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JAIST Repository: カルモジュリンのC末端残基の役割

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Academic year: 2021

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(1)JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/. Title. カルモジュリンのC末端残基の役割. Author(s). 黄, 多率. Citation Issue Date. 2011-12. Type. Thesis or Dissertation. Text version. none. URL. http://hdl.handle.net/10119/10051. Rights Description. Supervisor:大木 進野, マテリアルサイエンス研究科 , 修士. Japan Advanced Institute of Science and Technology.

(2) カルモジュリンの C 末端残基の役割 黄. 多率. 【背景】カルモジュリン(CaM)は真核生物細胞に普遍的に存在する Ca2+ 結合タンパク質で ある。Ca2+ を結合した CaM が多様な標的酵素を活性化することにより様々な生理現象を調節 する。CaM は EF ハンド型の Ca2+ 結合ドメインを 4 つ持つが、出芽酵母 CaM(yCaM)の最も C 末端側の EF4 は変異により Ca2+ 結合能を欠いている。それにも関わらず、yCaM の EF4 の F へリックスは標的酵素の活性化に必須である。そこで本研究では CaM の C 末端残基に注目 し、それらが担う役割を調べることにした[1-4]。共同研究者らが測定した欠損変異体 (Figure 1)の Ca2+ 結合能と標的酵素活性化能の結果では、C 末端から 6 残基以上を欠損さ せた場合に顕著な機能低下が分かった。さらに、円二色性測定の結果からは C 末端残基を 欠損するほど Ca2+ 依存的な構造変化が減少し、特に C 末端側から数えて 4 番目と 5 番目のア ミノ酸残基まで欠損させた 2 種類の変異体の間に変化の境界となる部分が存在することが 確認された。今回この結果を受けて、4 と 5 残基欠損の 2 種類の変異体を用いた各種 NMR 測 定を行い、それら変異体の構造と Ca2+ 結合、標的ペプチドの結合と複合体構造についての知 見を得た。. C C Figure 1. : Ca 2+ 結合ループ : F-helix. EF4 においての CaM と欠損変異体のアミノ酸配列。Chicken CaM を CCM0 とし、. Δ以下の数字は C 末端側の欠損された残基数を表す。.

(3) 【実験】全長の CaM およびその変異体は、大腸菌の発現系を用いて作製した。精製には各 種クロマトグラフィを用いた。標的ペプチドは受託合成品を用いた。NMR の測定には Varian INOVA750, Bruker AVANCEⅢ500 および 800 を用い、298K で行った。構造情報を得るために、 均一 15N 標識試料の 1 H-15 N HSQC を測定した。また、EF ハンド型タンパク質の NMR 研究でし ばしば Ca2+ の代わりに使われている 113 Cd を用いて 1 次元 NMR 測定を行った。測定データの 処理には、NMRpipe を用いた。 【結果・考察】SDS-PAGEの結果から、CCM0とCCMΔ5の発現と精製が確認された。 CCM0、CCMΔ4とCCMΔ5の1 H-15 N HSQCスペクトルからCa2+ 依存的な構造変化が観察された (Figures 2 and 3)。Ca2+ を結合していないCCMΔ4とCCMΔ5のNMRスペクトルのEF3とEF4に 由来するピークでは強度の低下や線幅の増大などが観測された。このような不明瞭なピー クを持つことから、両者のEF3とEF4は不安定な構造を持っており、しかもNMRスペクトルが 良く似通っていることから、これらの構造は類似していると予想できる。 CCMΔ4とCCMΔ5が結合するCa2+ の数を透析平衡法で調べたところ、3個か4個かを確定する 明瞭な結果が得られなかった。しかし、CCMΔ4とCCMΔ5は全長CaMと同程度の標的酵素活性 化能力を示した。そこで我々は113 Cd-NMR実験を行い、これを詳細に調べた(Figure 4)。 Figure 4の左側と右側はそれぞれ標的ペプチド非存在下と存在下のスペクトルである。 CCM0は4個の113 Cdを結合するが、標的ペプチド非存在下の113 Cd-NMRスペクトルではCa2+ 高親和 性のEF3とEF4に結合したCd2+ からの信号のみが観測される(Figure 4a)。CCM0と標的ペプ チドとの複合体では見かけのCa2+ 結合能が高くなるので、4本の信号が観測される(Figure 4d)。CCMΔ4のスペクトル(Figures 4b and 4e)がCCM0のスペクトル(Figures 4a and 4d) とほぼ一致することから、CCMΔ4は4個のCa2+ を結合すること、標的ペプチドを結合した構 造はCCM0の複合体構造に近いことが明らかになった。一方、CCMΔ5のスペクトル(Figures 4c and 4f)はCCM0やCCMΔ4のスペクトルとは大きく異なることが明らかになった。標的ペ プチド非存在下のCCM0で確認されるC末端側の2本のピークと比べ、CCMΔ5のスペクトルで は1本のピークのみ観察される。この結果から、欠損の影響によりEF4のCd2+ 結合能が低下し たと判断される。また、標的ペプチド存在下のCCMΔ5のスペクトルでは2本の強いピークと 2本の弱いピークが観察されるが、後者は欠損が存在するCドメインに結合した2個のCd2+ か らの信号であることが分かる。 この結果は、C末端側から5番目の残基(Met144)がCa2+ 結合や標的酵素との結合にとって 重要であることを示唆している。.

(4) 10. T79. T28. F92. 9. K94 D131. 8. K21 V35 D64 A57 K148 N137 A102 A147 E139. N60 E6 K13. D58. T117 T44. T5 T29. S17. G59 T146 G23 I27 T26. G113. G40. V91. B. G25. G98. 10. V136. G61. T44. A102. G40. 9 8 1H (ppm). N137. D131. N60 E6 K13. T117. T5. G33. C 10. 9. 8. と比べてなくなった残基を表す。. Ca2+非存在下の CCM0、CCMΔ4 と CCMΔ5 の 1H-15N HSQC スペクトル。パネル B のボックスはパネル A. V136. Figure 2. A. G25. G98. G61. G33. 130. 120. 110. 15. N (ppm).

(5) I27. F65. N42. T28. T5. T44. M144. M145. S17. G23. 9. A57. 8. A. L4 K115 K21 F141 L116 A147 K94 V136 K148 I130 D64. T26. G96. G113. I100. 10. I27. N137 A57. D64. F141 I130. G113. G40. 9 8 H (ppm). 1. V136. K13. A102. T117. T29. G33. B. I100. G98. 10. I27. N137. A102. T117. 9. A57. G33. 8. C. G113. G40. Ca2+存在下の CCM0、CCMΔ4 と CCMΔ5 の 1H-15N HSQC スペクトル。パネル B と C のボックスはパネル A. N137. K13. E6 E82 L105 A102 D118. T117. T29. T62. G40. と比べてなくなった残基を表す。. Figure 3. 10. I100. G98 G134 G61 G25. G33. 130. 120. 110. 15. N (ppm).

(6) Figure 4. CCM0、CCMΔ4 と CCMΔ5 の 113Cd-NMR スペクトル。左. 側(a、b と c)と右側(d、e と f)はそれぞれ標的ペプチド非存在下と 存在下の CCM0、CCMΔ4 と CCMΔ5 のスペクトルを示す。CCM0 と b)、CCMΔ4(b と e)と CCMΔ5(c と f)である。. (a.

(7) 【参考論文】 [1] Luan Y, Matsuura I, Yazawa M, Nakamura T & Yagi K. Yeast calmodulin: structural and functional differences compared with vertebrate calmodulin. J.Biochem. 102, 1531-1537 (1987). [2] Yazawa M, Nakashima K & Yagi K. A strange calmodulin of yeast. Mol. Cell. Biochem.190, 47-54 (1999). [3] Forsé n S, Thulin E, Drakenberg T, Krebs J & Seamon K. A 113Cd NMR study of calmodulin and its interaction with calcium, magnesium and trifluoperazine. FEBS Lett.117, 189-194 (1980). [4] Matsuura I, Ishihara K, Nakai Y, Yazawa M, Toda H & Yagi K. A site-directed mutagenesis study of yeast calmodulin. J. Biochem. 109, 190-197 (1991)..

(8)

Figure 1  EF4 においての CaM と欠損変異体のアミノ酸配列。Chicken CaM を CCM0 とし、
Figure 4    CCM0、 CCMΔ4 と CCMΔ5 の 113 Cd-NMR スペクトル。左 側(a、b と c)と右側(d、e と f)はそれぞれ標的ペプチド非存在下と 存在下の CCM0、 CCMΔ4 と CCMΔ5 のスペクトルを示す。 CCM0  (a と b)、CCMΔ4(b と e)と CCMΔ5(c と f)である。

参照

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