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JAIST Repository: バイオベンチャーの特許出願活動(知的財産権,一般講演,第22回年次学術大会)

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title バイオベンチャーの特許出願活動(知的財産権,一般講 演,第22回年次学術大会) Author(s) 佐伯, とも子 Citation 年次学術大会講演要旨集, 22: 432-435 Issue Date 2007-10-27

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/7303

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2B01

バイオベンチャーの特許出願活動

○佐伯とも子(東京工業大学) 1.はじめに 医薬分野では、物質特許による保護という強大な権利保護があることから他の産業分野と対比し て、個々の特許が極めて重要である。また、バイオ分野では、その技術の進展とともに特許の保護 のあり方が検討され変遷してきたこととともに、特許出願対象の分野が多様化し特許出願の件数が 増大していることを特徴としている。出願件数推移についての報告によると、バイオテクノロジー 基幹技術については[特許庁(2001)]、1990 年に 2500 件程度であったのが、出願件数の増加傾向 は1995 年以降にその増加率が高くなっていて、1998 年には、約 6000 件までに増加し、バイオテ クノロジー全体では[特許庁(2002)]、1991 年 2500 件程度が 1999 年には、7000 件を超えている。 バイオベンチャーは、これらの特徴ある特許保護対象である技術を基盤とした事業を行う点で、 その知的財産戦略の位置づけが重要であるとともに、戦略の立案実施に当たって、特許保護の変遷 や多様化などに対応することが必要である。 2.バイオ分野における特許保護 バイオ分野では、技術が急速に進歩することにより、先端技術であったものが短期のうちに通常 の技術水準となってしまうというように技術水準が短期間で変化していく分野である。 特許性の有無の判断は、技術水準に基づいて行われ、バイオ分野で特許保護に関して様々な問題 が生じるのは、このように技術水準の変化が多く、そのような変化の多い技術水準によって特許性 の有無判断が影響を受けるからである。 「特許・実用新案審査基準」[特許庁]では、バイオ分野における特有の問題に対応するため「特 定技術分野の審査基準」として「生物関連発明」についての審査基準を公表している。 公表されている審査基準により、特許性の判断がどのように行われるかを理解することができ、 特許出願について事前に特許出願をするかどうか、どのような発明として特許出願をするかなど戦 略を立てるための参考とできる。 しかしながら、審査基準の内容は、専門性が高く、特許性の判断などについて特許保護を専門的 に取り扱う立場でないと十分に理解することが難しい。 バイオベンチャーでは、独自の技術を基盤として事業を行っていくのであるから、その技術を特 許によって強固に保護し、その事業の発展を確実なものとしなければならない。バイオベンチャー の特徴として、技術の特許による保護は、個々の特許が権利として強大であるため、多くの特許件 数による保護を図るというより、少数の基幹となる特許により保護を行うことになる。 そこで、強固な特許保護のためには、特許のそれぞれを的確な権利として確実に保護しなければ ならないこととなる。[尾崎(2007)] 自社の技術を的確でしかも強固な特許保護を行うためには、上記のようなバイオ分野での特許保 護の特徴を理解し、特許保護の考え方を示している審査基準を理解した者によって、手続を行うこ

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とが求められる。 3.バイオベンチャーにおける特許出願 バイオベンチャーにおいては、従業員数が少なく人材の余裕がないためその中から特許の専門的 な人材を配置することは負担が大きい。それにもかかわらず、その特許1件の重要性が大きく、特 許の考え方についても専門性が高い。 このような状況では、外部専門人材である弁理士、その特許事務所を利用することにより解決す るのが通常と考えられる。 バイオベンチャーへのアンケート結果(日経BP 社バイオセンター編集「バイオベンチャー大全」 に掲載されている国内276 社へ平成 19 年 2 月送付、回収数 47 社)では、外部支援機関・サービ スの利用について、利用実績率、今後の活用方針としての積極性が、特許庁ホームページ等ととも に、弁理士、弁護士等の外部知的財産専門人材は、高い値であった。(利用実績率は、それぞれ7 9%、61%)(図1) 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 特許庁HP等 工業所有権情報・研修館HP等 発明協会HP等 特許流通アドバイザー制度 特許料等軽減・猶予制度 VB向け特許料等軽減制度 中小企業庁HP等 中小企業基盤整備機構HP等 自治体の知的所有権センターHP等 自治体の中小企業支援センターHP等 地域の商工会、団体、交流組織 日本弁理士会HP等 弁理士、弁護士等の外部知的財産支援人材 経営コンサルタント、中小企業診断士等 活用の積極性 図1 外部支援機関・サービスの利用今後の活用方針 (注:活用の積極性は、活用しない~積極的に活用する、の5 点尺度リッカートスケールによる回 答の平均値) このような特許保護を支援する特許出願の代理を行う弁理士の中、バイオ分野・生物分野を専門 として挙げているのは、それぞれ、565 名、436 名、薬学分野が 429 名(日本弁理士会ホームペー ジ-弁理士を探す-専門分野で探す、技術分野で特定することにより検索)である。 専門人材がある程度存在しているものの、バイオベンチャーにとっては、自社事業に適応した出

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願や保護の必要があり、これら専門人材の業務評価は、単に特許取得率が高い、出願実績件数が多 いというだけではないので、自社に適切な専門人材として選定することは難しい。さらにこのよう な専門人材を利用すると、外部利用の費用が高額となることを避けられない。 社内での専門人材を育成し、自社での手続を行うことにより、外部利用費用を節約することがで きる。さらに、自社内での専門人材を配置することにより、このような人材は、自社の事業戦略を 理解しているから、より自社に適した戦略的な特許出願が行えるようになる。 創薬バイオベンチャーであるアンジェス MG 株式会社では、2006 年 4 月に CIPO(Chief Intellectual Property Officer;最高値的財産責任者)を任命し、自社の特性・独自性を生かした知 的財産経営の強化を図っている。[アンジェスMG 株式会社(2007)] 4.効率的特許出願活動 バイオ分野の発明の特徴から効率的な特許出願活動は以下のとおりと考えることができる。 ①特許出願におけるクレーム比率(クレーム数/明細書頁数)が高い。 1 件で多様な発明を保護するための出願を行うには、発明の単一性を満足する前提でできるだけ 多様な発明を請求項として記載することであるが、請求項として記載できる発明は明細書に開示さ れた技術内容を超えることはできない。(記載要件) そこで、明細書の記載量と比較してその請求項数が多いことが効率的な特許出願であるといえる。 ただし、請求項数が多いと出願手続、権利維持手続の費用が大きくなるので、それによる上限が あるし、単にカテゴリーが相違するだけの複数のクレームを記載することは意義が低い。 ②審査基準に示されている許容範囲のクレーム表現だけでなく、より幅広い表現にチャレンジす る。「治療方法」の表現など。 次に、外部専門人材(弁理士)選定利用に当たり、 ③バイオ分野の専門性が高いことを前提として、手続、権利保護のリスク管理上複数の弁理士(又 は特許事務所)に分散して依頼する。 ④その業務評価を実施し、さらには、自社の専門人材により、外部専門人材の業務を評価する。 5.事例による特許出願活動状況調査 バイオベンチャーとして、創薬系2 社、研究支援系 2 社を選定し、その特許出願についての特徴 をみた。対象としたのは、2002 年~2006 年出願公開の特許出願である。 特許電子図書館 公報テキスト検索により特許出願を選定した。 検索キーとして、「出願人・権利者」を用い、それぞれの企業名を入力することにより検索し、 該当する出願公開公報の表記からクレーム数、公報頁数、代理人の有無と氏名、共同出願者の有無 を調べた。クレーム比率、代理人使用率、共同出願率を求めた。 なお、クレーム比率算出に当たって、出願公開公報頁数には、書誌的事項のページなども含まれ るため、クレーム比率=クレーム数/[公報頁数-(書誌的事項表示頁数、クレーム・技術分野・ 背景技術・配列表頁数)]とした。公報フォーマットが同じである 2004~2006 出願公開公報を対 象とした。 対象となった特許出願件数が少数であるものの、創薬系では、クレーム比率がより大きくなって いる。 いずれの企業も2箇所以上の弁理士(特許事務所)を利用していた。共同出願による場合には、 相手方の要請による弁理士を代理人としなければならないことも考えられるが、単独出願だけを対

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象としても2 箇所以上の弁理士を利用していた。 アンジェスMG 株式会社では、自社による特許出願活動を行っている。 表1 バイオベンチャー企業の特許出願活動状況 分類 企業名 出願公開件数 (2002~ 2006 年) 代理人使 用率 共同出願 率 クレーム比率 (2004~2006 年出願公開 件数) 創薬 アンジェスMG 18 0.6 0.2 1.1(14) LLTバイオファーマ 12 1.0 0.2 1.5(12) 研究 トランスジェニック 6 1.0 0.3 1.0 ( 4) 支援 プレシジョン・システ ム・サイエンス 16 1.0 0.5 0.9 ( 7) さらに、それぞれの出願公開公報の特許請求の範囲の記載を参照することにより、記載の特徴を 調べた。クレームの記載については、代理人により、多様なクレーム表現が用いられており、複数 以上の専門人材の利用は意義のあることと考えられる。 バイオ分野では、特許出願についてより専門性の高い知識に基づいた活動が求められ、バイオベ ンチャーでは、今後も外部専門人材の活用が積極的に行われるであろう。そのような状況において、 バイオベンチャーは、基盤である技術を的確かつ強固に特許保護しなければならないが、事業分野 に応じたクレーム比率の適正範囲、外部専門人材の活用手法、多様なクレーム表現のサンプル等そ の特許出願活動のための指針を策定することにより、人材・費用の点で効率のよい特許保護のため の特許出願活動ができると考えられる。 6.参考文献 アンジェスMG 株式会社,「知的財産報告書 2007」(2007),アンジェス MG 株式会社ホームペ ージIR ライブラリー,http://www.anges-mg.com/ir/pdf/2007_03_chiteki.pdf 尾崎弘之「バイオベンチャー経営論-医薬品開発イノベーションのマネジメント」(2007)丸善(株) p.94-95,p127-128 特許庁,「特許・実用新案審査基準」(第VII 部 特定技術分野の審査基準 第 2 章生物関連発明) 特許庁ホームページ,http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm 特許庁技術調査課,「バイオテクノロジー基幹技術に関する技術動向調査-特許から見た研究開発 の現状と課題-」(2001)特許庁ホームページ,http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm 特許庁総務部技術調査課,「ポスト・ゲノム関連技術 -タンパク質レベルでの解析と IT 活用- に関する特許出願技術動向調査-特許から見た研究開発の現状と課題-」,(2002)特許庁ホームペ ージ,http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm 日経BP 社バイオセンター編,「バイオベンチャー大全」(2005) 日 本 弁 理 士 会 ,「 弁 理 士 を 探 す - 専 門 分 野 で 探 す 」, 日 本 弁 理 士 会 ホ ー ム ペ ー ジ , http://www.benrishi-navi.com/v2/specialty/skill.php

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