国際協力分野での理学療法士・作業療法士活動の効果研究
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(2) 国際協力分野での理学療法士・作業療法士活動の効果研究. 161. 図 2 ボランティア事業の目的に対応した主観的評価の分布(n = 111). 2). ,他職種ボラン. 隊員と協力してイベントを開催した者は 68.5%,帰国後も任国. 対し,派遣先は高評価であるとの報告があり. の友人と連絡をとっているかについては,「頻繁に連絡を取っ. ティアと同様の傾向と考えられる。これらから,PT・OT の活. ている」17.1%,「時々連絡をとっている」63.1%と回答してい. 動において,ボランティア事業の目的は果たされている傾向に. る。社会還元指標をみると,帰国後も任国への支援を行ってい. あり,友好親善で効果が高いと考えられる。. る者は 18.9%であった。災害ボランティアに参加している者は. Spearman の順位相関係数を求めた結果,患者数とは有意な. 全体の 37.8%である。その他のボランティア活動に参加した者. 相関が認められず,勉強会開催数と「リハビリテーションの発. は 25.2%であった。. 展に寄与した」「任国と日本の相互理解を深めた」は弱い相関. 主観的評価と担当患者数,勉強会開催数の Spearman の順位. が認められた。協力隊は原則 2 年での派遣であり,派遣後後任. 相関係数を求めた。その結果,勉強会開催数と「リハビリテー. のボランティアが派遣されることもあるが永続的ではない。勉. ションの発展に寄与した」 「任国と日本の相互理解を深めた」. 強会によって,自らの知識や技術を現地スタッフに伝えること. はそれぞれ 0.31,0.30 の弱い相関が有意に認められた。1 日平. が,リハビリテーションの発展に寄与したという評価に,また. 均患者数とは,有意な相関が認められなかった。. 現地スタッフからも学ぶことが相互理解を深めたという評価に. また,一元配置の分散分析の結果,担当患者数,勉強会開催. 繋がることは,整合的であろう。しかし,回答者の属性,配属. 数と地域,派遣形態(グループ派遣,技術協力プロジェクト,. 先に関する設問で有意な差は認められず,具体的にどのような. それ以外)で有意な差は認められなかった。Spearman の順位. 条件であれば勉強会開催数が増えるのかは,今回の調査では明. 相関係数を求めた結果,配属先の規模,協力隊員の経験年数で. らかにならなかった。. は有意な結果は得られなかった。. 文 献. 考 察 1 日患者数は平均 8 名,勉強会実施は 8 割,任国での交流活 発にしており,帰国後ボランティア活動を 4 割が実施していた。 友好親善には多くの者が貢献できている一方,開発協力「任国 のリハビリテーションの発展に寄与した」は約 4 割のみ肯定的 回答をしている。このようなボランティアの自己評価の低さに. 1)日本理学療法士協会:理学療法士青年海外協力隊アンケー ト調査報告書.1998. 2)国際協力機構青年海外協力隊事務局 平成 18 年度ボラン ティア事業評価報告書.http://www.jica.go.jp/volunteer/ outline/publication/report/pdf/volunteer_h18.pdf(2012 年 10 月 3 日引用).
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