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Studies on Genetic and Virologic Characterization of Newcastle Disease Virus Isolated from the Outbreaks in Asian and African Countries

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Academic year: 2021

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Title Studies on Genetic and Virologic Characterization of NewcastleDisease Virus Isolated from the Outbreaks in Asian and African Countries( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s) TRAN, Thi Huong Giang

Report No.(Doctoral Degree) 博士(獣医学) 甲第567号 Issue Date 2020-09-18 Type 博士論文 Version none URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/79649 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本(国)籍) TRAN, Thi Huong Giang(ベトナム社会主義共和国) 主 指 導 教 員 氏 名 帯広畜産大学 教授 小 川 晴 子 学 位 の 種 類 博士(獣医学) 学 位 記 番 号 獣医博甲第567号 学 位 授 与 年 月 日 令和2年9月18日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 及 び 専 攻 連合獣医学研究科 獣医学専攻 研究指導を受けた大学 帯広畜産大学

学 位 論 文 題 目 Studies on Genetic and Virologic Characterization of Newcastle Disease Virus Isolated from the Outbreaks in Asian and African Countries

(アジアおよびアフリカ諸国での発生例から分離された ニューカッスル病ウイルスの遺伝的およびウイルス学 的特徴に関する研究) 審 査 委 員 主査 帯広畜産大学 教 授 横 山 直 明 副査 帯広畜産大学 教 授 小 川 晴 子 副査 岩 手 大 学 教 授 村 上 賢 二 副査 東京農工大学 教 授 水 谷 哲 也 副査 岐 阜 大 学 教 授 福 士 秀 人 学位論文の内容の要旨 ニューカッスル病ウイルス(NDV)は, 家禽に致死率の高い疾病を引き起こすため, ワク チンによる予防が重要とされている。しかし, 発展途上国では,ワクチン接種された鶏群に おけるNDの発生が報告されている。NDVは単一血清型であるが, 遺伝子に変異が蓄積された 結果, 多様性が生じている可能性が指摘されているが, 十分には理解されていない。本研 究は,アジアおよびアフリカの国々のND発生例からNDVを分離し,得られたウイルスの遺伝 学的およびウイルス学的特徴を明らかにすることを目的に行われた。 第1章では,NDV感染が疑われたキルギスおよびフィリピンの病鶏を対象にした研究が行 われた。それらアジア2国に由来する病鶏の組織検体を乳剤化し,発育鶏卵へ接種すること に よ り , 2 株 の NDV, chicken/Kyrgyzstan/2016/1-16 (Kyr/1-16) お よ び chicken/Philippines/2017/1-19 (PH/1-18) が分離され, 次世代シーケンス (NGS) 解析 により全遺伝子配列が決定された。その結果, Fタンパク質の開裂部位の推定アミノ酸配列 (112R-R-Q-K-R-F117) から,2株ともに強毒型NDVであることが確認された。さらに, 系統 学的解析の結果,キルギス由来のKyr/1-16株はsub-genotype VII.1.1 (従来のVIId),フィ リピン由来のPH/1-18株は sub-genotype VII.2 (従来のVIIi) に属することが明らかにさ れた。これら2株のウイルスのHNタンパク質の中和エピトープおよび膜貫通領域には,様々 なアミノ酸置換が確認され, それらには中和抗体の結合に影響を与えるとされるアミノ酸 置換も含まれていた。本研究では,キルギスおよびフィリピンのND発生例から分離したNDV の遺伝子の特徴を明らかにし,ND対策にとって貴重な知見を提供した。

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第2章では,上エジプト地域(ケナ,ルクソール,アスワン)におけるND発生例を対象と した研究が行われた。2011〜2013年に同地域の複数の農場で発生したND発生例で採取され た38検体からウイルス分離が行われた。これら全ての農場では、NDVワクチンが接種されて いたにも関わらず大規模なNDの発生が報告された。発育鶏卵を用いたウイルス分離試験を 行った結果, 全ての検体からNDVが分離され, 分離ウイルスについてNGS解析が行われた。 Fタンパク質の開裂部位のアミノ酸配列から全38株はいずれも強毒型NDVであることが明ら かにされ,うち10株については鶏胚を用いた平均致死時間の評価によっても強毒型である ことが確認された。翻訳領域全長の遺伝子の系統解析を行った結果,全10株のNDV株は genotype VII,sub-genotype VIIjに属することが明らかとなった。これらのNDV株は,同 国で使用されていたLa Sota や Clone 30といったワクチン株(genotype II)とは遺伝学 的に大きく異なっていた。ウイルスのFおよびHNタンパク質の中和エピトープには, 既知の 変異を含む様々な変異があることが明らかにされた。エジプトで多くのワクチン接種鶏群 にNDが発生した原因を明らかにするためには, 使用ワクチン株と野外発生株との遺伝学的 な違いを監視しつつ, 実際にワクチン効果の評価試験が行われる必要があると考えられた。 第3章では, ND診断法への応用を目的に, 第1章で分離されたキルギス由来NDV株に対 するモノクローナル抗体が作製された。NDVに対して, 赤血球凝集抑制性および中和活性を 示す4クローンのモノクローナル抗体 (IgG1アイソタイプ) を得ることができた。このう ち, ウエスタンブロット解析では, 1クローンのモノクローナル抗体のみがHNタンパク質 と強く反応することが確認された。赤血球凝集抑制試験を用いて,これら4種類のモノクロ ーナル抗体のKyr/1-16株およびその他のNDV株に対する反応性を調べた。その結果,Kyr/1-16株に対する4種類のモノクローナル抗体は2種類に分類された。すなわち, 2クローンは, 試験に用いたNDV株の全てに高度に保存されている抗原エピトープを認識し,残り2クロー ンは,NDV株によって多様性のある抗原エピトープを認識することが明らかにされた。これ らモノクローナル抗体の有用性の検討とともに, より多くのモノクローナル抗体を作製す ることによって, 新たなND診断法が開発されることが望まれた。 以上,本研究において,アジアおよびアフリカ諸国で分離された強毒型NDV株の遺伝学的 およびウイルス学的特徴が明らかにされた。それらウイルスには, 中和抗体認識部位のア ミノ酸に変異が確認されたことより, ワクチン効果の検証の必要性が強く提唱された。提 供された情報は,世界各国の養鶏産業におけるND対策およびNDVワクチン戦略に生かされる ことが期待される。 審 査 結 果 の 要 旨 発展途上国では,ワクチン接種にも関わらずニューカッスル病(ND)の発生が続いてお り,分布するNDウイルス (NDV) に遺伝子の多様性が存在することが危惧されている。本研 究は,アジアおよびアフリカの発展途上国の鶏群から分離されたNDVについて,遺伝学的お よびウイルス学的特徴を明らかにすることを目的とした。 第1章では,キルギスおよびフィリピンで分離されたNDVの遺伝学的およびウイルス学的 特 徴 を 明 ら か に し た 。 分 離 し た chicken/Kyrgyzstan/2016/1-16 (Kyr/1-16) お よ び chicken/Philippines/2017/1-19 (PH/1-18) は, Fタンパク質の開裂部位のアミノ酸配列 から,いずれも強毒型NDVであることが明らかとなった。系統学的解析により,Kyr/1-16株 は sub-genotype VII.1.1,PH/1-18株は sub-genotype VII.2に属すること, 推定アミノ 酸配列の解析により,2株ともにHNタンパク質の中和エピトープおよび膜貫通領域に様々な アミノ酸置換が存在することが明らかとなった。

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的特徴を明らかにした。全38株のNDV分離株はいずれも強毒型であることが明らかとなった。 うち10株を選抜し翻訳領域全長の遺伝子解析を行った結果,これらNDV株は全てgenotype VII,sub-genotype VIIjに属し, 同国で使用されたワクチン株(genotype II)とは遺伝的 に大きく異なることを明らかにした。さらに,ウイルスのFおよびHNタンパク質の中和エピ トープにいくつかの変異が確認され, ワクチンの有効性検証の必要性を提唱した。

第3章では,第1章で分離したKyr/1-16に対するモノクローナル抗体 (Mab) を作製し, 分離ウイルスの抗原性を解析した。赤血球凝集抑制性および中和活性を示す4クローンの Mab (IgG1) を得たが, うち1クローンのMabのみがウエスタンブロットでHNタンパク質と 強く反応した。4種類のMabの各種NDV株に対する反応性を調べたところ, NDV株に高度に保 存されている抗原エピトープを認識するMabと, 多様性のある抗原エピトープを認識する Mabとに識別され, NDVの診断法や感染制御法の開発に応用されることが期待された。 以上,本研究では,アジアおよびアフリカの国々で分離されたNDV株の遺伝学的およびウ イルス学的特徴を明らかにした。隣接する2つの大陸において, genotype VIIに属するNDV が分布しており, 中和抗体が認識する抗原部位に変異が蓄積されている可能性が示された。 これらの情報は,今後のND対策およびNDVワクチン戦略に生かされることが期待される。 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合獣医学研究科の学位論 文として十分価値があると認めた。 基礎となる学術論文

1)題 目:Molecular characterization of full genome sequences of Newcastle disease viruses circulating among vaccinated chickens in Egypt during 2011-2013

著 者 名:Tran, T. H. G., Sultan, S., Osman, N., Hassan, M. I., Dong, V. H., Dao, D. T., Omatsu, T., Katayama, Y., Mizutani, T., Takeda, Y., Ogawa, H. and Imai, K.

学術雑誌名:The Journal of Veterinary Medical Science 巻・号・頁・発行年:82 (6) : 809–816, 2020

既発表学術論文

1)題 目:Molecular characterization of a virulent strain of Newcastle disease virus isolated from a diseased chicken in Kyrgyzstan in

2016

著 者 名:Huong, T. T. G., Van, D. H., Duy, D. T., Iskender, S., Mairambek, I., Omatsu, T., Katayama, Y., Mizutani, T., Ozeki, Y., Takeda, Y., Ogawa, H. and Imai, K.

学術雑誌名:The Japanese Journal of Veterinary Research 巻・号・頁・発行年:67 (4) : 263–273, 2019

2)題 目:Chicken anemia virus in northern Vietnam: molecular

characterization reveals multiple genotypes and evidence of recombination

著 者 名:Dong, V. H., Tran, T. H. G., Nguyen, V. G., Dao, D. T., Bui, N. V., Huynh, T. M. L., Takeda, Y., Ogawa, H. and Imai, K. 学術雑誌名:Virus Genes

参照

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