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2 3 第 2 回研究テーマ居場所って小さいのに無限の広がり 堅苦しそうでなんでもあり 茶室は自由 茶室は宇宙居場所のことを知るために 人間のことをもっと知りたい 太古は未来につながっているなにもしなくてもいい 生きているだけでいい 子どもにとって大切な場所まるきり同じものなのに見方を変えるとまるで

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Academic year: 2021

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no. 20

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第20回 研究テーマ

居場所って

小 さ い の に 無 限 の 広 が り 。 堅 苦 し そ う で な ん で も あ り 。 茶 室 は 自 由 、 茶 室 は 宇 宙 居 場 所 の こ と を 知 る た め に 、 人 間 の こ と を も っ と 知 り た い 。 太 古 は 未 来 に つ な が っ て い る な に も し な く て も い い 。 生 き て い る だ け で い い 。 子 ど も に と っ て 大 切 な 場 所 ま る き り 同 じ も の な の に 見 方 を 変 え る と ま る で 違 う も の に 。 そ れ は 場 所 で も 同 じ こ と 自 然 に 囲 ま れ て 、 都 会 に 育 っ て 。 幼 い 頃 の 、 大 人 に な っ て か ら の 。 好 き な 場 所 の 話 は な ん と も 心 躍 り ま す 地 球 は 私 た ち 人 類 み ん な に と っ て の ふ る さ と 。 長 い 目 を 持 つ と 見 え て く る こ と 年 齢 を 重 ね て も 、 病 を 得 て も 、 あ た り ま え の 生 活 を あ た り ま え に 送 り た い 。 実 践 の 場 を 訪 ね ま す 学 校 、 家 庭 、 街 の な か 。 そ れ か ら ス マ ホ も 彼 ら の 居 場 所 ? ア ン ケ ー ト し て 見 え て き た こ と ふ だ ん 気 に 留 め ず に 通 り 過 ぎ る 場 所 が い き い き す る き っ か け を 限 界 集 落 に あ る 元 校 舎 。 ル ー ル で 縛 り 合 う こ と な く 、 集 っ て 暮 ら す 彼 ら の 日 常 ひ と り ひ と り が 居 心 地 よ く 、 誰 か と 一 緒 で 落 ち 着 け て 。 居 場 所 の 話 は 人 の 話 、 心 の 話 34年 間 で 1 8 6 カ 国 。 終 わ り の な い 旅 は 毎 日 が 驚 き と 冒 険 に 満 ち て い ま す

10代

とす

12 24 10 22 8 20 4 16 7 18 2 14 また社会的には弱者でもあるシニアや子ど もたちに目を向けると、現実には「ここが私 の居場所」とすっきり言えるような環境と出 合えているでしょうか。高齢者の〝その先〟 の居場所が楽しいグループホームであります ように。学校になじめないでいる子に、あり のままの自分でいていいんだよと迎えてくれ るフリースクールがありますように。願望と 取材と喜びがないまぜのページも誕生してい ます。 本号でとりわけうれしいのは、知の巨人で ありながらユニークな活動を展開されている 三人の方々が発言してくださったことです。 「ゴリラと学ぶ」の山極壽一さん、地球の歴 史から〝長尺の目を〟と説く鎌田浩毅さん、 〝 建 築 史 か ら 茶 室 ま で 〟 の 藤 森 照 信 さ ん。 み なさんが考えを共にしてくださった特集・居 場所。さまざまな局面から、居心地のよい場 所の考察と提示ができることを願っています。 自然災害、国家間の紛争、格差社会など大 きな問題に始まって家族の中でのいさかいや さまざまな人間関係のもつれ、住空間への不 満など、私たちをとりまくプレッシャーには 限りがありません。 そこで昔はあまり言わなかったけれど最近 よく耳にする言葉「居場所」に私たちは目を 向けました。人はどんなところに自分にとっ て快い場所を見つけているのか、心からくつ ろげる場所に出合えているのか、生まれてか ら育つ間にどんな〝好きな場所〟を持てただ ろうか。さまざまな設問も生まれます。 生まれたときからケータイがあって、スマ ホがない生活など考えられない十代、二十代 の人たちはヴァーチャルな世界とリアルな世 界とを行き来しています。彼らにとっての居 場所はどこで、どんな感じなのでしょうか。 私たちはアンケートを試みました。同じく私 たちの設問に協力してくれたのは上海で働く 無印良品の仲間たちです。国は変わっても居 場所は、誰もが心の大切なところにちゃんと 置いてある記憶とも感じられました。

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老若男女が入り交じり、にこやかに乾杯をして いる上の写真。誰かの家に集まってホームパーテ ィーでもしているように見えますよね?   実はこ れ、医療福祉グループ清山会の運営するグループ ホームでの一コマです。この会の代表であり診療 所の医師でもある山崎英樹さんに伺ったお話を交 えながら、そこを「居場所」として過ごすお年寄 りや認知症の人たちの日常をご紹介します。 清山会の運営する施設には、認知症の人も大勢 います。でも実際にお会いしてみると、多くの人 がそうは見えません。それはきっと、ごく普通に 暮らせているから。歳を取れば転んだり食べもの を喉に詰まらせたりというリスクは誰にでもある。 認知症だからといって一律に自由を奪うのはおか しい、という思いから「それぞれの人の〝できる こと〟を奪わない」ようにしているからです。 こうした思いの背景には、精神科の医師である 山崎さんの苦い経験がありました。以前に働いて いた医療現場で、病気の人や障害のある人たちの 行動を束縛するという現実を目の当たりにしてき たのです。 「医療は水平ではない」 「人を支配して いる」と感じた山崎さんは、 「人を見下ろしたり、 見 下 ろ さ れ た り し な い 」「 脱 専 門 家 支 配 の 場 所 」 をつくりたいと思い、平成 11年に「いずみの 杜 も り 診 療所」を開設。その後、グループホーム、ケアハ ウス、デイケアなどの施設を増やしていき、現在 の清山会グループができました。 ここでは、 「その人 に 0 何ができるか」ではなく、 「 そ の 人 と 0 何 が で き る か 」 を 常 に 考 え ま す。 た と えば食事。体力のある人は買い出しや料理、後片 付けなどもスタッフと一緒にやりますが、体力が ない人は座ったままでもできる野菜の皮むきをす るといった具合い。老人もそれなりの役割を担っ て い た 昔 の 大 家 族 を 見 る よ う で す。 「 料 理 は、 私 た ち よ り み な さ ん の 方 が は る か に お 上 手 で す か ら」というスタッフの言葉からは、経験豊かな人 生の先輩をリスペクトする姿勢が伝わってきます。 清 山 会 の コ ン セ プ ト は、 「 病 院 で も 介 護 施 設 で もなく、居心地のよい家」 。「人と居ながら、自由 にできる」よう、一日のタイムテーブルはつくら ず、各自の自由意思で過ごしてもらいます。 また、こうした施設にありがちな建物の施錠も、 夜間以外はしていません。出入り自由ですから、 入居者の家族が来たり、地域の人が来たり、スタ ッフの子どもが学校帰りに立ち寄ったり、夏休み に遊びに来たりと、それは賑やか。リスクを覚悟 した上で、一緒に外出したり、人によってはGP S機能付きの携帯を持ってもらったりしながら、 個別に対応しています。 「いくら建物が立派でも、 食事がおいしくても、閉じてしまえば〝施設〟に な る 」「 こ こ も 施 設 で は あ る け ど、 少 し で も 普 通 の暮らしに近づけたい」と山崎さん。それぞれの 人が、それまでなじんできた地域とつながり続け ることを大切にしています。実際、遠くでひとり あた 生活を︑ あた 0 でき 右/ゲームをする人、新聞を読む人、テレ ビを観る人……穏やかな雰囲気の中、誰に も強制されず、自分のやりたいことを。 上/リビングにつながるオープンキッチン。 利用者の希望を聞きながら献立をつくり、 買い出しや料理も利用者と一緒に行います。 「人生100年」といわれる、これからの時代。高齢や病気のために、以前の暮らしを 続けられなくなることもあるでしょう。「その先」の居場所は、誰にとっても大きなテーマ。 幸せな実践モデルがあると聞いて、宮城県の医療福祉グループを訪ねました。 乾杯で始まった、その夜の「居酒屋めぶき」。おかみさん手づくりの料理に加えて持ち寄りのお酒も並び、「ボトルをキープしています」という常連客も。 リュックに手づくりの人形をぶら下げた高 橋クミ子さん。デイケアに通いながら、週 に一度、ここで手芸教室を開いています。 診療所に隣接するリハビリのためのデイケアでは、卓球や麻雀などを楽 しむ人も。同じ悩みを抱える人と出会い、語り合う場にもなっています。

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東 京 の 副 都 心 の ひ と つ で あ る 池 袋 に は 、 大 規 模 な 公 園 が あ り ま せ ん 。 だ か ら こ そ 、 ふ だ ん 気 に も 留 め ず 通 り 過 ぎ て い る 場 所 を ち ょ っ と し た 工 夫 で い き い き と し た 居 場 所 に 変 え て い こ う と 試 み て い ま す 。 歩きしている入居者を見つけ、地域の人が連絡し てくれることもあるとか。地域とのこうした関係 が 築 け て い る か ら こ そ、 「 普 通 に 暮 ら す 」 こ と も 可 能 な の で し ょ う。 認 知 症 で よ く 問 題 に さ れ る 「 徘 徊 」 に つ い て も、 「〝 運 動 好 き な お 年 寄 り 〟 と とらえれば、観方は変わる。水平な言葉の中で関 係性が変わってくる」と山崎さんは言います。 取材にうかがったその日は、ちょうど グループホーム「めぶきの杜」の居酒屋 交流の日でした。二カ月に一度くらい行 わ れ る そ れ は、 入 居 者 の ひ と り、 小 坂 美 恵 子さんの個室で開かれる定例の居酒屋です。 ご自宅でもホームパーティーを楽しんでいたと い う 小 坂 さ ん が、 「 私 の 部 屋 で 飲 ま な い?」 と 他 の人を誘ったのがきっかけだとか。スタッフや他 の入居者もお手伝いはしますが、基本的には「お か み さ ん が つ く っ て 」 お も て な し。 「 お 客 」 は、 入居者をはじめ、入居者の家族、地域の人、スタ ッフ、スタッフの子どもなどで、元スタッフが子 連れでやって来ることもあるといいます。 暖 の 簾 れ ん を く ぐ る と、 そ こ は も う 別 世 界。 「 さ、 ど うぞ。遠慮なく食べてください」と声がかかり、 あちこちで話の輪が広がります。4ページの写真 も、実はこのときのワンショットです。 おかみさんの小坂さんは、茶の湯の師範でもあ り、月に二度はデイケアに行ってお茶を 点 た て、み んなにふるまったりもしているとか。好きなこと を活かして人に喜んでもらい、そのことで自分も また元気になれる。ここでは、そんな好循環がで きているようです。 「誰でも、誰かに、何かに頼って生きている。そ れって、あたりまえですよね」─施設を案内して くださったスタッフ、鈴木みゆきさんの言葉です。 「認知症は誰にでも起こりうること」 「上から目線 で馬鹿にされたり子ども扱いされたりしたら、誰 だって悲しい。認知症になっていたって、同じだ と 思 う ん で す 」。 老 化 や 病 気 の た め に 身 体 機 能 が 衰えたとしても、その人の人間としての尊厳に変 わりはない、と強調します。 ここのスタッフが利用者に対してやさしいのは、 ひとりひとりの人を人間としてリスペクトしてい るから。そして、ここを利用する人たちの表情が 穏やかで満足そうに見えるのは、そのことと無縁 ではないでしょう。人は人として尊ばれて初めて、 そこに居場所を見つけられるのかもしれません。 とで︑ 元気 なれ 「いずみの杜診療所」の立ち上げ以来、同じ志で山 崎さんを支える小林さん、菊池さんと。山崎さんが 以前の病院を辞めるとき、行動を共にしたという。 山崎英樹(やまざき・ひでき 中) 小林 忠(こばやし・ただし 右) 菊池 保(きくち・たもつ 左) この日のメニューは、小坂さんお手製の太巻き寿司、手 づくり餃子、浅漬け、枝豆など。夜勤明けのスタッフも 子連れで参加して、まさに大家族のような雰囲気です。 「居酒屋めぶき」の暖簾をくぐる、おかみ さんの小坂さん。この暖簾も、家庭科の教 員免許を持つ小坂さんの手づくりです。 近年目にすることが増えた、小さな一軒家が建つかどうかというほどの面積の空き地。小さいからこそ、なにかをしようと思ったらすぐ行動に移せます。 人通りの少ない公園は、無意識のうちに足が遠のいてしまうもの。大きく手を加えることなく、人が集えるようにという発想から生まれたマルシェです。 空 き 地 と い う の は 不 思 議 な も の で 、 な ん に も 使 わ れ な い ま ま で い る と 、 土 地 そ の も の の エ ネ ル ギ ー が し ぼ ん で い く よ う に 感 じ ま す 。 そ れ は あ ま り に も っ た い な い 。 東 京 都 豊 島 区 は ﹁ わ た し ら し く 、 暮 ら せ る ま ち 。﹂ を 合 言 葉 に 、 区 内 の さ ま ざ ま な 場 所 を 、 行 政 だ け で な く 、 そ こ に 住 ん で い る 人 や 企 業 と 一 緒 に 活 性 化 さ せ る 取 り 組 み を す す め て い ま す 。 そ の ひ と つ が 、 区 内 の 遊 休 地 な ど を 活 用 す る ﹁ 農 縁 公 園 プ ロ ジ ェ ク ト ﹂。 東 池 袋 の 約 50㎡ と い う 小 さ な 用 地 を プ ラ ン タ ー 菜 園 に す る こ と で 、 空 き 地 が 農 地 に 変 身 で す 。 近 所 に 住 む 人 た ち と 一 緒 に 伝 統 野 菜 の 雑 司 ヶ 谷 ナ ス の 苗 を 植 え 、 無 事 収 穫 し た そ う で す 。 も い だ ナ ス は 、 も ち ろ ん 近 所 の み な さ ん に も お す そ わ け 。 ﹁ 小 さ な 公 園 活 用 プ ロ ジ ェ ク ト ﹂ も 行 っ て い ま す 。 豊 島 区 に は 大 き な 公 園 は な く 、 小 さ な 公 園 や 児 童 遊 園 が 点 在 し て い ま す が 、 あ ま り う ま く 活 用 さ れ て な い と こ ろ も あ る と い う の が 現 状 で す 。 遊 ん で い る 子 ど も や 憩 う 人 た ち が い な い と 、 公 園 と い う 認 識 も 薄 れ て し ま い 、 さ ら に 人 が 集 ま り に く く な る ⋮⋮ 。 東 池 袋 に あ る 日 出 町 第 二 公 園 も そ う い う 存 在 で し た 。 で も 公 園 を 整 備 す る と な る と 、 時 間 は も ち ろ ん 、 お 金 も か か り ま す 。 そ う で は な く 、 ﹁ い ま あ る 場 所 の あ り 方 を 変 え て み る ﹂ こ と を 試 み ま し た 。 そ れ が マ ル シ ェ ﹁ H INO D E MO RN ING M A RK E T ﹂ で す 。 実 は こ の 公 園 は 、 タ ワ ー マ ン シ ョ ン が 建 つ 新 興 エ リ ア と 、 商 店 街 や 木 造 家 屋 が 密 集 し た 古 く か ら の エ リ ア の 中 間 に 位 置 し て い ま す 。 そ の 、 新 旧 の 住 民 た ち が 出 会 う 場 所 に な れ ば と い う 期 待 も 込 め た プ ロ ジ ェ ク ト に 、 地 元 の シ ョ ッ プ が 応 え 、 老 舗 も 新 顔 も 参 加 し ま し た 。 マ ル シ ェ を 開 催 し た こ と で 、 こ こ が 公 園 な の だ と あ ら た め て 認 識 さ れ 、 新 た な 交 流 も 生 ま れ て い く 。 都 会 の 小 さ な 場 所 が 、 ち ょ っ と し た き っ か け で 居 場 所 に な る 。 定 期 的 に 開 催 で き た ら 、 暮 ら し や す さ に も つ な が る 。 課 題 と ヒ ン ト が こ こ に あ り そ う で す 。

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そこに居ると、安心できる、 楽しくなる、充実感をもてる…… 「居場所」には、さまざま意味があります。 ひとりの人の中でも成長につれて 居場所は変わるでしょうし、 幼い頃の居場所が原風景となり、 その後の人生に影響を与えることだって あるかもしれません。 今回は、上海の無印良品で働く人たちに 子どもの頃に好きだった場所と、 大人になった今、 快適に感じる場所を聞いてみました。 徐晨欣子さんが子ども時代に好きだった場所は、 家のすぐ近くにあった「白雲山」。平日の夜は家族 と一緒に麓を散歩し、週末は友だちと連れ立って 山歩きをしました。山頂から見下ろす街の全貌、 おいしい空気、夏の涼風……山苺の生える4月5 月は、特に好きな場所になりました。故郷を離れ て上海でひとり暮らしをしている今、もっともくつ ろげる「居場所」は、自分の好みで飾った自分の 部屋。仕事を終えて、ここで誰の目も気にせず頭 を空っぽにすれば、面倒なことは忘れられます。 「おばあちゃん家の蓮池が大好きだった」と答えたのは、彭笑 さん。柳と蓮が芽を出して生命力に満ち溢れる早春。遊び仲 間とおたまじゃくしを捕まえ、疲れたら竹ベッドやハンモック でひと休みした夏。満潮時に川岸まで寄ってくる魚を、すくい 網だけで獲った初秋。蓮池で蓮根刈りをする職人で賑わい、 採れたての蓮根が路地に並ぶ冬……どの風景も心に刻み込ま れていて、彭笑さんの原風景となっているようです。働き始め て7年たった今、リラックスできるのは、上海の自分の部屋。 そして、連休のときに帰省する実家は、やはりどこよりもリラ ックスできる居場所です。 子どもの頃は、「天井湖公園」が好きだったという曹堃さん。 三つの湖があり、緑が多く、遊具施設もあって、家族や友 だちとゆったり、まったりできるところでした。現在のお気 に入りは、「楊浦自治区大学道」。復旦大学と上海財政経済 大学の間にある学生街です。両サイドのカフェでは、たくさ んの学生や講師が読書をしたり討論したりしていて、アカデ ミックな雰囲気。ショップやレストラン、プライベートシアタ ーもあり、露店の休憩所が多いので、のんびりできるところ も気に入っています。「天井湖公園」で家族や友だちと過ご した幸せな時間と重なるのかもしれませんね。 島で生まれ育ち、海に飽きたことがないという陳西濃さんは、特に 夏の海が大好きでした。海に出た漁船が戻ってくる夕方、石の椅子 に腰かけて夕涼みするお年寄り、電線にとまるスズメ、アイス棒と 冷茶……それらすべてが夏休みの記憶として、心に刻まれています。 だから、上海で暮らす今も、川辺が好き。家の近くの川辺に行くと、 故郷と同じ葦が生えていて、川辺の木の倒影が水面に映り、釣り をするおじさんもいて、懐かしい気分に。夏の夜、少し涼しくなっ たら、スイカを抱いてここに来て、セミの鳴き声を聞きながら、お 散歩中のファミリーや行き交う車を見ていると、なんだか落ち着く のだそうです。やっぱり、自然の傍がいいんですね。 平地の少ない川沿いの町で育った唐崧恒さんは、町の中の広場が 大好きでした。コンパクトな広場でしたが、ビニールづくりの簡易 屋台があって、その中には食べもの屋、ビリヤード屋、ゲームセン ターも。夕飯の後、その広場に行くのが子どもの頃の楽しみでし た。そこには大好きな友だちが居て、おいしいおやつや面白いお もちゃなどがあったからです。そして今は、仕事が終わったら一刻 も早く帰りたいほど、自分の部屋でくつろぐのが好き。ソファに 寝転んでボーッとしたり、テレビを観たり、ルームメイトとおしゃ べりしたり。たまに料理をして友人を招くのも、この部屋です。 「お休みの日は、食事と寝る時間以外はずっと スーパーの裏庭にあるミニ四駆の立体コース に居た」と子どもの頃を振り返るのは、ハル ビン市出身の張猛さん。ゲームに参加したり、 横で観覧したり、仲間同士でミニ四駆の組み 換えについて熱論を交わしたり、アニメの内容 について語り合ったりしました。そんな熱い張 猛さんが、今快適に感じる場所は、バスケッ トのコート。週に1~2回はコートに行って、 働いた後のストレスを解消します。体も鍛えら れるし、見知らぬ人とコミュニケーションする のも面白い。何より、地面にボールが当たっ て弾ける音に青春を感じ、未知のことに向か うパワーをもらえる気がするそうです。 好きだった場所として、「学校」をあげたのは羅丹さん。 早朝から夜遅くまでの学校生活は楽ではなかったけど、 高校生という感受性豊かな年頃にクラスメイトたちと一緒 に過ごし、学んだことが素晴らしい思い出になった、と言 います。今でも、学校の前を通りかかるたびに、緑いっぱ いの並木道を懐かしい気持ちで見るそうです。そして今は、 住んでいる部屋に着くとホッとする生活。メールの返事を しなくてもいいし、喋らなくてもいい。誰にも邪魔されず、 本を読んだり、音楽を聴いたり、映画を観たり、勉強した りできるのがいいと言います。「ひとりの時間」が持てる ことも、居場所の大切な要素なんですね。 上海生まれの劉仲明さんが幼稚園の頃好きだ った場所は、「遊園地の片隅にあった玩具屋」 です。古びた建物でしたが、そこは子どもたち のパラダイス。ギュウギュウに並べられた玩具 が、プラスチック包材の中でまぶしく輝いてい ました。大人になってからは、やわらかな灯り とコーヒー、軽食、本があって、換気の良いと ころが、いちばん快適な場所。道端のカフェや 郊外の書店、公園のあずまや、混雑していない パブリックスペースなども好きな場所です。友 だちとおしゃべりしてもいいし、ひとりで本を 読んだり、仕事をするにもいいと言います。 緑豊かな福建省出身の魏書哲さんは、子どもの 頃のお気に入りの場所を、「川辺の芝生、おばあ ちゃんの家の菜園と近くの山」と書いてくれまし た。門前には町を貫く川が流れていて、夏の夕 方になると、うちわと竹椅子を持って川辺で夕 涼みをしたとか。菜園と近くの山には、春は野苺、 夏にはとうもろこしなど、いろんな作物が育って いたそうです。そんな原風景があるからでしょう。 今でもホッとできる場所は、山と川のあるところ、 緑が多いところ。上海の生活はコンクリートに 囲まれていて、見える緑は道端の木や団地の小 草だけで、青空はもっと贅沢なものになりまし た。それだけに、山水のある風景を見ていると、 快適になるし、心が落ち着きます。 蘇子晗さんにとって、大学のキャンパスは子ども時代の楽 園でした。小学三年生以降、両親の元から離れ、中南大 学鉄道学院のキャンパス近くに住む祖父母と一緒に暮らし た子ども時代。都心に比べて自然豊かなキャンパスでは、 クローバーやヘビイチゴ、マルベリー、バッタなどが友だち でした。ゲームやSNSの代わりに、このキャンパスが謎め いたランドのように、探索の楽しさと驚きを与えてくれたの です。そして今は、上海という街そのものが蘇子晗さんの 居場所。インフラが整い、交通も便利で、治安も比較的 良いこの街だから、快適に安心して暮らせるといいます。 徐晨欣子さん 浙江省麗水市 出身 彭笑さん 湖北省武漢市 出身 曹堃さん 安徽省銅陵市 出身 陳西濃さん 福建省寧徳市 出身 唐崧恒さん 重慶市 出身 張猛さん 黒龍江省ハルビン市 出身 羅丹さん 陝西省西安市 出身 劉仲明さん 上海市 出身 魏書哲さん 福建省三明市 出身 蘇子晗さん 湖南省長沙市 出身

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大切なのは、子どもが「遊びと暮らしの主体を 取り戻す」こと。勉強も遊びも、いまの子は大人 が 与 え た も の を 消 費 す る だ け。 そ れ が 子 ど も の 「自尊感情の低さ」につながっているといいます。 だ か ら、 「 夢 パ ー ク 」 に あ る 遊 具 は、 ハ ン モ ッ ク もウォータースライダーもみんな手づくり。修理 も 自 分 た ち で。 「 子 ど も が 自 分 た ち の 遊 び 場 を 自 分たちでつくっている」ことに着目し、全国の自 治体をはじめ、ユニセフや韓国、中国、ドイツな ど、世界からも視察団が訪れています。 塾の講師をやっていた西野さんが不登校の子ど もの居場所「たまりば」を始めたのは1991年 のこと。学校に行けなくなった小学校一年生の男 の子が「僕はもう大人になれない」と大粒の涙を 流したことがきっかけでした。不登校が原因で母 子 心 中 を 図 っ た ケ ー ス も。 「 不 登 校 は 命 が か か っ ているんですよ。子どもはそれだけ追い詰められ る。僕がこの仕事を続けているのは、救えなかっ たいくつかの命があるからです」 。以来、 「生きて るだけでOKだ」と思える居場所づくりが、西野 さんのライフワークになりました。 でも、当時はまだ「不登校」が許される時代で はなく、周囲からは白い目で見られました。変化 が起きたのは7年目のこと。文部科学省から「居 場所」で過ごした子のその後を調査せよとの依頼 が来たのです。調べてみると面白いことがわかり ま し た。 「 た ま り ば 」 に い た 子 の 9 割 が 高 校 に 進 んでいたのです。驚いたのは行政の方。自由に過 ごす「居場所」の重要性が認識された瞬間でした。 「ここから風向きが変わりましたね」と西野さん。 2000年に川崎市は〈ありのままの自分でいる 権利〉 〈自分を守り、守られる権利〉 〈自分で決め る権利〉などを定めた「子どもの権利に関する条 例 」 を 制 定。 こ れ に 基 づ き、 「 川 崎 市 子 ど も 夢 パ ーク」の構想が実現したのです。いまでは年間約 9万人が訪れる人気施設となり、開園 15年で総利 用者は100万人を超えました。 「そもそも子どもが何もしなくていい場所がなく な っ て き た 」 と 西 野 さ ん。 「 人 生 を 長 い 目 で 見 れ ば、何もしない〝いま〟も大切な時間です。居場 所とは、安全・安心が保たれた、ありのままの自 分でいられる場所であり、関係性のこと。それを つくるのは、 その場にいる人の〝まなざし〟です」 そ の 温 か な ま な ざ し に 見 守 ら れ、 「 夢 パ ー ク 」 には今日も元気な子どもの声がこだましています。 も 掘り、秘密基地ごっこやたき火などができる子ど 「夢パーク」の敷地はおよそ一万㎡。泥遊びや穴 の 楽 園 で す。 こ の 一 角 に「 フ リ ー ス ペ ー ス え ん」があります。学校に行かない、行けない、障 害や病気があるなど、さまざまな背景を持つ子ど も や 若 者 た ち が 通 う 居 場 所 で す。 「 え ん 」 に は 決 まったカリキュラムがありません。いつ何をする かは自分次第。部屋でゲームをしたり、楽器を弾 いたり、スポーツをしたり、外遊びをしたり、一 日中、好きなことをやって過ごしています。 「えん」では、お昼ご飯をみんなでつくって食べ ます。同じ屋根の下でワイワイ食べる楽しい時間。 「 こ う し て 見 て い る と、 誰 が 障 害 者 だ な ん て わ か らないでしょう」と言うのは、施設を管理・運営 するNPO法人「フリースペースたまりば」の西 野博之さん。子どもたちはご飯づくりを通して、 「 自 分 で も 料 理 が で き た 」 と 自 信 を 持 ち、 誰 か に 感謝したり、されたりすることで「ひとりじゃな いんだ」ということに出会っていきます。 生きて だけで 上/自分たちで企画したイベントに向けて練習するアイドルグルー プ「ミラクルキッズ」。下/屋根から飛び降りる子どもたち。「ケガ と弁当は自分持ち」が「子ども夢パーク」のモットーです。  200 0年に制定された﹁川崎市子どもの 権 利 条 例 ﹂。 こ の 第 27条 の 理 念 に 基 づ い て ﹁夢パーク﹂は管理・運営されています。 NPO法人フリースペース たまりば理事長。川崎市子 ども夢パーク所長。フリー スペースえん代表。早稲田 大学非常勤講師。『居場所 のちから』(教育史料出版 会2006)ほか著書多数。 西野博之 (にしの・ひろゆき) 2003年に完成した「川崎市子ども夢パー ク」。子どもの意見を取り入れて、工場跡 地の広い敷地にみんなの夢を実現しました。 神 奈 川 県 川 崎 市 が 運 営 す る ﹁ 川 崎 市 子 ど も 夢 パ ー ク ﹂。 そ の 敷 地 内 に 学 校 に 通 っ て い な い 子 ど も や 若 者 た ち の 居 場 所 が あ り ま す 。 全 国 で も 珍 し い ﹁ 公 設 民 営 ﹂ の 形 で 営 ま れ て い る ﹁ フ リ ー ス ペ ー ス え ん ﹂ の 取 り 組 み を 取 材 し ま し た 。 ご飯をみんなでつくってみんなで食べることを通して、子どもたちは “ 暮らしの主体 ” を取り戻していきます。

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お茶の文化は鎌倉時代に中国から入ってきて、 16世紀後半、千利休によって一気に変革しました。 それまでの茶室は四畳半四つぶんの十八畳に始ま り、八畳、四畳半と縮まっていきました。それを 利休が「 待 た い 庵 あ ん 」で二畳にまで狭めた。この、狭い ことと閉じていることが、いまに通じる茶室の大 切な要素となっています。 そもそも茶室は、うんと広い敷地のうんと立派 な屋敷の、ちょこっと隠れたところにつくられる ものでした。全体の面積からしたら、ケシ粒のよ うなもの。それが、ふだんはギンギンの御殿にい るお殿様たちにとっては居心地がよかった。動物 の「巣」に近いんじゃないかな。動物の巣でそん なに広いのはありませんから。 閉じるというのも、利休がしたことです。茶室 から外は見ない。外からも茶室の内部は見えない。 見せることを、利休は徹底して許さなかった。だ から茶室に人がいる様子がわかる外からの写真っ てありません。少なくとも私は見たことがない。 でも、私が設計した茶室には、大きな開口があ るものも多いです。でも面白いもので、広い窓が あるから外を見るかというと、そうでもない。私 自身も茶室をつくって、そこに路上観察学会の仲 間たちと行ったりするけど、誰も外なんか見ませ ん。茶室にいるとなんとなく気持ちよくなって、 4時間くらいあっという間にたちます。さすがに そ れ 以 上 い る と 飽 き ま す が( 笑 )。 こ の 4 時 間 と いうのは、本式の茶事にかかる時間と同じです。 親しい間柄であっても、狭い場所に一緒にいられ る時間の上限なのかもしれませんね。 茶室というと決まりごとや格式にしばられてい るというイメージがある人も多いけれども、うる さいことは本来言わないのが茶室なんです。だっ て利休はそこらで拾ってきた材料でつくってるん ですから。自分でつくれば人件費もかかりません。 写真の「 矩 く 庵 あ ん 」はお寺の奥にある茶室ですが、こ こは住職が本職の大工並みの腕を持っていて、施 工から細かい仕事まですべて自力。図面も引かず にすすめました。地面から生えているみたいで、 塀にくっついている感じがいいでしょう? 生えているように見える木は栗で、私の故郷、 長野県茅野の山から伐り出したものです。想像を 絶する重量で、半分くらいに削りました。 躙 に じ り口 への梯子も同じ栗で、二股のものを真ん中で半分 に割って梯子に仕立てています。栗は私自身とて も好きなんです。まずかたちがいいし、腐らない のもいい。適当に曲がっているのもいいところ。 針葉樹があまり好きじゃないんです。杉、松、檜、 みんなまっすぐすぎるし、木目もきれいすぎます。 木の原形である針葉樹からすれば、広葉樹はなに が悲しくてこんなにクネクネしているんだって話 ですけどね。 やっぱり自然材料が好きですよ。近代建築は構 造材をそのまま見せるという大原則があって、コ ンクリート打ち放しなどはそこから生まれました。 でも周辺の環境となじませるのには、私は自然材 料を使いたい。だからコンクリートの上に、木や ら石やらを、服のように着せるんです。大事なの は本気で着せること。本気で着せると、あんまり 変じゃないんです。中途半端はいけません。ただ し例外は土で、これは手を出さない方がいい。誰 がやっても土は土。表現にならないんです。 これまでにたくさんの茶室をつくってきました。 もちろんそこでお茶を飲みたいという人もいます が、 希 望 と し て は「 小 さ い 空 間 が 欲 し い 」。 茶 室 の誕生以来、人間の変わらぬ欲求なのかもしれな い。特に海外の人はそうですね。日本に茶室とい う変なものがあるということを知っている人は多 くて、自分の生活のなかにも、ちょっと異質な、 小さな空間をつくりたいと思われるようです。 茶室はいいですよ。私もお茶のことはわからな いのに、人の茶室を設計していたらたまらず欲し くなってつくったくらいですから。ああいう場所 が、ひとりにひとつ、あるといい。大人にとって の、現代の洞穴みたいなものかもしれません。 本来言わな ため 小 さ い の に 広 が り が あ っ て 、 堅 苦 し そ う で 実 は 自 由 で 。 茶 室 は な ん と も 不 思 議 な 場 所 で す 。 そ の 居 心 地 の よ さ は 、 大 人 に な っ て こ そ 気 づ け る も の の よ う で す 。 数 多 く の 茶 室 を 手 が け て き た 藤 森 照 信 さ ん に 、 そ の 面 白 さ と 魅 力 を 語 っ て い た だ き ま す 。 1946年長野県生まれ。東 京大学大学院博士課程修了。 近代建築、都市史研究の第 一人者として活躍。86年、 赤瀬川原平、南伸坊たちと 路上観察学会を結成。建築 家としても作品を多数発表。 藤森照信 (ふじもり・てるのぶ)

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14 15 日本は、1999年の 7月から 9 月にかけての約2カ月にわたって滞 在しています。最初に着いたのは神 戸でした。梅雨空のなか、伝統的な 木造住宅を見たり、盆栽に感嘆した り、青々とした田んぼに心落ち着か せたり。そして四国の奥深い山道を 走り抜け、富士山の麓で食事を堪能 し、渋谷では赤提灯に興味津々だっ たとか。日本にいる時間はとても心 地よく、そして身の安全を感じられ たそうです。 渡り鳥だってある一定のルートで 飛んでいるというのに、日々「次は どこへ行こうか」と考えているおふ たり。落ち着きたいと思ったことは ないのでしょうか。 「その質問には自信を持ってお答え しますよ。ノーです!   私たちはふ たりとも、冒険が好きで、驚きが好 きで、未知のものが大好きです。毎 日決まったことは望みません。そし て多くの国や地域において、定住す るのはとても難しく、複雑な手続き が必要になりますしね。 その土地で暮らす方々の伝統的な 生活を垣間見ることができるのも、 楽しみのひとつです。さまざまな文 化があることを、肌で感じます。そ して土地のみなさんが日常食べてい るものを口にするのは、毎回新鮮な 経験です」 ふたりが過ごしている時間は、私 たちにとっては「旅」に見えるけれ ども、ふたりにとってはごく普通の 日常です。だから訪れる土地と、そ の土地に暮らす人々に、すんなり溶 け込めるのでしょう。いつかは世界 一周を。そう思っている方は、ぜひ シ ュ ミ ッ ト さ ん の サ イ ト を 見 て み て く だ さ い 。「 い つ か 」 を 「 い つ も 」 に変えたふたりにとって、地球すべ てが居場所であり、我が家なのだと いうことが伝わってきます。 スイス人のリリアナ・シュミット さんとエミール・シュミットさん夫 妻が旅を始めたのは1984年のこ と。結婚してから 15年間はチューリ ッヒに住み、ふたりで一所懸命働き、 ビジネスにおいて成功も収めました。 共に築いた資金を元に、終わりのな い旅に出たのです。以来、どこにも 居 を 構 え る こ と な く、 愛 車 の ト ヨ タ・ランドクルーザーに乗り、見知 らぬ土地を訪れ続けています。 「私たちにとって、旅は単なる移動 ではありません。愛車という我が家 でくつろぎながら、初めて目にする ものや土地の人たちに触れ、新たな 冒険に向かっていく、かけがえのな い時間なのです。そしてランドクル ーザーは自動車という存在を超えて、 壮大な旅の大切な一部となっていま す」 ふたりにとって自動車は、移動手 段 で あ る と 同 時 に、 と も に 旅 す る 仲 間 の よ う な も の な の で し ょ う。 五 大 陸 す べ て に 行 っ た シ ュ ミ ッ ト さ ん 夫 妻 が、 こ れ ま で に い ち ば ん 長 く 過 ご し て い る の は ア メリカです。 「 何 回 か に 分 け て 行 っ て い る の で す が、 合 わ せ る と ほ ぼ 2年 間 は ア メ リ カ に い た こ と に な り ま す。 ハ ワ イ と グ ア ム以外の州はすべてまわりました。 アメリカには広大な国立公園がたく さんあります。あれだけ広い国です から、公園によって砂漠あり、山あ り、滝ありと趣が異なり、そのどれ もが素晴らしい。アメリカを訪れて は、自然と自由を満喫し、喜びを感 じています」 旅な だけれども ﹁ 決 ま り き っ た 日 常 よ り も 、 愛 車 で 寝 て 冒 険 を 続 け る 毎 日 が 最 高 ! ﹂ 30年 以 上 に わ た っ て 1 8 6 カ 国 を 旅 し て き た ふ た り の 住 ま い は ﹁ 地 球 ﹂ で す 。 次 は ど こ へ 行 こ う か 、 な に に 出 合 え る か 、 楽 し み は 尽 き ま せ ん 。

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16 17 今回のアンケートに回答を寄せて く だ さ っ た MUJI passport 会 員 の 中で、 10歳から 18歳までの方は10 8名でした。そのうちの9割が 15歳 ~ 18歳で、うち7割弱が高校生でし た。男女比は女性が 75%、男性が 24 %、 1%の方がどちらでもないと答 えました。 まず尋ねたのは「居心地がよいと 思う場所があるか」について。結果 9割以上が「ある」と答え、その中 の多くが「自宅」と答えています。 自宅の中でも「自分の部屋」がいい という人が多く、2位の「居間」を 上まわりました。家族と過ごすより、 自分の部屋にいる方が心地よいと感 じているようです。浴室やトイレに 居場所を見いだしている人もいまし た。 ま た、 「 そ の 他 」 と 答 え た 人 の 中 に は「 彼 氏 の 隣 」「 彼 の 部 屋 」 と いう回答もありました。 逆に「居るのがいやに思える場所 はあるか」を聞いてみると、6割近 くの人が「ある」と答えました。い やな場所の筆頭は「学校」で、その 後 に「 街 中 」「 自 宅 」 と 続 き ま す。 「 そ の 他 」 の い や な 場 所 で は 「 電 車 」 「 満 員 電 車 」と い う 回 答 が あ り ま し た 。 自由回答で「何をしているときが 楽 し い で す か 」 を 聞 く と、 「 友 だ ち と話しているとき」や「音楽を聴い ているとき」が多く、次いで「部屋 にいるとき」 「趣味」などでした。 ス マホ や タ ブ レ ット を 使っている 時 間 を 聞 く と 、「 3 ~ 6 時 間 」 が 半 数 近 く を 占 め 、次 い で 「 1 ~ 2 時 間 」、 少 数 で す が 「 起 き て い る 間 は ず っ と 」という 回 答 も 。使い道 は 「 SN S」 が最 も 多 く 、「 検 索 」「 動 画 を 見 る 」「 ゲ ー ム 」 の 順 で し た 。 アンケートの全体を振り返ると、 「 ひ と り で い る 場 所 や 時 間 」 を 大 切 にしている若者像が浮かびあがって きます。自宅の部屋でくつろぎなが ら、スマホを使ってSNSで連絡を 取ったり、音楽を聴いたりしている ひとときに居心地のよさを感じてい るのでしょう。ゲームの時間が少な いのは、回答者の7割が女性だった からかもしれません。 対象が無印良品のお客様という限 定つきですが、アンケートの結果、 友だちや家族と適度に付き合いなが ら、自分ひとりの気ままな時間を大 切にしている 10代の暮らしぶりが垣 間見えたような気がします。 毎日の中で、落ち着けたり、 居心地がよいと思える場所はありますか? 1日どれくらいの時間、スマートフォンやタブレットを使いますか? あなたの職業 毎日の中で、居るのがいやに思える 場所はありますか? 「ある」と答えた方におうかがいします。 その場所は以下のうちどこですか? (複数回答可) スマートフォンやタブレットでなにをしていますか?(複数回答可) 「ある」と答えた方におうかがいします。 その場所は以下のうちどこですか? (複数回答可) 「自宅」と答えた方におうかがいします。 その場所は自宅の中のどこですか? (複数回答可) あなたの性別 いつか行ってみたい場所は ありますか? パ ソ コ ン や ス マ ー ト フ ォ ン が 登 場 し 、 I T が 暮 ら し の 中 に 入 っ て き て 、 人 々 の ラ イ フ タ イ ル は 大 き く 変 化 し ま し た 。 こ ん な 時 代 に 、若 い 人 は ど こ に 居 場 所 を 見 つ け て い る の で し ょ う か 。 ふ と 気 に な り 、 10代 の 人 の 本 音 を 聞 き た く て 、 M U J I p a s s p o r t で ア ン ケ ー ト を 取 っ て み ま し た 。 ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% 学生 (中学) 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% 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自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% 学生 (中学) 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 男性 24.1% 女性 75.0% Ⓐ Ⓑ Ⓒ Ⓓ Ⓕ Ⓔ ある 92.6% ない 7.4% ある 58.3% 自宅 自宅 学校 街中 学校 塾 塾 街中 仕事先 (アルバイト 含む) 仕事先 (アルバイト 含む) その他 その他 その他 自分の部屋 SNS 検索 動画を見る ゲーム マンガを読む 使ったことがない その他 居間 浴室 トイレ キッチン その他 0.9% ない 41.7% 学生 (高校・高専) 67.6% 学生 (短大・ 大学) 13.9% 会社員 0.9% その他 5.6% (中学)学生 12.0% Ⓐほとんど使わない 3.7% Ⓑ1~2時間 36.1% Ⓒ3~6 時間 45.4% Ⓓ6~10時間 10.2% Ⓔ起きている間はずっと 3.7% Ⓕ持っていない 0.9% 0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 92.0% 58.7% 23.8% 22.2% 9.5% 9.5% 6.3% 77.2% 78.7% 69.4% 57.4% 38.9% 15.7% 10.2% 0.9% 37.0% 19.6% 12.0% 6.5% 2.2% 23.0% 12.0% 5.0% 4.0% 2.0% 0 10 20 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依頼される農作業などの手伝いや、地域外でのア ルバイト収入でまかなっています。地域のお年寄 りに聞くと、 「若い人が居てくれると心強い」 。頼 り 頼 ら れ る こ と で、 「 お 互 い さ ま 」 の 暮 ら し が 成 り立っているようです。 中 に は、 2 週 間 の 予 定 で 訪 れ、 「 居 心 地 が よ く て」そのまま居続ける人もいるとか。その「居心 地よさ」は、どこから来るのでしょう? 石 井 さ ん に 聞 く と、 「 居 た い な ら 居 ら れ る、 嫌 ならいつでも帰れる気楽さ」がありながら「近く に誰かが居る安心感」という答えが返ってきまし た。ここなら、DVDや動画配信サービスを観て も、誰かと共有し、話ができる。夕食を一緒にと るのも、同じ理由からです。喋りたいときは喋れ るし、そうでないときは喋らなくていいので、プ レッシャーを感じることなく居られるとか。 そんなほどよい距離感が保たれるには、空間だ け で な く 時 間 的 な 余 裕 も 必 要 で、 「 僕 た ち は 基 本 的 に 暇 だ か ら 人 の 失 敗 も 許 せ る 」 と 言 い ま す 。「 み んなが暇なら戦争にはならない」とも。たしかに、 「 非 寛 容 」 と い わ れ る こ の 時 代 の 空 気 は、 ひ と り ひとりの余裕のなさと無縁ではないでしょう。 地域からの期待にも応えようとしています。生 産者の高齢化が進み、出品者が減っている地域産 物の直売所に出品するため、敷地内に農産物加工 所を建築。石井さんはラー油を商品化したいと考 え て い て、 「 ニ ー ト が 油 を 売 る っ て、 ち ょ っ と い いでしょ?」とおどけてみせます。 そんな石井さんですが、今でも「外の世界がま ったく平気」というわけではなくて、自分のこと を「 集 落 内 引 き こ も り 」 と 呼 び ま す。 「 集 落 の 人 たちとは何とかやっていけるけど、これより広い 世界に出たら、どうなるのかはわからない」と。 その意味で、都会から遠く離れ山に囲まれたこの 集落は、共生舎で暮らす人たちにとって、母親の 胎内のように安心できる場所なのかもしれません。 紀伊田辺駅から車で約一時間半。山懐に抱かれ て、若者たちの「居場所」はありました。引きこ もりだった人、ニートだった人、疲れ果てて学校 や会社をやめた人、家に居場所がなかった人…… 現代社会の中で生きづらさを感じてきた人たちが、 競争社会から離れて、互いを尊重しながら共生す る社会を目指す「共生舎」です。 お話をしてくださったのは、理事の石井 新 あらた さん。 ご自身も、大学を中退してアルバイトなどを試し たものの人間関係がうまく築けず、引きこもった 経験があるといいます。 共 生 舎 の 理 念 は、 「 そ れ ぞ れ の 立 場 の 人 が お 互 いに個性を認め合い、助け合って生きていく」こ と。食費や光熱費などの拠出を除いて、これ以外 のルールは特にありません。生きものが相手の鶏 の世話だけは一応担当を決めていますが、夕食づ くりも、食器洗いや掃除も、 「当番」はなし。 「ル ールをつくると、それに従わなければというプレ ッシャーが出てくるし、従わない人がいるとイラ イラする人も出てくる。だから、気づいた人が、 その気になった人が、やればいい。誰もその気に ならなかったら?   そのときはやらなくていいん です」 。何とも、おおらかな生活です。 暮らしにかかる費用は、食費や光熱費をひっく るめて月に2万~3万円程度。地域の人たちから 強制されず 共生す で縛らな 携帯電話の電波も届きにくい和歌山県の山中。限界集落と呼ばれる土地で、 廃校になった校舎をシェアして共同生活をしている若者たちがいます。 何もない、一見不自由なそこを、彼らが「居場所」とする理由は、何でしょう? 元小学校の校舎を再利用した共生舎。住民の数9人、平均年齢80歳以上という限界集落で、10代から30代の若者、十数人が共同生活をしています。 上 / そ れ ぞ れ が 好 き な こ と を し て 過 ご す リ ビ ン グ 。 広 々 と し た ス ペ ー ス で お 互 い を 尊 重 し 、 ほ ど よ い 距 離 感 が 保 て ま す 。 左 / 共 生 舎 の 畑 で ニ ン ニ ク を 収 穫 す る 石 井 さ ん 。 集 落 の 人 か ら は ﹁ 周 囲 の 野 原 も 畑 に し て い い よ ﹂ と 言 わ れ て い る と か 。 取材にうかがった日は、年に一度の地区全体の清掃日。集落の 人と一緒に川沿いの道を歩きながら、ゴミ拾いをしていきます。 1988年生まれ。共生舎の募 集に応じて2014年3月から 移住するが、創設者である理 事長の死に伴い、理事として 自主運営に参加。限界集落で の暮らしの楽しさをブログで 発信し続けている。 石井 新 (いしい・あらた)

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「日本列島は7年前の 3月 11日に、 マグニチュード9の大地震に見舞わ れました。このクラスの巨大地震が 起きたのは平安時代以来、千年ぶり のこと。この地震で日本の地面は東 西に5mほど引き延ばされ、それが 元に戻っていく過程で、いま地震や 火山の噴火が増えています。日本は 千年に一度の『大地変動の時代』に 入ってしまったのです」 と、これだけ聞くとちょっと怖く なりますが、 「大丈夫」と鎌田さん。 日本はこれまでに幾度となく大地震 に見舞われ、その度に復興してきま した。これは西洋にはあまりないこ とで、日本人は揺れる大地の上で上 手に生きる術を知っているのです。 火山研究も日本は進んでいて、地下 のマグマが動くときに起きる地震や 地殻変動を観測することで、ある程 度、噴火の予知はできるとか。 「科学の力で予知できれば、前もっ て避難できるし、被害に遭わなくて 済むでしょう。自然災害の多い国ゆ えに発達した〝智恵〟により、私た ちは災害を未然に防いだり、大幅に 減らしたりできるのです」 日本は石油や石炭などの資源もな く、地震が多くて、火山が噴火して、 台風も来る。居場所としてはかなり 不利な条件です。でも、その中で何 を拠り所にして生きてきたかという と、 そ れ は「 人 」。 そ う、 人 が 学 ん で、知識を付け、賢くなることで、 悪条件を 撥 は ねのけて発展してきた国 なのです。国土が狭く、地震が多く、 資源がないゆえに発展できたという のは、面白い視点だと思いました。 「地球のような巨大なものを考える と き は、 『 長 尺 の 目 』 と い っ て、 大 きなスケールで物事を見る必要があ る」と鎌田さんは言います。たとえ ば、 短 期 的 に 見 れ ば C O 2 の 増 加 で 地球は温暖化に向かっていますが、 長尺の目で見ると逆で、むしろ寒冷 化 に 向 か っ て い る と か。 「 過 去 は 未 来を解く鍵」といいますが、過去の 温度変化を見ていくと地球は氷河期 に向かっているようです。このよう に、物事は常にマクロ・ミクロの両 方で見ることが大切だといいます。 今後、地球がどうなっていくかを 尋 ね て み る と、 「 太 陽 は ど ん ど ん 大 きく熱くなっていき、 10億年後には 地球の水は干上がってしまいます。 それまでに人類は別の星に移住しな くてはだめですね」という答えが返 ってきました。いま、世界中で系外 惑星の探査をやっているのは、太陽 系の外に地球のように住める星があ るかどうかを探っているのです。 「不動産の物件探しと同じで、将来 人類が引っ越していける場所を探し ているんですね。 10億年後には家を 出ていかなきゃならないから」と、 笑っておっしゃいました。 住む家を探すとき、明日の暮らし を考えることも大切ですが、子ども が大きくなった日のことも視野に入 れ る 必 要 が あ り ま す ね。 「 長 尺 の 目」で考えるとは、そういうことで しょう。いま現在の居心地を考える だけではなく、もっと長い目で物事 を見つめることの大切さを、地球科 学の話を通じて鎌田さんに教えてい ただきました。私たちが「居場所」 を考えるうえで、大きなヒントをい ただいたような気がします。 「太陽系が誕生したのはいまから 50 億年前のこと。そこから宇宙空間に 漂っていた岩石や氷、チリが集まっ て地球になったのが 46億年前」とい う壮大な歴史から鎌田さんの話は始 まりました。 水星、金星、火星、木星などの惑 星ができるなか、地球にとって幸運 だったのは、生命を育む大量の水が あったこと。水は0℃で凍り、10 0℃で沸騰します。水が液体の状態 でいられるためには、気温が0℃と 100℃の間でなければなりません。 太陽に近い金星は熱すぎて、遠い火 星は寒すぎる。偶然太陽からほどよ い距離にあったために、地球は生命 を宿すことができたのです。 その地球に最初の生物が誕生した のは 38億年前のこと。バクテリアの ような単細胞生物から手足が出てき て、脳ができ、やがて人類にまで進 化 し て き ま し た。 「 で も、 38億 年 前 に生命が生まれて、それが一度も途 絶えなかったのは、実はすごいこと な ん で す よ 」 と 鎌 田 さ ん。 「 地 球 の 生物は何度も絶滅の危機を乗り越え、 ここまで生きてきたのです」 「古生代」 「中生代」 「新生代」とい う言葉を私たちは理科の授業で習い ます。 「生物の代」と書くのは「代」 によって生物の種類がガラッと変わ るため。なぜ変わったかというと、 その境目で生物が絶滅したからです。 たとえば、古生代は6億年前に始ま りましたが、2億5千万年前に生物 の 95%が死滅する大惨事が起きまし た。そして、生き残ったわずか5% の生物が次代の覇者、恐竜となって 進化していったのです。 その恐竜もいまから6500万年 前に、巨大 隕 い ん 石 せ き が地球に落ちてきて 絶滅しました。高さ300mの大津 波が陸を襲い、飛散したチリが日光 を遮って極度の寒冷化に向かったそ うです。その過酷な条件下で生き延 びたのがほ乳類で、それが新生代の 覇者となって繁栄したのです。 「ひとことで言うと、地球の歴史は 想定外の繰り返し。生物は絶滅しま す。でも、全部は死なない。必ず生 き残る者がいて、それが次代の覇者 になる。それを繰り返してきました。 だから、僕たちは生きているだけで ありがたいと思わなくちゃいけない。 完全に絶滅したら、僕らはここに居 ないから。だから、我々は全員 38億 歳なんですよ。 38億歳プラス 20歳と か、 38億歳プラス 40歳とか。それが 我々がいま〝地球〟という居場所に 居る意味なんですね」 絶滅を生き残 た者たち 次代 地球 覇者 大地変動 時代 私たち 居場所︑ 本列島 長尺 を持 自分たち 居場所を考え 考 え て み れ ば 、 い ま 私 た ち が こ う や っ て こ こ に 居 ら れ る の は 、 地 球 と い う 居 場 所 が あ る か ら で す 。 人 類 の ふ る さ と 、 地 球 が ど う や っ て で き た の か 。 い つ ま で 私 た ち は こ こ に 居 ら れ る の か 。 火 山 や 地 震 の 研 究 を し て い る 京 都 大 学 教 授 の 鎌 田 浩 毅 さ ん に お 話 を う か が い ま し た 。 1955年生まれ。東京大学理 学部卒業。京都大学大学院 人間・環境学研究科教授。 専門は地球科学。京大の講 義は毎年数百人を集める人 気で教養科目1位の評価。 著書に『地球の歴史』(中 公新書、上中下)ほか多数。 鎌田浩毅 (かまた・ひろき)

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