振動実験
2018 年版 <1回目の実験開始前までに「目的」から「実験方法(1日目)」までをまとめておくこと。> <2回目の実験開始前までに「目的」から「実験方法(2日目)」までをまとめておくこと。> 目 的: 機械及び電気工学実験における「機械振動の測定」では、1自由度振動系に関して自由振動よ り固有振動数および減衰比を、強制振動より振幅倍率と位相差の周波数変化を求めた。本実験で は、写真1に示す実験装置を用いて、写真2に示す1自由度振動系の振幅倍率および位相差を求 める実験方法を考え、予備実験により測定条件を決定し、実際に測定してその結果を考察する。 なお、「機械振動の測定」では松平式振動試験機をカム加振方式で使用したので振動数にかかわ らず加振台の振幅はほぼ一定であった。しかし、この実験では写真3に示す動電式加振器を用い るため加振器を含めた実験装置全体は2自由度振動系となり、加振テーブルの振幅は振動数によ り変化する。したがって、機械力学Ⅱを履修していない学生は、機械力学Ⅰの教科書で2自由度 振動系について勉強しておくこと。 理 論: <この実験で必要となる理論を簡潔にまとめること。> <図1に示す1自由度振動系に関して自由体線図を描き、運動方程式、固有円振動数、減衰比、 減衰固有振動数、自由振動の式、および強制振動の振幅倍率と位相差などをまとめる。> <図2に示す2自由度振動系に関して自由体線図を描き、運動方程式、固有円振動数、振動モ ード、振幅倍率と位相差、粘性動吸振器などについてまとめる。> <参考:機械力学Ⅰの教科書の2自由度振動系、および機械力学Ⅱの粘性動吸振器の資料> 実験装置(写真1): ○ 測定対象(1 自由度振動系)(写真2) ○ 動電式加振器(写真3)(EMIC 製 514-A) 最大加振力:30 kgf(5 ~200 Hz),最大振幅:10 mm,最大加速度:40 G, 可動部質量:0.9 kg,バネ定数:30 kgf/cm. ○ 加振器用電力増幅器(写真4)(EMIC 製 361 C) 最大出力:300 W,最大入力電圧:1 Vrms.電力調整ボリューム(LEVEL):20 Hz 以下は 3 A、ただし 15.5 ~ 18.5 Hz は 1.5 A、 それ以上の振動数では質点と加振台の加速度が1 G を超えないように調整すること。 ○ 加振テーブル内蔵加速度ピックアップ 電荷感度(加振機No.21927):61.4 pc/G. 電荷感度(加振機No.21929):62.5 pc/G. ○ 質点用加速度ピックアップ(EMIC 製 541-AT) 電荷感度(CX-55,加振機 No.21927 用):61.8 pc/G. 電荷感度(CX-57,加振機 No.21929 用):63.2 pc/G.
○ 圧電式加速度ピックアップ用チャージアンプ(写真4)(EMIC 製 600-A-CC,2ch or 4ch) 周波数範囲:0.5~100 kHz. 出力係数:1 G/V に固定しておくこと。 ○ RC 発振器(写真4)(KIKUSUI 製 ORC11) 周波数範囲:5 Hz~500 kHz(周波数はオシロスコープの波形より読み取ること). 減衰率:-15 dB に固定しておくこと。 ~VARIABLE:右一杯に回して「CAL'D」にしておくこと。 ○ デジタルオシロスコープ(写真1右端)(Tektronix 製 DPO2002B, 2ch) <注意:使用時には、設定を記録しておくこと。> 写真1 実験装置全景 写真2 測定対象 写真3 動電式加振器と測定対象 写真4 RC 発振器,加振器用電力増幅器, チャージアンプ <実験装置に関する補足説明> 測定対象は直動ガイド(LM ガイド)可動部に取り付けたアルミ角パイプをコイルばねで動電 式加振器の加振テーブルに接続したものである。したがって、アルミ角パイプ,ばね取り付け用 アルミ円柱,加速度ピックアップおよび直動ガイド可動部をまとめて1つの質点と仮定し、ばね と並列に粘性減衰器を加えると図1に示すシンプルな1自由度振動系となる。しかし、動電式加 振器がコイルを有する加振テーブルをばねで支える構造であるため、加振テーブルを含めた全体 モデルは図2に示すような2自由度振動系となる。 RC 発振器 チャージアンプ 加振器用電力増幅器
図1 測定対象モデルの解析モデル(1自由度振動系) 図2 実験装置全体の解析モデル(2 自由度振動系) 実験準備(1日目)<有効数字に注意!>: 課題1: 測定対象のコイルばねは、外径が28.2 mm,線径が 3.2 mm,巻き数が 17.5 である。 ばね定数を計算しなさい。ただし、横弾性係数は𝐺𝐺 = 68.6 GPa (ステンレス鋼線)とし、 ばねの有効巻き数はばねを取り付けているアルミ円柱から出ている部分とする。 課題2: アルミ角パイプは外寸が50×50×50 mm で肉厚が 3 mm、ばね取り付けアルミ円柱 の寸法はφ40×14 mm である。アルミニウムの密度を 2700 kg/m3として質量を求めな さい。そして直動ガイド可動部の質量を47 g、取り付けられている加速度ピックアップ の質量を32 g、取り付けボルト6本の質量を 13.9 g として質点の質量を計算しなさい。 固有振動数を計算するときに 考慮すべきばねの質量も導き 、質点の質量に加えなさい。 同様に、加振テーブルの質量を、可動部質量にアルミ角パイプ、アルミ円柱、取り付け ボルトの質量を加えて求めなさい。 課題3: 固有振動数(𝑓𝑓𝑛𝑛)を計算しなさい。また、加振器の固有振動数も求めなさい。 課題4: 加振テーブルを含めた実験装置全体(2自由度振動系)の固有振動数と振動モードを 求めなさい。 実験方法(1日目): 課題5: 上記の計算結果を踏まえて2自由度系の実験装置において測定対象である1自由度振 動系の減衰比(𝜁𝜁)と固有振動数(𝑓𝑓𝑛𝑛)<減衰固有振動数(𝒇𝒇𝒅𝒅)ではない>の近似値を 求める実験を立案し、その方法でよい理由も明記しなさい。 (Hint:アルミ角パイプに初期変位を与えて自由振動させると加振テーブルも振動してしまう。 𝑥𝑥(𝑡𝑡) 𝑚𝑚 𝑋𝑋(𝑡𝑡) 𝑘𝑘 𝑐𝑐 𝑚𝑚 𝑥𝑥(𝑡𝑡) 𝑀𝑀 𝑋𝑋(t) 𝑘𝑘 𝐾𝐾 𝐹𝐹 = 𝐹𝐹0sin(𝜔𝜔𝑡𝑡)
このときの振幅比と振動モードを比較してみなさい。) 実験結果(1日目): <立案した計画にもとづいて実験し、結果を整理しなさい。> 考 察(1日目): 課題6: 計算より求められた固有振動数と実験より求められた固有振動数を比較し、検討しな さい。(なお、固有振動数(𝒇𝒇𝒏𝒏)と減衰固有振動数(𝒇𝒇𝒅𝒅)は区別すること。) 課題7: 理論では考慮していない摩擦について考察しなさい。(なお、摩擦力[N]を求めるため には変位振幅[m]で図を描く必要があることに注意しなさい。) 実験方法(2日目): 課題0: 粘性動吸振器の2質点間の振幅倍率を導出し、1自由度系の振幅倍率と同じであるこ とを確認したうえで、振幅倍率と位相差の周波数変化を求める実験手順<目的,装置(機 器接続図を含む),実験方法,結果処理手順>をまとめ、その方法でよい理由を明記し なさい。実験手順では、振幅倍率および位相差の図を実験値のみで描けるよう加振振動 数を決定し、「機械振動の測定」の表3に相当する表の原案をつくり、Excel で作成して おきなさい。このとき、質点および加振テーブルの変位振幅を測定電圧、加速度振幅か ら求めるための列、および加振器用電力増幅器のメーターから読み取った電流値を記録 する列を追加しておくこと。本実験では、振幅倍率を変位振幅で計算する。また、課題 4で電流値が必要となる。 (実験振動数は必ずしも等間隔でなくてよい。振幅倍率の傾きが大きい共振点付近で多くの 測定をするとわかりやすい図が描ける。) 実験結果(2日目): <立案した計画にもとづいて実験し、結果を整理しなさい。> 課題1: 実験結果より必要な表を作成し、振幅倍率と位相差の図を描きなさい。 (注意:加振器用電力増幅器の電力調整ボリューム(LEVEL)は、20 Hz 以下は 3 A、ただし 15.5 ~ 18.5 Hz は 1.5 A になるよう調整し、それ以上の振動数では質点と加振台の加 速度が1 G を超えないように調整する。また、振動数と位相差をデジタルオシロスコー プの計算機能を用いて求めてもよいが、波形が乱れている場合は正確な値が得られない ので、波形が正弦波に近いときに測定を止めて値を読むこと。) 考 察(2日目): 課題2: 振幅倍率の図よりハーフパワー法(Q 値法)で減衰比を求め、自由振動の実験より求 めた減衰比と比較し、検討しなさい。(振幅倍率の図に必要な線を記入すること) 課題3: 振幅倍率と位相差の図に理論曲線を加え、理論値と実験値を比較し、検討しなさい。 課題4: 動電式加振器は、筐体に取り付けられた永久磁石で磁界を形成し、加振テーブルに取 り付けられたコイルに電気を流すことで生じる電磁力(フレミングの左手の法則)で加 振テーブルを駆動する。コイルは固定されているので磁束密度が一定であれば、電流に
比例した電磁力が加振テーブルに作用することになる。加振器用電力増幅器の電流[A] を入力とし、加振テーブルの変位振幅[mm]を出力とする振幅倍率の周波数変化を求めて 図に表し、反共振現象を中心に考察しなさい。 ○ レポートは、結果整理の表や図を除き、手書きを基本とする。