242 (60) 氏名(生年月日)
本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ハシ モト ヒロシ橋本 洋(昭和2
博士(医学) 乙第1307号平成4年9月18日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
Evaluation of endoscopic ultrasonography for gastric t㎜ors and pre・ sent琴tion of three-dimensional display of endoscopic ultrasonography (胃腫瘍の診断における超音波内視鏡の評価と超音波内視鏡像の三次元表示 に関する研究) (主査)教授 小幡 裕 (副査)教授 羽生富士夫,伊藤 達雄論 文 内 容 の 要 旨
目的 超音波内視鏡(EUS)を用い,従来の内視鏡検査で は診断が難しい消化管壁深層の病変の鑑別および診断 を行った.さらに病変の全体像を容易に掌握するため にEUS像の三次元立体構築を行った. 対象と方法 壁深層の病変の診断はオリンパス社製ラジアル式 EUSを用い,描出法は脱気水充満法を主としたバルー ン法を併用した.そして次の3群を対象とした.(1)壁 外圧四病変ないし胃粘膜下腫瘍103例.(2)病理組織的 に確診された胃粘膜下腫瘍50例.(3)進行胃癌,胃悪 性リンパ腫48例. また三次元立体構築については,病変のEUS像を 10~20画面,5~10mm間隔で録画し,これを帝人社製 立体構築ソフトを用いて三次元立体構築を行った.本 稿では食道癌1例,胃潰瘍1例を対象とした. 結果 1)壁外圧排病変と胃粘膜下腫瘍の鑑別:全例(壁外 病変:26例,粘膜下腫瘍77例)で鑑別可能であった. 壁外病変の質的診断は88%で可能であった. 2)胃粘膜下腫瘍の質的診断:筋原性腫瘍32例,迷入 膵8例,脂肪腫3例,胃嚢胞4例,胃悪性リンパ腫(隆 起型)3例であった.質的診断の正診率は98%であっ た.筋原性腫瘍の良悪性鑑別は腫瘍の平均直径が平滑 筋腫は2.Ocm,平滑筋肉腫は5。4cm,内部エコーの不整 は24%と71%,辺縁エコーの不整は16%と86%であっ た. 3)胃癌,胃悪性リンパ腫の漿膜浸潤の診断:正診率 は65%であった. 4)三次元立体構築:食道癌例では腫瘍と周辺臓器, リンパ節の位置関係が描出された,胃潰瘍では線維化 組織の拡がり,粘膜下層の断裂が明確に描出された. 考察EUSは内視鏡検査やX線検査では診断が難しい壁
外圧排病変と粘膜下腫瘍の鑑別が容易である.また粘 膜下腫瘍の鑑別診断も良好な結果であった.しかしこ の内筋原性腫瘍の良悪性鑑別はやや難しいと思われ た.さらに悪性腫瘍の漿膜浸潤の診断は正治率65%に すぎなかった.診断の難しい2者はいずれも細胞レベ ルの診断が必要なため,EUS像からは診断が難しいと 考えられた.さらに三次元立体構築することにより内 科医に判りにくい食道周囲の臓器,リンパ節の位置関 係の理解が容易となり,胃潰瘍例では粘膜下層の断裂 像や線維化組織の拡がりが立体的に描出され深部構造 の理解が容易になった.所要時間,構築手技に問題が あるが,今後EUSの発展する方向の一つと思われる. 結語 1)EUSは壁外圧排病変の診断,粘膜下腫瘍の診断 に有用である.2)細胞レベルの診断を要する筋原性腫 瘍の良悪性鑑別診断,悪性腫瘍の漿膜浸潤の診断は現 一876一243 状では難しい.3)EUS像の三次元立体構築は病変の 全体像,深部構造の掌握に有用である.