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特別会計のはなし

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Academic year: 2021

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(1)

(1)概要

昭和 19 年に労働者の年金保険事業(厚生年金保険)や健康保険事業(政管健保)等を経理す るために厚生保険特別会計が設置されました。また、昭和 36 年に自営業者等の年金事業(国民 年金)等を経理するために国民年金特別会計が設置され、昭和 61 年に各制度共通の基礎年金制 度の導入に伴い基礎年金勘定が加えられました。 行政改革推進法に基づく特別会計改革により、厚生保険特別会計と国民年金特別会計を統合し、 年金特別会計が平成 19 年度に設置されました。 また、船員保険特別会計の廃止に伴い、22 年 1 月からは、船員保険事業についても年金特別 会計健康勘定において経理することとなりました。

年金特別会計の仕組み

国民年金・厚生年金においては、事業主及び被保険者の支払う保険料、積立金並びに積立金 から生じる運用収入及び国庫負担を財源として、年金受給者への給付を行っております。健康 保険・船員保険に関しては、事業主等から徴収する健康保険料及び船員保険料等を財源として、 主に、健康保険事業及び船員保険事業を行っている全国健康保険協会に交付金を交付していま す。また、児童手当及び子ども手当においては、事業主からの拠出金及び国庫負担等を財源と して、児童手当及び子ども手当の給付等を行っております。 なお、年金等の適用・徴収・給付に関する人件費、事務費等については、業務勘定で経理さ れており、これらに必要な財源については、一般会計及び各勘定から業務勘定へ繰入れを行っ ています。 事業主・船舶所有者・被保険者

年金積立金

一般会計

国民年金保険料 厚生年金保険料 健康保険料 船員保険料 児童手当拠出金 積立金 運用収入 年金の国庫負担 特別障害給付金の国 庫負担 児童手当の国庫負担 子ども手当の国庫負 担 事務費の国庫負担等

年金特別会計

年金給付 特別障害給付 金給付 保険料等交付金

全国健康保険協会

医療保険給付費等

保険医療機関等

市町村等

児童手当 子ども手当 児童育成事業

被保険者・受給者等

療養の給付等 現金給付 児童手当給付 子ども手当給 付

(2)

(2)具体的な事業の内容

本特別会計は、基礎年金勘定、国民年金勘定、厚生年金勘定、福祉年金勘定、健康勘定、児童 手当及び子ども手当勘定、業務勘定に区分され、それぞれ以下の事業等に関する経理を行います。 ① 基礎年金勘定 基礎年金事業の収支を経理するもので、基礎年金給付費(老齢基礎年金、障害基礎年金及び 遺族基礎年金)及び基礎年金相当給付費(昭和 61 年 4 月前の旧法による給付のうち、基礎 年金に相当する部分)に充てるため、国民年金勘定及び厚生年金勘定からの受入金並びに年金 保険者たる共済組合等からの拠出金を主な財源として、基礎年金給付等を行っています。 基礎年金は、老後生活の基礎的部分を保障するため、全国民共通の給付を支給するものであ り、その費用については、国民全体で公平に負担する仕組みとなっています。具体的には、基 礎年金給付費総額を各制度に属する被保険者(加入者)数等に応じて負担しています。 ② 国民年金勘定 国民年金事業の収支を経理するもので、自営業者等の被保険者から徴収した保険料(22 年 度の保険料額は 15,100 円)、積立金の運用収入及び国庫負担金を主な財源として、昭和 61 年 4 月前に受給権が発生した者に対する老齢、障害または死亡についての給付及び付加年金、 死亡一時金の支給等を行っています。 ③ 厚生年金勘定 厚生年金保険事業の収支を経理するもので、被保険者及び事業主が折半で負担する保険料 (22 年度の保険料率は第 1 種被保険者で 4 月から 15.704%、9 月から 16.058%)、積立 金の運用収入及び国庫負担金を主な財源として、基礎年金の上乗せとして報酬比例の年金及び 60 歳から 65 歳までの特別支給の老齢厚生年金、厚生年金の被保険者期間中の病気やけがに よる障害年金及び被保険者等が死亡した際にその遺族に支払う遺族年金の給付等を行ってい ます。 ④ 福祉年金勘定 福祉年金事業及び特別障害給付金事業の収支を経理するもので、国庫負担金を財源として、 老齢福祉年金及び特別障害給付金の給付等を行っています。 福祉年金事業は、国民年金制度発足時に既に高齢であった人に対しての年金の保障として老 齢福祉年金を支給しています。 また、特別障害給付金事業は、国民年金の任意加入期間に加入しなかったことにより障害基 礎年金等を受給していない障害者の方に対して特別障害給付金の支給を行っています。 ⑤ 健康勘定 健康保険及び船員保険に関し政府が行う業務の収支を経理するもので、事業主等から徴収す る保険料を主な財源として全国健康保険協会への交付等を行っています。なお、交付先の全国 健康保険協会は健康保険組合に加入していない被用者の健康保険事業及び船員保険事業を行 う保険者であり、各種保険給付や健診事業等を行っています。 ⑥ 児童手当及び子ども手当勘定 児童手当法(昭 46 法 73)の施行に関する収支を経理するもので、事業主からの拠出金及 び国庫負担金を主な財源として、児童手当の給付を行っています。このほか、児童の健全な育 成及び資質の向上に資することを目的とした児童育成事業の実施等をしており、具体的には、 放課後子どもプラン推進事業に係る地方自治体への補助等を行っています。 また、平成22年度における子ども手当の支給に関する法律(平 22 法 19)の施行により、 児童手当と同様、事業主からの拠出金及び国庫負担金を主な財源として、22 年度より子ども 手当の給付を行います。 ⑦ 業務勘定 基礎年金、国民年金、厚生年金保険、福祉年金事業、特別障害給付金事業及び健康保険並び に船員保険に関し政府が行う適用・徴収にかかる事務、児童手当拠出金の徴収業務等に係る収 支を経理しています。なお、これらの事務・事業等で、22 年 1 月設立の日本年金機構が行う ものについては、日本年金機構に交付金を交付します。

(3)

(3)特別会計の現状

① 歳入歳出予算(平成 22 年度当初予算)

790,700 (+25,648) 789,615 (+26,024) 基礎年金勘定 基礎年金勘定 国民年金勘定 国民年金勘定 厚生年金勘定 厚生年金勘定 健康勘定 健康勘定 福祉年金勘定 福祉年金勘定 児童手当勘定 業務勘定 児童手当勘定 業務勘定 拠出金収入 21,138 (+1,914) 厚生年金勘定より受入 159,880 (+11,690) 国民年金勘定より受入 29,836 (▲7,556) 雑収入・運用収入等 11,931 (+7,587) 保険料収入 17,217 (▲4,035) 一般会計より受入 16,898 (▲3,657) 基礎年金勘定より受入 13,040 (▲494) 保険料収入 234,304 (+1,783) 一般会計より受入 84,329 (+6,339) 存続組合等納付金等 2,445 (+313) 基礎年金勘定より受入 18,826 (▲1,110) 運用収入等 4,871 (▲4,252) 積立金より受入 67,147 (+29,598) 借入金 14,792 (±0) 保険料収入 71,250 (+3,443) 基礎年金給付費 178,039 (+8,215) 国民年金勘定へ繰入 13,040 (▲494) 厚生年金勘定へ繰入 18,826 (▲1,110) 国共済連合会等交付金 3,803 (▲353) 予備費等 9,078 (+7,377) 国民年金給付費 14,864 (▲411) 基礎年金勘定へ繰入 29,836 (▲7,556) 保険給付費 247,273 (+7,352) 基礎年金勘定へ繰入 159,880 (+11,690) 諸支出金等 1,281 (+177) 保険料等交付金 71,077 (+3,414) 国債整理基金特会へ繰入 15,046 (±0) 業務勘定へ繰入等 206 (▲19) 子ども手当交付金 16,699 (+12,403) 児童育成事業費 764 (+204) 業務勘定へ繰入 16 (▲0) など 事務費等 1,416 (▲2,273) 日本年金機構運営費 3,058 (+2,417) など 日雇拠出金収入 134 (▲21) 一般会計より受入 15,148 (+12,625) 事業主拠出金収入 2,086 (▲24) など 一般会計より受入 2,118 (+333) 国民年金勘定より受入 1,029 (▲48) 厚生年金勘定より受入 1,016 (▲100) 健康勘定より受入 185 (▲13) など 予備費等 568 (▲18) 予備費 2,470 (+70) 業務勘定へ繰入 1,029 (▲48) ○歳 出 総 額 、 歳 出 純 計 額 、 「 10.0 兆 円 」 ( 歳 出 純 計 額 か ら 国 債 償 還 費 、 社 会 保 障 給 付 等 を 除 い た 額 ) に 含 ま れ る 額 (単位:億円) 勘定 歳出総額 歳出純計額 「10.0 兆円」 に含まれる額 基礎年金勘定 222,786(+13,635) 190,919(+15,238) 9,076(+7,376) 国民年金勘定 46,297(▲8,033) 15,432(▲429) 568(▲18) 厚生年金勘定 411,921(+19,190) 251,004(+7,601) 2,636(+173) 福祉年金勘定 116(▲31) 116(▲31) 1(▲ 0) 健康勘定 86,328(+3,395) 71,098(+3,408) 21(▲ 6) 児童手当及び子 ども手当勘定 17,688(+12,772) 17,672(+12,772) 973(+370) 業務勘定 4,479(▲14,905) 4,474(+141) 4,474(+141) 特別会計合計 789,615(+26,024) 550,715(+38,701) 17,749(+ 8,036) 【 歳入 】 【 歳出 】 (単位:億円) (注)歳入歳出差額が、1,084 億円あります。これは基礎年金の国庫負担割合が2分の1に引き上げられ たことによる歳入の増加に対し、旧国民年金法(昭和 60 年改正前)の年金受給者の減少による歳出の減に よるものです。

(4)

○「10.0 兆円」に含まれる額の主な内容 (単位:億円) (基礎年金勘定) 内容 額 説明(増減要因) 予備費 9,076(+7,376) 給付費の増加及び「被用者年金制度の一元化等を図るための 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」の見送りに伴う 増 (国民年金勘定) 内容 額 説明(増減要因) 諸支出金 420(▲16) 賠償償還及払戻金(払い過ぎの保険料の返還財源)等の減 予備費 148(▲ 2) 給付費の減少に伴う減 (厚生年金勘定

内容 額 説明(増減要因) 諸支出金 166(+103) 賠償償還及払戻金(払い過ぎの保険料の返還財源等)の増等 予備費 2,470(+70) 給付費の増加に伴う増 (福祉年金勘定) 内容 額 説明(増減要因) 予備費 1(▲ 0) 給付費の減少に伴う減 (健康勘定) 内容 額 説明(増減要因) 諸支出金 21(▲ 6) 賠償償還及払戻金(払い過ぎの保険料の返還財源等)の減 (児童手当及び子ども手当勘定) 内容 額 説明(増減要因) 事業育成事 業費 764(+204) 放課後子どもプラン推進事業に係る地方自治体への補助金 の増等 業務取扱費 169(+165) 子ども手当に係る市町村への事務取扱交付金の増等 (業務勘定) 内容 額 説明(増減要因) 業務取扱費 486(▲1,542) 日本年金機構の設立に伴う人件費・事務費の減等 社会保険オ ンラインシ ステム費 929(▲319) 社会保険オンラインシステムの刷新に係る経費及び日本年 金機構の設立に伴う同システムの運用経費の減等 日本年金機 構運営費 3,058(+2,417) 日本年金機構運営費の平年度化及び年金記録問題対策経費 の増等

(5)

○一般会計からの受入の内容 (単位:億円) 勘定 額 使途 国民年金勘定 16,898 (▲3,657) 基礎年金の給付費等に充てるための国庫負担金の受入れ 厚生年金勘定 84,329 (+6,339) 基礎年金拠出金等に充てるための国庫負担金の受入れ 福祉年金勘定 115(▲32) 福祉年金及び特別障害給付金の給付費等に充てるための国庫 負担金の受入れ 健康勘定 152(▲26) 健康保険事業に係る借入金の償還等に充てるための国庫負担 金の受入れ 児童手当及び子 ども手当勘定 15,148 (+12,625) 子ども手当の給付費等に充てるための国庫負担金の受入れ 業務勘定 2,118 (+333) 国民年金事業等の事務に要する費用に充てるための国庫負担 金の受入れ 特別会計合計 118,761 (+15,581) ○その他の主な歳入の内容 (単位:億円) (基礎年金勘定) 内容 額 説明 拠出金等収入 210,854 (+6,048) 基礎年金給付等に要する費用に充てるための各保険者等からの 受入れ (国民年金勘定) 内容 額 説明 保険料収入 17,217 (▲4,035) 国民年金第 1 号被保険者からの国民年金保険料収入 基礎年金勘定 より受入 13,040 (▲494) 旧国民年金法(昭和 60 年改正前)に基づく基礎年金相当給付費 に充てるための基礎年金勘定からの受入れ (厚生年金勘定) 内容 額 説明 保険料収入 234,304 (+1,783) 国民年金第2号被保険者等からの厚生年金保険料収入 基礎年金勘定 より受入 18,825 (▲1,110) 旧国民年金法(昭和 60 年改正前)に基づく基礎年金相当給付費 に充てるための基礎年金勘定からの受入れ 積立金より受 入 67,147 (+29,598) 厚生年金保険の給付費等に充てるための積立金からの受入れ

(6)

(福祉年金勘定) 内容 額 説明 前年度剰余金 受入 1(+ 1) 前年度の決算上の剰余金の受入れ (健康勘定) 内容 額 説明 保険料収入 71,250 (+3,443) 事業主等からの健康保険料、船員保険料等 借入金 14,792 (―) 特別会計法附則第 30 条第 1 項の規定による借入金 (児童手当及び子ども手当勘定) 内容 額 説明 事業主拠出金 収入 2,086 (▲24) 児童手当法(昭 46 法 73)等に基づく事業主からの拠出金収入 積立金より受 入 137 (▲125) 子ども手当交付金等に充てるための積立金からの受入れ (業務勘定) 内容 額 説明 他勘定より受 入 2,246 (▲160) 年金相談事業等の費用に充てるための国民年金勘定等からの受 入れ 前年度剰余金 受入 45 (+45) 前年度の決算上の剰余金の受入れ

② 剰余金(平成 20 年度決算)

(単位:億円、単位未満切捨) 勘定 収納済 歳入額 支出済 歳出額 剰余金 翌年度 歳入繰入 積立金積立 資金組入 一般会計へ 繰入 基礎年金勘定 208,448 192,525 15,922 15,922 - - 国民年金勘定 54,144 58,343 ▲4,199 - ▲4,199 - 厚生年金勘定 364,217 361,077 3,139 - 3,139 - 福祉年金勘定 94 93 0 0 - - 健康勘定 88,105 81,758 6,346 420 - - 児童手当及び子 ども手当勘定 4,846 4,620 226 106 119 - 業務勘定 5,345 4,633 712 460 251 - 特別会計合計 725,201 703,052 22,148 16,909 ▲687 - 平成 20 年度決算における剰余金は、年金特別会計全体で 2 兆 2,148 億円です。 健康勘定における剰余金のうち 5,926 億円は、20 年 10 月に健康保険事業に係る事務が全 国健康保険協会に移管されたことに伴い、20 年 9 月末日の同勘定における保険料収入と保険給 付との差額の現金が同協会へ承継されたものです。

(7)

<基礎年金勘定> 基礎年金勘定の剰余金は 1 兆 5,922 億円です。 (剰余金が生じた理由)前年度剰余金受入 1 兆 5,675 億円によるものであり、これは、基礎年 金勘定の積立金により生じた運用収入等によるものです。 (剰余金の処理の方法)特別会計法第 8 条第 1 項の規定により、剰余金を翌年度の歳入へ繰り 入れました。基礎年金勘定の剰余金は、被保険者からの保険料を基に生じたものであり、将来の 年金給付に充てるためにその全額を翌年度歳入へ繰り入れることとしています。 <国民年金勘定> 国民年金勘定の歳出超過分 4,199 億円は、積立金より補足しました。 <厚生年金勘定> 厚生年金勘定の剰余金は 3,139 億円です。 (剰余金が生じた理由)解散厚生年金基金等からの責任準備金相当額等徴収金が予定より多かっ たこと、年金給付費が予定を下回ったことによるものです。 (剰余金の処理の方法)特別会計法第 116 条第 1 項の規定により積立金として積み立てました。 厚生年金勘定の剰余金は、被保険者から徴収された保険料であることから、将来の給付費の財源 となるものであり、長期的に財政の均衡を保つために必要な金額を積み立てることとしています。 <福祉年金勘定> 福祉年金勘定の剰余金は、約 7,213 万円です。 (剰余金が生じた理由)特別障害給付金給付費が予定を下回ったことにより不用が生じたこと等 によるものです。 (剰余金の処理の方法)特別会計法第 8 条第 1 項の規定により、剰余金を翌年度の歳入へ繰り 入れました。 <健康勘定> 健康勘定の剰余金は、6,346 億円です。 (剰余金が生じた理由)全国健康保険協会への資産の承継があったこと等により、保険料等交付 金が予定を下回ったこと等によるものです。 (剰余金の処理の方法)この剰余金のうち 5,926 億円については、健康保険法等の一部を改正 する法律(平 18 法 83)附則第 18 条第 1 項の規定により、全国健康保険協会へ承継され、残 りの 420 億円については、特別会計法第 8 条第 1 項の規定により、剰余金を翌年度の歳入へ繰 り入れました。 <児童手当及び子ども手当勘定> 児童手当勘定の剰余金は 226 億円です。 (剰余金が生じた理由)被用者小学校修了前特例給付に係る支給対象児童数が予定を下回ったこ と等により、被用者小学校修了前特例給付交付金を要することが少なかったこと等によるもので す。 (剰余金の処理の方法)特別会計法第 8 条第 1 項及び第 118 条第 1 項の規定により、決算上 剰余金を生じた場合には、当該剰余金のうち、翌年度への繰越経費を控除し、事業主拠出金に係 るものは児童手当交付金及び児童育成事業費の財源に充てるために積立金に組み入れ、国庫財源 については翌年度の歳入に繰り入れ、翌年度の予算における一般会計からの受入額を調整するこ ととしています。 <業務勘定> 業務勘定の剰余金は 712 億円です。 (剰余金が生じた理由)翌年度歳出予算への繰越額 275 億円を除いて、社会保険オンラインシ ステムの見直しに要する経費が予定より少なかったこと等によるものです。 (剰余金の処理の方法)特別会計法の規定により、翌年度への繰越経費を控除し、保険料財源及 び特別保健福祉事業の不用額は各積立金等に組み入れ、残額(国庫財源分)を翌年度の歳入に繰 り入れ、翌年度の予算において一般会計からの受入額と差引することで調整を行っています。翌 年度歳入に繰り入れられたものは、翌年度予算の職員人件費等に充てられます。

(8)

③ 積立金等(平成 20 年度決算処理後)

積立金(基礎年金勘定)

① 積立金の残高

(単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 7,246 14,651 7,246

② 積立金の目的

基礎年金勘定の積立金は、被用者年金の被保険者の被扶養配偶者が国民年金に任意加入とさ れていた昭和 61 年 4 月前の元任意加入者が納付した保険料に相当する額を積立金として積 み立てているものです。これは、昭和 61 年の基礎年金制度創設時より、基礎年金の給付に充 てるものとして置かれていました。しかし、元任意加入者の扶養配偶者がどの被用者年金制度 に加入していたかの網羅的なデータがなかったこと等から、関係者間で具体的な取扱いの調整 がつかないまま、今日に至っています。

③ 積立金の水準

被用者年金の被保険者の被扶養配偶者が国民年金に任意加入とされていた昭和 61 年 4 月 前の元任意加入者が納付した保険料に相当する額であり、基礎年金拠出金の軽減に充てること とされています。

積立金(国民年金勘定)

① 積立金の残高

(単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 76,920 80,955 76,920

② 積立金の目的

特別会計法 115 条第 1 項の規定により「国民年金事業の給付費及び基礎年金勘定への繰入 金の財源に充てるために必要な金額」を積立金として積み立てることとしており、その財源は 被保険者から徴収された保険料の一部であることから、将来の給付費の財源となるものであり、 長期的に財政の均衡を保つために必要な金額を積み立てることとしています。

③ 積立金の水準

給付と負担の均衡を図るべき期間、すでに生まれている世代がおおむね年金受給を終えるま での期間を 100 年程度(財政均衡期間)と設定し、この期間について給付と負担の均衡を図 ることとしており、積立金の水準目標は、財政均衡期間の最終年度(おおむね 100 年後)に おいて給付費の1年程度の保有となるように有限均衡方式が採られています。

(9)

積立金(厚生年金勘定)

① 積立金の残高

(単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 1,135,492 1,184,338 1,240,188

② 積立金の目的

特別会計法第 116 条第 1 項の規定により「厚生年金保険事業の保険給付費及び基礎年金勘 定への繰入金の財源に充てるために必要な金額」を積立金として積み立てることとしており、 その財源は被保険者から徴収された保険料の一部であることから、将来の給付費の財源となる ものであり、長期的に財政の均衡を保つために必要な金額を積み立てています。

③ 積立金の水準

給付と負担の均衡を図るべき期間、すでに生まれている世代がおおむね年金受給を終えるま での期間を 100 年程度(財政均衡期間)と設定し、この期間について給付と負担の均衡を図 ることとしており、積立金の水準目標は、財政均衡期間の最終年度(おおむね 100 年後)に おいて給付費の 1 年程度の保有となるように有限均衡方式が採られています。

積立金(児童手当及び子ども手当勘定)

① 積立金の残高

(単位:億円) 平成 22 年度末(予定) (平成 22 年度当初予算) 平成 21 年度末(予定) (平成 21 年度第 2 次補正後) 平成 20 年度末 (平成 20 年度決算組入後) 751 888 1,150

② 積立金の目的

特別会計法第 118 条第 1 項の規定により、児童手当交付金及び子ども手当交付金又は児童 育成事業費の財源に充てるために必要な金額を積立金として積み立てることとしており、児童 手当及び子ども手当制度の安定的な運営の確保の重要性を勘案して、将来の給付等のため、児 童手当法及び平成22年度における子ども手当の支給に関する法律に基づく一般事業主から の拠出金の一部を積立金として積み立てることとしています。

③ 積立金の水準

年度途中における拠出金収入の減や出生数の増により児童手当及び子ども手当に係る歳入 が歳出を下回る場合に備えているものです。また、決算を経て事業主拠出金に係る剰余金が結 果的に積立金として積み立てられる仕組みとなっており、現在(平成 20 年度決算結了後)、 1, 150 億円を積み立てているが、これは平成 20 年度支出実績の 5 割程度となっています。

(10)

④ 資産及び負債(平成 20 年度特別会計財務書類)

年金特別会計貸借対照表

(単位:百万円、単位未満切捨) 19 年度末 20 年度末 19 年度末 20 年度末 <資産の部> <負債の部> 現金・預金 26,938,378 10,769,744 未払金 6,527,312 6,825,537 未収金 437,714 462,251 他会計繰入未済金 - 157,026 未収収益 8,705 7,658 前受金 22,879 - 未収保険料 4,423,509 4,581,420 前受収益 16,440 - 他会計繰入未収金 4,720,530 5,060,469 賞与引当金 7,458 6,051 前払費用 21 18 借入金 1,479,228 1,479,228 運用寄託金 112,754,442 124,983,924 公的年金預り金 140,585,020 136,265,089 貸倒引当金 △2,039,538 △2,145,146 退職給付引当金 165,058 143,796 有形固定資産 546,971 174,987 負債合計 148,803,398 144,876,730 無形固定資産 29,126 26,331 <資産・負債差額の部> 出資金 3,566,664 3,239,497 資産・負債差額 2,583,127 2,284,427 資産合計 151,386,526 147,161,158 負債及び資産・ 負債差額合計 151,386,526 147,161,158 主な資産は、運用寄託金の 124 兆 9,839 億円です。これは、国民年金勘定及び厚生年金勘 定からの年金積立金管理運用独立行政法人への寄託額を計上しています。厚生年金・国民年金の 積立金は、独立行政法人である年金積立金管理運用独立行政法人に寄託され、法人が定めた運用 方針に従って、国内外の債券、株式等に分散して運用しています。 主な負債は、公的年金預り金の 136 兆 2,650 億円です。これは、将来の年金給付財源の一 部が積立金等の資産として保有されているため、当該資産に見合う金額を「公的年金預り金」と して計上しているものです。 なお、借入金は、政府管掌健康保険の昭和 48 年度末累積債務及び昭和 59 年度末日雇労働者 健康保険事業累積債務に係る借入金です。 資産・負債差額の発生原因は、主に基礎年金勘定の剰余金及び積立金です。

⑤ 保険料率の根拠及び保険料率を見直す仕組みの内容等

(国民年金勘定及び厚生年金勘定) 平成 16 年の年金制度改正において保険料水準固定方式が導入され、保険料率については最終 的な保険料の水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を行うこととしています。 また、定期的(5 年ごと)に、その時点における長期的な財政収支の見通しを計算し、給付水 準の調整を行う必要性の有無等の検証(財政検証)を行うこととなっています

(健康勘定) 健康保険法第 160 条の規定により、協会が管掌する健康保険の一般保険料率(都道府県単位 保険料率)は、30/1000 から 120/1000 までの範囲内において協会が決定するものとされ ており、毎事業年度において財政の均衡を保つことができるものとなるよう政令で定めるところ により算定するものとされています(22 年度から 24 年度までの間は、毎事業年度における財 政の均衡に係る特例(健康保険法附則 8 条の 3)が設けられており、現行の一般保険料率は全 国平均で 93.4/1000)。 また、船員保険においては、船員保険法第 120 条の規定により、一般保険料率は疾病保険料 率と災害保健福祉保険料率を合計したものとされています。疾病保険料率は、40/1000 から 110/1000 までの範囲内において、また、災害保健福祉保険料率は、10/1000 から 35/1000 までの範囲内において、それぞれ協会が決定するものとされており、毎事業年度において財政の 均衡を保つことができるものとなるよう政令で定めるところにより算定するものとされていま す(現行の疾病保険料率は 92.5/1000、災害保健福祉保険料率は 14/1000)。

(11)

(児童手当及び子ども手当勘定) 児童手当拠出金については、児童手当法及び平成22年度における子ども手当の支給に関する 法律により(1)サラリーマンに係る児童手当の給付見込み額の 7/10、(2)特例給付の給付見 込み額の 10/10、(3)児童育成事業のうち拠出金を充てる額の合計した額を賄える水準に設定 された拠出金率により算定することとされており、当該拠出金率を毎年度政令で定めています。

(4)その他

行政改革推進法に基づき、特別会計法では、厚生保険特別会計と国民年金特別会計を統合し、 国民年金・厚生年金の収支や財政状況について、一覧性・総覧性を確保することとしました。 具体的な取組みとして、 ・ 経費の一覧性を高めるため、統合後の特別会計において業務勘定を一つに統合する ・ 人事・給与等内部管理業務について、特別会計の統合による会計事務の効率化をはじめと する効率化・合理化を推進し、定員の合理化を実現する ・ 資金の流れを簡素化・明確化するため、児童手当拠出金収入を業務勘定を経由させず直接 児童手当勘定で受け入れる こととしました。

年金特別会計についての問い合わせ先

(基礎年金勘定・国民年金勘定・厚生年金勘定・福祉年金勘定)

厚生労働省年金局総務課 電話番号 03-5253-1111(内線 3642)

(健康勘定)

厚生労働省保険局保険課 電話番号 03-5253-1111(内線 3152)

(児童手当勘定)

厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課

電話番号 03-5253-1111(内線 7913)

(業務勘定)

厚生労働省年金局事業企画課会計室

電話番号 03-5253-1111(内線 3546)

参照

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