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<研究論文>企業経営におけるエキスパートシステムの戦略的意義に関する一考察 利用統計を見る

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<研究論文>企業経営におけるエキスパートシステム

の戦略的意義に関する一考察

著者

内木 哲也

著者別名

Uchiki Tetsuya

雑誌名

経営論集

37

ページ

19-41

発行年

1991-03-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005710/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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企業 経営 にお けるエ キ スパート システムの

戦略的意義 に関す る一考察

哲゛ 也

19 1. はじめに コンピュータ は, 電子計算機 とい う名 が示 す とお り, 詳細 な数値情報 に基 づ いた演算 によっ て情 報処理 を行 う計 算機 として利 用さ れて きた。そのた め, 会 計, 財務, 在庫管理 な どの数値 を扱 う業 務 や伝票 の作成, 処理 などの 定型 的 な文書を扱 う業 務 に用 いら れて きた。 今 日, コンピ ュータ は その処理 能力 の向上 や周辺 機器の進展, 小型化 などによ り数値以 外の文字,図 形, 画 像, 音声 などの情 報 も取 り扱 え るようになっ たた め,企業 活動のあ らゆる場所 で 用 いられるよ うになっ た。 しかし,基 本的 には それらのデータ の意味は解釈 さ れず, あ くまで記 号 とし て演 算処理 す るだ けであっ た。 その た め, こ れら の システム1)は作業 に必要 な筆記 用具 と出来上 がっ た情報 を保存, 再利用 す る ための ツール としての位 置付 けで しかな かっ た。 これに対 し て人工 知 能(AD 技 術 は, こ れらの情報 を 単なる記 号 としてだ けでな くその意味を汲 み取 ろ う とい う方向 で 進展 して きた‰ そし て,こ れら を知識情報 として問題 解決 のた めの推論 に利 用してい こう とす るエ キ スパー ト シ ステムが 登場 す るので あ る。 エ キ スパ ート シ ステムは その名の通 り専門 家 に匹敵す る知識│青報 を持 ち, それを用 い て高度な判断 や問題解決能力 を実 現 するこ とを目指 した ものであ る。 こ の技 術 を用い れば, 情報処理 システム を これまで のデータ処理 や情報 管理 ツール としてだ けで な く, 設計, 計画 な どの ような高度 な判断 を支援 す るシ ステムへ と発展させ るこ とが可能 と考 え ら れる[1,2 ]。 その ため,多 くの企業 で競っ てエ キスパート・ システ ムの 研 究開発 が行 われた。 しかしこの よ うなAI 技 術 に対 する過度 な期待 は,開 発 さ れたシステ ムが実験的 シ ステムの域 を超 えられず実用的 なシ ステムには至

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らない もの が ほ とん どであっ たこ とか ら, 急速 に萎 んで ぃっ た。 その理由 と し ては, 実用 的 なエ キ スパ ート シ ステ ムに必要 な系 統的 に整 理さ れた専門知 識が簡 単 に獲 得で きないこ とや対象 とす る問題 が理想的 な状況 とは大 きく異 なるこ とな どが原 因 とし て考 えら れてい る[3,4] 。 以 上 の ような経緯 が めっ た ものの, その後 今 日 まで の 試行錯 誤的 な研究開 発の中 か ら着 実 に実用的 なシ ステ ムが開発さ れ, 多 数利 用さ れ るようになっ て きた とい わ れてい る3)。そこで, 本論 文で ぱ日本 におけ るエ キ スパートシ ス テ ム利 用 の実 態 を企業 の経営戦 略的 な観 点 か ら分析 し, その現状 と問題点, そして将来 展望 につ いて考察 す る。 2 。現 在の 主要な エキ スパートシステム事 例 こ れまで企業 の経診│青報 システム(ManagementInformationSystem:MIS) で 用い ら れて きた手法 は計算を主体 としたOR 手法 やEDP 処理 のような (一 般 的 にノレー チン ワーク と呼ば れる)定型的 かつ反復 的 な情報処理 手法で あっ た。 この 問題 はSimon の分類 [5 ]によ れば,「構 造化 さ れた意思決定」 (well-structureddecision )で あ る と分類で き,「プ ログ ラ ムド な意思決定」 (programmeddecision )手法で解決で きるので あ る。こ れに対 し て,エ キ スパ ー トシ ステ ムはヒュ ーリ スティッ クな問題解決 手法 を用 いた情報処理 シ ステムであ る。 こ れは 「ノンプ ログ ラムドな意思決 定」(non-programmeddecision )手 法 と分類 で き,経営 者や管理 者が行 う単発で 新奇 な方針決定の よ うな「構造化 さ れていない意思決定」(ill-structureddecision) の解決手法 であ る。 そのよ うな意味 から, 先 に も触れたよ うにエ キ スパ ート シ ステムを用い る こ とに より,MIS を単に意思 決定点お よび意思決定 者 に必要 な情 報 を提供 す るだ けの仕 組 みか ら, 意思決 定点の高度化 や意思決 定の支援 とい うような よ り高度 な システ ムへ の発展を期 待で き るのであ る。 その た め, 現 在多 くの企 業でエ キ スパ ート シ ステムの研 究開発が行 われてお り, 日本 で も表1 に示 す ような システムが利用さ れてい る。 表1 は現 在各業 界で 実用化さ れてい るシステム4)を その業務 内容 に沿っ てい くつ かの代 表的 な適用業務 に まとめて分類 した もので あ る呪 エ キ スパ ートシ ステムは, 基本的 にはど れも同様 な構 造 をしてい る[3,4 ]力し 問題 解決 のヒiコ,− リ スティ ックめ適 用方法 の違 いか ら分析 型, 合成型, 誘導 型の3 種

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企業経営 にお け るエ キ スパート シ ステ ムの戦 略 的意義 に関す る一考察21 表1 各 業 界 で 利 用 さ れ て い る 代 表 的 エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 分 類 ( 各 シ ス テ ム は 制 御 型 の 一 部 シ ス テ ム を 除 き 基 本 的 に 支 援 シ ス テ ム で あ る ) 剛 彊 邨 剛 ㈲ 謳 俗 低 暖 国 唄 飴 刻 刻mm − 一 一 一 頃 囲 − 蝦 唄 袱 誕 回 徊 裾− 一 越 − 一 矩 俗 一 裕 姫 愁 撃 蜃 低 茫 国 画 輩 国 画 拓 臨 圓 鉛 謳 郵-S 拓 畑 にに べ 函 伺 則 畷41 雁 一暖 糾く _ ・ 芝 暖 | 雪 国 誕 一 ム拓 一 回 回 ‰ 囲 国 臨iilinr<・ 拓 殖 脈喘 息 紅 糾 敵刻 刻 ヨ 回 無 臨 ぺ.、一 回 以 ャ 玉 昌 ら 鯖 伺 − 居 臨.v,-, べ 敵 営 弊V 叫 ね 首 駱 氷 暖 圖ivv 迅-│-倒 囲 刈 圏,fe奪 臨 霖 霖 暖 暇 佃 屁 貼G 響 鮮 聘 朝 政 朝 "^rrnrjn Tjy 針 ミi 卜 卜 に 萌 恥 駱 心 _ 暖 暖 瓢 越  ̄ 一 胎 姫 駱 祗 佃mm 裾 邪 知iH 趙 市」誓 中 気 詔こ 岨 尽 両 匯 霖 咄V-裡 佃ife; 斡 拠 囃m 日 駱 こ 倅 暖9 裾 誕 脆 −,t |細 拡 罹  ̄R 疆 為 奪 旦 疆 幼 珍 べn。聊 膀ni \ 笥. サ 哀 郡 部 姫 威 芯 班 叫 政 回 ㈲ ㈲ 魯 胆 掴 邸G 明 咽 や 剛 垢 暖mm 日W 疆 怖 嘸 斜 赳 耀H 刊 拓 駱 工 ひ ト y ふ 郡 嶼 ? 剛 孵 瓢 一同 双 枇 − 御 価 暖 価  ̄ 一 応itr 俗 縁= 咎 蓉 噺 同 圏-^ 娯ifc卜 佃 佃rく 痕 淑 八 心 刑 潟 二 収 必 哨 似 嘔 卸 ノy ・F?J 聚 嗜 絡 必 。 尽 暖 駆 艶 戚 § 些狗 聯 瞭mm 諏 怒 似 郡e 剛 側Ilg 喩 赳 範  ̄ t ͡ ͡ 同こ 暖x 頴 − ヽ −mm 驚 ぶ 斑 朔 茫 屠 乖 疆 即 応 収 馴 寡 i 諏 冪 以 崇e 脊 尽 ぷ 砥 丿 二 節 うRE 肢 寵 郭 誕KM 邨S 昭 司mm 刄 i 郎丿 胡 哨 蝋 寂 鴨enQQ, ・-ぺ 沁 に ゜ 卜 ゜卜 卜暖 糾く 脆 尚 上 面 皿 罹 綱 騨 刑 暇 蜃 紬 − −* 纒 一 一 雛l 饉竺 榊 据 吠 婢 一円? 嘸 載 叔叱 ・y ・ き 櫛 細 草 回 友 垣 鍵 ご m 問If 細 尊 蝦 。 余 則゜゛ 叫 測 貿 袱 侭 ぶ 益 撥 匈 紬 聊 ͡ 澄 就駝 栢 飢凹 諏 唯 赳 郡 叔 絡 湘 喘息 州 糾刻 血路 紬鴎 町 眼 ,認 似 弓 き 匯U が 孫 噺 家 旧 回 匈

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類 に大別 す るこ とがで きる≪)。 シ ステム事例 を業 界別 に見 てみ る と, 製造業 にお いて の利 用 が目立 っ てい るこ とが わか る。 その中で も電気 や精 密では社内的 な利用だ けで な く, 製品 の故障 診断や制御 に もAI 技術 を取 り入 れてい る。その傾向 はプ ラント や重工 業 製品 な どの製 造におい て も見受 けら れる。 このよ うな傾向 にあ るのは, 製 造業 は元 々コンピュ ータ及 びメカ ト ロの利用 が進 んで い る業 界で あ り,業 務 の効率化, 最適化 が図 り易い業 界で あ る と共 にAI 技術 を理解 し て研究開 発 に 当 た れる人材 が豊富 なた め と考 えら れる。 また, システ ムの設計 。ニ構 築 を業 務 とす る企業 で は製品の質 の向上 の た めだけで なく, 自社 の既 存技術 を利 用 し て製品 の付加価値 を図 っ てい るこ ともエ キ スパ ートシ ステムの利 用理 由 と して考 えられ る。 唐 融・保険業 で は システ ムの種類 はあ まり多 くないものの,多 くの企業 で 開 発利 用さ れてい る。 それは金融業 も従来 か ら大 型コンピュー タ利 用 やネ ッ トワ ーク化 が盛 んで あ り, こ れにエ キ スパートシ ステムを追加 し よう とす る 動 きが強 まっ てい るため と考 えられ る。但 し, 設計 ・計 画型の シ ステムは基 幹 シ ステム上 に構築 す るので ぱな く,パ ソコンやワークステーショ ン上 にデー タをダ ウンロード して分析 す る形 の もの が多いのが特徴であ る。 これ らに対 して, 流 通業で は利 用事例 が非 常に少 ない。 その理由 は, 情報 処理機 器・シ ステムな どの 設備 が大手企業 を除い て近 年 ようや く利 用さ れ る ようになっ たばか りであ るこ とと, 情報処 理技術,機 器 などが理解で きる人 間が業 界全体的 に少 ない こ と, さ らに個 人の経験的 な知識が中心 の定 型化 さ れてい ない業 務 が多 い こ とな どが 原因 と考 えられ る。 この ように種 々 の原 因 によっ て業 界毎 の利 用状 況の違 いが生じ てい るのであ る。 ところで, 表1 に挙げ られたエ キ スパ ートシ ステ ムの多 くは, 人 の情報処 理( 意思決定) 活動 の シ ステ ムによ る置 き換 えで はな く,人の活動 の支援( 活 動範囲 や能力 などの拡 大) が中 心 となっ ているのが わか る。つ ま り, 情報 シ ステム として提 供す る意思決 定点 が多 少高 くなっ た程度で,人 の専門 家 に代 わっ て意思決 定す る程 の機 能 は実現 さ れてい ないので あ る7)。そこで, 表1 に 挙げた システ ムか ら主 要 な もの を選択 して, それを利用者別 に分 類 してみ る と表2 の ように表 す こ とがで きる。 表2 か らわかるこ とは, 誘導 型 を除 いて全体的 に専門家の向 けの システ ム が多 くなってい る とい うこ とで あ る8)。しかも,専門職能者向けのシステムは専門

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企業 経営 にお け るエ キ スパ ート システムの戦略 的意義 に関す る一 考察23 表2 対象利用者 スキル別のシステム分類 専 門 非 専 門 分 析 型 対象者資格 審査 融資判断 建築物修理法助 言 複雑 な機械・ 設備 *運転支援 売上分析予測 物流運送管理 列 車運転制御 予 算管理査定支援 品質評価 人 事情報の検索 業 務手順指 示 商品選別支 援 製品投人指 示 機械・設 備の * 自動運 転 * 故障診 断 誘 導 型 翻 訳支援 資金運用法教 育 機械・ 設備 の * 運転訓練 * 運転法ガ イド 製品組 込故 障診断 合 成 型 見積支援 販売計画 生産計画 作業 ・工程 計 画 仕入・発注計 画 機械 ・設備 の *設計 * 利用・保守 計画 提 案・企画書作成 法令 助言 窓 口で の *資 金運用相 談 *土地利 用計画 店舗レ イア ウト作成

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知 識 を よ り 有 効 に 利 用 で き る よ う な 業 務 支 援 型 の シ ス テ ム で あ り 。 こ れ に 対 し て 非 専 門 職 能 者 ( 一 般 的 利 用 者 ) 向 け の シ ス テ ム は 状 況 に 応 じ た 作 業 指 示 や 情 報 提 供 と い っ た 作 業 指 示 型 の シ ス テ ム で あ る と い え る 。 こ れ ら の シ ス テ ム を さ ら に 詳 細 に 調 べ て み る と , 業 務 支 援 型 の シ ス テ ム に は メ イ ン フ レ ー ム や ス ー パ ー ミ ニ コ ン ピ ユ ー タ な ど の 処 理 能 力 の 高 い 機 種 が 用 い ら れ て , 大 規 模 な エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム 構 築 シ ェ ル と 汎 用 言 語 と を 組 み 合 わ せ て 開 発 さ れ た シ ス テ ム が 目 立 っ て い る 。 こ れ に 対 し て , 作 業 指 示 型 の シ ス テ ム に は パ ソ コ ン や 小 型 の デ ス ク ト ッ プ タ イ プ の ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン な ど が 用 い ら れ て , 小 型 の エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム 構 築 シ ェ ル で 開 発 さ れ た シ ス テ ム や 先 の 大 型 シ ス テ ム で 開 発 さ れ た シ ス テ ム を こ れ ら 小 型 機 器 の 処 理 効 率 や 現 場 業 務 に 合 わ せ て 必に 要 機 能 を 絞 っ て 実 装 し た シ ス テ ム が 中 心 と な っ 犬て い る の よ う に , 非 専 門 家 向 け の シ ス テ ム は 接 客 業 務 で の 情 報 提 供 や 相 談 , 機 械 や 設 備 の 利 用 方 法 や 故 障 に 対 す る 簡 単 な 作 業 の 指 示 な ど も あ り , 専 門 家 向 け の シ ス テ ム に 比 べ て 専 門 的 な 知 識 だ け で な く , 内 容 的 に も シ ス テ ム の 規 模 的 に も 処 理 レ ベ ル が 低 く な っ て い る の で あ る 。 本 来 の エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 目 的 は, 非 専 門 家 に 対 し て 専 門 家 と し て の 支 援 を サ ー ビ ス す る こ と に あ る 。 こ の 意 味 か ら す れ ば 非 専 門 家 向 :け の シ ス テ ム は , 利 用 者 に 不 足 し て い る 専 門 知 識 を 余 計 に 保 持 し な け れ ば な ら な い た め , 専 門 家 が 利 用 す る 支 援 シ ス テ ム よ り 大 き く 複 雑 に な る は ず で あ る 。 し か し 現 状 で ぱ こ れ と 反 対 に , 専 門 家 向 け は 高 度 な 判 断 を 支 援 す る 大 き な シ ス テ ム で は あ る が , 非 専 門 家 向 け ぱ , 規 範 的 な 解 答 を 指 示 す る よ う な 小 さ な シ ス テ ム に な っ て い る の で あ る 。 こ の 理 由 と し て , 専 門 家 を 支 援 す る シ ス テ ム は 利 用 台 数 が そ れ ほ ど 多 く な く , 利 用 場 所 も 限 定 さ れ て い る た め , 窓 口 相 談 や 作 業 操 作 指 示 な ど 現 場 作 業 が 必 要 な 非 専 門 家 の 利 用 す る シ ス テ ム ほ ど ハ ー ド ウ ェ ア に 関 す る 制 約 は 少 な い こ と が 考 え ら れ る 。 し か し , シ ス テ ム の 規 模 に 伴 っ て 処 理 内 容 も 縮 小 さ れ て い る 現 状 か ら 考 え る と そ れ が 主 な 理 由 と は 考 え 難 い 。 し か も , 専 門 家 向 け の 誘 導 型 シ ス テ ム , う ま り 教 育 的 あ る い は 知 的 イ ン タ フ ェ ー ス と し て の 位 置 付 け の シ ス テ ム が 少 な い と い う こ と は , 現 在 の 専 門 家 を 上 回 る シ ス テ ム の 構 築 が 難 し い こ と を 意 味 し て い る も の と も 考 え ら れ る 。 つ ま り , 現 在 の エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム が 先 に 述 べ た よ う な 状 況 に あ る の は , そ れ ら の 能 力 が 当 初 期 待 さ れ た 能 力 に 到 達 し て い な い こ と が 真 の 原 因 で あ る と 考 え る こ と が で き る の で あ る 。 し か し そ れ で は エ キ ス パ ー ト シ

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企業 経営 にお けるエ キ スパート シ ステムの戦略 的意義 に関する一一考察25 ス テ ム の 実 用 化 状 況 に 対 し て 矛 盾 が 生 じ て し ま う こ と と な る 。 こ の よ う に 現 在 の エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 利 用 状 況 に は , 技 術 的 な 側 面 か ら だ け で は 説 明 し き れ な い 問 題 を 含 ん で ぃ る こ と が わ か る 。 特 に , エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の よ う に 先 端 的 な 技 術 を 含 ん で い る 場 合 , そ れ を 利 用 す る こ と 自 体 が 経 営 環 境 に 及 ぼ す 影 響 も 大 き い 考 え ら れ る9)。 そ の た め , エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム を 利 用 し て い る 企 業 の 経 営 戦 略 的 な 意 義 を 明 確 に す る た め に , エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 事 例 を 機 能 的 な 側 面 と 利 用 目 的 な 側 面 と か ら 分 析 す る 。 3 。システ ム事例の 分析a) 機能的側 面 からの分析[6 ] 初 めに, 前章で挙 げたエ キ スパ ート システ ムの事例 を機 能的 な側面 から分 析 してみる。表2 に挙げ たシ ステム利 用事例 をAnthony が示 し た企業 組織 に お ける活動 レベ ル に沿っ て分類 す ると表3 の よ うにな る。 表3 から わかるよ うに現在実 用化 さ れてい るシステ ムは そのほ とん どが オペレ ー ショ ナル, ま たはマネー ジ メントのコントロール のための シ ステムで あ り, 直接 的 に戦略 的計 画の た めに利用 さ れるシステムは見あ た らない。 しか も, 非専門家 の利 用 シ ステムは先 に も述 べた ように作業 の指示的 な ものであ るこ とか らも予 想 さ れるように, そのほ とん どがオペレー ショ ナル コント ロー ルのた めのシス テムであ る。 また,オペレー ショナルな利用 の一 部(主 に制 御型の システム) を除 いては, 意 思決定 自体 をシ ステ ムが自動的 に行 な うので はなく, 人間の 意思 決定に対 して助 言したり,意思決定のた めに必要な情 報 を得 るためのルー チン的 な作業 を実行す るような支援 シ ステ ムであ る。 このように現在利 用さ れているシステ ムの ほ とん どは 日々 の実務で利用 さ れる ものば か りであ り, それが業 務遂 行に与 える影響 は多大であ るが, 経営 の意思決定へ の直接的 な利 用 はで きない ため, 企業 経営 とい う立場 から見 た シ ステムの機 能レベ ルは非常 に低 い と言 わざ るを得 ない≒ 実 際に複雑 なシス テ ムでさ え原子炉 や溶鉱炉 といっ た人工 の機 械 や シ ステ ムの制御用, 株の売 買 のように数 学 モデル化 が可 能な業 務で 主 として用 いら れてい るこ とが わか る。 つ まり, こ れ らのオペレ ーショ ナルな業 務 は大 量の情 報蓄積 とその処理 とを必要 とす るが そのた めの意思決定 の方法 や制御対 象, お よび外乱変数 は 決 まってお り, 解 のパターン はほぼ決 まっ てい る とい える。 こ れに対し て,

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表3 企業組織にお ける活動レベルによるシステムの分類 専 門 非 専 門 オ ペ レ 1 シ ョ ナ ノレ 対 象者資格 審査 融資判 断 建 築物修理法 助 言 複雑 な機械 ・設 備 運転支援 物流 運送管理 列車運 転制御 生産計 画 品 質評価 見積 支援 翻 訳支 援 仕 入・ 発注 計画 機械・ 設 備の 利 用・保 守計 画 提案・企 画書 作成 づ 去令助 言 業務 手順指 示 商品 選別支 援 製品投 人指 示 機械・ 設備 の * 自動 運転 *故障 診断 資金運用法 教育 機械 ・設備 の *運転 訓練 * 運転法ガ イド 製品組込故障診断 窓口で の * 資金運用相 談 * 土地利 用企 画 店 舗レ イアウト作成 マ ネI ジ メ ン ト 売上 分析予 測 予算管理 査定支援 販売 計画 作業・工 程 計画 機械・ 設 備の設計 人事情 報 の検索 戦 略 計 画

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企 業経営 にお けるエ キ スパートシ ステムの戦 略的意義 に関す るー・考察27¬ 意 思 決 定 レ ベ ル が 上 が っ て く る と 商 品 企 画 や 売 上 判 断, 予 測 な ど の よ う に 次 第 に 扱 う べ き 情 報 の 範 囲 が 不 明 確 に な っ て く る こ と と 同 時 に 制 御 す べ き 対 象 が 広 が っ て 人 間 自 体 を も そ の 対 象 と七 て 捉 え な け れ ば な ら な く な る こ と な ど が 意 思 決 定 レ ベ ル の 高 い ∼ ス テ ム が 構 築 で き な い 理 由 と考 え ら れ る 。特 に 人 間 の 感 情 や 人 体 の 生 理 メ カ ニ ズ ム に 関 し て 我 々 が 持 て る 原 理 的 な 知 識 は 複 雑 な 人 工 シ ス テ ム に 対 す る そ れ よ り も 遥 か に 乏 し い た め ,そ れ を 制 御 す る こ と は 容 易 な こ とで は な い と 考 え ら れ る[5,7] 。こ れ は, 製 造 業 で 用 い ら れ て い る よ う な 人 工 シ ス テ ム の 分 析, 制 御 に お い て は, 精 度 の 高 い 判 断 が で き る が, 流 通 業 や サ ー ビ ス業 あ る い は 商 品 開 発 関 連 で は 人 間 の 動 向 を 対 象 と す る 業 務 で あ る た め シ ス テ ム の 構 築 が 進 ん で ぃ な い と い う 現 状 に も 当 て は ま る 。結 局, エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 現 状 は 図1 に 示 し た よ う に そ の 意 思 決 定 構 造 自 体 が 既 に よ く わ か っ て い る対 象(Well-StructuredDecision) に 対 し て は 極 め て 機 能 的 に 優 れ て い る が, そ の よ う な 対 象 を よ り 高 い レ ベ ル か ら 管 理 す る よ う な 機 能 と し て は そ の 意 思 決 定 構 造 が 不 明 確(Ill-SturcturedDecison) な た め に ま だ 現 状 で ぱ 実 現 で き て い な い と い え る 。但 し, マ ネ ー ジ メ ン ト レ ベ ル の シ ス テ ム に お い て は, こ の よ う な 不 明 確 な 構 造 を あ る 程 度 含 ん だ 形 で の 意 思 決 定 を 支 援 す る よ う な シ ス テ ム が 研 究 さ れ て い る11)。こ れ はGorry とMorton が 示 し た「 半 ば 構 造 化 さ れ た 意 思 決 定 」(Semi-Structured-Decision)[5] の た め の シ ス テ ム と も分 類 で き る。 図1 エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 適 用 領 域 の 概 念 モ デ ル

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図2 現在のエキスパートシステム事例の利用目的別分類 社 外 的 利 用 効 率 的 H Ⅲ ・ 翻 訳 支 援 ・ 品 質 評 価 ・ 情 報 検 索( 人 事 ,法 令 ,修 理 法 ) ・ 資 格 審 査( 入 会 ,融 資 ) ・ 見 積 支 援 ・ 商 品 設 計( 提 案 ,企 画 書,・CAD) ・ 業 務 計 画 立 案( 生 産 ,販 売 ,作 業 。 工 程 ,仕 入 ,発 注 ,利 用 ,保 守 ) ・ 機 械・設 備 の 運 転 ガ イ ド ・ 機 械・設 備 の 故 障 診 断 ・ 物 流 運 送 管 理 ・ 予 算 管 理 査 定 支 援 1 − IV 社 内 的 利 用 ・ 商 品 選 別 支 援 ・ 店 舗 レイアウト作 成 ・I ・ 機 械 ・設 備 へ の 組 込( 商 品 ) *故 障 診 断 *運 転 法 ガ イ ド *自 動 制 御 ・運 転 ・ 資 金 運 用 法 教 育 ・ 窓 口 で の 相 談 *土 地 利 用 企 画* 資 金 運 用 , 売 上 分 析 予 測 ・ 業 務 手 順 指 示 効 果 的 b )利 用 目的 的側面 か らの分析 [8 ] 次 に,エキ スパートシ ステ ムの事例 を利 用 目的 的 な側面 か ら分析 して みる。 表2 に挙 げ られたシ ステ ムを (考 えられ る) 利用 目的 に基づ い て分類 した も のが図2 であ る12)。図2 で は横軸 を シ ステ ムの実 際的 な効果 として業 務効率 の 改 善効果 と宣伝的 効果 との強弱関係 と取 り, 縦軸 を その シ ステムが もたらす 業務 へ の影響 範 囲 として社 内的 か社 外的 か と取 っ て, 利 用目的 を大 きく4 つ の象 限 に分類 している。図2 中の右上 の象 限I は業 務効 率の面で は宣伝や イ

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企業 経営にお けるエ キ スパ ート シ ステムの戦略 的 意義 に関 する一 考察29 メ ー ジ 向 上 な ど の 副 次 的 効 果 の ね ら い が 強 く , 業 務 や サ ー ビ ス の 拡 大 等 の よ う に 業 務 内 容 に 革 新 を も た ら す と 考 え ら れ る シ ス テ ム で あ る 。 左 上 の 象 限II は 既 存 業 務 の 効 率 化 と 共 に 業 務 内 容 に も 革 新 を も た ら す と 考 え ら れ る シ ス テ ム で あ る 。 左 下 の 象 限Illは 既 存 業 務 の 効 串 化 と 既 存 の 業 務 内 容 の 改 善 に 貢 献 で き る と 考 え ら れ る シ ス テ ム で あ る 。 そ し て 右 下 の 象 限 Ⅳ は 既 存 の 業 務 内 容 の 改 善 に は 貢 献 す る が 業 務 の 効 率 化 よ り は 宣 伝 な ど の 副 次 的 効 果 の 方 が 強 い シ ス テ ム で あ る 。 但 し , 現 状 で は 象 限II に 該 当 す る と 考 え ら れ る シ ス テ ム は ま だ 存 在 し て い な い13)。 図2 の 各 象 限 に 分 類 さ れ る シ ス テ ム に は そ れ ぞ れ 次 の よ う な 特 徴 が あ る こ と が わ か る 。 但 し , 説 明 の 都 合 上 , 以 下 象 限Ill, 象 限 Ⅳ , 象mi , 象 限II の 順 に 述 べ る6 象 限Ill に 位 置 す る シ ス テ ム ぱ 社 内 で こ れ ま で 専 門 家 が 行 っ て き た 業 務 を 遂 行 す る 上 で 専 門 家 自 身 が 利 用 す る も の で あ る 。 こ れ ら の シ ス テ ム を 利 用 す る こ と に よ り 既 存 業 務 の 範 囲 内 で 業 務 遂 行 時 間 の 短 縮 化 や , 専 門 家 の 業 務 能 力 拡 大 に よ る 人 権 費 の 削 減 な ど が 図 れ る 。 ま た , シ ス テ ム の 構 築 に よ る 副 次 的 な 効 果 と し て シ ス テ ム の 内 部 情 報 と し て 知 識 の 保 存 お よ び 継 承 の 効 果 が 得 ら れ る 。 こ れ ら ぱ 言 い 替 え れ ば 既 存 業 務 の 枠 組 み の 中 で 業 務 遂 行 効 率 を 向 上 す る こ と を 目 的 と し た シ ス テ ム と 分 類 す る こ と が で き る 。 象 限 Ⅳ に 位 置 す る シ ス テ ム は 既 存 業 務 を 遂 行 す る 上 で 利 用 す る が , そ の 利 用 者 は 窓 口 で 接 客 業 務 を す る 社 員 や 一 般 的 な 顧 客 自 身 で あ る こ と が わ か る 。 つ ま り , こ れ ら の シ ス テ ム は 主 と し て 表2 で 示 し た よ う な 非 専 門 家 に 対 し て 指 示 を 与 え る 型 の シ ス テ ム で あ る 。 こ れ ら の シ ス テ ム を 用 い る こ と に よ っ て 接 客 業 務 の 最 低 限 の 質 の 向 上 を 図 る こ と が で き る が , そ れ ほ ど 高 度 な 内 容 と は い え な い 。 従 っ て , こ れ ら の シ ス テ ム を 利 用 す る こ と に よ る 効 用 は , 業 務 遂 行 の 効 率 よ り , そ の 宣 伝 的 あ る い はCI 的 効 果 , 競 合 他 社 や 環 境 へ の 対 応 姿 勢 , 最 低 限 の 質 の 向 上 等 の 効 果 が 強 い も の と 考 え ら れ る 。 こ れ ら は 言 い 替 え れ ば 既 存 業 務 の 枠 組 み の 中 で そ れ を 先 端 技 術 を 用 い て 高 度 に 行 っ て い る と 強 調 す る こ と を 目 的 と し た シ ス テ ム と 分 類 す る こ と が で き る14)。 象 限I に 位 置 す る シ ス テ ム は 既 存 業 務 を 遂 行 す る 上 で 利 用 す る が , 自 社 で 必 要 に 応 じ て 開 発 し た も の で は な く ,メ ー カ ー に よ っ て 製 品 へ の 組 み 込 み や , 一 般 へ の 販 売 が な さ れ た も の で あ る 。 つ ま り こ れ ら の シ ス テ ム は , メ ー カ ー な ど の 提 供 者 が 提 供 す る 製 品 に 対 す る 信 頼 性 の 向 上 , 商 品 価 値 の 増 大 , 個 別

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三−ズヘの対応等の効果を得ることを目的 として,エキ スパート システム構 築技術を用いたもの といえる。これらは言い替 えればメーカ などのシステム 提供者が人工知能技術 を用いて製品の品質を高 めると共 に, 自社内の技術を 転用して先端技術を用 いた製品という点を強調 とした付加価値付けするこ と を目的 としたシステムと分類するこ とがで きる。 象限IIに位置するシステムは先に も述べたように現在 該当するシステムは 無いと考えられる。 そこで分類過程からこ こに位 置するシステムの概要を考 えてみると, それはこれまでの業務の枠を拡大するこ とに貢献するだけでな く, その業務の効串的 な遂行に貢献で きるとシステムであ ると考 えられる。 つ まり,象限m に位置するシステムのように既存の業務 を効率的に行うこと に貢献するだけで なく, その技術 を新しいサービ スの提供や業務の拡大など の企業の外部への展開 に活用で きるシステムて七 なシステムの例 としては,社内知識の整理標準化を図って業務効率やサービ スを向上させたり,ニーズ対応のサービ スを創造して提供したり, 高度なシ ミュレーション機能を用いて経営意思決定を支援したり,専門家の知識を活 用して業務及びサービ スを拡大したりするこ となどをねらっ たシステムを考 えることがで きる。 図3 意思決定 のレベ ル とシステ ムに関 する各数 量 との相互 関 係モデ ル

情報量 ・構築 費用

利用場面・回数

各 数 量

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企業 経営 におけ るエ キ スパート システ ムの戦 略的 意義 に関 す る一考察314. シ ス テ ム の 経 営 戦 略 的 な 意 義 以 上 の 分 析 結 果 を 通 し て , 現 在 実 用 化 さ れ て い る エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム は 機 能 的 に ぱ そ の ぽ と ん ど が 行 い 得 る 意 思 決 定 レ ベ ル が 低 い こ と と , 利 用 目 的 的 に は 主 に 社 内 で の 業 務 効 串 化 に 用 い て い る も の が 多 い が , メ ー カ で は 商 品 へ の 付 加 価 値 と し て 利 用 し た り , 対 外 的 な 効 果 か ら プ ロ ト タ イ プ を 実 用 化 し て い る こ と な ど が わ か っ た 。 そ こ で こ こ で は 何 故 企 業 で 実 用 化 さ れ て い る エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム が そ の よ う な 現 状 と な っ て い る の か を 経 営 戦 略 的 な 観 点 か ら 考 察 す る 。 ま ず 機 能 的 な 側 面 の 分 析 結 果 か ら 考 え ら れ る こ と は , シ ス テ ム の サ ポ ー ト で き る 意 思 決 定 レ ベ ル の 低 さ は 単 純 に 先 に 述 べ た よ う な 技 術 的 な 問 題 点 ば か り で は な く , そ れ を 開 発 し よ う と す る 企 業 側 の 姿 勢 と も 深 い 関 連 が あ る と い う こ とで あ る 。 こ れ は 図3 に 示 す よ う な 意 思 決 定 の レ ベ ル と シ ス テ ム へ の 要 求 さ れ る 事 項 と の 関 連 性 に よ っ て 説 明 で き る 。 つ ま り , 意 思 決 定 の レ ベ ル が 低 い シ ス テ ム ほ ど 必 要 な 情 報 量 は 限 定 さ れ る た め , 情 報 構 造 が 簡 単 で あ り , シ ス テ ム 構 築 費 用 が 少 な く て 済 む と 共 に , オ ペ レ ー シ ョ ナ ル な 利 用 の た め 利 用 回 数 が 多 く , し か も同 様 な 業 務 で シ ス テ ム を 再 利 用 で き る た め 多 く の 台 数 を 作 る こ と が で き る の で あ る 。 こ れ に 対 し て , 意 思 決 定 レ ベ ル の 高 い シ ス テ ム ぱ , 扱 う べ き 情 報 量 が 多 く て 構 築 が 難 し い 上 , 利 用 回 数 は レ ベ ル が 上 が る ほ ど 少 な く な り ,必 要 な シ ス テ ム 数 も特 定 の 管 理 職 や 役 員 用 に 限 ら れ て く る 。 こ の よ う に 企 業 で 用 い ら れ る エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 意 思 決 定 の レ ベ ル は シ ス テ ム 開 発 お よ び 導 入 の た め の 投 資 額 と そ れ に よ っ て 得 ら れ る メ リ ッ ト と の 関 連 に よ っ て あ る 程 度 決 ま っ て し ま う も の と 考 え ら れ る 。 こ の よ う な 視 点 か ら エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 事 例 を 振 り 返 っ て み る と , 現 状 で は 先 に も 述 べ た よ う に 高 度 な 意 思 決 定 を 支 援 す る シ ス テ ム を 構 築 す る に は 技 術 的 に ま だ 解 決 し な け れ ば な ら な い 問 題 が 山 積 し て い る こ と は 確 か で あ る が , 意 思 決 定 レ ベ ル の 低 い シ ス テ ム で あ れ ば コ ス ト パ フ ォ ー マ ン ス が 良 く , あ る 程 度 の 業 務 効 率 の 向 上 と 最 低 限 の 業 務 の 質 が 確 保 で き る た め , 各 企 業 で 競 っ て こ の よ う な 意 思 決 定 レ ベ ル の 低 い 同 様 な シ ス テ ム を 構 築 し て い る 原 因 の 一 つ と も い う こ と が で き る 。 一 方 , 利 用 目 的 的 な 分 析 結 果 か ら は シ ス テ ム に 対 す る 経 営 戦 略 的 な 意 義 が 明 確 に 現 れ て い る こ と が わ か る 。 例 え ば , 図2 の 各 象 限 に 分 類 さ れ た シ ス テ ム の 特 徴 と そ の 効 用 は 図4 の よ う に ま と め る こ と に よ っ て よ り 明 確 に 表 現 で

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図4 利 用 分 類 の 各 象 限 に お け る シ ス テ ム の 効 用 と戦 略 的 意 義 ・ 知 識 の 標 準 化 ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 機 能 ・ 専 門 家 の 活 用 ・ ニ ー ズ 対 応 の サ ー ビ ス 提 供 効 率 的 ・ 作 業 の 短 時 間 化 ・ 人 件 費 削 減 ・ 知 識 の 保 存 ( 継 承 )

匹 ]

社 外 的 利 用 H m 1 IV 社 内 的 利 用 ・ 信 頼 性 の 向 上 ・ 商 品 価 値・の 増 大 ・ ニ ー ズ へ の 対 応 ・ 宣 伝 的 効 果 ・ 競 合 他 社 へ の 対 応 ・ 最 低 限 の 質 の 確 保 効 果 的

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企業 経営 におけ るエ キ スパ ート システムの戦略 的意義 に関 する一 考察33 き る 。 図4 の 象 限 Ⅳ に お け る シ ス テ ム の 経 営 戦 略 的 意 義 と し て は , 外 部 へ の 宣 伝 効 果 を 狙 っ た 業 務 遂 行 の た め の 付 加 価 値 的 存 在 と い え る 。 こ れ ら の シ ス テ ム は ま だ 機 能 と し て は 完 全 で は な い が, 制 約 さ れ た 条 件 下 や デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン と し て の 利 用 が 中 心 で あ る 。エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム の 利 用 が 考 え ら れ 始 め , ま だ 各 企 業 の 研 究 が 基 礎 的 な 段 階 や , 応 用 に 関 す る 研 究 の 段 階 で あ っ た 当 時 に は ,そ の ほ と ん ど の シ ス テ ム が こ の よ う な 位 置 付 け で あ っ た と い え る1‰ つ ま り , 機 能 的 に は プ ロ ト タ イ プ で あ る 実 験 的 な 自 社 開 発 の シ ス テ ム を ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン や パ ソ コ ン な ど に 実 装 し て , 現 場 で 利 用 で き る よ う な 体 勢 に 整 え て 利 用 し て い る 場 合 な ど が こ れ に 当 て は ま る 。 象 限IIIに お け る シ ス テ ム の 経 営 戦 略 的 意 義 と し て は 企 業 内 部 の 業 務 を 効 率 的 に 遂 行 す る た め 実 質 的 な 存 在 と い え る 。 こ れ ら の シ ス テ ム は 一 般 的 に エ キ ス パ ー ト シ ス テ ム を 自 社 内 で 構 築 し 七 利 用 し よ う と す る 企 業 の シ ス テ ム 構 築 目 的 で あ る と い え る 。 も ち ろ ん 現 在 こ の よ う な シ ス テ ム で も 開 発 当 初 は 象 限 Ⅳ に 属 す る よ う な プ ロ ト タ イ プ で あ っ た シ ス テ ム も 多 い 。 し か し , こ こ に 分 類 さ れ る よ う な シ ス テ ム は 専 門 家 に よ る 業 務 で の 利 用 が 可 能 な よ う に デ ー タ ベ ー ス や 知 識 ベ ー ス な ど を 整 備 す る こ と に よ っ て , そ の 段 階 か ら 一 歩 進 ん だ 実 用 的 な 機 能 を 実 現 し た シ ス テ ム で あ る と い え る 。 象 限I に お け る シ ス テ ム の 経 営 戦 略 的 意 義 と し て は メ ー カ ー な ど の シ ス テ ム ( 製 品 ) 提 供 企 業 が 内 部 で の 研 究 開 発 や 経 験 で 得 たAI 技 術 を 製 品 の 高 度 化 や 商 品 イ メ ー ジ の 向 上 と い っ た 付 加 価 値 付 け 技 術 と し て の 存 在 と い え る 。 こ れ ら の シ ス テ ム は メ ー カ ー な ど の シ ス テ ム 提 供 企 業 が 社 内 で の 利 用 ま た は 製 品 へ の 応 用 を ね ら っ て 研 究 開 発 し て き た シ ス テ ム お よ び そ の 構 築 技 術 を 適 用 し て い る の が 特 徴 と な っ て い る 。 そ の た め , こ の シ ス テ ム は そ れ 自 体 が 製 品 と し て 販 売 さ れ る , あ る い は 製 品 の 内 部 に 高 度 な 制 御 や 自 己 診 断 な ど を 行 う た め に 組 み 込 ま れ る な ど し て 社 外 へ 提 供 さ れ る 。 象 限II に お け る シ ス テ ム は 他 の 三 象 限 に 比 べ て 最 も 強 く 経 営 戦 略 的 意 義 が 表 れ る シ ス テ ム で あ る と い え , こ の こ と は 逆 に 新 サ ー ビ ス の 提 供 や 業 務 の 拡 大 等 の よ う な 経 営 戦 略 の 展 開 に 寄 与 で き る シ ス テ み が こ の 象 限 に 分 類 さ れ る と も い え る 。 現 在 で は 先 に も 述 べ た よ う に こ の 象 限 に 確 実 に 位 置 付 け ら れ る シ ス テ ム 万は ま だ 見 あ た ら な い が , 下 に 位 置 す る 象 限Illや 隣 に 位 置 す る 象 限I の 各 象 限 か ら こ の よ う な シ ス テ ム へ の 展 開 が な さ れ つ つ あ る こ と は , 情 報 シ

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ステ ムの戦 略的活 用 とい う経営環境 の雰囲気 か ら も確 実 と考 えられ る。 図5 経営 戦略的観点 か ら見たエ キ スバ ート ンシステ ムの進 展方向 ・ 新 サ ー ビ ス ・ 業 務 の 拡 大 効 率 的 ・ 業 務 の 効 率 化 社 内 技 術 主 導 の 流 れ 社 外 的 利 用 H m I IV 社 内 的 利 用 外 部 技 術 ‥主 導 の 芝 れ ・ 社 内 技 術 の 製 品 へ の 活 用 ・ 付 加 価 値 的 な 存 在 ・ 企 業 イ メ ー ジ の 向 上 ・ 実 験 的 な 段 階 効 果 的 5. シス テム 利用の将 来性に関する考 察 この ように, エ キ スパ ートシ ステ ムのよ うな先端 技術 を用い たシ ステムの 開発及び実 用化 は, それを実現あ るいぱ適用 す るた めの本質的 な問題 点だ け で な く, そこ に経営戦 略的な意義 が深 く絡 んで い る。 シ ステ ムの機 能的 には

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企業経営におけるエキスパートシステムの戦略的意義に関する一考察35 技 術 上 の問 題 点 だ けで な く, 技 術 の適 用 と その 利 用 目的 にお け る投 資 効 果 と の 関 係 が 問 題 とな る。 また, シ ス テ ム の利 用 目 的 的 に は, シ ス テ ム を利 用 す る本来 の 目的 で あ る業 務 上 へ の 直接 的 な 貢 献 だ けで な く, 企 業 経 営上 の 戦 略 的 な 意義 が 大 き く影 響 し て い るので あ る。 そこで , 最 後 に経 営 戦 略 的 な 意義 に基 づ い た今 後 のエ キ スパ ー ト シ ス テ ム の 利 用 の動 向 につ い て考 察 す る。 まず, 図4 に示 し た戦 略 的 意 義 に基 づ い て エ キ スパ ー ト シ ス テ ムの 本来 の (考 え ら れ る) 利 用 目 的 の 変遷 を ま とめ る と 図5 の よ う に示 す こ とがで き る。 図5 に お け る各 象 限 間 の矢 印 は シ ス テ ムの 展 開 方向 を 示 し てお り,それ ら は以 下 に 述 べ る よ うな 理 由 か ら印 さ れ てい る。 エ キ スパ ー ト シ ス テ ムを 自 社 開 発 し て い る企 業 は本 来 各 企業 内 で の業 務 の 効 率 化 , 質 の 向 上 な ど (象 限Ill) の 目 的 で シ ス テ ム開 発 を 行 う ので あ るが, そ こで 実験 的 にで き るシ ステ ム は十 分 な 効 率 を 発揮 で きな い た め, その効 果 を 社 の 内外 に示 す に留 まる (象 限IV ) と考 え ら れ る。 一 般 的 には こ の状 態 か ら 本来 の 目 的 を満 た す 方向 (象 限III) へ の 研 究 開 発 が 進 め られ るが, 十 分 な 効 果 が得 ら れ な くて も宣 伝効 果 を狙 っ て開 発 し た シ ス テ ム を実 用 化 した りす る と考 えら れ る(象 限IV )。 また別 の 方向 性 と し て,自 社 内 外 の シ ス テ ム開 発 や エ キ スパ ー ト シ ス テ ム 自体 の 研 究 に投 じ た 多 大 な資 金 を 回収 すべ く社 外 へ 販 売 す る製 品 へ の技 術 の 転 用 (象 限I ) を 試 み る こ とが 考 え ら れ る。 以 上 がエ キ スパ ー ト シ ステ ムの現 状 で あ るが, エ キ スパ ー ト シ ス テム によっ て業 務上 で の 効果 を得 た企業 ぱ, 一 般 的 に極 め て 専 門 的 で それ 自体 の適 用範 囲 は狭 い もの の そ れ に よっ て 多 大 な恩 恵 を 受 け て お り, 表 面 的 には 出 て こ な い が (逆 に表 に は出 さ な い こ と も考 え ら れ る) 業 務 上 や シ ス テ ム構 成 上 の リ ス ト ラ クチ ャ リ ング を開 始 し て新 しい業 務 展 開 の た め の (左 上 の 象mil に分 類 さ れ る)シ ス テ ム構 築 を開 始 し て い る もの と考 え ら れ る≒ また,付 加 価値 的 な機 能 を 付 与 さ れ た シ ス テ ムの 導 入 企 業 で それ を さ ら に生 か し て業 務上 で の 効 率 匠増 大 に 寄与 さ せ た り, 外 部 へ の サ ー ビ ス機 能 を 強 化 し て業 務化 して い っ た り とい う形 で 展 開 し て ゆ くこ と も考 え ら れ る。 そ して, 最 終 的 に はエ キ スパ ー ト シ ス テ ムの 自 社 の 経 営 戦 略 的 な シ ス テ ム とし て の 位 置 付 けで の 活 用 段 階 (図5 の 象mi に分類 さ れ る よ う な) へ と展 開 し て ゆ く もの と考 え ら れ る。 ところ で こ の よ う な シ ステ ムを 実現 す るた め に は, それ を支 え る技 術 や シ ス テ ム構 造 等 が 主 要 な課題 とし て浮 か び上 が るの で あ る。 そこで 次 に技 術 的

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図6 エ キスパ ート シ ステムの発展モデル [に ]pp.12 の図 を加筆修正 ) 応 用 知 識 な動向 につい て考察 す る。エ キ スパート システムに関 す る技術 知識 と応用範 囲 とは,図6 に示 す よ うな関連 があ る と考 えられる[2 ]。これ を簡 単 に説明

する と,初期 のAI 技術 が 考 え られた当初 図& の1960 年代)ぱWinoglrad のSHULDUL や定 理証明 シ ステ ムなどが作 られた。これ らの実験 シ ステムぱ当 時 としては画期的 であ っ たが実験 シ ステムの域 は脱し得 なかっ た。 その後, しばらくぱAI の主要 な応用 システムは登場していないが,基礎的研究はMinsky の フレ ーム理論 をはじ め大 き く前進 した。 そして, ハード ウェ アの機能向上 とデー タベー ス技術 に支 えら れて, つ いにMysin に代 表 され るエ キ スパ ート シ ステムが登場 す る。 エ キ スパ ート シ ステ ムはAI 技術 の応用 に弾 みをつ け, この後AI ブ ー ム ともい えるエ キ スパート システム開 発ブ ー ムを迎 えるこ とと なる(図6 の1980 年代 )。し かし,現在で は そのブ ー ムも鎮 静化 して実 用化 の 目 どや そのシ ステ ムの限 界 につ いて も大方明確 になっ て きた。 この ように, 人工 知能 システ ムは図6 の ような発展を遂げ てい るこ とが わか るノ そして, 現在応用範囲が明確 になっ て きた ということは正に新しいAI 技術 によるプレー

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企業 経営 におけ るエキ スパート システムの戦 略的 意義 に関 す る一考 察37 ク ス ル ー が 必 要 な 時 期 と な っ て い る ( 図6 の1990 年 代 ) わ け で あ る 。 そ れ ら の 技 術 と し て は 先 に 述 べ た よ う な 構 造 化 さ れ た 意 思 決 定 を 一 歩 進 め る 意 味 で , そ れ ら の 決 定 を 選 択 し た り , 融 合 で き る よ う な 柔 軟 な シ ス テ ム 構 築 技 術 が 求 め ら れ る た め, 現 在 研 究 が 盛 ん に 行 わ れ て い る フ ァ ジ ー 理 論 や ニ ュ ー ラ ル ネ ッ ト ワ ー ク な ど の 技 術 開 発 が 有 望 と 考 え ら れ る 。 6 。おわ りに 今 日,AI 技 術 やエ キ スパ ート シ ステ ムぱ家電製品 に も広 く利 用 さ れ[9], 実用化が確立 さ れた技術 の ように感じ られ るが, 実際 には シス テムの構築 方 法 の探索 とい う実験 的 な段 階か らようや く実用的 な応 用分 野の探 索 とい う過 程 に入っ た ところ と考 えられ る[10 ]。過去 に もあっ た ように商品 に利 用技術 名 を掲げてい る間 は機 能的 な優位性 より その技術 の革 新性や 話題性, イメー ジなどを利 用 してい るこ とが多 く, その技術が一般 に浸 透 して し まう と技術 的名は表 には出さ れな くなる17)。その ような意味 から もAI 技術 やエ キ スパート システム もまだ この域 を脱 していない技術であ る と考 え られ るのであ る。 本論文で は, 現在 実用化 さ れてい ると考 えら れる主 要 なシ ステ ム事例 を分 類 す るこ とによ り, 現在 のエ キ スパート システ ムは専 門家 の支援 の ための利 用 や非専門家 に専門的 な指示 を与 えるために利用 さ れてお り, 専 門家 システ ム として非専門 家 を支 援 するシ ステム とはなっ てい ない こ とを示 した。 これ は現在の技術 上 の問題 点であ るとい えるが, この よ うな現状 に もかか わらず システ ムが次 々 と実用化 さ れてゆ く背景 には,AI 技術 のよ うな先端 技術 を用 いたシステ ムの開 発及 び導入自体 の持つ企業経営上 の戦 略的 な意義 が大 きく 影響してい る と考 えるこ とがで きる。 そこで, システ ムの持つ 経営 戦略的 な 意義を明 らか にす るた めに, こ れらのシ ステ ム事例 を機 能的 な側 面 と利用 目 的的 な側 面 とか ら分析 した。 その結果, 機能的 には シ ステ ムが行い得 る意思 決 定のレベ ル が低 いこ とを示 した。 また利 用 目的的 には社 内業 務 の効率化 を 目指 したシ ステ ムが多 い ものの, 必要性 か らの利 用 とい うよ りはAI ブ ー ム と い う社会環境 に即 し た宣伝効果 を狙 づた実験的 な利 用 や研究 資産 の活用 とい う位 置付 けの シス テム も多い こ とを示 した。 これらの分析 結果 に基づ いて, シ ステムの機 能的 には技術上 の問題点 だけで なく,技 術 の適用 と その利用 目 的 における投 資効果 との 関係 が問題 とな るこ と, そし て その シ ステ ムの利用 目的的 には シ ステ ムを利用 す る本来 の目的であ る業 務上 への直接的 な貢献だ

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けで な く, 企業 経営上 の戦略的 な意義 が大 きく影響 してい るこ とを明 らかに した。 さ らにこの考察結果 に基づ き, システ ムの将来的 な経営戦 略的 な位 置 付け とその実現 のために重要 と号え られる技 術的 な課題 につ いて論 じた。 近 い将来 に用 い られ るシ ステ ムは, その意 思決定レベ ルで ぱ現在 のシ ステ ム と比 べて それ程高 い もので はない と考 えら れるが, 複数の専門的分 野か ら 検 討 したり, 曖昧性 を含 んだ表現 を扱っ たりで きるようなシ ステムにな る と 考 えら れる。 そして その シ ステムを利 用者 に充 分活用 して もらうためには, 利用 者 に適合 したインタフェ ー スを用 意す るこ とが重要 とな る[11 ]。エ キ ス パ ート システ ムがこの ように進 展 す るこ とによ り, その利用 方法 も単に基 幹 情報 シ ステムの一機 能 とし て, 企業 経営 に直接 関 わる経営者 の高度 な意思 決 定を 自動化 す るので はな く, 高度 な意思決 定 に必要 な情報 を的確 に取捨 選択 し て提供 した り, 誤っ た判断 に警告 を与 えた り, 意思決定 によ る影響を分析 し たりす るよう な本来 のエ キ スパート シ ステ ム としての活用 がなさ れて ゆ く よ うにな る と考 えら れる。 注 釈1 )例 えば,ワードプ ロセ ッサ,描 画 シ ステ ム(初期 のCAD ),画像フ アイノレ シ ステム, シン セサ イザ ー, 等2 )に ]のpp.222 に記述さ れてい るよ うに,AI の知識表現手法 が記 号論理(命 題 論理,述 語論理 な ど) か ら意味 ネ ットワ ーク, フレ ー ムへ と広 がっ て きだこ とか ら も情報 の持 つ 意味 を汲 み取 ろ う として きた こ とが わか る。3 )例 えば[12,13 ] に挙 げ ら れた情報 を見 るこ とによっ て もわか る。4 )表1 には一 部注 目され る試作 や 試用段 階の シ ステム も含 まれてお り, そ れ らは設計, 計画, 誘 導 型 の シ ステムに幾つ か見受 け られる。 この理 由 は, 診断,分析 型 は問題 空 間が限 定で き るのでモデル の作 成 が比較 的 容 易で あ るこ とに対 し, 設計,計 画, 誘導型 は対 象 のモデル化 が問題 の複 雑 さ によっ てか なり難 し くな るた め と考 えられ,エ キ スパ ート システ ム の 実用化問題 とし て以前 より指摘 さ れていたこ とであ る[7 ]。5 ) 日経BP 社 が1986 年 か ら毎年 末 に実施 してい る大手企業約200 社 に対 す る エ キ スパート シ ステみの利 用 に関す るアン ケート調査結果 [12,13 ] か ら得 た約400 シ ステムの情報 に多少筆 者 の持 つ情報[個別 インタビュー情 報 や文献[1,2 ,10,14,15 ] な ど) と照 らし合 わせ て, 実用化 して

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企業経営におけるエキスパートシステムの戦略的意義に関する一考察39 い る と判 断 さ れ るシ ス テ ム を挙 げ た もので あ る。 その た め こ こ に挙 げ ら れた 事例 が 今 日本 国 内 で 利 用 さ れ て い る全 て のエ キ スパ ー ト シ ス テ ム 事 例で は な い が, 他 の 文 献 と比較 し て み て もほ とん どの 事 例 を 包 容 し て い る もの と考 え ら れ, 以 下 で は こ の情 報 を 日 本 国 内 にお け るエ キ スパ ー ト シ ステ ム利 用 の 現 状 とし て議 論 す る。6 ) こ れ につ い て1よ[8 ] に 述 べ ら れ てい るが, 分 析 型 と ぱ, 予 め 設定 さ れ た仮 設 の 集 合 の 中 か ら与 え ら れ た デ ー タ を最 もよ く説 明 す る仮 設 を デ ー タ分 析 に基 づ い て選 択 す る類 の シ ステ ムで, さ ら に使 用 用 途 に よ り機 械 系 の 制 御 を す る制 御 型 とコ ン サ ル テ ー シ ョ ン の よ う な診 断 型 と に分 け る こ とがで き る。 合 成 型 とは, 一 定 の拘 束 条 件 の基 で 与 え ら れ た 要求 を満 足 す る最 適 な解 を その 局所 解 の 組 み合 わせ に よっ て 構 築 す る類 の シ ス テ ムで , 分 析 型 と同 様 に 設 計 活 動 を支 援 す る設 計 型 と, 計 画 立 案 活 動 を支 援 す る計 画 型 と に分 け ら れ る。 また 誘導 型 とは機 械 と人 間 との 高 度 な イ ンタ フェ ー ス とな る シ ス テ ムで あ り, 利 用 す る人 間 の状 態 の 分 析 と その 応対 方法 の 設計 , 計 画 を行 う た め, 分 析 ・合 成 の 双 方 の 特 性 を兼 ね備 え た シ ステ ムで あ る とい え る。7 ) 但 し, 機 械 や プ ラン ト の 制 御 シ ス テ ムで は人 間 の操 作 者 に代 わっ て 細 か な設定 を 変更 し た り, 自 動 運 転 した り し てい る。8 ) こ こで は シ ス テ ムの 種 類 を 対 象 と して お り, 利 用 し て い る シ ス テ ム の 台 数 や利 用 者 数 な どは対 象 とし て い な い。3. で も述 べ る よ う に一 般 者 が 利 用で き るシ ス テ ムが対 象 とし て い るの は その ほ とん ど が ル ー チ ン ワ ー ク的 な 意 思 決 定 で あ り, その よ うな シ ステ ムは一 般 的 に利 用 回 数, 台数 共 に多 く な る 傾 向 に あ る。9 )最 近AI や フ ァ ジ ー,ニ ュ ー ラ ル ネ ット ワ ー ク な どの 家 電 製 品 へ の登 載 に 見 ら れ る よ う に 商 品 の付 加 価 値 とし ての 効 果 は [9 ] に も述 べ ら れ て い るよ う に機 能 的 効果 に も増 し て 消 費 者 に 強 くアピ ー ル し て い る。 こ れ と 同様 にエ キ スパ ー ト シ ス テ ム の利 用 自体 が その機 能 的 効 果 以 上 に企業 イ メー ジ の 向 上 に貢 献 し て い る と も考 え れ る。10 )Anthony の 分 類 は 企業 にお け る 意思 決 定 の レ ベ ル に 関 す る区 分 で あ る と もい え[5], こ の こ とか ら も ほ とん ど が オペ レ ー シ ョ ナ ル ・ レ ベ ル に分 類 で き る現 在 の シ ス テ ムが 行 い 得 る意 思 決 定 レ ベ ル は そ れ ほ ど高 くな い とい え る。

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11)例 えば近年 の曖昧性 の表現 として注 目さ れてい るファジー理論 やニュ ー ラムネ ットワークを用いた経済環境 シミュ レ ー ション[16 ] な どがこれ に該 当 して くる もの と考 えられ る。 また,[17 ]も消費者行動 や企業 行動 の分 析, 予測 などのシミュレダー ション に役 立つ もの と考 えられる。12 ) この分類 はアン ケート調査 結果 [12,13 ] と筆 者の持 つ情報 (個別 イン タヒヅ ー情報や文献 [1,2,10,14,15 ]な ど) とを参考 にして, シ ステムの機 能 と規模, 実現時期, 利 用技術 などか ら筆者 が独 自 に判断 を 下 した ものであ る。13 ) 図2 の 象限I,III に分類さ れ るシ ステムで 象限 Ⅳの ような利 用目的 を目 指 して開 発,研 究が なさ れてい るシ ステ ムはあ る と考 えら れる。 14 15 16 )17 ) 付加価値 を与 えるとも換言で きる。 [12 ]と[13 ]とに挙 がっ てい るシステ ムの利 用段 階を比較 してみ るこ と によっ て もわかる。 [15] には世 界的 な その ような企業 変 革例 が い くつ か紹介 さ れてい る。 電子技術 を例 として挙 げ る と, 真 空管 の本数,犬ト ランジ スタ, ソリッド ステート,IC,LSI (マ イコン) などを挙げ るこ とがで きる。 参考文献 [1 ]ElaineRich ,“ArtificialIntelligence",McGraw-Hill,1983 (邦訳: 広田,宮村 訳,“人工知 能I ・ir , マグ ローヒルブ ック社,1984 ) [2 ]PatrickH.Winston,KarenA.Prendergast, “TheATBusiness",MITPress,1984 (邦訳:森健一,他訳,“AI ビ ジネ ス ,近代 科学社,1986 ) [3 ]上 野晴 樹,“エ キ スパ ート・ シ ステム概論 ”,情報 処理,vol.28,No.2, 情報処理 学会,1987 [4 ]林弘,“特集「エ キ スパ ート ・ シ ステ ム」につ い で ,人工知 能学会 誌,vol.3,No.l, 人工 知能学会,1988/ 十 [5 ]涌田 宏昭 編著,“経営情報科 学 の展開 ”, 中央 経済 社,1989 [6 ]内木哲 也,“企業 にお ける人工 知 能 シ ステ ムの現 状 と将来 匠”, オフ ィ ス・ オートメ ー ション,vol.11,No.l, オフィ ス・ オート メーション学会.1990 [7 ]高原康 彦,“1990年 代の情報 シ ステみ−DSS を中心 としで ,オフィス・ オートメー ション,vol.10,No.3 , オ フィ ス・オート メー ション学会,1989 [8 ]内水 哲也,“企業 情報 シ ステムへの人工 知 能技術 の適用事例 とその戦略

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企業経営 にお け るエ キ スパ.―.ト シ ステムの戦略的 意義 に関す る一 考察41 性 ”, 第64 回 日 本 経 営 学 会 全 国 大 会 予 稿 集 , 日 本 経 営 学 会 ,1990[9] 西 山 博 ,“ 家 電 製 品 に 急 速 に 普 及 し た フ ァ ジ イ 制 御 技 術 ”, 日 経AI 別 冊 , 秋 号,pp.84-89, 日 経BP 社,1990[10]HiroshiMotoda, “TheCurrentStatusofE χpertSystemDevelopmentandPrelatedTechnologiesinJapan",E χpert,vol.5,No.4 ,IEEE,pp.3-11,August1990[11] 内 水 哲 也 ,“ 戦 略 的 情 報 シ ス テ ム の 対 人 間 性 ”, 情 報 シ ス テ ム 研 究 会 資 料 ,89 一IS-25-4, 情 報 処 理 学 会 ,1989[12] 日 経AI, “ 登 場 し 始 め た 「 エ キ ス パ ー ト ・ シ ス テ ム 製 品 」”, 日 経BP 社 ,1 月18 日 付 録,1988[13] 日 経AI ," 第2 ラ ウ ン ド ” を 迎 え た エ キ ス パ ー ト ・ シ ス テ ム ”, 日 経BP 社,1 月15 日 付 録,1990[14]KoichiIshii,SakaeHayami, “ExpertSystemsinJapan",E χpert,vol.3,No.2,pp.69-74,IEEE,1988[15]EdwardA.Feigenbaum ,他 ,渡 辺 茂 訳 ,“ エ キ ス パ ー ト カ ン パ ニ ー( 原

題:TheRiseoftheE χpertCompany)",TBS ブ リ タ ニ カ,1988[16]MaureenCaudill, “ ニ ュ ー ラ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク の 使 用 法 ”, 日 経AI 別

冊 ,秋 号,pp.64-83, 日 経BP 社,1990( 原 題: “UsingNeuralNets(part.l ∼3)",AIExpert,Vol.4,No.12,PP.34-4L,December1989,vol.5,No.4,pp.59-64,April1990,andvol.5/No.6,pp.49-53,June1990)[17]

内 木 哲 也 , 丸 一 威 雄 , 所 真 理 雄 ,“ 行 動 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 基 づ い た ア ニ メ ー シ ョ ン ゜シ ス テ ムParadise", コ ン ピ ュ ー タ ・ ソ フ ト ウ ェ ア,vol.4,No.2, ソ フ ト ウ ェ ア 科 学 会,1987

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