220 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(86) キク チ菊池りか(昭和33
医学博士 乙第1164号平成3年3月15日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
Ki・67モノクローナル抗体を用いた細胞動態解析 一正常成長期毛包,および脱毛症における検討一 (主査)教授 肥田野 信 (副査)教授 相川 英三,平田 幸正論 文 内 容 の 要 旨
目的 正常高温成長期毛包における増殖期細胞の存在部位 を確認し,さらに各種脱毛症における存在部位との異 同と予後の相関性について,半定量的に評価する試み として,Ki-67モノクローナル抗体を用いて検討した. 対象および方法 昭和62年1月から平成元年12月に東京女子医科大学 皮膚科を受診し,組織学的検討を加えた円形脱毛症10 例,全山脱毛症10例,トリコチロマニア1例と正常二 皮10例の計31例を対象とした.生検材料は脱毛局面の 中央部より採取した. 凍結保存した生検材料から連続切片を作製し,アセ トン固定後,内因性ペルオキシダーゼを阻止し, Dianova社のKi-67マウスモノクローナル抗体を一次抗体とし,37℃で2時間反応させOMNITAGSキット
(Lipshaw社)を用いてavidin-biotin-peroxidase complex(ABC)法で染色後光顕的に観察した,四球 部と漁獲部より上方から峡部(外毛根鞘)とに分けて 検討し,それぞれ5~6視野を倍率200倍で撮影し,100 個以上の毛包上皮細胞に対する陽性細胞数の百分率の 平均値をlabeling indexとした. 結果及び考察 正常成長期毛包では,毛乳頭側より数回までの毛母 細胞と外毛根鞘細胞に散在性に陽性細胞を認め,その Iabeling indexは毛球部では48~72%(平均61.6± 8.0%),外毛根鞘では27~50%(平均39.1±14.9%) であった.この結果から正常毛包においては毛母細胞 と外毛根鞘の両者で細胞増殖が行われていることが再 確認され,labeling indexは従来の〔3H〕チミジンを 用いたautoradiography法やチミジソのアナログで あるBrd U(bromodeoxyuridine)に対するモノク ローナル抗体を用いた検討の1.3倍から2.1倍であっ た. 円形脱毛症群で得られた所見を総括すると,1)毛三 部,外毛根鞘ともに陽性細胞を認める症例は予後良好 であった.2)毛恥部を欠如し,外毛根鞘に陽性細胞を 認めない症例は店頭脱毛症に移行した.3)毛二部また は外毛根鞘に少数の陽性細胞を認める症例は軽快また は軽快再燃をくり返した.全頭脱毛症群では,1)毛球 部の欠如または陽性細胞を認めず,外毛根鞘でも陰性 の症例は予後不良であった.2)毛球部ないし外毛根鞘 に少数でも陽性細胞を認める症例は予後も良好であっ た. 以上から毛の再生にはまず萎縮していた外毛根鞘細 胞に細胞活性がおこり,細胞分裂を生じ,次いで毛芽 細胞で細胞分裂がおこり毛皮質と内毛根鞘細胞に分化 して毛を再生するパターンが示唆された. 結論 正常成長期毛包においては毛母細胞と外毛根鞘細胞 の両者で細胞増殖が行われている. Ki-67モノクローナル抗体による染色は円形脱毛症 および全頭脱毛症の予後を判定するのに有用と考えら れる. 一830一221
論 文 審 査 の 要 旨
本研究はKi-67モノクローナル抗体を用いて正常頭皮および円形脱毛症頭皮における成長期毛包の細胞動 態を解析したものである.その結果,毛母細胞と外毛根鞘細胞中に陽性細胞を散在性に認め,その部で細胞増 殖が盛んに行なわれていることを明らかにした.また脱毛症については全頭脱毛症では陽性細胞を殆ど欠くの に対し,円形脱毛症では陽性細胞の認められた症例の方が予後良好であった.この点から本染色法は,脱毛症 の予後判定にも有用であることを示唆したもので,学術上価値ある論文と認める. 主論文公表誌 Ki・67モノクローナル抗体を用いた細胞動態解析 一正常成長期毛包および脱毛症における検討一 日本皮膚科学会雑誌 第101巻 第1号 13-20頁(平成3年1月発行) 副論文公表誌 1)アンケートによる小児皮膚筋炎68例の臨床 特 に予後について 日小皮会誌 4(1):507-511,1985 2)小児皮膚筋炎の診断と治療 小児科 26(5):527-533,19853)好酸球性筋膜炎di伽se fasciitis with eosino・