210 (92) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
シン リキ ユウ コ神力祐子(昭和3
博士(医学) 乙第1256号 平成4年2,月21日学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
実験的ぶどう膜炎におけるロイコトリエン(LT)特に正TB4の基礎的研究
(主査)教授 内田 幸男 「 (副査)教授 香川 順,高桑 雄一論 文 内 容 の 要 旨
目的 、 眼科領域ではロイコトリエン(LT)C4およびD4が眼 炎症に関与することが判明している.一方,強い白血 球遊走能を持つLTB4については充分な研究がなされ ていない.著者は白血球遊走が主体となる眼炎症にお けるLTB4の関与を検討することを目的とした. 実験材料および方法 実験動物は雄性有色家兎(約2,500g)17匹を使用し た. 1.3種の実験的ぶどう膜炎(抗原の硝子体注入によ るぶどう膜炎,Arthus型ぶどう膜炎,実験的自己免疫 性ぶどう膜炎)を作製した.眼炎症を確認した後,前 房水と硝子体を採取し,LTB、を抽出した. LTB、の測 定はLTB4〔3H〕assay reagents system(Amersham) を使用しRIAで行った. 2.LTB、, C4, D、およびE45μgを1種類ずつ硝子 体注入し,1.と同様に1時間後,2時間後に前房水を 採取し,LTB4, C4, D4およびE4をRIAで測定した. 結果 1.実験的ぶどう膜炎では無処置眼を除く全ての前 房水からLTB、が検出された. Arthus型ぶどう膜炎は 最も強い炎症反応を示し5.98pmo1/mlであった.硝子 体のLTB4はArthus型ぶどう膜炎が1.97pmol/mlで 最高値を示したが,無処置眼でもLTB4が検出され,他 のぶどう膜炎でも低値ながらLTB、が検出された. 2.LTsの硝子体注入では, LTB、注入群で前房水中 のLTB4は1時間値が2時間値を上回った,LTC、注入 群ではLTB、が1時間値で, LTD、, E4が2時間値で高値を示した.LTD4注入群でもLTB4は1時間値,
LTC4, D、, E4は2時間値が高値であった. LTB、注入 群ではLTC4, D、が2時間値, LTE、は1時間値が高値 であった. 考察 ぶどう膜炎発症時に血液房水概は破壊され,この時アラキドソ酸カスケードが刺激されてcycloox・
ygenase系のPGsが増加する.本実験の結果から, 1ipoxygenase系でもLTsが活性化されると推察され る.LTsは血液中の多核白血球から遊出し,集積した 白血球からさらにLTB4が産生増量して前房水中に増 加したと考えられる.硝子体はその性状からLTB4の 遊離は少ないと考えられた.LTB4はLTC4, D4, E、と は1ipoxygenase系の中でも違う経路を通るため前房 水への遊離に相違が現れたと考えられる. 結語 実験的ぶどう膜炎においては・LTB4も炎症に関与す ることが示唆された. 一814一211