppm,. アミンは0.01ng程度でも検出できるが,このような. トリメチルアミンが0,11PPmであり,脱臭処理ガスに. 極微量となるとシリンジの汚れ,吸着等の影響が大き. ついては0.33ppmと0.0001ppmであった。このように. く再現性ある分析は困難であった。一般に最高検出能. 悪臭ガスに対する脱臭処理の効果を正確に把握するこ. 力と色々の試料に対して安定して使用できる性能とは. とができる。. 当然異る判断となり,実際は後者が重視される。.  これまで処理下等で測定した悪臭ガスの多くは,ト リメチルアミンとアンモニアの濃度比率が1/100以下. 5.実施例. であることが多く,したがって本法のアンモニアのト.  このクロトン酸管を付けた熱イオン化検出器によっ. リメチルアミンに対する相対感度が1/100と低いこと. て実際に多数の悪臭ガスを分析した。その例として下. は,実際の悪臭環境分析ではむしろ好都合であった。. 水処理場大気と,し尿処理場排ガス分析を示す。環魔. 試料の濃度と試料の保存の安定性を考慮し,現場で. 6.結  言. 0.5♂から10Zの試料ガスをシュウ酸ビーズに捕捉濃縮.  熱イオン化検出墨による環境分析は今後含窒素化合. することにした。シュウ酸ビーズ法は既報5)のとおり. 物の追求の面で成果が期待されるが,まずその当面の. である。ただ,KOH分解後に再濃縮するGC試料管. 適用として悪臭分析に実施して極めて有用であること.

(6) 34. § § 霧 ミ. £. 圭. く. z. ト. z. £. 舅 ↓. 。. <. ←. A. B. 酬 10Z濃縮. A 未処理,0,5♂濃縮. アンモニア 0.050ppm,.  アンモニア 23ppm,トリメチルアミン 0.11ppm. トリメチルアミン 0.00019ppm. B 脱臭装置後 5Z濃縮.   図1C 下水処理場内大気,.  アンモニア 0.33ppm,トリメチルアミン 0.0001ppm         翻11 し尿処理場排ガス. が実証された。ここでクロトン酸蒸気を導入すること.  gens a頁d phosphorus, Nature,20,1204(、1964). によって,低濃度のアンモニアとトリメチルアミンの. 2)M.」.Prager and B. Deblinger:Continuous. 属時分析が可能になった。悪臭汚染は俵然として公害.  monitoring of organophosphorus in air with. 苦情で高い比率をしめており,その改善には今後さら.  an alkali meta1・dual Hame ionization detector,. に努力を要する。とくに,処理場等の公共事業所から.  Environ. Sci. Tech.,1, 1008 (玉967). の悪臭防止は最重点課題でなければならない。かかる. 3)B.Kolb and J. Bischo蛋:Anew design of. 意味で,悪臭防止法の趣旨の一層の徹底が望まれ,そ.  atherm玉onic n玉trogen and phosphorus detector. の技術的基礎としてGC法による化学分析が益々重要.  lor GC, J. Chrom。 Sc三.,12,625(1974). 性を加えるであろう。. 4) 安居茂夫・谷本恭平:高周波誘導加熱による微. 文. 献.  量アンモニア分析方法の検討,日本分析化学会第  27年要旨集,395(1978). 1) A.Karmen and L. Giuffrida二Enhancement. 5)加藤龍夫・花井義道・仲山伸次:シュゥ酸ビー.  of the response o壬the hydrogen且ame ioniza−.  ズ法によるトリメチルアミン分析法の設定,横浜.  tion detector to compounds containing halo一.  国大環境研紀要,4,7(1978).

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