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拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーの理学療法領域における臨床応用

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 43 巻第 4 号 349拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーと理学療法領 ∼ 357 頁(2016 年). 349. 理学療法トピックス シリーズ 「中枢神経機能の計測と調整」. 連載第 1 回 拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーの. 理学療法領域における臨床応用* 阿 部 浩 明 1) 遠 藤 英 徳 2) 千 葉 朋 浩 3) 長 嶺 義 秀 4) 神   将 文 1) 藤 原   悟 2). はじめに. 子の拡散異方性を捉えたものである。これにより組織の 拡散の大きさを他方向から観察し,それによって voxel.   核 磁 気 共 鳴 画 像(Magnetic Resonance Imaging:. (voxel:脳画像を構成する最小単位)内の拡散の楕円形. MRI)の撮像方法のひとつである拡散強調画像を利用し. モデルを得る。楕円形モデルの長軸方向は,ほぼその領. た拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Imaging)の発. 域の白質線維の走行方向に一致すると考えられている。. 展により,これまで可視化できなかった神経白質線維の. 拡散テンソル画像の情報をコンピュータグラフィックス. 可視化(厳密には神経線維とは異なる)が可能となって. を利用し適切に表現すると,神経白質のシェーマのよう. きた。この画像のリハビリテーション・理学療法への応. な白質線維束のトラクトグラフィーを描くことができる. 用が可能となりつつある。本章では拡散テンソル画像,. (図 1c)。錐体(皮質脊髄)路や脳梁,視放線,皮質橋. 拡散テンソルトラクトグラフィーについて紹介し,その. 路,脳弓,帯状束,上縦束,下縦束,下前頭後頭束,弓. 臨床応用について紹介する。. 状束,上前頭後頭束,鈎状束,皮質網様体路などが描出. 拡散テンソル画像と拡散テンソルトラクトグ ラフィー  脳卒中発症後超早期から高い感度で虚血性病変を捉え ることができる拡散強調画像は,脳卒中の診断に欠かす. 可能である。図 2 に上肢の運動領域から投射される皮質 脊髄路(緑)と下肢運動領域から投射される皮質脊髄路 (青)と皮質網様体路(桃)そして上縦束(黄)を示した。. 拡散テンソル画像を用いた各種解析. ことのできない MR 撮像法であり広く臨床に普及して. 1.Regional analysis. いる。拡散強調画像は生体内の水分子の拡散を捉える. 1)FA(Fractional anisotropy)値の算出と FA 画像. 撮像法である。水分子は等方性拡散(図 1a)する特性.  異等方性拡散情報を画像化したのが FA 画像である。. があるが,周囲に存在する組織の構造に影響を受ける。. この FA 画像をカラーコーディングして左右(右左)方. 神経白質のように一方向に走行する構造物があればそ. 向に走行する神経線維束を赤で,前後(後前)方向に走. れに沿う形で異方性拡散する(図 1b) 。拡散テンソル画. 行する神経線維束を緑で,上下(下上)方向に走行する. 像とは 6 軸以上の運動検出傾斜磁場(Motion Probing. 神経線維束を青で示したのが 3DAC(Three-dimensional. Gradient)をかけ数回の撮像をすることで得られる水分. anisotropy contrast)である。図 3 の上段に基底核スラ. *. Clinical Practice of Diffusion Tensor Imaging in the Physical Therapy 1)広南病院リハビリテーション科 (〒 982‒8523 宮城県仙台市太白区長町南 4‒20‒1) Hiroaki Abe, PT, PhD, Masafumi Jin, PT: Department of Rehabilitation Medicine, Kohnan Hospital 2)広南病院脳神経外科 Hidenori Endo, MD, PhD, Satoru Fujiwara, MD, PhD: Department of Neurosurgery, Kohnan Hospital 3)広南病院放射線部 Tomohiro Chiba, RT: Department of Radiology, Kohnan Hospital 4)広南病院東北療護センター Yoshihide Nagamine, MD, PhD: Tohoku Ryogo center, Kohnan Hospital キーワード:拡散テンソル画像,トラクトグラフィー,脳画像. イスの FA 画像と 3DAC を示した。運動機能に関連し た先行研究では,皮質脊髄路が通過することがわかっ ていて,解剖学上,把握しやすい領域を ROI(Region of interest)設定し,その領域の FA 値を求めて左右比 (FA ratio)を求める解析方法が用いられてきた。中脳 大脳脚の FA 値を求めその左右比をもって FA ratio を 求め予後を推察することが多い。Waller 変性によって 損傷領域よりも下位領域に生じる異常信号が T2 強調 画像や ADC(みかけの拡散係数)map にて確認される ことが知られている. 1‒3). 。この変化を中脳大脳脚などを.

(2) 350. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 図 1 水分子の等方向拡散と異方性拡散のイメージとトラク トグラフィー (a)水たまりに絵の具を落とせばそれは瞬く間に広がってい く.その様子は中心から他方向にほぼ均等に広がっているよ うにみえる.これが等方性拡散のイメージである. (b)なんらかの構造物があり,それに沿って絵の具が広がり やすいような環境にあるとする.その場合,拡散は等方性と はならず,特定の方向に沿って拡散する.すなわち,等方性 ではなく異方性に拡散することになる. (c)拡散テンソル情報をもとに描かれたトラクトグラフィー. 図 2 皮質脊髄路と皮質毛様体路および上縦束の走行 皮質脊髄路を青(下肢の領域からの投射)と緑(上肢の領域 からの投射)をトラクトグラフィーにて示した.また,皮質 毛様体路を桃色で上縦束を黄色で示した.上縦束は皮質延髄 路と接するように走行しており,その影響を受け皮質延髄路 は描出されていない.. 図 3 FA 画像とカラーマップと T2 強調画像 上段左から基底核レベルのスライスにおける FA 画像,カラーマップ(3DAC),T2 強調 画像(b=0 画像)を示した.T2 強調画像でははっきりしない神経線維の走行が FA 画像で は明確となり,カラーマップでは走行する方向もはっきりと確認できる.下段には皮質脊 髄路損傷を伴う被殻出血例の中脳大脳脚における FA 値の測定値を示した.T2 強調画像で ははっきりしないが下段右の FA 画像では明らかな左右差が確認され Waller 変性の出現を 捉えている.計測した中脳大脳脚における FA 値にも左右差があり,FA ratio は低下して いた.. 4)5). ROI 設定(図 3 下段)することで求め,運動機能の予. ること. 後を予測する一指標とすることができる。皮質脊髄路以. ひとつとしてよく用いられる。一次運動野から下降し放. 外でも,研究者の意図する様々な領域を ROI 設定して. 線冠,内包後脚,中脳大脳脚,橋底部,延髄錐体を通過. FA 値を求める研究が行われている。ROI 設定には恣意. して錐体交差し脊髄前角に至る経路のどこかに関心領. 性が付きまとうが,その排除を目的として空間的標準化. 域(Region of Interest:以下,ROI)設定を設けること. を図り,特定の関心領域を選択するテンプレートを用い. になる。一般的には中脳大脳脚や内包後脚,そして一次. て ROI 設定する方法もある。. 運動野が ROI 設定されることが多い。その他,研究の. 2)トラクトグラフィーによる各種神経線維の描出. 目的によっては,橋底部とより下部の橋底部を ROI 設. (1)皮質脊髄路. 定. 6‒8). が広く知られ,運動機能回復の予測指標の. するものなどがある。Kwak ら 9) は脳出血例の.  皮質脊髄路はもっとも描出が容易な投射線維のひとつ. 非損傷半球の皮質脊髄路の変化に着目した。脳出血例. であり,皮質脊髄路損傷の程度と麻痺の重症度は相関す. 54 例と 40 例の年齢を対応させた健常群を対象とし,拡.

(3) 拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーと理学療法領. 351 17). 散テンソル画像撮像を発症 7 ∼ 28 日以内に行っている。. し,帯状束のちょうど上方を走行する. 患者群の非損傷半球の皮質脊髄路トラクトグラフィー描. 溝周辺,下頭頂小葉より前頭葉の背外側の皮質である前. 出線維数は健常群より有意に多く,逆にその FA 値は有. 頭眼野,背側前頭前野,運動前野に向かって走行する。. 意に健常群より低かった。ただし,増大した線維数と減. Ⅲは下頭頂小葉の縁上回から腹側の前頭前野や前頭前野. 少した FA 値と運動機能や歩行能力との相関はみられて. 接合部に向かって走行する。この上縦束の最下端部が弓. いない。このように拡散テンソル画像では損傷側の評価. 状束となり,これらはブローカ野とウェルニッケ野を結. のみならず非損傷側の変化も捉えられる可能性がある。. び,左半球の弓状束の経路の損傷が失語の重症度と相関.  Yokoyama ら. 10). は慢性硬膜下血腫例の白質線維の異. することが報告されている. 。Ⅱは頭頂間. 18)19). 。また右半球では SLF. 常所見の変化に着目し,26 例を対象として術前と術後. ⅡやⅢの損傷と半側空間無視との関連について複数報告. に拡散テンソル画像を撮像し,大脳脚の FA ratio を求. されている. め,運動機能との関係を調査している。26 症例のうち,. 3)Tract-specific analysis(以下,TSA). 運動麻痺を呈したのは 17 例であり,17 例中 13 例は術.  TSA はあらかじめ native space(空間的標準化を行っ. 後に速やかに運動機能が改善し,残りの 4 例はリハビリ. ていない,対象のありのままの脳が存在する空間のこ. テーションを必要としたがいずれも 2 週間以内に改善し. と)にてトラクトグラフィーを描き,その線維が通過し. た。術前の FA ratio は健常人の値より有意に低く,ま. ている voxel のみを対象として拡散テンソル画像の各パ. た MMT の結果と相関した。なお,術後は FA ratio が. ラメーターを求める解析方法である. 有意に改善した。拡散テンソル画像ではこのような可逆. 線維が正しく描出されていることが大前提となるが,そ. 的変化を捉えることも可能である。. れが確実であれば非常に再現性の高い解析方法で有効な. 11). は回復期病棟に入院した 25 例の脳. 解析法である。線維が通過した voxel のみを半自動的に. 出血例の下肢装具の必要性と中脳大脳脚の FA 値を調査. 抽出するので ROI で問題となる恣意性を排除できる特. し,損傷半球の FA 値は装具必要群で有意に低く,非損. 性がある。.  Maeshima ら. 20‒22). 。. 23‒26). 。この方法は,. 傷半球には有意差がなかったことを報告している。この ように現状では主観的・経験則的な判断に頼るほかない. 2.Whole brain analysis. 下肢装具の必要性の判断に際して,皮質脊髄路の拡散テ.  Whole brain analysis は全脳を解析の対象とした手法. ンソル画像所見の情報が有益な一情報となる可能性もあ. である。たとえば,なんらかの疾患との関連がある脳領. るといえよう。. 域を特定する場合,その領域がまったく未知である場合. (2)皮質網様体路. などに有効となる方法である。図 4a, b に頭部外傷後に.  予測的な姿勢制御にかかわることや歩行にかかわるこ. 遷延性意識障害をきたした症例の脳梁を通過するトラ. とが広く知られる皮質網様体路・網様体脊髄路である. クトグラフィーを示した。図 4c に示した健常成人の同. が,トラクトグラフィーを用いた研究ではほとんど扱わ. 領域のトラクトグラフィーと比較すると,び慢性軸索損. 12). の報告によってその. 傷によって損傷された神経線維を捉えていることがわか. 描出が可能であることが明らかとなり,末梢の回復が良. る。そして,トラクトグラフィーはその重症度を反映し. 好であるが近位筋優位の筋力低下を呈する症例の症状と. たものとなっている。しかし,頭部外傷例では脳梁を通. れていなかった。近年,Yeo ら. 13‒15). され. 過する線維にのみ,び慢性軸索損傷が生じているわけで. ている。特に,慢性期の皮質脊髄路損傷のある脳卒中片. はなく,もっと広い領域に損傷が散在しているはずであ. 麻痺者で独力あるいは監視下での歩行が可能となった者. る。広範な脳領域にび慢性軸索損傷が生じた場合,調査. と監視下での歩行が不可な者との比較において,非損傷. 対象とする領域があまりに多数に渡る。そのような場. 半球の皮質網様体路の volume が歩行可能群において有. 合,すべてのトラクトグラフィーを描き,症状と関連す. の関係性や,歩行機能との関係性が複数報告. 意に大きいという結果. 16). は興味深い。. (3)上縦束(Superior Longitudinal Fasciculus:以下, SLF). る領域を特定することは容易ではない。また,どの領 域の損傷が重要であるのかも把握しにくい。このよう な場合にも whole brain analysis が有効となる。Whole.  上縦束は中前頭回・下前頭回から起こり,前障の上縁. brain analysis は,対象者の脳を空間的標準化し,その. にそって前後方向に長く走行して,前頭葉,頭頂葉,側. うえで FA 値などの値を検定する方法である. 頭葉,後頭葉を連絡する。その下部は弓状に曲がって側. 解析であるため恣意性が排除される。voxel ごとに検定. 頭葉に向かい前後左右ともに非常に広範囲にわたって走. され,voxel-based analysis と呼ばれる。図 4d に示した. 行する線維束である。上縦束は SLF Ⅰ,SLF Ⅱ,SLF. 図の黄色の領域は voxel-based analysis によって明らか. Ⅲに分類され,Ⅰは上頭頂小葉の内側から前頭葉の背内. になった受傷から 6 ∼ 18 ヵ月経過した慢性期頭部外傷. 側にある補足運動野や背側運動前野,前頭眼野に投射. 例の 1 年後の FA 画像において有意な FA 値の低下が. 27). 。全脳.

(4) 352. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 生じた領域である。この解析では灰白質も含めて検定. てしまう点も問題のひとつである。Tracking する際に. するため,変化の検出力は低くなる。白質のみを対象. FA 値の閾値を高く設定した場合には病巣周辺でまった. に全脳解析する方法に tract-based spatial statistics(以. く描出できないが,少し閾値を下げることで描出可能と. 下,TBSS)がある(図 4e) 。この手法は微細なる白質. なることもある。一方で閾値を低く設定した場合には本. 変化を捉えられるパワフルな手法で,数多くの研究報. 来は存在しない線維が tracking されることがあり,必. 告. 28‒31). がある。. ずしも線維が正確に描出されるとは限らないことには注 意が必要である。研究では FA 値の閾値を 0.18 ∼ 0.20. 3.解析における注意点. に設定することが多いようである。.  トラクトグラフィーは,白質の存在によって水分子の.  恣意性を回避する方法として半自動的な TSA や全脳. 動きが制限され,その線維の走行に沿って水分子が拡散. を解析の対象とする voxel-based analysis がある。これ. する特性を応用したものであり,実際に神経線維を描出. らの方法は再現性や客観性が高い。特に TBSS は広く. しているものではないことを念頭に置くべきである。解. 応用がなされているが,仮にミスレジストレーションが. 剖学的によく把握されていない線維を描出する際や,細. あった場合,結果は大きく異なってしまう。これらの問. かな線維束を扱う際には注意が必要である。拡散テンソ. 題に対して,Whole brain analysis と regional analysis. ル解析では 1 つの voxel に 1 つの拡散を仮定しているが,. を組み合わせる対応がある. 実際には 1 つの voxel の中に交差するように走行してい る線維(crossing fiber)が存在し,また拡散の方向が. 26). 。. トラクトグラフィーの臨床応用. 異なる線維が接するように走行する線維(kissing fiber).  代表的な臨床応用の例としては脳腫瘍や動静脈奇形な. が通過している場合がある。そのような場合,実際に神. どの摘出術の術前評価がある. 経線維が走行していても正確なるトラクトグラフィーは. の的確な空間的情報の把握と同時に,損傷を避けたい病. 描きにくい。皮質脊髄路や皮質延髄路は走行のはっきり. 巣近傍の神経線維束の走行を把握する必要がある。その. した太い神経線維束であるが,完全に描出するのは容易. 点において,拡散テンソル画像の応用はきわめて有効な. ではない。皮質脊髄路は下肢の運動を支配する内側領域. 手段となる。筆者は脳神経外科手術前の拡散テンソル画. から走行する神経線維は非常に明瞭に描出される。つい. 像評価を担当する機会を得ることがあり,手術前情報と. で,上肢領域から走行する線維が描出されるが下肢ほど. して医師に報告し,また,理学療法実施に際し,その情. 描出されるわけではない。さらに,顔面領域から投射が. 報を参考としている。. 32). 。脳腫瘍や動静脈奇形. ある皮質延髄路の線維はきわめて描出しがたい。それは その近傍に上縦束が走行するからである。このように 1. 1.脳腫瘍除去術術前評価としての応用. つの voxel に異なる走行の線維が通過する領域では,実.  図 5 は上前頭回皮質下に生じた海綿状血管腫の摘出術. 際に神経線維が走行していてもトラクトグラフィーでは. に際して撮像された皮質脊髄路のトラクトグラフィーで. 描出が困難となる場合がある(図 2 下段) 。基本的には. ある。左右の皮質脊髄路がほぼ同じ走行を示し,病巣よ. 神経線維の走行についての詳細な解剖学的知識を基に正. り後方に位置し,腫瘍は皮質脊髄路の前方に位置してい. 確に関心領域を決定して,異常となる線維を丁寧に除外. ることが確認できる。上前方からのアプローチによって. していく必要がある。. 皮質脊髄路損傷を回避して摘出できることが推定され.  多くのトラクトグラフィーは ROI 法を用いて描かれ,. る。本症例の腫瘍が存在する領域は補足運動野に該当す. 同様に FA 値の計測も ROI 法で行われる。非常に簡便. る。腫瘍切除術直後には近接する下肢運動領域にも炎症. であり解剖学的知識があれば短時間に選択できる点で優. などの機序により機能的障害が生じ,一時的な下肢運動. れている。一方で,測定者の恣意性を排除できない。筆. 麻痺の出現も予想された。また,補足運動野の障害によ. 者の経験でも ROI 解析では繰り返し測定した場合の誤. り出現する機能障害として運動開始の困難,強制把握,. 差が大きい。さらに,測定者間でばらつきが生じること. 他人の手兆候,道具の強迫的使用,左右両手の協調的動. も少なくないといわれている。測定法のマニュアルを使. 作が困難となる,順序制御が困難となるなどが生じると. 用することでそのばらつきが軽減することが報告されて. される. 23). 33). 。このような症状の出現を予測して評価に漏. 。研究で. れがないように対応すべきことを画像情報は示し,ま. は測定再現性をあらかじめ検証し,そのデータをもとに. た,皮質脊髄路の直接的損傷がきわめて少ないことから. 複数回の測定を行ってその平均値を用いるなどの対応が. 随意運動は初期に障害されても予後良好であることを示. 行われることがある。. している。. おり,ある程度の有効性はあると思われる.  トラクトグラフィーを描く際に FA 値の閾値をいくつ に設定するかによって,描出される線維が大きく異なっ.

(5) 拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーと理学療法領. 353. 図 4 拡散テンソルトラクトグラフィ−と whole brain analysis 上段は頭部外傷による遷延性意識障害例(a)と遷延性意識障害から改善し脱却 した例(b)と健常成人(c)の脳梁のトラクトグラフィー所見を示した.黄色は SPM による voxel-based analysis にて解析し,慢性期遷延性意識障害例において 長期経過に伴い有意な FA 値の低下が認められた領域(d)を示している.青色は TBSS を用いて解析し,慢性期遷延性意識障害例において長期経過に伴い有意な FA 値の低下が認められた領域(e)を示している.. 図 5 海綿状血管腫と皮質脊髄路の走行 腫瘍(紫)が皮質脊髄路(病巣側の皮質脊髄路は赤,非病巣 側の皮質脊髄路は緑)の前方に位置している.. 2.脳卒中例の予後予測としての応用  まず臨床応用の背景としてこれまで行われているトラ クトグラフィーを用いた運動機能に関連する研究につ いて紹介する。Kim ら. 7). は中大脳動脈領域梗塞を呈し. た 37 例を対象として皮質脊髄路のトラクトグラフィー. 図 6 被殻出血例の画像所見 左には CT 像を示し,中および右には拡散テンソル画像所見 を示した.紫は病巣(T2 強調画像低信号域)を,緑は非損 傷側皮質脊髄路を,赤は損傷側皮質脊髄路を示す.病巣は皮 質脊髄路を圧排し病巣側の皮質脊髄路が内側に偏倚している がその連絡性は保たれているのが確認できる.下肢の領域か らの投射が明瞭に描出されるが上肢領域からの投射が確認さ れない.しかし,非損傷側の上肢領域からの投射も確認され ないため損傷の有無は判断しがたい.上肢の領域からの投射 線維は下肢の領域からのそれより描出し難く,撮像条件に よっては描出されないこともある.本症例は短時間での撮像 を余儀なくされ,通常,用いられる撮像条件で撮像できなかっ た症例である.. を描出した。高さの異なる橋底部を ROI 設定した。皮 質脊髄路のトラクトグラフィーが病巣の高さを超え皮. MBC,FAC と正の相関がみられた。. 質まで到達するものを A 群,病巣のある高さで断裂す.  Cho ら. るものを B 群,病巣の高さにさえ到達しないものを C. として皮質脊髄路損傷の程度を発症 3 ∼ 30 日までのト. 群として,重症度を比較している。A 群は発症 6 ヵ月. ラクトグラフィーを用いて評価している。皮質脊髄路が. 後 の 運 動 機 能(Motoricity Index: 以 下,MI) ,麻痺. 一次運動野まで到達している者を A 群,病巣を超えて. 手 の 運 動 機 能(modified Brunnstrom classification:. 上行するが一次運動野以外の領域に到達しているもの. 以 下,MBC) そ し て 歩 行 機 能(functional ambulation. を B 群,血腫周辺にて描出不能となるものを C 群,血. category: 以 下,FAC) が 有 意 に B お よ び C 群 よ り. 腫周辺の高さにさえ到達しないものを D 群に分類して. 高かったが,B と C 群に差はなかった。発症直後の運. いる。この 4 群の初期の上肢の MI,下肢の MI,MBC,. 動 機 能 に は 3 群 間 で 差 は な か っ た。FA ratio は MI,. FAC に差はなかった。6 ヵ月後の MI,MBC,FAC と. 6). は重度の片麻痺を伴う脳出血例 40 例を対象.

(6) 354. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 図 7 Tract specific analysis と中脳大脳脚を ROI 設定した FA ratio の所見 左・中には拡散テンソル画像所見と tract specific analysis(TSA)の結果を示した. 強い圧排を受けているものの,TSA で求めた血腫が存在する高さにおける皮質脊髄路 通過領域の FA ratio を求めると 0.87 であり比較的保たれていた.右には中脳大脳脚の FA ratio を示した.まったく左右差がないが,発症翌日の画像所見であるため,そも そも Waller 変性は生じていないためと考えられる.. 図 8 感覚障害のない脳梗塞後重度右片麻痺例の T1 強調画像と拡散テンソル画像所見 上段には T1 強調画像を示した.⃝で囲んだ領域の低信号域が梗塞巣である.下段には 拡散テンソル画像所見を示した.非損傷側皮質毛様体路を桃色で,非損傷側皮質脊髄路 を水色で,非損傷側感覚路を緑で,損傷側感覚路を赤で,T2 強調画像高信号領域(硬塞巣) を橙で示した.損傷側の皮質脊髄路・皮質網樣体路は描出されていないが,損傷側感覚 路は描出された.. もに 4 群間で差があり一様に A 群の回復がもっとも良. ならなかったが,遅延撮像群では DTI integrity が MI. 好で D 群の回復がもっとも不良であった。. を有意に予測する因子(odd ratio = 14.000,95%信頼.  Kwon ら. 8). は放線冠梗塞例 71 例を対象として,発. 区間 = 3.194 ‒ 61.362,p < 0.05)となった。すなわち,. 症から 14 日以内拡散テンソル画像を撮像した早期撮像. 拡散テンソル画像による皮質脊髄路損傷の程度を把握す. 群(23 例)と 15 ∼ 28 日の間に撮像した遅延撮像群(48. るうえで,早期の撮像よりもそれ以降の撮像がより高い. 例)の 2 群に分類し,発症直後と 6 ヵ月後の MI と画像. 精度で運動機能を予測し得ることを示している。しか. 所見(皮質脊髄路が保たれているか否か:以下,DTI. し,時間が経ってしまった後の撮像では本来の予後予測. integrity)との関連性について評価した。その結果,早. として価値が薄れてしまうという側面もある。. 期撮像群では DTI integrity は MI の有意な予測因子と.  Yoshioka ら. 34). は発症 5 日以内に拡散テンソル画像.

(7) 拡散テンソル画像・拡散テンソルトラクトグラフィーと理学療法領. 355. を撮像し,両側半球における皮質脊髄路を描出した後. 日以内の撮像を行い中脳大脳脚の FA を求め NIHSS の. に,病巣の存在する高さに存在する神経線維束のみを. 運動項目を用いた上下肢の得点の総和によって求めた. 選択して FA 値を算出した。初回評価時と 3 ヵ月後の. 発症当日と発症 28 日目の麻痺の重症度との関係,並び. MMT を用いて筋力を評価し 4 ‒ 5 の回復群と 0 ‒ 3 の回. に 28 日目の mRS との関係を調査した。FA ratio は発. 復不良群の 2 群に分類し,損傷領域と非損傷側の皮質脊. 症当日(r = ‒ 0.674)と発症 28 日目(r = ‒ 0.767)の麻. 髄路の同領域における FA ratio を求めた。初回の平均. 痺の重症度,mRS(r = ‒ 0.676)と有意な相関がみられ. FA ratio は回復群が 0.86 で回復不良群が 0.77 であった. た。NIHSS 運動項目の計を基に回復良好群(0 ∼ 2)と. が,両群間に有意差がみられなかった。3 ヵ月後は,回. 回復不良群(3 ∼ 8)に分類した。この 2 群間には FA. 復群の平均 FA ratio は 0.86 で回復不良群の 0.68 と比べ. ratio に有意差があり,回復不良群(range:0.70 ∼ 0.82). 有意に高値であった。そして,3 ヵ月後の MMT 回復群. は回復良好群(range:0.87 ∼ 0.96)と回復不良群が有. の全例が FA ration > 0.8 であったことを報告した。上. 意に低かった。著者らは Kusano ら. 38). の報告を参考と. 下肢ともに初回の MMT と FA ratio の相関はみられな. して大脳脚の FA ratio を評価する際には 0.82 を超える. かったが,3 ヵ月後には有意な相関(上肢 : r = 0.55,p. か否かをひとつの指標としている。当院では重症片麻痺. < 0.05,下肢 : r = 0.56,P < 0.05)がみられた。また,. 例に対して早期から積極的な長下肢装具を用いた歩行ト. 35). は 27 例の脳出血例を対象として,発症か. レーニングを実践しているが,皮質脊髄路損傷の有無が. ら 3 日以内と 2 週間以内の 2 回の撮像機会を設け,中脳. 従来の画像情報だけでは判断しがたい際に,トラクトグ. 大脳脚を ROI 設定して FA ratio を求め,麻痺の程度を. ラフィー所見は強力な情報となっており,装具作製の是. NIHSS(National Institutions of Health Stroke Scale). 非を検討するうえで参考にしている。. の下肢と上肢の運動機能項目を評価し,上下肢の値を加. 1)血腫除去術を施行された脳出血例における応用例. 算して,回復良好群(合計 0 ‒ 2)と回復不良群(合計.  図 6 は開頭血腫除去術の必要性が考慮された右被殻出. 3 ‒ 8)の 2 群に分類した。発症 6 ヵ月後の NIHSS 運動. 血症例である。意識障害と重度左片麻痺を呈した。意識. 機能回復良好群と不良群とを予測する ROC 曲線による. 障害の経過を観察し,状況によっては手術適応となる. 分析では,発症 3 日以内のカットオフ値を 0.955 とした. ことが検討された症例である。発症当日に診断目的の. 場合に感度は 53%,特異度は 100%であったのに対し,. Computed Tomography(以下,CT)などの構造画像. 発症 2 週間以内ではカットオフ値を 0.875 とした場合に. を撮像し,翌日,拡散テンソル画像が撮像された。結果. 感度が 76%で,特異度が 89%であり,ROC 曲線下面積. 的に穿頭術を実施したが術前に病巣と血腫の位置関係を. は発症 2 週間後の評価の結果に基づいた方が大きく,予. 把握し,特に下肢運動野からの投射される皮質脊髄路が. 測精度が高かった。. 描出され線維連絡が保たれていることが把握できた。血. Wang ら. 36). は 12 例の脳出血例を対象として発症. 腫は CT では皮質脊髄路が走行する領域に及んでおり皮. から 12 ∼ 14 日内に拡散テンソル画像を撮像し,中脳大. 質脊髄路の断裂が予想されるものであったが,トラクト. 脳脚の FA 値を求めた。運動機能評価には Brunnstrom. グラフィーでは血腫により圧排され非損傷半球の皮質脊. recovery stage( 以 下,BRS) を 用 い て 退 院 時(3 ∼. 髄路と比べ,その走行が内側へ偏倚していることが確認. 7 ヵ月後)における片麻痺の重症度を調査した。さらに. されたがその連絡性は保たれていることがわかった。中. FIM の運動項目も調査し,これらの値と FA ratio との. 脳大脳脚の FA ratio がほぼ 1 であり,TSA の結果も比. 相関を調べた。上肢と手指の BRS と FA ratio は高い相. 較的良好であった(図 7)。発症直後のため中脳大脳脚. 関を示した(上肢:r = 0.863,手指:r = 0.834) 。一方,. の FA 値の低下はなくて当然であるが,血腫に接する領. 下肢は有意な相関がみられたものの上肢・手指と比較し. 域の皮質脊髄路が通過する voxel に FA 値の低下がみら. て弱い相関(r = 0.609)を示した。FIM と FA ratio に. れなかったことから,少なくとも下肢の麻痺は回復良好. は有意な相関はみられなかった。. であると予測された。一方で上縦束が通過する領域は明.  Koyama ら. 37). は同様に放線冠領域の脳梗塞を呈した. らかに損傷しており半側空間無視の出現とその残存も予. 15 例を対象として発症 1 ヵ月後の BRS そして modified. 測された。上肢領域の線維描出は下肢と比べて不良で. Rankin Scale(以下,mRS)を評価し,発症 14 ∼ 18 日. あったが,対側も描出不良であり,この所見だけでは予. 内に撮像した拡散テンソル画像所見の中脳大脳脚の FA. 後の推察は困難であった。症例は重度の左片麻痺と重度. ratio との相関を調査した。FA ratio と上肢(r = 0.679). の左半側空間無視を呈し,立位や歩行トレーニングを展. および手指(r = 0.706)には統計学的に有意な相関がみ. 開するうえで長下肢装具を必要としたが,画像所見より. られたが,下肢の BRS と mRS には有意な相関はみら. 本人用の長下肢装具は作製せず備品で対応した。その. れなかった。. 後,下肢麻痺は良好な回復が得られ,回復期リハ病棟の.  Koyama ら.  Kusano ら. 38). は 18 例の脳出血例を対象として発症 2. ある病院へ転院する際には,重度の半側空間無視により.

(8) 356. 理学療法学 第 43 巻第 4 号. 遠位監視を必要としたものの短下肢装具(gait solution. て述べた。理学療法士が画像をみる目的は診断のためで. design)と T-cane を使用し介助を必要とせず歩行可能. はなく,リハビリテーションの評価と治療に役立つ情報. となった。. を手に入れることである。言い換えれば,能力低下をき. 2)重度の片麻痺を呈したが感覚障害がない中大脳動脈. たしている要因を的確に把握し,能力を再獲得するため の治療戦略を,脳機能も踏まえ立案することに理学療法. 領域梗塞における応用例  図 8 の症例は重度の右片麻痺で発症した症例で,中大. 士が脳画像をみる意義がある。構造画像である拡散テン. 脳動脈の閉塞によって主にレンズ核線条体動脈領域の梗. ソル画像は機能を推定することのできる強力なツールと. 塞巣が生じていた。重度の運動麻痺がみられたが感覚障. なる可能性が高い。筆者は理学療法を実施するに際して. 害は出現しなかった。トラクトグラフィーの所見は視床. 脳画像情報を必ず取得している。脳画像情報を得ずに理. 後外側部から中心後回へ上行する感覚路は描出され,皮. 学療法を行うことは評価や治療の精度を低下させるリス. 質脊髄路および皮質網様体路が通過する部位に病巣が存. クが高く,画像情報なしで行う理学療法を恐ろしくさえ. 在し,これらの線維はまったく描出できなかった。近位. 感じる。医療機関外などでは画像情報が入手できない場. 筋および遠位筋ともに重度の麻痺を呈した。本症例は立. 合もあるそうだが,“理学療法には画像情報がなくては. 位や歩行トレーニングを展開するうえで長下肢装具を必. ならないもの”という認識が広まれば,どんな領域でも. 要とした。画像所見より急激な下肢麻痺の回復は得られ. 画像情報が入手できるような日がくるかもしれない。理. 難いことが予測され,本人用の長下肢装具を作製し早期. 学療法士の誰もがあたり前のように画像情報を評価・治. から積極的歩行トレーニングを実施した。本症例は回復. 療に活かせるようになれば,画像情報がないという現状. 期リハ病棟のある病院へ転院する際には,重度の麻痺. を打破できるのではないだろうか。. が残存しており短下肢装具では明らかな膝の不安定性 (extension thrust pattern の出現)がみられ,長下肢装 具を依然として必要とする状態であった。.  データの解析(regional analysis)には増谷佳孝氏に より開発された拡散 MRI 解析ソフトウェア「dTV」を 用 い た。dTV は 以 下 の URL:http://www.medimg. info.hiroshima-cu.ac.jp/dTV.II.15g/index.html よ り 入 手. 3.頭部外傷例  交通外傷などによって受傷した場合,広範なび慢性軸 索損傷が生じることが知られている. 39)40). 。このび慢性. 軸索損傷を鋭敏に捉えるにあたり拡散テンソル画像は 41‒44). 可能である。また,whole brain analysis には FMRIB software library(FSL: http://www.fmrib.ox.ac.uk/fsl/) と Statistical Paramedic Mapping 8(SPM8)software. (図 4) 。筆者らは遷延性意識. (The Welcome Trust Center for Neuroimaging, The. 障害例を対象として,1 年以上の長期間のリハビリテー. Institute of Neurology at University College London,. ション実施後に意識障害の重症度に改善がみられた症例. London, United Kingdom)を用いた。. きわめて有益である. の脳画像所見の特徴を把握する目的で,当該症例の入院 時と 1 年後の拡散テンソル画像所見を比較した。なお, 遷延性意識障害からの劇的な改善はきわめて稀であり, わずかな意識障害の改善度を反映するスコアでなければ その小さな変化を検出できないため,遷延性意識障害を 評価するために開発された広南スコア. 45). を評価スケー. ルとして用いた。TBSS の結果,遷延性意識障害例では 広範囲に散在して有意に FA 値が低下した領域が存在し ていた(図 4e)。興味深いことに長期的な時間経過とと もに FA 値が減少する症例ほど意識障害が改善する傾向 がみられた。その他,意識障害の改善度(初回の広南ス コアと 1 年後の広南スコアの差)と初回の FA 値> 0.5 の voxel 数が相関し,FA 値> 0.5 の voxel 数が多いほど, 1 年後に FA 値は低下していた。すなわち初期の白質損 傷が少ない症例ほど 1 年後の改善が期待できるものと思 われた。. おわりに  拡散テンソル画像について概説しその臨床応用につい. 文  献 1)Miyai I, Suzuki T, et al.: Wallerian degeneration of the pyramidal tract does not affect stroke rehabilitation outcome. Neurology. 1998; 51: 1613‒1616. 2)Fukui K, Iguchi I, et al.: Extent of pontine pyramidal tract Wallerian degeneration and outcome after supratentorial hemorrhagic stroke. Stroke. 1994; 25: 1207‒1210. 3)DeVetten G, Coutts SB, et al.: Acute corticospinal tract Wallerian degeneration is associated with stroke outcome. Stroke. 2010; 41: 751‒756. 4)Riley JD, Le V, et al.: Anatomy of stroke injury predicts gains from therapy. Stroke. 2011; 42: 421‒426. 5)Zhu LL, Lindenberg R, et al.: Lesion load of the corticospinal tract predicts motor impairment in chronic stroke. Stroke. 2010; 41: 910‒915. 6)Cho SH, Kim SH, et al.: Motor outcome according to diffusion tensor tractography findings in the early stage of intracerebral hemorrhage. Neurosci Lett. 2007; 421: 142‒146. 7)Kim EH, Lee J, et al.: Motor outcome prediction using diffusion tensor tractography of the corticospinal tract in large middle cerebral artery territory infarct. NeuroRehabilitation. 2013; 32: 583‒590. 8)Kwon YH, Jeoung YJ, et al.: Predictability of motor.

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