【研 究 論 文
1
UDC ;624
.
042.
ア :620.
1日本 建築 学 会 構 造 系 論 文報 告 集 第 347号
・
昭和 60 年 1 月構
造
物
の
振 動 特 性 検 出
の
た
め
の
Run
−up
/
down
技 法
そ の
1
振 動 数
お よ び振 幅
変
調
を伴
う起振 力
に関
する表 示式
の提 案
正 会 員 正 会 員村
原
田道
勝
*也
* *1.
序構 造 物の振 動特性 検 出 法に は
,Run −down
Testtti
〕と いわ れ る方 法が あ る。
こ の方 法に は, 定 常 試 験 法nt2〕 と 比 較して,
次の よ うな特 徴が認 めら れ る.
長 所 :1) こ の方 法で用い られ る起 振 力は連 続 し た 振 動 数 成 分 を 含ん でい るた め, その応答が構造 物の 振 動 特 性 を含 有し ていること。
2) それ故, 1回の加 振に よ る応答 だ けで構造物 の振 動特性が検 出で きる ため, 実験に要す る時 間は, 1測 定 点に対し て お よ そ4〜5
分 程度で あ り,
極め て短い こ と。
短 所 :1) 起 振 力が明確に定義され ていない こと。 2)Data
処 理 方 法が,
定 常 試 験 法に準じ た方 法 であ り,
厳 密な 理論 的 背景 を持っ てい ない こ と。
3 )その た め,検出結果に対して疑念が残るこ と。 こ の方 法は,
以 前は最も頻繁に用い ら れ てい た が,
最 近 では, 積 極 的には 用い ら れ な く なっ た 方 法で あ る.
こ の よ うに大き く変転し た様子は,
上記の特 徴に よっ て,
以 下の よ う に概 観す ること ができ る。
Run −down
Test
は,
1920年 頃か ら1 )・
z),
その長 所によっ て最も便 利な方 法と み ら れ た た めに,
約 半 世 紀 もの 長い 間,
数多くの振動試 験に用い ら れてき た。 しか し な が ら,
建 物が高層 化 して く る につ れて,
こ の方 法に よ る応 答の 共 振 点 付 近に異常と も 思わ れ る擬似beat
現象が見ら れ る よ うに な り]LT) , こ の方 法に対す る疑 念が持た れ る よ うに な っ た。
こ の よ うな 状況 の なか で, 1964年に,
N .N .
Nielsen
に ょっ て1}, こ の 方 法と定 常試験法との †本研 究の梗概は,
文献11)と12)で発 表し た。
注 1)Run
−
down Testとは,
文 献1)に よ る 名 称であ る。
この振 動 試 験 法は
,
文 献3)で は Run Down 方式,
また,
文 献4)で は回転数制御 機構を持た ない起 振 機による強
制 振 動 実 験
,
と説 明さ れ て い る。
注 2) 定 常 試 験 法とは
,
文 献1)に よ る steady.
state Test の意 味である
.
こ の振 動 試 験 法は,
文 献3)ではsteady state 方式,
ま た,
文 献4}では回転 数 制 御 機構を備えた 起 振 機に よ る強 制 振 動 実 験,
と説明 さ れて いる。
1 東 海 大 学 助 教 授・
工修 * * 東 海 大学 教 授・
工 博 〔昭和 58 年 10 月 5日原 稿 受理 日.
昭 和 59 年 8 月 15 日改 訂 原稿 受 理ロ,
討 論 期限 昭和 60 年 4 月 末口) 関 係が実 験 的 方 法に よっ て比 較 検 討され,
その結果,
「
Run ・
down
Test
は,
構 造 物の振 動 試 験に おける実 験 方法とし て
,一
般に適 当で は な い」と結論付け ら れ た。 そ れ以 来i 振 動 試 験に携 わる研 究 者や技術者の間で,
この 方 法の短 所が検 討され, ζの方 法やこれ に 付随し た実 験 装置さ らに その 実験 結果 さ え も疑 問 視 さ れ3 ),
Run−
down
Test
の使 用頻度は急 激に低下し た。 これに対し て筆 者 等は5]一
’
8} , 1968年に,
この方 法の 短所 1)に関し て理論的な解明を試み, その結果, 擬 似beat
現 象に対 する疑 念 を解 消し5)・
E},
「適切 なData
処 理 (す な わ ち 短所2)の解 決 )を行え ば
,Run −down
Testは,
む し ろ積 極 的に活 用で き る振 動 試験法であ る」こと を示 唆し た。 また同じ年に, 那須 等によっ て9〕,
この方法 と定 常試験 法と の関係が再 検 討され,
その結果,
「起振力の振 動 数 変 化 率が o.
05 (Hz
/s>程度な らば,
こ の 方 法は妥 当であ る」と確認さ れ た1°1 。 この2
つ の研 究に ょっ て,
Run−
down
Test は,
再び 振動 試 験に用い られ る ように なっ た.
し か し な が ら,
こ の 方 法に関 する理 論 的な研 究に は その後まっ た く見るべ き 進歩が な く,
こ の方 法の短 所1) と 2)に関す る 理論 的 背 暴がい ま だに得ら れて いない た めに,
現 在では,
こ の 方 法の 信 頼 性に関 する評 価は,
定 常 試 験 法や自 由振 動 試 験法 と区 別さ れて,一
段 階 低く見 ら れて いる4 〕。
そ れ 故,
こ の 方法は,
積 極 的に は 用い ら れ な く なっ て き た よ うである。 最 近,
耐 震 技 術の要 求に基づいて,
構 造物の振 動 試 験 の必 要 性は年々増 大している。
この増 大 す る 振 動 試 験の 実 施に対して, 実 験 所要 時間が短い こ と は最 も重要な要素であるが, こ の要 素 を 備え た
Run −down
Test
が信 頼性の低さ の た め に用い難く な っ て い る ことは, 今後の耐
震 技術の向上のた めには
,
決し て好ま し い ことで は な い。
こ の こと か ら筆 者等は,Run −down
Test の長 所を十 分に活 用しかつ その短 所 を取除いた修正法を
,
長い間模 索 し て き た。
そ の内 容は,
次のよ うな もの である.
す なわ ち,
1) 起 振 力 を加 力 時 間 全 体 に わ たっ て 定 義する こ と]1)・
12)。
2
) その 定義 し た 起 振 力の測 定 装 置を開 発する こ と13)。
一 30 一
3
) 変 位 応 答の Fourier変 換と起 振 力の Fourier 変換との 比 を 求 め
,
構 造 物の 振 動 特 性 を 検 出 することM )
−
16〕。
・
こ の よ う な修 正 法 (本研究で はこれを
Run −
up /down
技 法 という ) を 検 討し てきたところ, 最 近, 目 覚しい進 歩 を遂 げたDigital
Electronics
に よるData
処理技 術にょっ て, よ う や く, Run
−
up/down
技 法の実 現 が 可 能に なっ てきた (付 言 参 照 )。 本 研 究は,
実 験 所 要 時 間が極めて短く かつ検出結 果の 精 度が高い振 動 特 性 検 定 法 (す な わ ち,Run −down
Test
を修正 し たRun −
up/down
技 法 ) を 開 発す ること を目的 と する もの で あり,
本 報は, その基 礎 的研究と して,
Run
−
dowh Test に用い ら れ てい る起
振力 (す な わ ち.
振 動 数および振 幅 変 調 を 伴う起 振 力)に関して
,
加 力 時 間全 体に わたっ て実現 可 能 な表示 式 を提 案するもの であ る。
2.
振動数お よ び振 幅 変調を伴う起振力に関 する表 示 式 本 章で は, 起 振機の偏心質量の 回 転 角 g(t)が測 定 できる か否かに よっ て,
振 動 数お よび振 幅変調を伴う起 振 力に関する 2通 りの表 示式 を 提案す る。 す な わ ち,
ep (t
)が測 定で き る場合に対し て定義 式を提 案し,
ep(t
) が測 定で き ない場 合に対して近似式を提案す る。
次い で,
近 似 式の妥 当 性を検 討す る際の便宜 を は かっ て,
定 義 式 に対す る近似式の誤差 を示し, さ ら に,
定 義・
近 似・
誤 差の各 式の対 称性を整理 す る。 2.
1 振 動数 お よ び 振 幅変 調を伴う起振 力の定 義
Run −down
Test
に用い ら れて いる起 振 機は,
「その偏心質 量の回転速度を零か ら連 続 的に増 大さ せ て いき, 適 当な と ころか ら逆に連 続 的に減少さ せて静止に至る」と いう操 作 を加え て適 用す る起振機であ る。こ の起 振 力は
,
振 動 数 お よび 振 幅 変 調 (以 後単に変調とい う)を伴い,
振 動 数 領 域に お け る適 当な占有帯域 幅を持つ よ うに制 御.
す ることが可 能で あ る。
例えば,Fig.2,1
に示 す よ うに,
時 刻T,
に おいて 円振 動 数が 砺 とな る よ うに起 振 機 を制 御し た 場合の 占有帯域 幅B
は,
Carson の法 則によ れば1η,
B
=
・
tVmax十2
π/Tc
(rad/sec)と な る.
こ のよ瞬 刈 曩 (t》 (rad !5ec )
o
Tc
2τ、
臨
カー
ソンの瀞1
による帯嵐 已B
は 最六円振凹歔儲差 △国= 国max /2
爆高変調円振軌験Nm
’=2Pt
/2Tc
よりB
禺2
(AN +囚m ’ ) =レ亅ma 翼+2
πノTc
と松る。 Fig.
2.
1 カー
ソ ン の法 則の説 明 図 う な 占 有帯域 幅 を もっ た起振力 を, 加 力時間全 体に わ たっ て定 義す る た め に,
起振 機の偏心質量の 回 転角ep (t
>が得 ら れ る場 合に対 して起 振 機の機 構を整 理する と,
以 下の ように変 調 を伴 う起 振 力 が 定 義で き る。
通常の起振 力は,
およ そ Fig.
2.
2の よ うに,
動 輪に 取付け た偏心質量 が回転す ることによっ て生 ずる遠心力 を利用し た力で あ る.
今,
図の よ うに, 偏 心 質 量が,A
点か ら起 動し,
t 秒後に ¢(t)(rad)な る回転を してB
点に 達 し た もの と す る。 こ の と き,
任 意の速 度で回転し てい る偏心質量 に生ず る力は,
次のよ う な2つ の直 交し た力で表すこ と がで き るIS }。半径方向の遠 心力 (c)は
,
c=
m 。rlip(t)12
・
…・
(2.
1) 接線方向の慣性 力 (T
}は,T =−
m 。r¢Xt
)…
(2.
2) 故に,2
力の合 力の 大き さ (F
)と傾き (θ)は, 次 と な る。
F =
s/]IF7
”;
m 。rl
¢ftm
+1
φ(t}12
…………
(2,
3) θ=
P〈t)一
・(t)=
Oft
)−
tan−
1[eXt
)/ゆ)}2]
…・
…・
(2.
4 >Fig
.
2.
2の よ うな動輪を2つ用意し て,
歯車機構 を介 し て互い に し か も同 時に逆 回 転さ せ れば,
動輪を 並べ た方 向の力の成分 は打消し合い,
そ の並びと直 交し た方 向の み の振動 力 が得ら れ る19 }。 こ の と き各 動 輪の偏心質 量 を m 。/2
と す れ ば,
次のよ うな起 振 力f
(t
)が得ら れ る。
ノ(孟)= mo7・
1
φ(t}}‘十1
φ(t)12
●
ejlPtt)−
o「en・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
5> 上記の式を整理 す れ ば,
変 調 を伴 う起 振 力に関する表 示 式は,
次の よ う に定義す ること ができ る。
ただ し,Of
t
) は,
任 意かつ 3回連続 微 分 可 能な時 間の関 数と する。
f
・・)一一
m ・器
1
・・
…1
−
・(t>・
eJl ・…−
at )1……
(・.
・) ・ω一
・・r{
妾
剃
‘ +{
差
知
・〉}
2…・
…・
・
(・・
7
) ・ω一 血n−・
[
器
副
妾
砥・)}
2}
・
・
一 ……
(・ ・) こ こ に,
f
(t):起 振 力,t
:時 刻,
M 。 :起 振 機の偏 心 質 量,
r :起 振 機の偏 心質量の偏心距 離,
Q(t):起 振 機の偏心質 量の 回転 角,R
(t
):起 振力の包 絡 線, a(t) :起 振 力の位 相 角,j
=
4
=丁であ る.
Fig.
2.
2 加 速時の起振 力Fま た
,
起 振 力の瞬 間 円 振 動 数は,
式 (2.
6}』
のf
(t) の実 数 部ま た は虚数 部に関し て,
そ の零点をR
(t
)が 支 配しないならば,
次式 で定 義さ れ るan }。
蹴ω一伽
h
ω }・
………・
………一 ・
・
…・
…・
(… )詞
卜雛
罐
響
]
・
………一 ・
…
(2.10
) こ こ に, ωt(t
):起 振 力の瞬 間 円振 動 数である.
また,
こ の Wt(t
)は, 起 振機の機構か ら み て, 起 振 機の偏 心 質 量の 瞬 間円振 動 数で ある,
と換 言す るこ と もできる。
2.
2
近似式の提案 上記の定義式 は q (t
)お よびその3
回連 続 微 分 値が 得ら れ る場 合の厳 密な式であるが, 奴 の の実 測 を行 う 場 合は少ない。 そ れ故,
比較的に測 定の容 易な w 、(t) に よっ て実角
向け の起振力 を表示す る た め に, 式 (2.
9) を積分 した後,
ep(t
)を次の よ うに近 似す る。
aP (・)一ズ
・1(・)d
・−
9
……▼
…一 ・
一 一 ・
一
(・・
11) これより,
ωt(t)お よ び その2
回連続微分値が得られ る場 合に は,
式 (2.
11
)のaq (t
)を定義 式1
式 (2.6
)〜
式 (2.
10 )}の ep(t)に代入サ
るこ と に よっ て.
変 調 を伴 う起 振 力に関 する近 似 式と して,
以 下の各 式を誘 導 すること がで き る。 ♂ ω一一
m ・器
[…小
一 引R
ω.
,’1・gtw
・・…−
f
−
aa・・i
ユ_ _ .
_ ・
《2.
12) 詔ω一
威
}ω・ω州
妾
蝋 ε)}
・
…・
…・
(2・
・3
) aa (t
)− tan−
・[
孟
・、(t
)’
/
1
・・ω} ・]
…・
・
………・
・
(・・
14 ) aW ・〈t
)一読
1
∬
繊(・)・・一
詈
一
a6 (・)}
・
……・
…・
(・・
15)w ・(t}
弄
働 ω一
・{
妾畊
iw
,(t)v
+{
孟
ω・(t
)lt
・
・
・
・
・
…
t−…
一
一
・
・
・
・
・
・
…
(2,16
) こ こに, 各関 数の左 側に付し た添 字 a は,
定義 式の 各 関 数に対する近 似であ るこ と を意味してい る。
2.
3 近 似 式の誤 差こ こ では
,
近似式の妥当性を検 討する た め の準備と し て,
定 義 式に対す る 近似 式の誤 差を示す、上 記の近 似 式は
,
ep(t
)の測 定はで き ないが Wt(t
) の測 定は で き る,
という 場合に適用 する こ と を 目的とし た もの で あ る。
それ故,
定 義 式と近 似 式との相違は,
wl(t
>に よっ て表さ れ るこ と が望ましい が , Wt (t)を 既 知と して式 (2.10
>の微 分 方 程 式の解 ep(t)を求め 一 w ・(…[
卜]
ること は困 難であり,
所 望の 誤 差 式を導くこと がで き な い。
この た め,
本 研 究で は,
ep(t
)が得ら れ る 場合に対 し て, 定 義 式に対す る 近似式の誤 差 を 表 示 す る。
ψ(t
)に よ る定義式とiVt
(t
)に よる近 似 式との相違は, 近似式/定義式 が1
か らどの程 度 離れ る かを整 理す るこ とに よっ て, 以下の よ うに示すことが できる。
ただ し,
式中の (=…
)は, 近 似 式を整 理する場 合の起 点 を説 明 す る もの である.
aW 、{t
)(
〒矗
姻一
aa (t
)1
)
−
w・o
)[1− E
“t
)]・
…・
・
一 …・
……・
…
(2.
1・
7
) a・・(t)(
一
ズ妾
1
妖・!
−
・(・)}・・一
詈
)
−
Oft
)[1−
E ,ω ]・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
18
) αα(t)= a(t)[1− Ea
(オ)]…
r・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
19 ) aR (孟}(
− m ・r[
マ器
IP
(t)一
α(t)}r
+[
籌
1
ψ(の一
α(t)1
]
t)
=
R
(の師
………一…・
・
…・
…・
…・
…
(2.
20
) ♂ω (=
aR {t}e丿laex#−
aaes )=
∫〔t
)・
が
瓦 研・
e−
」laa”’PtD+1・
…・
・
……
(2,
21) こ こに,
Ew
(t)冨
温
「1
’
q(t)一
α(t)卜籌
rlep(t)一
α(t)}−
2[
壽
lep
(t)一
α(t)}r
[
舌
圓一
・ω覗
詬
瞬 )一
・(・)1
]
2・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
22)E
・(掴一
α(留
゜)・
・
…・
・
………一 ……・
…
(… 3) 島 ω一1一
瑠
1…
1
…・
…・
………・
………・
・
一 ・
(・・
24
)[
マ籌
IOft
)’
一
α(t)}]
‘
+[
器
「IOft
)一
α(t)}]
2E
,(t)=
−
1{
伽
・lr
+{
券
砥・)}
2・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
25) ただし, ・(t
)一
・an−
・晞
副
妾
幽}
2]
一 ・
1
・
一 ・
(・・
2・) 誠 噸 ・聆
妖 ・一
・(t
)1
/
験
・・一
・・州
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
27> こ こ に,
E.
Ct
):a ω t(t)の誤 差,
Ee (t):。p (t)の 誤 差, Ea (t):aa (t)の誤 差,
E,(t):aR (t)の 誤 差 を示す。
2.
4 対 称 性 こ こ では, 近似 式の妥 当性 を検 討する た め の準 備と し て,
定 義・
近 似・
誤 差の各式の対称性を 整理 す る.
Fig.
2.
3に 示す よ うに,起 振 機 偏心質 量の 回転 角 ep(t) が点IT
、,
p(丁訓 に おい て点 対 称と な る よ うに起振 機〜
P
〔t
)(rα
d
》〕
Tc
2Tc
Fig.
2.
3 対 称 点の説 明 図 を制 御 し た場 合,
図の よ うにTc
か らの時 刻 τに対して,
ψ(Tc
十τ}一
ψ(T
∂=
ψ(Tc
>一
ψ(Tc−
T}・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2.
28
) と お ける,
こ の とき,
ep(t
)の奇 数 階 微 分 値は対 称と な り, ま た, ¢(t
)の遇 数 階 微分値は点 対 称と な る か ら,
祕のの1
階微 分 係 数に対し て, φ(Tc
+τ)=
φ(Tc一
τ);Oft
)の 2階 微 分 係 数に対して,
¢(T
。+r);一
旗丁。−
r),
Of
t
}の 3階 微分係 数に対して , φ(T。
+ v)=軍(Tc一
τ) , と な る.
これ ら の関係 を定 義・
近似・
誤 差の各式に適 用 Table 2.
1 SVi(t)0
rad/
sec ep(t}が点 対 称で あ る 場 合の,
変 調 を 伴 う 起 振力の 定 義 式・
近 似式・
誤 差 式の対 称 性 Fig.
3.
1 瞬 時 円振 動の実 測例↑
〔t
}。条
件
午
{恥+て)
弓
2
孚
q
司
一
干
(
π一
τ}
、屯
ぐE
,個
瑚 で点
対
称
とね
早 {t
}R
(
π+τ,=R
(モー
て)軸
t
・Tc
で封称
蜘
}叮
i
〔
モ+て}
=蝋
1
辷て)
t
乖 で対称
滋t
}媛{
玉+τ〕
=一
砥
乖一
て)
献
薫,
0
}で点
禰
・Re
{
飼
R
帳
+て〕切S
鰍
1
貳 )畷 佞《1
}
=R
{1
己{}・
しost
歌
恥 ひ 〆(聡℃響 田}
敷
耐 抄1
勧整数
猪
な
らは“由
t
・
1
し (・ す寸
称
1
臥{
t
}}
R
(T
ひて,・
si
吐
Φ
〔τく†匸〕−0
く(蔦f
⇔}
−
RC1
と一
て レ孰蹴
牙
q
ヒー
τ1
一
α〔1
ヒ{}ぞ 〔1
ヒ}}
q
辷}伽πの整 毒
虹告な
らは鴨
点
(R
,o
}
で点
村称
鹽
斤似諏
o
α聖
丑+て,昌2
収
モト
詮
(
兼一
て〕一
叙0
〕 ω轟
目貼 ば点ぐk
脳烈で点社
称 ユR
“R
くτヒ+て〕= αR
(
Tc
一
て}
t
ピ丘 で掎
称
融u
繍 (
北+て}罵 “晒
G
ヒー
τ)由
七嵩
Tc
で対
’・ 照t
}
。〔イ
(1
ヒ+τ】= 職〆
(T
‘一
て}点
(モ,ωぐ
濤討
称
晦
t
}}
αR
(モπ,
・
COS
{
誼
犯+て丿棚q
試 )}
。R
{π一
て
1
・
[0
∫{
謂
πて 】畝 丑烈邪 k
}軸
兪o卜0
,守
{1りが πの整数
皓
な日ま。
蝿
1 土
=T
⊂で
対称
1
爾
ω}
“R
帳π}ぷ
n
絆
(昆+τト認q
ヒ《痔
R
〔を て1
・
∫in
〔
謂
甃契}泌 Ψて〕笳
餅R
劬}
o
[冨
o淑
正)力旺の
整飆 吉
な引
点
〔下ヒ,
ωで
点
亨
寸禾尓
縒
5
(士
}E
ω(琶 て1
=E
噂(丑一
て)
軸
七兼 で対
称E
曜くt
,ER
(τ∂て)=R 〔丁己
一
てt
胃覧・
・
、 駄士}E
♂{n
†τ}己E
メ〔π一
て冫t
・π で対
称
岷t
)村
’賍 な
し Table 3.
1 モデル q(t)のパ ラメー
タ す れば,
簡 単な運 算 を行うことによっ て,
変 調 を伴 う起 振 力 に関す る各 表 示 式が,Table
2.
1の よ うな対 称 性を 持っ てい ること が わ か る。
こ こで は,Ep
(t
) だ けが,
対称 性に無 関係で あ る。
3.
定義式 お よ び 近似式 の検 討 本 章では,
定義式の性 状を明ら か に す る た め, また, 近 似 式の精 度を検討 する た め,
実状 に近い状態で起振 機 偏心質量の回 転角 ep(
t
)を具 体 的に設 定し,
2章に 示し た定義・
近似・
誤 差の各式の数 値 計 算を行う。
計算結果か ら定義式 と 近似式を検討す る。3
.
1ψ(
t
)の モ デル 変調を伴う 起振 力の特 徴を抽 出し た例と して,
起振機の偏 心質量の瞬間 円 振 動 数 w、(t)を実 測 し た
Fig.
3.
1が あ る.
こ の 実測例の性 状 にで き る だ け近い状 態で,
対 称 性を考慮 した次 式の g(t)を数 値 計 算 用のモ デルと して設 定す る。
似・)
一
唄
・一
髪
)
・
(
弖
・
雫
の
+Prc・・
(
・一
詞
割 働 号 W士naXTC 賓料 曾 号 罵naxTC 鯏 o 号 axTc130
.
05
.0420
.
05
.
0710
.
05
.
0
230
.
04
.0520
。
04
.0810
.04
.
0
330
.
03
。
0620
.
03
.
0910
.
03
。
0
一
去
争
・ + ・ Uhaaxt・
(
一
Uhe ・・
Tc)
・
………
(3・1
) こ こ に,t
:時 刻,
ω :所 望の最 大 瞬間 円 振 動 数,
T
。 :勧 に な る までの時間,p
,(t
):itl
>T
に対 し て零lti
≦T
に対して 1な る単 位 矩 形パ ル ス である。
ま た,
p(t
)の 各パ ラ メー
タは,
Table 3.
1に示す 値と す る。た だ し
,
g (t
)は3回 連 続 微 分 可 能で な け れ ば な ら ない が,
こ こで は,
微 分 可 能で は ない点の値は, 次の よ うに し た。
注 ) 図 中の曲線に記入 さ れ た数 値は
,
Tabie3.
.
1で 示さ れ た資料番 号である。
屮(t) rad15
Fig.
3.
2−
a モデル op(t}R
(t〕/m。
r90
一
2sec Fig.
3.
2−
b 定義式に よ る包 絡線 ot (t) rad・
L57
O
一
1
。
57
Wilt)30
rad /sec0
Fig.
3.
2−
d 定 義 式によ る 瞬 間 円 振 動 数40
一
40
∫
〔t)/
m .r一
2sec 十10
φ(Tc)=
1
φ{Tc十 〇)十φ{Tc−
0)1
/2= o・
・
・
・
・
・
…
凾
・
・
・
…
(3.
2)−
ip
’
(Tc
)= 「φ(Tc−
←ω十’
ip
’
(Tc−
0)}/2= 0・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(3.3
)3.
2
数値計算結果お よび考察 こ こ で は,
モ デル p(t
>に対す る定 義・
近 似・
誤 差 の 各 式の 計 算 結果が,Fig.
3.
2か らFig.
3.
4まで に示 さ れ ている。
この結果 か ら,定 義 式の性 状 を 明ら か に し, 次い で,
提案し た近似
式の妥当性を検 討す る。
なお,
計 算は,
マ イクロ コ ン ピュー
タ (NEC .
PC −
8000 シ リー
ズ)に よ る もの であ る.
3,
2.
1 定義式の性状 Fig.
3.
2−
aか らFig.
3.2−
e まで の各図は,
定義 式 {式 (2.
6
)一
式 (2.
10
)}の数値 計算 結果を図 示し た も の で ある.
こ の図を一
覧す れば,
起振力の全 貌が,
次の よ う に明らかに さ れ る。 Fig.
3.2−
a は,
起振 機の偏心質量 の回転 角 q (t
)の モ デル,
す な わ ち式 (3.
1
>を 図示し た もの で あ る。
こ こに, 図 中の曲 線に記入 さ れ た数値は,Table
3.
1で示され た 資料番号であ る (以後,
図中の曲線に記入 さ れ た数 値は, すべ て こ の資料 番号を意味す る)。
式自体か ら自明 な よ うに,
O(t)が零か ら凹 形の2
次 放 物 線 状に増 大し, 点 対 称の中心か ら反 転して い る様子が み ら れ る.
この よ う な モ デル ep(t)に よ る起 振 力の特性は,
お よそ,
以 下 の ように述べ る ことがで きる。 1)Fig,
32−b
は,
変 調 を伴 う起 振 力の包絡 線を示し た もの である.
包 絡 線は,
凹形の 2次放 物線状に増 大し, 対 称 的に減 少 する。2)
Fig.
3.
2−
c は,
起 振 力の位相角を示
し た も の で あ る。
起 振 力の 位 相 角は,
π/2か ら一
π/2 まで の範 囲にあり,
起 振 機の起 動 時で は π/2
か ら急激に零 に近づ き,
その後ほ と ん ど零であ り,
起 振機の停止時で は零か ら急激に
一
π/2に近づ く。 こ の特性は,
近 似 式 を提 案 する際の重 要な要 素であ る。 3)Fig.
3.
2−d
は,
起 振 力の瞬 間 円振 動 数を示し た もの である
。
こ れ は,
起振機の起 動 時と停止時の近傍 で若 干の乱れを 示 すが,
その他の部 分で は ほ と ん ど 直線 状に増 大しかつ 減 少して いる。 この乱 れ は, 予 想 し得な かっ た性 状であ り, 後 述の近 似 式の性 状と ともに興 味 深い特性であ る.
4
)Fig,
3.2−
e は, 変 調 を伴う起 振 力の一
例 (資 料 番 号5) を示 し たもの で あ る。
こ の起 振 力を注 意 深く 観 察す れ ば,
すで に述べ た包 絡 線や瞬 間円振 動 数の 変化の様子が うか が わ れ る。
資料 番 号5以 外も,
こ れ と 同 じ傾 向 を 示して い る ため,
こ こ では割 愛し た。
3,
2.2
近似 式の妥 当性の検 討 前 節で は,
すで に,
モ デル 奴0
)に 関 する定 義 式の ω1(t) {式 (2.
10
)1
を算 定 した。 Fig.
3,
3−
a か ら Fig.
3.
3−
e まで の各 図は,
これ らの Wt(t
)を 用い て,
近 似 式i
式 (2.
11)〜
式 (2.
16)1
を計 算し,
そ の結 果を 図 示且
50
0
aジ(t)rad Fig
.
3.
3−
a 近 似式に よ る ep(t) ,y
(t)/
y
(t)0
一
50
1
酎9
5
t
sec Fig.
3.
4−
a。
ψ(t}の誤 差10
、
R
/m.
r sec−
2900
o
L5
一
1
,
5
aO((t) Fig.
3.
3−
b 近似式による包絡 線 rad30aWi
ω Fig.
3.
3−
c 近 似式に よ る位 相 角 rad /sec0
Fig.
3.
3−
d 近 似 式によ る瞬 間 円振 動 数5
0
2
0
3
0
aR (t冫/Rωt
2
369
58
147
5t
sec10
Fig.
3.
4−b
aR (t)の誤 差 aO(ω/c〈Ct
} Fig.
3.
4−
c aa (t)の誤 差 aWi 〔t}/
Wiω3
2
6
5
1
8
4
9
7
t。
5t
sec10
Fig.
3.
4−
d aWt (t)の誤差4n
一
40
。f
(tソ
m .r一
2Sec Fig.
3.
3−
e 近 似 式 に よ る 起 振 力 した もの で ある。
Fig.
3.
4−
a か らFig.
3.
4−d
ま での 各図 は,
ψ(t)の モ デル,
す な わ ち式 (3.
1)に関し,
定 義 式1
式 (2.
6)〜
式 (2.
10)1
に対 す る 近似 式1
式 (2.
11)〜
式 (2.
16 )1
の 比 (すな わ ち, 近 似 式の誤差)を示 し たもの である。 こ れ らの図を一
覧すると, 近 似 式の誤差は,
起振 機の起 動 時と停 止 時との近 傍で極 値を持ち,
中 間 部 分で は ほ と ん ど 無視で き る,
とい うこと が明ら か とな る。
ま た,
誤 差が極 値を と る最初の時 刻 t
。
は,Fig.
3.
4のb
図, c 図,
d
図の順に大き く なっ ている.
そこで,b
図 とd
図 との t。 を求め る た め,
対 称 性 を考 慮し て,
式 (3.
1)の第 1 項の み に注目 す る.
こ のと き, モ デル ep(t
)は,
次の よ う に単純に な る.
・(,)・
−
S
・
聖
・
tt………・
・
…一 ・
…・
…一 ・
…・
《・・
4
) 式 (3,
4
)をE
,(t
)1
式 (2.
25)}および Ew(t)1
式 (2.
22
)} に代入 し,X ・
一
(ω max /T。/2) 2 t‘ と置 換して整 理す れば, 次 式 が得られ る.
2008X
‘十2304×3十1920Xi
十208
X
十8
E,(t)=
1024Ks
十1280 X’ 十640×3十160Xz
十20X
十1
512X
°−
2560Xs
十192Xi
十288X
十18
E粛 )=−
1024Xs十3328 X‘十2944 Xz十2080X
:一
ト228X
十9
こ れ らの関 数 が 極 値 を とる時 刻t
。は,
これ ら の関数の鷽
騾
贈
欝
・
藩
熱
得ら れ る,
妾
島 ω よ り,
− 32768Xs−
73730×7 十20480Xs
十58368
Xs
−
24MOX
‘− 3232
×3−
52
X2
十20
X
十3
ー
餌 〔1024×5 十1280X‘十MOX :
十160X:
十20X
十1
)1d
E篭
σ
(の より,
dt
0 言ー
、[
65536Xs
− 655300
×7−
ll79648XG
十40960
Ks
十1063424Xi十128512
×3十97920
Xz
十8928
X
十189
(1024×5十3328X’ 十2944Xi
十2080
×2十228
X
十9
尸]
一
。 両 式 と も分 母は正で ある から,
分 子=
0な る代 数 方 程式 の根 X。 をレギュ ラ フ ァル シ法21 )で 求め,
得ら れ たX
。 に対 して Xo=
( u,max / Tc/2) 2tt と おい て toを求め,
さ らに,式 (2.
25)に よっ てE
,(to)の値を,
そ して式(2.
22 ) によっ てEw
(t
。)の値を求め,
最 後に誤差式1
式 (2.
20 ) と式 (2.
17 >}か ら誤 差の極値を求め れば,
次の ような 結果 が 得られる。Tc
R
(t
)よ りX
・=o・
09582
・ t・=
0・
7S69°
蕭・
1
十E,to呂
322952 Wt・tl
よ ・X・・…89651,
一 ・・−
1・
3762・
〜
庸
・
1−
Ew(to>=
O.
83949 以 上の よ うに誤 差が極値を と る時 刻等を得た こ と か ら,
起 振機の偏心質量の回転角 を式 (3.
1)の モデル ep(t) の よ うに制 御 し た場合,
近 似 式の妥 当性は,
次の ように 定 量 的に確 認さ れ る。
1) 近 似 式の包絡 線の誤差は, 起 振 機の起 動 後 (または起 振機の停 止 前 )の t。
ニ
0.
7869厩
な る 時 刻で最 大 (パ ラメー
タに無 関係な一
定 値3,
Z29) とな り,
起 振 機の起 動 後2t
。(≒ 1.
57
*Tc
/ωmax ) か ら起 振 機の停 止 前2t
。ま での時間内で は ほ と ん ど無 視で き る.
2 )近 似 式の瞬 間円振 動 数の誤 差は,
起 振 機の起 動 後 (ま た は起振機の停止前 )のt
。・=1.
3762
T
。/ωmax な る時 刻で 極値 (パ ラメー
タに無 関 係な一
定 値 0.
839
)と な り,
起 振 機 の 起 動 後2t
。(≒2.
75
厩
)か ら起振機の停止前2t
。ま での時間内 で は ほ と ん ど無視で き る。
3) 1)と2)に よっ て,
起 振 機の 起 動 時か ら 2t。(≒
2.
750S
>までと起 振 機の停 止 前2t
。か ら停止 時 まで の時 間 内に の み近 似 式は誤 差 を持つ と 考え て よい。
4) しか し な が ら,
誤 差を持つ といえ る時 間内の起振 力は,Fig.
3.
2−
e とFig.3.
3−
e に よっ て明 ら か な よ うに,
全 体か ら みてほ と ん ど無視で き る ほ ど小さ な値である。.
5) 以上に よっ て,
本 論 文で提案し た近 似 式は,
加 力 時 間 全 体に わ たっ て,
十 分工学 的に許 容でき る とい えよ う。4.
結 言 構 造 物の振 動 特 性 検 出 法の一
つ として盛んに用い ら れて きた Run
−
down Test は, 定常試 験 法に比較し て実験 所 要 時 間が極めて短いとい う長 所 を持っ てい るにも か か わ らず
,
その起 振 力が明 確でない こと やData
処 理 法が 適 切でない とい う短 所の ために, 最近で は, 信頼を失っ て いる。
こ の方 法に対 し て信頼を回復す る よ う な修正 が で きる な ら ば, その長 所によっ て,
この方 法が も た ら す 寄 与は大きい で あ ろ う。Data
処理技術の発 達し た現 在では
,
Run・
dow
皿Test
を修 正す る た め の問題点は,
そ の起 振 力 をい か に定 義する かとい うこと だ けであ る,
と考え る
。
本 論 文で は
,
Run−down
Test に用い ら れてい る起 振 力 (すな わち,
振 動 数お よ び振 幅変調を伴う起振力)に 関し て, 加 力 時 間全 体にわ たっ で 実 現 可 能な表示 式 を検 討し た.
その結 果,
筆 者 等は,
次の2
通りの 表示 式を提 案 する。
1)起 振 機の偏 心 質 量の回 転 角 ep(t)が測 定で き る な ら ば,
こ の ¢ (t>を用いた定 義 式 試 (2.
6)〜
式(2
.
10 )1
が,Run ・
down
Test
に用い ら れ てい る起振力に関す る厳密な表 示 式と して, 適用できるだ ろ う
。
2) こ の ep(
t
)が測 定で き ない な ら ば,
起 振機の偏心 質 量の瞬 間 円 振動数 ω1(t)を 用い て考案し た近
似 式
1
式 (2.
11)一
式 (2,
16>}が,
Run・
down Testに用い られて いる 起振 力に関す る 近似的な表 示 式と
して, 十 分 な精 度で適 用で きるだ ろ う
.
ψ(
t
)の 測 定 装 置 ま たは ω t(t
)の測 定 装 置の いずれか一
方の開発 が 必 要である。
本 論 文では,
ψ(t)の測定装 置の 開 発は比 較的に 困難が多い ために, ω‘(t)の測 定 装 置の開 発を前 提と して,
近似式の提案に大半の努 力 を 費や した。 今後,
ω、(t )の測 定 装置を 開 発 し, 序 章で 述べ た Run−
up/dow
皿 技法の提案を検 討し て い く予 定で あ る。
謝 辞 本 研 究にあ た り, システム理論につ い て御指導 を賜っ た東 海大 学 教授町 田東一
博 士, 終 始 適 切な助 言 を 頂い た 同大学富 山 薫 順 助 教 授t 同 大 学 竹 内 宏 昌 助 教 授に深く感 謝 致 し ま す。ま た,
図表作成に献身的な協 力 をして下さっ た同大学工学 部建築科4
年嵐俊男君に厚 く御礼申し上 げ ま す。 (付 言 )Run ・
dQwn
Test
の修正に関す る3
段階を 提 示し たが , この修正段 階の 1>につ い ては,
文 献11
)と12
>とによっ て,
その梗 概を す でに発表し た。
本論文は, こ の 2つ の 梗概を補足 お よび整 理し て報告す るものであるが, こ の 報告と平行して,
村 田 勝,
平 田 裕,
三神 毅は,
修 正段階の 2)と 3)につ い て の研究をすで に展 開し て い る】3)・
14) 。 参考文 献1> N
.
N.
Nie且sen :「Steady−
State versusRundown
Test
ofStructures」
,
ASCE,
No.
ST6,
Proc.
Paper 4161,
Dec.
,
1964,
pp.
51−
64.
2) 妹沢克惟 :「振 動 学」,
国際理 工研 究 所,
pp.
580−
651.
3) 日本建 築学 会:「建 築 構造 物の振 動 実 験」.
pp.
26−
27.
4) 日 本建 築学 会;「建 築 物の耐 震 設 計 資 料 」,
pp.
Z68−
280.
5) 原 道 也,
村田 勝,
柏原 和子 :「建築 物の固 有 周 期と減 衰 性に関 する研究」,
東海大学 紀要工学 部,
1968−
2,
pp,
121−
160,
6) 原 道也,
村 田 勝,
城 石 省 蔵 :「振 動 数 及び振 幅 変 調を 伴う振 動 を受け る 1質 点 系の応 答につ い て (その 1}」,
日本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集, 昭 和43年 10月, pp,
443−
444.
7)原 道也,
村田 勝,
宮崎雅徳:「振 動 数及び振幅変調を 伴う振 動を受け る 1質 点 系の応 答につ い て (その 2)1
,
日本 建築学会大会 講 演梗概 集,
昭和44年8月,
pp.
611−
612.
8)原 道也,
村田 勝,
柏 原 和子 :「振 動 数及び振 幅 変 調を 伴 う 振 動 を 受 け る 1質 点 系の応 答につ いて (その 3)」,
日本 建 築 学 会 大会 講 演 梗 概 集,
昭 和44年8月,
pp,
613−
614.
9)那須信 治,
竹内盛雄,
古藤田喜 久雄, 風 間 了 :「早 稲 田 大 学 理工学 部1号 館の振 動 試 験 亅,
日本 建築 学 会 大 会 学 術 講演 梗 概 集,
昭 和43年 10月,
pp.
447−
448.
10) 内 藤多仲,
小高昭夫,
那 須信 治,
竹内盛 雄,
桜 井 譲爾,
谷 資 信 :「建 築 構 造 学7 耐 震・
耐 風 構 造 亅,
鹿 島 出 版 会,
1972,
pp.
204−
218」
11) 村田 勝,
平田 裕,
三神 毅:「振 動 数 及び振幅変調を 伴 う起 振 力の表 示 式につ い て (そ の 1:式の誘 導 〉」,
日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集,
昭 和57年 10月,
pp.
817−
818.
12)村 田 勝,
平田 裕,
三 神 毅:「振 動 数 及 び 振 幅変調 を 伴 う起 振 力の表 示 式につ いて (その 2:数 値 計 算 例 )」, 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集,
昭 和57年10月,
pp.
819−
820.
13) 村田 勝。
平田 裕,
三神 毅 :「振 動 数及 び振 幅 変 調 を 伴 う起 振 力の表 示 式につ い て (その 3 ;実 験 装 置の試 作 と実験例 )」,
日本建築学会 大会学術講演梗概集,
昭和58 年9月, pp.
919−
920,
14) 村 田 勝,
平 田 裕,
三神 毅 :「振 動 数 及び振 幅 変 調を 伴う起 振 力の表 示 式につ い て (その 4 ;模型構 造 物の振 動特性検出実験へ の応用例 )」,
日 本建築 学会大会学 術 講 演梗 概 集,
昭 和58年9月,
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922.
15) A
.
PapoUlis:「The Foutier Integral and its Applica−
tions」
,
McGraw・
Hill,
1962,
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93.
16)W
.
G.
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D.
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,
Sound andVibration
,
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17) ベ ル電話研究所 :「伝送システム」,
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甘利 省吾 監 訳, 丸 善, 昭 和46年, pp,
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20)P
.
F.
Panter;「Modulation,
noise and Spectral analy−
sis」
,
McGraw−
Hitl,
1965,
pp.
237−
238.
21)富 士 通 :「FACOM 270
−
20/30 SSL (科 学 用サブルー
チン
・
ライブラリ〉 解 説 書FORTRAN 編・
(原 始 プログ ラムリス ト)別 冊 」
,
三菱 商 事,
昭 和46年12月,
p.
61.
SYNOPSIS
UDC:624.ou2.7:6Z).1
'
'
RUN-UP/DOWN
TECHNIQUE
EOR
STRUCTVRAL
FREQUENCY
RESPONSE
TESTING
-
'
.
-Partl
Propqsal
of analytical expTessionsfor
and amplitued-modulated oscillatory
'
byMASARU MURATA, and Dr.MICHIYA HARA,
Mernbersof