Title
Dietylnitrosamine誘発ラット肝癌より樹立したGKS-HL自然
高肺転移モデルの性格について( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
川越, 肇
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1347号
Issue Date
2003-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14904
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 川 越 肇(岐阜県) 博 士(医学) 乙第1347 号 平成15 年 3 月13 日 学位規則第4条第2項該当
Di。.ylnit,。Samin。誘発ラット肝癌より樹立したGKS-HL自然高藤転痩モデル中
性格について (主査) (副査)豊樹
重秀 治 佐森 授授 教教 教授 森 脇 久 隆 論文内容の要旨担癌生体における手術侵襲の影響を検索する動物実験モデルとして・マウスは免疫モニタリングが多彩であ志
が,外科的処置が困難で,過大侵襲モデルとしては限界がある。この点・ラットは比較的大型で・開腹・開胸あ るいは胃や腸切除・吻合などの外科的操作が可能で,手術侵襲モデルとして適した実験動物である。しかし・マ ゥスに比べ高転移株や転移・増殖・浸潤関連の機序解明に有用な可移植性腫瘍が少ない。そこで,申請者らは Fischer系雄ラットにDietylnitrosamineの腹腔内投与により肝細胞癌(GKS-1)を誘発・樹立し・これを皮下移植 して自然成立した肺転移巣を,再度皮下移植するinvivoselectionを繰り返し,肺に臓器親和性を有する自然肺 転移モデルを作製した0次いで,この転移巣を組織培養し1imitingdilution法で樹立した培養細胞株も同様に, 皮下移植により高い肺転移能を示したので・このGES-HL細胞の性格と移植腫瘍の特徴を検討した0 研究対象と研究方法自然高肺転移モデルの作製法‥Fische嘩F344/jclの4過齢堆ラットにDietylnitrosaminelOOmg/kgを腹腔
内投与して誘発された肝細胞癌で,皮下継代移植巻線り返し・生者率が100%で,平均60日で全匹腫瘍死する10 継代目の皮下移植腫瘍を肝細胞癌GKS-1と命名した0このGKS-1を皮下継代移植すると・まれに肺および肝に 自然転移をきたすことが判明したので,この肺転移巣を皮下移植するinvivoselectionを繰り返し・14代目(約 2年弱),樹立から24代目で高肺転移株(GKS-HL)の樹立に成功した0また,30代目前後の肺転移巣を細切後初 代培養し,得られた培養細胞を1imitingdilution法にてinvitroselectionを繰り返し,同様に高率に肺転移を きたすGKS-HLl,GKS-HL2,GKS-HL3の株細胞の3亜型を樹立した0 病理組織・分子生物学的性格の検索法:①位相差顕微鏡と=E染色を用いた形態学的所見・②細胞増殖程度の 検索と増殖曲線の作成,③皮下移植時の肉眼所見と増殖程度の観察・④GKS-HL株細胞を皮下・尾静脈内,脾 静脈内および腹腔内移植した場合の転移程度の観察0⑤肺転移結節数の検索(肉眼的およびペリカンブルー染色 法で,肺表面から可視可能な転移結節数を算定)。⑥腫瘍関連蛋白およびサイトカイン産生能の検索(培養7日目の上清中CEA,AFP,CA19-9,G-CFS,TGF-β・IL-6濃度をEUSA法で,p53(DO-7)発現程度を免疫組織学
的に検索。⑦dorsalairsac(以下DAS)法で腫瘍血管の新生程度を肉眼的に観察し,体幹皮筋上で3mm以上の新 生血管数を算定した。 ①GES-HL細胞を皮下移植すると全匹生者し,1週目で肉眼的に観察可能で・3から4過日にかけて急速増大後, 平均60±5日で全匹腫瘍死した0倍増時間7・5日0皮下生者腫瘍のHE染色所見では腫瘍細胞は中小策状ないしは 塊状の配列で,一部に偽腺管形成がみられたム癌細胞の胞体は好酸性,微細額粒状で核は比較的大きく異型度が 強かった。また核小休も目立ち,わずかに偽腺菅形成を伴っていた0②GKS一日L培養株細胞は付着性に増殖し,多辺形細胞が単層敷石状に増殖する像を示した。倍化時間22.4時間。③皮下継代腫瘍あるいは培養細胞株とも皮 下移植で肺にのみ転移が観察された。また,転移結節は移植後3過日頃より出現し,5過日の時点で39.4±1.6 (SE)個と漸増した。④皮下,尾静脈内,牌静脈内あるいは腹腔内に注入移植時でも8週後の剖検所見で肺転移が 観察された。⑤肺転移巣のH.E.染色所見は,原発巣と同様の申分化型肝細胞癌像を示した。⑥GKS-HL細胞の 培養上清中にはCEA,AFPは5ng/ml以下で,CA19-9も10U/ml以下といずれも測定限界以下であった。また,
G-CFS,TGF-.β,IL,6も測定限界昼下であった。⑦p串3遺伝子変革鱒GKS-HL培養細胞,肺転移巣,J正常帆正
常肝および腎臓はいずれも染色陰性であらた。一⑧DAS法であ新生血管数は,移植後5白目で体幹皮筋上に3mm以 上が14.8±3.6本とPBS単独群(3.3±0.6)に比べ有意の高値を示した。 考察と結語 外科領域では手術侵襲に伴う宿主免疫活性の低下と転移促進の可能性が注目されている。そのため,実験動物 モデルで検討されているが,従来から肺転移,肝転移,リンパ節転移など転移臓器別モデル(臓器特異的転移モ デル)が用いられ,牌臓内(肝転移),門脈内(肝転移),food pad皮下(リンパ節)などへ移植する方法が使 用されているが,何れも転移先臓器への潜流静脈やリンパ流を想定した移植方法で,自然転移モデルは少ない。 自然転移モデルは1973年FidlerのB16メラノーマに始まるが,樹立されたモデルの多くはマウスで,ラットを用 いた転移モデルの樹立・開発が望まれていた。そこで,Fischerラットの腹腔内にDietylnitrosamineを投与する ことで肝細胞癌(GES-1)を誘発し,これを皮下継体移植して可移植性腫瘍を樹立し,その肺転移を再度皮下移植するin vivo selection法を繰り返し,GKS-HL細胞を樹立した。その性格は結果の項で紹介したが,皮下移植で 高率に肺のみに転移し,移植経路が皮下,尾静脈内,肺静脈内あるいは腹腔内でも肺転移をきたす腫瘍系は極め